JP5505097B2 - Egrガス冷却構造を備えたシリンダヘッドおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、EGRガスの冷却通路がウォータージャケット内に配置された、EGRガス冷却構造を備えたシリンダヘッドおよびその製造方法に関する。
従来、エンジン等の内燃機関において、燃焼時に発生する窒素酸化物(NOx)の低減化や燃費向上を達成するために、排気再循環装置(EGR(Exhaust Gas Recirculation)装置)が用いられている。
有害成分である窒素酸化物は、エンジン燃焼室の燃焼温度が高くなることによって、空気中の窒素が酸化して発生する。排気再循環装置は、不活性な(酸素量の少ない)気体となった排気ガスの一部(EGRガス)を、シリンダヘッドの排気側から吸気側に再び環流して吸入空気と混合させ、燃焼室内の燃焼温度を低下させることにより、発生する窒素酸化物の低減を図るものである。
有害成分である窒素酸化物は、エンジン燃焼室の燃焼温度が高くなることによって、空気中の窒素が酸化して発生する。排気再循環装置は、不活性な(酸素量の少ない)気体となった排気ガスの一部(EGRガス)を、シリンダヘッドの排気側から吸気側に再び環流して吸入空気と混合させ、燃焼室内の燃焼温度を低下させることにより、発生する窒素酸化物の低減を図るものである。
このようなEGRガスを再循環させる排気再循環装置においては、再循環されるEGRガスを冷却するためのEGRクーラーが備えられている。
前記EGRクーラーとしては、EGRガスの冷却管となる複数の扁平パイプを積層配置し、当該複数の扁平パイプのEGRガス流れ方向の両端部を固定部材(端部プレート)にて固定することで、冷却効率の高いEGRガス通路を構成したものが知られている(例えば、特許文献1に示すEGRクーラーを参照)。
前記EGRクーラーとしては、EGRガスの冷却管となる複数の扁平パイプを積層配置し、当該複数の扁平パイプのEGRガス流れ方向の両端部を固定部材(端部プレート)にて固定することで、冷却効率の高いEGRガス通路を構成したものが知られている(例えば、特許文献1に示すEGRクーラーを参照)。
また、図11、図12(a)、図13(a)に示すように、複数の扁平パイプ132を積層配置し、当該複数の扁平パイプ132のEGRガス流れ方向の両端部を端部プレート133にて固定して構成したEGRクーラーにおいては、例えば扁平パイプ132は、長尺形状の短手方向両端部をプレスなどにより一側に屈曲した金属板を2枚用いて構成されている。具体的には、前記2枚の金属板を、互いに両端部の屈曲方向に対向させて配置し、各金属板の屈曲部同士をろう付けすることにより、扁平状のパイプ部材を構成している。
また、扁平パイプ132の両扁平面(図12における上下面)には、内側方向へ突出する内側突起132p・132p・・・、および外側方向へ突出する外側突起132q・132q・・・を、それぞれ形成している。
このように、内側突起132p・132p・・・を形成することにより、扁平パイプ132が潰れることを防止して、EGRガスが流通する扁平パイプ132の積層方向の内径を一定の寸法に保持し、EGRガス通路の断面積を確保することが可能となっており、さらに外側突起132q・132q・・・を形成することにより、積層した扁平パイプ132・132間の隙間を精度よく確保することが可能となっている。
このように、内側突起132p・132p・・・を形成することにより、扁平パイプ132が潰れることを防止して、EGRガスが流通する扁平パイプ132の積層方向の内径を一定の寸法に保持し、EGRガス通路の断面積を確保することが可能となっており、さらに外側突起132q・132q・・・を形成することにより、積層した扁平パイプ132・132間の隙間を精度よく確保することが可能となっている。
しかし、前述の扁平パイプ132を積層配置して構成したEGRクーラーにおいては、扁平パイプ132がプレスなどにより屈曲させた金属板を用いて構成されているため、前記金属板の屈曲部がスプリングバックして扁平パイプ132の積層方向の内径が拡大することがある(図12(b)参照)。
さらに、扁平パイプ132内には、エンジンの運転時に高温のEGRガスが流れるため、その熱により扁平パイプ132が有する残留歪みが開放したり、扁平パイプ132が膨張したりして、各扁平パイプ132が積層方向の外側へ膨らんで、扁平パイプ132の積層方向の内径が拡大することとなる(図13(b)参照)。
このように、スプリングバックや熱歪みなどにより扁平パイプ132の積層方向の内径が拡大すると、扁平パイプ132内を流通するEGRガスの冷却性能が低下するといった問題が生じる。
さらに、扁平パイプ132内には、エンジンの運転時に高温のEGRガスが流れるため、その熱により扁平パイプ132が有する残留歪みが開放したり、扁平パイプ132が膨張したりして、各扁平パイプ132が積層方向の外側へ膨らんで、扁平パイプ132の積層方向の内径が拡大することとなる(図13(b)参照)。
このように、スプリングバックや熱歪みなどにより扁平パイプ132の積層方向の内径が拡大すると、扁平パイプ132内を流通するEGRガスの冷却性能が低下するといった問題が生じる。
つまり、扁平パイプ132を積層して構成した従来のEGRクーラーにおいては、内側突起132p・132p・・・および外側突起132q・132q・・・により、扁平パイプ132の内部および扁平パイプ132間が積層方向へ押し潰されることは防止可能であったが、扁平パイプ132が積層方向外側へ広がることは抑制することができず、冷却性能の低下を招くことがあった。
そこで、本発明においては、扁平パイプが積層方向外側へ広がることを防止して、高い冷却性能を保持することができるEGRガスの冷却構造を備えたシリンダヘッド、およびその製造方法を提供するものである。
上記課題を解決するEGRガスの冷却構造を備えたシリンダヘッドおよびその製造方法は、以下の特徴を有する。
即ち、請求項1記載のごとく、EGRガスの通路となる扁平パイプ状の冷却管を複数積層し、前記積層した複数の冷却管のEGRガス流れ方向における両端部を、それぞれ固定部材にて固定してEGRガス冷却器を構成し、エンジンのシリンダヘッドに形成されるウォータージャケット内を流れる冷却水が前記冷却管と接触するように、前記EGRガス冷却器を前記ウォータージャケット内に設置し、前記冷却管の両端に配置される固定部材と固定部材との間において、前記冷却管を積層方向内側へ向けて支持する支持手段を有する、EGRガスの冷却構造を備えたシリンダヘッド。
これにより、互いに平行に積層された冷却管が積層方向外側に膨らむことが防止でき、各冷却管の積層方向の内径が拡大することを抑制できて、EGRガスの熱交換率が低下することがなく、EGRガス冷却器の冷却性能を保持することが可能となる。
即ち、請求項1記載のごとく、EGRガスの通路となる扁平パイプ状の冷却管を複数積層し、前記積層した複数の冷却管のEGRガス流れ方向における両端部を、それぞれ固定部材にて固定してEGRガス冷却器を構成し、エンジンのシリンダヘッドに形成されるウォータージャケット内を流れる冷却水が前記冷却管と接触するように、前記EGRガス冷却器を前記ウォータージャケット内に設置し、前記冷却管の両端に配置される固定部材と固定部材との間において、前記冷却管を積層方向内側へ向けて支持する支持手段を有する、EGRガスの冷却構造を備えたシリンダヘッド。
これにより、互いに平行に積層された冷却管が積層方向外側に膨らむことが防止でき、各冷却管の積層方向の内径が拡大することを抑制できて、EGRガスの熱交換率が低下することがなく、EGRガス冷却器の冷却性能を保持することが可能となる。
また、請求項2記載のごとく、前記支持手段は、前記固定部材と固定部材との中間位置に配置される。
これにより、冷却管の積層方向外側への膨らみ防止の効果を大きくすることができる。
これにより、冷却管の積層方向外側への膨らみ防止の効果を大きくすることができる。
また、請求項3記載のごとく、前記冷却管における前記支持手段にて支持される部分には、前記冷却管の積層方向の内径寸法を保持する内径寸法保持部、および積層される冷却管と冷却管との間隔を保持する間隔保持部が形成される。
これにより、前記支持手段の支持力により、冷却管が積層方向内側に過剰に押圧されて押し潰されることを防止できる。
これにより、前記支持手段の支持力により、冷却管が積層方向内側に過剰に押圧されて押し潰されることを防止できる。
また、請求項4記載のごとく、前記支持手段は、前記シリンダヘッドの鋳造時に、前記シリンダヘッドと一体成形される。
これにより、シリンダヘッドに支持突起を形成するための特別な工程を設ける必要がなく、シリンダヘッドにおけるEGRガスの冷却構造の生産性を向上することが可能となる。
これにより、シリンダヘッドに支持突起を形成するための特別な工程を設ける必要がなく、シリンダヘッドにおけるEGRガスの冷却構造の生産性を向上することが可能となる。
また、請求項5記載のごとく、前記支持手段と前記支持手段に支持される冷却管との間に、弾性部材が介装される。
これにより、冷却管が前記支持手段により過剰な力で押圧されることがなく、冷却管の変形などを防止することができる。
これにより、冷却管が前記支持手段により過剰な力で押圧されることがなく、冷却管の変形などを防止することができる。
また、請求項6記載のごとく、EGRガスの通路となる扁平パイプ状の冷却管を複数積層し、前記積層した複数の冷却管のEGRガス流れ方向における両端部を、それぞれ固定部材にて固定してEGRガス冷却器を構成し、前記EGRガス冷却器を、エンジンのシリンダヘッドにウォータージャケットを成形するための中子に内包させ、前記冷却管の一部を前記中子から露出させた状態で、前記中子を用いて前記シリンダヘッドの鋳造を行うことで、前記ウォータージャケット内に前記EGRガス冷却器が設置されるとともに、前記前記冷却管の前記中子から露出させた部分に、前記冷却管を前記冷却管の積層方向内側へ向けて支持する支持手段が形成されたシリンダヘッドを製造する、EGRガスの冷却構造を備えたシリンダヘッドの製造方法。
これにより、互いに平行に積層された冷却管が積層方向外側に膨らむことが防止でき、各冷却管の積層方向の内径が拡大することを抑制できて、EGRガスの熱交換率が低下することがなく、EGRガス冷却器の冷却性能を保持することが可能となる。
これにより、互いに平行に積層された冷却管が積層方向外側に膨らむことが防止でき、各冷却管の積層方向の内径が拡大することを抑制できて、EGRガスの熱交換率が低下することがなく、EGRガス冷却器の冷却性能を保持することが可能となる。
また、請求項7記載のごとく、前記冷却管の前記中子からの露出部分は、前記冷却管の積層方向における最外側面の、前記固定部材と固定部材との中間位置に位置している。
これにより、冷却管の積層方向外側への膨らみ防止の効果を大きくすることができる。
これにより、冷却管の積層方向外側への膨らみ防止の効果を大きくすることができる。
また、請求項8記載のごとく、前記冷却管における前記中子からの露出部分に対応する箇所には、前記冷却管の積層方向の内径寸法を保持する内径寸法保持部、および積層される冷却管と冷却管との間隔を保持する間隔保持部が形成される。
これにより、前記支持手段の支持力により、冷却管が積層方向内側に過剰に押圧されて押し潰されることを防止できる。
これにより、前記支持手段の支持力により、冷却管が積層方向内側に過剰に押圧されて押し潰されることを防止できる。
また、請求項9記載のごとく、前記中子における、前記冷却管が露出している部分には、弾性部材が付設されている。
これにより、冷却管が前記支持手段により過剰な力で押圧されることがなく、冷却管の変形などを防止することができる。
これにより、冷却管が前記支持手段により過剰な力で押圧されることがなく、冷却管の変形などを防止することができる。
本発明は、以下の効果を奏する。
つまり、互いに平行に積層された冷却管が積層方向外側に膨らむことが防止でき、各冷却管の積層方向の内径が拡大することを抑制できて、EGRガスの熱交換率が低下することがなく、EGRガス冷却器の冷却性能を保持することが可能となる。
つまり、互いに平行に積層された冷却管が積層方向外側に膨らむことが防止でき、各冷却管の積層方向の内径が拡大することを抑制できて、EGRガスの熱交換率が低下することがなく、EGRガス冷却器の冷却性能を保持することが可能となる。
次に、本発明を実施するための形態を、添付の図面を用いて説明する。
図1〜図3には、本発明にかかるEGRガスの冷却構造を備えたシリンダヘッドであるシリンダヘッド11を示している。シリンダヘッド11は、例えば複数の気筒(本実施形態では4気筒)を有するエンジンに備えられるものであり、気筒毎に吸気ポート12・12および排気ポート13・13を有している。
また、シリンダヘッド11の内部には、排気ポート13等を冷却するために、中空状のウォータージャケット15が形成されている。
ウォータージャケット15は、シリンダヘッド11のフロント側(気筒配列方向の一側;図1における左側)の端部からリア側(気筒配列方向の他側;図1における右側)の端部にかけて形成されている。
ウォータージャケット15は、シリンダヘッド11のフロント側(気筒配列方向の一側;図1における左側)の端部からリア側(気筒配列方向の他側;図1における右側)の端部にかけて形成されている。
ウォータージャケット15の内部には冷却水が満たされており、シリンダヘッド11の外部において図示しない冷却ポンプやラジエータと接続されている。そして、冷却ポンプを駆動させることによって、ウォータージャケット15の内部を冷却水が流通し、シリンダヘッド11の内部を冷却するように構成されている。
本実施形態においては、冷却水はシリンダヘッド11のフロント側端部からウォータージャケット15の内部に流入し、ウォータージャケット15内をフロント側からリア側へ向かって流れた後、シリンダヘッド11のリア側端部の冷却水出口15aから排出されるように構成されている。
本実施形態においては、冷却水はシリンダヘッド11のフロント側端部からウォータージャケット15の内部に流入し、ウォータージャケット15内をフロント側からリア側へ向かって流れた後、シリンダヘッド11のリア側端部の冷却水出口15aから排出されるように構成されている。
シリンダヘッド11を備えるエンジンは、排気ポート13から排出された排気ガスの一部(EGRガス)を、シリンダヘッド11の排気側から吸気側に再び環流して吸入空気と混合させる排気再循環装置を有している。
前記排気再循環装置は、前記EGRガスを吸気ポート12側へ案内するためのガス通路を有しており、前記ガス通路は、シリンダヘッド11内に配置され、ウォータージャケット15内の冷却水によりEGRガスを冷却するEGRガス冷却器31と、EGRガス冷却器31の一端部(図1における上端部)と排気ガスが流通する排気管との間に介装され、EGRガスをEGRガス冷却器31へ導く排気側連結管22と、EGRガス冷却器31の他端部(図1における下端部)と吸気ポート12に連通する吸気マニホールドとの間に介装され、EGRガス冷却器31にて冷却されたEGRガスを吸気ポート12側へ導く吸気側連結管23とを備えている。
なお、例えば吸気側連結管23の途中部には、排気管側から吸気ポート12側へ還流するEGRガスの流量を調節するEGRバルブが設けられている。
なお、例えば吸気側連結管23の途中部には、排気管側から吸気ポート12側へ還流するEGRガスの流量を調節するEGRバルブが設けられている。
このように構成される排気再循環装置においては、エンジンの駆動中に前記EGRバルブが開かれると、排気ガスの一部(EGRガス)が排気管から排気側連結管22に流入し、さらにEGRガス冷却器31へと導かれる。EGRガス冷却器31に導かれたEGRガスは、EGRガス冷却器31内を流通する際に、ウォータージャケット15内を流れる冷却水によって冷却される。冷却されたEGRガスは、その後吸気側連結管23を通じて吸気マニホールドへ還流されることとなる。
前記エンジンにおいては、上記の如く排気再循環装置を駆動させることにより、不活性な(酸素量の少ない)気体となったEGRガスを排気管から吸気マニホールドへ再び環流して吸入空気と混合させている。これにより、シリンダヘッド11における燃焼室内部の燃焼温度を低下させて、窒素酸化物の低減化を図っている。
次に、シリンダヘッド11におけるEGRガスの冷却構造を構成する、ウォータージャケット15内に設置されるEGRガス冷却器31について詳しく説明する。
シリンダヘッド11においては、EGRガス冷却器31をシリンダヘッド11のウォータージャケット15内に設置することにより、EGRガスの冷却構造を構成している。
シリンダヘッド11においては、EGRガス冷却器31をシリンダヘッド11のウォータージャケット15内に設置することにより、EGRガスの冷却構造を構成している。
EGRガス冷却器31は、ウォータージャケット15内における、冷却水の流れ方向における下流側部分、詳しくは最も下流側に位置する気筒の吸気ポート12・12および排気ポート13・13と冷却水出口15aとの間に配置されている。
EGRガス冷却器31は、ウォータージャケット15内を流れる冷却水と接触し、内部を流通するEGRガスを冷却する部分となる冷却管32と、冷却管32の両端に配置される端部固定プレート33・33とを備えている。
EGRガス冷却器31は、ウォータージャケット15内を流れる冷却水と接触し、内部を流通するEGRガスを冷却する部分となる冷却管32と、冷却管32の両端に配置される端部固定プレート33・33とを備えている。
冷却管32は扁平形状を有する薄肉の中空管、すなわち扁平パイプ状の部材にて構成されている。EGRガス冷却器31においては、冷却管32は複数備えられており、複数の冷却管32は前記扁平形状の短辺方向に積層配置されている。
つまり、EGRガスが流通する冷却管32は、その断面形状が、積層方向を短辺とするとともに積層方向と直交する方向を長辺とする矩形状または長円形状に形成されており、複数の冷却管32は、長辺側の面32aが互いに対向するように積層されている。
また、冷却管32は、長尺形状の短手方向両端部をプレスなどにより一側に屈曲した金属板を2枚用いて構成されている。具体的には、前記2枚の金属板を、互いに両端部の屈曲方向に対向させて配置し、各金属板の屈曲部同士をろう付けすることにより、扁平パイプ状の部材を構成している。
つまり、EGRガスが流通する冷却管32は、その断面形状が、積層方向を短辺とするとともに積層方向と直交する方向を長辺とする矩形状または長円形状に形成されており、複数の冷却管32は、長辺側の面32aが互いに対向するように積層されている。
また、冷却管32は、長尺形状の短手方向両端部をプレスなどにより一側に屈曲した金属板を2枚用いて構成されている。具体的には、前記2枚の金属板を、互いに両端部の屈曲方向に対向させて配置し、各金属板の屈曲部同士をろう付けすることにより、扁平パイプ状の部材を構成している。
このように、冷却管32を扁平形状の中空管にて構成しているので、冷却管32の短辺方向(積層方向)の内径を小さくして、冷却管32内を流れるEGRガスの流れ場における乱流域の割合を増加させるとともに、冷却管32の通路断面積に対する表面積を増大させることができることができ、EGRガスの熱交換率を高めて冷却効率を向上することが可能となっている。また、冷却管32は薄肉の中空管にて構成されているので、EGRガスの冷却効率をさらに向上することが可能である。
また、EGRガス冷却器31においては、扁平形状の中空管にて構成される複数の冷却管32を前記扁平形状の短辺方向に積層配置しているので、ウォータージャケット15内の冷却水と接触する冷却管32の表面積を、省スペースで増大させることができ、冷却効率のさらなる向上を図ることが可能となっている。
また、EGRガス冷却器31は、冷却管32内を流通するEGRガスの流れ方向と、ウォータージャケット15内を流通する冷却水の流れ方向とが交差する姿勢に配置されている。本実施形態においては、冷却管32内を流通するEGRガスの流れ方向と、ウォータージャケット15内を流通する冷却水の流れ方向とが直交している。
さらに、EGRガス冷却器31は、各冷却管32の短辺側の面32bが、ウォータージャケット15内を流通する冷却水の流れ方向と対向する姿勢に配置されている。つまり、各冷却管32は、長辺側の面32aが、ウォータージャケット15内を流通する冷却水の流れ方向と平行となる姿勢に配置されている。
EGRガス冷却器31をこのように配置することにより、ウォータージャケット15内を流通する冷却水の流通を妨げることなく、冷却管32の外周面に冷却水を効率良く接触させることができ、EGRガスの冷却効率を向上することができる。
さらに、EGRガス冷却器31は、各冷却管32の短辺側の面32bが、ウォータージャケット15内を流通する冷却水の流れ方向と対向する姿勢に配置されている。つまり、各冷却管32は、長辺側の面32aが、ウォータージャケット15内を流通する冷却水の流れ方向と平行となる姿勢に配置されている。
EGRガス冷却器31をこのように配置することにより、ウォータージャケット15内を流通する冷却水の流通を妨げることなく、冷却管32の外周面に冷却水を効率良く接触させることができ、EGRガスの冷却効率を向上することができる。
端部固定プレート33・33は、積層配置される各冷却管32・32・・・の両端部をそれぞれ固定している。つまり、各冷却管32・32・・・の一端部および他端部は、それぞれ端部固定プレート33・33により一体的に連結固定されている。
また、端部固定プレート33は、円板状に形成され、各冷却管32・32・・・の一端部および他端部を連結固定する部分となる固定プレート33bと、固定プレート33bの周縁部から一方向へ立ち上がって、円筒形状に形成される側壁部33aとで構成されている。各冷却管32・32・・・の一端部および他端部は、ろう付けなどにより固定プレート33bに接合されている。
また、端部固定プレート33は、円板状に形成され、各冷却管32・32・・・の一端部および他端部を連結固定する部分となる固定プレート33bと、固定プレート33bの周縁部から一方向へ立ち上がって、円筒形状に形成される側壁部33aとで構成されている。各冷却管32・32・・・の一端部および他端部は、ろう付けなどにより固定プレート33bに接合されている。
端部固定プレート33・33は冷却管32よりも高強度に構成されており、シリンダヘッド11に鋳包まれている。これにより、EGRガス冷却器31が、その両端部でシリンダヘッド11に支持されている。
このように、端部固定プレート33・33をシリンダヘッド11の鋳造時に鋳包むことで、EGRガス冷却器31をシリンダヘッド11に固定しているので、EGRガス冷却器31を固定するためのボルトなどの固定具が不要となっている。
なお、冷却管32および端部固定プレート33の構成材料としては、例えばアルミニウムやステンレスなどか用いられる。
このように、端部固定プレート33・33をシリンダヘッド11の鋳造時に鋳包むことで、EGRガス冷却器31をシリンダヘッド11に固定しているので、EGRガス冷却器31を固定するためのボルトなどの固定具が不要となっている。
なお、冷却管32および端部固定プレート33の構成材料としては、例えばアルミニウムやステンレスなどか用いられる。
図4に示すように、冷却管32の扁平面となる長辺側の面32a(図4における上下面)には、冷却管32の内周面から内側方向へ突出する内側突起32p・32p・・・、および外周面から外側方向へ突出する外側突起32q・32q・・・が、それぞれ形成されている。
内側突起32p・32p・・・については、冷却管32における一方の長辺側の面32a(例えば図4における上面)に形成される内側突起32p・32p・・・と、冷却管32の他方の長辺側の面32a(例えば図4における下面)に形成される内側突起32p・32p・・・とが、互いに対応する位置に形成されていて、前記一方の面の内側突起32p・32p・・・と他方の面の内側突起32p・32p・・・とが、冷却管32内で互いに当接している。
内側突起32p・32p・・・については、冷却管32における一方の長辺側の面32a(例えば図4における上面)に形成される内側突起32p・32p・・・と、冷却管32の他方の長辺側の面32a(例えば図4における下面)に形成される内側突起32p・32p・・・とが、互いに対応する位置に形成されていて、前記一方の面の内側突起32p・32p・・・と他方の面の内側突起32p・32p・・・とが、冷却管32内で互いに当接している。
このように、冷却管32に内側突起32p・32p・・・を形成することにより、冷却管32に対して積層方向外側から力がかかったとしても、冷却管32が積層方向に潰れることを防止することができる。
これにより、EGRガスが流通する冷却管32の積層方向の内径を一定の寸法に保持し、EGRガス通路の断面積を確保することが可能となっている。
これにより、EGRガスが流通する冷却管32の積層方向の内径を一定の寸法に保持し、EGRガス通路の断面積を確保することが可能となっている。
また、外側突起32q・32q・・・については、冷却管32における一方の長辺側の面32a(例えば図4における上面)に形成される外側突起32q・32q・・・と、冷却管32の他方の長辺側の面32a(例えば図4における下面)に形成される外側突起32q・32q・・・とが、互いに対応する位置に形成されていて、積層される冷却管32・32のうち、下方に位置する冷却管32の一方の外側突起32q・32q・・・と、上方に位置する冷却管32の他方の外側突起32q・32q・・・とが、冷却管32・32間で互いに当接している。
このように、冷却管32に外側突起32q・32q・・・を形成することにより、積層される冷却管32・32・・・に対して積層方向外側から力がかかったとしても、冷却管32・32間の隙間が狭くなることを防止することができ、積層した冷却管32・32間の隙間を精度よく確保することが可能となっている。
前記内側突起32p・32p・・・および外側突起32q・32q・・・は、例えば冷却管32を構成する金属板をプレス成形することにより形成されており、前記金属板における長尺形状の短手方向両端部を一側に屈曲させる際に、同時に内側突起32p・32p・・・および外側突起32q・32q・・・を形成することができる。
従って、特別な手間をかけることなく容易に、内側突起32p・32p・・・および外側突起32q・32q・・・を冷却管32・32・・・に形成することが可能となっている。
従って、特別な手間をかけることなく容易に、内側突起32p・32p・・・および外側突起32q・32q・・・を冷却管32・32・・・に形成することが可能となっている。
図5、図6に示すように、EGRガス冷却器31は、シリンダヘッド11に鋳包まれることによりウォータージャケット15内に設置されているが、シリンダヘッド11のウォータージャケット15内におけるEGRガス冷却器31が設置されている部分には、EGRガス冷却器31の冷却管32・32・・・を積層方向内側へ向けて支持する支持突起11a・11bが形成されている。
支持突起11aはウォータージャケット15の内周面の上面から下方(ウォータージャケット15の内側方向)へ向けて突出しており、支持突起11bはウォータージャケット15の内周面の下面から上方(ウォータージャケット15の内側方向)へ向けて突出している。
支持突起11aはウォータージャケット15の内周面の上面から下方(ウォータージャケット15の内側方向)へ向けて突出しており、支持突起11bはウォータージャケット15の内周面の下面から上方(ウォータージャケット15の内側方向)へ向けて突出している。
支持突起11a・11bは、シリンダヘッド11を鋳造する際に、同時に鋳造により形成されるものであり、シリンダヘッド11の構成部材と同じ部材にて一体的に構成されている。
このように、支持突起11a・11bを、シリンダヘッド11の鋳造時に、前記シリンダヘッド11と一体成形することにより、シリンダヘッド11に支持突起11a・11bを形成するための特別な工程を設ける必要がなく、シリンダヘッド11におけるEGRガスの冷却構造の生産性を向上することが可能となっている。
このように、支持突起11a・11bを、シリンダヘッド11の鋳造時に、前記シリンダヘッド11と一体成形することにより、シリンダヘッド11に支持突起11a・11bを形成するための特別な工程を設ける必要がなく、シリンダヘッド11におけるEGRガスの冷却構造の生産性を向上することが可能となっている。
また、支持突起11a・11bは、EGRガス冷却器31におけるEGRガスの流通方向の中央部に配置されており、支持突起11aの先端面(図5における下面)は、積層される冷却管32・32・・・のうち、最上位置に配置される冷却管32の上面に当接し、支持突起11bの先端面(図5における上面)は、積層される冷却管32・32・・・のうち、最下位置に配置される冷却管32の下面に当接している。
つまり、互いに平行に積層される冷却管32・32・・・の積層方向寸法と、支持突起11aの先端面と支持突起11bの先端面との隙間寸法とが同じに設定されており、ウォータージャケット15内に配置される冷却管32・32・・・は、その上端面および下端面におけるEGRガス流通方向の中央部が、それぞれ支持突起11a・11bにより上下方向の外側から支持されている。
これにより、互いに平行に積層された冷却管32・32・・・が、それ以上積層方向外側に膨らむことが防止される。
例えば、各冷却管32・32・・・を構成する金属板の屈曲部がスプリングバックしようとした場合や、エンジンの運転時に高温のEGRガスの熱により各冷却管32・32・・・が有する残留歪みが開放したり、各冷却管32・32・・・が膨張したりした場合でも、積層された冷却管32・32・・・は、積層方向外側から支持突起11a・11bにより支持されているので、積層方向外側に膨らむことが防止され、各冷却管32・32・・・の積層方向の内径が拡大することを抑制できる。
このように、各冷却管32・32・・・の積層方向の内径が拡大することがないので、EGRガスの熱交換率が低下することがなく、EGRガス冷却器31の冷却性能を保持することが可能となる。
例えば、各冷却管32・32・・・を構成する金属板の屈曲部がスプリングバックしようとした場合や、エンジンの運転時に高温のEGRガスの熱により各冷却管32・32・・・が有する残留歪みが開放したり、各冷却管32・32・・・が膨張したりした場合でも、積層された冷却管32・32・・・は、積層方向外側から支持突起11a・11bにより支持されているので、積層方向外側に膨らむことが防止され、各冷却管32・32・・・の積層方向の内径が拡大することを抑制できる。
このように、各冷却管32・32・・・の積層方向の内径が拡大することがないので、EGRガスの熱交換率が低下することがなく、EGRガス冷却器31の冷却性能を保持することが可能となる。
また、前記支持突起11a・11bは、EGRガス冷却器31のEGRガス流れ方向において、一方の端部固定プレート33と他方の端部固定プレート33との中間位置(すなわち冷却管32・32・・・のEGRガス流れ方向における中央部)に配置されている。
各冷却管32・32・・・が熱膨張などにより積層方向外側へ膨らむときには、EGRガス流れ方向における中央部が、外側への膨らみ量が最も大きくなるため、冷却管32・32・・・を支持する支持突起11a・11bを両端部固定プレート33・33の中間位置に配置することで、冷却管32・32・・・の積層方向外側への膨らみ防止の効果を大きくすることができる。
各冷却管32・32・・・が熱膨張などにより積層方向外側へ膨らむときには、EGRガス流れ方向における中央部が、外側への膨らみ量が最も大きくなるため、冷却管32・32・・・を支持する支持突起11a・11bを両端部固定プレート33・33の中間位置に配置することで、冷却管32・32・・・の積層方向外側への膨らみ防止の効果を大きくすることができる。
また、冷却管32に形成される前記内側突起32p・32p・・・および外側突起32q・32q・・・は、冷却管32における支持突起11a・11bにて支持される部分に配置されている。
つまり、図7に示すように、冷却管32・32・・・を積層方向からみた場合に、冷却管32の支持突起11a・11bにて支持されている範囲内に、内側突起32p・32p・・・および外側突起32q・32q・・・が配置されるように構成されている。
これにより、支持突起11a・11bが冷却管32・32・・・を支持する際の支持力を、内側突起32p・32p・・・および外側突起32q・32q・・・により受けることが可能となり、前記支持突起11a・11bの支持力により、冷却管32・32・・・が積層方向内側に過剰に押圧されて押し潰されることを防止できる。
つまり、図7に示すように、冷却管32・32・・・を積層方向からみた場合に、冷却管32の支持突起11a・11bにて支持されている範囲内に、内側突起32p・32p・・・および外側突起32q・32q・・・が配置されるように構成されている。
これにより、支持突起11a・11bが冷却管32・32・・・を支持する際の支持力を、内側突起32p・32p・・・および外側突起32q・32q・・・により受けることが可能となり、前記支持突起11a・11bの支持力により、冷却管32・32・・・が積層方向内側に過剰に押圧されて押し潰されることを防止できる。
また、冷却管32・32・・・を支持する支持突起11a・11bは、ウォータージャケット15内を流れる冷却水の流れ方向に対して流線型に形成されている。
例えば、支持突起11a・11bは、冷却管32・32・・・の積層方向から見て、冷却水の流れ方向が長辺方向となるように配置した楕円形状に形成することができる。
このように、支持突起11a・11bを流線型に形成することで、支持突起11a・11bによりウォータージャケット15内を流れる冷却水に対してかかる抵抗を減少させることができ、前記冷却水の流れを円滑にして冷却管32・32・・・内を流れるEGRガスの冷却性能を向上させている。
例えば、支持突起11a・11bは、冷却管32・32・・・の積層方向から見て、冷却水の流れ方向が長辺方向となるように配置した楕円形状に形成することができる。
このように、支持突起11a・11bを流線型に形成することで、支持突起11a・11bによりウォータージャケット15内を流れる冷却水に対してかかる抵抗を減少させることができ、前記冷却水の流れを円滑にして冷却管32・32・・・内を流れるEGRガスの冷却性能を向上させている。
また、本実施形態においては、前記支持突起11a・11bは、それぞれ冷却管32のEGRガス流れ方向における中央部の一箇所にのみ設けられているが、支持突起11a・11bを複数箇所に設けることも可能である。
例えば、図8に示すように、支持突起11a・11bを、冷却管32のEGRガス流れ方向における中央部、EGRガス流れ方向上流側の端部固定プレート33と中央部の支持突起11a・11bとの中間位置、およびEGRガス流れ方向下流側の端部固定プレート33と中央部の支持突起11a・11bとの中間位置の三箇所に配設することも可能である。つまり、複数の支持突起11a・11bは、冷却管32のEGRガス流れ方向に沿って並設することが可能である。
例えば、図8に示すように、支持突起11a・11bを、冷却管32のEGRガス流れ方向における中央部、EGRガス流れ方向上流側の端部固定プレート33と中央部の支持突起11a・11bとの中間位置、およびEGRガス流れ方向下流側の端部固定プレート33と中央部の支持突起11a・11bとの中間位置の三箇所に配設することも可能である。つまり、複数の支持突起11a・11bは、冷却管32のEGRガス流れ方向に沿って並設することが可能である。
このように、冷却管32の複数箇所を支持突起11a・11bにより支持するように構成することで、冷却管32・32・・・の積層方向外側への膨らみをより確実に防止して、冷却性能を保持することができる。
特に、冷却管32のEGRガス流れ方向の寸法が長く形成されているときには、支持突起11a・11bにより冷却管32の複数箇所を支持するように構成することで、冷却管32・32・・・の積層方向外側への膨らみを効果的に防止することが可能となる。
特に、冷却管32のEGRガス流れ方向の寸法が長く形成されているときには、支持突起11a・11bにより冷却管32の複数箇所を支持するように構成することで、冷却管32・32・・・の積層方向外側への膨らみを効果的に防止することが可能となる。
また、冷却管32・32・・・のEGRガス流れ方向に複数の支持突起11a・11bを配設した場合、支持突起11a・11bの形状を、冷却管32・32・・・の積層方向から見て、ウォータージャケット15の冷却水出口15aに対して流線型に形成することができる。例えば、支持突起11a・11bを、その長辺方向が冷却水出口15a方向となるように配置した楕円形状に形成することができる。
このように、支持突起11a・11bの楕円形状を、その長辺方向が冷却水出口15a方向となるように配置した場合、例えば図8に示すように、支持突起11a・11bを三箇所に配置すると、中央部に位置する支持突起11a・11bの楕円形状は、中央部に位置する支持突起11a・11bの位置から見たウォータージャケット15内の冷却水の流れ方向と冷却水出口15a方向とが略一致しているため、その長辺方向が冷却水出口15a方向となるとともに、ウォータージャケット15内の冷却水の流れ方向と略同じ方向となるように配置されることとなる。
このように、支持突起11a・11bの楕円形状を、その長辺方向が冷却水出口15a方向となるように配置した場合、例えば図8に示すように、支持突起11a・11bを三箇所に配置すると、中央部に位置する支持突起11a・11bの楕円形状は、中央部に位置する支持突起11a・11bの位置から見たウォータージャケット15内の冷却水の流れ方向と冷却水出口15a方向とが略一致しているため、その長辺方向が冷却水出口15a方向となるとともに、ウォータージャケット15内の冷却水の流れ方向と略同じ方向となるように配置されることとなる。
一方、中央部の支持突起11a・11bの両側方に位置する支持突起11a・11bにおいては、当該支持突起11a・11bの位置から見たウォータージャケット15内の冷却水の流れ方向と冷却水出口15a方向とが異なっているため、当該支持突起11a・11bの楕円形状は、ウォータージャケット15内の冷却水の流れ方向から所定の角度θだけ中央側に傾斜した姿勢に配置されることとなる。
このように、複数箇所に配置した支持突起11a・11bを、それぞれ冷却水出口15aに対して流線型に形成することで、ウォータージャケット15内の冷却水を円滑に冷却水出口15aへ案内することが可能となるため、前記冷却水の流れが妨げられることがなく、冷却管32・32・・・内を流れるEGRガスの冷却性能を向上することができる。
このように、複数箇所に配置した支持突起11a・11bを、それぞれ冷却水出口15aに対して流線型に形成することで、ウォータージャケット15内の冷却水を円滑に冷却水出口15aへ案内することが可能となるため、前記冷却水の流れが妨げられることがなく、冷却管32・32・・・内を流れるEGRガスの冷却性能を向上することができる。
また、図9に示すように、冷却管32・32・・・を支持する支持突起11a・11bと冷却管32・32・・・との間には、それぞれ弾性部材16・16を介装することも可能である。弾性部材16としては、弾性を有したゴム状部材や、バネ部材などを用いることが可能である。
このように、支持突起11a・11bと冷却管32・32・・・との間に弾性部材16・16を介装することで、支持突起11a・11bからの冷却管32・32・・・に対する支持力が、弾性部材16・16を介して冷却管32・32・・・に加わることとなる。従って、支持突起11a・11bからの支持力が冷却管32・32・・・に加わる際に、その支持力が弾性部材16・16により緩衝されて加わることとなり、冷却管32・32・・・が支持突起11a・11bにより過剰な力で押圧されることがなく、冷却管32・32・・・の変形などを防止することができる。
このように、支持突起11a・11bと冷却管32・32・・・との間に弾性部材16・16を介装することで、支持突起11a・11bからの冷却管32・32・・・に対する支持力が、弾性部材16・16を介して冷却管32・32・・・に加わることとなる。従って、支持突起11a・11bからの支持力が冷却管32・32・・・に加わる際に、その支持力が弾性部材16・16により緩衝されて加わることとなり、冷却管32・32・・・が支持突起11a・11bにより過剰な力で押圧されることがなく、冷却管32・32・・・の変形などを防止することができる。
次に、EGRガス冷却器31をシリンダヘッド11に鋳包むとともに、支持突起11a・11bを形成しつつ、シリンダヘッド11を鋳造する際のフローについて説明する。
図10に示すように、まずシリンダヘッド11に鋳包むEGRガス冷却器31を製造する(S01)。つまり、積層配置される各冷却管32・32・・・の両端部を、それぞれ端部固定プレート33・33に固定することにより、各冷却管32・32・・・と端部固定プレート33・33とを接続してEGRガス冷却器31を製造する、EGRガス冷却器製造工程を実施する。
図10に示すように、まずシリンダヘッド11に鋳包むEGRガス冷却器31を製造する(S01)。つまり、積層配置される各冷却管32・32・・・の両端部を、それぞれ端部固定プレート33・33に固定することにより、各冷却管32・32・・・と端部固定プレート33・33とを接続してEGRガス冷却器31を製造する、EGRガス冷却器製造工程を実施する。
EGRガス冷却器製造工程にてEGRガス冷却器31が製造されると、EGRガス冷却器31の周囲を中子砂にて包囲して中子を形成する中子形成工程が実施される(S02)。これにより、EGRガス冷却器31が中子に内包されることとなる。
この場合、端部固定プレート33・33のシリンダヘッド11に鋳包まれる部分(端部固定プレート33・33の外側端部)は、中子から露出するように中子が形成される。
また、前記中子は、積層される冷却管32・32・・・の積層方向における両外側面の、支持突起11a・11bにより支持される部分が、中子から露出するように形成される。
この場合、端部固定プレート33・33のシリンダヘッド11に鋳包まれる部分(端部固定プレート33・33の外側端部)は、中子から露出するように中子が形成される。
また、前記中子は、積層される冷却管32・32・・・の積層方向における両外側面の、支持突起11a・11bにより支持される部分が、中子から露出するように形成される。
次に、EGRガス冷却器31の端部固定プレート33をシリンダヘッド11の鋳造型により把持して、中子形成工程にて形成された中子を鋳造型に設置する、設置工程が実施される(S03)。
さらに、中子を鋳造型に設置した後に、前記鋳造型1に溶湯を流し込んで鋳造工程が実施され、シリンダヘッド11が鋳造される(S04)。これにより、EGRガス冷却器31の端部固定プレート33がシリンダヘッド11に鋳包まれる。
また、鋳造工程においては、冷却管32・32・・・の一部が前記中子から露出した状態で鋳造が行われ、中子から冷却管32・32・・・が露出している部分に支持突起11a・11bが形成される。
また、鋳造工程においては、冷却管32・32・・・の一部が前記中子から露出した状態で鋳造が行われ、中子から冷却管32・32・・・が露出している部分に支持突起11a・11bが形成される。
つまり、EGRガス冷却器製造工程(S01)、中子形成工程(S02)、設置工程(S03)、および鋳造工程(S04)の各工程を順に実施することで、EGRガス冷却器31をウォータージャケット15内に鋳包むとともに、支持突起11a・11bが形成されたシリンダヘッド11が鋳造される。
このように、冷却管32・32・・・を支持する支持突起11a・11bは、シリンダヘッド11の鋳造時に同時に鋳造されることとなるため、シリンダヘッド11に支持突起11a・11b形成するための特別な工程を設ける必要がなく、シリンダヘッド11におけるEGRガスの冷却構造の生産性を向上することが可能となる。
このように、冷却管32・32・・・を支持する支持突起11a・11bは、シリンダヘッド11の鋳造時に同時に鋳造されることとなるため、シリンダヘッド11に支持突起11a・11b形成するための特別な工程を設ける必要がなく、シリンダヘッド11におけるEGRガスの冷却構造の生産性を向上することが可能となる。
シリンダヘッド11においては、EGRガス冷却器31をウォータージャケット15内に配置することによりEGRガスの冷却構造が構成されているので、シリンダヘッド11の外部にEGRガスクーラーを別途設置する必要がなく、EGRガスの冷却構造を容易に構成することができる。また、エンジンからの別途設置したEGRガスクーラーへのガス配管が不要になるので、省スペースかつ低コストでEGRガスの冷却を行うことが可能となっている。
11 シリンダヘッド
11a・11b 支持突起
12 吸気ポート
13 排気ポート
15 ウォータージャケット
16 弾性部材
31 EGRガス冷却器
32 冷却管
32p 内側突起
32q 外側突起
33 端部固定プレート
11a・11b 支持突起
12 吸気ポート
13 排気ポート
15 ウォータージャケット
16 弾性部材
31 EGRガス冷却器
32 冷却管
32p 内側突起
32q 外側突起
33 端部固定プレート
Claims (9)
- EGRガスの通路となる扁平パイプ状の冷却管を複数積層し、前記積層した複数の冷却管のEGRガス流れ方向における両端部を、それぞれ固定部材にて固定してEGRガス冷却器を構成し、
エンジンのシリンダヘッドに形成されるウォータージャケット内を流れる冷却水が前記冷却管と接触するように、前記EGRガス冷却器を前記ウォータージャケット内に設置し、
前記冷却管の両端に配置される固定部材と固定部材との間において、前記冷却管を積層方向内側へ向けて支持する支持手段を有する、
ことを特徴とするEGRガス冷却構造を備えたシリンダヘッド。 - 前記支持手段は、前記固定部材と固定部材との中間位置に配置される、
ことを特徴とする請求項1に記載のEGRガス冷却構造を備えたシリンダヘッド。 - 前記冷却管における前記支持手段にて支持される部分には、
前記冷却管の積層方向の内径寸法を保持する内径寸法保持部、および積層される冷却管と冷却管との間隔を保持する間隔保持部が形成される、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のEGRガス冷却構造を備えたシリンダヘッド。 - 前記支持手段は、前記シリンダヘッドの鋳造時に、前記シリンダヘッドと一体成形される、
ことを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか一項に記載のEGRガスの冷却構造。 - 前記支持手段と前記支持手段に支持される冷却管との間に、弾性部材が介装される、
ことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか一項に記載のEGRガス冷却構造を備えたシリンダヘッド。 - EGRガスの通路となる扁平パイプ状の冷却管を複数積層し、前記積層した複数の冷却管のEGRガス流れ方向における両端部を、それぞれ固定部材にて固定してEGRガス冷却器を構成し、
前記EGRガス冷却器を、エンジンのシリンダヘッドにウォータージャケットを成形するための中子に内包させ、
前記冷却管の一部を前記中子から露出させた状態で、
前記中子を用いて前記シリンダヘッドの鋳造を行うことで、
前記ウォータージャケット内に前記EGRガス冷却器が設置されるとともに、前記前記冷却管の前記中子から露出させた部分に、前記冷却管を前記冷却管の積層方向内側へ向けて支持する支持手段が形成されたシリンダヘッドを製造する、
ことを特徴とするEGRガスの冷却構造を備えたシリンダヘッドの製造方法。 - 前記冷却管の前記中子からの露出部分は、
前記冷却管の積層方向における最外側面の、前記固定部材と固定部材との中間位置に位置している、
ことを特徴とする請求項6に記載のEGRガスの冷却構造を備えたシリンダヘッドの製造方法。 - 前記冷却管における前記中子からの露出部分に対応する箇所には、
前記冷却管の積層方向の内径寸法を保持する内径寸法保持部、および積層される冷却管と冷却管との間隔を保持する間隔保持部が形成される、
ことを特徴とする請求項6または請求項7に記載のEGRガスの冷却構造を備えたシリンダヘッドの製造方法。 - 前記中子における、前記冷却管が露出している部分には、弾性部材が付設されている、
ことを特徴とする請求項6〜請求項8の何れか一項に記載のEGRガスの冷却構造を備えたシリンダヘッドの製造方法。
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