JP5508110B2 - 使い捨ておむつ - Google Patents

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Description

本発明は、いわゆるテープタイプの使い捨ておむつに関する。
大人用のテープタイプの使い捨ておむつでは、ベビー用に比べてサイズが大きいため、上下2つのファスニング部を左右に設ける場合が多い(例えば、特許文献1)。
特開2010−22479号公報
ところで、上記のように上下のファスニング部1,2を左右に有する使い捨ておむつでは、おむつを着用者の腰周り及び脚周り(特に、鼠蹊部)にフィットさせるため、図5に示すように、上下のファスニング部1,2を互いに近接する交差方向に引き寄せた状態で、被付着部3に付着させる場合がある。
しかし、従来の使い捨ておむつでは、図5に示すような装着形態で上下のファスニング部1,2を被付着部3に装着した場合、上下のファスニング部1,2が重なり合い、先に装着されたファスニング部1,2が後から装着するファスニング部1,2の装着の邪魔になることがある。上下のファスニング部1,2が重なりは、後から装着するファスニング部1,2の装着の障害又は装着強度低下の原因になる。また、重なりを回避するために、後から装着するファスニング部1,2の装着位置を最適な位置からわざわざずらさなければならないこともある。
そこで、本発明の解決すべき課題は、上下のファスニング部の重なり又は重なりによる装着強度の低下等を生じることなく、上下のファスニング部を互いに近接する交差方向に引き寄せた状態で被付着部に付着させることができる使い捨ておむつを提供することである。
上記の課題を解決するため、請求項1の発明では、おむつ本体と、付着部をそれぞれ有し、前記おむつ本体の縦方向の後方側の部分における横方向の両側において前記縦方向に間隔をあけて設けられた上側ファスニング部及び下側ファスニング部と、前記おむつ本体の前方側の部分における外面側に設けられ、前記上側ファスニング部及び前記下側ファスニング部の前記付着部が着脱自在に付着される被付着部とを備える使い捨ておむつであって、前記上側ファスニング部と前記下側ファスニング部との前記横方向に沿った寸法が互いに異なっており、前記下側ファスニング部の前記横方向に沿った寸法が、前記上側ファスニング部の前記横方向に沿った寸法よりも小さく、当該使い捨ておむつを略平面状に展開した状態で、前記上側ファスニング部に設けられた前記付着部の少なくとも一部が、前記縦方向から見て、前記下側ファスニング部の前記横方向の外方側の先端よりも前記横方向の外方側に位置している
また、請求項の発明では、請求項1の発明に係る使い捨ておむつにおいて、前記上側ファスニング部及び前記下側ファスニング部は、前記おむつ本体の前記縦方向の後方側の部分における前記横方向の両側の縁部にそれぞれ接合された左右のファスニング基材の前記横方向の外方側の縁部から、前記縦方向に間隔をあけて前記横方向の外方側に延設されている。
また、請求項の発明では、請求項1の発明に係る使い捨ておむつにおいて、前記上側ファスニング部及び前記下側ファスニング部は、前記おむつ本体の前記縦方向の後方側の部分における前記横方向の両側の縁部に、前記縦方向に間隔をあけて接合されている。
請求項1ないし請求項5に記載の発明に係る使い捨ておむつによれば、上側ファスニング部と下側ファスニング部との横方向に沿った寸法が互いに異なっている。それ故、上側ファスニング部と下側ファスニング部との重なりを生じることなく、上側ファスニング部と下側ファスニング部とを互いに近接する交差方向に引き寄せた状態で被付着部に付着させることができる。その結果、上側ファスニング部と下側ファスニング部との重なりにより、先に装着したファスニング部が後から装着するファスニング部の装着の障害になる、あるいは、後から装着するファスニング部の装着強度が低下する等の不都合が生じるのを防止できる。また、重なりを回避するために、後から装着するファスニング部の装着位置を最適な位置からわざわざずらす必要もなくなる。
請求項に記載の発明に関し、上側ファスニング部及び下側ファスニング部を装着する際の要領として、下側ファスニング部を上側ファスニング部よりも先に被付着部に装着する方が、おむつを身体に密着させやすいと共に、おむつによる身体の適度な締め付けが得られやすいことが経験的に分かっている。
そこで、本発明では、下側ファスニング部の横方向に沿った寸法を上側ファスニング部の横方向に沿った寸法よりも小さくしている。このため、先に装着される下側ファスニング部が上側ファスニング部側に大きく引き上げられた状態で装着され、上側ファスニング部の一部が下側ファスニング部の上に重なってしまう場合でも、上側ファスニング部の付着部が設けられた部分が下側ファスニング部に重なる可能性又は重なり度合いを効果的に抑制できる。
請求項に記載の発明に係る使い捨ておむつによれば、使い捨ておむつを略平面状に展開した状態で、上側ファスニング部に設けられた付着部の少なくとも一部が、縦方向から見て、下側ファスニング部の横方向の外方側の先端よりも横方向の外方側に位置している。このため、先に装着される下側ファスニング部が上側ファスニング部側に大きく引き上げられた状態で装着され、上側ファスニング部の一部が下側ファスニング部の上に重なってしまう場合でも、上側ファスニング部の付着部の一部又は全部を、下側ファスニング部と重なることなく確実に被付着部に付着させることができる。
本発明の一実施形態に係る使い捨ておむつが平面状に展開されたときの要部の構成を示す平面図である。 図1の使い捨ておむつのファスニング部材が付着シートに付着された状態を示す図である。 図2に示す状態の他の例を示す図である。 図1に示す構成の変形例を示す図である。 従来の上下のファスニング部の構成を示す図である。
図1ないし図3を参照して、本発明の一実施形態に係る使い捨ておむつ(以下、単に「おむつ」という)の構成について説明する。なお、本明細書において、横方向X及び縦方向Yは、おむつ10が図1のように展開された状態を基準としており、横方向Xは着用者の左右方向に対応しており、縦方向Yは着用者の前後方向又は上下方向にそれぞれ対応している。また、本明細書における上側とは着用者の頭側に対応しており、下側とは着用者のつま先側に対応している。
このおむつ10は、図1及び図2に示すように、おむつ本体11と、左右のファスニング部材12と、本発明に係る被付着部に相当する付着シート13とを備えて構成されている。
おむつ本体11は、内側シート部材21と、外側シート部材22と、吸収コア23とを備えて構成され、着用者の股部を含む領域にあてがわれる。内側シート部材21は、少なくとも横方向Xの中央部が透液性を有している。内側シート部材21には、伸張された状態で弾性部材211が付与された左右の起立シート部212が設けられている。外側シート部材22は、不透液性を有し、吸収コア23の外面側に配置されている。内側シート部材21及び外側シート部材22は、吸収コア23を挟み込むようにして接着剤によって接合される。吸収コア23は、着用者が排泄した排泄液(例えば、尿又は便に含まれる水分等)を吸収する。より具体的には、吸収コア23は、吸液ポリマー及び集合された繊維の集合体からなる繊維集合体の少なくともいずれか一方を備えて構成される。また、このおむつ10では、おむつ本体11の前側及び後側の縁部に沿ってウエスト弾性部材24が伸張された状態で付与されている。また、おむつ本体11の左右の脚周りには、レッグ弾性部材25が伸張された状態で付与されている。
左右のファスニング部材12は、おむつ本体11の縦方向Yの後方側に位置する後側部分における横方向Xの両側の縁部に接合に接合され、おむつ1の着用者の身体への固定に用いられる。より具体的には、各ファスニング部材12は、ファスニング基材31と、本発明に係る付着部に相当する略シート状の付着エレメント32とを備えている。
ファスニング基材31は、不織布等により形成されたシート状の部材であり、本体部311と、上側舌片部312と、下側舌片部313とを有している。本体部311の横方向Xの内方側の部分は、おむつ本体11の内側シート部材21と外側シート部材22との間に挟み込まれた状態で接着剤等の接合手段によりおむつ本体11と接合される。上側舌片部312及び下側舌片部313は、本体部311の横方向Xの外方側の端部から縦方向Yに互いに間隔をあけて横方向Xの外方側に延設されている。
付着エレメント32は、後述する付着シート13に対して着脱自在に付着可能となっており、ファスニング基材31の上側舌片部312及び下側舌片部313の肌面側に接着剤等の接合手段によりそれぞれ接合されている。
そして、上側舌片部312と、その上側舌片部312に付与された付着エレメント32とによって上側ファスニング部41が構成されている。また、下側舌片部313と、その下側舌片部313に付与された付着エレメント32とによって下側ファスニング部42が構成されている。
付着エレメント32と後述する付着シート13とは、着脱自在に係合するループ材とフック材とによって構成されるいわゆる面ファスナーを構成しており、例えば、付着エレメント32にフック材が用いられ、付着シート13にループ材が用いられる。付着シート13の表面には、複数のループ構造が形成されている。付着エレメント32の表面には、付着シート13のループ構造に着脱自在に係合する複数のフック構造が形成されている。なお、変形例として、付着エレメント32にループ材を用い、付着シート13にフック材を用いてもよい。また、付着エレメント32及び付着シート13として、互いに着脱自在に付着できれば面ファスナーに限らず、任意の構成を採用できる。例えば、付着エレメント32及び付着シート13として、粘着テープ及びその粘着テープが着脱自在に付着される付着シートを用いてもよい。
付着シート13は、シート状の形態を有し、外側シート部材22の外面側における前側の部分に接合されており、左右のファスニング部材12に付与された付着エレメント32が着脱自在に付着される。
また、左右のファスニング部材12において、図1に示すように、上側ファスニング部41と下側ファスニング部42との横方向Xに沿った寸法が互いに異なっている。
このため、図2に示すように、上側ファスニング部41と下側ファスニング部42との重なりを生じることなく、上側ファスニング部41と下側ファスニング部42とを互いに近接する交差方向に引き寄せた状態で付着シート13に付着させることができる。その結果、上側ファスニング部41と下側ファスニング部42との重なりにより、先に装着したファスニング部41,42が後から装着するファスニング部41,42の装着の障害になる、あるいは、後から装着するファスニング部41,42の装着強度が低下する等の不都合が生じるのを防止できる。また、重なりを回避するために、後から装着するファスニング部41,42の装着位置を最適な位置からわざわざずらす必要もなくなる。
ここで、上側ファスニング部41及び下側ファスニング部42を装着する際の要領として、下側ファスニング部42を上側ファスニング部41よりも先に付着シート13に装着する方が、おむつ10を身体に密着させやすいと共に、おむつ10による身体の適度な締め付けが得られやすいことが経験的に分かっている。
そこで、図1に示す構成では、下側ファスニング部42の横方向Xに沿った寸法が、上側ファスニング部41の横方向Xに沿った寸法よりも小さくされている。さらに、おむつ10を略平面状に展開した状態において、上側ファスニング部41に設けられた付着エレメント32の少なくとも一部(図1の例では実質的に全部)が、縦方向Yから見て、補助線L(図1参照)で示すように、下側ファスニング部42の横方向Xの外方側の先端42aよりも横方向Xの外方側に位置している。
このため、図3に示すように、先に装着される下側ファスニング部42が上側ファスニング部41側に大きく引き上げられた状態で装着され、上側ファスニング部41の一部が下側ファスニング部42の上に重なってしまう場合でも、上側ファスニング部41の付着エレメント32の一部又は全部を、下側ファスニング部42と重なることなく確実に付着シート13に付着させることができる。図1に示す構成では、上側ファスニング部41の付着エレメント32の全部又はほぼ全部を、下側ファスニング部42と重なることなく確実に付着シート13に付着させることができる。
なお、上述のおむつ10ではおむつ本体11に接合されたファスニング基材31の本体部311から横方向Xの外方側に延設された上側舌片部312及び下側舌片部313をベースにして、上側ファスニング部41及び下側ファスニング部42をそれぞれ構成した。この点に関する変形例として、図4に示すように、おむつ本体11に接合され、おむつ本体11から横方向Xの外方側に延びる上側舌片部312及び下側舌片部313をベースにして、上側ファスニング部41及び下側ファスニング部42をそれぞれ構成してもよい。
10 おむつ、11 おむつ本体、12 ファスニング部材、13 付着シート、21 内側シート部材、211 弾性部材、212 起立シート部、22 外側シート部材、23 吸収コア、24 ウエスト弾性部材、25 レッグ弾性部材、31 ファスニング基材、311 本体部、312 上側舌片部、313 下側舌片部、32 付着エレメント、41 上側ファスニング部、42 下側ファスニング部、X 横方向、Y 縦方向。

Claims (3)

  1. おむつ本体と、付着部をそれぞれ有し、前記おむつ本体の縦方向の後方側の部分における横方向の両側において前記縦方向に間隔をあけて設けられた上側ファスニング部及び下側ファスニング部と、前記おむつ本体の前方側の部分における外面側に設けられ、前記上側ファスニング部及び前記下側ファスニング部の前記付着部が着脱自在に付着される被付着部と、を備える使い捨ておむつであって、
    前記上側ファスニング部と前記下側ファスニング部との前記横方向に沿った寸法が互いに異なっており、
    前記下側ファスニング部の前記横方向に沿った寸法が、前記上側ファスニング部の前記横方向に沿った寸法よりも小さく、
    当該使い捨ておむつを略平面状に展開した状態で、前記上側ファスニング部に設けられた前記付着部の少なくとも一部が、前記縦方向から見て、前記下側ファスニング部の前記横方向の外方側の先端よりも前記横方向の外方側に位置していることを特徴とする使い捨ておむつ。
  2. 請求項1に記載の使い捨ておむつにおいて、
    前記上側ファスニング部及び前記下側ファスニング部は、
    前記おむつ本体の前記縦方向の後方側の部分における前記横方向の両側の縁部にそれぞれ接合された左右のファスニング基材の前記横方向の外方側の縁部から、前記縦方向に間隔をあけて前記横方向の外方側に延設されていることを特徴とする使い捨ておむつ。
  3. 請求項に記載の使い捨ておむつにおいて、
    前記上側ファスニング部及び前記下側ファスニング部は、
    前記おむつ本体の前記縦方向の後方側の部分における前記横方向の両側の縁部に、前記縦方向に間隔をあけて接合されていることを特徴とする使い捨ておむつ。
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