JP2010096239A - 駆動力伝達装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】押圧部材の押圧力を補助し、伝達可能なトルクを増大することができる駆動力伝達装置を提供する。
【解決手段】駆動力伝達装置は、フロントハウジングと、フロントハウジング内に回転可能に同軸配置されたインナシャフト23と、フロントハウジングにスプライン嵌合する複数のアウタクラッチプレート及びインナシャフト23にスプライン嵌合する複数のインナクラッチプレートが交互に配置されたメインクラッチとを備えた。また、駆動力伝達装置は、メインクラッチを押圧するメインカムを備えた。そして、インナシャフト23の外周面に形成された複数のシャフト側スプライン歯31のシャフト側噛み合い面31a,31bを中心軸線Lに対して傾斜して形成した。
【選択図】図3
【解決手段】駆動力伝達装置は、フロントハウジングと、フロントハウジング内に回転可能に同軸配置されたインナシャフト23と、フロントハウジングにスプライン嵌合する複数のアウタクラッチプレート及びインナシャフト23にスプライン嵌合する複数のインナクラッチプレートが交互に配置されたメインクラッチとを備えた。また、駆動力伝達装置は、メインクラッチを押圧するメインカムを備えた。そして、インナシャフト23の外周面に形成された複数のシャフト側スプライン歯31のシャフト側噛み合い面31a,31bを中心軸線Lに対して傾斜して形成した。
【選択図】図3
Description
本発明は、クラッチプレートを摩擦係合させることでトルクを伝達する駆動力伝達装置に関するものである。
従来、円筒状の第1回転部材と、該第1回転部材内に回転可能に同軸配置された軸状の第2回転部材とを備え、これら第1回転部材と第2回転部材との間に設けられた第1クラッチ機構により第1回転部材及び第2回転部材をトルク伝達可能に連結可能とした駆動力伝達装置がある。
この種の駆動力伝達装置の中には、第1クラッチ機構(メインクラッチ)の軸線方向に第2クラッチ機構(パイロットクラッチ)を並置するとともに、メインクラッチとパイロットクラッチとの間にカム機構を設けたものがある(例えば、特許文献1参照)。そして、特許文献1の駆動力伝達装置では、カム機構がパイロットクラッチを介して伝達されるトルクを軸線方向の押圧力に変換して押圧部材(メインカム)がメインクラッチを押圧することにより同メインクラッチを摩擦係合させるようになっている。
特開2003−28218号公報
ところで、特許文献1の駆動力伝達装置に用いられるパイロットクラッチでは、耐摩耗性向上のために、例えばインナクラッチプレートに焼き入れ等の表面処理を施すとともに、アウタクラッチプレートの摺接面にDLC膜(ダイヤモンド状炭素被膜)を形成している。このような表面処理のため、パイロットクラッチの製造コストが上昇してしまい、駆動力伝達装置のコスト増大に繋がっている。
そこで、パイロットクラッチを構成する各クラッチプレートの枚数を削減することで、製造コストの低減を図ることが望まれる。しかしながら、クラッチプレートの枚数を削減するとパイロットクラッチで伝達可能なトルクが減少し、メインカムがメインクラッチに付与する押圧力が減少してしまう。その結果、メインクラッチ(駆動力伝達装置)にて十分なトルクを伝達できなくなってしまう虞があった。
なお、このような問題は、パイロットクラッチ及びカム機構により押圧部材(メインカム)を駆動する場合に限らず、その他の構成にて押圧部材を駆動する場合においても、同様に発生する。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、押圧部材の押圧力を補助し、伝達可能なトルクを増大することができる駆動力伝達装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、円筒状の第1回転部材と、前記第1回転部材内に回転可能に同軸配置された第2回転部材と、前記第1回転部材又は前記第2回転部材に対して軸線方向移動可能にスプライン嵌合され軸線方向に押圧されることで前記第1回転部材と前記第2回転部材とをトルク伝達可能に連結する複数のクラッチプレートからなる第1クラッチ機構と、前記第1クラッチ機構を押圧する押圧部材とを備えた駆動力伝達装置において、前記第1回転部材の内周面及び前記第2回転部材の外周面に形成された複数の回転部材側スプライン歯の少なくとも一方は、該各回転部材側スプライン歯の前記各クラッチプレートとの回転部材側噛み合い面が前記第1及び前記第2回転部材の回転軸線に対して傾斜してなることを要旨とする。
上記構成によれば、第1回転部材と第2回転部材とが相対回転している場合に、押圧部材が第1クラッチ機構を押圧して摩擦係合させると、第1クラッチ機構に生じたトルクに応じて第1回転部材及び第2回転部材と各クラッチプレートとの間にそれぞれ周方向の力が作用する。そして、第1回転部材の内周面及び第2回転部材の外周面に形成された複数の回転部材側スプライン歯の少なくとも一方は、各回転部材側スプライン歯の回転部材側噛み合い面が回転軸線に対して傾斜している。そのため、傾斜した回転部材側スプライン歯から、同回転部材側スプライン歯にスプライン嵌合した各クラッチプレートに対して、上記周方向の力の分力が軸線方向に作用する。従って、傾斜した回転部材側スプライン歯から各クラッチプレートに対して、押圧部材の押圧方向と同方向の押圧力を作用させることで、第1クラッチ機構の摩擦係合力を増大させ、伝達可能なトルクを増大することができる。
これにより、押圧部材が第1クラッチ機構に付与する押圧力が減少しても、十分なトルクを伝達することができ、押圧部材を駆動するための構成を簡素化して製造コストの低減を図ることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の駆動力伝達装置において、前記各回転部材側スプライン歯における周方向両側の前記回転部材側噛み合い面は、前記回転軸線に対してそれぞれ同方向に傾斜してなることを要旨とする。
上記構成によれば、第1回転部材が第2回転部材よりも速く回転する場合と、第1回転部材が第2回転部材よりも遅く回転する場合とで、傾斜した各回転部材側スプライン歯から各クラッチプレートに作用する軸線方向の押圧力の向きを逆方向にできる。従って、第1回転部材と第2回転部材との相対回転に応じて、第1クラッチ機構の摩擦係合力を増大又は減少させることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の駆動力伝達装置において、前記各回転部材側スプライン歯における周方向両側の前記回転部材側噛み合い面は、前記回転軸線に対して互いに逆方向に傾斜してなることを要旨とする。
上記構成によれば、第1回転部材が第2回転部材よりも速く回転する場合と、第1回転部材が第2回転部材よりも遅く回転する場合とで、傾斜した各回転部材側スプライン歯から各クラッチプレートに作用する軸線方向の押圧力の向きを同じ向きにできる。
また、第1及び第2回転部材の各回転部材側スプライン歯とクラッチプレートのプレート側スプライン歯との間の隙間(バックラッシ)を大きくすることができる。これにより、第1回転部材の第2回転部材に対する相対回転方向が反転する際に発生するトルク残りを低減するができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のうちの何れか一項に記載の駆動力伝達装置において、前記第1クラッチ機構の軸線方向に並置された第2クラッチ機構と、前記第1クラッチ機構と前記第2クラッチ機構との間に設けられ前記第2クラッチ機構を介して伝達される前記第1回転部材と前記第2回転部材との回転差に基づくトルクを軸線方向の押圧力に変換して前記押圧部材を軸線方向移動させることにより前記第1クラッチ機構を押圧するカム機構と、前記第1回転部材内に充填された潤滑油とを備え、前記第1回転部材又は前記第2回転部材の何れか一方は駆動源のトルクが常時伝達される主駆動輪側に連結されるとともに、前記第1回転部材又は前記第2回転部材の何れか他方は走行状態に応じて必要時に前記駆動源のトルクが伝達される補助駆動輪側に連結され、前記回転部材側噛み合い面は、前記主駆動輪の回転数が前記補助駆動輪の回転数よりも大きい場合に前記第1クラッチ機構の摩擦係合力が増大するように、前記回転軸線に対して傾斜してなることを要旨とする。
上記構成によれば、主駆動輪の回転数が補助駆動輪の回転数よりも大きくなることが多い通常走行時(前進時など)に、第1クラッチ機構の摩擦係合力が増大することで、押圧部材の押圧力が小さくても十分なトルクを伝達できる。
また、第1回転部材内に潤滑油が介在された所謂湿式クラッチとして構成されているため、第2クラッチ機構の非作動時でも、その間に介在された潤滑油の粘性に基づく係合力に起因して所謂引きずりトルクが発生する。特に駆動力伝達装置を介してトルクが伝達される補助駆動輪のみが接地した状態で牽引される場合(所謂二輪被牽引)では、第1回転部材と第2回転部材との間の差回転が大きくなり、第2クラッチ機構に発生する引きずりトルクによってカム機構が作動して第1クラッチ機構が摩擦係合する。そして、この状態で第1回転部材と第2回転部材とが相対回転するため、第1クラッチ機構が過熱する等の問題が発生する。
ここで、請求項2に記載の構成を採用した場合には、第1回転部材と第2回転部材との相対回転に応じて第1クラッチ機構の摩擦係合力を減少させるため、二輪被牽引の状態において第1クラッチ機構での発熱量を抑制することが可能となり、耐被牽引性能を向上させることができる。
本発明によれば、押圧部材の押圧力を補助し、伝達可能なトルクを増大することが可能な駆動力伝達装置を提供することができる。
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、車両1は、前輪駆動車をベースとする4輪駆動車であり、車両1の前部(図1において左側)にはエンジン2が搭載され、そのエンジン2に組み付けられたトランスアクスル3には、一対のフロントアクスル4が連結されている。また、トランスアクスル3には、上記各フロントアクスル4とともにプロペラシャフト5が連結されており、該プロペラシャフト5は、駆動力伝達装置6を介してピニオンシャフト(ドライブピニオンシャフト)7と連結可能にされている。そして、ピニオンシャフト7は、リヤディファレンシャル8を介して一対のリヤアクスル9と連結されている。なお、駆動力伝達装置6は、リヤディファレンシャル8とともに、ディファレンシャルキャリヤ11内に収容されている。
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、車両1は、前輪駆動車をベースとする4輪駆動車であり、車両1の前部(図1において左側)にはエンジン2が搭載され、そのエンジン2に組み付けられたトランスアクスル3には、一対のフロントアクスル4が連結されている。また、トランスアクスル3には、上記各フロントアクスル4とともにプロペラシャフト5が連結されており、該プロペラシャフト5は、駆動力伝達装置6を介してピニオンシャフト(ドライブピニオンシャフト)7と連結可能にされている。そして、ピニオンシャフト7は、リヤディファレンシャル8を介して一対のリヤアクスル9と連結されている。なお、駆動力伝達装置6は、リヤディファレンシャル8とともに、ディファレンシャルキャリヤ11内に収容されている。
つまり、エンジン2のトルクは、トランスアクスル3、フロントアクスル4を介して前輪12fに常時伝達されるようになっている。また、プロペラシャフト5とピニオンシャフト7とが駆動力伝達装置6にてトルク伝達可能に連結された場合、エンジン2のトルクは、プロペラシャフト5、ピニオンシャフト7、リヤディファレンシャル8及びリヤアクスル9を介して後輪12rに伝達されるようになっている。従って、本実施形態では、前輪12fが主駆動輪として、後輪12rが補助駆動輪として構成されている。
図2に示すように、駆動力伝達装置6は、ディファレンシャルキャリヤ11のカップリングケース21内に回転可能に収容されていて、第1回転部材としてのフロントハウジング22と、第2回転部材としてのインナシャフト23とを備えている。
フロントハウジング22は、有低筒状をなし、その底部22a(同図中、左側)がカップリングケース21外部に露出された状態で、同底部22aの外周面がボール軸受24を介して同カップリングケース21に対してその中心軸線Lを回転中心として回転可能に支持されている。また、フロントハウジング22の円筒部22bの内周面には、回転部材側スプライン歯としての複数のハウジング側スプライン歯25が形成されている。各ハウジング側スプライン歯25は、軸線方向に沿った直線状に形成されている。さらに、フロントハウジング22には、その開口端22cに環状のリヤハウジング27が嵌着されている。
インナシャフト23は、円筒状をなし、環状のリヤハウジング27に嵌挿され、その中心軸線がフロントハウジング22の筒内に回転軸線としての中心軸線Lと同一軸線上になるように配置されている。インナシャフト23は、リヤハウジング27の内周に設けられたニードル軸受28及びフロントハウジング22の底部22aの内周面に設けられたボール軸受29を介してフロントハウジング22に対して中心軸線Lを回転中心として回転可能に支持されている。また、インナシャフト23の軸線方向略中央の大径部23aの外周面には、回転部材側スプライン歯としての複数のシャフト側スプライン歯31が形成されている。
図3に示すように、インナシャフト23の大径部23aに形成した各シャフト側スプライン歯31は、その周方向両側の各シャフト側噛み合い面31a,31bが中心軸線Lに対してそれぞれ同方向に傾斜して形成されている。
なお、説明の便宜上、図3において、各シャフト側噛み合い面31a,31bに点ハッチングを付し、各シャフト側スプライン歯31間の底面32に各シャフト側噛み合い面31a,31bよりも密度の高い点ハッチングを付して示す。本実施形態では、シャフト側噛み合い面31a,31bはそれぞれ中心軸線Lに対して、図3に示すように平面視で反時計回りに所定角度θ傾斜して形成されている。つまり、本実施形態では、各シャフト側スプライン歯31は、軸線方向に沿って同幅の帯状に形成されている。
図2に示すように、フロントハウジング22内は、同フロントハウジング22とリヤハウジング27との嵌合部、及びリヤハウジング27の内周とインナシャフト23の外周との間に設けられたシール部材33,34により封止され、その筒内には所定の充填率(本実施形態では、10〜90%)で潤滑油が収容されている。
なお、フロントハウジング22の底部22aは、プロペラシャフト5に設けられたフランジ部(図示略)と、ボルト35によって連結される。これにより、フロントハウジング22は、駆動源であるエンジン2の発生するトルクの入力により回転する。また、インナシャフト23の内周には、ピニオンシャフト7との連結部(スプライン嵌合部)36が形成されている。
従って、駆動力伝達装置6は車両1に搭載された状態において、フロントハウジング22は主駆動輪である前輪12f側と連結され、インナシャフト23は補助駆動輪である後輪12r側と連結されるようなっている。
また、フロントハウジング22とインナシャフト23との間には、図2左側から第1クラッチ機構としてのメインクラッチ41、カム機構42及び第2クラッチ機構としてのパイロットクラッチ43の順に配置されている。
メインクラッチ41は、フロントハウジング22とインナシャフト23とをトルク伝達可能に連結する多板式の摩擦クラッチであって、交互に配置される複数のアウタクラッチプレート44と複数のインナクラッチプレート45とを有している。
具体的には、各アウタクラッチプレート44は、フロントハウジング22の円筒部22b内周面にスプライン嵌合され、同フロントハウジング22に対して、それぞれ軸線方向移動可能、且つ周方向に相対回転不能に支持されている。従って、各アウタクラッチプレート44は、フロントハウジング22と一体回転可能に設けられている。
一方、各インナクラッチプレート45はインナシャフト23の外周面にスプライン嵌合され、同インナシャフト23に対して、それぞれ軸線方向に移動可能、且つ周方向に相対回転不能に支持されている。従って、各インナクラッチプレート45は、インナシャフト23と一体回転可能に設けられている。
図4に示すように、本実施形態では、インナクラッチプレート45の内周端に形成されたプレート側スプライン歯47の各プレート側噛み合い面47a,47bは、インナシャフト23のシャフト側スプライン歯31の各シャフト側噛み合い面31a,31bとそれぞれ同じ所定角度θ傾斜して形成されている。つまり、各シャフト側噛み合い面31a,31bと各プレート側噛み合い面47a,47bとは、互いに平行となるように形成されている。なお、図4における一点鎖線は、中心軸線Lと平行な線である。
そして、メインクラッチ41は、これら各アウタクラッチプレート44及びインナクラッチプレート45が軸線方向に押圧され、互いに摩擦係合することにより、フロントハウジング22とインナシャフト23(ピニオンシャフト7)とをトルク伝達可能に連結するようになっている。このとき、フロントハウジング22とインナシャフト23との間の伝達トルクは、各アウタクラッチプレート44及びインナクラッチプレート45の摩擦係合力、即ち軸線方向の押圧力に応じて変化する。
図2及び図5に示すように、メインクラッチ41の左側に配置されたカム機構42は、押圧部材としてのメインカム49と、パイロットカム50と、メインカム49とパイロットカム50との間に介在されたカムフォロア51とを備えている。
メインカム49は円環状に形成され、メインクラッチ41側に配置されている。また、メインカム49は、インナシャフト23の大径部23aの外周面にスプライン嵌合し、同インナシャフト23に対して、軸線方向に移動可能、且つ周方向に相対回転不能に支持されている。従って、メインカム49は、インナシャフト23と一体回転可能に設けられている。
一方、パイロットカム50は円環状に形成され、リヤハウジング27側に配置されている。パイロットカム50は、インナシャフト23に対して周方向に相対回転可能に支持されている。また、パイロットカム50は、リヤハウジング27との間に設けられたニードル軸受52に摺動可能に当接されている。従って、パイロットカム50は、リヤハウジング27に対して一定の間隔を保持して相対回転可能に支持されている。
メインカム49及びパイロットカム50の各対向面53,54には、周方向に対して傾斜する複数のカム溝55,56が等角度間隔で形成されており、カムフォロア51は、これら対向する各カム溝55,56内に配置された状態でメインカム49及びパイロットカム50により挟持されている。なお、カム溝55,56は断面U字状に形成され、周方向中央から周方向両端側に向かうにつれてその深さが浅くなるように形成されている。
つまり、カム機構42は、図6(a)に示すように、カムフォロア51がカム溝55,56の周方向中央に位置した状態では、メインカム49が軸線方向に移動していない、即ちカム機構42により軸線方向の押圧力が発生しないようになっている。なお、この状態のメインカム49とパイロットカム50との相対位置を中立位置という。
そして、図6(b)、又は(c)に示すように、トルクtがメインカム49及びパイロットカム50に作用して、これらメインカム49とパイロットカム50とが相対回転することにより、これらメインカム49とパイロットカム50との間が離間する。つまり、メインカム49がメインクラッチ41側に軸線方向移動し、メインカム49がメインクラッチ41に押圧力を付与するようになっている。
図5に示すように、カム機構42の右側に配置されたパイロットクラッチ43は、フロントハウジング22とパイロットカム50とをトルク伝達可能に連結する多板式の摩擦クラッチであって、2枚のアウタクラッチプレート58と1枚のインナクラッチプレート59とを有している。
具体的には、各アウタクラッチプレート58は、フロントハウジング22の内周面にスプライン嵌合され、同フロントハウジング22に対して、軸線方向に移動可能、且つ周方向に相対回転不能に支持されている。従って、各アウタクラッチプレート58は、フロントハウジング22と一体回転可能に設けられている。
一方、インナクラッチプレート59は、2枚のアウタクラッチプレート58の間に配置されるとともに、パイロットカム50の外周にスプライン嵌合され、同パイロットカム50に対して軸線方向に移動可能、且つ周方向に相対回転不能に支持されている。従って、インナクラッチプレート59は、パイロットカム50と一体回転可能に設けられている。
そして、これらアウタクラッチプレート58とインナクラッチプレート59とは、軸線方向に押圧されることで、互いに摩擦係合する作動状態となる。そして、パイロットクラッチ43は、アウタクラッチプレート58とインナクラッチプレート59とが互いに摩擦係合することにより、フロントハウジング22とパイロットカム50とをトルク伝達可能に連結するようになっている。
即ち、パイロットカム50は、アウタクラッチプレート58とインナクラッチプレート59とが摩擦係合していないパイロットクラッチ43の非作動状態の時に、メインカム49、即ちインナシャフト23とともに一体回転する。このとき、フロントハウジング22とパイロットカム50との間には、フロントハウジング22とインナシャフト23との回転差に相当する回転差が生じるようになっている。
そして、パイロットクラッチ43は、その作動により、フロントハウジング22とパイロットカム50とをトルク伝達可能に連結することで、フロントハウジング22とインナシャフト23(パイロットカム50)との回転差に基づくトルクをカム機構42に伝達するようになっている。
つまり、駆動力伝達装置6では、パイロットクラッチ43が作動状態の時に、フロントハウジング22とインナシャフト23との回転差に基づくトルクがカム機構42に伝達される。その結果、カム機構42は、そのメインカム49とパイロットカム50との回転差に基づいて伝達されるトルクにより同メインカム49を軸線方向メインクラッチ41側に移動させる。即ち、カム機構42は、パイロットクラッチ43を介して伝達されたフロントハウジング22とインナシャフト23との回転差に基づくトルクを軸線方向の押圧力に変換し、かつ増幅する。そして、メインカム49がメインクラッチ41を押圧することにより、同メインクラッチ41のアウタクラッチプレート44とインナクラッチプレート45とが摩擦係合し、フロントハウジング22とインナシャフト23とがトルク伝達可能に連結されるようになっている。
パイロットクラッチ43は、電磁コイル61を駆動源とする電磁クラッチとして構成されている。
詳述すると、リヤハウジング27は、環状の外周筒部27aと、その外周筒部27a内に設けられた環状の内周筒部27bと、外周筒部27aと内周筒部27bとの間に設けられた環状の磁路遮断部27cとを備えている。外周筒部27a及び内周筒部27bは鉄などの磁性材料からなり、磁路遮断部27cは、ステンレス等の非磁性材料からなる。そして、リヤハウジング27には、フロントハウジング22の筒外(図2中右側)に開口する環状溝62が形成されており、その環状溝62内に電磁コイル61がヨーク63に包囲されて収容されている。なお、ヨーク63は、その内側面がボール軸受64(図2参照)を介してリヤハウジング27に対して相対回転可能に支持されている。
詳述すると、リヤハウジング27は、環状の外周筒部27aと、その外周筒部27a内に設けられた環状の内周筒部27bと、外周筒部27aと内周筒部27bとの間に設けられた環状の磁路遮断部27cとを備えている。外周筒部27a及び内周筒部27bは鉄などの磁性材料からなり、磁路遮断部27cは、ステンレス等の非磁性材料からなる。そして、リヤハウジング27には、フロントハウジング22の筒外(図2中右側)に開口する環状溝62が形成されており、その環状溝62内に電磁コイル61がヨーク63に包囲されて収容されている。なお、ヨーク63は、その内側面がボール軸受64(図2参照)を介してリヤハウジング27に対して相対回転可能に支持されている。
カム機構42のメインカム49とパイロットクラッチ43との間には、円環状に形成されたアーマチャ65が配置されている。アーマチャ65は、フロントハウジング22の内周面に対して軸線方向に移動可能にスプライン嵌合されている。
そして、電磁コイル61への通電により、ヨーク63、リヤハウジング27(外周筒部27a)、パイロットクラッチ43、アーマチャ65、パイロットクラッチ43、リヤハウジング27(内周筒部27b)、及びヨーク63間を循環する磁路Zが形成される。この磁気誘導作用により、アーマチャ65は電磁コイル61側に吸引され、リヤハウジング27との間にパイロットクラッチ43を挟み込むように移動することにより、同パイロットクラッチ43が摩擦係合するようになっている。
このように、駆動力伝達装置6は、電磁コイル61に対する電流供給を通じてパイロットクラッチ43の作動を制御することが可能である。そして、このパイロットクラッチ43の作動を通じてメインクラッチ41の作動、即ち、フロントハウジング22とインナシャフト23との間で伝達可能なトルクを可能に制御可能な構成となっている。
次に、本実施形態の駆動力伝達装置の作用について説明する。
フロントハウジング22の回転がインナシャフト23の回転よりも速い場合であって、パイロットクラッチ43の駆動によりカム機構42のメインカム49がメインクラッチ41を押圧すると、図7(a)に示すように、各プレート側スプライン歯47のプレート側噛み合い面47bが各シャフト側スプライン歯31のシャフト側噛み合い面31aに当接する。これにより、各プレート側スプライン歯47から各シャフト側スプライン歯31に対して周方向他方側に力が作用する。
フロントハウジング22の回転がインナシャフト23の回転よりも速い場合であって、パイロットクラッチ43の駆動によりカム機構42のメインカム49がメインクラッチ41を押圧すると、図7(a)に示すように、各プレート側スプライン歯47のプレート側噛み合い面47bが各シャフト側スプライン歯31のシャフト側噛み合い面31aに当接する。これにより、各プレート側スプライン歯47から各シャフト側スプライン歯31に対して周方向他方側に力が作用する。
すると、インナクラッチプレート45の各プレート側スプライン歯47には、上記した周方向他方側の力の反作用として周方向一方側の力Frが作用する。なお、図7における一点鎖線は、中心軸線Lと平行な線である。
ここで、本実施形態では、インナシャフト23のシャフト側スプライン歯31のシャフト側噛み合い面31aが所定角度θ傾斜しているため、インナクラッチプレート45にはインナシャフト23から、下記(1)式で示される軸線方向の押圧力Faが作用する。
Fa=Frtanθ (1)
そして、図7(a)に示すように、押圧力Faは、メインカム49の押圧方向(同図中、左方向)と同じ方向に作用し、メインクラッチ41の摩擦係合力を増大させる、即ちメインクラッチ41にて伝達可能なトルクを増大させる。
そして、図7(a)に示すように、押圧力Faは、メインカム49の押圧方向(同図中、左方向)と同じ方向に作用し、メインクラッチ41の摩擦係合力を増大させる、即ちメインクラッチ41にて伝達可能なトルクを増大させる。
一方、インナシャフト23の回転がフロントハウジング22の回転よりも速い場合であって、パイロットクラッチ43の駆動によりカム機構42のメインカム49がメインクラッチ41を押圧すると、図7(b)に示すように、各シャフト側スプライン歯31のシャフト側噛み合い面31bが各プレート側スプライン歯47のプレート側噛み合い面47aに当接する。これにより、インナシャフト23の各シャフト側スプライン歯31からインナクラッチプレート45の各プレート側スプライン歯47に対して周方向他方側に力Frが作用する。
ここで、本実施形態では、インナシャフト23のシャフト側スプライン歯31のシャフト側噛み合い面31bが所定角度θ傾斜しているため、インナクラッチプレート45にはインナシャフト23から(1)式で示される軸線方向の押圧力Faが作用する。
そして、図7(b)に示すように、シャフト側噛み合い面31bは、中心軸線Lに対してシャフト側噛み合い面31aと同方向に傾斜して形成されているため、周方向他方側の力Frが作用することで、押圧力Faはメインカム49の押圧方向(同図中、左方向)と逆方向に作用する。つまり、メインカム49を押し返すことでメインクラッチ41の摩擦係合力を減少させる、即ちメインクラッチ41にて伝達可能なトルクを減少させる。
従って、主駆動輪である前輪12fが補助駆動輪である後輪12rよりも速くなる、即ち前輪12fに連結されたフロントハウジング22の回転が後輪12rに連結されたインナシャフト23の回転よりも速くなることが多い通常走行時(前進時など)に、メインクラッチ41の摩擦係合力を増大でき、十分なトルクを後輪12rに伝達できる。
また、本実施形態では、上述のように、フロントハウジング22内に潤滑油が介在された所謂湿式クラッチとして構成されているため、パイロットクラッチ43の非作動時でも、その間に介在された潤滑油の粘性に基づく係合力に起因して所謂引きずりトルクが発生する。特に後輪12rのみが接地した状態で牽引される場合(所謂二輪被牽引)では、フロントハウジング22とインナシャフト23との間の差回転が大きくなり、パイロットクラッチ43に発生する引きずりトルクによってカム機構42が作動してメインクラッチ41が摩擦係合する。そして、この状態でフロントハウジング22とインナシャフト23とが相対回転するため、メインクラッチ41が過熱してしまう。
この点、本実施形態では、補助駆動輪である後輪12rが主駆動輪である前輪12fよりも速くなる、即ち後輪12rに連結されたインナシャフト23の回転が前輪12fに連結されたフロントハウジング22の回転よりも速くなる場合に、メインクラッチ41の摩擦係合力を減少できる。そのため、二輪被牽引の状態で、メインクラッチ41での発熱量を抑制することが可能となり、耐被牽引性能を向上させることができる。
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)駆動力伝達装置6は、フロントハウジング22と、フロントハウジング22内に回転可能に同軸配置されたインナシャフト23と、フロントハウジング22にスプライン嵌合する複数のアウタクラッチプレート44及びインナシャフト23にスプライン嵌合する複数のインナクラッチプレート45が交互に配置されたメインクラッチ41とを備えた。また、駆動力伝達装置6は、メインクラッチ41を押圧するメインカム49を備えた。そして、インナシャフト23の外周面に形成された複数のシャフト側スプライン歯31のシャフト側噛み合い面31a,31bを中心軸線Lに対して傾斜して形成した。
(1)駆動力伝達装置6は、フロントハウジング22と、フロントハウジング22内に回転可能に同軸配置されたインナシャフト23と、フロントハウジング22にスプライン嵌合する複数のアウタクラッチプレート44及びインナシャフト23にスプライン嵌合する複数のインナクラッチプレート45が交互に配置されたメインクラッチ41とを備えた。また、駆動力伝達装置6は、メインクラッチ41を押圧するメインカム49を備えた。そして、インナシャフト23の外周面に形成された複数のシャフト側スプライン歯31のシャフト側噛み合い面31a,31bを中心軸線Lに対して傾斜して形成した。
そのため、フロントハウジング22とインナシャフト23とが相対回転している場合に、メインカム49がメインクラッチ41を押圧して摩擦係合させると、メインクラッチ41に生じたトルクに応じてインナシャフト23とインナクラッチプレート45との間にそれぞれ周方向の力Frが作用する。これにより、シャフト側スプライン歯31から各インナクラッチプレート45に対して、上記周方向の力Frの分力として軸線方向の押圧力Faが作用する。そのため、シャフト側スプライン歯31から各インナクラッチプレート45に対して、メインカム49の押圧方向と同方向の押圧力を作用させ、メインクラッチ41の摩擦係合力を増大させることで、メインクラッチ41で伝達可能なトルクを増大することができる。
従って、メインカム49の押圧力が小さくなっても、メインクラッチ41にて十分なトルクを伝達できる。つまり、パイロットクラッチ43を介して伝達されるトルクが小さくなってカム機構42で発生する押圧力が減少してもよく、パイロットクラッチ43のアウタクラッチプレート58及びインナクラッチプレート59の枚数を削減し、製造コストの低減を図ることができる。
(2)各シャフト側スプライン歯31における周方向両側のシャフト側噛み合い面31a,31bは、中心軸線Lに対してそれぞれ同方向に傾斜した。そのため、フロントハウジング22がインナシャフト23よりも速く回転する場合と、フロントハウジング22がインナシャフト23よりも遅く回転する場合とで、各シャフト側スプライン歯31から各インナクラッチプレート45に作用する軸線方向の押圧力Faの向きを逆方向にできる。従って、フロントハウジング22とインナシャフト23との相対回転に応じて、メインクラッチ41の摩擦係合力を増大又は減少させることができる。
(3)メインクラッチ41の軸線方向に並置されたパイロットクラッチ43と、メインカム49を軸線方向移動させることによりメインクラッチ41を押圧するカム機構42と、フロントハウジング22内に所定の充填率で充填された潤滑油とを備えた。また、フロントハウジング22をプロペラシャフト5に連結するとともに、インナシャフト23をピニオンシャフト7に連結した。そして、各シャフト側スプライン歯31のシャフト側噛み合い面31a,31bを、フロントハウジング22の回転数がインナシャフト23の回転数よりも大きい場合に前記メインクラッチ41の摩擦係合力が増大するように、中心軸線Lに対して傾斜した。そのため、フロントハウジング22の回転数がインナシャフト23の回転数よりも大きくなることが多い通常走行時に、メインクラッチ41の摩擦係合力が増大することで、メインカム49の押圧力が小さくても十分なトルクを伝達できる。
また、インナシャフト23の回転がフロントハウジング22の回転よりも速くなる場合に、メインクラッチ41の摩擦係合力を減少できるため、二輪被牽引の状態においてメインクラッチ41での発熱量を抑制することが可能となり、耐被牽引性能を向上させることができる。
(4)インナクラッチプレート45のプレート側スプライン歯47の各プレート側噛み合い面47a,47bを、インナシャフト23のシャフト側スプライン歯31の各シャフト側噛み合い面31a,31bと平行に形成した。そのため、シャフト側スプライン歯31と各プレート側スプライン歯47との間に周方向の力Frが作用した場合に、各シャフト側噛み合い面31a,31bと各プレート側噛み合い面47a,47bとが面接触する。従って、これらの間に作用する圧力を小さくすることができ、インナシャフト23及びインナクラッチプレート45の耐久性を向上させることができる。
(第2実施形態)
以下、本発明を具体化した第2実施形態を図面に従って説明する。
なお、本実施形態と上記第1実施形態との主たる相違点は、インナシャフト23のシャフト側スプライン歯の構成である。このため、説明の便宜上、第1実施形態と同一の部分については同一の符号を付すこととして、その説明を省略する。
以下、本発明を具体化した第2実施形態を図面に従って説明する。
なお、本実施形態と上記第1実施形態との主たる相違点は、インナシャフト23のシャフト側スプライン歯の構成である。このため、説明の便宜上、第1実施形態と同一の部分については同一の符号を付すこととして、その説明を省略する。
図8に示すように、本実施形態ではインナシャフト23の各シャフト側スプライン歯71における周方向両側の各シャフト側噛み合い面71a,71bは、中心軸線Lに対して互いに逆方向に傾斜して形成されている。なお、説明の便宜上、図8において、各シャフト側噛み合い面71a,71bに点ハッチングを付し、各シャフト側スプライン歯71間の底面72に各シャフト側噛み合い面71a,71bよりも密度の高い点ハッチングを付して示す。
具体的には、シャフト側噛み合い面71aは、中心軸線Lに対して、図8に示すように平面視で反時計回りに所定角度θ傾斜している。また、シャフト側噛み合い面71bは、中心軸線Lに対して、図8に示すように平面視で時計回りに所定角度θ傾斜している。つまり、本実施形態では、各シャフト側スプライン歯71は、軸線方向に沿って幅が小さくなるテーパ状に形成されている。
また、図9に示すように、インナクラッチプレート45の各プレート側スプライン歯73における周方向両側の各プレート側噛み合い面73a,73bは、各シャフト側噛み合い面71a,71bと同様に、中心軸線Lに対して互いに逆方向に傾斜して形成されている。具体的には、プレート側噛み合い面73aは、中心軸線Lに対して反時計回りに所定角度θ傾斜している。また、プレート側噛み合い面73bは、中心軸線Lに対して時計回りに所定角度θ傾斜している。従って、インナシャフト23のシャフト側スプライン歯31のシャフト側噛み合い面71a,71bとインナクラッチプレート45のプレート側スプライン歯73の各シャフト側噛み合い面71a,71bとは、互いに平行となるように形成されている。
次に、本実施形態の駆動力伝達装置の作用について説明する。
フロントハウジング22の回転がインナシャフト23の回転よりも速い場合であって、パイロットクラッチ43の駆動によりカム機構42のメインカム49がメインクラッチ41を押圧すると、図9(a)に示すように、各プレート側スプライン歯73のプレート側噛み合い面73bが各シャフト側スプライン歯71のシャフト側噛み合い面71aに当接する。これにより、各プレート側スプライン歯73から各シャフト側スプライン歯71に対して周方向他方側に力が作用する。すると、インナクラッチプレート45の各プレート側スプライン歯73には、上記した周方向他方側の力の反作用として周方向一方側の力Frが作用する。
フロントハウジング22の回転がインナシャフト23の回転よりも速い場合であって、パイロットクラッチ43の駆動によりカム機構42のメインカム49がメインクラッチ41を押圧すると、図9(a)に示すように、各プレート側スプライン歯73のプレート側噛み合い面73bが各シャフト側スプライン歯71のシャフト側噛み合い面71aに当接する。これにより、各プレート側スプライン歯73から各シャフト側スプライン歯71に対して周方向他方側に力が作用する。すると、インナクラッチプレート45の各プレート側スプライン歯73には、上記した周方向他方側の力の反作用として周方向一方側の力Frが作用する。
ここで、本実施形態では、インナシャフト23のシャフト側スプライン歯71のシャフト側噛み合い面71aが所定角度θ傾斜しているため、インナクラッチプレート45にはインナシャフト23から、上記(1)式で示される軸線方向の押圧力Faが作用する。なお、図9における一点鎖線は、中心軸線Lと平行な線である。
そして、図9(a)に示すように、押圧力Faは、メインカム49の押圧方向(同図中、左方向)と同じ方向に作用し、メインクラッチ41の摩擦係合力を増大させる、即ちメインクラッチ41にて伝達可能なトルクを増大させる。
一方、インナシャフト23の回転がフロントハウジング22の回転よりも速い場合あって、パイロットクラッチ43の駆動によりカム機構42のメインカム49がメインクラッチ41を押圧すると、図9(b)に示すように、各シャフト側スプライン歯71のシャフト側噛み合い面71bが各プレート側スプライン歯73のプレート側噛み合い面73aに当接する。これにより、インナシャフト23の各シャフト側スプライン歯71からインナクラッチプレート45の各プレート側スプライン歯73に対して周方向他方側に力Frが作用する。
ここで、本実施形態では、インナシャフト23のシャフト側スプライン歯71のシャフト側噛み合い面71bが所定角度θ傾斜しているため、インナクラッチプレート45にはインナシャフト23から(1)式で示される軸線方向の押圧力Faが作用する。
そして、この場合では、シャフト側噛み合い面71bは、中心軸線Lに対してシャフト側噛み合い面71aと逆方向に傾斜して形成されているため、周方向他方側の力Frが作用することで、押圧力Faはメインカム49の押圧方向(同図中、左方向)と同じ方向に作用する。
従って、主駆動輪である前輪12fが補助駆動輪である後輪12rよりも速くなる場合、及び補助駆動輪である後輪12rが主駆動輪である前輪12fよりも速くなる場合に、メインクラッチ41の摩擦係合力を増大でき、十分なトルクを後輪12rに伝達できる。
ここで、フロントハウジング22とアウタクラッチプレート44との間のバックラッシ(噛合するスプライン歯間の隙間)及びインナシャフト23とインナクラッチプレート45との間のバックラッシに対し、メインカム49及びパイロットカム50のカム溝55,56の周方向長さが大きくなっている。つまり、フロントハウジング22のインナシャフト23に対する相対回転方向が反転する場合において、メインカム49がパイロットカム50に対して周方向一方側に相対回転した状態(図6(b)参照)から中立状態(図6(a)参照)に戻るまでの間(図6(d)参照)に、上記各バックラッシがなくなり、トルク残りが発生してしまう。
詳述すると、図10に示すように、例えばフロントハウジング22の回転がインナシャフト23の回転よりも速い場合には、メインクラッチ41でトルクを伝達している(図10における点A)。次いで、インナシャフト23の回転がフロントハウジング22の回転よりも速くなる、即ちフロントハウジング22のインナシャフト23に対する相対回転方向が反転すると、伝達トルクが減少し、やがて「0」となる(図10における点B)。
さらに、インナシャフト23の回転が速くなると、フロントハウジング22とアウタクラッチプレート44との間のバックラッシ及びインナシャフト23とインナクラッチプレート45との間のバックラッシがなくなり、アウタクラッチプレート44及びインナクラッチプレート45により反対方向のトルクを伝達可能になる。ところが、この状態では、図6(d)に示すように、メインカム49とパイロットカム50とが中立位置に戻らず、カム機構42にて押圧力が発生している。そのため、従来のように、スプライン歯の噛み合い面が中心軸線Lと平行に形成された場合には、図10において破線で示すように、トルクが伝達されるトルク残りが発生してしまう(図10における点C´)。そして、メインカム49とパイロットカム50とが中立位置に戻ることで、再びトルクが「0」となる(図10における点D)。
この点、本実施形態では、シャフト側スプライン歯71の各シャフト側噛み合い面71a,71bが中心軸線Lに対して互いに逆方向に傾斜して形成されているため、隣接するシャフト側スプライン歯71のシャフト側噛み合い面71aとシャフト側噛み合い面71bとの間が大きくなる。そのため、インナシャフト23のシャフト側スプライン歯71とインナクラッチプレート45のシャフト側スプライン歯71との間のバックラッシが大きくなる。従って、メインクラッチ41により反対方向にトルク伝達可能な状態になるまでに、従来よりもメインカム49とパイロットカム50との相対位置を中立位置に近づけることができ、カム機構42にて発生する押圧力を低減できる。このため、図10に実線で示すように、メインクラッチ41にて伝達されるトルク(トルク残り)を減少させることできる(点C)。
なお、インナシャフト23の回転がフロントハウジング22の回転よりも速い状態から、フロントハウジング22の回転がインナシャフト23の回転よりも速くなる場合にも、同様にトルク残りを低減できる。
以上記述したように、本実施形態によれば、上記第1実施形態の(1)、(4)の効果に加えて、以下の効果を奏する。
(5)各プレート側スプライン歯73における周方向両側の各シャフト側噛み合い面71a,71bを、中心軸線Lに対して互いに逆方向に傾斜した。そのため、フロントハウジング22がインナシャフト23よりも速く回転する場合と、フロントハウジング22がインナシャフト23よりも遅く回転する場合とで、各プレート側スプライン歯73から各インナクラッチプレート45に作用する軸線方向の押圧力の向きを同じ向きにすることができる。
(5)各プレート側スプライン歯73における周方向両側の各シャフト側噛み合い面71a,71bを、中心軸線Lに対して互いに逆方向に傾斜した。そのため、フロントハウジング22がインナシャフト23よりも速く回転する場合と、フロントハウジング22がインナシャフト23よりも遅く回転する場合とで、各プレート側スプライン歯73から各インナクラッチプレート45に作用する軸線方向の押圧力の向きを同じ向きにすることができる。
また、インナシャフト23の各シャフト側スプライン歯31とインナクラッチプレート45の各プレート側スプライン歯73間の隙間(バックラッシ)を大きくすることができる。これにより、フロントハウジング22のインナシャフト23に対する相対回転方向が反転する際に発生するトルク残りを低減するができる。
なお、上記各実施形態は、以下の態様で実施してもよい。
・上記第1実施形態では、シャフト側スプライン歯31の各シャフト側噛み合い面31a,31bはそれぞれ中心軸線Lに対して反時計回りに同じ所定角度θ傾斜して形成したが、これに限らず、シャフト側噛み合い面31aとシャフト側噛み合い面31bとで、その傾斜角が異なるようにしてもよい。同様に、上記第2実施形態において、シャフト側噛み合い面71aとシャフト側噛み合い面71bとで、その傾斜角が異なっていてもよい。
・上記第1実施形態では、シャフト側スプライン歯31の各シャフト側噛み合い面31a,31bはそれぞれ中心軸線Lに対して反時計回りに同じ所定角度θ傾斜して形成したが、これに限らず、シャフト側噛み合い面31aとシャフト側噛み合い面31bとで、その傾斜角が異なるようにしてもよい。同様に、上記第2実施形態において、シャフト側噛み合い面71aとシャフト側噛み合い面71bとで、その傾斜角が異なっていてもよい。
・上記第1実施形態では、インナシャフト23のシャフト側スプライン歯31の各シャフト側噛み合い面31a,31bとインナクラッチプレート45のプレート側スプライン歯47のプレート側噛み合い面47a,47bとが、互いに平行となるように形成した。しかしながら、これに限らず、インナクラッチプレート45がインナシャフト23に対して軸線方向移動可能であれば、プレート側スプライン歯47をどのような形状にしてもよい。また、上記第2実施形態において、同様に、インナクラッチプレート45のプレート側スプライン歯73の形状を変更してもよい。
・上記第1実施形態において、各シャフト側噛み合い面31a,31bの何れか一方は中心軸線Lと平行でもよい。同様に、上記第2実施形態において、各シャフト側噛み合い面71a,71bの何れか一方は中心軸線Lと平行でもよい。
・上記第2実施形態において、インナシャフト23とインナクラッチプレート45との間に周方向の力が作用することで、押圧力Faがメインカム49の押圧方向と逆方向に作用するように、シャフト側スプライン歯71のシャフト側噛み合い面71a,71bを傾斜させてもよい。
・上記各実施形態では、インナシャフト23のシャフト側スプライン歯31,71の各シャフト側噛み合い面31a,31b,71a,71bを中心軸線Lに対して傾斜させたが、これに限らず、フロントハウジング22のハウジング側スプライン歯25におけるハウジング側噛み合い面を中心軸線Lに対して傾斜させてもよい。
・上記各実施形態では、フロントハウジング22を主駆動輪である前輪12f側に連結し、インナシャフト23を補助駆動輪である後輪12r側に連結したが、これに限らず、フロントハウジング22を後輪12r側に連結し、インナシャフト23を前輪12f側に連結してもよい。
・上記各実施形態では、駆動力伝達装置6を、パイロットクラッチ43により伝達されるトルクを増幅するカム機構42を備えて構成したが、これに限らない。例えば、駆動力伝達装置6に、パイロットクラッチ43及びカム機構42を設けず、電磁コイルに吸引される押圧部材としてのアーマチャにより、第1クラッチ機構としてのメインクラッチ41を摩擦係合させ、フロントハウジング22とインナシャフト23とをトルク伝達可能に構成してもよい。
・上記各実施形態では、カム機構42によりメインクラッチ41を摩擦係合させる駆動力伝達装置に本発明を適用したが、これに限らず、例えば油圧によって作動するピストンを押圧部材としてメインクラッチ41を駆動させる駆動力伝達装置に本発明を適用してもよい。
・上記各実施形態では、駆動力伝達装置6は、プロペラシャフト5とリヤディファレンシャル8との間に介在されることとしたが、駆動系を構成するその他の箇所、例えばリヤディファレンシャル8と後輪12rとの間等に配置してもよい。
・上記各実施形態では、前輪12fを主駆動輪とする車両1に駆動力伝達装置を搭載したが、これに限らず、後輪12rを主駆動輪とする車両に搭載してもよい。
次に、上記各実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
次に、上記各実施形態及び別例から把握できる技術的思想について、それらの効果とともに以下に追記する。
(イ)前記各クラッチプレートのプレート側スプライン歯におけるプレート側噛み合い面は、前記回転部材側噛み合い面と平行に形成されたことを特徴とする請求項1〜4のうちの何れか一項に記載の駆動力伝達装置。この構成によれば、各回転部材側スプライン歯から各クラッチプレートのプレート側スプライン歯に対して周方向の力が作用した場合に、各回転部材側噛み合い面と各プレート側噛み合い面とが面接触するため、これらの間に作用する圧力を小さくすることができ、第1及び第2回転部材及び各クラッチプレートの耐久性を向上させることができる。
1…車両、2…エンジン、6…駆動力伝達装置、12f…前輪、12r…後輪、22…フロントハウジング、23…インナシャフト、31,71…シャフト側スプライン歯、31a,31b,71a,71b…シャフト側噛み合い面、41…メインクラッチ、42…カム機構、43…パイロットクラッチ、44…アウタクラッチプレート、45…インナクラッチプレート、47,73…プレート側スプライン歯、47a,47b,73a,73b…プレート側噛み合い面、49…メインカム、L…回転軸線、Fa…押圧力。
Claims (4)
- 円筒状の第1回転部材と、前記第1回転部材内に回転可能に同軸配置された第2回転部材と、前記第1回転部材又は前記第2回転部材に対して軸線方向移動可能にスプライン嵌合され軸線方向に押圧されることで前記第1回転部材と前記第2回転部材とをトルク伝達可能に連結する複数のクラッチプレートからなる第1クラッチ機構と、前記第1クラッチ機構を押圧する押圧部材とを備えた駆動力伝達装置において、
前記第1回転部材の内周面及び前記第2回転部材の外周面に形成された複数の回転部材側スプライン歯の少なくとも一方は、該各回転部材側スプライン歯の前記各クラッチプレートとの回転部材側噛み合い面が前記第1及び前記第2回転部材の回転軸線に対して傾斜してなることを特徴とする駆動力伝達装置。 - 前記各回転部材側スプライン歯における周方向両側の前記回転部材側噛み合い面は、前記回転軸線に対してそれぞれ同方向に傾斜してなることを特徴とする請求項1に記載の駆動力伝達装置。
- 前記各回転部材側スプライン歯における周方向両側の前記回転部材側噛み合い面は、前記回転軸線に対して互いに逆方向に傾斜してなることを特徴とする請求項1に記載の駆動力伝達装置。
- 前記第1クラッチ機構の軸線方向に並置された第2クラッチ機構と、
前記第1クラッチ機構と前記第2クラッチ機構との間に設けられ前記第2クラッチ機構を介して伝達される前記第1回転部材と前記第2回転部材との回転差に基づくトルクを軸線方向の押圧力に変換して前記押圧部材を軸線方向移動させることにより前記第1クラッチ機構を押圧するカム機構と、
前記第1回転部材内に充填された潤滑油とを備え、
前記第1回転部材又は前記第2回転部材の何れか一方は駆動源のトルクが常時伝達される主駆動輪側に連結されるとともに、前記第1回転部材又は前記第2回転部材の何れか他方は走行状態に応じて必要時に前記駆動源のトルクが伝達される補助駆動輪側に連結され、
前記回転部材側噛み合い面は、前記主駆動輪の回転数が前記補助駆動輪の回転数よりも大きい場合に前記第1クラッチ機構の摩擦係合力が増大するように、前記回転軸線に対して傾斜してなることを特徴とする請求項1〜3のうちの何れか一項に記載の駆動力伝達装置。
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