JP5504951B2 - 構造物の耐震補強方法及び構造物の耐震補強構造 - Google Patents
構造物の耐震補強方法及び構造物の耐震補強構造 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5504951B2 JP5504951B2 JP2010031545A JP2010031545A JP5504951B2 JP 5504951 B2 JP5504951 B2 JP 5504951B2 JP 2010031545 A JP2010031545 A JP 2010031545A JP 2010031545 A JP2010031545 A JP 2010031545A JP 5504951 B2 JP5504951 B2 JP 5504951B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ground
- back side
- seismic reinforcement
- tubular reinforcing
- abutment
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Description
(1)図14に示すように、橋台25の基礎部分26間にストラッド27を突っ張った状態に設けて、橋台25が水平方向に滑動するのを防止する方法、
(2)図15に示すように、橋台25の前面側からグラウンドアンカー28を斜め下方に打設して、橋台25が滑動や転倒するのを防止する方法、
(3)図16に示すように、橋台25の前面側からネイリング部材29を水平方向に打設して、橋台25が滑動や転倒するのを防止する方法、
(4)図17に示すように、橋台25の背面側の裏栗部分30に薬液を注入して固化させ、裏栗部分30が沈下するのを防止する方法、
(5)特許文献1に記載されているように、橋台の背面側の受台に近接する部分及び受台から離れた部分に栗石等の裏込材を敷き固め、その上部にモルタル、砂等のレベル調整用裏込材を施して路盤工を構成し、この路盤工の上部に、下面に凹陥面が設けられた踏掛板を配置して、踏掛板の両端部を橋台の背面側の受台と受台から離れた部分の裏込材の上部との間で支持し、踏掛板を両端支持梁として機能させることにより、地震等によって裏込材に揺すり込み沈下が生じた場合であっても、踏掛板が埋没するのを防止し、路面に段差が生じるのを防止するように構成した方法
等が提案されている。
図15に示す方法は、橋台25をグラウンドアンカー28によって地盤31に支持しているので、橋台25が滑動や転倒するのを防止するには有効である。
図16に示す方法は、橋台25をネイリング部材29によって地盤31に支持しているので、橋台25が滑動や転倒をするのを防止するのには有効である。
図17に示す方法は、橋台25の背面側の裏栗部分30に薬液を注入して固化しているので、裏栗部分30の揺すり込み沈下を防止するのには有効である。
特許文献1に記載の方法は、橋台の背面側の裏込材に揺すり込み沈下が生じても、その上部の両端支持梁の踏掛板によって路面を支持することができるので、路面に段差が生じるのを防止するのには有効である。
すなわち、本発明は、前面側が開放されるとともに、少なくとも背面からの土圧荷重を支持する構造物の耐震補強方法であって、前記構造物の前面側から、管状補強部材により、前記構造物を水平方向に貫通して先端が背面側の地盤に到達する孔を、前記構造物の幅方向に間隔をおいて複数箇所に削孔し、削孔した各孔内において、前記管状補強部材の内側に、袋体を取り付けた芯材を挿入し、前記管状補強部材を前記孔から引き抜いて、前記管状補強部材の先端を前記構造物の背面側の地盤の所定の位置に配置させ、前記袋体に固化材を加圧注入して、前記袋体を膨張変形させて前記孔の内面に密着させ、前記管状補強部材の内側部分及び前記孔内に固化材を無加圧注入するとともに、前記芯材の頭部を前記構造物の前面側に定着させることを特徴とする。
また、管状補強部材の内側に芯材を挿入し、この芯材の先端に取り付けた袋体の内部に固化材を加圧注入して膨張変形させ、袋体をボーリング孔の内面に密着させることにより、芯材を構造物の背面側の地盤に定着させているので、地震による構造物の転倒及び滑動を防止することができる。
さらに、削孔で使用した管状補強部材の一部を地盤の沈下を防止する部材として利用するとともに、管状補強部材の不用部分を引き抜くことで、その部分を再利用することができるので、経済性を高めることができる。
このように構成すれば、構造物の背面側の裏栗部分の地震による揺すり込み沈下を防止できるので、裏栗部分の上部の地盤に段差が生じるのを防止できる。
このように構成すれば、構造物の幅方向だけでなく、高さ方向に削孔した各孔内にも管状補強部材及び芯材を配置することができるので、構造物の背面側に裏栗部分が設けられている場合には、管状補強部材及び芯材を複数段に配置することで、管状補強部材1本当たりが支持する地盤の厚さを小さくすることができるので、裏栗部分の沈下量を小さくすることができる。
このように構成すれば、芯材として入手が容易な材料(鉄筋又は鋼管)を使用することができるので、材料の調達が容易であり、経済的な施工が可能である。
従って、例えば、道路、鉄道等の橋桁を支持する橋台に適用した場合には、地震によって構造物が被害を受けた場合であっても、段差等の生じない一つの連続した面を確保することができるので、大地震直後にも道路や鉄道等を緊急車両等の通行に支障をきたさないような状態に維持し続けることができる橋台を提供することができる。
図1〜図7には、本発明による構造物の耐震補強方法の一実施の形態が示されている。
本実施の形態では、道路や鉄道等の橋桁22等の鉛直荷重、背面側からの土圧荷重を支持し、それらの荷重を基礎4及び杭5を介して地盤7側に伝達させる構造物である橋台1に耐震補強を施す際に、本発明の構造物の耐震補強方法を適用している。
また、本実施の形態においては、本発明による構造物の耐震補強方法を橋台1に適用している。但し、図示はしないが、背面側からの土圧荷重を支持する擁壁を構造物とし、この擁壁に本発明による構造物の耐震補強方法を適用してもよい。
この場合、ネイリング部材11の芯材12の先端を、ボーリング孔8の先端との間に所定の間隙が形成される位置に位置決めし、袋体13の先端とボーリング孔8の先端との間に所定の間隙が形成されるように構成してもよい。
なお、浸透性の高い基礎地盤7aの場合には、非透水性を有する袋体13を用い、グラウト17が袋体13の表面側に滲出するのを阻止することにより、袋体と基礎地盤7aとの定着を図ればよい。
なお、本実施の形態においては、裏栗部分6の背面側の基礎地盤7aの全体に行き渡る長さの袋体13を取り付けている。
なお、注入ホース15は、グラウト17の注入後に、ボーリング孔8内に残置させてもよいし、ボーリング孔8から引き抜いてもよい。
従って、大規模な地震により橋台1に変位等が生じるような場合であっても、裏栗部分6の上部の盛土体7bの部分、或いは、橋台1と盛土体7bとの境界部分の連続性を保つことができるので、道路や鉄道等を緊急車両等の通行に支障をきたさないような状態に維持し続けることができる。
本実施の形態の構造物の耐震補強方法は、芯材12に鋼管を用い、この鋼管からなる芯材12の一部に袋体13を取り付け、この鋼管からなる芯材12の内側の部分を注入孔として利用して、袋体13の内部にグラウト17を加圧注入するとともに、鋼管からなる芯材12の内部にもグラウト17を注入するように構成したものであって、その他の構成は前記第1の実施の形態に示すものと同様である。
なお、芯材12の袋体13の内部に位置する部分に、必要に応じて、芯材12の内外面間を貫通する複数の孔12aを設け、この孔12aと芯材12の先端の開口とを利用して、袋体13の内部にグラウト17を充填するように構成してもよい。
2 前面
3 背面
4 基礎
5 杭
6 裏栗部分
7 地盤
7a 基礎地盤
7b 盛土体
8 孔(ボーリング孔)
10 管状補強部材(鋼管)
11 ネイリング部材
12 芯材
12a 孔
13 袋体
14 口部
15 注入ホース
16 栓部材
17 グラウト
18 プレート
19 ナット
20 基台
21 シール部材
22 橋桁
25 橋台
26 基礎部分
27 ストラッド
28 グラウンドアンカー
29 ネイリング部材
30 裏栗部分
31 地盤
Claims (5)
- 前面側が開放されるとともに、少なくとも背面からの土圧荷重を支持する構造物の耐震補強方法であって、
前記構造物の前面側から、管状補強部材により、前記構造物を水平方向に貫通して先端が背面側の地盤に到達する孔を、前記構造物の幅方向に間隔をおいて複数箇所に削孔し、削孔した各孔内において、前記管状補強部材の内側に、袋体を取り付けた芯材を挿入し、前記管状補強部材を前記孔から引き抜いて、前記管状補強部材の先端を前記構造物の背面側の地盤の所定の位置に配置させ、前記袋体に固化材を加圧注入して、前記袋体を膨張変形させて前記孔の内面に密着させ、前記管状補強部材の内側部分及び前記孔内に固化材を無加圧注入するとともに、前記芯材の頭部を前記構造物の前面側に定着させることを特徴とする構造物の耐震補強方法。 - 前記構造物の背面側には、栗石を敷き詰めた裏栗部分が設けられ、前記管状補強部材は、前記構造物及び前記裏栗部分を貫通して、先端が前記裏栗部分よりも背面側の前記地盤内に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の構造物の耐震補強方法。
- 前記孔は、前記構造物の高さ方向に間隔をおいて複数箇所に削孔されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の構造物の耐震補強方法。
- 前記芯材は、鉄筋又は鋼管であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の構造物の耐震補強方法。
- 前面側が開放されるとともに、少なくとも背面からの土圧荷重を支持する構造物の耐震補強構造であって、
前記構造物の幅方向に間隔をおいて複数箇所に、前記構造物を前面側から水平方向に貫通して先端が背面側の地盤に到達するように形成された各孔内に、前記構造物と前記構造物の背面側の地盤の所定の位置との間に亘って設けられる管状補強部材と、
前記各管状補強部材の内側に挿入されるとともに、前記各管状補強部材の内側部分及び前記各孔内に無加圧注入された固化材によって前記各孔内に定着される芯材と、
該各芯材の一部に取り付けられるとともに、内部に加圧注入された固化材によって膨張変形して前記各孔の内面に密着される袋体と、
前記各芯材の頭部を前記構造物の前面側に定着させる定着部材とを備えていることを特徴とする構造物の耐震補強構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010031545A JP5504951B2 (ja) | 2010-02-16 | 2010-02-16 | 構造物の耐震補強方法及び構造物の耐震補強構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010031545A JP5504951B2 (ja) | 2010-02-16 | 2010-02-16 | 構造物の耐震補強方法及び構造物の耐震補強構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011168975A JP2011168975A (ja) | 2011-09-01 |
JP5504951B2 true JP5504951B2 (ja) | 2014-05-28 |
Family
ID=44683365
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010031545A Active JP5504951B2 (ja) | 2010-02-16 | 2010-02-16 | 構造物の耐震補強方法及び構造物の耐震補強構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5504951B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6065907B2 (ja) | 2012-05-11 | 2017-01-25 | ソニー株式会社 | 情報処理装置、情報処理方法、および、プログラム |
CN103114521B (zh) * | 2013-01-21 | 2015-02-11 | 浙江大学宁波理工学院 | 桥梁的桥台与路基结合处的结构及施工方法 |
CN108221647A (zh) * | 2018-02-09 | 2018-06-29 | 聂重军 | 一种桥台结构及其施工方法 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3686625B2 (ja) * | 2002-04-18 | 2005-08-24 | 住友電工スチールワイヤー株式会社 | グラウト侵入防止キャップ |
JP4135522B2 (ja) * | 2003-02-03 | 2008-08-20 | 株式会社大林組 | 橋台の補強方法および補強構造 |
JP5216358B2 (ja) * | 2008-02-18 | 2013-06-19 | 株式会社大林組 | 地盤補強に用いられる補強部材、地盤補強工法、地盤補強構造 |
JP5666081B2 (ja) * | 2008-04-15 | 2015-02-12 | 公益財団法人鉄道総合技術研究所 | 既設橋梁の改築方法 |
-
2010
- 2010-02-16 JP JP2010031545A patent/JP5504951B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2011168975A (ja) | 2011-09-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5274941B2 (ja) | 橋台とその背面に設けられた盛土の補強方法 | |
KR100934196B1 (ko) | 양방향 압력식 소구경 파일 및 이를 이용한 부력방지 공법 | |
JP4663541B2 (ja) | 既設コンクリート橋脚の耐震補強工法 | |
JP5504951B2 (ja) | 構造物の耐震補強方法及び構造物の耐震補強構造 | |
KR101914901B1 (ko) | 지반개량 및 내진 보강파일과 그 시공방법 | |
KR100710867B1 (ko) | 수평배수공 역할을 겸한 상향식 지반보강공법 및 그 구조 | |
KR100926300B1 (ko) | 말뚝보강 지내력기초구조물 및 그 시공방법 | |
JP3385876B2 (ja) | 既設基礎直下の場所打ち杭構築工法 | |
KR100781492B1 (ko) | 옹벽구조 및 그 시공방법 | |
KR200381572Y1 (ko) | 밀크그라우팅을 이용하여 가압을 할 수 있는 패커 | |
KR100711054B1 (ko) | 앵커체를 이용한 자립식 차수벽 흙막이 공법과 이를 위한 연결소켓 | |
KR100951872B1 (ko) | 지반 보강 장치 및 이를 이용한 지반 보강 방법 | |
CN210459233U (zh) | 一种软土地区用桩锚基坑支护结构 | |
CN114411767A (zh) | 一种松散变形边坡加固结构的施工方法 | |
JP3690495B2 (ja) | 建物の構築方法および建物 | |
KR100710866B1 (ko) | 밀크그라우팅을 이용한 가압 그라우팅 공법 및 패커 | |
KR100742775B1 (ko) | 원추형 자켓 앵커 및 그를 이용한 시공방법 | |
CN103306292B (zh) | 输油气管道穿越表土层滑坡区的抗滑支撑应变防护方法 | |
JPH1082057A (ja) | 耐震杭基礎工法 | |
JP2001303592A (ja) | ブロックの設置固定工法 | |
JP5463043B2 (ja) | コンクリート構造物の補強方法 | |
KR101020217B1 (ko) | 앵커를 이용한 암석 축조구조물 및 그 시공방법 | |
JPH1082056A (ja) | 耐震杭基礎工法 | |
CN216515697U (zh) | 一种钻岩锚索与承台组合的抗震式基础 | |
CN110158498A (zh) | 一种弹性被动防护网立柱结构及施工方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20130118 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20131028 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140218 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140303 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5504951 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |