JP5505070B2 - 光導波路形成用樹脂組成物、ドライフィルム、およびこれらを用いてなる光導波路 - Google Patents
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すなわち本発明は、
1.(A)シアネートエステルプレポリマー、(B)1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートモノマー、(C)光ラジカル重合開始剤、(D)シアネートエステルプレポリマーの硬化触媒を含有する組成物からなり、(A)成分と(B)成分の総質量に対し、(A)成分が10〜90質量%、(B)成分が10〜90質量%であり、かつ(A)成分と(B)成分の総量100質量部に対し(C)成分が0.1〜10質量部、(D)成分が0.001〜10質量部であり、(C)成分は(B)成分の重合を開始可能であり、(D)成分は熱硬化触媒であることを特徴とする光導波路形成用樹脂組成物、
2.(A)シアネートエステルプレポリマーが分子中に少なくとも3個以上のシアネート基を有する化合物であることを特徴とする上記1記載の光導波路形成用樹脂組成物、
3.(B)1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートモノマーがイソシアヌル酸誘導体であることを特徴とする上記1〜2のいずれかに記載の光導波路形成用樹脂組成物、
4.上記1〜3のいずれかに記載の光導波路形成用樹脂組成物からなる未硬化状態の該樹脂組成物層を有することを特徴とする光導波路形成用ドライフィルム、
5.クラッドとコアからなり、クラッドよりもコアの平均屈折率が高い光導波路において、コアおよび/またはクラッドが上記4記載の光導波路形成用ドライフィルムの硬化物から形成されてなり、それらのガラス転移温度が150℃〜250℃であることを特徴とする光導波路、を提供するものである。
ここで用いる(A)シアネートエステルプレポリマーは、公知のものを含め特に限定はされないが、分子中に3個以上のシアネート基を有するものが好ましい。例えば、1分子中に2個以上のシアネート基を有するシアネートエステル化合物を重合して得られた樹脂や、下記一般式(1)で表されるノボラック型のシアネートエステル樹脂、下記一般式(2)で表されるジシクロペンタジエンビスフェノール型のシアネートエステル樹脂などを例示することができる。これらは単独で用いても2種類以上を併用して用いても構わない。
本発明のドライフィルムとは、上記の(A)〜(D)成分を含有する未硬化状態の感光性樹脂組成物層を有するものである。この樹脂組成物層は液状ではなく、例えば乾燥した状態であることが好ましい。好ましくは上記(A)〜(D)を含有する光導波路形成用樹脂組成物を有機溶剤に溶解して液状化とし、支持フィルムに塗布・乾燥して得られる該樹脂組成物からなる塗膜を有している。さらに好ましくは前記未硬化状態の感光性樹脂組成物層の上に該層を保護するためのカバーフィルムが積層されているものである。
ベースフィルムには滑り性を向上させるための滑剤や酸化防止剤、熱安定剤、粘度調整剤、可塑剤、色素改良剤、核剤などの添加剤を加えることができる。また本発明の効果に悪影響を及ぼさない程度に該ベースフィルムの両面または片面にコロナ処理、プラズマ処理、紫外線照射、電子線照射、化学処理などによる疎水性付与、親水性付与、帯電防止性付与、離型性付与などの表面改質処理を行なっても構わない。
ここで用いる有機溶媒としては該樹脂組成物を溶解することができるものであれば特に限定されず、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、γ―ブチロラクトン、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、メチルグリコールアセテートなどを挙げることができる。これらは2種類以上を併用して用いることができる。樹脂溶液中の樹脂分濃度としては、20〜80質量%であることが好ましい。
乾燥後に残留する有機溶媒の含有量は20質量%以下であることが好ましく、より好ましくは10質量%以下である。20質量%を超えるとドライフィルムの保存安定性に悪影響を与えたり、露光によるパターン形成の精度を悪化させるなどの問題があり好ましくない。
乾燥後の感光性樹脂組成物層の膜厚は、通常、1〜250μmである。
このようにして得られたドライフィルムは、例えばロール状に巻き取ることによって容易に貯蔵、保管することが出来るようになる。
本発明の光導波路は上部クラッド/コア/下部クラッドから構成され、本発明の光導波路形成用樹脂組成物からなるドライフィルムはこれらコアおよび/またはクラッドを形成する材料である。コアの屈折率はクラッドの屈折率よりも高い必要があり、比屈折率差は少なくとも0.5%以上、より好ましくは1.0%以上である。本発明の光導波路形成用樹脂組成物においては、(A)〜(D)成分のそれぞれの屈折率に応じ、各組成物の配合量を変更することによって屈折率を任意に制御することが可能であり、特に配合割合が多い(A)成分と(B)成分のそれぞれの屈折率および配合比に依存する傾向がある。上部クラッド組成は下部クラッド組成と同一であることが望ましい。
ドライフィルムにカバーフィルムが積層してある場合には、そのカバーフィルムを剥離後、基板上に樹脂組成物層面(クラッド組成)を密着させ、加熱しながら圧着(ラミネート)することで製膜することができる。基板への密着性、形状追従性を良好にするために減圧下で加熱ラミネートすることもできる。ドライフィルムのラミネート温度は50〜150℃とすることが好ましく、圧着圧力は0.1〜1.0MPaとすることが好ましいが、これらの条件には特に制限はない。
次いで支持フィルムを介して活性エネルギー線を照射し(B)成分である1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートモノマーを硬化する。活性エネルギー線としては、紫外線、可視光線、赤外線、X線、電子線、α線、β線、γ線のような電離放射線を挙げることができるが、特に紫外線が好ましい。紫外線の光源としては公知のものを含め特に限定されるものではないが、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、エキシマランプ、LEDなどを挙げることができる。活性エネルギー線を照射する雰囲気条件に特に限定はないが、(B)成分の硬化反応が酸素によって阻害を受けやすいため低酸素条件下で照射することが好ましい。
次いで支持フィルムを剥離した後、(A)成分であるシアネートエステルプレポリマーを硬化するために熱処理を行なうが、コアおよび上部クラッドを形成した後に、これらの熱処理と同時に行なっても構わない。熱処理条件は50〜250℃、より好ましくは180℃〜230℃の熱処理温度で、5分間〜5時間、より好ましくは30分間〜1時間の熱処理時間とすればよく、段階的に加熱温度を上げて熱処理を行なっても良い。
上記の方法あるいは任意の方法にて下部クラッドを形成した後、該下部クラッドの上にコア層を形成する。ドライフィルムにカバーフィルムが積層してある場合には、そのカバーフィルムを剥離後、下部クラッド上に樹脂組成物層面(コア組成)を密着させ、加熱しながら圧着(ラミネート)することで製膜することができる。下部クラッドへの密着性、形状追従性を良好にするために減圧下で加熱ラミネートすることもできる。ドライフィルムのラミネート温度は50〜150℃とすることが好ましく、圧着圧力は0.1〜1.0MPaとすることが好ましいが、これらの条件には特に制限はない。
ドライフィルムの支持フィルムの上にネガマスクを載せ、該ネガマスクを介して上記活性エネルギー線を照射する。ネガマスクは真空密着させることが好ましい。なお必要に応じ、支持フィルムを剥離し、感光性樹脂組成物層に直接、該ネガマスクを載せて活性エネルギー線を照射することもできる。活性エネルギー線を照射する雰囲気条件に特に限定はないが、(B)成分の硬化反応が酸素によって阻害を受けやすいため低酸素条件下で照射することが好ましい。
次いでウェット現像処理を行い、活性エネルギー線の未照射部、すなわち未硬化部を除去することでコアパターンを形成する。現像方法としては、静置浸漬法、揺動浸漬法、パドル法、スプレー法、ブラッシング法、スクラッピング法、超音波法等の公知の方法により行なうが、これらに限定されるものではない。
現像液に用いる有機溶媒としてはコア組成用の光導波路形成用樹脂組成物を分散、溶解するものであれば特に制限はないが、例えば、アセトン、ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、γ―ブチロラクトン、エチレンカーボネート、スルホラン、ジメチルスルホキシド、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、メチルグリコールアセテートなどを挙げることができる。これらは2種類以上を併用して用いることができる。また引火防止のため、これらの有機溶剤に0.5〜20質量%の範囲で水を添加することもできる。
現像時間は通常5〜600秒である。必要に応じ、現像後に洗浄を行なっても構わない。洗浄液に特に限定はないが、水を含め現像に用いた上記有機溶媒を挙げることができる。これらは2種類以上併用して用いることができる。
次いで(A)成分であるシアネートエステルプレポリマーを硬化するために熱処理を行なうが、上部クラッドを形成した後、クラッドの熱処理と同時に行なっても構わない。熱処理条件は50〜250℃、より好ましくは180℃〜230℃の熱処理温度で、5分間〜5時間、より好ましくは30分間〜1時間の熱処理時間とすればよく、段階的に加熱温度を上げて熱処理を行なっても良い。
上記の方法あるいは任意の方法にてコアを形成した後、該コアの上に上部クラッドを形成するが、下部クラッド作製と同様のラミネート方法、および活性エネルギー線の照射を行なうことができる。支持フィルムを剥離した後、(A)成分であるシアネートエステルプレポリマーを硬化するために熱処理を行なう。熱処理条件は、通常、50〜250℃で5分間〜5時間とすればよく、段階的に加熱温度を上げて熱処理を行なっても良い。なお、この熱処理は、下部クラッド層および/またはコア層の(A)成分の熱処理を兼ねて行なうこともできる。
<光導波路形成用樹脂組成物および光導波路形成用ドライフィルム(コア用)の作製と評価>(実施例1〜3、比較例1〜3)
[シアネートエステルプレポリマー(A−1)の合成例]
還流器の付いたフラスコに2,2−ビス(4−シアネートフェニル)プロパンを20.0g、p−クミルフェノールを0.076g、テトラヒドロフランを8.5g入れ、さらに反応触媒として2−エチルヘキサン酸亜鉛を20ppm添加し、攪拌しながら150℃で3時間反応させた。エバポレーターによりテトラヒドロフランを留去し、白色のシアネートエステルプレポリマー(A−1)を得た。FT−IR(FT/IR−6100、日本分光)を用いてシアネート基のピーク(2237cm−1)の減少率を求め、反応率を算出したところ66%だった。
[シアネートエステルプレポリマー(A−2)の合成例]
還流器の付いたフラスコに2,2−ビス(4−シアネートフェニル)プロパンを17.6g、p−クミルフェノールを2.4g、テトラヒドロフランを8.5g入れ、さらに反応触媒として2−エチルヘキサン酸亜鉛を20ppm添加し、攪拌しながら150℃で2時間反応させた。エバポレーターによりテトラヒドロフランを留去し、白色のシアネートエステルプレポリマー(A−2)を得た。上記と同様にして求めた反応率は75%だった。
[シアネートエステルプレポリマー(A−3)の合成例]
還流器の付いたフラスコに2,2−ビス(4−シアネートフェニル)プロパンを15.3g、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパンを4.7g、テトラヒドロフランを8.5g入れ、さらに反応触媒として2−エチルヘキサン酸亜鉛を20ppm添加し、攪拌しながら150℃で2時間反応させた。エバポレーターによりテトラヒドロフランを留去し、白色のシアネートエステルプレポリマー(A−3)を得た。上記と同様にして求めた反応率は70%だった。
表1に示す、成分(A):シアネートエステルプレポリマー、成分(B):1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートモノマー、成分(C):光ラジカル重合開始剤、成分(D):シアネートエステルプレポリマーの硬化触媒を1,4−ジオキサンに溶解して光導波路形成用ドライフィルム作製用の樹脂ワニスを得た。
これをポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ25μm)にアプリケーターを用いて塗布し、常圧乾燥(80℃で10分間)、次いで減圧乾燥(80℃で30分間)した。このとき、乾燥後のドライフィルムの樹脂組成物層の厚さが30μmになるようにアプリケーターの間隔を調整した。
なお、以下の例における特性は次の方法により評価した。
[ラミネート性]
光導波路形成用ドライフィルムを熱ロール圧着法(100℃)にて基板へ転写した。このとき、基板に均一に転写できた場合を「○」、基板に転写できなかったり、未硬化の感光性樹脂組成物層の厚みが不均一だったものを「×」とした。なおここで使用した基板は、1,1−ビス(4−シアネートフェニル)エタンに2−エチルヘキサン酸亜鉛を添加(Zn濃度;200ppm)し、180℃で1時間、熱硬化することによって得た1mm厚の硬化物プレートとした。
[パターン形成性]
上記基板に光導波路形成用ドライフィルムを熱ラミネートし、支持フィルムであるポリエチレンテレフタレートフィルムの上からマスク(40μm幅コアパターン)を介して紫外線露光機にて波長360nm、照度10mW/cm2の紫外線を300秒間照射した。これをN−メチル−2−ピロリドン/アセトニトリル/ジエチレングリコールモノブチルエーテル=2/3/1(容積比)からなる混合溶媒中で60秒間浸漬処理して現像を行なった後、アセトニトリルで洗浄した。顕微鏡観察により40μmコア形状が精度良く形成されているものを「○」、コア形状やコア幅が著しく変化してコア形状が精度よく形成されていなかったものを「×」としてパターン形成性を評価した。
[UV硬化収縮率]
UV露光前とUV露光後のそれぞれの比重を自動比重計(D−H100、東洋精機製作所)を用いて測定し下記式より硬化収縮率を算出した。実施例1〜3、比較例1〜3にワニスをテフロン(登録商標)シートに滴下し、常圧乾燥(80℃で10分間)、次いで減圧乾燥(80℃で30分間)した後、固形状物の比重を測定してUV露光前比重とした。一方、該固形状物を窒素雰囲気中で紫外線露光(波長360nm、照度10mW/cm2の紫外線を300秒間照射)し、得られた硬化物の比重を測定してUV露光前比重とした。
UV硬化収縮率(%)=(UV露光後の比重−UV露光前の比重)/(UV露光後の比重)×100
IRGACURE819(BASFジャパン社製)
:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド
DAROCUR1173(BASFジャパン社製)
:2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン
(実施例4〜6)
ガラス基板上に実施例1〜3で作製したドライフィルム(コア用)を熱ロール圧着法(100℃)にてラミネートした。次に支持フィルムであるポリエチレンテレフタレートフィルムの上から紫外線露光機にて波長360nm、照度10mW/cm2の紫外線を300秒間照射した。次いで窒素雰囲気中で段階的な加熱処理(120℃で20分、150℃で30分、180℃で60分、230℃で60分)を行い膜を硬化させ、ガラス基板をクラッドとするスラブ型光導波路を作製した。
なお、以下の例における物性値は次の方法により測定した。
[ガラス転移温度:Tg]
TAインスツルメント社製の示差走査熱量計(Q100)を用い、試料重量4mg、温度測定範囲30℃〜300℃、昇温速度10℃/分における熱フロー曲線からガラス転移温度を求めた。
[屈折率;n]
メトリコン社製プリズムカプラ(モデル2010)を用いて、結合プリズムを通してサンプルに波長850nmのレーザー光を入射し、TE偏光およびTM偏光における屈折率を測定した。平均屈折率は、〔2×(TE偏光での屈折率)+(TM偏光での屈折率)〕/3として算出した。
[複屈折;Δn]
メトリコン社製プリズムカプラ(モデル2010)を用いて、結合プリズムを通してサンプルに波長850nmのレーザー光を入射し、TE偏光およびTM偏光における屈折率を測定し、TE偏光での屈折率からTM偏光での屈折率を減じることで複屈折を算出した。
[比屈折率差]
下記計算式から比屈折率差を算出した。
比屈折率差(%)=100×(nco 2−ncl 2)/(2×nco 2)
ここで、ncoはコアの平均屈折率、nclはクラッドの平均屈折率を表す。
[光伝搬損失]
メトリコン社製プリズムカプラ(モデル2010)を用いて、850nmにおける光伝搬損失を測定した。コア硬化膜に波長850nmのレーザー光をプリズムを介して入射させ、直線的に伝搬する光波のストリーク光強度をファイバープローブで測定し、このストリーク光強度(P)と伝搬経路長(L)との関係において、Lに対してlogPをプロットしたときの傾きを伝搬損失(dB/cm)として求めた。光伝搬損失が小さいほど、コア硬化膜の透明性が良好であることを意味する。
<埋め込み型光導波路の作製>
(実施例7)
シアネートエステルプレポリマー(A−3)/イソシアヌル酸トリス(2−アクリロイルオキシエチル)/DAROCUR1173/γ−ブチロラクトン=60/40/3/70(質量比)からなるクラッド用ワニスをポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ25μm)にアプリケーターを用いて塗布し、常圧乾燥(80℃で10分間)、次いで減圧乾燥(80℃で30分間)した。このとき、乾燥後のドライフィルムの樹脂組成物層の厚さが30μmになるようにアプリケーターの間隔を調整した。得られたクラッド用ドライフィルムをFR4(ガラス・エポキシ)基板上に熱ロール圧着法(100℃)にてラミネートし、次いで支持フィルムであるポリエチレンテレフタレートフィルムの上から紫外線露光機にて波長360nm、照度10mW/cm2の紫外線を300秒間照射してアクリレートを硬化させ、次いで窒素雰囲気中で段階的な加熱処理(120℃で20分、150℃で30分、180℃で60分)を行い、シアネートエステルプレポリマーを硬化させてクラッドを作製した。
次いでこのクラッド層上に、実施例3と同様にして作製したコア用ドライフィルムを上記と同様の方法でラミネートした後、支持フィルムであるポリエチレンテレフタレートフィルムの上にフォトマスク(コア幅40μm)を載せて真空密着させ、紫外線露光機にて波長360nm、照度10mW/cm2の紫外線を360秒間照射した。支持フィルムを剥がし、N−メチル−2−ピロリドン/アセトニトリル/ジエチレングリコールモノブチルエーテル=2/3/1(容積比)からなる混合溶媒中で60秒間浸漬処理して現像を行なった後、アセトニトリルで洗浄し、コアパターンを得た。
このコア層上に上記のクラッド用ワニスをスピンコートし、常圧乾燥(80℃で10分間)、次いで減圧乾燥(80℃で30分間)した後、紫外線露光機にて波長360nm、照度10mW/cm2の紫外線を300秒間照射(窒素雰囲気中)してアクリレートを硬化させ、次いで窒素雰囲気中で段階的な加熱処理(120℃で20分、150℃で30分、180℃で60分)を行い、上部クラッド硬化膜を作製した。さらに構造物全体を230℃で60分間、窒素雰囲気中で熱処理することでクラッドおよびコア中の未反応シアネート基を反応させた。得られた構造体の断面をデジタルマイクロスコープで観察したところ、台形コア断面(上辺38μm、下辺42μm、高さ30μm)が形成されており、埋め込み型光導波路が作製できていることを確認した。なおコアとクラッドの比屈折率差は1.0%であった。
本発明の光導波路は、光伝送体、光合波器や光分波器、光変調器、光スイッチなどの光デバイス、タッチパネル用途などに好適である。
Claims (5)
- (A)シアネートエステルプレポリマー、(B)1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートモノマー、(C)光ラジカル重合開始剤、(D)シアネートエステルプレポリマーの硬化触媒を含有する組成物からなり、(A)成分と(B)成分の総質量に対し、(A)成分が10〜90質量%、(B)成分が10〜90質量%であり、かつ(A)成分と(B)成分の総量100質量部に対し(C)成分が0.1〜10質量部、(D)成分が0.001〜10質量部であり、(C)成分は(B)成分の重合を開始可能であり、(D)成分は熱硬化触媒であることを特徴とする光導波路形成用樹脂組成物。
- (A)シアネートエステルプレポリマーが1分子中に少なくとも3個以上のシアネート基を有する化合物であることを特徴とする請求項1記載の光導波路形成用樹脂組成物。
- (B)1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートモノマーがイソシアヌル酸誘導体であることを特徴とする請求項1〜2のいずれか一項に記載の光導波路形成用樹脂組成物。
- 上記請求項1〜3のいずれか一項に記載の光導波路形成用樹脂組成物からなる未硬化状態の該樹脂組成物層を有することを特徴とする光導波路形成用ドライフィルム。
- クラッドとコアからなり、クラッドよりもコアの平均屈折率が高い光導波路において、コアおよび/またはクラッドが請求項4記載の光導波路形成用ドライフィルムを用いて形成されてなり、それらのガラス転移温度が150℃〜250℃であることを特徴とする光導波路。
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