JP2001339449A - ディジタル受信装置 - Google Patents

ディジタル受信装置

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JP2001339449A
JP2001339449A JP2001081516A JP2001081516A JP2001339449A JP 2001339449 A JP2001339449 A JP 2001339449A JP 2001081516 A JP2001081516 A JP 2001081516A JP 2001081516 A JP2001081516 A JP 2001081516A JP 2001339449 A JP2001339449 A JP 2001339449A
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signal
distortion
unit
quantization
linear
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JP2001081516A
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English (en)
Inventor
Masayuki Orihashi
雅之 折橋
Katsuaki Abe
克明 安倍
Kleopa Musuya Job
ジョブ・クレオパ・ムスヤ
Shinichiro Takabayashi
真一郎 高林
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)
  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 受信信号に対する復調処理により得られ
る復調信号の特性を良好に保つこと。 【解決手段】 受信部101により受信された信号(受
信信号)150は、増幅部102により増幅されて増幅
信号151となる。歪推定部103aは、増幅部102
の歪特性に関する情報と増幅部102からの増幅信号1
51とを用いて、増幅信号151に含まれる歪成分を推
定し、推定した歪成分を用いて増幅信号151の歪成分
を補正するための補正信号152を生成する。歪補償部
103bは、増幅信号151に対して、歪推定部103
aからの補正信号152を乗算し、増幅信号151から
歪成分が除去された補正増幅信号153を得る。復調部
104は、補正増幅信号153に対する復調処理を行い
復調信号154を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はディジタル通信に用
いられる受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ディジタル通信に用いられる受信
装置(以下「ディジタル受信装置」という。)では、受
信信号に対する受信処理に線形性が保たれていることを
前提として、受信処理後の受信信号に対する復調処理が
なされている。受信信号に対する受信処理に線形性が保
たれていないと、受信処理後の受信信号に対する復調処
理により得られる復調信号の特性が劣化することにな
る。
【0003】例えば、受信処理後の受信信号に対する復
調処理において、受信処理後の受信信号から不要な周波
数成分を分離して必要な周波数成分のみを取り出す場合
を考える。この場合、受信信号に対する受信処理に線形
性が保たれていないと、受信処理後の受信信号から不要
な周波数成分を分離することが困難となるだけでなく、
受信処理後の受信信号から必要な周波数成分が除去され
ることがある。これにより、復調処理により得られる復
調信号の特性が劣化する。したがって、従来のディジタ
ル受信装置は、受信信号に対する受信処理に線形性が高
く保たれるように、設計されている。
【0004】一方、近年のディジタル通信では、大量の
情報を高速に伝送する通信が必要とされている。このよ
うな要望に応えるべく、変調方式として直交振幅変調
(QAM)等が適用されたり、通信方式として、1つの
通信帯域に複数のチャネルが重畳されるスペクトル拡散
方式やOFDM(Orthogonal Frequency Division Mult
iplexing)方式が用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、変調方
式として直交振幅変調等が適用されたり、通信方式とし
てスペクトル拡散方式やOFDM方式が用いられると、
一通信帯域当たりの信号量が増大することになる。この
結果、ディジタル受信装置では、受信信号の電力・振幅
が大きくなるので、この受信信号に対する受信処理にお
いて線形性を保つことが非常に困難となる問題がある。
この結果、復調処理により得られる復調信号の特性が劣
化することになる。
【0006】そこで、近年、一通信帯域当たりの信号量
を増大させるような通信方式が適用された場合にも、デ
ィジタル受信装置での受信処理において線形性を高く保
つ技術が強く望まれている。
【0007】本発明は、かかる点に鑑みてなされ、受信
信号に対する復調処理により得られる復調信号の特性を
良好に保つディジタル受信装置を提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のディジタル受信
装置は、受信信号に対して受信処理を行う受信手段と、
受信処理された受信信号に対して、前記受信手段の特性
を用いた歪補正を行うことにより、前記受信信号から非
線形歪を除去する歪補正手段と、を具備する構成を採
る。
【0009】この構成によれば、受信信号に対する復調
処理により得られる復調信号の特性を良好に保つディジ
タル受信装置を提供することができる。
【0010】本発明のディジタル受信装置は、受信手段
が、受信信号に対する直交復調処理を行う直交復調手段
を含む構成を採る。
【0011】この構成によれば、受信信号に対する復調
処理により得られる復調信号の特性を良好に保つディジ
タル受信装置を提供することができる。さらに、直交復
調により得られたベースバンド信号に対して歪補正を行
うので、復調部に入力される受信信号における振幅歪と
位相歪をともに除去することができる。
【0012】本発明のディジタル受信装置は、受信手段
が、受信信号の周波数帯域を制限するフィルタ演算を行
うフィルタ演算手段を含む構成を採る。
【0013】この構成によれば、受信信号に対する復調
処理により得られる復調信号の特性を良好に保つディジ
タル受信装置を提供することができる。さらに、フィル
タ演算を行うフィルタ素子等で発生した歪を含めて、総
合的に補正を行うことができるので、より精度の高い歪
補正効果が得られる。
【0014】本発明のディジタル受信装置は、受信手段
が、受信信号に含まれる復調に必要な信号の振幅に基づ
いて、前記受信信号の振幅を調整する調整手段を含む構
成を採る。
【0015】この構成によれば、受信信号に対する復調
処理により得られる復調信号の特性を良好に保つディジ
タル受信装置を提供することができる。さらに、所望波
の振幅に対するゲイン制御を行うことができるので、受
信特性の劣化を防ぐことが可能になる。
【0016】本発明のディジタル受信装置は、受信手段
が、受信信号に対する量子化を行う量子化手段を含む構
成を採る。本発明のディジタル受信装置は、量子化手段
が、受信信号に対して線形量子化を行う構成を採る。本
発明のディジタル受信装置は、量子化手段が、受信信号
に対して非線形量子化を行う構成を採る。本発明のディ
ジタル受信装置は、歪補正手段が、量子化手段により非
線形な信号に変換された受信信号を、前記量子化手段の
量子化特性を用いて、線形な信号に変換する構成を採
る。
【0017】これらの構成によれば、受信信号に対する
復調処理により得られる復調信号の特性を良好に保つデ
ィジタル受信装置を提供することができる。さらに、量
子化を行う量子化手段で発生した歪を含めて、総合的に
補正を行うことができるので、より精度の高い歪補正効
果が得られる。
【0018】本発明のディジタル受信装置は、量子化手
段により非線形な信号に変換された受信信号に対して、
フィルタ演算を行うフィルタ演算手段を具備する構成を
採る。
【0019】この構成によれば、受信信号に対する復調
処理により得られる復調信号の特性を良好に保つディジ
タル受信装置を提供することができる。さらに、非線形
な信号に変換された受信信号に対するフィルタ演算を行
う回路の構成を非常に簡易に構成することができる。
【0020】本発明のディジタル受信装置は、量子化手
段により非線形な信号に変換された受信信号に対して、
算術演算を行う演算手段を具備する構成を採る。
【0021】この構成によれば、受信信号に対する復調
処理により得られる復調信号の特性を良好に保つディジ
タル受信装置を提供することができる。さらに、非線形
な信号に変換された受信信号に対する算術演算を行う回
路の構成を非常に簡易に構成することができる。
【0022】本発明のディジタル受信装置は、歪補正手
段が、量子化手段により非線形な信号に変換された受信
信号に対してディジタル信号処理を行う信号処理手段を
具備し、前記信号処理手段が、ディジタル信号処理がな
された受信信号を、前記ディジタル信号処理がなされた
受信信号に対して次になされるディジタル信号処理に適
した符号系により表現される信号に変換する構成を採
る。
【0023】この構成によれば、受信信号に対する復調
処理により得られる復調信号の特性を良好に保つディジ
タル受信装置を提供することができる。さらに、複数の
演算処理に対して、各々の入出力信号に対して最適な符
号体系を設定することにより、各演算処理回路の規模を
小さく抑えることが可能となる。
【0024】本発明のディジタル受信装置は、信号処理
手段における復調処理により得られた復調信号を線形な
信号に変換する変換手段を具備し、受信手段が、線形な
信号に変換された復調信号に含まれる制御信号に基づい
て、受信信号に対する受信処理を行う構成を採る。
【0025】この構成によれば、受信信号に対する復調
処理により得られる復調信号の特性を良好に保つディジ
タル受信装置を提供することができる。さらに、複数の
演算処理に対して、各々の入出力信号に対して最適な符
号体系を設定することにより、各演算処理回路の規模を
小さく抑えることが可能となる。加えて、所望波の振幅
に対するゲイン制御を行うことができるので、受信特性
の劣化を防ぐことが可能になる。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明の骨子は、受信信号に対し
て受信処理を行う受信部の特性を用いて、上記受信処理
された受信信号から非線形歪を除去することである。
【0027】以下、本発明の実施の形態について、図面
を参照して詳細に説明する。 (実施の形態1)本実施の形態では、受信処理されるこ
とにより歪を有している受信信号に対して、この受信処
理を行うアナログ素子の逆特性を用いて歪補正を行う場
合について説明する。
【0028】図1は、本発明の実施の形態1にかかるデ
ィジタル受信装置の構成を示すブロック図である。本実
施の形態にかかるディジタル受信装置は、受信部101
と、増幅部102と、歪推定部103aおよび歪補償部
103bを含む歪補正部103と、復調部104と、を
備える。
【0029】上記構成を有するディジタル受信装置の動
作について説明する。送信側装置(例えば基地局装置や
移動局装置)により送信された信号は、伝搬路を介し
て、本実施の形態にかかるディジタル受信装置における
受信部101により受信される。受信部101により受
信された信号(受信信号)150は、増幅部102によ
り増幅されて増幅信号151となる。増幅部102の特
性に歪が含まれていると、増幅部102により得られる
増幅信号151の特性にも歪が含まれることになる。
【0030】増幅信号151は、歪補正部103におけ
る歪推定部103aおよび歪補正部103における歪補
償部103bに出力される。
【0031】歪推定部103aには、予め増幅部102
の歪特性に関する情報が入力されている。この歪推定部
103aでは、増幅部102の歪特性に関する情報と、
増幅部102からの増幅信号151と、を用いて、増幅
信号151に含まれている歪成分が推定される。さら
に、推定された歪成分を用いて、増幅信号151の歪成
分を補正するための補正信号152が生成される。
【0032】この歪推定部103aは、例えば補正対象
部(ここでは増幅部102)の逆特性を有する素子によ
り構成される。このような素子は、増幅部102からの
増幅信号151を入力すると、補正信号152としてこ
の増幅信号151の逆特性を示す信号を出力する。
【0033】歪推定部103aにより生成された補正信
号152は、歪補償部103bに出力される。歪補償部
103bでは、増幅部102からの増幅信号151に対
して、歪推定部103aからの補正信号152が乗算さ
れる。これにより、増幅信号151から歪成分が除去さ
れた補正増幅信号153が得られる。得られた補正増幅
信号153は、復調部104に出力される。復調部10
4では、補正増幅信号153に対する復調処理がなされ
ることにより、復調信号154が得られる。
【0034】次に、上述したディジタル受信装置におけ
る線形性について説明する。増幅部102により得られ
た増幅信号151に歪が含まれている場合には、増幅部
102に線形性が保たれていないことになる。よって、
従来方式のように、増幅部102により得られた増幅信
号がそのまま復調部104により復調されると、復調部
104により得られる復調信号154の特性は劣化す
る。
【0035】ところが、本実施の形態では、増幅部10
2により得られた増幅信号は、歪補償部103bにより
歪が除去された後、復調部104に出力される。これに
より、受信信号に対する受信処理(例えば増幅部102
による増幅)には線形性が保たれる。別言すれば、歪補
償部103bにより得られた補正増幅信号153には、
線形性が保たれている。この結果、復調部104により
得られる復調信号154の特性は良好に保たれる。
【0036】次に、本実施の形態にかかるディジタル受
信装置によりなされる歪補正と等化器によりなされる等
化技術との相違について説明する。ここで、等化技術と
は、推定した伝送路の特性を用いて、伝送路で発生した
歪を受信信号から除去する技術である。
【0037】本実施の形態によりなされる歪補正と等化
技術と大きく異なるのは、まず第1に、歪補正の対象と
なる信号の種類が異なる点にある。すなわち、等化技術
では、信号系列に対して歪補正が行われる(より具体的
には、過去の信号系列を用いて歪補正がなされる)のに
対して、本実施の形態では、瞬時信号に対する歪補正が
行われる。
【0038】第2に、実際に歪を補正する際に用いられ
る演算処理が非線形処理であるか線形処理であるかの点
にある。すなわち、等化技術では、過去の信号系列に基
づいて入力信号系列から必要な信号を取り出す演算処理
により、歪補正がなされている。別言すれば、歪を補正
する際になされる演算処理は、線形処理である。ただ
し、この演算処理に用いる信号系列の一部として、判定
結果である非線形情報が用いられている。これに対し
て、本実施の形態では、歪を補正する際になされる演算
処理は、非線形処理である。すなわち、瞬時電力に対す
る補償特性が、瞬時電力ごとに異なる。例えば、信号の
値が1である場合と2である場合を考える。それぞれの
瞬時電力すなわち1および2に対応する補償特性が1と
0.7である場合、信号値1に対する出力は1となり信
号値2に対する出力は1.4となる。以上、本実施の形
態にかかるディジタル受信装置によりなされる歪補正と
等化器によりなされる等化技術との相違について説明し
た。
【0039】増幅部102は、入力信号(または出力信
号)の振幅に対して一定となるような歪特性を有してい
る。よって、この歪特性を予め歪推定部103aに入力
しておくことにより、歪推定部103aは、この歪特性
を利用して、増幅部102により得られた増幅信号15
1における歪成分を推定することができる。また、歪補
償部103bは、増幅部102により得られた増幅信号
151における歪成分を除去することができる。このよ
うな方法によれば、歪補正部103は、1入力1出力の
構成を採ることができるので、ディジタル受信装置の構
成を特に変更する必要がない。
【0040】本実施の形態によれば、歪を有する増幅素
子であっても、線形性が必要とされる復調システムに用
いることが可能となる。また、従来方式では、線形性を
保ちながら、振幅変動が激しい広帯域な信号を復調する
ためには、受信装置を構成するすべての素子において広
い範囲で線形性を確保する必要があるが、本実施の形態
によれば、受信系全体の歪特性を歪推定部103aに予
め入力しておくことにより、受信信号から容易に歪を除
去することが可能となるので、受信装置の小型化および
低廉化を図ることができる。
【0041】従来方式では、受信装置を構成する素子の
線形性に関する設計が、受信信号の範囲を限定すること
によりなされている。よって、これらの素子の線形性
は、受信信号の特徴が予め予測できた場合にのみ保たれ
ている。本実施の形態によれば、十分に広い範囲で線形
性を保つことができるので、受信信号を特に限定しない
ような復調システム(例えばソフトウェアにより復調部
を実現したようなシステム)において、特に有効であ
る。
【0042】一般の受信装置は、線形変復調を採用する
ことを基本としているので、増幅部102としては線形
増幅素子を用いることが好ましい。しかし、すべての増
幅素子は、入力信号に対して非線形であるといった歪特
性を有している。この歪特性は、出力信号が飽和するこ
とにより生ずることが多く、入力信号の瞬時電力に対し
て一定であるといった特徴を有する。これは、出力信号
に対して入力信号が一意的に決定することを意味してい
る。したがって、歪補正部103は、増幅部102の出
力信号(すなわち増幅信号151)のみを用いることに
より、理想的な出力信号を推測すること、すなわち、増
幅部102からの増幅信号151から歪を除去すること
ができる。
【0043】一方、増幅部102の出力信号(増幅信号
151)に対して入力信号(受信信号150)が一意的
に決定しない場合には、歪補正部103が、受信信号1
50のある特性(例えば電力)に関する情報を、増幅部
102を経由させずに歪補正部103に出力することに
より、増幅信号151から歪を除去することが可能とな
る。また、この場合、影響が限定されているのであれ
ば、増幅部102の出力信号(増幅信号151)から理
想的な出力信号を推測することが可能である。ただし、
この場合、歪が除去された信号として理想的な出力信号
とは異なった信号が得られる可能性がある。
【0044】増幅部102の歪特性が予め設計されてい
る場合には、例えば増幅部102の歪特性が算術的な計
算により設計されている場合には、歪補正部103は、
増幅部102逆特性が与えられるだけで容易に構成され
る。これにより歪補正部103の構成が容易となる。さ
らに、増幅部102の歪特性が事前に測定可能または設
計可能であるならば、その歪特性を除去するのに最適な
歪補正部103を構成することができるだけでなく、例
えば増幅部102の歪特性の変化を算術的な計算により
表現したり参照テーブルに格納しておくことにより、適
用性の高い歪補正部103を構成することができる。
【0045】本実施の形態では、歪補正部103が補正
する歪を増幅部102で発生した歪のみに限定して説明
したが、歪補正部103が補正する歪に限定はない。す
なわち、歪補正部103は、増幅部102で発生した
歪、および、増幅部102以外の素子(フィルタ素子や
周波数変換に用いられるミキサ素子等のアナログ回路)
で発生した歪を含めて、総合的に補正を行うことができ
る。これにより、より精度の高い歪補正効果が得られ
る。
【0046】以上のように、本実施の形態では、受信処
理されることにより歪を有している受信信号に対して、
この受信処理を行うアナログ素子の逆特性を用いて歪補
正を行っている。これにより、復調処理に用いられる受
信処理後の受信信号には、線形性が保たれる。したがっ
て、受信処理後の受信信号に対する復調処理により得ら
れる復調信号の特性は、良好に保たれる。
【0047】(実施の形態2)図2は、本発明の実施の
形態2にかかるディジタル受信装置の構成を示すブロッ
ク図である。なお、図2における実施の形態1(図1)
と同様の構成については、図1におけるものと同一の符
号を付して、詳しい説明を省略する。
【0048】本実施の形態にかかるディジタル受信装置
は、受信部101と、増幅部102と、直交変調部20
1と、歪推定部202a、歪補償部202b、202c
を含む歪補正部202と、復調部104と、を備える。
【0049】上記構成を有するディジタル受信装置の動
作について、実施の形態1と相違する点のみに着目して
説明する。増幅信号151は、直交復調部201によ
り、同相信号205bおよび直交信号205cを含むベ
ースバンド信号に復調される。ベースバンド信号におけ
る同相信号205b(直交信号205c)は、歪補正部
202における歪推定部202aおよび歪補償部202
b(歪補償部202c)に出力される。
【0050】ここで、増幅部102の特性に歪が含まれ
ていると、増幅部102により得られる増幅信号151
の特性にも歪が含まれる。さらに、この歪のベクトル成
分は、ベースバンド信号における同相信号205bおよ
び直交信号205cにも含まれる。
【0051】歪推定部202aには、予め増幅部102
の歪特性のベクトル成分に関する情報が入力されてい
る。この歪推定部202aでは、増幅部102の歪特性
に関する情報と、直交変調部201により得られたベー
スバンド信号における同相信号250bおよび直交信号
250cと、を用いて、ベースバンド信号における同相
信号250bおよび直交信号250cに含まれている歪
成分が推定される。さらに、推定された歪成分を用い
て、ベースバンド信号における同相信号250b(直交
信号250c)の歪成分を補正するための補正信号25
1b(補正信号251c)が生成される。
【0052】この歪推定部202aは、例えば補正対象
部(ここでは増幅部102)の逆特性を有する素子によ
り構成される。ここで、増幅部102の歪特性がベクト
ル表現された成分は、失われることなく、直交復調部2
01により得られるベースバンド信号にも含まれてい
る。よって、このような素子は、直交復調部201から
のベースバンド信号における同相信号250b(直交信
号250c)を入力すると、補正信号251b(補正信
号251c)としてこのベースバンド信号における同相
信号250b(直交信号250c)に含まれる歪につい
ての逆特性を示す信号を出力する。なお、増幅部102
の歪特性がベクトルにより表現されるとは、具体的に
は、増幅部102の歪特性が振幅成分と位相成分とを用
いたベクトルにより表現されることに相当する。
【0053】歪推定部202aにより生成された補正信
号251b(補正信号251c)は、歪補償部202b
(歪補償部202c)に出力される。歪補償部202b
(歪補償部202c)では、直交復調部201からの同
相信号250b(直交信号250c)に対して、歪推定
部202aからの補正信号251b(補正信号251
c)が乗算される。これにより、同相信号250b(直
交信号250c)から歪成分が除去された補正増幅信号
252b(補正増幅信号252c)が得られる。
【0054】得られた補正増幅信号252bおよび補正
増幅信号252cは、復調部104に出力される。復調
部104では、補正増幅信号252bおよび補正増幅信
号252cに対する復調処理がなされることにより、復
調信号252が得られる。
【0055】増幅部102は、入力信号(または出力信
号)の振幅に対して一定となるような歪特性を有してい
る。さらに、この歪特性がベクトル表現された成分は、
直交変調されても失われることがない。よって、この歪
特性をベクトル値として予め歪推定部202aに入力し
ておくことにより、歪推定部202aは、この歪特性を
利用して、増幅部102により得られた増幅信号151
における歪成分(すなわち直交復調部201により得ら
れるベースバンド信号における歪成分)を推定すること
ができる。また、歪補償部202b(歪補償部202
c)は、同相信号250b(直交信号250c)におけ
る歪成分を除去することができる。
【0056】このような方法によれば、増幅部102の
歪特性がベクトル表現されているので、歪補正部202
は、直交復調部201により得られたベースバンド信号
における振幅歪と位相歪とを補正することができる。こ
れにより、歪補正部202により歪が補正された補正増
幅信号252bおよび252cにおいて、特に高い線形
性を確保することが可能となる。
【0057】本実施の形態によれば、歪を有する増幅素
子であっても、線形性が必要とされる復調システムに用
いることが可能となる。また、従来方式では、線形性を
保ちながら、振幅変動が激しい広帯域な信号を復調する
ためには、受信装置を構成するすべての素子において広
い範囲で線形性を確保する必要があるが、本実施の形態
によれば、受信系全体の歪特性を歪推定部202aに予
め入力しておくことにより、受信信号から容易に歪を除
去することが可能となるとともに、扱うことのできる信
号の振幅の範囲が拡大するので、受信装置の小型化およ
び低廉化を図ることができる。
【0058】従来方式では、受信装置を構成する素子の
線形性に関する設計が、受信信号の範囲を限定すること
によりなされている。よって、これらの素子の線形性
は、受信信号の特徴が予め予測できた場合にのみ保たれ
ている。本実施の形態によれば、十分に広い範囲で線形
性を保つことができるので、受信信号を特に限定しない
ような復調システム(例えばソフトウェアにより復調部
を実現したようなシステム)において、特に有効であ
る。
【0059】一般の受信装置は、線形変復調を採用する
ことを基本としているので、増幅部102としては線形
増幅素子を用いることが好ましい。しかし、すべての増
幅素子は、入力信号に対して非線形であるといった歪特
性を有している。この歪特性は、出力信号が飽和するこ
とにより生ずることが多く、入力信号の瞬時電力に対し
て一定であるといった特徴を有する。これは、出力信号
に対して入力信号が一意的に決定することを意味してい
る。したがって、歪補正部202は、直交復調部201
の出力信号(すなわちベースバンド信号における同相信
号250bおよび直交信号250c)のみを用いること
により、理想的な出力信号を推測すること、すなわち、
直交復調部201からのベースバンド信号から歪を除去
することができる。
【0060】一方、増幅部102の出力信号(増幅信号
151)に対して入力信号(受信信号150)が一意的
に決定しない場合には、歪補正部202が、受信信号1
50のある特性(例えば電力)に関する情報を、増幅部
102を経由させずに歪補正部202に出力することに
より、増幅信号151から歪を除去することが可能とな
る。
【0061】また、この場合、影響が限定されているの
であれば、増幅部102の出力信号(増幅信号151)
から理想的な出力信号を推測することが可能である。た
だし、この場合、歪が除去された信号として理想的な出
力信号とは異なった信号が得られる可能性がある。
【0062】増幅部102の歪特性が予め設計されてい
る場合には、例えば増幅部102の歪特性が算術的な計
算により設計されている場合には、歪補正部202は、
増幅部102逆特性が与えられるだけで容易に構成され
る。これにより歪補正部202の構成が容易となる。さ
らに、増幅部102の歪特性が事前に測定可能または設
計可能であるならば、その歪特性を除去するのに最適な
歪補正部202を構成することができるだけでなく、例
えば増幅部102の歪特性の変化を算術的な計算により
表現したり参照テーブルに格納しておくことにより、適
用性の高い歪補正部202を構成することができる。
【0063】本実施の形態では、歪補正部202が補正
する歪を増幅部102で発生した歪のみに限定して説明
したが、歪補正部202が補正する歪に限定はない。す
なわち、歪補正部202は、増幅部102で発生した
歪、および、増幅部102以外の素子(フィルタ素子や
周波数変換に用いられるミキサ素子等のアナログ回路)
で発生した歪を含めて、総合的に補正を行うことができ
る。これにより、より精度の高い歪補正効果が得られ
る。
【0064】以上のように、本実施の形態では、受信処
理されることにより歪を有している受信信号に対して、
この受信処理を行うアナログ素子の逆特性を用いて歪補
正を行っている。これにより、復調処理に用いられる受
信処理後の受信信号には、線形性が保たれる。したがっ
て、受信処理後の受信信号に対する復調処理により得ら
れる復調信号の特性は、良好に保たれる。さらに、本実
施の形態では、直交復調により得られたベースバンド信
号に対して歪補正を行うので、復調部に入力される受信
信号における振幅歪と位相歪をともに除去することがで
きる。
【0065】(実施の形態3)図3は、本発明の実施の
形態3にかかるディジタル受信装置の構成を示すブロッ
ク図である。なお、図3における実施の形態1(図1)
と同様の構成については、図1におけるものと同一の符
号を付して、詳しい説明を省略する。
【0066】本実施の本実施の形態にかかるディジタル
受信装置は、受信部101と、フィルタ部301と、量
子化部302と、歪補正部303と、復調部104と、
を備える。
【0067】上記構成を有するディジタル受信装置の動
作について、実施の形態1と相違する点のみに着目して
説明する。受信部101からの受信信号150は、折り
返し誤差等を除去するフィルタ部301により、帯域制
限される。これにより帯域制限信号350が得られる。
得られた帯域制限信号350は、量子化部302に出力
される。
【0068】量子化部302では、入力信号である帯域
制限信号350の振幅に応じて量子化ステップを変化さ
せながら、帯域制限信号350に対する量子化(すなわ
ち非線形量子化)が行われる。これにより、非線形量子
化信号351が得られる。なお、非線形量子化について
は、後の実施の形態において詳述する。得られた非線形
量子化信号351は、歪補正部303に出力される。
【0069】歪補正部303には、予め量子化部302
における入力信号と出力信号との関係に関する情報が入
力されている。歪補正部303では、この情報を用い
て、非線形量子化信号351が線形化される。これによ
り、補正量子化信号352が得られる。得られた補正量
子化信号352は、復調部104により復調される。こ
れにより、復調信号353が得られる。
【0070】従来の量子化では、まず、量子化対象とな
る受信信号がとりうる振幅の全範囲を、それぞれが一定
の信号幅を有する複数の量子化ステップに分割し、各量
子化ステップに対して量子化ステップに固有の符号を与
えている。これは、量子化誤差を全信号に対して等レベ
ルに分散させていることに相当する。そこで、量子化対
象となる受信信号がとりうる振幅の全範囲を、相互に異
なる信号幅を有する複数の量子化ステップに分割し、各
量子化ステップに対して量子化ステップに固有の復号を
与えることにより、量子化誤差が変化するので、信号の
振幅に応じて量子化誤差を調整できる。
【0071】これを利用すると、ディジタル受信装置に
与えるノイズの調整が可能になる。ディジタル受信装置
の受信特性は、雑音指数などに代表されるシステムノイ
ズ、量子化誤差および演算誤差などにより決定される。
ここで、システムノイズは、受信レベルに関係なくほぼ
一定であり、演算誤差の影響は、扱う信号の振幅が大き
いと小さくなる傾向がある。
【0072】そこで、例えば、量子化誤差と演算誤差の
和を一定にすることにより、または、高C/N環境での
特性を犠牲にすることにより、信号の振幅が大きくなる
にしたがって量子化誤差を大きくすることが可能とな
る。具体的には、量子化部において、振幅が小さい受信
信号に対しては、信号幅の小さい量子化ステップを割り
当て、振幅が大きい受信信号に対しては、信号幅の大き
い量子化ステップを割り当てる。これにより、量子化誤
差により生ずる量子化ノイズが、振幅が大きい受信信号
に大きく重み付けされるので、量子化誤差と演算誤差と
の和を一定にすることができる。
【0073】このような非線形量子化を用いることによ
り、量子化数(分解能)を増加させることなく、量子化
対象となる受信信号の振幅の全範囲を拡大させることが
できる。さらに、量子化ステップを最適に調整すること
により、少ない量子化数により量子化を実現することが
できる。特に、通信に用いられる変調方式や想定される
受信環境などに応じて、量子化ステップを設計すること
により、効率の高い受信を行うディジタル受信装置を設
計することができる。
【0074】本実施の形態によれば、歪を有する増幅素
子であっても、線形性が必要とされる復調システムに用
いることが可能となる。また、従来方式では、線形性を
保ちながら、振幅変動が激しい広帯域な信号を復調する
ためには、受信装置を構成するすべての素子において広
い範囲で線形性を確保する必要があるが、本実施の形態
によれば、受信系全体の歪特性を歪補正部303に予め
入力しておくことにより、受信信号から容易に歪を除去
することが可能となるので、受信装置の小型化および低
廉化を図ることができる。
【0075】従来方式では、受信装置を構成する素子の
線形性に関する設計が、受信信号の範囲を限定すること
によりなされている。よって、これらの素子の線形性
は、受信信号の特徴が予め予測できた場合にのみ保たれ
ている。本実施の形態によれば、十分に広い範囲で線形
性を保つことができるので、受信信号を特に限定しない
ような復調システム(例えばソフトウェアにより復調部
を実現したようなシステム)において、特に有効であ
る。
【0076】一般の受信装置は、線形変復調を採用する
ことを基本としているので、増幅部102としては線形
増幅素子を用いることが好ましい。しかし、すべての増
幅素子は、入力信号に対して非線形であるといった歪特
性を有している。この歪特性は、出力信号が飽和するこ
とにより生ずることが多く、入力信号の瞬時電力に対し
て一定であるといった特徴を有する。これは、出力信号
に対して入力信号が一意的に決定することを意味してい
る。歪補正部303は、量子化部302における非線形
量子化により生ずる非線形性を補正するだけでなく、各
素子の歪成分を除去して理想的な出力信号を推測するこ
とが可能である。
【0077】量子化部302の歪特性が予め設計されて
いる場合には、例えば量子化部302の歪特性が算術的
な計算により設計されている場合には、歪補正部303
は、量子化部302の逆特性が与えられるだけで容易に
構成される。これにより量子化部302の構成が容易と
なる。さらに、量子化部302の歪特性が事前に測定可
能または設計可能であるならば、その歪特性を除去する
のに最適な歪補正部303を構成することができるだけ
でなく、例えば量子化部302の歪特性の変化を算術的
な計算により表現したり参照テーブルに格納しておくこ
とにより、適用性の高い歪補正部303を構成すること
ができる。
【0078】量子化部302の構成は、上述したものに
限定されない。量子化部302は、例えば、複数個の電
圧比較器と参照電圧の組み合わせを有した量子化器にお
いて、参照電圧の間隔を非等間隔にすることにより構成
される。量子化部302は、例えば、1つの電圧比較器
と参照電圧と、いくつかの積分器および微分器と、ディ
ジタルフィルタを用いた量子化器において、ディジタル
フィルタの構成を振幅に応じて変化させることにより、
構成される。この場合には、積分器、微分器およびディ
ジタルフィルタ等はソフトウェア(コンピュータプログ
ラム)により実現可能であるので、本実施の形態にかか
るディジタルフィルタをさらに容易に実現することがで
きる。
【0079】歪補正部303は、量子化情報を扱うの
で、従来のロジック回路により構成可能である一方、ソ
フトウェア(コンピュータプログラム)により実現可能
である。
【0080】(実施の形態4)図4は、本発明の実施の
形態4にかかるディジタル受信装置の構成を示すブロッ
ク図である。なお、図4における実施の形態2(図2)
と同様の構成については、図2におけるものと同一の符
号を付して、詳しい説明を省略する。
【0081】本実施の形態にかかるディジタル受信装置
は、受信部101と、増幅部102と、直交復調部20
1と、量子化部401と、歪推定部202a、歪補償部
202b、202cを含む歪補正部202と、復調部1
04と、を備える。
【0082】上記構成を有するディジタル受信装置の動
作について、実施の形態2と相違する点のみに着目して
説明する。直交復調部201により得られたベースバン
ド信号における同相信号250bおよび直交信号250
cは、量子化部401により量子化される。これによ
り、同相信号450bおよび直交信号450cを含む量
子化ベースバンド信号が生成される。生成された量子化
ベースバンド信号における同相信号450b(直交信号
450c)は、歪補正部202における歪推定部202
aおよび歪補償部202b(歪補償部202c)に出力
される。
【0083】ここで、増幅部102の特性に歪が含まれ
ていると、増幅部102により得られる増幅信号151
の特性にも歪が含まれる。さらに、この歪のベクトル成
分は、ベースバンド信号における同相信号250bおよ
び直交信号250cにも含まれる。
【0084】歪推定部202aには、予め増幅部102
の歪特性のベクトル成分に関する情報が入力されてい
る。この歪推定部202aでは、増幅部102の歪特性
に関する情報と、量子化部401により得られた量子化
ベースバンド信号における同相信号450bおよび直交
信号450cと、を用いて、量子化ベースバンド信号に
おける同相信号450bおよび直交信号450cに含ま
れている歪成分が推定される。さらに、推定された歪成
分を用いて、量子化ベースバンド信号における同相信号
450b(直交信号450c)の歪成分を補正するため
の補正信号451b(補正信号451c)が生成され
る。
【0085】歪推定部202aにより生成された補正信
号451b(補正信号451c)は、歪補償部202b
(歪補償部202c)に出力される。歪補償部202b
(歪補償部202c)では、量子化部401からの同相
信号450b(直交信号450c)に対して、歪推定部
202aからの補正信号451b(補正信号451c)
が乗算される。これにより、同相信号450b(直交信
号450c)から歪成分が除去された、補正ベースバン
ド信号の同相信号452b(補正増幅信号452c)が
得られる。
【0086】得られた補正ベースバンド信号における同
相信号452bおよび直交信号452cは、復調部10
4に出力される。復調部104では、補正ベースバンド
信号における同相信号452bおよび直交信号452c
に対する復調処理がなされることにより、復調信号45
3が得られる。
【0087】増幅部102は、入力信号(または出力信
号)の振幅に対して一定となるような歪特性を有してい
る。さらに、この歪特性がベクトル表現された成分は、
直交変調されても失われることがない。よって、この歪
特性をベクトル値として予め歪推定部202aに入力し
ておくことにより、歪推定部202aは、この歪特性を
利用して、増幅部102により得られた増幅信号151
における歪成分(すなわち直交復調部201により得ら
れるベースバンド信号における歪成分)を推定すること
ができる。また、歪補償部202b(歪補償部202
c)は、同相信号450b(直交信号450c)におけ
る歪成分を除去することができる。
【0088】このような方法によれば、増幅部102の
歪特性がベクトル表現されているので、歪補正部202
は、直交復調部201により得られたベースバンド信号
における振幅歪と位相歪とを補正することができる。こ
れにより、歪補正部202により歪が補正された補正増
幅信号452bおよび452cにおいて、特に高い線形
性を確保することが可能となる。
【0089】本実施の形態によれば、歪を有する増幅素
子であっても、線形性が必要とされる復調システムに用
いることが可能となる。また、従来方式では、線形性を
保ちながら、振幅変動が激しい広帯域な信号を復調する
ためには、受信装置を構成するすべての素子において広
い範囲で線形性を確保する必要があるが、本実施の形態
によれば、受信系全体の歪特性を歪推定部202aに予
め入力しておくことにより、受信信号から容易に歪を除
去することが可能となるので、受信装置の小型化および
低廉化を図ることができる。
【0090】本実施の形態にかかるディジタル受信装置
に、隣接チャネルにより伝送されている大きな電力の信
号が妨害波として入力される場合には、量子化部401
における量子化の範囲を大きく設定することが必要にな
る。ところが、量子化における分解能が同一であるとい
う条件においては、量子化誤差の増大を招き、復調信号
の特性が劣化することになる。そこで、前段の増幅部1
02で増幅信号151に対して振幅を制限するような歪
特性を与え、後段の歪補正部202でこの歪特性に応じ
た歪補正を行うことができる。これにより、小さな電力
の信号から大きな電力の信号に対して、量子化誤差の重
み付けを与えることができるので、同一の量子化分解能
の条件においても、特に復調信号の特性が劣化すること
がない。
【0091】従来方式では、受信装置を構成する素子の
線形性に関する設計が、受信信号の範囲を限定すること
によりなされている。よって、これらの素子の線形性
は、受信信号の特徴が予め予測できた場合にのみ保たれ
ている。本実施の形態によれば、十分に広い範囲で線形
性を保つことができるので、受信信号を特に限定しない
ような復調システム(例えばソフトウェアにより復調部
を実現したようなシステム)において、特に有効であ
る。
【0092】一般の受信装置は、線形変復調を採用する
ことを基本としているので、増幅部102としては線形
増幅素子を用いることが好ましい。しかし、すべての増
幅素子は、入力信号に対して非線形であるといった歪特
性を有している。この歪特性は、出力信号が飽和するこ
とにより生ずることが多く、入力信号の瞬時電力に対し
て一定であるといった特徴を有する。これは、出力信号
に対して入力信号が一意的に決定することを意味してい
る。したがって、歪補正部202は、増幅部102の出
力信号(すなわち増幅信号151)のみを用いることに
より、理想的な出力信号を推測すること、すなわち、増
幅部102からの増幅信号151から歪を除去すること
ができる。
【0093】一方、増幅部102の出力信号(増幅信号
151)に対して入力信号(受信信号150)が一意的
に決定しない場合には、歪補正部202が、受信信号1
50のある特性(例えば電力)に関する情報を、増幅部
102を経由させずに歪補正部202に出力することに
より、増幅信号151から歪を除去することが可能とな
る。また、この場合、影響が限定されているのであれ
ば、増幅部102の出力信号(増幅信号151)から理
想的な出力信号を推測することが可能である。ただし、
この場合、歪が除去された信号として理想的な出力信号
とは異なった信号が得られる可能性がある。
【0094】増幅部102の歪特性が予め設計されてい
る場合には、例えば増幅部102の歪特性が算術的な計
算により設計されている場合には、歪補正部202は、
増幅部102逆特性が与えられるだけで容易に構成され
る。これにより歪補正部202の構成が容易となる。さ
らに、増幅部102の歪特性が事前に測定可能または設
計可能であるならば、その歪特性を除去するのに最適な
歪補正部202を構成することができるだけでなく、例
えば増幅部102の歪特性の変化を算術的な計算により
表現したり参照テーブルに格納しておくことにより、適
用性の高い歪補正部202を構成することができる。
【0095】本実施の形態では、歪補正部202が補正
する歪を増幅部102で発生した歪のみに限定して説明
したが、歪補正部202が補正する歪に限定はない。す
なわち、歪補正部202は、増幅部102で発生した
歪、および、増幅部102以外の素子(フィルタ素子や
周波数変換に用いられるミキサ素子等のアナログ回路)
で発生した歪を含めて、総合的に補正を行うことができ
る。これにより、より精度の高い歪補正効果が得られ
る。
【0096】本実施の形態では、増幅部102と量子化
部401とを独立な要素として扱ったが、増幅部102
の位置と直交復調部201の位置とを入れ替えて、増幅
部102を量子化部401の入力増幅器として扱うこと
も可能である。この場合、増幅部102と量子化部40
1とにより、非線形量子化素子を構成することができ
る。
【0097】歪補正部202は、量子化部401からの
量子化ベースバンド信号を扱う、すなわち、量子化情報
を扱う。よって、歪補正部202を従来のロジック回路
により構成することが可能である一方、歪補正部202
をソフトウェア(コンピュータプログラム)により実現
することが可能である。
【0098】以上のように、本実施の形態では、受信処
理されることにより歪を有している受信信号に対して、
この受信処理を行うアナログ素子の逆特性を用いて歪補
正を行っている。これにより、復調処理に用いられる受
信処理後の受信信号には、線形性が保たれる。したがっ
て、受信処理後の受信信号に対する復調処理により得ら
れる復調信号の特性は、良好に保たれる。さらに、本実
施の形態では、直交復調により得られたベースバンド信
号に対して歪補正を行うので、復調部に入力される受信
信号における振幅歪と位相歪をともに除去することがで
きる。加えて、本実施の形態では、受信処理されること
により歪を有している受信信号をディジタル信号に変換
し、ディジタル信号に変換された受信信号に対して歪補
正を行っている。すなわち、受信信号は、歪補正がなさ
れる際にディジタル信号として処理されている。これに
より、本実施の形態にかかるディジタル受信装置は、高
精度かつ安定した特性を得ることができる。
【0099】(実施の形態5)図5は、本発明の実施の
形態5にかかるディジタル受信装置の構成を示すブロッ
ク図である。なお、図5における実施の形態4(図4)
と同様の構成については、図4におけるものと同一の符
号を付して、詳しい説明を省略する。
【0100】本実施の形態にかかるディジタル受信装置
は、受信部101と、増幅部102と、直交復調部20
1と、量子化部401と、歪推定部202a、歪補償部
202b、202cを含む歪補正部202と、フィルタ
部501と、復調部104と、を備える。
【0101】上記構成を有するディジタル受信装置の動
作について、実施の形態4と相違する点のみに着目して
説明する。補正ベースバンド信号における同相信号45
2b(直交信号452c)は、フィルタ部501によ
り、その周波数帯域が制限される。これにより、帯域制
限ベースバンド信号の同相信号550b(直交信号55
0c)が得られる。ここで、本ディジタル受信装置が通
信に用いている周波数の近隣の周波数は、他の通信装置
の通信により用いられていることが多い。よって、本デ
ィジタル受信装置の受信信号には、上記他の通信装置に
より送信された信号が混在している可能性がある。しか
し、フィルタ部501により帯域制限がなされることに
より、帯域制限ベースバンド信号における上記他の通信
装置による影響が抑えられている。
【0102】得られた帯域制限ベースバンド信号におけ
る同相信号550bおよび直交信号550cは、復調部
104により復調される。これにより復調信号551が
得られる。
【0103】増幅部102は、入力信号(または出力信
号)の振幅に対して一定となるような歪特性を有してい
る。さらに、この歪特性がベクトル表現された成分は、
直交変調されても失われることがない。よって、この歪
特性をベクトル値として予め歪推定部202aに入力し
ておくことにより、歪推定部202aは、この歪特性を
利用して、増幅部102により得られた増幅信号151
における歪成分(すなわち直交復調部201により得ら
れるベースバンド信号における歪成分)を推定すること
ができる。また、歪補償部202b(歪補償部202
c)は、同相信号250b(直交信号250c)におけ
る歪成分を除去することができる。
【0104】このような方法によれば、増幅部102の
歪特性がベクトル表現されているので、歪補正部202
は、直交復調部201により得られたベースバンド信号
における振幅歪と位相歪とを補正することができる。こ
れにより、歪補正部202により歪が補正された補正ベ
ースバンド信号の同相信号452bおよび直交信号45
2cにおいて、特に高い線形性を確保することが可能と
なる。
【0105】本実施の形態によれば、歪を有する増幅素
子であっても、線形性が必要とされる復調システムに用
いることが可能となる。特に、アナログ素子において歪
が生じた状態では、周波数軸上で処理を行うフィルタの
ような素子に対して、設計通りの効果を期待することは
不可能である。よって、フィルタを用いても、情報の一
部の電力が隣接する周波数に漏れ込むといった影響を防
止することが不可能となることがある。したがって、本
実施の形態で説明したような歪補正を行うことにより得
られる効果は大きい。
【0106】例えば、信号帯域が広くかつ複数のチャネ
ルが隣接する通信システムでは、所望する周波数成分の
みを選択して抽出する必要がある。これをアナログ素子
で構成されるフィルタにより実現することは、大きさお
よび精度の観点から、非常に困難である。
【0107】よって、従来方式では、チャネルを選択す
るフィルタをディジタル装置により構成する方法が採ら
れている。ところが、ディジタル装置により構成された
フィルタは、アナログ信号をディジタル信号に変換する
までにおいて、不要な周波数成分まで扱う必要がある。
これにより、周波数の点や振幅のダイナミックレンジの
点において、アナログ素子により線形性を確保しなくて
はならないという問題が出てくる。
【0108】本実施の形態によれば、受信系全体の歪特
性を歪推定部202aに予め入力しておくことにより、
受信信号から容易に歪を除去することが可能となるの
で、受信装置の小型化および低廉化を図ることができ
る。
【0109】従来方式では、受信装置を構成する素子の
線形性に関する設計が、受信信号の範囲を限定すること
によりなされている。よって、これらの素子の線形性
は、受信信号の特徴が予め予測できた場合にのみ保たれ
ている。本実施の形態によれば、十分に広い範囲で線形
性を保つことができるので、受信信号を特に限定しない
ような復調システム(例えばソフトウェアにより復調部
を実現したようなシステム)において、特に有効であ
る。
【0110】一般の受信装置は、線形変復調を採用する
ことを基本としているので、増幅部102としては線形
増幅素子を用いることが好ましい。しかし、すべての増
幅素子は、入力信号に対して非線形であるといった歪特
性を有している。この歪特性は、出力信号が飽和するこ
とにより生ずることが多く、入力信号の瞬時電力に対し
て一定であるといった特徴を有する。これは、出力信号
に対して入力信号が一意的に決定することを意味してい
る。したがって、歪補正部202は、増幅部102の出
力信号(すなわち増幅信号151)のみを用いることに
より、理想的な出力信号を推測すること、すなわち、増
幅部102からの増幅信号151から歪を除去すること
ができる。
【0111】一方、増幅部102の出力信号(増幅信号
151)に対して入力信号(受信信号150)が一意的
に決定しない場合には、歪補正部202が、受信信号1
50のある特性(例えば電力)に関する情報を、増幅部
102を経由させずに歪補正部103に出力することに
より、増幅信号151から歪を除去することが可能とな
る。また、この場合、影響が限定されているのであれ
ば、増幅部102の出力信号(増幅信号151)から理
想的な出力信号を推測することが可能である。ただし、
この場合、歪が除去された信号として理想的な出力信号
とは異なった信号が得られる可能性がある。
【0112】増幅部102の歪特性が予め設計されてい
る場合には、例えば増幅部102の歪特性が算術的な計
算により設計されている場合には、歪補正部202は、
増幅部102逆特性が与えられるだけで容易に構成され
る。これにより歪補正部202の構成が容易となる。さ
らに、増幅部102の歪特性が事前に測定可能または設
計可能であるならば、その歪特性を除去するのに最適な
歪補正部202を構成することができるだけでなく、例
えば増幅部102の歪特性の変化を算術的な計算により
表現したり参照テーブルに格納しておくことにより、適
用性の高い歪補正部202を構成することができる。
【0113】本実施の形態では、歪補正部202が補正
する歪を増幅部102で発生した歪のみに限定して説明
したが、歪補正部202が補正する歪に限定はない。す
なわち、歪補正部202は、増幅部102で発生した
歪、および、増幅部102以外の素子(フィルタ素子や
周波数変換に用いられるミキサ素子等のアナログ回路)
で発生した歪を含めて、総合的に補正を行うことができ
る。これにより、より精度の高い歪補正効果が得られ
る。
【0114】本実施の形態では、増幅部102と量子化
部401とを独立な要素として扱ったが、増幅部102
の位置と直交復調部201の位置とを入れ替えて、増幅
部102を量子化部401の入力増幅器として扱うこと
も可能である。この場合、増幅部102と量子化部40
1とにより、非線形量子化素子を構成することができ
る。
【0115】歪補正部202は、量子化部401からの
量子化ベースバンド信号を扱う、すなわち、量子化情報
を扱う。よって、歪補正部202を従来のロジック回路
により構成することが可能である一方、歪補正部202
をソフトウェア(コンピュータプログラム)により実現
することが可能である。
【0116】以上のように、本実施の形態では、受信処
理されることにより歪を有している受信信号に対して、
この受信処理を行うアナログ素子の逆特性を用いて歪補
正を行っている。これにより、復調処理に用いられる受
信処理後の受信信号には、線形性が保たれる。したがっ
て、受信処理後の受信信号に対する復調処理により得ら
れる復調信号の特性は、良好に保たれる。さらに、本実
施の形態では、直交復調により得られたベースバンド信
号に対して歪補正を行うので、復調部に入力される受信
信号における振幅歪と位相歪をともに除去することがで
きる。加えて、本実施の形態では、受信処理されること
により歪を有している受信信号をディジタル信号に変換
し、ディジタル信号に変換された受信信号に対して歪補
正を行っている。すなわち、受信信号は、歪補正がなさ
れる際にディジタル信号として処理されている。これに
より、本実施の形態にかかるディジタル受信装置は、高
精度かつ安定した特性を得ることができる。
【0117】(実施の形態6)図6は、本発明の実施の
形態6にかかるディジタル受信装置の構成を示すブロッ
ク図である。なお、図6における実施の形態3(図3)
と同様の構成については、図3におけるものと同一の符
号を付して、詳しい説明を省略する。
【0118】本実施の形態にかかるディジタル受信装置
は、受信部101と、フィルタ部301と、直交復調部
601と、量子化部602と、歪補正部603と、フィ
ルタ部604と、復調部605と、を備える。
【0119】上記構成を有するディジタル受信装置の動
作について、実施の形態3と相違する点のみに着目して
説明する。フィルタ部301により得られた帯域制限信
号350は、直交復調部601により、同相信号650
aおよび直交信号650bを含むベースバンド信号に復
調される。得られたベースバンド信号における同相信号
650aおよび直交信号650bは、量子化部602に
出力される。
【0120】量子化部602では、入力信号であるベー
スバンド信号における同相信号650a(直交信号65
0b)の振幅に応じて量子化ステップを変化させなが
ら、ベースバンド信号における同相信号650a(直交
信号650b)に対する量子化(すなわち非線形量子
化)が行われる。これにより、非線形量子化信号におけ
る同相信号651a(直交信号651b)が得られる。
なお、非線形量子化については、後の実施の形態におい
て詳述する。得られた非線形量子化信号における同相信
号650a(直交信号650b)は、歪補正部603に
出力される。
【0121】歪補正部603には、予め量子化部602
における入力信号と出力信号との関係に関する情報が入
力されている。歪補正部603では、この情報を用い
て、非線形量子化信号における同相信号650aおよび
直交信号650bが線形化される。これにより、補正ベ
ースバンド信号における同相信号652aおよび直交信
号652bが得られる。得られた補正ベースバンド信号
における同相信号652aおよび直交信号652bは、
フィルタ部604により、その周波数帯域が制限され
る。これにより、帯域制限ベースバンド信号における同
相信号653aおよび直交信号653bが得られる。得
られた帯域制限ベースバンド信号における同相信号65
3aおよび直交信号653bは、復調部605により復
調される。これにより復調信号654が得られる。
【0122】量子化部602は、入力信号(または出力
信号)の振幅に対して一定となるような歪特性を有して
いる。この歪特性を予め歪補正部603に入力しておく
ことにより、歪補正部603は、この歪特性を利用し
て、量子化部602により得られた非線形量子化信号を
線形化することができる。また、非線形量子化信号は、
歪補正がなされる際にディジタル信号として処理されて
いる。これにより、本実施の形態にかかるディジタル受
信装置は、高精度かつ安定した特性を得ることができ
る。
【0123】従来の量子化では、まず、量子化対象とな
る受信信号がとりうる振幅の全範囲を、それぞれが一定
の信号幅を有する複数の量子化ステップに分割し、各量
子化ステップに対して量子化ステップに固有の符号を与
えている。これは、量子化誤差を全信号に対して等レベ
ルに分散させていることに相当する。そこで、量子化対
象となる受信信号がとりうる振幅の全範囲を、相互に異
なる信号幅を有する複数の量子化ステップに分割し、各
量子化ステップに対して量子化ステップに固有の復号を
与えることにより、量子化誤差が変化するので、信号の
振幅に応じて量子化誤差を調整できる。
【0124】このことを利用すると、ディジタル受信装
置に与えるノイズの調整が可能になる。ディジタル受信
装置の受信特性は、雑音指数などに代表されるシステム
ノイズ、量子化誤差および演算誤差などにより決定され
る。ここで、システムノイズは、受信レベルに関係なく
ほぼ一定であり、演算誤差の影響は、扱う信号の振幅が
大きいと小さくなる傾向がある。
【0125】そこで、例えば、量子化誤差と演算誤差の
和を一定にすることにより、または、高C/N環境での
特性を犠牲にすることにより、信号の振幅が大きくなる
にしたがって量子化誤差を大きくすることが可能とな
る。具体的には、量子化部において、振幅が小さい受信
信号に対しては、信号幅の小さい量子化ステップを割り
当て、振幅が大きい受信信号に対しては、信号幅の大き
い量子化ステップを割り当てる。これにより、量子化誤
差により生ずる量子化ノイズが、振幅が大きい受信信号
に大きく重み付けされるので、量子化誤差と演算誤差と
の和を一定にすることができる。
【0126】このような非線形量子化を用いることによ
り、量子化数(分解能)を増加させることなく、量子化
対象となる受信信号の振幅の全範囲を拡大させることが
できる。さらに、量子化ステップを最適に調整すること
により、少ない量子化数により量子化を実現することが
できる。特に、通信に用いられる変調方式や想定される
受信環境などに応じて、量子化ステップを設計すること
により、効率の高い受信を行うディジタル受信装置を設
計することができる。また、歪補正部603においてベ
クトル演算を用いた処理を行うことにより、受信部10
1で発生した振幅歪および位相歪を補正することが可能
となる。
【0127】本実施の形態によれば、歪を有する増幅素
子であっても、線形性が必要とされる復調システムに用
いることが可能となる。特に、アナログ素子において歪
が生じた状態では、周波数軸上で処理を行うフィルタの
ような素子に対して、設計通りの効果を期待することは
不可能である。よって、フィルタを用いても、情報の一
部の電力が隣接する周波数に漏れ込むといった影響を防
止することが不可能となることがある。したがって、本
実施の形態で説明したような歪補正を行うことにより得
られる効果は大きい。
【0128】例えば、信号帯域が広くかつ複数のチャネ
ルが隣接する通信システムでは、所望する周波数成分の
みを選択して抽出する必要がある。これをアナログ素子
で構成されるフィルタにより実現することは、大きさお
よび精度の観点から、非常に困難である。
【0129】よって、従来方式では、チャネルを選択す
るフィルタをディジタル装置により構成する方法が採ら
れている。ところが、ディジタル装置により構成された
フィルタは、アナログ信号をディジタル信号に変換する
までにおいて、不要な周波数成分まで扱う必要がある。
これにより、周波数の点や振幅のダイナミックレンジの
点において、アナログ素子により線形性を確保しなくて
はならないという問題が出てくる。
【0130】本実施の形態によれば、量子化部602や
受信系全体の歪特性を歪補正部603に予め入力してお
くことにより、受信信号から容易に歪を除去することが
可能となるので、扱うことのできる信号の振幅を拡大さ
せることができるとともに、受信装置の小型化および低
廉化を図ることができる。
【0131】本実施の形態にかかるディジタル受信装置
に、隣接チャネルにより伝送されている大きな電力の信
号が妨害波として入力される場合には、量子化部602
における量子化の範囲を大きく設定することが必要にな
る。ところが、量子化における分解能が同一であるとい
う条件においては、量子化誤差の増大を招き、復調信号
の特性が劣化することになる。そこで、量子化部602
で非線形量子化を行い、歪補正部603でこの非線形量
子化に応じた歪補正を行うことができる。これにより、
小さな電力の信号から大きな電力の信号に対して、量子
化誤差の重み付けを与えることができるので、同一の量
子化分解能の条件においても、特に復調信号の特性が劣
化することがない。
【0132】従来方式では、受信装置を構成する素子の
線形性に関する設計が、受信信号の範囲を限定すること
によりなされている。よって、これらの素子の線形性
は、受信信号の特徴が予め予測できた場合にのみ保たれ
ている。本実施の形態によれば、十分に広い範囲で線形
性を保つことができるので、受信信号を特に限定しない
ような復調システム(例えばソフトウェアにより復調部
を実現したようなシステム)において、特に有効であ
る。
【0133】一般の受信装置は、線形変復調を採用する
ことを基本としているので、受信部101としては線形
増幅素子を用いる。しかし、すべての増幅素子は、入力
信号に対して非線形であるといった歪特性を有してい
る。この歪特性は、出力信号が飽和することにより生ず
ることが多く、入力信号の瞬時電力に対して一定である
といった特徴を有する。これは、出力信号に対して入力
信号が一意的に決定することを意味している。したがっ
て、歪補正部603は、受信部101の出力信号(すな
わち受信信号150)のみを用いることにより、理想的
な出力信号を推測すること、すなわち、受信部101か
らの受信信号150から歪を除去することができる。
【0134】一方、受信部101の出力信号(受信信号
150)に対して入力信号が一意的に決定しない場合に
は、歪補正部603が、受信信号150のある特性(例
えば電力)に関する情報を、歪補正部603に出力する
ことにより、受信信号150から歪を除去することが可
能となる。また、この場合、影響が限定されているので
あれば、受信部101の出力信号(受信信号150)か
ら理想的な出力信号を推測することが可能である。ただ
し、この場合、歪が除去された信号として理想的な出力
信号とは異なった信号が得られる可能性がある。
【0135】量子化部602の歪特性が予め設計されて
いる場合には、例えばこの歪特性が算術的な計算により
設計されている場合には、歪補正部603は、この歪特
性の逆特性が与えられるだけで容易に構成される。これ
により歪補正部603の構成が容易となる。さらに、量
子化部602の歪特性が事前に測定可能または設計可能
であるならば、その歪特性を除去するのに最適な歪補正
部603を構成することができるだけでなく、例えば量
子化部602の歪特性の変化を算術的な計算により表現
したり参照テーブルに格納しておくことにより、適用性
の高い歪補正部603を構成することができる。
【0136】本実施の形態では、歪補正部603により
補正される歪特性を、量子化部602により発生する歪
のみに限定して説明したが、歪補正部603により補正
される歪特性に限定はない。歪補正部603が、量子化
部602により発生された歪に加えて、受信部101な
どの素子により発生した歪特性をも含めて、総合的に補
正を行うことにより、精度の高い歪補正効果が得られる
ことは明白である。
【0137】歪補正部303は、量子化情報を扱うの
で、従来のロジック回路により構成可能である一方、ソ
フトウェア(コンピュータプログラム)により実現可能
である。
【0138】(実施の形態7)図7は、本発明の実施の
形態7にかかるディジタル受信装置の構成を示すブロッ
ク図である。なお、図7における実施の形態5(図5)
と同様の構成については、図5におけるものと同一の符
号を付して、詳しい説明を省略する。
【0139】本実施の形態にかかるディジタル受信装置
は、受信部101と、ゲイン調整部701と、増幅部1
02と、直交復調部201と、量子化部401と、歪推
定部704aおよび歪補償部202b、202cを含む
歪補正部703と、フィルタ部501と、制御部702
と、を備える。
【0140】上記構成を有するディジタル受信装置の動
作について、実施の形態4と相違する点のみに着目して
説明する。受信部101からの受信信号150は、ゲイ
ン調整部701により振幅の調整がなされる。これによ
り、ゲイン調整部701から増幅部102に対して、ゲ
イン調整信号750が出力される。なお、ゲイン調整部
701による振幅の調整は、制御部702からのゲイン
制御信号751に基づいて行われる。このゲイン制御信
号751の詳細については後述する。
【0141】ゲイン調整信号750は、増幅部102に
より増幅された後、直交復調部201に出力される。直
交復調部201〜フィルタ部501における動作につい
ては、実施の形態5と同様であるので、詳しい説明を省
略する。フィルタ部501により得られた帯域制限ベー
スバンド信号における同相信号550bおよび直交信号
550cは、制御部502に出力される。
【0142】制御部702には、直交復調部201によ
り得られたベースバンド信号における同相信号250b
および直交信号250cのうち、復調に必要な信号成分
のみが入力される。すなわち、帯域制限ベースバンド信
号における同相成分550bおよび直交信号550c
は、復調に必要な信号成分(具体的には、受信信号か
ら、本ディジタル受信装置以外の通信装置により用いら
れているチャネルに対応する信号が除去された信号)に
相当する。上記復調に必要な信号成分とは、受信信号に
含まれている所望波に対応する信号成分に相当する。
【0143】したがって、フィルタ部501により得ら
れた帯域制限ベースバンド信号における同相信号550
bおよび直交信号550cの振幅に基づいて、ゲイン調
整部701における振幅を制御すれば、帯域制限ベース
バンド信号における同相信号550bおよび直交信号5
50cのダイナミックレンジを広げることができる。す
なわち、所望波の振幅に対するゲイン制御を行うことが
できる。これにより、受信特性の劣化を防ぐことが可能
になる。
【0144】具体的には、制御部702では、帯域制限
ベースバンド信号における同相信号550bおよび直交
信号550cの振幅が予め設定してある目標値に近づく
ように、上記同相信号550bおよび直交信号550c
の振幅が目標値より高い場合には、ゲイン調整部701
におけるゲインを抑制するための抑制信号が生成され、
上記同相信号550bおよび直交信号550cの振幅が
目標値以下である場合には、ゲイン調整部701におけ
るゲインを増加させるための増加信号が生成される。こ
のような抑制信号または増加信号が、ゲイン制御信号7
51としてゲイン調整部701に出力される。
【0145】一方、従来方式では、過大なレベルを有す
る妨害波が受信された場合、受信系として歪が発生しな
いように、受信信号の全体のレベルを抑制する方法が採
られている。この方式では、受信信号のレベルが抑制さ
れるに伴って、受信信号に含まれている所望波の振幅も
抑えられるので、受信特性が劣化することになる。
【0146】制御部702から歪補正部703における
歪推定部704aに対しても、ゲイン制御信号751が
出力される。歪推定部704aでは、量子化ベースバン
ド信号における同相信号450bおよび直交信号450
cに含まれている歪を推定する際に、ゲイン制御信号7
51も参照される。
【0147】なお、制御部702は、所望波だけでな
く、妨害波や受信信号の振幅を監視することにより、さ
らに精度の高いゲイン制御を行うことが可能であること
はいうまでもない。さらに、制御部702が、復調部に
おける復調時に必要な信号の振幅を含めてゲイン制御を
行うことにより、例えば歪による影響を監視することが
できる。これにより、さらに精度の高いゲイン制御を行
うことができる。
【0148】増幅部102は、入力信号(または出力信
号)の振幅に対して一定となるような歪特性を有してい
るので、増幅部102に入力されるゲイン調整信号75
0の振幅を制御するゲイン調整部701は、増幅部10
2の歪特性を制御することが可能である。この増幅部1
02の特性をベクトル表現した成分は、直交復調部20
1により直交復調されても、失われることがない。この
増幅部102の特性を予め歪推定部704aに入力して
おくことにより、歪推定部704aは、増幅部102に
より生じた歪成分を推定することができ、歪補償部20
2b、202cは、増幅部102により生じた歪成分を
除去することができる。この方法によれば、歪特性がベ
クトルにより表現されているので、歪補正部は、振幅歪
と位相歪とを補正することができる。これにより、特に
高い線形性を確保することが可能となる。
【0149】また、受信信号は、歪補正がなされる際に
ディジタル信号として処理されている。これにより、本
実施の形態にかかるディジタル受信装置は、高精度かつ
安定した特性を得ることができる。
【0150】本実施の形態によれば、歪を有する増幅素
子であっても、線形性が必要とされる復調システムに用
いることが可能となる。特に、アナログ素子において歪
が生じた状態では、周波数軸上で処理を行うフィルタの
ような素子に対して、設計通りの効果を期待することは
不可能である。よって、フィルタを用いても、情報の一
部の電力が隣接する周波数に漏れ込むといった影響を防
止することが不可能となることがある。したがって、本
実施の形態で説明したような歪補正を行うことにより得
られる効果は大きい。
【0151】例えば、信号帯域が広くかつ複数のチャネ
ルが隣接する通信システムでは、所望する周波数成分の
みを選択して抽出する必要がある。これをアナログ素子
で構成されるフィルタにより実現することは、大きさお
よび精度の観点から、非常に困難である。
【0152】よって、従来方式では、チャネルを選択す
るフィルタをディジタル装置により構成する方法が採ら
れている。ところが、ディジタル装置により構成された
フィルタは、アナログ信号をディジタル信号に変換する
までにおいて、不要な周波数成分まで扱う必要がある。
これにより、周波数の点や振幅のダイナミックレンジの
点において、アナログ素子により線形性を確保しなくて
はならないという問題が出てくる。
【0153】本実施の形態によれば、受信系全体の歪特
性を歪推定部704aに予め入力しておくことにより、
受信信号から容易に歪を除去することが可能となるの
で、扱うことのできる信号の振幅を拡大させることがで
きるとともに、受信装置の小型化および低廉化を図るこ
とができる。
【0154】本実施の形態にかかるディジタル受信装置
に、隣接チャネルにより伝送されている大きな電力の信
号が妨害波として入力される場合には、量子化部401
における量子化の範囲を大きく設定することが必要にな
る。ところが、量子化における分解能が同一であるとい
う条件においては、量子化誤差の増大を招き、復調信号
の特性が劣化することになる。そこで、前段の増幅部で
増幅信号に対して振幅を制限するような歪特性を与え、
後段の歪補正部でこの歪特性に応じた歪補正を行うこと
ができる。これにより、小さな電力の信号から大きな電
力の信号に対して、量子化誤差の重み付けを与えること
ができるので、同一の量子化分解能の条件においても、
特に復調信号の特性が劣化することがない。
【0155】従来方式では、受信装置を構成する素子の
線形性に関する設計が、受信信号の範囲を限定すること
によりなされている。よって、これらの素子の線形性
は、受信信号の特徴が予め予測できた場合にのみ保たれ
ている。本実施の形態によれば、十分に広い範囲で線形
性を保つことができるので、受信信号を特に限定しない
ような復調システム(例えばソフトウェアにより復調部
を実現したようなシステム)において、特に有効であ
る。
【0156】一般の受信装置は、線形変復調を採用する
ことを基本としているので、増幅部102としては線形
増幅素子を用いる。しかし、すべての増幅素子は、入力
信号に対して非線形であるといった歪特性を有してい
る。この歪特性は、出力信号が飽和することにより生ず
ることが多く、入力信号の瞬時電力に対して一定である
といった特徴を有する。これは、出力信号に対して入力
信号が一意的に決定することを意味している。したがっ
て、歪補正部703は、増幅部102の出力信号(すな
わち受信信号151)のみを用いることにより、理想的
な出力信号を推測すること、すなわち、増幅部102か
らの増幅信号151から歪を除去することができる。
【0157】一方、増幅部102の出力信号(増幅信号
151)に対して入力信号(ゲイン調整信号750)が
一意的に決定しない場合には、歪補正部703が、ゲイ
ン調整信号750のある特性(例えば電力)に関する情
報を、増幅部102を経由させずに、歪補正部703に
出力することにより、受信信号150から歪を除去する
ことが可能となる。また、この場合、影響が限定されて
いるのであれば、増幅部102の出力信号(増幅信号1
51)から理想的な出力信号を推測することが可能であ
る。ただし、この場合、歪が除去された信号として理想
的な出力信号とは異なった信号が得られる可能性があ
る。
【0158】増幅部102の歪特性が予め設計されてい
る場合には、例えばこの歪特性が算術的な計算により設
計されている場合には、歪補正部703は、この歪特性
の逆特性が与えられるだけで容易に構成される。これに
より歪補正部703の構成が容易となる。さらに、増幅
部102の歪特性が事前に測定可能または設計可能であ
るならば、その歪特性を除去するのに最適な歪補正部7
03を構成することができるだけでなく、例えば増幅部
102の歪特性の変化を算術的な計算により表現したり
参照テーブルに格納しておくことにより、適用性の高い
歪補正部703を構成することができる。
【0159】本実施の形態では、歪補正部703により
補正される歪特性を、増幅部102により発生する歪の
みに限定して説明したが、歪補正部703により補正さ
れる歪特性に限定はない。歪補正部703が、増幅部1
02により発生された歪に加えて、受信部101などの
素子により発生した歪特性をも含めて、総合的に補正を
行うことにより、精度の高い歪補正効果が得られること
は明白である。
【0160】本実施の形態では、増幅部102と量子化
部401とを独立な要素として扱ったが、増幅部102
の位置と直交復調部201の位置とを入れ替えて、増幅
部102を量子化部401の入力増幅器として扱うこと
も可能である。この場合、増幅部102と量子化部40
1とにより、非線形量子化素子を構成することができ
る。
【0161】(実施の形態8)図8は、本発明の実施の
形態8にかかるディジタル受信装置の構成を示すブロッ
ク図である。なお、図8における実施の形態6(図6)
と同様の構成については、図6におけるものと同一の符
号を付して、詳しい説明を省略する。
【0162】本実施の形態にかかるディジタル受信装置
は、受信部101と、ゲイン調整部801と、フィルタ
部301と、直交復調部601と、量子化部602と、
歪補正部802と、フィルタ部604と、制御部803
と、を備える。
【0163】上記構成を有するディジタル受信装置の動
作について、実施の形態6と相違する点のみに着目して
説明する。受信部101からの受信信号150は、ゲイ
ン調整部801により振幅の調整がなされる。これによ
り、ゲイン調整部801からフィルタ部301に対し
て、ゲイン調整信号850が出力される。なお、ゲイン
調整部801による振幅の調整は、制御部803からの
ゲイン制御信号851に基づいて行われる。このゲイン
制御信号851の詳細については後述する。
【0164】ゲイン調整信号850は、フィルタ部30
1により帯域制限された後、直交復調部201に出力さ
れる。直交復調部601〜フィルタ部604における動
作については、実施の形態6と同様であるので、詳しい
説明を省略する。フィルタ部604により得られた帯域
制限ベースバンド信号における同相信号653aおよび
直交信号653bは、制御部803に出力される。
【0165】制御部803には、直交復調部601によ
り得られたベースバンド信号における同相信号650a
および直交信号650bのうち、復調に必要な信号成分
のみが入力される。すなわち、帯域制限ベースバンド信
号における同相成分653aおよび直交信号653b
は、復調に必要な信号成分(具体的には、受信信号か
ら、本ディジタル受信装置以外の通信装置により用いら
れているチャネルに対応する信号が除去された信号)に
相当する。
【0166】したがって、フィルタ部604により得ら
れた帯域制限ベースバンド信号における同相信号653
aおよび直交信号653bの振幅に基づいて、ゲイン調
整部801における振幅を制御すれば、帯域制限ベース
バンド信号における同相信号653aおよび直交信号6
53bのダイナミックレンジを広げることができる。す
なわち、所望波の振幅に対するゲイン制御を行うことが
できる。これにより、受信特性の劣化を防ぐことが可能
になる。
【0167】具体的には、制御部803では、帯域制限
ベースバンド信号における同相信号653aおよび直交
信号653bの振幅が予め設定してある目標値に近づく
ように、上記同相信号653aおよび直交信号653b
の振幅が目標値より高い場合には、ゲイン調整部801
におけるゲインを抑制するための抑制信号が生成され、
上記同相信号653aおよび直交信号653bの振幅が
目標値以下である場合には、ゲイン調整部801におけ
るゲインを増加させるための増加信号が生成される。こ
のような抑制信号または増加信号が、ゲイン制御信号8
51としてゲイン調整部801に出力される。
【0168】一方、従来方式では、過大なレベルを有す
る妨害波が受信された場合、受信系として歪が発生しな
いように、受信信号の全体のレベルを抑制する方法が採
られている。この方式では、受信信号のレベルが抑制さ
れるに伴って、受信信号に含まれている所望波の振幅も
抑えられるので、受信特性が劣化することになる。
【0169】制御部803から歪補正部802に対して
も、ゲイン制御信号851が出力される。歪補正部80
2では、非線形量子化信号における同相信号650aお
よび直交信号650bに対する線形化がなされる際に、
ゲイン制御信号851も参照される。
【0170】なお、制御部803は、所望波だけでな
く、妨害波や受信信号の振幅を監視することにより、さ
らに精度の高いゲイン制御を行うことが可能であること
はいうまでもない。さらに、制御部803が、復調部に
おける復調時に必要な信号の振幅を含めてゲイン制御を
行うことにより、例えば歪による影響を監視することが
できる。これにより、さらに精度の高いゲイン制御を行
うことができる。
【0171】量子化部602は、入力信号(または出力
信号)の振幅に対して一定となるような歪特性を有して
いる。この歪特性を予め歪補正部802に入力しておく
ことにより、歪補正部802は、この歪特性を利用し
て、量子化部602により得られた非線形量子化信号を
線形化することができる。また、非線形量子化信号は、
歪補正がなされる際にディジタル信号として処理されて
いる。これにより、本実施の形態にかかるディジタル受
信装置は、高精度かつ安定した特性を得ることができ
る。
【0172】従来の量子化では、まず、量子化対象とな
る受信信号がとりうる振幅の全範囲を、それぞれが一定
の信号幅を有する複数の量子化ステップに分割し、各量
子化ステップに対して量子化ステップに固有の符号を与
えている。これは、量子化誤差を全信号に対して等レベ
ルに分散させていることに相当する。そこで、量子化対
象となる受信信号がとりうる振幅の全範囲を、相互に異
なる信号幅を有する複数の量子化ステップに分割し、各
量子化ステップに対して量子化ステップに固有の復号を
与えることにより、量子化誤差が変化するので、信号の
振幅に応じて量子化誤差を調整できる。
【0173】これを利用すると、ディジタル受信装置に
与えるノイズの調整が可能になる。ディジタル受信装置
の受信特性は、雑音指数などに代表されるシステムノイ
ズ、量子化誤差および演算誤差などにより決定される。
ここで、システムノイズは、受信レベルに関係なくほぼ
一定であり、演算誤差の影響は、扱う信号の振幅が大き
いと小さくなる傾向がある。
【0174】そこで、例えば、量子化誤差と演算誤差の
和を一定にすることにより、または、高C/N環境での
特性を犠牲にすることにより、信号の振幅が大きくなる
にしたがって量子化誤差を大きくすることが可能とな
る。具体的には、量子化部において、振幅が小さい受信
信号に対しては、信号幅の小さい量子化ステップを割り
当て、振幅が大きい受信信号に対しては、信号幅の大き
い量子化ステップを割り当てる。これにより、量子化誤
差により生ずる量子化ノイズが、振幅が大きい受信信号
に大きく重み付けされるので、量子化誤差と演算誤差と
の和を一定にすることができる。
【0175】このような非線形量子化を用いることによ
り、量子化数(分解能)を増加させることなく、量子化
対象となる受信信号の振幅の全範囲を拡大させることが
できる。さらに、量子化ステップを最適に調整すること
により、少ない量子化数により量子化を実現することが
できる。特に、通信に用いられる変調方式や想定される
受信環境などに応じて、量子化ステップを設計すること
により、効率の高い受信を行うディジタル受信装置を設
計することができる。歪補正部802は、ベクトル演算
を用いた処理を行うことにより、受信部101で発生し
た振幅歪および位相歪を補正することができる。
【0176】本実施の形態によれば、歪を有する増幅素
子であっても、線形性が必要とされる復調システムに用
いることが可能となる。特に、アナログ素子において歪
が生じた状態では、周波数軸上で処理を行うフィルタの
ような素子に対して、設計通りの効果を期待することは
不可能である。よって、フィルタを用いても、情報の一
部の電力が隣接する周波数に漏れ込むといった影響を防
止することが不可能となることがある。したがって、本
実施の形態で説明したような歪補正を行うことにより得
られる効果は大きい。
【0177】例えば、信号帯域が広くかつ複数のチャネ
ルが隣接する通信システムでは、所望する周波数成分の
みを選択して抽出する必要がある。これをアナログ素子
で構成されるフィルタにより実現することは、大きさお
よび精度の観点から、非常に困難である。
【0178】よって、従来方式では、チャネルを選択す
るフィルタをディジタル装置により構成する方法が採ら
れている。ところが、ディジタル装置により構成された
フィルタは、アナログ信号をディジタル信号に変換する
までにおいて、不要な周波数成分まで扱う必要がある。
これにより、周波数の点や振幅のダイナミックレンジの
点において、アナログ素子により線形性を確保しなくて
はならないという問題が出てくる。
【0179】本実施の形態によれば、量子化部602や
受信系全体の歪特性を歪補正部802に予め入力してお
くことにより、受信信号から容易に歪を除去することが
可能となるので、受信装置の小型化および低廉化を図る
ことができる。
【0180】本実施の形態にかかるディジタル受信装置
に、隣接チャネルにより伝送されている大きな電力の信
号が妨害波として入力される場合には、量子化部602
における量子化の範囲を大きく設定することが必要にな
る。ところが、量子化における分解能が同一であるとい
う条件においては、量子化誤差の増大を招き、復調信号
の特性が劣化することになる。そこで、量子化部602
で非線形量子化を行い、歪補正部802でこの非線形量
子化に応じた歪補正を行うことができる。これにより、
小さな電力の信号から大きな電力の信号に対して、量子
化誤差の重み付けを与えることができるので、同一の量
子化分解能の条件においても、特に復調信号の特性が劣
化することがない。
【0181】従来方式では、受信装置を構成する素子の
線形性に関する設計が、受信信号の範囲を限定すること
によりなされている。よって、これらの素子の線形性
は、受信信号の特徴が予め予測できた場合にのみ保たれ
ている。本実施の形態によれば、十分に広い範囲で線形
性を保つことができるので、受信信号を特に限定しない
ような復調システム(例えばソフトウェアにより復調部
を実現したようなシステム)において、特に有効であ
る。
【0182】一般の受信装置は、線形変復調を採用する
ことを基本としているので、受信部101およびゲイン
調整部801としては線形増幅素子を用いる。しかし、
すべての増幅素子は、入力信号に対して非線形であると
いった歪特性を有している。この歪特性は、出力信号が
飽和することにより生ずることが多く、入力信号の瞬時
電力に対して一定であるといった特徴を有する。これ
は、出力信号に対して入力信号が一意的に決定すること
を意味している。したがって、歪補正部802は、受信
部101の出力信号(すなわち受信信号150)および
ゲイン調整部801の出力信号(すなわちゲイン調整信
号850)のみを用いることにより、理想的な出力信号
を推測すること、すなわち、受信部101からの受信信
号150から歪を除去することができる。
【0183】一方、受信部101の出力信号(受信信号
150)およびゲイン調整部801の出力信号(ゲイン
調整信号850)に対して入力信号が一意的に決定しな
い場合には、歪補正部802が、受信部101の出力信
号(すなわち受信信号150)およびゲイン調整部80
1の出力信号(すなわちゲイン調整信号850)のある
特性(例えば電力)に関する情報を、歪補正部802に
出力することにより、歪を除去することが可能となる。
また、この場合、影響が限定されているのであれば、受
信部101の出力信号(受信信号150)およびゲイン
調整部801の出力信号(ゲイン調整信号850)から
理想的な出力信号を推測することが可能である。ただ
し、この場合、歪が除去された信号として理想的な出力
信号とは異なった信号が得られる可能性がある。
【0184】量子化部602の歪特性が予め設計されて
いる場合には、例えばこの歪特性が算術的な計算により
設計されている場合には、歪補正部802は、この歪特
性の逆特性が与えられるだけで容易に構成される。これ
により歪補正部802の構成が容易となる。さらに、量
子化部602の歪特性が事前に測定可能または設計可能
であるならば、その歪特性を除去するのに最適な歪補正
部802を構成することができるだけでなく、例えば量
子化部602の歪特性の変化を算術的な計算により表現
したり参照テーブルに格納しておくことにより、適用性
の高い歪補正部802を構成することができる。
【0185】本実施の形態では、歪補正部802により
補正される歪特性を、量子化部602により発生する歪
のみに限定して説明したが、歪補正部802により補正
される歪特性に限定はない。歪補正部802が、量子化
部602により発生された歪に加えて、受信部101な
どの素子により発生した歪特性をも含めて、総合的に補
正を行うことにより、精度の高い歪補正効果が得られる
ことは明白である。
【0186】歪補正部802は、量子化情報を扱うの
で、従来のロジック回路により構成可能である一方、ソ
フトウェア(コンピュータプログラム)により実現可能
である。
【0187】(実施の形態9)図9は、本発明の実施の
形態9にかかるディジタル受信装置の構成を示すブロッ
ク図である。なお、図9における実施の形態1(図1)
と同様の構成については、図1におけるものと同一の符
号を付して、詳しい説明を省略する。本実施の形態にか
かるディジタル受信装置は、受信部101と、非線形量
子化部901と、線形補償部902と、復調部104
と、を備える。
【0188】上記構成を有するディジタル受信装置の動
作について説明する。受信部101からの受信信号15
0は、非線形量子化部901により符号化されることに
より、非線形量子化符号950となる。ここで、非線形
量子化部901における量子化特性は、量子化の対象と
なる信号の特徴にあわせて予め設定されている。
【0189】ここで、非線形量子化部901によりなさ
れる非線形量子化の詳細について、図10(a)および
図10(b)を参照して説明する。図10(a)は、従
来の線形量子化における入力信号と出力符号との関係の
一例を示す模式図である。図10(b)は、本発明の実
施の形態9にかかるディジタル受信装置における非線形
量子化における入力信号と出力符号との関係の一例を示
す模式図である。
【0190】信号sを分解能Nで線形量子化することに
より出力される符号cを、次に示す式(1)のように定
義する。 c=Q(s,N) −(1) 式(1)に従って線形量子化が行われた場合における入
力信号sと量子化符号との関係が図10(a)に示され
ている。
【0191】具体的には、量子化の対象となる信号(入
力信号)がとりうる振幅の全範囲(図10(a)では約
−5〜約+5)を、それぞれが一定の信号幅(図10
(a)では信号幅A)を有する複数の量子化ステップに
分割し、各量子化ステップに対して量子化ステップに固
有の出力符号を与えている。例えば、信号幅Aを有する
量子化ステップ1001には、この量子化ステップ10
01に固有の出力符号7が与えられ、信号幅Aを有する
量子化ステップ1002には、この量子化ステップ10
02に固有の出力符号−7が与えられている。
【0192】一方、非線形量子化は、信号sに非線形処
理f(x)が施された非線形信号s’を、線形量子化し
たものであると定義する。この非線形量子化により出力
される符号c’を、次に示す式(2)により定義する。 c’=Q(s’,N) −(2) ここで、非線形処理f()は、量子化の対象となる信号
の特徴により与えられるものとする。この非線形処理f
()は、一例として、信号振幅の出現確率分布pを用い
て、次に示す式(3)により定義する。 s’=f(s,p) −(3) また、非線形処理f()の逆関数をF()とすると、次
に示す式(4)が成り立つ。 s=F(s’,p) −(4) 非線形処理関数f()は、式(3)および式(4)にお
いて、sとs’が一意に対応するような関数である。
【0193】ここで、線形性とは、次に示す式(5)を
満たすことに相当する。 g(x+y)=g(x)+g(y) −(5) このような非線形量子化がなされた場合における入力信
号sと量子化符号c’との関係が、図10(b)に示さ
れている。
【0194】具体的には、量子化対象となる信号(入力
信号)がとりうる振幅の全範囲(図10(b)では約−
5〜約+5)を、相互に異なる信号幅を有する複数の量
子化ステップに分割し、各量子化ステップに対して量子
化ステップに固有の符号を与える。例えば、信号幅Bを
有する量子化ステップ1003には、この量子化ステッ
プ1003に固有の出力符号6が与えられ、信号幅Cを
有する量子化ステップ1004には、この量子化ステッ
プ1004に固有の出力符号−5が与えられる。
【0195】各量子化ステップの幅は、入力信号の振幅
の出現確率に基づいて決定されている。具体的には、入
力信号がとりうる確率の高い振幅に対応する量子化ステ
ップに対しては、より小さな信号幅が与えられ、逆に、
入力信号がとりうる確率の低い振幅に対しては、より大
きな信号幅が与えられる。例えば、より大きい振幅を有
する入力信号(例えば振幅が3である入力信号)に対応
する量子化ステップ(量子化ステップ1003)に対し
ては、より大きな信号幅(信号幅B)が与えられ、逆
に、より小さい振幅を有する入力信号(例えば振幅が
0.5である入力信号)に対応する量子化ステップ(量
子化ステップ1005)に対しては、より小さい振幅
(信号幅D(<B))が与えられている。
【0196】このような非線形量子化(図10(b))
を従来の線形量子化(図10(a))とを比較する。入
力信号がとりうる信号幅の範囲が同一(ここでは約−5
〜約+5)であるという条件のもとでは、線形量子化を
適用した場合には、出力符号として約−13〜約+13
の符号が必要となるのに対して、非線形量子化を適用し
た場合には、出力符号として約−7〜約+7の符号が必
要となる。
【0197】すなわち、非線形量子化を適用すれば、同
一の入力信号を符号化する際に要する分解能を、線形量
子化を適用した場合に比べて、低く抑えることができ
る。量子化における分解能と変換速度との間にはトレー
ドオフの関係があるので、分解能を抑えることができれ
ば、量子化における変換速度を向上させることが可能と
なる。
【0198】ここで、一通信帯域当たりの信号量を増大
させるような通信が適用された場合には、図9における
受信部101からの受信信号150の周波数が高くなっ
ているので、非線形量子化部901はより高速に量子化
を行う必要がある。非線形量子化部901は、上述した
非線形量子化を適用すれば、分解能を抑えることができ
るので、量子化における変換速度を向上させることがで
きる。したがって、本実施の形態にかかるディジタル受
信装置は、一通信帯域当たりの信号量を増大させるよう
な通信が適用された場合にも対応することができる。以
上、非線形量子化部901によりなされる非線形量子化
の詳細について説明した。
【0199】再度図9を参照するに、非線形量子化部9
01により得られた非線形量子化符号950は、線形補
償部902に出力される。線形補償部902では、ま
ず、非線形量子化部901における量子化特性(入力信
号−出力符号との関係)を用いて、非線形量子化符号9
50に対して線形となる線形補償信号951が生成され
る。
【0200】ここで、非線形処理f()は予め決まって
おり、逆関数F()も予め計算することも可能である。
よって、非線形量子化符号950を用いて線形補償信号
951を生成することは、変換テーブルを用いるこによ
り容易に実現される。この変換テーブルの一例につい
て、図11(a)および図11(b)を参照して説明す
る。図11(a)は、本発明の実施の形態9にかかるデ
ィジタル受信装置における非線形量子化部901により
用いられる変換テーブル(入力信号−非線形量子化符
号)の一例を示す模式図である。図11(b)は、本発
明の実施の形態9にかかるディジタル受信装置における
線形補償部902により用いられる変換テーブル(非線
形量子化符号−線形補償信号)の一例を示す模式図であ
る。
【0201】まず、非線形量子化部901に受信信号1
50が入力されると、非線形量子化部901から線形補
償部902に対して、例えば図11(a)に示す変換テ
ーブルにおける入力信号(受信信号150)に対応する
非線形量子化符号が出力される。なお、従来方式では、
例えば図11(a)に示す変換テーブルにおける入力信
号に対応する線形量子化符号が出力される。
【0202】この後、線形補償部902に非線形量子化
符号950が入力されると、線形補償部902から復調
部104に対して、例えば図11(b)に示す変換テー
ブルにおける入力符号(非線形量子化符号950)に対
応する線形化情報が、線形補償信号951として出力さ
れる。なお、図11(a)および図11(b)に示した
変換テーブルを用いて、非線形量子化および線形補償を
行うことは単なる一例である。非線形量子化部901に
よりなされる非線形量子化および線形補償部902によ
りなされる線形補償は、演算処理によっても実現可能で
ある。
【0203】線形補償部902により得られた線形補償
信号951は、復調部104により復調される。これに
より復調信号952が得られる。
【0204】一般に、復調部904により行われるフィ
ルタ、同期、等化などの処理は、式(5)を前提として
行われる線形な信号処理である。線形量子化された線形
量子化符号は、その符号そのものに線形性が保たれてい
る。よって、この線形量子化符号を線形情報としてその
まま演算などの信号処理を施すことができる。一方、非
線形量子化された非線形量子化符号は、式(5)を満た
さない。よって、この非線形量子化符号に対して従来の
信号処理を施すことができない。ところが、上述のよう
な線形化が施された非線形量子化符号については、線形
量子化符号と同様に従来の復調を行うことが可能とな
る。
【0205】次に、量子化誤差について説明する。量子
化誤差Eqは、次に示す式により与えられる。
【数1】 ここで、Nは分解能、kは量子化符号、skは符号kと
符号k+1と間における閾値レベル、vkは量子化符号
kの重み、sは量子化対象信号、p(s)は信号sの出
現確率である。式(6)から明らかなように、量子化誤
差Eqは、skとvkによって変化する。本発明では、
式(6)のskの調整が非線形量子化部901によりな
され、vkの調整が線形補償部902になされる。この
式(6)で示されているとおり、skやvkの値は、対
象となる信号の出現確率により定まるものである。
【0206】式(6)で与えられる量子化誤差の影響
は、近年の通信において多重方式が複雑化している中、
無視できなくないものとなってきている。また同時に、
通信信号の帯域が拡大するとともに、量子化器の変換速
度を高速化させることへの要求は高まってきている。加
えて、直交誤差やDCオフセットなどの影響を低減する
ために、IF波を量子化する方式であるIFサンプリン
グも注目を集めている。
【0207】しかし、この方式を用いた場合、直交変換
で発生する各誤差を原理的になくすことができる。しか
し、この方式を用いた場合、多くの課題が量子化器に対
して集まってくる。すなわち、例えば、量子化器に高い
変換速度が要求されるとともに、IF帯で除去できない
ノイズや妨害波までも量子化器の対象信号となるので、
量子化器に高い分解能が要求される。
【0208】本発明では、非線形量子化部と線形補償部
とを用いることにより、量子化ステップを最適に配置す
ることが可能となる。この量子化ステップを、量子化の
対象となる信号の特徴に合わせて、適当に設定すること
により、従来の線形量子化を用いるよりも、量子化誤差
を小さく抑えることが可能である。これにより、より少
ない分解能の量子化器を用いることが可能となる。
【0209】なお、ここでは、非線形量子化部901の
量子化特性を、量子化の対象となる信号の特徴に合わせ
る場合について説明したが、量子化の対象となる信号
は、受信対象である変調信号だけでなく、システム、素
子、伝搬路などで発生するノイズ、対象チャネル以外か
ら漏洩してくる変調信号、あるいは想定された妨害信号
など、通信システムの環境等によって求まるものであ
る。また、量子化の対象となる信号の特徴としては、信
号振幅分布、変調信号の歪みに対する耐性、隣接・次隣
接チャネルからの妨害波特性、等々が考えられる。これ
らの多くは、通信状態により変化する。よって、復調に
より通信状態を推定し、この推定の結果に応じて量子化
特性を変化させることにより、消費電力の削減を図るこ
とができる。具体的には、例えば、隣接チャネルからの
妨害が大きい場合には、量子化の対象となる信号の特性
として妨害波対策用の量子化特性を用いたり、受信電力
が十分に大きい場合には量子化の分解能を下げることに
より、消費電力の削減を図ることができる。
【0210】さらに、量子化された符号の間の境界値で
ある閾値の一部を、対象とする信号のシンボル判定で用
いられる閾値と同一とすることにより、以降のシンボル
判定を容易に行うことができる。
【0211】また、非線形歪は、非線形量子化部901
の操作により生成される場合について説明した。しか
し、上記各実施の形態で説明したように、歪が受信部の
素子で発生するような場合には、線形補償部902は、
非線形量子化部901の非線形性に加えて素子で発生す
る歪も考慮して、補償を行う必要がある。また、非線形
量子化部901および線形補償部902は、1つのデバ
イスまたはブロックにより構成可能なものである。
【0212】既に説明したとおり、IFサンプリングを
用いた受信システムでは、IF帯域の信号から所望波の
みを抽出するようなフィルタの設計が困難であり、IF
信号そのものがベースバンド信号に対して高い周波数に
より構成されている。したがって、このような受信シス
テムでは、量子化部に対する負担が大きい。この点にお
いても、本発明は、IFサンプリングシステムに対して
特に効果的である。
【0213】ここでは、線形量子化の前に非線形処理を
行うことにより、非線形量子化部を実現する場合につい
て説明したが、非線形量子化部の実現方法はこれに限定
されない。例えば、量子化で設定する閾値自体を非等間
隔にしたり、ΣΔ型であればノイズシェーピング方法や
フィルタ設計などを変更することにより、非線形量子化
部を構成することができる。
【0214】また、線形補償部902を変換テーブルを
用いて実現する場合について説明したが、線形補償部9
02は、式(4)に対応するような機能を有すれば、ど
のような方法によっても構成可能である。
【0215】本実施の形態にかかるディジタル受信装置
は、一部または全部の構成をソフトウェア(コンピュー
タプログラム)により構成しても、上述したものと同様
の効果が得られる。本実施の形態にかかるディジタル受
信装置は、上記各実施の形態にかかるディジタル受信装
置と組み合わせて用いることが可能なものである。
【0216】(実施の形態10)図12は、本発明の実
施の形態10にかかるディジタル受信装置の構成を示す
ブロック図である。なお、図12における実施の形態9
(図9)と同様の構成については、図9におけるものと
同一の符号を付して、詳しい説明を省略する。
【0217】本実施の形態にかかるディジタル受信装置
は、受信部101と、非線形量子化部901と、フィル
タ演算部1202および線形補償部1203を含む線形
補償演算部1201と、フィルタ係数格納部1204
と、復調部104と、を備える。
【0218】上記構成を有するディジタル受信装置の動
作について、実施の形態9と相違する点のみに着目して
説明する。非線形量子化部901により得られた非線形
量子化符号950は、線形補償演算部におけるフィルタ
演算部1202に出力される。
【0219】フィルタ係数格納部1204には、フィル
タ演算部1202におけるフィルタ演算のためのフィル
タ係数が格納されている。フィルタ係数格納部1204
からフィルタ演算部1202に対して、このフィルタ係
数を示すフィルタ係数信号1250が出力される。
【0220】線形補償演算部1201は、主にフィルタ
演算部1202および線形補償部1203により構成さ
れている。フィルタ演算部1202には、非線形量子化
符号950およびフィルタ係数信号1250が入力され
る。このフィルタ演算部1202では、非線形量子化符
号950に対するフィルタ係数信号1250を用いたフ
ィルタ演算がなされる。このフィルタ演算により演算信
号1251が得られる。得られた演算信号1251は、
線形補償部1203により線形化された後、線形演算信
号1252として復調部104に出力される。復調部1
04では、線形演算信号1252に対する復調がなされ
ることにより、復調信号1253が得られる。
【0221】ここで、非線形量子化部901では、mビ
ットの分解能により量子化が行われ、フィルタ係数格納
部1204により出力されるフィルタ係数信号1204
は、nビット幅の信号であると仮定する。
【0222】上述したように、非線形量子化を用いた場
合、従来の線形量子化を用いた場合に比べて、少ない分
解能により量子化を実現できる。これは、非線形量子化
を用いた場合、状態数(ビット数)が少なくても、従来
の線形量子化を用いた場合と同等の受信性能を実現する
事が可能であることを示している。従来の線形量子化を
用いた場合に比べて削減された分解能がxビットであれ
ば、非線形量子化を用いた場合に、xビットだけ少ない
mビットの情報量を有する信号に対して、演算回路によ
り種々の演算(例えば乗除算や加減算等の演算)を行
い、この演算された信号に対して線形補償処理を行うこ
とにより、この演算回路の構成をより簡易にすることが
可能となる。
【0223】また、フィルタ演算部1202により出力
される演算信号1251についても、演算信号1251
の出現確率分布などを用いて、この演算信号1251の
符号長を最適な符号長に設定してもよい。さらに、nビ
ットであるとしたフィルタ係数格納部1204により出
力されるフィルタ係数信号1250についても、同様に
このフィルタ係数信号1250の符号長を最適な符号長
に設定してもよい。これにより、非線形量子化部901
により出力された非線形量子化符号950を、さらに少
ないn’ビットの分解能により表現することが可能にな
る。実際には、これらの非線形量子化符号950および
フィルタ係数信号1250を、通信信号や通信環境など
の状況に応じて最適に組み合わせて構成することによ
り、演算回路をさらに簡易に構成することもできる。
【0224】このように、本実施の形態では、線形補償
された信号(例えば図9における線形補償信号951)
に対して演算回路により種々の演算を施すことに代え
て、非線形量子化された信号であって線形補償されてい
な信号(例えば図9における非線形量子化符号950)
に対して演算回路により種々の演算を施している。この
後、このような演算がなされた信号に対して線形化補償
を施している。これにより、演算回路(乗算器や加算
器)は、より状態数(ビット数)の小さい信号に対し
て、すなわち、情報量の少ない信号に対して、種々の演
算を行うことになる。この結果、演算回路を非常に簡易
に構成することができる。
【0225】アナログ素子により設計されたフィルタの
特性には、このアナログ素子の誤差によりばらつきが生
じる。よって、特にデジタル通信に用いられる受信機な
どでは、所望の受信信号のみを選択して取り出すための
チャネルフィルタは、ディジタルフィルタにより構成さ
れる場合が多い。本実施の形態で示した技術的思想は、
上記のようなディジタルフィルタの実現手段に対して親
和性が高い。また、IFサンプリング技術のように高い
周波数で作動させる必要のある部分や、デジタル直交復
調した後のイメージ除去に用いるフィルタ処理などにお
いて、本実施の形態で示した技術的思想を用いることに
より、消費電力の低減を図ることもできる。
【0226】本実施の形態では、フィルタ係数格納部1
204により出力されるフィルタ係数信号1250が線
形信号である場合について説明したが、フィルタ係数格
納部1204がフィルタ係数信号1250として線形信
号を出力し、フィルタ係数格納部1204とフィルタ演
算部1202との間に、線形信号を非線形信号に変換す
る変換部を挿入してもよい。これにより、フィルタ係数
格納部1204により出力された線形信号は、変換部に
より非線形信号に変換された後、フィルタ演算部120
2に出力される。
【0227】加えて、図12に示された各信号を一定の
符号により表現する場合について説明したが、上記各信
号を実際の受信環境などに応じて変化させてもよい。こ
の場合、想定されない環境特性の劣化などの影響をも抑
えることが可能となる。
【0228】また、演算処理の一例としてフィルタ処理
を用いて説明したが、演算処理としてフィルタ処理以外
の処理(例えば種々の算術的演算)を用いた場合にも、
同様の効果が得られることはいうまでもない。演算処理
を行う回路として、回路の規模を大きくする乗算回路を
用いた場合に、特に大きな効果が得られる。
【0229】本実施の形態では、非線形処理として対数
変換処理を用いる場合について説明したが、非線形処理
として対数変換処理以外の処理を用いることもの可能で
ある。この場合でも、上述したものと同様の効果が得ら
れる。
【0230】本実施の形態にかかるディジタル受信装置
は、一部または全部の構成をソフトウェア(コンピュー
タプログラム)により構成しても、上述したものと同様
の効果が得られる。本実施の形態にかかるディジタル受
信装置は、上記各実施の形態にかかるディジタル受信装
置と組み合わせて用いることが可能なものである。
【0231】(実施の形態11)図13は、本発明の実
施の形態11にかかるディジタル受信装置の構成を示す
ブロック図である。なお、図13における実施の形態1
0(図12)と同様の構成については、図12における
ものと同一の符号を付して、詳しい説明を省略する。
【0232】本実施の形態にかかるディジタル受信装置
は、受信部101と、非線形量子化部901と、乗算部
1301および線形補償部1203を含む線形補償演算
部1302と、発振部1303と、復調部104と、を
備える。
【0233】上記構成を有するディジタル受信装置の動
作について、実施の形態10と相違する点のみに着目し
て説明する。非線形量子化部901により得られた非線
形量子化符号950は、線形補償演算部1302におけ
る乗算部1301に出力される。
【0234】発振部1303から乗算部1301に対し
て、周波数変換のための基準周波数からなる発振信号1
352が出力される。線形補償演算部1302は、主に
乗算部1301および線形補償部1203により構成さ
れている。
【0235】乗算部1301には、非線形量子化符号9
50および発振信号1352が入力される。この乗算部
1301では、非線形量子化符号950と発振信号13
52とが乗算される。乗算された結果は、線形補償部1
203により線形化された後、線形演算信号1351と
して復調部104に出力される。復調部104では、線
形演算信号1351に対する復調がなされることによ
り、復調信号1353が得られる。
【0236】ここでは、説明の簡略化の、一例として上
記式(3)で与えられる非線形処理が、次に示す式
(7)で与えられるような対数変換であると仮定する。 s’=log(s) −(7) また、発振部1303により出力される発振信号135
2も対数信号であるとすると、図13中の乗算部130
1により出力される演算信号1350は、次に示す式
(8)により表現される。 e’=log(s×lo) =log(s)+log(lo)=s’+lo’ −(8) ここで、e’は対数表現された演算信号1350、lo
は発振信号1352、lo’は対数表現された発振信号
1352である。
【0237】線形補償部1203が有する変換テーブル
には、次に示す式(9)を満たす変換情報が予め格納さ
れている。 e=exp(e’) −(9) 線形演算信号1351(数式9のe)は、線形性を有す
る信号となることが明らかである。
【0238】以上のように、乗算部1301は、加算器
により構成することが可能なものであり、非常に容易な
構成により実現が可能なものであることが明らかであ
る。
【0239】ここでは、演算処理の一例として乗算演算
を用いて説明したが、信号処理の多くは、主に加減算と
乗算と一部の除算により構成される。そこで、信号処理
を加減算と乗除算とに分け、加減算を行う演算部は線形
符号により処理を行い、乗除算を行う演算部は対数符号
で処理を行うなど、複数の符号系を用いることにより、
本実施の形態にかかるディジタル受信装置は、多くの信
号処理に対応できる。
【0240】また、上述したように、非線形量子化を用
いた場合、従来の線形量子化を用いた場合に比べて、少
ない分解能により量子化を実現できる。これは、非線形
量子化を用いた場合、状態数(ビット数)が少なくて
も、従来の線形量子化を用いた場合と同等の受信性能を
実現することが可能であることを示している。
【0241】本実施の形態では、線形補償された信号
(例えば図9における線形補償信号951)に対して演
算回路により種々の演算を施すことに代えて、非線形量
子化された信号であって線形補償されていない信号(例
えば図9における非線形量子化符号950)に対して演
算回路により種々の演算を施している。この後、このよ
うな演算がなされた信号に対して線形化補償を施してい
る。これにより、演算回路(乗算器や加算器)は、より
状態数(ビット数)の小さい信号に対して、すなわち、
情報量の少ない信号に対して、種々の演算を行うことに
なる。この結果、演算回路を非常に簡易に構成すること
ができる。
【0242】特に、上記実施の形態でも述べた通り、I
Fサンプリングを用いた受信機では、ディジタル信号に
変換された受信信号に対して直交復調する場合が多い。
よって、本実施の形態で示した技術的思想は、上記のよ
うなIFサンプリングを用いた受信機に対して親和性が
高い。
【0243】本実施の形態では、発振部1303から乗
算部1301に出力される発振信号1352が対数表現
された非線形信号である場合について説明したが、発振
部1303により出力された発振信号1352が、変換
部により対数変換されて乗算部1301に入力されるよ
うにしてもよい。
【0244】ここでは、非線形処理として対数変換を行
う場合について説明したが、非線形処理に限定はない。
この場合でも、上述したものと同様の効果が得られる。
また、非線形量子化符号に対してなされる演算として乗
算を用いた場合について説明したが、非線形量子化符号
に対してなされる演算は、乗算のみに限定されず、加算
やその他の算術演算を含む。
【0245】本実施の形態にかかるディジタル受信装置
は、一部または全部の構成をソフトウェア(コンピュー
タプログラム)により構成しても、上述したものと同様
の効果が得られる。本実施の形態にかかるディジタル受
信装置は、上記各実施の形態にかかるディジタル受信装
置と組み合わせて用いることが可能なものである。
【0246】(実施の形態12)図14は、本発明の実
施の形態12にかかるディジタル受信装置の構成を示す
ブロック図である。なお、図14における実施の形態1
0(図12)および実施の形態11(図13)と同様の
構成については、それぞれ図12および図13における
ものと同一の符号を付して、詳しい説明を省略する。
【0247】本実施の形態にかかるディジタル受信装置
は、受信部101と、非線形量子化部901と、乗算部
1301、フィルタ演算部1202および線形補償部1
203を含む線形補償演算部1401と、フィルタ係数
格納部1204と、発振部1303と、復調部104
と、を備える。
【0248】上記構成を有するディジタル受信装置の動
作について、実施の形態10および実施の形態11と相
違する点のみに着目して説明する。非線形量子化部90
1により得られた非線形量子化符号950は、線形補償
演算部1401における乗算部1301に出力される。
線形補償演算部1401は、主に、乗算部1301、フ
ィルタ演算部1202および線形補償部1203を含
む。
【0249】発振部1303から乗算部1301に対し
て、周波数変換のための基準周波数からなる発振信号1
352が出力される。乗算部1301には、非線形量子
化符号950および発振信号1352が入力される。こ
の乗算部1301では、非線形量子化符号950と発振
信号1352とが乗算される。乗算された結果は、乗算
演算信号1450としてフィルタ演算部1202に出力
される。フィルタ演算部1202には、フィルタ係数格
納部1204からのフィルタ係数信号1250が入力さ
れている。
【0250】フィルタ演算部1202では、乗算演算信
号1450に対するフィルタ係数信号1250を用いた
フィルタ演算がなされる。このフィルタ演算によりフィ
ルタ演算信号1451が得られる。得られたフィルタ演
算信号1451は、線形補償部1203により線形化さ
れた後、線形演算信号1452として復調部104に出
力される。復調部104では、線形演算信号1452に
対する復調がなされることにより、復調信号1453が
得られる。ここでは簡単のため、一例として、式(3)
で与えられる非線形処理が、式(7)で与えられるよう
な対数変換であると仮定する。
【0251】また、発振部1303により出力される発
振信号1352も対数信号であるとすると、図14にお
ける乗算部1301により得られる乗算演算信号145
0は、式(8)により表現される。ここで、e’は対数
表現された乗算演算信号1450、loは発振信号13
52、lo’は対数表現された発振信号1352であ
る。
【0252】ここで、乗算部1301により出力される
乗算演算信号1450の符号体系は、復調の対象となる
信号の出現確率分布と、直後の演算処理(すなわちフィ
ルタ演算部1202によるフィルタ演算)とを用いて、
最適な符号体系となるように設定される。一例として、
扱う信号の分散が大きくかつ直後の演算処理が乗算を中
心とするものであれば、乗算演算信号1450の符号体
系は、対数表現を基本とした符号に設定される。また、
直後の演算処理が、加算を中心とするものであり、か
つ、精度が要求されるような演算処理であれば、乗算演
算信号1450の符号体系は、線形符号に設定される。
【0253】フィルタ係数格納部1204により出力さ
れるフィルタ係数信号1250の符号体系は、上述した
乗算演算信号1450と同様な符号体系であるとする。
この符号体系については、フィルタ係数信号1250自
体の出現確率分布を用いて最適となるように設定され
る。
【0254】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、各演算と復調の対象となる信号の出現確率分布に応
じて、最適な符号体系を与えることにより、消費電力や
回路規模などを大幅に削減することが可能となる。ま
た、複数の演算処理に対して、各々の入出力信号に対し
て最適な符号体系を設定することにより、各演算処理回
路の規模を小さく抑えることが可能となる。これによ
り、装置の小型化、低消費電力化を図ることができる。
【0255】ここでは、演算処理として乗算やフィルタ
処理を用いた場合について説明したが、演算処理として
その他の処理を用いた場合にも上述したものと同様の効
果が得られる。
【0256】本実施の形態にかかるディジタル受信装置
は、一部または全部の構成をソフトウェア(コンピュー
タプログラム)により構成しても、上述したものと同様
の効果が得られる。本実施の形態にかかるディジタル受
信装置は、上記各実施の形態にかかるディジタル受信装
置と組み合わせて用いることが可能なものである。
【0257】(実施の形態13)図15は、本発明の実
施の形態13にかかるディジタル受信装置の構成を示す
ブロック図である。なお、図15における実施の形態1
2(図14)と同様の構成については、図14における
ものと同一の符号を付して、詳しい説明を省略する。
【0258】本実施の形態にかかるディジタル受信装置
は、受信部101と、非線形量子化部901と、フィル
タ演算部1502、等化器1503、復調部1504お
よび判定部1505を含む非線形復調部1501と、を
備える。
【0259】上記構成を有するディジタル受信装置の動
作について、実施の形態13と相違する点のみに着目し
て説明する。非線形量子化部901により得られた非線
形量子化符号950は、直後の演算処理(すなわちフィ
ルタ演算部1502におけるフィルタ演算)に最適な符
号系により表現される信号に変換された後、非線形復調
部1501におけるフィルタ演算部1502に出力され
る。
【0260】フィルタ演算部1502では、最適な符号
系により表現された非線形量子化符号950と、予め設
定されているフィルタ係数とを用いて、フィルタ演算が
行われる。さらに、フィルタ演算により得られた信号
は、次の演算処理(すなわち等化器1503における等
化処理)に最適な符号系により表現される信号に変換さ
れる。これにより、フィルタ信号1551が得られる。
得られたフィルタ信号1551は、等化器1503に出
力される。
【0261】等化器1503では、フィルタ信号155
1に対する等化処理がなされる。さらに、等化処理によ
り得られた信号は、次の復調処理(すなわち復調部15
04における復調処理)に最適な符号系により表現され
る信号に変換される。これにより、等化信号1552が
得られる。得られた等化信号1552は、復調部150
4に出力される。
【0262】復調部1504では、等化信号1552に
対する復調処理、および、受信電力の制御、周波数補正
および同期処理等の各種制御が行われる。復調処理によ
り得られた信号は、次の演算処理(すなわち判定部15
05における判定処理)に最適な符号系により表現され
る信号に変換される。これにより、復調信号1553が
得られる。得られた復調信号1553は判定部1505
に出力される。
【0263】判定部1505では、適用されている変調
方式と復調信号1553の符号系とにより定まるしきい
値に基づいて、シンボル判定がなされる。このシンボル
判定により得られた信号は、判定信号1554として出
力される。
【0264】ここで、非線形復調部1501によりなさ
れる処理が、フィルタ演算、等化処理、復調処理および
判定処理である場合について説明したが、非線形復調部
1501によりなされる処理は、これらに限定されず、
あらゆるディジタル信号処理全般を含む。
【0265】また、判定部1505がある閾値に基づい
てシンボルを判定する硬判定を用いる場合について説明
したが、判定部1505は、前後シンボルの遷移に基づ
いて尤度の高いシンボル系列を判定する軟判定を用いる
ことが可能である。
【0266】従来技術のようにすべての信号処理を同一
の線形符号で処理する方式では、受信信号の状態が最悪
となるような場合に対応した符号系を用いる必要がある
ので、装置の規模が大きくなるという課題がある。
【0267】ところが、本実施の形態では、各処理に対
して最適な符号系を設定するように回路の設計を行うこ
とにより、より小さい回路規模でディジタル受信装置を
実現することが可能となる。
【0268】各量子化ステップの幅が入力信号の振幅の
出現確率に基づいて決定される非線形量子化を用いた場
合には、線形量子化を用いた場合に比べて、ダイナミッ
クレンジが広がるので、想定していない過大な信号を受
信した際にも安定した特性が得られる。
【0269】変調された信号は、適用された変調方式の
変調度数(すなわち、例えば、M相PSKやM値QAM
等におけるM)に対応した状態数のみを有する。従来の
復調方式では、アナログ信号にできるだけ近い状態とな
っている信号に対して信号処理が行われている。このた
め、あまり情報が必要のない箇所においても、多くの情
報量を処理する必要があるので、回路規模や消費電力の
増大が問題となっている。そこで、本実施の形態では、
これに着目し、各演算処理に対して情報量を最適化する
ことにより、装置全体の小型化、低消費電力化を図る。
【0270】本実施の形態にかかるディジタル受信装置
は、一部または全部の構成をソフトウェア(コンピュー
タプログラム)により構成しても、上述したものと同様
の効果が得られる。本実施の形態にかかるディジタル受
信装置は、上記各実施の形態にかかるディジタル受信装
置と組み合わせて用いることが可能なものである。
【0271】(実施の形態14)図16は、本発明の実
施の形態14にかかるディジタル受信装置の構成を示す
ブロック図である。なお、図16における実施の形態1
3(図15)と同様の構成については、図15における
ものと同一の符号を付して、詳しい説明を省略する。
【0272】本実施の形態にかかるディジタル受信装置
は、受信部1601と、非線形量子化部901と、フィ
ルタ演算部1502、等化器1503、復調部1604
および判定部1505を含む非線形復調部1501と、
線形補償部1602と、制御部1603と、を備える。
【0273】上記構成を有するディジタル受信装置の動
作について、実施の形態13と相違する点のみに着目し
て説明する。復調部1504では、上述したように等化
信号1552に対する復調処理が行われる。さらに、こ
の復調処理により得られた信号から、受信電力に関する
情報、周波数誤差に関する情報、および時間同期誤差に
関する情報等の各種制御情報が抽出される。抽出された
各種制御情報は、制御情報信号1650として線形補償
部1602に出力される。なお、この制御情報信号16
50は、線形性の保たれていない信号すなわち非線形な
信号である。
【0274】復調部1604により出力された制御情報
信号1650は、線形補償部1602により線形補償さ
れた後、線形性が保たれた線形制御情報信号1651と
して、制御部1603に出力される。
【0275】制御部1603では、線形制御情報信号1
651を用いて、例えば、受信部1601におけるゲイ
ンを調整する旨を指示するゲイン調整制御信号、受信部
1601における周波数を調整する旨を指示する周波数
制御信号、受信部1601におけるタイミングを調整す
る旨を指示するタイミング制御信号等の制御信号165
2が生成される。生成された制御信号1652は、受信
部1601に出力される。受信部1601では、制御信
号1652に基づいて、各種の制御が行われる。
【0276】アナログ部(具体的には、受信部160
1)は、様々な部品によって組み立てられており、それ
ぞれの部品は、制御信号に対して線形性が保たれるよう
に設計されている。
【0277】本実施の形態では、非線形性を有した情報
を用いて信号処理を行うことにより、ディジタル部(具
体的には、非線形復調部1501)の回路構成の簡略化
および低消費電力化を図ることができる。加えて、上記
ディジタル部により出力される制御信号は、線形補償が
施されることにより、線形性が保たれている。よって、
従来用いられていたアナログ素子などをそのまま受信部
を構成する部品として使用することが可能となる。この
結果、上記アナログ部を新たに設計し直す必要がない。
【0278】本実施の形態では、ディジタル部からアナ
ログ部に対して出力される制御信号を線形符号に統一す
ることにより、非線形符号を用いたディジタル部と、こ
のディジタル部により制御されるアナログ部(被制御素
子)との間の連結を容易に実現できる。
【0279】本実施の形態では、制御信号1652が全
て線形符号である場合について説明したが、例えばデシ
ベル表現などが適しており一般化されているような箇所
については、制御信号1652として線形符号ではなく
適切な情報を用いることも可能である。
【0280】被制御素子が制御信号に対して例えば非線
形である誤差を有するような場合には、線形補償部16
02がこれらの誤差成分をも含めて線形補償を行うこと
により、より誤差の少ない制御ループを構成することが
可能となる。
【0281】本実施の形態にかかるディジタル受信装置
は、一部または全部の構成をソフトウェア(コンピュー
タプログラム)により構成しても、上述したものと同様
の効果が得られる。本実施の形態にかかるディジタル受
信装置は、上記各実施の形態にかかるディジタル受信装
置と組み合わせて用いることが可能なものである。
【0282】上述した各実施の形態にかかるディジタル
受信装置は、適宜組み合わせて実施することが可能なも
のである。
【0283】以上説明したように、本発明にかかるディ
ジタル受信装置は、量子化ノイズを巧く分散させること
により、量子化誤差の影響を低減できるので、従来方式
に比べて簡易な量子化部を用いることが可能となる。ま
た、本発明にかかるディジタル受信装置は、従来方式で
は利用することが困難である歪みの多い受信部を用いる
ことができるので、受信装置の小型化、低廉化および高
性能化を図ることができる。
【0284】本発明にかかるディジタル受信装置は、特
に広い通信帯域を複数チャネル利用するシステムにおい
て、従来必要とされていた、高い線形性を有する受信部
と、高い特性を有するフィルタ部と、十分なサンプルレ
ートと分解能を有する量子化部を、より簡易で廉価なも
のに置換することができる。
【0285】また、本発明にかかるディジタル受信装置
は、広帯域信号や信号密度の高い変調方式が適用された
信号への適応性が高いので、対象とする変調方式を柔軟
に変更することができる。
【0286】上述した本発明にかかるディジタル受信装
置は、ディジタル移動体通信システムにおける通信端末
装置や基地局装置に搭載可能なものである。
【0287】本発明は、当業者に明らかなように、上記
実施の形態に記載した技術にしたがってプログラムされ
た一般的な市販のディジタルコンピュータおよびマイク
ロプロセッサを使用して、実施することが可能なもので
ある。当業者に明らかなように、本発明は、上記実施の
形態に記載した技術に基づいて当業者により作成される
コンピュータプログラムを包含する。本発明を実施する
コンピュータをプログラムするために使用できる命令を
含む記録媒体であるコンピュータプログラム製品が本発
明の範囲に含まれる。この記録媒体は、フロッピー(登
録商標)ディスク、光ディスク、CD−ROMおよび磁
気ディスク等のディスク、ROM、RAM、EPRO
M、EEPROM、磁気光カード、メモリカードまたは
DVD等に相当するが、特にこれらに限定されるもので
はない。
【0288】本明細書は、2000年3月23日出願の
特願2000−081226に基づくものである。この
内容をここに含めておく。
【0289】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
受信信号に対して受信処理を行う受信部の特性を用い
て、上記受信処理された受信信号から非線形歪を除去す
るので、受信信号に対する復調処理により得られる復調
信号の特性を良好に保つディジタル受信装置を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1にかかるディジタル受信
装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態2にかかるディジタル受信
装置の構成を示すブロック図
【図3】本発明の実施の形態3にかかるディジタル受信
装置の構成を示すブロック図
【図4】本発明の実施の形態4にかかるディジタル受信
装置の構成を示すブロック図
【図5】本発明の実施の形態5にかかるディジタル受信
装置の構成を示すブロック図
【図6】本発明の実施の形態6にかかるディジタル受信
装置の構成を示すブロック図
【図7】本発明の実施の形態7にかかるディジタル受信
装置の構成を示すブロック図
【図8】本発明の実施の形態8にかかるディジタル受信
装置の構成を示すブロック図
【図9】本発明の実施の形態9にかかるディジタル受信
装置の構成を示すブロック図
【図10】(a)従来の線形量子化における入力信号と
出力符号との関係の一例を示す模式図 (b)本発明の実施の形態9にかかるディジタル受信装
置における非線形量子化における入力信号と出力符号と
の関係の一例を示す模式図
【図11】(a)本発明の実施の形態9にかかるディジ
タル受信装置における非線形量子化部により用いられる
変換テーブルの一例を示す模式図 (b)本発明の実施の形態9にかかるディジタル受信装
置における線形補償部により用いられる変換テーブルの
一例を示す模式図
【図12】本発明の実施の形態10にかかるディジタル
受信装置の構成を示すブロック図
【図13】本発明の実施の形態11にかかるディジタル
受信装置の構成を示すブロック図
【図14】本発明の実施の形態12にかかるディジタル
受信装置の構成を示すブロック図
【図15】本発明の実施の形態13にかかるディジタル
受信装置の構成を示すブロック図
【図16】本発明の実施の形態14にかかるディジタル
受信装置の構成を示すブロック図
【符号の説明】
101 受信部 102 増幅部 103,202,603,703,802 歪補正部 103a,202a,704a 歪推定部 103b,202b,202c 歪補償部 104,605,1504 復調部 201,601 直交変調部 301,501,604 フィルタ部 303 歪補正部 401,602 量子化部 701,801 ゲイン調整部 702,803 制御部 901 非線形量子化部 902,1203 線形補償部 1201,1302,1401 線形補償演算部 1202,1502 フィルタ演算部 1301 乗算部 1501 非線形復調部 1503 等化器 1505 判定部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジョブ・クレオパ・ムスヤ 神奈川県横浜市港北区綱島東四丁目3番1 号 松下通信工業株式会社内 (72)発明者 高林 真一郎 神奈川県川崎市多摩区東三田3丁目10番1 号 松下技研株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受信信号に対して受信処理を行う受信手
    段と、受信処理された受信信号に対して、前記受信手段
    の特性を用いた歪補正を行うことにより、前記受信信号
    から非線形歪を除去する歪補正手段と、を具備すること
    を特徴とするディジタル受信装置。
  2. 【請求項2】 受信手段は、受信信号に対する直交復調
    処理を行う直交復調手段を含むことを特徴とする請求項
    1に記載のディジタル受信装置。
  3. 【請求項3】 受信手段は、受信信号の周波数帯域を制
    限するフィルタ演算を行うフィルタ演算手段を含むこと
    を特徴とする請求項1に記載のディジタル受信装置。
  4. 【請求項4】 受信手段は、受信信号に含まれる復調に
    必要な信号の振幅に基づいて、前記受信信号の振幅を調
    整する調整手段を含むことを特徴とする請求項1から請
    求項3のいずれかに記載のディジタル受信装置。
  5. 【請求項5】 受信手段は、受信信号に対する量子化を
    行う量子化手段を含むことを特徴とする請求項1から請
    求項4のいずれかに記載のディジタル受信装置。
  6. 【請求項6】 量子化手段は、受信信号に対して線形量
    子化を行うことを特徴とする請求項5に記載のディジタ
    ル受信装置。
  7. 【請求項7】 量子化手段は、受信信号に対して非線形
    量子化を行うことを特徴とする請求項5に記載のディジ
    タル受信装置。
  8. 【請求項8】 歪補正手段は、量子化手段により非線形
    な信号に変換された受信信号を、前記量子化手段の量子
    化特性を用いて、線形な信号に変換することを特徴とす
    る請求項7に記載のディジタル受信装置。
  9. 【請求項9】 量子化手段により非線形な信号に変換さ
    れた受信信号に対して、フィルタ演算を行うフィルタ演
    算手段を具備することを特徴とする請求項8に記載のデ
    ィジタル受信装置。
  10. 【請求項10】 量子化手段により非線形な信号に変換
    された受信信号に対して、算術演算を行う演算手段を具
    備することを特徴とする請求項8に記載のディジタル受
    信装置。
  11. 【請求項11】 歪補正手段は、量子化手段により非線
    形な信号に変換された受信信号に対してディジタル信号
    処理を行う信号処理手段を具備し、前記信号処理手段
    は、ディジタル信号処理がなされた受信信号を、前記デ
    ィジタル信号処理がなされた受信信号に対して次になさ
    れるディジタル信号処理に適した符号系により表現され
    る信号に変換することを特徴とする請求項7に記載のデ
    ィジタル受信装置。
  12. 【請求項12】 信号処理手段における復調処理により
    得られた復調信号を線形な信号に変換する変換手段を具
    備し、受信手段は、線形な信号に変換された復調信号に
    含まれる制御信号に基づいて、受信信号に対する受信処
    理を行うことを特徴とする請求項11に記載のディジタ
    ル受信装置。
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