JP5506422B2 - カセット式射出成形用金型 - Google Patents

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Description

本発明は、ランナロックピンを固定させる型部材を交換式にしたカセット式射出成形用金型に関する。
従来、一般に、合成樹脂等で作られる成形品が成形される場合、固定型と可動型の一対の金型が射出成形機に装着され、可動型と固定型の両方に形成されている成形品の形状に対応するキャビティに、溶解した合成樹脂が注入され固化されて、成形品が成形される。
ところで、新製品が開発されると、その新製品に組み込まれる成形品の部品も形状が新しくなる、つまり変更される。したがって、新たに生産される部品の成形品ごとに、成形機に取り付ける金型全体を作り替えなければならないため、成形段取り替えに多大の時間を要して納期の短縮計画を阻害するという課題があった。
このような技術的な課題を踏まえ、成形段取り替えの時間を短縮する技術として、特許文献1が開示されている。特許文献1では、成形品を成形するためのコアとキャビティからなる一対の金型本体が射出成形機に装着される共通の外枠に対して着脱自在な中型のユニット式(カセット式)にする構成が提案されている。
同様な目的で、ピンゲート方式のカセット型の金型の技術として、特許文献2が開示されている。一般に、特許文献2に示されるようなピンゲート方式のカセット型では、母型に固定的に仕込まれたランナロックピンを使用して成形する。この場合、成形品のランナは母型のランナロック部を通過するように設計される。
ところで、一般にピンゲート方式のカセット型の金型においては、成形品のランナは、スプルーからゲートまで最短で形成することが出来ない場合が多い。そため特に成形品が多量の場合又は剛性を必要とする成形品の場合は熱履歴のため、樹脂に無駄が発生して成形品コストの上昇を招き、更には樹脂廃材のため環境に負荷が掛るとい問題が発生する。
また、コアやキャビティ部分を交換式のカセット型にして成形段取り替えの時間を短縮したとしても、カセット側固定型に形成されているランナをロックするためのランナロックピンは、特許文献2にも見られるように固定側取付板に位置決め固定されている。
そして、固定型板(又は固定側受板を用いる場合もある)も、ストリッパープレートも、固定側取付板に位置決め固定されているランナロックピンに合わせて挿通孔を形成されている。
特開平01−306216号公報 特開平08−052766号公報
ところで、新製品の部品が、いままでと形状が大きく異なる成形品であった場合、その成形品のためにランナロックピンの配設位置を変更しなければならない。この場合も、コア、キャビティ、ゲート、ランナ部分はカセット型の交換でよい。
しかし、ランナロックピンの配置位置の変更のためには、固定側取付板と固定型板とストリッパープレートを、成形機本体から取り外して、新しいものと交換しなければならない。
また、従来、ストリッパープレートの型開のときストリッパープレートを一定位置で停止させるストッパ付きのショルダーボルトは、固定側取付板の外側からストッパ部の挿通孔から差し込まれてストリッパープレートにネジ止めされている。
したがって、ランナロックピンの位置決め部と挿通部、及びストリッパープレートを一体的に構成し、固定側取付板に対して交換可能な型部材とすることは、固定側取付板を成形機本体の枠に取り付けたままでは不可能であり、これらを交換式の型部材とすることは着想されていなかった。
しかし、これは、成形段取り替えの時間のより一層の短縮のための阻害要因と、コスト面における不利な点とが、いつまでも解消されないという課題がある。
本発明は、上記従来の課題を解決するために、ランナロックピンを固定させる型部材を交換式にしたカセット式射出成形用金型を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のカセット式射出成形用金型は、ピンゲート方式の3プレート型の金型構造で母型とカセット型を使用して成形を行うカセット式射出成形用金型において、母型の固定型板と固定型取付板を成形機本体に固定したまま交換可能な、ランナロックピンを固定する型部材、を備えることを特徴とする。
本発明は、母型を成形機本体に固定したままランナロックピンを固定する型部材を交換可能とするカセット式射出成形用金型を提供することができる。
本発明の実施例1に係るカセット式射出成形用金型の主要部を示す斜視図である。 本発明の実施例1に係るカセット式射出成形用金型の可動型と固定型をパーティング面で型開きしたときのパーティング面側から固定型を見た図である。 図2のA−A断面矢視図である。 図2のB−B断面矢視図である。 図2のC−C断面矢視図を斜視図で示す図である。 (a),(b) は実施例1に係るカセット式射出成形用金型の成形時の動作を模式的に示す図(その1)である。 (a),(b) は実施例1に係るカセット式射出成形用金型の成形時の動作を模式的に示す図(その2)である。 本発明の実施例2に係るカセット式射出成形用金型の主要部を示す斜視図である。 実施例2に係るカセット式射出成形用金型の落下板の別体形の周囲部とランナロック板と固定型取付板とをパーティング面側から見た図である。 実施例2に係るカセット式射出成形用金型の固定側母型をパーティング面側から見た図である。 (a) は図10のD−D断面矢視図、(b) は図10のE−E断面矢視図、(c) は図10のF−F断面矢視図の斜視図、(d) は図10のG−G断面矢視図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例1に係るカセット式射出成形用金型の主要部を示す斜視図である。尚、図1に示すカセット式射出成形用金型1は、図示を省略したカセット型に代えてカセット側の可動型が入る空間2とカセット側の固定型が入る空間3のみを示している。
カセット側の可動型が入る空間2を形成する可動型4は、受板と一体な形状の可動型取付板5と可動型板6からなる。他方のカセット側の固定型が入る空間3を形成する固定型7は、固定型取付板8と固定型板9とランナロックピンを固定する型部材10から成る。
可動型取付板5及び可動型板6の上下面と、固定型板9の上下面との間には、型開き位置を規制する引張りリンク11が差し渡されて取り付けられている。上記可動型4と固定型7とで母型12が構成されている。
固定側の母型12(つまり固定型7)の型部材の一つである、ランナロックピンを固定させる上記の型部材10は、周囲部13と中央凸部14とが一体に形成されて成る落下板15と、図では隠れて見えないが中央凸部14の裏面に在って周囲部13の凹部に嵌入している後述するランナロック板16とから成る。
図2は、図1に示す可動型4と固定型7をパーティング面17で型開きしたときの固定型7を、パーティング面17側から、つまり空間2及び空間3方向から見た図である。
型部材10は、中央凸部14と周囲部13が図2の矢印aで示すように、固定型板9と固定型取付板8に対し型開方向(図面奥行き方向)とは直角方向(図面左右方向)から交換可能に装着される。
このとき、型部材10は、図1に示すように、落下板15の周囲部13に形成された凸条18が、母型の固定型板9の溝部19にスライド式に係合し、中央凸部14の上下側面が固定型板9の中央凸部収容部の上下案内面21(21a、21b)に案内されて、中央凸部収容部に嵌入する。
この中央凸部14には、図2に示すように、中央にスプルー22が形成され、スプルー22の左右には、それぞれ格子状に並ぶ4×4=16のランナロックピン23を保持するピン孔24が形成されている。
そして、中央凸部14の左右の端部には、それぞれ2個、合計4個のランナロック板止孔25が形成されている。また、中央凸部収容部の上下案内面21を形成すると共に、中央凸部14とで空間3の固定側内壁を形成する固定型板9の面には、中央凸部14の上方と下方に、それぞれ2個、合計4固のショルダーボルト孔26が形成されている。
ショルダーボルト孔26には、ショルダーボルト27が挿通されている。固定型板9の、上方の2個のショルダーボルト孔26の上部手前と下方の2個のショルダーボルト孔26の下部手前に、それぞれカセット側の固定型が係合するレール28(28a、28b)が取り付けられている。
レール28は、それぞれ6個のボルト孔29に挿通されたレールボルト31によって固定型板9にネジ止めされている。また、固定型板9の上下両端部には、それぞれ図面手前方向に突出する2本、合計4本の固定側ガイドピン32が設けられている。
また、固定型取付板8の上下両端部には、それぞれ4個、合計8個の、固定型取付板8を成形本体の枠組みにボルトで固定するためのボルト孔33が形成されている。
図3は、図2のA−A断面矢視図である。図3には図1及び図2と同一構成部分には図1及び図2と同一の番号を付与して示している。
従来は固定型取付板8の外側面に形成されていたストッパ段差付きのショルダーボルト孔が、図3に示すように、段差無しのショルダーボルト孔26となって固定型板9の空間3側面に形成されている。
このように、ショルダーボルト孔26にはストッパ段差が無く、型開きのときは、ショルダーボルト27のストッパ34は、落下板15の周囲部13の空間3側面に直接当接して落下板15つまり中央凸部14を定位置で停止させる。
図4は、図2のB−B断面矢視図である。図4には図2及び図3と同一構成部分には図2及び図3と同一の番号を付与して示している。
図4に示すように、ランナロック板止孔25には、空間3側からロック板ボルト35が挿通されている。このロック板ボルト35により、落下板15の中央凸部14の裏面で周囲部13の凹部に嵌入しているランナロック板16が固定型取付板8に固定されている。
このロック板ボルト35と前述したショルダーボルト27のネジ止めを緩めて、ロック板ボルト35とショルダーボルト27を空間3側へ引き出しさえすれば、落下板15とランナロック板16から成る型部材10を、図2の矢印aの反対方向へ引き抜くことができる。
図5は、図2のC−C断面矢視図を斜視図で示す図である。図5には図1ないし図4と同一構成部分には図1ないし図4と同一の番号を付与して示している。
図5に示すように、ランナロック板16には、落下板15の中央凸部14の図2に示した「(4×4)×2=32」個のピン孔24に対応する本数のランナロックピン23が、ピン保持孔36に植え込まれている。
中央部近傍のランナロックピン23の頭部はスプルーブッシュ37の内側面により押さえ込まれ、周囲部のランナロックピン23の頭部は、固定型取付板8の内側面によって押さえ込まれて、それぞれランナロック板16に固定されている。
そして、ランナロック板16から突出したランナロックピン23の先端側は、落下板15の中央凸部14のピン孔24に挿通されている。このピン孔24が形成されている中央凸部14の空間3側の面に、不図示のカセット側の固定型のランナ形成面が密着する。
スプルーブッシュ37の湯口38からは、スプルーブッシュ37、ランナロック板16及び落下板15の中央凸部14を、図2に示したスプルー22(図5はスプルー22よりも図面向こう側の断面であるのでスプルー22は図外手前側にある)が貫通している。
ランナロックピン23が挿通されているピン孔24は、図2に示したように、略均等に32個配置されている。本例では、如何なる配置のゲートに対しても、スプルー22から直線の最短距離でランナを形成する。
直線状に形成されたランナは、ゲート直近のいずれかの位置でピン孔24の位置を通過する。成形品の成形時にはランナが通過する位置のピン孔24に溶融樹脂が進入する。
ランナロックピン23の先端には、先端面よりも小さな凸部が形成されている。この凸部は、根元の径よりも先端の径がやや大きく形成されている。ピン孔24に進入した溶融樹脂は、根元の径よりも先端の径が大きい凸部を包み込んで固化する。
これにより、固化後のゲート近傍のランナはランナロックピン23の先端の凸部によって保持され、この保持部が型開きのときにゲート固形部をゲート型から引き出すためのランナ押さえ部を形成する。
尚、本例では、ランナロックピン23の配置を「(4×4)×2=32」個の格子状に配置したが、例えば円筒形状の成形品を成形するときは、型部材10を、ランナロックピン23を複数の同心円状に配置した型部材と交換する。
そうすれば、大小異なる円筒形状の成形に対しても、カセット型を入替えるだけで、固定側母型のランナロックピンを固定させる型部材はそのまま使用できる。
図6(a),(b) 及び図7(a),(b) は、本例のカセット式射出成形用金型1の成形時の動作を模式的に示す図である。尚、図6(a),(b) 及び図7(a),(b) には、図1ないし図5と同一の構成部分には、説明に必要な部分にのみ図1ないし図5と同一の番号を付与して示している。
図6(a) は型閉じ状態を示している。この状態でスプルーブッシュ37の湯口38(図5参照)から溶融樹脂がスプルー22(図2参照)に送り込まれる。空間2及び3には図示を省略したカセット型が装着されている。
空間3に装着されたカセット側固定型では、溶融樹脂が落下板15の中央凸部14に接するランナ成形型のランナに送り込まれる。ランナの溶融樹脂はゲート成形型を通過してカセット型のキャビティに送り込まれて成形されて固化する。
キャビティ内で成形品が固化すると、図6(b) に示す型開きが行われる。可動型4が図の左方に移動し、リンク11により、所定の位置で停止する。空間3のカセット側固定型と空間2のカセット側可動型とが分離され、キャビティ内の成形品が取り出される。
図7(a) に示すように、可動型4が更に図の左方に移動する。リンク11を介して可動型4に係合している固定型板9が可動型4と共に左方に移動して、固定型板9と固定型取付板8とのパーティング面が開かれる。
固定型板9は、プラボルト39の頭部ストッパ41に制止されて所定の位置で停止する。この固定型板9と固定型取付板8との型開きで、ランナロックピン23の先端面に形成されている凸部42に保持されて、ランナ固化部とゲート固化部が、空間3のカセット側固定型から引き出される。
続いて、図7(b) に示すように、可動型4が更に図の左方に移動する。リンク11、固定型板9、及びプラボルト39を介して可動型4に係合する落下板15が、可動型4の移動に従って左方に移動する。
移動した落下板15は、ショルダーボルト27のストッパ34により移動を抑止され所定の位置で停止する。落下板15が左方に移動してランナロック板16から離れる。ランナロック板16に固定されているランナロックピン23がピン孔24内を相対的に右方に移動する。
これにより、ランナロックピン23の先端の凸部42に保持されていたランナ押さえ部の固形部が、強制的に凸部42から引き離されると共に、スプルー22の固形部がスプルーブッシュ37の湯口38(図5参照)との境界で、スプルーブッシュ37から切り離される。
ランナ押さえ部の保持を失い、スプルーブッシュとの連絡を絶たれた固形部は、スプルー固形部、ランナ固形部、及びゲート固形部が一体となって、パーティング面の開かれた固定型板9と固定型取付板8との間を図の下方に落下して、不図示の廃棄樹脂容器に収容される。
剛性を必要とする成形品の場合、廃棄樹脂容器に収容された固化樹脂は、1〜3割は再生品として使用されるが、熱履歴の関係で全部は再使用できず7〜9割が廃棄される。
スプルーからゲートまで、ランナが最短の直線距離で形成されるか、屈曲して形成されるかで、ランナ固形部による廃棄樹脂の割合は大幅に増減する。また、剛性を必要とする成形用樹脂原料は極めて高価である。
如何なる形状の成形品に対してもランナを最短の直線距離で形成すべく格子状又は同心円に配置された多数のランナロックピンを落下板に配設した汎用式の型部材の作成には、カセット型に合わせたランナロックピンしか持たない従来の型部材に比べて費用が掛る。
しかし本例の汎用式の型部材によれば、一方で段取替え作業を能率化しながら他方で廃棄樹脂の割合を減らすことができる。廃棄樹脂の割合を減らすことができれば、上記の汎用形の型部材を作成する費用に比べると、費用、環境の面から見て利点の方が大きい。
また、本例のランナロックピン押さえの型部材は、成形品の形状が角形であればランナロックピンが格子状に配置された型部材を、成形品の大小に関わらず使用できる。
また、成形品の形状が円形であればランナロックピンが同心円に配置された型部材に交換して、これまた成形品の大小に関わらず使用できる。したがって、段取替え作業の能率化に大きく貢献できる。
図8は、本発明の実施例2に係るカセット式射出成形用金型の主要部を示す斜視図である。尚、図8には、図1〜図7と同一の構成又は機能部分には、図1〜図7と同一の番号を付与して示している。
また、図8に示すカセット式射出成形用金型45も、図示を省略したカセット型に代えて、カセット側の可動型が入る空間2とカセット側の固定型が入る空間3のみを示している。
この実施例2におけるカセット式射出成形用金型45は、図1〜図7に示したカセット式射出成形用金型1に対して、落下板15の構成が大きく異なり、それに対応して固定型板9の構成もやや異なる。
図8では、固定型板9のカセット側固定型に接する面には、図1に示した上下案内面21(21a、21b)が形成されていない。その面には、落下板の中央凸部14の面が露出しているだけである。この中央凸部14は、図1に示した周囲部13とは別体に構成されている。
図9は、上記の中央凸部14と固定型板9を取り除いて、固定型取付板9、落下板15の周囲部13、及びランナロック板16の、パーティング面17(図8参照)から見た図である。以下、パーティング面17から見た面をパーティング方向面という。
なお、図9には、図面を見やすく示すため、ランナロック板16に固定型取付板9側から植設されてパーティング方向面に突出するランナロックピンの図示は省略している。
図9に示すように、落下板15の中央凸部14と別体に形成されている周囲部13の中央部には、ランナロック板16が固定型取付板9側から嵌入している空間部があり、この空間部の周囲には段差部46が形成されている。
この段差部46は中央凸部14が周囲部13に係合するための凹部47を形成している。凹部47の両側から、中央部に張り出してランナロック板16の両側面に食い込むように中央凸部受け面48が形成されている。
中央凸部受け面48には、中央凸部14を周囲部13に固定するためのネジ孔49が形成されている。また、中央凸部受け面48の上下には、ロック板ボルト35が頭を見せている。
図10は、図8に示す可動型4と固定型7をパーティング面17で型開きしたときの固定型7のパーティング方向面を見た図である。図10に示すD−D、E−E及びF−Fの断面位置は、それぞれ図2に示したA−A、B−B及びC−Cの断面位置と同一である。図10には更にネジ孔49に対応するG−G断面が追加されている。
図11(a),(b),(c),(d) は、それぞれ図10のD−D断面矢視図、E−E断面矢視図、F−F断面矢視斜視図、及びG−G断面矢視図である。尚、図11(c) には可動型板6とリンク11も共に示している。
図11(a) 及び同図(c) は、周囲部13と中央凸部14が別体であることを別にすれば、それぞれ図3及び図5の場合と同一の断面を形成しているので説明は省略し、図11(b) 及び同図(d) について説明する。
先に、図11(d) から説明する。同図に示すように、中央凸部14は、パーティング方向面からネジ孔49に挿通された中央凸部ボルト51によって、周囲部13の中央凸部受け面48に固定されている。
そして、図11(b) に示すように、中央凸部14のランナロック板止孔25にパーティング方向面から挿通されたロック板ボルト35により、ランナロック板16が、中央凸部受け面48の上下合計4箇所で固定型取付板8に固定されている。
図11(a) 〜(d) に示すように、パーティング方向面から中央凸部ボルト51のネジを緩めて引き抜くと、周囲部13に対し中央凸部14を、パーティング方向に平行に着脱することができる。
これにより、ランナロックピン23の先端の凸部42(図7(a) 参照)に保持されていたランナ押さえ部の固形部が、強制的に凸部42から引き離された際に(図7(b) 参照)、図11(c) に示すランナロックピン23の先端や、ピン孔24のパーティング方向面近傍に付着したランナ押さえ部の固形部の残渣等の清掃が容易となる。
なお、本発明は、上述した実施例に限定されるものでなく、実施段階では、その要旨を変更しない範囲で種々変形することが可能である。
本発明は、ランナロックピンを固定させる型部材を交換式にしたカセット式射出成形用金型に利用することができる。
1 カセット式射出成形用金型
2 カセット側の可動型が入る空間
3 カセット側の固定型が入る空間
4 可動型
5 可動型取付板
6 可動型板
7 固定型
8 固定型取付板
9 固定型板
10 型部材
11 引張りリンク
12 母型
13 周囲部
14 中央凸部
15 落下板
16 ランナロック板
17 パーティング面
18 凸条
19 溝部
21(21a、21b) 上下案内面
22 スプルー
23 ランナロックピン
24 ピン孔
25 ランナロック板止孔
26 ショルダーボルト孔
27 ショルダーボルト
28(28a、28b) レール
29 ボルト孔
31 レールボルト
32 固定側ガイドピン
33 ボルト孔
34 ストッパ
35 ロック板ボルト
36 ピン保持孔
37 スプルーブッシュ
38 湯口
39 プラボルト
41 頭部ストッパ
42 凸部
45 カセット式射出成形用金型
46 段差部
47 凹部
48 中央凸部受け面
49 ネジ孔
51 中央凸部ボルト

Claims (2)

  1. ピンゲート方式の3プレート型の金型構造で母型とカセット型を使用して成形を行うカセット式射出成形用金型において、
    母型を成形機本体に固定したまま交換可能な、ランナロックピンを固定する型部材、
    を備え
    前記型部材は、周囲部と中央凸部からなる形状の落下板と、ランナロック板とから成り、型開状態において交換可能に構成され、
    前記落下板の前記周囲部は、前記型開状態において、ショルダーボルトをパーティング面側から固定型取付板に対しネジ止め又はネジ抜き可能に構成され、
    前記落下板は前記周囲部と前記中央凸部とが別体に形成され、前記型開状態において、前記中央凸部のみをパーティング面側から着脱される、
    ことを特徴とするカセット式射出成形用金型。
  2. 前記型部材の前記落下板は、前記周囲部と、固定型取付板及びスプルブシュとの間に前記ランナロック板を介装し、前記中央凸部に格子または同心円に沿って等間隔に配置される複数のランナロックピンを位置決めして収容する、ことを特徴とする請求項に記載のカセット式射出成形用金型。
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