JP5504900B2 - カム機構及び電磁クラッチ - Google Patents
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Description
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電磁クラッチが適用された4輪駆動車の駆動力伝達系の概略構成を示す。図1に示すように、4輪駆動車101は、駆動源としてのエンジン102,エンジン102の出力を一対のフロントアクスルシャフト104及びプロペラシャフト106に分配するトランスアクスル103,一対のフロントアクスルシャフト104のそれぞれに連結された一対の前輪105,プロペラシャフト106のトルクをドライブピニオンシャフト108に伝達する駆動力伝達装置1,ドライブピニオンシャフト108に伝達されたトルクを一対のリヤアクスルシャフト110に分配するリヤディファレンシャル109,及び一対のリヤアクスルシャフト110のそれぞれに連結された一対の後輪111を備えている。
図2は駆動力伝達装置1の構成を示す断面図である。この駆動力伝達装置1は、ディファレンシャルキャリア107(図1に示す)に対して回転軸Oの周りに回転可能なハウジング2と、このハウジング2に対して同軸状で相対回転可能なインナシャフト3と、ハウジング2とインナシャフト3との間に配置されたメインクラッチ4と、ディファレンシャルキャリア107に対して回転不能に保持された電磁コイル5と、電磁コイル5の通電によって作動し、メインクラッチ4を押圧するカム力を発生するカム機構6とから大略構成されている。電磁コイル5及びカム機構6は、電磁クラッチ10を構成する。
ハウジング2は、フロントハウジング21、及びフロントハウジング21と一体回転するように結合されたリヤハウジング22からなり、ディファレンシャルキャリア107の内部に軸受(図示せず)を介して支持されている。
インナシャフト3は、フロントハウジング21との間に介在するボール軸受210、及びリヤハウジング22との間に介在するニードル軸受220によって、ハウジング2の内側に支持されている。
メインクラッチ4は、複数のアウタクラッチプレート41、及びアウタクラッチプレート41と交互に配置された複数のインナクラッチプレート42を有し、潤滑油が充填された収容空間21a内で両クラッチプレートが摺動する湿式の多板クラッチとして構成されている。
電磁コイル5は、ディファレンシャルキャリア107(図1に示す)に固定された炭素鋼等の磁性材料からなるヨーク51に保持されて、リヤハウジング22の収容空間22a内に配置されている。ヨーク51は、リヤハウジング22の外側部材221の内周面との間にエアギャップ51aを、内側部材223との間にエアギャップ51bをそれぞれ介在させて、内側部材223との間に設けられたシール軸受52を介してリヤハウジング22を支持している。
カム機構6は、メインクラッチ4とリヤハウジング22との間に配置され、第1カム部材61と、第2カム部材62と、第1カム部材61及び第2カム部材62の間に介在する球状のカムフォロア63とを有して構成されている。第1カム部材61はカムフォロア63よりもメインクラッチ4の側に配置され、第2カム部材62はカムフォロア63よりもリヤハウジング22の側に配置されている。
第1カム部材61は、炭素鋼等の金属材料からなる環状の部材であり、インナシャフト3に外嵌されている。第1カム部材61は、メインクラッチ4の側に設けられた押圧部611と、カムフォロア63の側に設けられたカム部612とが一体に形成されている。押圧部611には、メインクラッチ4の複数のインナクラッチプレート42のうち、最もカム機構6側に位置するインナクラッチプレート42に対向する押圧面611aが形成されている。カム部612には、カムフォロア63が転動する複数の第1カム面612aが形成されている。
第2カム部材62は、例えばプレス加工により成形された炭素鋼等の磁性材料からなる環状の部材であり、その中心部にインナシャフト3を挿通させる挿通孔62cが形成され、インナシャフト3に対して軸方向移動可能に外嵌されている。第2カム部材62は、本体部620と補強部623とが一体に形成されている。
カムフォロア63は、炭素鋼等の金属材料からなり、第1カム部材61の第1カム面612aと第2カム部材62の第2カム面622aとの間に挟持され、第1カム面612a及び第2カム面622aを転動する。第1カム部材61と第2カム部材62は、カムフォロア63が第1カム面612a及び第2カム面622aを転動する範囲において相対回転が可能である。
図3は、側面62aの側から見た第2カム部材62の形状を示す。この図では、リヤハウジング22の摩擦面22b(図2に示す)と摩擦係合する摩擦面621aの内周円621bを破線で示す。
次に、駆動力伝達装置1の動作を説明する。4輪駆動車101のエンジン102が始動していない状態では、カム機構6は非作動状態であり、第1カム部材61及び第2カム部材62は、皿バネ64及び皿バネ65の付勢力により相互に接近した状態にある。
図4は、カム機構の作動時及び非作動時における第2カム部材の形状の変化を示し、(a)は、本実施の形態に係る第2カム部材62及びその周辺部を、(b)は、比較例としての、補強部を有していない第2カム部材200及びその周辺部を示す。この第2カム部材200は、補強部を有していない他は第2カム部材62と同様に構成され、摩擦面201aを有する摩擦部201と、カムフォロア63が転動するカム面202aを有するカム部202とが一体に形成されている。また、図4では、第2カム部材62及び第2カム部材200のカム機構の非作動時における断面形状の輪郭を二点鎖線で、作動時における断面形状の輪郭を実線で、それぞれ示す。なお、この図では説明のために第2カム部材62及び第2カム部材200の変形量を誇張して表している。
以上説明した本発明の第1の実施の形態によれば、次に示す効果が得られる。
図5は、本発明の第2の実施の形態に係るカム機構8を備えた電磁クラッチ11及びその周辺部の概略構成を示す全体図である。この電磁クラッチ11は、円筒状の回転部材80を非回転部材であるケーシング9に対して回り止めするためのブレーキ装置として機能し、例えば遊星歯車機構によるトルク伝達の経路を切り替えるため等に用いられる。
回転部材80は、内面にシャフト(図示せず)が挿通される貫通孔が形成された円筒部81と、円筒部81の軸方向の一端から径方向外側に突出して形成された環状の鍔部82とが一体に形成されている。円筒部81の内周面の軸方向一側には、シャフトと回転部材80との相対回転を規制するための、回転軸O2に沿って形成されたストレートスプライン嵌合部81aが設けられている。ストレートスプライン嵌合部81aの外側にあたる円筒部81の外周面には、ボール軸受75の内輪751が嵌合されている。
カム部材84は、中心部に回転部材80が挿通される挿通孔84aが形成された炭素鋼等の金属材料からなる環状の部材であり、回転部材80の円筒部81に外嵌されている。カム部材84は、カム面841aが形成されたカム部841、及びカム部841の外周側に設けられた摩擦部842とからなる本体部840と、本体部840の鍔部82に面した側面に形成された補強部843とが一体に形成されている。補強部843の詳細については後述する。
ヨーク72は、炭素鋼等の磁性材料からなり、カム部材84の軸方向に対向して配置され、ボルト91によってケーシング9に相対回転不能かつ軸方向移動不能に固定されている。ヨーク72には、軸方向のカム部材84側に開口した断面コの字状の環状凹部720が形成され、環状凹部720に電磁コイル71が保持されている。環状凹部720の内周側におけるカム部材84との対向面に環状の内周側摩擦面72aが形成され、環状凹部720の外周側におけるカム部材84との対向面に環状の外周側摩擦面72bが形成されている。
図6は、カム部材84の補強部843が設けられた側の側面を示す。この図では、内周側摩擦面842aの内周円842c及び外周円842dと、外周側摩擦面842bの内周円842eを破線で示している。
電磁コイル71に通電されると、図5に破線で示すように、ヨーク72及びカム部材84により形成される磁路に磁束M2が発生し、カム部材84がヨーク72の側に引き寄せられ、カム部材84の内周側摩擦面842aがヨーク72の内周側摩擦面72aに、カム部材84の外周側摩擦面842bがヨーク72の外周側摩擦面72bに、それぞれ摩擦接触する。
以上説明した本発明の第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態の効果と同様の効果に加え、カム部材84がヨーク72に直接摩擦係合するので、少ない部品数で電磁クラッチ11を構成できる。
図7は、本発明の第3の実施の形態に係る電磁クラッチ11のカム部材84Aを示す。本実施の形態に係る電磁クラッチ11は、第2の実施の形態と比べてカム部材84がカム部材84Aに置換された他は同一の構成であるので、全体図の図示を省略する。また、カム部材84Aは、補強部85の構造がカム部材84の補強部843とは異なるが、その他は同一であるので、同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
以上、本発明のカム機構及び電磁クラッチを上記の実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能であり、例えば次に示すような変形も可能である。
Claims (3)
- 周方向に延びるように形成された複数の第1カム面を有する第1カム部材と、
前記第1カム部材との相対回転により軸方向のカム力を発生させる複数の第2カム面が形成された本体部、及び前記複数の第2カム面の内周側と外周側とに亘って径方向に延びるように前記本体部と一体に形成され、前記カム力による前記本体部の変形を抑制する補強部を有する第2カム部材と、を備え、
前記補強部は、周方向に隣り合う前記第2カム面の間のそれぞれの位置に対応して形成されている
カム機構。 - 前記第2カム部材は、前記カム面が形成された側面の軸方向反対側の側面に、前記カム力により摩擦相手部材と摩擦係合する摩擦面を有し、
前記補強部は、少なくとも一部が前記摩擦面に対応する径方向の範囲に形成されている請求項1に記載のカム機構。 - 周方向に延びるように形成された第1カム面を有する第1カム部材と、
前記第1カム部材との相対回転により軸方向のカム力を発生させる第2カム面、及び前記カム力により摩擦相手部材と摩擦係合する摩擦面が形成された本体部を有する第2カム部材と、
前記第2カム部材の前記摩擦面を前記摩擦相手部材に接触させるように前記第2カム部材を軸方向移動させる磁力を発生する電磁コイルと、を備え、
前記第2カム部材は、前記第2カム面の内周側と外周側とに亘って径方向に延びるように前記本体部と一体に形成され、前記カム力による前記本体部の変形を抑制する補強部を有する電磁クラッチ。
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