JP5505082B2 - 受信装置、リニアライザおよび歪み補償方法 - Google Patents

受信装置、リニアライザおよび歪み補償方法 Download PDF

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Description

本発明は受信装置、リニアライザおよび歪み補償方法に関する。
送信装置から受信装置に信号を無線送信する無線通信システムでは、送信装置において信号を送信するために電力増幅器が用いられる。電力増幅器は、入力信号と出力信号との間の関係が非線形になる、すなわち、非線形な増幅特性をもつことがある。電力増幅器の非線形性は、送信装置が送信する信号に相互変調歪み(IMD:Intermodulation Distortion)を生じさせ得る。相互変調歪みは、シンボル間干渉(ISI:Intersymbol Interference)やチャネル間干渉(ICI:Interchannel Interference)を生じさせ得る。よって、電力増幅器の非線形性によって歪んだ信号を受信する受信装置では、ビット誤り率(BER:Bit Error Rate)などの受信品質が低下するおそれがある。
この問題に対し、電力増幅器の非線形性を線形化(リニアライズ)する方法の1つとして、前置歪み(プリディストーション)方式がある。前置歪み方式では、送信装置に線形化器(リニアライザ)として前置歪み器(プリディストータ)を設ける。前置歪み器は、電力増幅器に入力する前の信号に、電力増幅器の増幅特性とは逆特性の歪みを付与する。逆特性の歪みを付与した信号を電力増幅器に通すことで、前置歪み器に入力する前の信号に対する増幅後の信号の非線形歪みが抑制される。このように、前置歪み器を用いることで、電力増幅器により生じる非線形歪みが、送信装置において補償され得る。
ところで、電力増幅器では、いわゆるメモリ効果によって非線形歪みが生じることもある。メモリ効果では、あるシンボルに対する電力増幅が、当該シンボルより前に入力されたシンボルの影響を受ける。メモリ効果は、例えば、フィルタの遅延、整合回路の周波数応答、トランジスタの非線形キャパシタンス、バイアスネットワークの応答速度などの影響により生じ得る。この問題に対して、メモリ効果により生じる非線形歪みを、前置歪み方式によって補償する電力増幅器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
なお、無線通信システムで用いる受信装置に関して、伝播路による歪みを補償する等化部および誤り訂正処理を行う復号部による処理を繰り返すことで、符号化前のデータを検出するターボ等化技術がある(例えば、特許文献2参照)。
国際公開第2007/004252号 特開2009−188640号公報
しかし、上記特許文献1に記載の方法のように、電力増幅器のメモリ効果によって生じる歪みを、前置歪み方式により送信装置において補償する方法では、歪み補償の効率の点で改善の余地がある。すなわち、メモリ効果をもつ電力増幅器の増幅特性の逆特性を精度よく算出することは容易でなく、前置歪みの精度を向上させることが容易でない。また、メモリ効果を考慮した前置歪みアルゴリズムは、メモリ効果を考慮しない前置歪みと比べて複雑であり、前置歪み器の回路が複雑になってしまう。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、送信装置の電力増幅器により生じる信号歪みの補償を効率的に行うことができる受信装置、リニアライザおよび歪み補償方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、送信装置が電力増幅器を用いて送信した信号を受信する受信装置が提供される。この受信装置は、受信信号に含まれるシンボルに対して歪み補償を行う演算部と、演算部が行った歪み補償の結果についての信号を保持する遅延部と、を有する。演算部は、電力増幅器の増幅特性に対応する係数と、遅延部が保持する第1のシンボルに対する歪み補償の結果についての信号とに基づいて、第1のシンボルより後のタイミングの第2のシンボルに対する歪み補償を行う。
また、上記課題を解決するために、リニアライザが提供される。このリニアライザは、電力増幅器を用いて信号を送信する送信装置からの受信信号に含まれるシンボルに対して歪み補償を行う演算部と、演算部が行った歪み補償の結果についての信号を保持する遅延部と、を有する。演算部は、電力増幅器の増幅特性に対応する係数と、遅延部が保持する第1のシンボルに対する歪み補償の結果についての信号とに基づいて、第1のシンボルより後のタイミングの第2のシンボルに対する歪み補償を行う。
また、上記課題を解決するために、歪み補償方法が提供される。この歪み補償方法は、電力増幅器を用いて信号を送信する送信装置からの受信信号に含まれる第1のシンボルに対して歪み補償を行う。第1のシンボルに対する歪み補償の結果についての信号を保持する。電力増幅器の増幅特性に対応する係数と、第1のシンボルに対する歪み補償の結果についての信号とに基づいて、第1のシンボルより後のタイミングの受信信号に含まれる第2のシンボルに対する歪み補償を行う。
上記受信装置、リニアライザおよび歪み補償方法によれば、送信装置の電力増幅器により生じる信号歪みの補償を効率的に行うことができる。
第1の実施の形態の無線通信システムを示す図である。 第2の実施の形態の無線通信システムを示すブロック図である。 メモリ効果をもつ電力増幅器のモデル例を示すブロック図である。 電力増幅器のモデル例の振幅対振幅特性を示すグラフである。 リニアライザの詳細を示すブロック図である。 非線形関数の入力および出力を示すグラフである。 受信装置における歪み補償を示すフローチャートである。 他の無線通信システムの例を示すブロック図である。 前置歪み器の実装例を示すブロック図である。 ビット誤り率のシミュレーション結果を示すグラフである。
以下、本実施の形態を図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態の無線通信システムを示す図である。第1の実施の形態に係る無線通信システムは、送信装置1と受信装置2を含む。送信装置1から受信装置2に、無線で信号が送信される。この無線通信システムは、固定無線通信システムであってもよいし、移動通信システムであってもよい。送信装置1や受信装置2として、例えば、基地局、中継局、移動局などが考えられる。
送信装置1は、電力増幅器1aを有する。電力増幅器1aは、メモリ効果による非線形な増幅特性をもつ。送信装置1は、電力増幅器1aを用いて信号を増幅し無線送信する。送信装置1には、前置歪み器(例えば、メモリ効果を考慮しない前置歪み器や、メモリ効果に対する歪み補償が十分でない歪み補償器など)を設けてもよい。当該前置歪み器は、電力増幅器1aに入力する前の信号を歪ませることで歪み補償を行う。
受信装置2は、送信装置1が電力増幅器1aを用いて送信した信号を受信する。受信装置2は、演算部2aと遅延部2bを有する。演算部2aは、受信信号に含まれるシンボルに対して歪み補償を行う。遅延部2bは、演算部2aが行った歪み補償の結果についての信号を保持する。受信信号に、第1のシンボルと、第1のシンボルより後のタイミングの第2のシンボルとが含まれているとする。このとき、演算部2aは、電力増幅器1aの増幅特性に対応する係数と、遅延部2bが保持する第1のシンボルに対する歪み補償の結果についての信号とに基づいて、第2のシンボルに対する歪み補償を行う。
ここで、演算部2aは、受信信号に時系列に複数のシンボルが含まれている場合、各シンボルに対する歪み補償と、遅延部2bが保持する信号を当該シンボルに対する歪み補償の結果についての信号に更新する処理とを、シンボル単位で繰り返し実行してもよい。上記の第2のシンボルは、第1のシンボルに続くシンボルであってもよい。
また、演算部2aは、シンボルに対する歪み補償の結果として、当該シンボルの事後確率を出力してもよい。遅延部2bは、歪み補償の結果についての信号として、演算部2aが出力した事後確率を保持してもよい。演算部2aは、例えば、受信したシンボルの信号と遅延部2bが保持する事後確率と増幅特性に対応する係数とから、非線形関数を用いて、当該受信したシンボルの事後確率を算出することが考えられる。
また、演算部2aが用いる電力増幅器1aの増幅特性に対応する係数は、予め算出して受信装置2に設定しておくことができる。受信装置2の通信相手が使用し得る電力増幅器として、増幅特性の異なる複数種類の電力増幅器が存在する場合、受信装置2に複数通りの係数を設定しておき、使用する係数を通信環境に応じて選択できるようにしてもよい。
また、演算部2aおよび遅延部2bが扱う信号は、軟判定(ビットが0または1である確からしさを多段階で判定すること)の結果に相当する信号とすることができる。演算部2aの後段には、歪み補償後の信号に対して復号を行う復号部が設けられる。当該復号部は、入力信号として、軟判定された信号を取得してもよいし、硬判定(ビットが0であるか1であるかの判定)された信号を取得してもよい。後者の場合、演算部2aと復号部との間に、シンボルの硬判定を行う硬判定部が設けられる。
このような第1の実施の形態の受信装置2では、演算部2aが、電力増幅器1aを用いて信号を送信する送信装置1からの受信信号に含まれる第1のシンボルに対して歪み補償を行う。遅延部2bが、第1のシンボルに対する歪み補償の結果についての信号を保持する。演算部2aが、電力増幅器1aの増幅特性に対応する係数と、遅延部2bが保持する第1のシンボルに対する歪み補償の結果についての信号とに基づいて、第1のシンボルより後のタイミングの第2のシンボルに対する歪み補償を行う。
これにより、電力増幅器1aのメモリ効果によって生じる歪みを、受信装置2において効率的に緩和することができる。すなわち、受信装置2は、あるシンボルの歪み補償の結果を、そのシンボルより後のシンボルの歪み補償のためにフィードバックする。これにより、メモリ効果をもつ電力増幅器1aの増幅特性の逆特性を精度よく算出しなくても、歪み補償の精度を向上させることができる。また、送信装置1に複雑なアルゴリズムを実装した前置歪み器を設けなくてもよく、送信装置1の回路構成を簡略化することができる。
また、電力増幅器1aの線形化を受信装置2において行うことで、電力増幅器1aにより生じる歪みに加えて、受信装置2の受信信号に付加されている加法的雑音の影響も緩和できる。すなわち、相互変調歪みと加法的雑音を含む干渉全体を抑制することが可能となる。以上により、受信装置2におけるビット誤り率などの受信品質を効率的に向上させることができ、高品質な無線通信を実現できる。
なお、送信装置1および受信装置2は、多重化方式として、例えば、符号分割多重(CDM:Code Division Multiplex)や直交周波数分割多重(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)を用いてもよい。また、演算部2aと遅延部2bとを含むリニアライザを、独立した回路部品として実装してもよい。その場合、当該リニアライザを、受信装置2に後から組み込むことも可能である。
[第2の実施の形態]
図2は、第2の実施の形態の無線通信システムを示すブロック図である。第2の実施の形態に係る無線通信システムは、送信装置10と受信装置20を含む。送信装置10から受信装置20に、無線で信号が送信される。
この無線通信システムは、例えば、移動通信システムとして実現できる。送信装置10や受信装置20として、例えば、基地局、中継局、移動局などが考えられる。すなわち、送信装置10から受信装置20への信号の送信として、基地局から移動局への下りリンク送信や、移動局から基地局への上りリンク送信などを想定することができる。送信装置10は、送信信号生成部11、直交変調部12および電力増幅器13を有する。受信装置20は、直交復調部21、リニアライザ22、硬判定部23および復号部24を有する。
送信信号生成部11は、送信信号としてのベースバンド信号(信号x(t))を生成する。生成される送信信号は、誤り訂正符号化されている。直交変調部12は、送信信号を直交変調する。すなわち、同相(I:Inphase)成分および直交(Q:Quadrature)成分それぞれについて、送信信号としてのベースバンド信号を高周波信号にアップコンバートする。電力増幅器13は、直交変調された信号を電力増幅する。電力増幅器13として、例えば、高出力電力増幅器(HPA:High Power Amplifier)を用いることができる。電力増幅された信号は、送信装置10が備えるアンテナを介して無線出力される。ここで、電力増幅器13は、メモリ効果により、非線形な増幅特性をもつ。
直交復調部21は、受信装置20が備えるアンテナを介して送信装置10から受信した信号を直交復調する。すなわち、I成分およびQ成分それぞれについて、受信信号としての高周波信号をベースバンド信号にダウンコンバートする。リニアライザ22は、メモリ効果を考慮して、電力増幅器13の非線形な増幅特性を線形化する。すなわち、直交復調された受信信号(信号y(t))の歪み補償を行う。なお、歪み補償によって、加法的雑音による干渉も抑制される。硬判定部23は、歪み補償された信号p(t)をシンボル毎に硬判定する。復号部24は、硬判定された信号を誤り訂正復号する。
なお、送信装置10および受信装置20は、図2に示したブロック間に他の回路を備えていてもよい。例えば、低域通過フィルタ(LPF:Low Pass Filter)や帯域通過フィルタ(BPF:Band Pass Filter)などを備えていてもよい。また、送信装置10は、送信信号生成部11と直交変調部12の間に、前置歪み器(例えば、メモリ効果を考慮しない前置歪み器)を備えていてもよい。また、復号部24は、硬判定前の信号(軟判定された信号)を用いて誤り訂正復号を行ってもよい。その場合、リニアライザ22と復号部24の間には、硬判定部23を設けなくてよい。
次に、リニアライザ22が行う歪み補償の動作を説明するにあたり、メモリ効果をもつ電力増幅器13の非線形性を表したモデル例を定義する。ここでは、ボルテラ級数(Volterra series)を用いて、非線形性を表現する。ボルテラ級数は、非線形関数を多項式として表現する。式(1)に、ボルテラ級数の例を示す。
Figure 0005505082
式(1)において、x(t)はあるシンボルの入力信号、x(t−1)はx(t)より1つ前のシンボルの入力信号、z(t)は入力信号x(t)に対応する出力信号である。また、h1(q)は1次のボルテラカーネル、h2(q1,q2)は2次のボルテラカーネルである。ボルテラカーネルh1(q),h2(q1,q2)は、電力増幅器13の増幅特性に基づいて予め算出されるパラメータである。
式(1)を展開することで、式(2)が得られる。式(2)に示すように、非線形歪みを含む出力信号z(t)は、入力信号x(t),x(t−1)と、ボルテラカーネルh1(0),h1(1),h2(0,0),h2(0,1),h2(1,1)から算出できる。すなわち、この非線形モデルでは、あるシンボル(タイミングt)の出力信号は、1つ前のシンボル(タイミングt−1)の入力信号の影響を受けている。なお、入力信号、ボルテラカーネルおよび出力信号は、例えば、複素数で表現することができる。
Figure 0005505082
もちろん、式(1)(2)によって定義されるモデルは、電力増幅器13の非線形性を表すモデルの一例であり、第2の実施の形態で使用可能なモデルはこれに限定されない。例えば、3次以上のボルテラ級数を用いてもよいし、ボルテラ級数展開以外のモデル化方法を採用してもよい。なお、ボルテラ級数を用いた非線形モデルについては、例えば、次の文献にも記載されている。Lei Ding, et al., “A Robust Digital Baseband Predistorter Constructed Using Memory Polynomials”, IEEE Transactions on Communications, Vol. 52, No. 1, January 2004。
図3は、メモリ効果をもつ電力増幅器のモデル例を示すブロック図である。図3のブロック図は、式(2)の非線形演算を行う回路の実装例を示している。この回路は、遅延部(ディレイ)111、乗算器112〜119および加算器120〜123を有する。
遅延部111は、入力信号を1シンボル時間だけ遅延させる。すなわち、タイミングtにおいて入力信号x(t−1)を出力する。
乗算器112は、タイミングtの入力信号x(t)とh1(0)を乗算する。乗算器113は、x(t−1)とh1(1)を乗算する。乗算器114は、x(t)を二乗する。乗算器115は、乗算器114の出力とh2(0,0)を乗算する。乗算器116は、x(t)とx(t−1)を乗算する。乗算器117は、乗算器116の出力とh2(0,1)を乗算する。乗算器118は、x(t−1)を二乗する。乗算器119は、乗算器118の出力とh2(1,1)を乗算する。
加算器120は、乗算器117の出力と乗算器119の出力を加算する。加算器121は、加算器120の出力と乗算器115の出力を加算する。加算器122は、加算器121の出力と乗算器113の出力を加算する。加算器123は、加算器122の出力と乗算器112の出力を加算し、タイミングtの出力信号z(t)として出力する。
図4は、電力増幅部のモデル例の振幅対振幅特性を示すグラフである。図4のグラフにおいて、横軸は入力信号x(t)の振幅、縦軸は出力信号z(t)の振幅に対応する。
曲線(a)は、図3の非線形回路の振幅対振幅(AM−AM)特性を示している。これに対し、曲線(b)(ここでは、直線である)は、線形な増幅特性をもつ理想的な電力増幅器を想定し、線形回路のAM−AM特性を示している。図4に示すように、図3の非線形回路の出力信号z(t)の振幅は、入力信号x(t)が0より小さい範囲および約1.75より大きい範囲で、理想的な振幅より負方向に乖離している。また、入力信号x(t)が0より大きく約1.75より小さい範囲で、理想的な振幅より正方向に乖離している。このように、式(1)(2)によって定義されるモデルでは、出力信号z(t)に非線形歪みが生じている。
次に、式(1)(2)に定義した電力増幅器13の非線形性のモデルを用いて、リニアライザ22が行う歪み補償の動作を説明する。第2の実施の形態では、リニアライザ22は、マルコフ連鎖(Markov chain)の概念を採用して、非線形歪みの補償を行う。リニアライザ22は、受信信号から各シンボルの最大事後確率(MAP:Maximum A Posteriori probability)を推定する。これにより、電力増幅器13のメモリ効果により生じた相互変調歪みと加法的雑音とがビット判定に与える影響を抑制する。
ここで、説明を簡単にするため、送信装置10が変調方式として二位相偏移変調(BPSK:Binary Phase Shift Keying)を用いて信号を送信する場合を考える。すなわち、1つのシンボルで1ビット(0または1)が表現される。また、ビット=0はx(t)=+Aとして表現され、ビット=1はx(t)=−Aとして表現されるとする。ただし、Aは正の実数である。ビット(0または1)は、シンボルの正負に基づいて判定できる。
前述の通り、式(2)に定義した非線形モデルでは、あるシンボルの出力信号は、1つ前のシンボルの入力信号の影響を受ける。すなわち、1つ前のシンボルとの間でシンボル間干渉が生じている。そこで、以上に述べた変調方式を用いる場合、式(3)に示すz1〜z4の4通りの出力信号の何れかが、図3に示すような回路から出力される。
Figure 0005505082
1は、x(t)=+A,x(t−1)=+Aのとき出力されるz(t)である。z2は、x(t)=+A,x(t−1)=−Aのとき出力されるz(t)である。z3は、x(t)=−A,x(t−1)=+Aのとき出力されるz(t)である。z4は、x(t)=−A,x(t−1)=−Aのとき出力されるz(t)である。このように、入力信号x(t),x(t−1)から出力信号z(t)が決まるモデルを考えることができる。
送信装置10と通信を行う受信装置20では、電力増幅器13が出力するz(t)と加法的雑音とが重畳された受信信号を受信すると定義することができる。式(4)に、受信装置20における受信信号のモデルを示す。式(4)において、y(t)は受信信号、n(t)は白色ガウス雑音である。なお、受信信号、送信信号および白色ガウス雑音は、例えば、複素数で表現することができる。
Figure 0005505082
リニアライザ22は、受信信号y(t)から送信信号x(t)の事後確率を推定する。硬判定は、例えば、式(5)または式(6)に従って行うことができる。前者は事後確率と閾値(例えば、1)とを比較して判定する方法であり、後者は事後確率の対数と閾値(例えば、0)とを比較して判定する方法である。式(5)による判定と式(6)による判定とは等価である。式(5)または式(6)の条件を具備するときビット=0と判定し、具備しないときビット=1と判定することができる。第2の実施の形態では、リニアライザ22は、式(6)の左辺に相当する信号(信号p(t))を出力するものとする。
Figure 0005505082
Figure 0005505082
次に、リニアライザ22の実装例について説明する。以上説明した考え方および電力増幅器13のモデルに基づいて、リニアライザ22を実装することができる。
図5は、リニアライザの詳細を示すブロック図である。リニアライザ22は、相関器211〜213、減算器214,216,218,220,223、乗算器219、加算器215,217,221,224,226,227、非線形部222,225および遅延部228を有する。
相関器211は、y(t)と予め設定された参照信号S0を乗算して、両者の相関を算出する。相関器212は、y(t)と予め設定された参照信号S1を乗算して、両者の相関を算出する。相関器213は、y(t)と予め設定された参照信号S2を乗算して、両者の相関を算出する。相関器211〜213としては、整合フィルタを用いてもよい。パラメータとしての参照信号S0,S1,S2は、電力増幅器13の増幅特性に応じたボルテラカーネルを係数として用いて、式(7)のように定義される。
Figure 0005505082
減算器214は、相関器211の出力から予め設定されたパラメータΔ0を減算する。加算器215は、予め設定されたパラメータΔ1,Δ2を加算する。減算器216は、パラメータΔ1からパラメータΔ2を減算する。パラメータΔ0,Δ1,Δ2は、受信信号間のエネルギー差に対応する値であり、電力増幅器13の増幅特性に応じたボルテラカーネルを係数として用いて、式(8)のように定義される。
Figure 0005505082
加算器217は、相関器212の出力と相関器213の出力とを加算する。減算器218は、相関器212の出力から相関器213の出力を減算する。すなわち、加算器217が出力する信号B1(t)および減算器218が出力する信号B2(t)は、式(9)のように定義することができる。
Figure 0005505082
乗算器219は、減算器214の出力に定数0.5を乗算する。減算器220は、加算器217の出力から減算器216の出力を減算する。加算器221は、減算器220の出力と遅延部228が保持する信号とを加算する。非線形部222は、加算器221の出力に対し、双曲線余弦関数および対数関数を含む非線形演算を行う。減算器223は、減算器218の出力から加算器215の出力を減算する。加算器224は、減算器223の出力と遅延部228が保持する信号とを加算する。非線形部225は、加算器224の出力に対し、非線形部222と同様の非線形演算を行う。
加算器226は、非線形部222,225の出力を加算する。加算器215,221,224,226、減算器216,220,223および非線形部222,225によって行われる演算は、式(10)のような非線形関数として表すことができる。式(10)において、p(t)は、タイミングtに遅延部228が保持している信号である。
Figure 0005505082
加算器227は、乗算器219の出力と加算器226の出力とを加算する。加算器226の出力は、送信信号x(t)の事後確率を示す信号p(t)として硬判定部23に出力される。遅延部228は、加算器227が出力したp(t)を1シンボル時間だけ保持する。このとき信号p(t−1)は破棄してもよい。遅延部228が保持するp(t)は、タイミングt+1のシンボルに対する歪み補償に用いられる。すなわち、p(t)が、p(t+1)を算出する際の事前確率として用いられる。p(t)は、式(10)で定義した関数F(t)を用いて、式(11)のように定義される。
Figure 0005505082
このように、リニアライザ22は、同一の受信信号y(t)に対してそれぞれ演算を行う、減算器214を通る第1の演算パスと、減算器220を通る第2の演算パスと、減算器223を通る第3の演算パスとを含む。第1の演算パスでは、参照信号S0とパラメータΔ0とを用いた線形演算が行われる。第2・第3の演算パスでは、それぞれ、参照信号S1,S2とパラメータΔ1,Δ2と1つ前のシンボルの事後確率とを用いた線形演算が行われ、線形演算の結果を入力とする非線形演算が行われる。第1〜第3の演算パスの出力を線形加算することで、送信信号x(t)の事後確率が推定される。
リニアライザ22は、あるシンボルについて推定した事後確率をフィードバックして、次のシンボルの処理に用いることで、メモリ効果により生じたシンボル間干渉を考慮した歪み補償を実現している。なお、受信信号に含まれる最初のシンボルの処理には、1つ前のシンボルについて推定した事後確率を利用できない。そこで、例えば、x(t)=+Aとx(t)=−Aが統計的にランダムに出現すると仮定してもよい。すなわち、P(x(t)=+A|y(t))=P(x(t)=−A|y(t))=1/2であり、p(0)=0であると仮定する。この場合、遅延部228には初期値として0が格納される。
以上に説明したリニアライザ22は、「ターボ概念」に適合していることから、「ターボリニアライザ(ターボ線形化器)」と呼ぶこともできる。すなわち、リニアライザ22は、あるシンボルの事後確率の推定精度を、前のシンボルに関する情報を用いて向上させていると言うことができる。また、リニアライザ22は、互いに相関の無い雑音が付与される複数の演算パスに受信信号を通し、推定した事後確率の信頼性を複数のパス間で伝搬させることで、事後確率の推定精度を向上させていると言うこともできる。
図6は、非線形関数の入力および出力を示すグラフである。図6に示すグラフの横軸は減算器220,223に対する入力信号B1(t),B2(t)に対応し、縦軸は式(10)に示した非線形関数F(t)の出力に対応する。ただし、このグラフでは、説明を簡単にするために、p(t−1)=0かつB1(t)=B2(t)と仮定している。
曲線(a)は、非線形関数F(t)の出力を示している。曲線(a)は、線形部分(図6では、F(t)=+1.25およびF(t)=−1.25の部分)を含んでいる。当該線形部分は、F(t)の出力の上限および下限(リミッタ)としての役割を果たす。上限および下限のレベルは、パラメータΔ1,Δ2(すなわち、ボルテラカーネル)と受信装置20における信号対雑音比(SNR:Signal to Noise Ratio)とに依存する。
曲線(b)は、非線形関数F(t)を近似した線形関数の例である。リニアライザ22は、各シンボルの事後確率を推定するために、非線形関数F(t)に代えて曲線(b)によって示される線形関数を用いることも可能である。
図7は、受信装置における歪み補償を示すフローチャートである。このフローチャートが示す処理は、リニアライザ22によってシンボル毎に実行される。以下、図7に示すステップ番号に沿って歪み補償の処理を説明する。
(ステップS1)相関器211は、受信信号y(t)と参照信号S0とを乗算して相関を算出する。相関器212は、y(t)と参照信号S1とを乗算して相関を算出する。相関器213は、y(t)と参照信号S2とを乗算して相関を算出する。
(ステップS2)加算器217および減算器218(バタフライ部)は、相関器212,213の出力から、それぞれB1(t),B2(t)を算出する。
(ステップS3)減算器220は、パラメータΔ1,Δ2をステップS2で算出されたB1(t)に適用する。減算器223は、パラメータΔ1,Δ2をステップS2で算出されたB2(t)に適用する。加算器221は、遅延部228が保持する信号p(t−1)を減算器220の出力に適用する。加算器224は、信号p(t−1)を減算器223の出力に適用する。
(ステップS4)減算器214は、相関器211の出力にパラメータΔ0を適用する。
(ステップS5)非線形部222は、加算器221の出力に対して非線形演算を行う。非線形部225は、加算器224の出力に対して非線形演算を行う。加算器226は、非線形部222,225の出力を加算する。
(ステップS6)乗算器219は、減算器214の出力に定数0.5を乗算する。加算器227は、乗算器219の出力と加算器226の出力とを加算することで、p(t)を算出する。
(ステップS7)加算器227は、ステップS6で算出したp(t)を、遅延部228および硬判定部23に出力する。遅延部228は、保持している信号p(t−1)を、加算器227が出力したp(t)に更新する。
なお、リニアライザ22は、以上のステップS1〜S7の処理を逐次的に実行しなくてもよい。例えば、前述の第1〜第3の演算パスの演算は、互いに並列に実行することも可能である。また、ステップS1〜S7の処理の一部を逆順で実行することもできる。
次に、リニアライザ22を受信装置に設けた場合と、リニアライザ22を受信装置に設けず前置歪み器を送信装置に設けた場合との間で、歪み補償の精度を比較する。
図8は、他の無線通信システムの例を示すブロック図である。図2に示した第2の実施の形態の無線通信システムとの比較対象として、図8に示す無線通信システムを考える。この無線通信システムは、送信装置10aと受信装置20aとを含む。
送信装置10aは、送信信号生成部11、直交変調部12、電力増幅器13および前置歪み器14を有する。前置歪み器14は、送信信号生成部11と直交変調部12の間に設けられている。前置歪み器14は、送信信号x(t)を直交変調部12に入力する前に歪ませる。受信装置20aは、直交復調部21、硬判定部23および復号部24を有する。直交復調部21と硬判定部23の間には、リニアライザが設けられていない。
図9は、前置歪み器の実装例を示すブロック図である。前置歪み器14は、直交復調部131、LPF132、アナログディジタル変換器(ADC:Analog-Digital Converter)133、遅延部134、最小平均二乗(LMS:Least Mean Square)算出部135、加算器136、増幅部137、遅延部138、テーブル記憶部139および乗算器140を有する。なお、送信装置10aは、図8に示したブロックの他、ディジタルアナログ変換器(DAC:Digital-Analog Converter)15およびLPF16を有する。
直交復調部131は、電力増幅器13が出力した高周波信号を取得し、I成分およびQ成分それぞれについてダウンコンバートを行う。LPF132は、直交復調部131がダウンコンバートした信号の低周波成分を通過させ高周波成分をフィルタリングする。ADC133は、LPF132を通過したアナログ信号をディジタル信号に変換する。遅延部134は、送信信号を遅延させる。LMS算出部135は、遅延部134から送信信号を取得すると共に、ADC133から当該送信信号に対応するフィードバック信号を取得する。そして、最小二乗法を用いて、両者の平均的な差分を算出する。
加算器136は、LMS算出部135が算出した差分値を、テーブル記憶部139から出力される補償値に加算して、テーブル記憶部139に書き戻す。増幅部137は、送信信号を増幅する。そして、増幅後の送信信号を、テーブルに格納された補償値の読み出しアドレスとして、テーブル記憶部139に出力する。遅延部138は、増幅部137が増幅した送信信号を遅延させる。そして、遅延した送信信号を、テーブルへの補償値の書き込みアドレスとして、テーブル記憶部139に出力する。
テーブル記憶部139は、補償前の送信信号のレベルに対応付けて、送信信号に適用する補償値を記憶したLUT(Lookup Table)を格納する。テーブル記憶部139は、増幅部137から入力された読み出しアドレスに対応付けられた補償値を読み出し、加算器136および乗算器140に出力する。また、遅延部138から入力された書き込みアドレスに対応付けられた補償値を、加算器136が算出した値に更新する。乗算器140は、送信信号とテーブル記憶部139が出力した補償値とを乗算し、DAC15に出力する。
DAC14は、前置歪みが行われた後のディジタル信号をアナログ信号に変換する。LPF16は、DAC15が出力したアナログ信号の低周波成分を通過させ高周波成分をフィルタリングし、通過した信号を直交変調部12に出力する。このようにして、前置歪み方式による線形化を実現できる。
図10は、ビット誤り率のシミュレーション結果を示すグラフである。図10に示すグラフの横軸は、受信信号レベル(Eb)と背景雑音レベルのスペクトル密度(N0)との比を示している。縦軸は、ビット誤り率を示している。
曲線(a)は、式(12)に基づいて算出される曲線である。式(12)は、シンボル間干渉の無い理想的な信号を送信する送信装置のモデルを示している。また、曲線(a)に沿って示されるドットは、シンボル間干渉の生じない理想的な電力増幅器(すなわち、h1(0)=1,h1(1)=0,h2(q1,q2)=0)を想定したシミュレーションの結果を示している。グラフに示すように、当該シミュレーションの結果は、式(12)に基づいて算出した曲線(a)とほぼ一致している。
Figure 0005505082
曲線(b)(d)(f)は、図8,9に示した無線通信システムにおいて、受信装置20aで観測されるビット誤り率をシミュレーションした結果である。曲線(c)(e)(g)は、図2,5に示した第2の実施の形態の無線通信システムにおいて、受信装置20で観測されるビット誤り率をシミュレーションした結果である。また、曲線(b)(c)は、振幅A=0.5の両極性信号が送信される場合、曲線(d)(e)は、振幅A=1.0の両極性信号が送信される場合、曲線(f)(g)は、振幅A=1.5の両極性信号が送信される場合のシミュレーション結果である。
グラフに示すように、3通りの振幅の何れについても、第2の実施の形態のリニアライザ22を用いた方が、前置歪み器14を用いた場合よりもBERが低下し、シンボル間干渉の無い理想的な場合のBERに近づいている。
このように、リニアライザ22を受信装置20に設けることで、受信品質を向上させることができる。特に、Eb/N0が高い範囲でBERの改善が大きい。また、送信装置10が送信する信号にシンボル間干渉が無い場合、すなわち、ボルテラカーネルがh1(0)=1,h1(1)=0,h2(q1,q2)=0である場合、受信装置20ではパラメータΔ1=Δ2=0に設定される。この場合、リニアライザ22は非線形演算を実質的に行わず、リニアライザ22が受信品質に悪影響を与えることを回避できる。すなわち、電力増幅器13のメモリ効果の影響が小さい場合でも、高い受信品質を維持できる。
このような第2の実施の形態の無線通信システムによれば、電力増幅器13のメモリ効果によって生じる非線形歪みを、受信装置20において効率的に緩和することができる。すなわち、受信装置20は、あるシンボルの歪み補償の結果を、その次のシンボルの歪み補償のためにフィードバックする。これにより、メモリ効果をもつ電力増幅器13の増幅特性の逆特性を精度よく算出しなくても、歪み補償の精度を向上させることができる。また、送信装置10に複雑なアルゴリズムを実装した前置歪み器を設けなくてもよく、送信装置10の回路構成を簡略化することができる。
また、電力増幅器13の線形化を受信装置20において行うことで、電力増幅器13により生じる歪みに加えて、受信装置20の受信信号に付加されている白色ガウス雑音の影響も緩和できる。以上により、受信装置20における受信品質を効率的に向上させることができ、高品質な無線通信を実現できる。なお、リニアライザ22は、回路部品として、受信装置20とは独立に流通させることが可能である。また、リニアライザ22を含むディジタル信号処理回路を、独立の回路部品として流通させることも可能である。その場合は、受信装置20に後から当該回路部品を組み込むこともできる。
1 送信装置
1a 電力増幅器
2 受信装置
2a 演算部
2b 遅延部

Claims (9)

  1. 送信装置が電力増幅器を用いて送信した信号を受信する受信装置であって、
    受信信号に含まれるシンボルに対して歪み補償を行う演算部と、
    前記演算部が行った歪み補償の結果についての信号を保持する遅延部と、を有し、
    前記演算部は、前記電力増幅器の増幅特性に対応する係数と、前記遅延部が保持する第1のシンボルに対する歪み補償の結果についての信号とに基づいて、前記第1のシンボルより後のタイミングの第2のシンボルに対する歪み補償を行う、
    ことを特徴とする受信装置。
  2. 前記演算部が行う歪み補償には、非線形演算が含まれることを特徴とする請求項1記載の受信装置。
  3. 前記演算部は、シンボルに対して線形演算を行う第1の演算部と、当該シンボルに対して非線形演算を含む演算を行う第2の演算部とを含み、前記第1および第2の演算部の演算結果を入力として行う線形演算の結果を、歪み補償の結果として出力することを特徴とする請求項1記載の受信装置。
  4. 前記第2の演算部は、シンボルに対して非線形演算を含む互いに異なる演算を行う第1および第2の非線形演算部を含むことを特徴とする請求項3記載の受信装置。
  5. 前記第2の演算部は、前記第2のシンボルと前記増幅特性に対応する係数と前記第1のシンボルに対する歪み補償の結果についての信号とを入力とする線形演算を行い、当該線形演算の結果を入力とする非線形演算を行うことを特徴とする請求項3記載の受信装置。
  6. 前記遅延部は、前記第1のシンボルに対する歪み補償の結果についての信号として、前記第1のシンボルについて算出された事後確率を示す信号を保持することを特徴とする請求項1記載の受信装置。
  7. 前記演算部は、シンボルに対する歪み補償と、前記遅延部が保持する歪み補償の結果についての信号を更新する処理とを、シンボル毎に繰り返し実行することを特徴とする請求項1記載の受信装置。
  8. 電力増幅器を用いて信号を送信する送信装置からの受信信号に含まれるシンボルに対して歪み補償を行う演算部と、
    前記演算部が行った歪み補償の結果についての信号を保持する遅延部と、を有し、
    前記演算部は、前記電力増幅器の増幅特性に対応する係数と、前記遅延部が保持する第1のシンボルに対する歪み補償の結果についての信号とに基づいて、前記第1のシンボルより後のタイミングの第2のシンボルに対する歪み補償を行う、
    ことを特徴とするリニアライザ。
  9. 電力増幅器を用いて信号を送信する送信装置からの受信信号に含まれる第1のシンボルに対して歪み補償を行い、
    前記第1のシンボルに対する歪み補償の結果についての信号を保持し、
    前記電力増幅器の増幅特性に対応する係数と、前記第1のシンボルに対する歪み補償の結果についての信号とに基づいて、前記第1のシンボルより後のタイミングの前記受信信号に含まれる第2のシンボルに対する歪み補償を行う、
    ことを特徴とする歪み補償方法。
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