JP5508233B2 - 二重積分型a/d変換器 - Google Patents

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本発明は、二重積分型A/D変換器に関するものである。
従来から、アナログ値をディジタル値に変換するA/D変換器の一種として、積分器を用いた二重積分型A/D変換器が知られている。また、二重積分型A/D変換器としては、両極性(バイポーラ)の入力電圧をディジタル値に変換することが可能なものが知られている(例えば、特許文献1)。
両極性の入力電圧を変換可能な二重積分型A/D変換器では、抵抗とコンデンサと演算増幅器とを有する積分器が、変換対象の入力電圧を所定の第1積分期間だけ積分した後、入力電圧とは逆極性の参照電圧を積分する。ここで、積分器は、参照電圧を積分する第2積分期間においては出力電圧が基準電圧(例えば、0V)に戻るように動作する。なお、第2積分期間において積分器の出力電圧が基準電圧に戻るまでの時間は放電期間とも呼ばれている。
また、両極性の入力電圧を変換可能な二重積分型A/D変換器では、積分器と、複数のアナログスイッチを具備し積分器に入力電圧と第1の参照電圧と第2の参照電圧とのいずれかを択一的に入力させる入力切替部と、積分器の出力電圧を基準電圧と比較するコンパレータ(比較器)と、入力切替部および積分器を制御する制御部と、コンパレータの出力に基づいて放電期間の間だけ一定周期のクロックパルスをカウントしカウント値をディジタル値として出力するカウンタとを備えた構成が一般的である。ここにおいて、制御部は、コンパレータの出力に基づいて積分器の第1積分期間の出力電圧の極性を判別し、その判別結果に基づいて、積分器に入力電圧とは逆極性の第1の参照電圧あるいは第2の参照電圧が入力されるように入力切替部を制御する。
両極性の入力電圧を変換可能な二重積分型A/D変換器は、単極性(モノポーラ)の入力電圧のみを変換可能な二重積分型A/D変換器に比べて、積分器の出力電圧範囲が広いことによって入力電圧のダイナミックレンジを広くできるという利点や、積分器での放電期間の長さが短いことによって変換レートを速くできるという利点がある。
特開2002−271203号公報
本願発明者らは、両極性の入力電圧を変換可能な二重積分型A/D変換器において、積分器の入力電圧が基準電圧付近の場合に、ディジタル値として異常値が発生してしまうことがあるという知見を得た。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、両極性の入力電圧を変換可能であり、且つ、ディジタル値として異常値が出力されるのを防止することが可能な二重積分型A/D変換器を提供することにある。
本発明の二重積分型A/D変換器は、両極性の入力電圧を変換可能な二重積分型A/D変換器であって、入力電圧を積分する第1積分期間が終了する直前において積分器の出力電圧が基準電圧よりも高い第1の比較基準電圧と前記基準電圧よりも低い第2の比較基準電圧との範囲内にあり、且つ、前記基準電圧よりも高い第1の参照電圧あるいは前記基準電圧よりも低い第2の参照電圧を積分する第2積分期間において一定周期のクロックパルスをカウントし前記積分器の出力電圧が前記基準電圧に戻るまでのカウント値をディジタル値として出力するカウンタがオーバーフローしたときに、前記カウンタのカウント値をゼロにリセットさせる補正手段を備えることを特徴とする。
この二重積分型A/D変換器において、複数のアナログスイッチを具備し前記積分器に前記入力電圧と前記第1の参照電圧と前記第2の参照電圧とのいずれかを択一的に入力させる入力切替部と、前記積分器の出力電圧を前記基準電圧と比較するコンパレータと、前記第1積分期間が終了する直前において前記積分器の出力電圧が前記範囲内にあるか否かを判別するウィンドウコンパレータと、少なくとも前記入力切替部および前記カウンタを制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記第1積分期間が終了した直後における前記コンパレータの出力に基づいて前記積分器の出力電圧の前記基準電圧に対する大小に基づく極性を判定し判定結果の極性に応じて前記入力切替部を制御する機能と、前記第2積分期間の開始後に前記第2積分期間において前記コンパレータの出力が反転したときに前記カウンタのカウント動作を停止させる機能と、前記カウンタのカウント値に前記判定結果の極性とは逆の極性を表す符号を付加させる機能とを有し、前記補正手段は、前記ウィンドウコンパレータにより前記積分器の出力電圧が前記範囲内にあると判定され、且つ、前記カウンタのオーバーフローフラグがセットされているときに、前記カウンタのカウント値をゼロにリセットさせることが好ましい。
この二重積分型A/D変換器において、前記ウィンドウコンパレータは、前記積分器の出力電圧と前記第1の比較基準電圧とを比較する第1のコンパレータと、前記積分器の出力電圧と前記第2の比較基準電圧とを比較する第2のコンパレータとを有することが好ましい。
この二重積分型A/D変換器において、前記コンパレータの基準電圧入力端への前記基準電圧の入力をオンオフする第1のアナログスイッチを備え、前記ウィンドウコンパレータは、前記コンパレータと、前記コンパレータの前記基準電圧入力端への前記第1の比較基準電圧の入力をオンオフする第2のアナログスイッチと、前記コンパレータの前記基準電圧入力端への前記第2の比較基準電圧の入力をオンオフする第3のアナログスイッチとを有し、前記制御部は、前記ウィンドウコンパレータを制御する機能を有し、前記第1〜前記第3のアナログスイッチを択一的にオンさせることが好ましい。
この二重積分型A/D変換器において、前記制御部は、前記コンパレータの動作期間において、前記第2のアナログスイッチ、前記第3のアナログスイッチ、前記第1のアナログスイッチの順で前記第1〜前記第3のアナログスイッチを択一的にオンさせる、もしくは、前記第3のアナログスイッチ、前記第2のアナログスイッチ、前記第1のアナログスイッチの順で前記第1〜前記第3のアナログスイッチを択一的にオンさせることが好ましい。
この二重積分型A/D変換器において、前記第1の比較基準電圧として前記第1の参照電圧を兼用し、前記第2の比較基準電圧として前記第2の参照電圧を兼用することが好ましい。
この二重積分型A/D変換器において、前記第1積分期間をT1、前記第1積分期間の開始から前記第1積分期間が終了する前記直前までの時間をT12とするとき、前記第1の比較基準電圧および前記第2の比較基準電圧それぞれの前記基準電圧との電圧差は、予め設定された前記カウンタの最大出力値に対応する前記積分器の出力電圧の(T12/T1)倍以下に設定されてなることが好ましい。
この二重積分型A/D変換器において、前記第1の比較基準電圧および前記第2の比較基準電圧は、前記基準電圧から生成されてなることが好ましい。
本発明の二重積分型A/D変換器においては、両極性の入力電圧を変換可能であり、且つ、ディジタル値として異常値が出力されるのを防止することが可能となる。
実施形態1の二重積分型A/D変換器の回路図である。 同上の動作説明図である。 同上の動作説明図である。 実施形態2の二重積分型A/D変換器の回路図である。 同上の動作説明図である。
(実施形態1)
以下、本実施形態の二重積分型A/D変換器について図1〜図3に基づいて説明する。
本実施形態の二重積分型A/D変換器は、両極性(バイポーラ)のアナログの入力電圧Vinをディジタル値に変換することが可能なものである。
本実施形態の二重積分型A/D変換器は、積分器1と、積分器1への入力を切り替える入力切替部2とを備えている。また、二重積分型A/D変換器は、積分器1の出力電圧Voutを基準電圧VAGNDと比較するコンパレータ3と、一定周期のクロックパルスをカウントしカウント値をディジタル値として出力するカウンタ4とを備えている。さらに、二重積分型A/D変換器は、積分器1、入力切替部2およびカウンタ4それぞれを制御する機能を有する制御部5とを備えている。なお、制御部5は、適宜のプログラムを搭載したマイクロコンピュータなどにより構成してもよいし、タイミングコントロール回路や、それぞれ所望の機能を実現するように設計した複数の回路などの組み合わせにより構成してもよい。
積分器1は、演算増幅器OP1を備え、演算増幅器OP1の反転入力端子に抵抗(入力抵抗)Rが接続されるとともに、演算増幅器OP1の反転入力端子と出力端子との間にコンデンサCが接続されている。ここで、積分器1は、演算増幅器OP1の非反転入力端子の電位が、基準電圧VAGNDに設定されるように構成されている。要するに、積分器1は、演算増幅器OP1と抵抗RとコンデンサCとを用いた反転積分器の構成となっており、抵抗RとコンデンサCとの直列回路を有している。
これに対し、入力切替部2は、積分器1に入力電圧Vinと当該入力電圧Vinとは逆極性の第1の参照電圧VREF+あるいは第2の参照電圧VREF-とのいずれかを択一的に入力させることができる構成となっている。ここで、第1の参照電圧VREF+は、基準電圧VAGNDよりも所定電圧Vrefだけ高い電圧であって、VREF+=VAGND+Vrefであり、第2の参照電圧VREF-は、基準電圧VAGNDよりも所定電圧Vrefだけ低い電圧であり、VREF-=VAGND−Vrefである。
入力切替部2は、入力電圧Vinが入力される入力端子(図示せず)と積分器1との間に設けられたアナログスイッチSW1と、第1の参照電圧VREF+が入力される第1参照電圧端子(図示せず)と積分器1との間に設けられたアナログスイッチSW2と、第2の参照電圧VREF-が入力される第2参照電圧端子(図示せず)と積分器1との間に設けられたアナログスイッチSW3とを備えている。要するに、入力切替部2は、複数のアナログスイッチSW1〜SW3を具備している。
上述の入力端子に入力される入力電圧Vinとしては、例えば、図示しないセンサ(例えば、赤外線センサなど)の出力電圧をプリアンプ(図示せず)などにより増幅して得られた電圧信号がある。また、演算増幅器OP1の非反転入力端子が接続される基準電圧端子には、基準電圧VAGNDを出力する基準電圧源(図示せず)を接続する。また、上述の第1参照電圧端子には、第1の参照電圧VREF+を出力する第1参照電圧源(図示せず)を接続し、上述の第2参照電圧端子には、第2の参照電圧VREF-を出力する第2参照電圧源(図示せず)を接続する。ここで、第1の参照電圧VREF+および第2の参照電圧VREF-は、基準電圧VAGNDから生成されていることが好ましい。すなわち、第1の参照電圧源、第2の参照電圧源は、基準電圧源から出力される基準電圧VAGNDから第1の参照電圧VREF+、第2の参照電圧VREF-を生成するものが好ましい。基準電圧源としては、例えば、基準電圧発生回路を用いることが好ましい。
上述の積分器1は、入力電圧Vinを第1積分期間T1(図2、図3参照)だけ積分した後に、基準電圧VAGNDに対して入力電圧Vinとは逆極性の第1の参照電圧VREF+あるいは第2の参照電圧VREF-を積分する。ここで、積分器1は、第1の参照電圧VREF+あるいは第2の参照電圧VREF-を積分する第2積分期間T2(図2、図3参照)に、コンデンサCの電荷が放電される。
制御部5は、第1積分期間T1には、演算増幅器OP1の反転入力端子に抵抗Rを介して入力電圧Vinが入力され、第2積分期間T2には、演算増幅器OP1の反転入力端子に抵抗Rを介して第1の参照電圧VREF+あるいは第2の参照電圧VREF-が入力されるように入力切替部2を制御する。ここにおいて、制御部5は、アナログスイッチSW1〜SW3のオンオフを制御する制御信号S1〜S3を出力する。この制御部5は、第1積分期間T1が終了した直後におけるコンパレータ3の出力V3に基づいて積分器1の出力電圧Voutの基準電圧VAGNDに対する大小に基づく極性を判定し判定結果の極性に応じて入力切替部2を制御する機能を有している。ここで、制御部5は、コンパレータ3の出力V3に基づいて積分器1の出力電圧Voutの極性を判定する。具体的には、制御部5は、第1積分期間T1が終了した直後において、コンパレータ3の出力V3がHレベルの場合には積分器1の出力電圧Voutをプラス(入力電圧Vinの極性をマイナス)と判定し、コンパレータ3の出力V3がLレベルの場合には積分器1の出力電圧Voutをマイナス(入力電圧Vinの極性をプラス)と判定する。そして、制御部5は、積分器1の出力電圧Voutについての極性の判定結果に応じて、積分器1に第1の参照電圧VREF+と第2の参照電圧VREF-とのいずれか一方が入力されるように入力切替部2を制御する。要するに、制御部5は、第1積分期間T1が終了した直後において、コンパレータ3の出力V3がHレベルの場合には積分器1に第1の参照電圧VREF+を入力させ、コンパレータ3の出力V3がLレベルの場合には積分器1に第2の参照電圧VREF-を入力させる。
これにより、積分器1の第1積分期間T1には、入力電圧VinとコンデンサCの容量値と抵抗Rの抵抗値とで決まる第1の電流が流れてコンデンサCが充電され、第2積分期間T2には、第1の参照電圧VREF+あるいは第2の参照電圧VREF-とコンデンサCの容量値と抵抗Rの抵抗値とで決まる第2の電流が流れてコンデンサCの電荷が放電される。
また、積分器1は、コンデンサCに、リセット用のアナログスイッチSW4が並列接続されている。したがって、積分器1は、リセット用のアナログスイッチSW4をオンさせることにより、コンデンサCの残留電荷を放電させるリセット期間T0(図3参照)を設けることができる。このアナログスイッチSW4のオンオフは、上述の制御部5からの制御信号S4によって制御される。カウンタ4のカウント値は、第2積分期間T2の後の読み出し期間T3(図2、図3参照)に読み出される。
制御部5は、リセット期間T0、第1積分期間T1、第2積分期間T2、読み出し期間T3がサイクリックに繰り返されるように、各アナログスイッチSW1〜SW4のオンオフのタイミングを制御する。したがって、本実施形態の二重積分型A/D変換器の変換レートは、リセット期間T0と第1積分期間T1と第2積分期間T2と読み出し期間T3との合計の時間により決まる。各アナログスイッチSW1〜SW4は、nチャネルMOSトランジスタにより構成することが好ましく、これにより、pチャネルMOSトランジスタにより構成する場合に比べて、オン抵抗を低減できるとともに、高速動作が可能となる。
上述のカウンタ4は、一定周期のクロックパルスを出力するクロックパルス発生部6からのクロックパルスをカウントする。このカウンタ4は、積分器1のリセット期間T0に、制御部5からのリセット信号によってリセットされ、制御部5からのカウント開始信号によって積分器1の第2積分期間T2の開始と同時に動作(カウント動作)が開始され、その後にコンパレータ3の出力V3が変化(反転)したときに動作(カウント動作)が終了される。したがって、カウンタ4は、第2積分期間T2において積分器1の出力電圧Voutが基準電圧VAGNDに戻るまでの放電期間T4のみクロックパルスをカウントしカウント値をディジタル値として出力する。ここにおいて、制御部5は、カウンタ4のカウント値に判定結果の極性を表す符号を付加させる機能を有している。具体的には、例えば、カウンタ4のカウント値に極性を表す符号(+、−)を付加する符号付加回路をカウンタ4の後段に設け、制御部5によって符号付加回路を制御することでカウント値に符号を付加させればよい。
積分器1の出力電圧Voutの絶対値は、第1積分期間T1においては入力電圧Vinの値に比例した傾きで増加し、第2積分期間T2においては一定の傾きで減少するので、放電期間T4の長さは、入力電圧Vinに比例する。さらに説明すれば、第1積分期間T1の終了時における積分器1の出力電圧VoutをVaとすると、
Va=−(T1・Vin)/(C・R) (式1)
となる。したがって、第1積分期間T1は、
T1=(C・R)・Va/Vin (式2)
となる。一方、放電期間T4は、
T4=(C・R)・Va/Vref (式3)
となる。そして、式2および式3から、
in=(T4/T1)・Vref
となる。したがって、カウンタ4のカウント値は、入力電圧Vinに比例した値となる。なお、積分器1の第2積分期間T2は、積分器1のコンデンサCの容量値と抵抗Rの抵抗値とで決まる時定数に基づいて決定すればよい。
カウンタ4としては、12ビットのカウンタを用いている。ここで、カウンタ4は、カウント値がオーバーフローしたとき(カウント値がFFFhで飽和したとき)に、オーバーフローフラグがセットされる(Hレベルとなる)。なお、カウンタ4は、12ビットのカウンタに限らず、例えば、8ビットのカウンタや16ビットのカウンタなどを用いてもよい。また、クロックパルス発生部6は、例えば、発振器やクロックパルス発生回路などにより構成すればよい。
積分器1の出力電圧Voutのフルスケールは、二重積分型A/D変換器から出力(本実施形態では、カウンタ4から出力)されるディジタル値のフルスケール(最大出力値)に対応する積分器1の出力電圧幅である。
本実施形態の二重積分型A/D変換器は、第1積分期間T1が終了する直前において積分器1の出力電圧Voutが基準電圧VAGNDよりも高い第1の比較基準電圧VHと基準電圧VAGNDよりも低い第2の比較基準電圧VLとの範囲(以下、規定範囲と称する)VH〜VL内にあり、且つ、第2積分期間T2において一定周期のクロックパルスをカウントしカウント値をディジタル値として出力するカウンタ4がオーバーフローしたときに、カウンタ4のカウント値をゼロにリセットさせる補正手段8を備えている。この補正手段8については後述する。
ところで、本願発明者は、本実施形態の二重積分型A/D変換器において制御部5が上述の補正機能を備えていない基本例について研究開発を行っている際に下記の知見を得た。
物体の温度を検出する赤外線センサの出力電圧をプリアンプにより増幅して基本例の二重積分型A/D変換器の入力電圧Vinとし、当該基本例の二重積分型A/D変換器から出力されるディジタル値を用いて適宜の演算式による演算で物体の温度を求めた場合に、異常値が発生してしまうことがあるという知見を得た。この演算により求めた温度が異常値であるということは、二重積分型A/D変換器により得られたディジタル値が異常値であるということになる。
ここで、赤外線センサとしては物体の温度の上昇に伴い出力電圧が低下する負特性を有するサーモパイルを感温部として備えたものを用いた。そして、本願発明者は、物体としての黒体の温度を連続的に変化させた場合に、黒体の温度と上述の演算式に求められた温度から換算した赤外線センサの出力電圧との関係を調べたところ、換算した赤外線センサの出力電圧に値飛びが発生してしまうことがあるという知見を得た。すなわち、換算した赤外線センサの出力電圧が、黒体の温度の連続的な変化に伴って連続的に変化している途中で値飛びを起こしてしまうことがあるという知見を得た。
本願発明者は、さらに、実験を重ねて鋭意研究を行い、入力電圧Vinの値を種々変更して入力電圧Vinの値とカウンタ4のカウント値とを対比したところ、異常値が発生したのは、積分器1の入力電圧Vinが基準電圧VAGND付近であり、且つ、第2積分期間T2にカウンタ4のオーバーフローフラグがセットされていた場合である、という知見を得た。また、積分器1の出力電圧Vout、基準電圧VAGND、コンパレータ3の出力V3、それぞれの波形をオシロスコープによって計測した結果から、積分器1の入力電圧Vinが基準電圧VAGND付近の場合には、積分器1の出力電圧Vout、コンパレータ3の出力V3それぞれの波形にチャタリングが生じており、第2積分期間T2において、積分器1の出力電圧Voutが、第1積分期間T1の終了時における積分器1の出力電圧Voutの平均値と同じ極性で時間経過とともに基準電圧VAGNDから離れる方向へ変化する現象が起こることがあるという知見を得た。しかしながら、積分器1の出力電圧Voutと基準電圧VAGNDとは熱雑音によってランダムに変動するので、チャタリングがなくても熱雑音に起因して同様の現象が起こる可能性があると推測される。そこで、本願発明者は、異常値が発生する原因について、制御部5において積分器1の出力電圧Voutの極性が誤判定され(言い換えれば、積分器1の入力電圧Vinの極性が誤判定され)、カウンタ4のカウント値がオーバーフローしてしまう現象によるものと推定した。
これに対して、本実施形態の二重積分型A/D変換器は、第1積分期間T1が終了する直前において積分器1の出力電圧Voutが上記規定範囲VH〜VL内にあるか否かを判別するウィンドウコンパレータ7と、上述の補正手段8とを設けてある。これにより、本実施形態の二重積分型A/D変換器では、補正手段8が、ウィンドウコンパレータ7により積分器1の出力電圧Voutが上記規定範囲VH〜VL内にあると判定され、且つ、カウンタ4のオーバーフローフラグがセットされているときに、カウンタ4のカウント値をゼロにリセットさせる。つまり、補正手段8は、読み出し期間T3に、カウンタ4にリセット信号を与えることでカウンタ4をリセットさせてカウンタ4のカウント値をゼロとして出力させる。
ウィンドウコンパレータ7は、制御部5からのトリガ信号の立ち上がりにより動作開始のタイミングが制御され、積分器1の第1積分期間T1が終了する直前において積分器1の出力電圧Voutが上記規定範囲VH〜VL内にあるか否かを判別する。
ウィンドウコンパレータ7は、積分器1の出力電圧Voutと第1の比較基準電圧VHとを比較する第1のコンパレータ71と、積分器1の出力電圧Voutと第2の比較基準電圧VLとを比較する第2のコンパレータ72とを備えている。また、ウィンドウコンパレータ7は、第1のコンパレータ71の出力V71と第2のコンパレータ72の出力V72とを入力とする論理回路73を備えている。ここで、論路回路73は、下記表1の真理値表に示すように第1のコンパレータ71の出力V71がLレベル、第2のコンパレータ72の出力V72がHレベルの場合のみ、この論理回路73の出力V73(ウィンドコンパレータ7の出力V7)がHレベルとなるように構成すればよい。
Figure 0005508233
補正手段8は、例えば、ウィンドウコンパレータ7の出力V7がHレベル、且つ、カウンタ4のオーバーフローフラグがHレベルの場合に、Hレベルのリセット信号を出力するよう論理回路により構成することができる。この補正手段8は、制御部5に設けてもよい。また、上述のクロックパルス発生部6も、制御部5に設けてもよい。
本実施形態の二重積分型A/D変換器の基本となる動作例について図2に基づいて説明する。
図2は、積分器1の入力電圧Vinの極性がマイナスの場合の説明図であり、積分器1の出力電圧Voutの極性が正常に判定された場合の動作例(1)〜(3)と、積分器1の出力電圧Voutの極性が誤判定された場合の動作例(4)とを、例示してある。
動作例(1)は、第1積分期間T1が終了した時点での積分器1の出力電圧Voutが、第1の比較基準電圧VHよりも高く且つフルスケールに達していないときの例である。この動作例(1)では、第1積分期間T1が終了する直前におけるウィンドウコンパレータ7の出力V7がLレベル、且つ、読み出し期間T3においてカウンタ4のオーバーフローフラグがLレベルである。したがって、補正手段8は、リセット信号を出力しない。その結果、カウンタ4のカウント値は、第2積分期間T2の開始後に当該第2積分期間T2においてコンパレータ3の出力V3が反転するまでの期間(放電期間T4に相当する)にカウントされるクロックパルスの数となる。
また、動作例(2)は、第1積分期間T1が終了した時点での積分器1の出力電圧Voutが、第1の比較基準電圧VHよりも低く且つ基準電圧VAGNDよりも高いときの例である。この動作例(2)では、第1積分期間T1が終了する直前におけるウィンドウコンパレータ7の出力V7がHレベル、且つ、読み出し期間T3においてカウンタ4のオーバーフローフラグがLレベルである。したがって、補正手段8は、リセット信号を出力しない。その結果、カウンタ4のカウント値は、第2積分期間T2の開始後に当該第2積分期間T2においてコンパレータ3の出力V3が反転するまでの期間(放電期間T4に相当する)にカウントされたクロックパルスの数となる。
動作例(3)は、第1積分期間T1が終了した時点での積分器1の出力電圧Voutがフルスケールを超えているときの例である。この動作例(3)では、第1積分期間T1が終了する直前におけるウィンドウコンパレータ7の出力V7がLレベル、且つ、読み出し期間T3においてカウンタ4のオーバーフローフラグがHレベルである。したがって、補正手段8は、リセット信号を出力しない。その結果、カウンタ4のカウント値は、第2積分期間T2にカウントされるクロックパルスの数となる。
また、動作例(4)は、第1積分期間T1が終了した時点での積分器1の出力電圧Voutが、第1の比較基準電圧VHよりも低く且つ基準電圧VAGNDよりも高いときの例である。この動作例(4)では、第1積分期間T1が終了する直前におけるウィンドウコンパレータ7の出力V7がHレベル、且つ、読み出し期間T3においてカウンタ4のオーバーフローフラグがHレベルである。したがって、補正手段8は、リセット信号を出力する。その結果、カウンタ4のカウント値は、第2積分期間T2にカウントされるクロックパルスの数から、ゼロにリセットされる。
ところで、動作例(4)について更に詳しいタイムチャートが図3であり、読み出し期間T3において、補正手段8からカウンタ4へ与えられるリセット信号(図3(j)参照)によってカウンタ4のカウント値がゼロにリセットされる。ところで、本実施形態の二重積分型A/D変換器では、補正手段8を上述のように、ウィンドウコンパレータ7の出力V7がHレベル、且つ、カウンタ4のオーバーフローフラグがHレベルの場合に、Hレベルのリセット信号を出力する論理回路により構成する。ここで、ウィンドウコンパレータ7の動作は制御部5からのトリガ信号(図3(g)参照)により開始される。本実施形態では、このトリガ信号の立ち下り時に論理回路73の出力V73をウィンドウコンパレータ7の出力V7(図3(h)参照)としてラッチするようにしている。ただし、トリガ信号の立ち上がり時に論理回路73の出力V73をウィンドウコンパレータ7の出力V7としてラッチしてもよい。いずれにしても、論理回路73を上記表1の真理値表を満足するラッチ回路により構成すればよい。
図2および図3は、積分器1の入力電圧Vinの極性がマイナスの場合の説明図であるが、入力電圧Vinの極性がプラスの場合の動作は積分器1の出力電圧Voutの極性が逆になるだけでその他は同様である。
ところで、本実施形態では、基準電圧VAGNDを1.2Vに設定してあるが、これに限らず、例えば、0.6Vなどでもよい。また、上述の基本例の二重積分型A/D変換器では、上述の赤外線センサの出力電圧をプリアンプにより増幅して入力電圧Vinとした場合に積分器1の出力電圧Voutのチャタリングによる変動幅が±40mV程度であった。そこで、本実施形態の二重積分型A/D変換器を上述の基本例と同様の使用形態で使用する場合には、例えば、所定電圧Vrefを、例えば、50mV〜150mV程度の範囲で適宜設定すればよい。また、この場合、例えば、リセット期間T0を0.3msec、第1積分期間T1を2msec、第2積分期間T2を0.8msec、読み出し期間T3を0.1msec、第1積分期間T1が終了する直前を規定する時間を30μsecとすればよいが、これらの値は一例であり、特に限定するものではない。
以上説明した本実施形態の二重積分型A/D変換器は、入力電圧Vinを積分する第1積分期間T1が終了する直前において積分器1の出力電圧Voutが上記規定範囲VH〜VL内にあり、且つ、第2積分期間T2において一定周期のクロックパルスをカウントし積分器1の出力電圧Voutが基準電圧VAGNDに戻るまでのカウント値をディジタル値として出力するカウンタ4がオーバーフローしたときに、カウンタ4のカウント値をゼロにリセットさせる補正手段8を備えていることにより、両極性の入力電圧Vinを変換可能とするように構成としながらも、ディジタル値として異常値が出力されるのを防止する(異常値が出力される可能性を低減する)ことが可能となる。
また、本実施形態の二重積分型A/D変換器における補正手段8は、ウィンドウコンパレータ7により積分器1の出力電圧Voutが上記規定範囲VH〜VL内にあると判定され、且つ、カウンタ4のオーバーフローフラグがセットされているときに、カウンタ4のカウント値をゼロにリセットさせるので、ウィンドウコンパレータ7の出力V7とカウンタ4のオーバーフローフラグの出力とを入力とする論理回路により構成することができる。
また、本実施形態の二重積分型A/D変換器では、ウィンドウコンパレータ7が、積分器1の出力電圧Voutと第1の比較基準電圧VHとを比較する第1のコンパレータ71と、積分器1の出力電圧Voutと第2の比較基準電圧VLとを比較する第2のコンパレータ72とを有しているので、A/D変換用のコンパレータ3と、ウィンドウコンパレータ7とが別回路で構成されるから、ウィンドウコンパレータ7がA/D変換動作へ与える影響を少なくすることが可能となる。
本実施形態の二重積分型A/D変換器において用いる基準電圧VAGNDは、基準電圧発生回路により生成されており、第1の比較基準電圧VHおよび第2の比較基準電圧VLは、基準電圧VAGNDから生成されている。したがって、基準電圧VAGND、第1の比較基準電圧VH、第2の比較基準電圧VLが時間や温度により変動するような場合でも、第1の比較基準電圧VHおよび第2の比較基準電圧VLが基準電圧VAGNDと同じ傾向で変動することとなる。これにより、基準電圧VAGNDの変動にかかわらず、第1の比較基準電圧VHおよび第2の比較基準電圧VLそれぞれの基準電圧VAGNDとの電圧差を略一定に保つことが可能となる。
また、第1の比較基準電圧VHとして第1の参照電圧VREF+を兼用し、第2の比較基準電圧VLとして第2の参照電圧VREF-を兼用することが好ましい。これにより、第1の比較基準電圧VHおよび第2の比較基準電圧VLを生成するための基準電圧発生回路を省略することができる。
また、第1積分期間T1の開始から第1積分期間T1が終了する直前(極性判定を行う時点)までの時間をT12(図2参照)とするとき、第1の比較基準電圧VHおよび第2の比較基準電圧VLそれぞれの基準電圧VAGNDとの電圧差は、予め設定されたカウンタ4の最大出力値に対応する積分器1の出力電圧Voutの(T12/T1)倍以下に設定することが好ましい。これにより、ウィンドウコンパレータ7によって積分器1の出力電圧Voutが上記規定範囲VH〜VL内にあるか否かを判断した後に、第1積分期間T1において積分器1の出力電圧が飽和するようなことが起こるのを防ぐことが可能となり、本来ならカウンタ4のカウント値をゼロに補正する必要がないにもかかわらず、ゼロに補正されてしまうのを防止することが可能となる。ただし、電圧差は、より小さい方が好ましい。
なお、上述の赤外線センサとしては、例えば感温部および当該感温部の出力電圧を取り出すためのMOSトランジスタを具備する複数の画素部が、半導体基板の一表面側において2次元アレイ状に配置されており、全ての感温部の出力を時系列的に読み出すことが可能なものを用いることが考えられる。この場合には、赤外線センサとプリアンプとの間にマルチプレクサ(アナログマルチプレクサ)を設ければよい。また、感温部がサーモパイルにより構成された赤外線センサを温度センサとして用いる場合、半導体基板の温度を一定に保つことで冷接点の温度を一定温度に保つペルチェ素子を用いるようにすれば、赤外線センサの出力電圧をプリアンプで増幅してからA/D変換して得られるディジタル値を用いて温度を演算することができる。また、ペルチェ素子を用いず、冷接点の温度が周囲温度に依存して変動するような場合には、サーミスタにより冷接点の温度を測定し、赤外線センサの出力電圧およびサーミスタの出力電圧それぞれをプリアンプで増幅してからA/D変換して得られる各ディジタル値を用いて温度を演算すればよい。
また、センサとしては、赤外線センサを例示したが、赤外線センサに限らず、例えば、他の物理量センサや化学量センサなどでもよい。
(実施形態2)
本実施形態の二重積分型A/D変換器の基本構成は実施形態1と略同じであり、図4に示すように、コンパレータ3の基準電圧入力端への基準電圧VAGNDの入力をオンオフする第1のアナログスイッチSW11を備えている点、ウィンドウコンパレータ7の構成などが相違する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を適宜省略する。
本実施形態では、実施形態1にて説明したコンパレータ3をウィンドウコンパレータ7の構成要素として兼用している。すなわち、本実施形態におけるウィンドウコンパレータ7は、コンパレータ3と、コンパレータ3の基準電圧入力端への第1の比較基準電圧VHの入力をオンオフする第2のアナログスイッチSW12と、コンパレータ3の基準電圧入力端への第2の比較基準電圧VLの入力をオンオフする第3のアナログスイッチSW13とを有している。また、ウィンドウコンパレータ7は、第2のアナログスイッチSW12がオンのときのコンパレータ3の出力V3(V312)がLレベルであり、且つ、第3のアナログスイッチSW13がオンのときのコンパレータ3の出力V3(V313)がHレベルである場合のみ、出力V74がHレベルとなる論理回路74を備えており、この論理回路74の出力V74が、ウィンドウコンパレータ7の出力V7となるように構成してある。
第1のアナログスイッチSW11は、コンパレータ3の基準電圧入力端と基準電圧VAGNDが入力される第1端子21との間に設けてあり、第2のアナログスイッチSW12は、コンパレータ3の基準電圧入力端と第1の比較基準電圧VHが入力される第2端子22との間に設けてあり、第3のアナログスイッチSW13は、コンパレータ3の基準電圧入力端と第2の比較基準電圧VLが入力される第3端子23との間に設けてある。
そして、本実施形態の二重積分型A/D変換器では、制御部5が、第1のアナログスイッチSW11、第2のアナログスイッチSW12および第3のアナログスイッチSW13のオンオフのタイミングを制御する機能を有している。ここにおいて、制御部5は、コンパレータ3の動作期間において、第2のアナログスイッチSW12、第3のアナログスイッチSW13、第1のアナログスイッチSW11の順で第1〜第3のアナログスイッチSW11〜SW13を択一的にオンさせる、もしくは、第3のアナログスイッチSW13、第2のアナログスイッチSW12、第1のアナログスイッチSW11の順で第1〜第3のアナログスイッチSW11〜SW13を択一的にオンさせる。これにより、本実施形態の二重積分型A/D変換器では、第1〜第3のアナログスイッチSW11〜SW13が時分割で切り替えられ、コンパレータ3の基準電圧入力端の電圧VREFが時分割で切り替えられるので、第1〜第3のアナログスイッチSW11〜SW13のオンオフによるノイズを低減することが可能となる。ここにおいて、第2のアナログスイッチSW12および第3のアナログスイッチSW13は、第1積分期間T1において第1積分期間T1が終了する直前において順次オンされ、第1のアナログスイッチSW1は、第2のアナログスイッチSW2およびアナログスイッチSW3がオンのとき以外にオンとなる。要するに、制御部5は、第2のアナログスイッチSW12および第3のアナログスイッチSW13を択一的にオンさせる期間以外は第1のアナログスイッチSW1がオンとなるように第1〜第3のアナログスイッチSW1〜SW3をオンさせる。
本実施形態の二重積分型A/D変換器の動作例を図5に示した動作説明図(タイムチャート)に基づいて説明する。
図5に示した動作例は、積分器1の入力電圧Vinの極性がマイナスであり、第1積分期間T1が終了した時点での積分器1の出力電圧Voutが、第1の比較基準電圧VHよりも低く且つ基準電圧VAGNDよりも高いときの例である。
この動作例では、ウィンドウコンパレータ7の出力V7がHレベル、且つ、読み出し期間T3においてカウンタ4のオーバーフローフラグがHレベルである。したがって、補正手段8は、リセット信号を出力する。その結果、カウンタ4のカウント値は、第2積分期間T2にカウントされるクロックパルスの数から、ゼロにリセットされる。
以上説明した本実施形態の二重積分型A/D変換器は、実施形態1と同様、入力電圧Vinを積分する第1積分期間T1が終了する直前において積分器1の出力電圧Voutが上記規定範囲VH〜VL内にあり、且つ、第2積分期間T2において一定周期のクロックパルスをカウントし積分器1の出力電圧Voutが基準電圧VAGNDに戻るまでのカウント値をディジタル値として出力するカウンタ4がオーバーフローしたときに、カウンタ4のカウント値をゼロにリセットさせる補正手段8を備えていることにより、両極性の入力電圧Vinを変換可能とするように構成としながらも、ディジタル値として異常値が出力されるのを防止する(異常値が出力される可能性を低減する)ことが可能となる。
また、本実施形態の二重積分型A/D変換器では、実施形態1にて説明したウィンドウコンパレータ7を構成するための第1のコンパレータ71および第2のコンパレータ72を追加する必要がないので、コンパレータ3とは別途に形成する第1のコンパレータ71および第2のコンパレータ72を用いてウィンドウコンパレータ7を構成する場合に比べて、回路面積および消費電力を低減することが可能となる。
1 積分器
2 入力切替部
3 コンパレータ
4 カウンタ
5 制御部
6 クロックパルス発生回路
7 ウィンドウコンパレータ
8 補正手段
71 第1のコンパレータ
72 第2のコンパレータ
73 論理回路
T1 第1積分期間
T2 第2積分期間
in 入力電圧
out 出力電圧
AGND 基準電圧
REF+ 第1の参照電圧
REF- 第2の参照電圧
H 第1の比較基準電圧
L 第2の比較基準電圧
SW1 アナログスイッチ
SW2 アナログスイッチ
SW3 アナログスイッチ
SW11 第1のアナログスイッチ
SW12 第2のアナログスイッチ
SW13 第3のアナログスイッチ

Claims (8)

  1. 両極性の入力電圧を変換可能な二重積分型A/D変換器であって、入力電圧を積分する第1積分期間が終了する直前において積分器の出力電圧が基準電圧よりも高い第1の比較基準電圧と前記基準電圧よりも低い第2の比較基準電圧との範囲内にあり、且つ、前記基準電圧よりも高い第1の参照電圧あるいは前記基準電圧よりも低い第2の参照電圧を積分する第2積分期間において一定周期のクロックパルスをカウントし前記積分器の出力電圧が前記基準電圧に戻るまでのカウント値をディジタル値として出力するカウンタがオーバーフローしたときに、前記カウンタのカウント値をゼロにリセットさせる補正手段を備えることを特徴とする二重積分型A/D変換器。
  2. 複数のアナログスイッチを具備し前記積分器に前記入力電圧と前記第1の参照電圧と前記第2の参照電圧とのいずれかを択一的に入力させる入力切替部と、前記積分器の出力電圧を前記基準電圧と比較するコンパレータと、前記第1積分期間が終了する直前において前記積分器の出力電圧が前記範囲内にあるか否かを判別するウィンドウコンパレータと、少なくとも前記入力切替部および前記カウンタを制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記第1積分期間が終了した直後における前記コンパレータの出力に基づいて前記積分器の出力電圧の前記基準電圧に対する大小に基づく極性を判定し判定結果の極性に応じて前記入力切替部を制御する機能と、前記第2積分期間の開始後に前記第2積分期間において前記コンパレータの出力が反転したときに前記カウンタのカウント動作を停止させる機能と、前記カウンタのカウント値に前記判定結果の極性とは逆の極性を表す符号を付加させる機能とを有し、前記補正手段は、前記ウィンドウコンパレータにより前記積分器の出力電圧が前記範囲内にあると判定され、且つ、前記カウンタのオーバーフローフラグがセットされているときに、前記カウンタのカウント値をゼロにリセットさせることを特徴とする請求項1記載の二重積分型A/D変換器。
  3. 前記ウィンドウコンパレータは、前記積分器の出力電圧と前記第1の比較基準電圧とを比較する第1のコンパレータと、前記積分器の出力電圧と前記第2の比較基準電圧とを比較する第2のコンパレータとを有することを特徴とする請求項2記載の二重積分型A/D変換器。
  4. 前記コンパレータの基準電圧入力端への前記基準電圧の入力をオンオフする第1のアナログスイッチを備え、前記ウィンドウコンパレータは、前記コンパレータと、前記コンパレータの前記基準電圧入力端への前記第1の比較基準電圧の入力をオンオフする第2のアナログスイッチと、前記コンパレータの前記基準電圧入力端への前記第2の比較基準電圧の入力をオンオフする第3のアナログスイッチとを有し、前記制御部は、前記ウィンドウコンパレータを制御する機能を有し、前記第1〜前記第3のアナログスイッチを択一的にオンさせることを特徴とする請求項2記載の二重積分型A/D変換器。
  5. 前記制御部は、前記コンパレータの動作期間において、前記第2のアナログスイッチ、前記第3のアナログスイッチ、前記第1のアナログスイッチの順で前記第1〜前記第3のアナログスイッチを択一的にオンさせる、もしくは、前記第3のアナログスイッチ、前記第2のアナログスイッチ、前記第1のアナログスイッチの順で前記第1〜前記第3のアナログスイッチを択一的にオンさせることを特徴とする請求項4記載の二重積分型A/D変換器。
  6. 前記第1の比較基準電圧として前記第1の参照電圧を兼用し、前記第2の比較基準電圧として前記第2の参照電圧を兼用することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の二重積分型A/D変換器。
  7. 前記第1積分期間をT1、前記第1積分期間の開始から前記第1積分期間が終了する前記直前までの時間をT12とするとき、前記第1の比較基準電圧および前記第2の比較基準電圧それぞれの前記基準電圧との電圧差は、予め設定された前記カウンタの最大出力値に対応する前記積分器の出力電圧の(T12/T1)倍以下に設定されてなることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の二重積分型A/D変換器。
  8. 前記第1の比較基準電圧および前記第2の比較基準電圧は、前記基準電圧から生成されてなることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の二重積分型A/D変換器。
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