JP5504756B2 - 難燃性ポリアミド樹脂組成物およびそれからなる成形品 - Google Patents

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Description

本発明は、1,5−ジアミノペンタンを構成成分とするポリアミド樹脂および難燃剤からなる、難燃性、耐熱性、靱性に優れた難燃性ポリアミド樹脂組成物に関するものである。
ポリアミド樹脂は、その優れた熱的性質、機械的性質、電気的性質、化学的性質などによりエンジニアリングプラスチックとして、自動車部品、電気・電子部品、機械部品として広範囲の分野で利用されている。また、昨今のプラスチック素材の用途の多様化により、ポリアミド樹脂においても難燃性が要求されるようになった。
ポリアミド樹脂に難燃性を付与する方法として、特許文献1〜3にはポリアミド樹脂中に難燃剤を配合する方法が提案されている。特許文献1には、難燃剤としてメラミンシアヌレートの使用、特許文献2には、難燃剤としてメラミンシアヌレートと水酸化マグネシウムとの併用が記載されているが、マトリックス樹脂として、1,5−ジアミノペンタンを構成成分とするポリアミド樹脂の記載はなかった。特許文献3には、1,5−ジアミノペンタンを構成成分とするポリアミド樹脂の記載があり、難燃剤を配合することにより難燃性が改良される記載があるものの、1,5−ジアミノペンタンを構成成分としたポリアミド樹脂はヘキサメチレンジアミンを構成成分とするポリアミド樹脂よりも難燃性、耐熱性、靱性に優れる記載はなかった。
さらに、二酸化炭素排出抑制による地球温暖化防止および循環型社会の形成に向けて、ポリアミドの製造原料を、現在のナフサ、いわゆる化石原料からバイオマス由来の原料に代替することが渇望されている。すなわち、ポリアミドの原料として、バイオマス比率(ポリアミド樹脂の使用原料中に占めるバイオマス由来原料の割合)を高くすることが臨まれている。
特開昭53−031759号公報 特開平7−003152号公報 特開2009−70779号公報
本発明は、優れた難燃性、耐熱性、靱性を有し、且つバイオマス比率が高い難燃性ポリアミド樹脂組成物を得ることを課題とする。
本発明は、かかる課題を解決するために鋭意検討した結果、次のような手段を採用するものである。
すなわち、本発明は、
(1)(a)1,5−ジアミノペンタンと炭素数6以上のジカルボン酸を主要成分として含有する単量体から構成されるポリアミド樹脂(b)難燃剤を配合してなる難燃性ポリアミド樹脂組成物であって、前記(b)難燃剤がメラミンシアヌレートであり、(b)難燃剤の配合量が、(a)1,5−ジアミノペンタンと炭素数6以上のジカルボン酸を主要成分として含有する単量体から構成されるポリアミド樹脂100重量部に対して3〜20重量部であることを特徴とする難燃性ポリアミド樹脂組成物
(2)(b)難燃剤の配合量が、(a)1,5−ジアミノペンタンと炭素数6以上のジカルボン酸を主要成分として含有する単量体から構成されるポリアミド樹脂100重量部に対して3〜8重量部であることを特徴とする(1)に記載の難燃性ポリアミド樹脂組成物、
)炭素数6以上のジカルボン酸が、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、およびイソフタル酸から選ばれる少なくとも1種である(1)または(2)に記載の難燃性ポリアミド樹脂組成物、
)前記(a)1,5−ジアミノペンタンと炭素数6以上のジカルボン酸を主要成分として含有する単量体から構成されるポリアミド樹脂の大気平衡吸水率が、3.0%以上である(1)〜()のいずれかに記載の難燃性ポリアミド樹脂組成物、
)さらにガラス繊維を配合してなる(1)〜()のいずれかに記載の難燃性ポリアミド樹脂組成物、
)(1)〜()のいずれかに記載の難燃性ポリアミド樹脂組成物からなる成形品、
である。
本発明の難燃性ポリアミド樹脂組成物は、難燃性、耐熱性、靱性に優れるため、難燃性、耐熱性、靱性が必要とされる電気・電子、自動車部品において好適に使用することができる。さらに、バイオマス由来の原料を使用したポリアミド樹脂であるため、環境負荷低減への効果が期待できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用する(a)1,5−ジアミノペンタンと炭素数6以上のジカルボン酸を主要成分として含有する単量体から構成されるポリアミド樹脂とは、1,5−ジアミノペンタンと炭素数6以上のジカルボン酸の総重量が、原料となる単量体の70重量%以上であるポリアミド樹脂である。より好ましくは80重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上である。
炭素数6以上のジカルボン酸としては、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2−メチルテレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などが挙げられる。特に、ジカルボン酸の入手性が容易であり、得られるポリアミド樹脂組成物の結晶性、強度のバランスに優れるアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸が好ましい。また、これらを併用して共重合体としてもよい。
脂肪族ジカルボン酸と芳香族ジカルボン酸を併用する場合には、脂肪族ジカルボン酸としてアジピン酸またはセバシン酸、芳香族ジカルボン酸としてテレフタル酸、イソフタル酸を用いると、得られるポリアミド樹脂組成物の成形加工性・耐熱性のバランスに優れるため好ましい。この場合、ジカルボン酸中の芳香族ジカルボン酸含有量が80重量%以下であることが好ましい。80重量%を超えると、生成するポリアミド樹脂の融点が高くなる、または溶融粘度が高くなるなど成形加工性が損なわれる傾向がある。
芳香族ジカルボン酸を併用する場合、得られるポリアミド樹脂の成形加工性・耐熱性のバランスに優れるテレフタル酸とイソフタル酸の併用が好ましく、ジカルボン酸中のテレフタル酸含有量が80重量%以下であることがより好ましい。80重量%を超えると、生成するポリアミド樹脂の融点が高くなり、成形加工性が損なわれる傾向がある。
(a)ポリアミド樹脂を構成する、1,5−ジアミノペンタンと炭素数6以上のジカルボン酸以外の共重合単位としては、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸などのアミノ酸、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムなどのラクタム、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、のような脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸のような脂環式ジカルボン酸、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、1,13−ジアミノトリデカン、1,14−ジアミノテトラデカン、1,15−ジアミノペンタデカン、1,16−ジアミノヘキサデカン、1,17−ジアミノヘプタデカン、1,18−ジアミノオクタデカン、1,19−ジアミノノナデカン、1,20−ジアミノエイコサン、2−メチル−1,5−ジアミノペンタンなどの脂肪族ジアミン、シクロヘキサンジアミン、ビス−(4−アミノシクロヘキシル)メタンのような脂環式ジアミン、キシリレンジアミンのような芳香族ジアミンなどが挙げられ、これらの少なくとも1種を、全構成成分に対して30重量%未満含有することができる。
本発明を構成するペンタメチレンジアミンの製法に制限はないが、例えば、2−シクロヘキセン−1−オンなどのビニルケトン類を触媒としてリジンから合成する方法(特開昭60−23328号公報)、リジン脱炭酸酵素を用いてリジンから転換する酵素法(特開2004−114号公報、特開2005−6650号公報)、糖類を原料とする発酵法(特開2004−222569号公報、WO2007/113127)などが既に提案されている。有機合成法では、反応温度が約150℃と高いのに対し、酵素法、発酵法では100℃未満であり、後者の方法を用いる方が、副反応をより低減できると考えられるため、原料としては後者の方法によって得られたペンタメチレンジアミンを用いることが好ましい。
後者の方法で使用するリジン脱炭酸酵素は、リジンを1,5―ジアミノペンタンに転換させる酵素であり、Escherichia coli K12株をはじめとするエシェリシア属微生物のみならず、多くの生物に存在することが知られている。
本発明において使用するのが好ましいリジン脱炭酸酵素は、これらの生物に存在するものを使用することができ、リジン脱炭酸酵素の細胞内での活性が上昇した組換え細胞由来のものも使用できる。
組換え細胞としては、微生物、動物、植物、または昆虫由来のものが好ましく使用できる。例えば動物を用いる場合、マウス、ラットやそれらの培養細胞などが用いられる。植物を用いる場合、例えばシロイヌナズナ、タバコやそれらの培養細胞が用いられる。また、昆虫を用いる場合、例えばカイコやその培養細胞などが用いられる。また、微生物を用いる場合、例えば、大腸菌などが用いられる。
また、リジン脱炭酸酵素を複数種組み合わせて使用しても良い。
このようなリジン脱炭酸酵素を持つ微生物としては、バシラス・ハロドゥランス(Bacillus halodurans)、バシラス・サブチリス(Bacillus subtilis)、エシェリシア・コリ(Escherichia coli)、セレノモナス・ルミナンチウム(Selenomonas ruminantium)、ビブリオ・コレラ(Vibrio cholerae)、ビブリオ・パラヘモリティカス(Vibrio parahaemolyticus)、ストレプトマイセス・コエリカーラ(Streptomyces coelicolor)、ストレプトマイセス・ピロサス(Streptomyces pilosus)、エイケネラ・コロデンス(Eikenella corrodens)、イユバクテリウム・アシダミノフィルム(Eubacterium acidaminophilum)、サルモネラ・ティフィムリウム(Salmonella typhimurium)、ハフニア・アルベイ(Hafnia alvei)、ナイセリア・メニンギチデス(Neisseria meningitidis)、テルモプラズマ・アシドフィルム(Thermoplasma acidophilum)、ピロコッカス・アビシ(Pyrococcus abyssi)またはコリネバクテリウム・グルタミカス(Corynebacterium glutamicum)等が挙げられる。
リジン脱炭酸酵素を得る方法に特に制限はないが、例えば、リジン脱炭酸酵素を有する微生物や、リジン脱炭酸酵素の細胞内での活性が上昇した組換え細胞などを適当な培地で培養し、増殖した菌体を回収し、休止菌体として用いることも可能であり、また当該菌体を破砕して無細胞抽出液を調製して用いることも可能であり、また必要に応じて精製して用いることも可能である。
リジン脱炭酸酵素を抽出するために、リジン脱炭酸酵素を有する微生物や組換え細胞を培養する方法に特に制限はないが、例えば微生物を培養する場合、使用する培地は、炭素源、窒素源、無機イオンおよび必要に応じその他有機成分を含有する培地が用いられる。例えば、E.coliの場合しばしばLB培地が用いられる。炭素源としては、グルコース、ラクトース、ガラクトース、フラクトース、アラビノース、マルトース、キシロース、トレハロース、リボースや澱粉の加水分解物などの糖類、グリセロール、マンニトールやソルビトールなどのアルコール類、グルコン酸、フマール酸、クエン酸やコハク酸等の有機酸類を用いることができる。窒素源としては、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム等の無機アンモニウム塩、大豆加水分解物などの有機窒素、アンモニアガス、アンモニア水等を用いることができる。有機微量栄養素としては、各種アミノ酸、ビタミンB1等のビタミン類、RNA等の核酸類などの要求物質または酵母エキス等を適量含有させることが望ましい。それらの他に、必要に応じて、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、鉄イオン、マンガンイオン等が少量添加される。
培養条件にも特に制限はなく、例えばE.coliの場合、好気条件下で16〜72時間程度実施するのが良く、培養温度は30℃〜45℃に、特に好ましくは37℃に、培養pHは5〜8に、特に好ましくはpH7に制御するのがよい。なおpH調整には無機あるいは有機の酸性あるいはアルカリ性物質、さらにアンモニアガス等を使用することができる。
増殖した微生物や組換え細胞は、遠心分離等により培養液から回収することができる。回収した微生物や組換え細胞から無細胞抽出液を調整するには、通常の方法が用いられる。すなわち、微生物や組換え細胞を超音波処理、ダイノミル、フレンチプレス等の方法にて破砕し、遠心分離により菌体残渣を除去することにより無細胞抽出液が得られる。
無細胞抽出液からリジン脱炭酸酵素を精製するには、硫安分画、イオン交換クロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、等電点沈殿、熱処理、pH処理等酵素の精製に通常用いられる手法が適宜組み合わされて用いられる。精製は、完全精製である必要は必ずしもなく、リジン脱炭酸酵素以外のリジンの分解に関与する酵素、生成物であるペンタメチレンジアミンの分解酵素等の夾雑物が除去できればよい。
リジン脱炭酸酵素によるリジンから1,5―ジアミノペンタンへの変換は、上記のようにして得られるリジン脱炭酸酵素を、リジンに接触させることによって行うことができる。
反応溶液中のリジンの濃度については、特に制限はない。
リジン脱炭酸酵素の量は、リジンを1,5―ジアミノペンタンに変換する反応を触媒するのに十分な量であればよい。
反応温度は、通常、28〜55℃、好ましくは40℃前後である。
反応pHは、通常、5〜8、好ましくは、約6である。1,5―ジアミノペンタンが生成するにつれ、反応溶液はアルカリ性へ変わるので、反応pHを維持するために無機あるいは有機の酸性物質を添加することが好ましい。好ましくは塩酸を使用することができる。
反応には静置または攪拌のいずれの方法も採用し得る。
リジン脱炭酸酵素は固定化されていてもよい。
反応時間は、使用する酵素活性、基質濃度などの条件によって異なるが、通常、1〜72時間である。また、反応は、リジンを供給しながら連続的に行ってもよい。
このように生成した1,5―ジアミノペンタンを反応終了後、反応液から採取する方法としては、イオン交換樹脂を用いる方法や沈殿剤を用いる方法、溶媒抽出する方法、単蒸留する方法、その他通常の採取分離方法が採用できる。
(a)ポリアミド樹脂の製造方法としては、実質的に1,5―ジアミノペンタンと炭素数6以上のジカルボン酸の塩、および水の混合物を、加熱して脱水反応を進行させる加圧加熱重縮合法が用いられる。加圧加熱重縮合とは、原料を水の共存下で加熱して、発生する水蒸気により重合系内を加圧状態としてプレポリマーを生成させた後、放圧して常圧に戻し、重合系内の温度を生成ポリマーの融点以上に上昇させ、さらに常圧あるいは減圧下に保持して重縮合させる方法である。
(a)ポリアミド樹脂の加圧加熱重縮合においては、高温で重合反応を行うため、1,5―ジアミノペンタンが重合系内から揮発する、および/あるいは脱アンモニア反応により環化するなどの理由で、重合の進行に伴い、重合系内では全カルボキシル基量に対する全アミノ基量が少なくなる可能性がある。そのため、原料を仕込む段階で、あらかじめ特定量の1,5―ジアミノペンタンを過剰に添加して、重合系内のアミノ基量を制御することが、高分子量の(a)ポリアミド樹脂を合成するのに好ましい。原料として使用する1,5―ジアミノペンタンのモル数をa、炭素数6以上のジカルボン酸のモル数をbとしたとき、その比a/bが1.005〜1.05となるように原料組成比を調整することが好ましく、1.01〜1.03となるように原料組成比を調整することがより好ましい。a/bが1.005未満の場合には、重合系内の全アミノ基量が、全カルボキシル基量よりも極めて少なくなり、十分に高分子量のポリマーが得られにくくなる。一方、a/bが1.05より大きい場合には、重合系内の全カルボキシル基量が、全アミノ基量よりも極めて少なくなり、十分に高分子量のポリマーが得られにくくなる。更にジアミン成分の揮散量も増加し、生産性、環境の点からも好ましくない。
(a)ポリアミド樹脂の加圧加熱重縮合においては、ポリアミドの溶融重合において通常必要とされる、重合系内を加圧状態で保持して、プレポリマーを生成させる工程が必要であり、水共存下で行うことが必要である。水の仕込量は、原料と水をあわせた全仕込量に対して10〜70重量%とすることが好ましい。水が10重量%未満の場合には、ナイロン塩の均一溶解に時間がかかり、過度の熱履歴がかかる傾向があり好ましくない。逆に、水が70重量%より多い場合には、水の除去に多大な熱エネルギーが費やされ、プレポリマーを生成させるのに、時間がかかるため、好ましくない。さらに、加圧状態で保持する圧力は、10〜25kg/cmとすることが好ましい。10kg/cm未満に保持する場合には、1,5―ジアミノペンタンが重合系外へ揮発し易いため好ましくない。また、25kg/cmより高く保持する場合には、重合系内の温度を高くする必要があり、結果として1,5―ジアミノペンタンが系外へ揮発し易くなるため好ましくない。
樹脂は、加圧加熱重縮合後、さらに固相重合あるいは溶融押出機で高重合度化することによって、分子量を上昇させることも可能である。固相重合は、100℃〜融点の温度範囲で、真空中、あるいは不活性ガス中で加熱することにより進行する。
本発明の(a)ポリアミド樹脂の重合度に特に制限はないが、0.01g/mlとした98%硫酸溶液の25℃における相対粘度が、1.8〜4.0であることが好ましく、2.2〜3.5であることが更に好ましい。相対粘度が1.8未満では、実用的強度が不十分なため、4.0を超えると流動性が低下するため溶融成形が困難となり好ましくない。
本発明のポリアミド樹脂には、必要に応じて、重合促進剤を添加することができる。重合促進剤としては、例えばリン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸およびこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩などの無機系リン化合物が好ましく、特に亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸ナトリウムが好適に用いられる。重合促進剤は原料100重量部に対して、0.001〜1重量部の範囲で使用するのが好ましい。重合促進剤の使用量が0.001重量部に満たない場合には、その添加効果が殆ど認められず、また1重量部を越える場合には、得られるポリアミド樹脂の重合度が上がり過ぎるため、溶融成形が困難となる傾向がある。
本発明で使用される(b)難燃剤は、本発明のポリアミド樹脂に難燃性を付与できるものであれば特に限定はされない。具体的には、リン系難燃剤、窒素系難燃剤および金属水酸化物系難燃剤などのハロゲン原子を含まない非ハロゲン系難燃剤、臭素系難燃剤に代表されるハロゲン系難燃剤を挙げることができ、これらの難燃剤は単独で使用してもよいし、複数を併用して用いてもよい。
本発明における(b)難燃剤の添加量は、(a)ポリアミド樹脂100重量部に対して、1〜50重量部である。添加量が1重量部に満たない場合は難燃性に劣る傾向にある。また、50重量部を超える場合には、機械的特性、特に靱性が著しく低下する。
本発明におけるリン系難燃剤としては、リン元素を含有する化合物であり、具体的には、赤燐、ポリリン酸アンモニウム、ポリリン酸メラミンなどのポリリン酸系化合物、(ジ)ホスフィン酸金属塩、ホスファゼン化合物、芳香族リン酸エステル、芳香族縮合リン酸エステル、ハロゲン化リン酸エステルなどが挙げられる。
(ジ)ホスフィン酸塩は、例えば、ホスフィン酸と金属炭酸塩、金属水酸化物又は金属酸化物を使用して水性媒体中で製造される。(ジ)ホスフィン酸塩は、本質的にモノマー性化合物であるが、反応条件に依存し、環境によっては縮合度が1〜3のポリマー性ホスフィン酸塩となる場合もある。ホスフィン酸としては、ジメチルホスフィン酸、エチルメチルホスフィン酸、ジエチルホスフィン酸、メチル−n−プロピルホスフィン酸、メタンジ(メチルホスフィン酸)、ベンゼン−1,4−(ジメチルホスフィン酸)、メチルフェニルホスフィン酸及びジフェニルホスフィン酸等が挙げられる。また、上記のホスフィン酸と反応させる金属成分(M)としては、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオン及び/又は亜鉛イオンを含む金属炭酸塩、金属水酸化物又は金属酸化物が挙げられる。ホスフィン酸塩としては、ジメチルホスフィン酸カルシウム、ジメチルホスフィン酸マグネシウム、ジメチルホスフィン酸アルミニウム、ジメチルホスフィン酸亜鉛、エチルメチルホスフィン酸カルシウム、エチルメチルホスフィン酸マグネシウム、エチルメチルホスフィン酸アルミニウム、エチルメチルホスフィン酸亜鉛、ジエチルホスフィン酸カルシウム、ジエチルホスフィン酸マグネシウム、ジエチルホスフィン酸アルミニウム、ジエチルホスフィン酸亜鉛、メチル−n−プロピルホスフィン酸カルシウム、メチル−n−プロピルホスフィン酸マグネシウム、メチル−n−プロピルホスフィン酸アルミニウム、メチル−n−プロピルホスフィン酸亜鉛、メチルフェニルホスフィン酸カルシウム、メチルフェニルホスフィン酸マグネシウム、メチルフェニルホスフィン酸アルミニウム、メチルフェニルホスフィン酸亜鉛、ジフェニルホスフィン酸カルシウム、ジフェニルホスフィン酸マグネシウム、ジフェニルホスフィン酸アルミニウム、ジフェニルホスフィン酸亜鉛等が挙げられる。ジホスフィン酸塩としては、メタンジ(メチルホスフィン酸)カルシウム、メタンジ(メチルホスフィン酸)マグネシウム、メタンジ(メチルホスフィン酸)アルミニウム、メタンジ(メチルホスフィン酸)亜鉛、ベンゼン−1,4−ジ(メチルホスフィン酸)カルシウム、ベンゼン−1,4−ジ(メチルホスフィン酸)マグネシウム、ベンゼン−1,4−ジメチルホスフィン酸)アルミニウム、ベンゼン−1,4−ジ(メチルホスフィン酸)亜鉛等が挙げられる。これらの(ジ)ホスフィン酸塩の中でも、特に、難燃性、電気的特性の観点からエチルメチルホスフィン酸アルミニウム、ジエチルホスフィン酸アルミニウム、ジエチルホスフィン酸亜鉛が好ましい。
ホスファゼン化合物は分子中に−P=N−結合を有する有機化合物、好ましくは、環状フェノキシホスファゼン、鎖状フェノキシホスファゼン、ならびに、架橋フェノキシホスファゼン化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物である。環状フェノキシホスファゼン化合物としては、例えば、塩化アンモニウムと五塩化リンとを120〜130℃の温度で反応させて得られる環状および直鎖状のクロロホスファゼン混合物から、ヘキサクロロシクロトリホスファゼン、オクタクロロシクロテトラホスファゼン、デカクロロシクロペンタホスファゼン等の環状のクロルホスファゼンを取り出した後にフェノキシ基で置換して得られる、フェノキシシクロトリホスファゼン、オクタフェノキシシクロテトラホスファゼン、デカフェノキシシクロペンタホスファゼン等の化合物が挙げられる。鎖状フェノキシホスファゼン化合物としては、例えば、上記の方法で得られるヘキサクロロシクロトリホスファゼンを220〜250℃の温度で開還重合し、得られた重合度3〜10000の直鎖状ジクロロホスファゼンをフェノキシ基で置換することにより得られる化合物が挙げられる。架橋フェノキシホスファゼン化合物としては、例えば、4,4'−スルホニルジフェニレン(ビスフェノールS残基)の架橋構造を有する化合物、2,2−(4,4'−ジフェニレン)イソプロピリデン基の架橋構造を有する化合物、4,4'−オキシジフェニレン基の架橋構造を有する化合物、4,4'−チオジフェニレン基の架橋構造を有する化合物等の、4,4'−ジフェニレン基の架橋構造を有する化合物等が挙げられる。架橋フェノキシホスファゼン化合物中のフェニレン基の含有量は、環状ホスファゼン化合物および/または鎖状フェノキシホスファゼン化合物中の全フェニル基およびフェニレン基数を基準として、通常50〜99.9%、好ましくは70〜90%である。また、該架橋フェノキシホスファゼン化合物は、その分子内にフリーの水酸基を有しない化合物であることが特に好ましい。
芳香族リン酸エステルはオキシ塩化リン及びフェノール類又はフェノール類とアルコール類の混合物との反応により生成する化合物群である。芳香族リン酸エステルとしては、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、またはt−ブチルフェニルジフェニルホスフェート、ビス−(t−ブチルフェニル)フェニルホスフェート、トリス−(t−ブチルフェニル)ホスフェートなどのブチル化フェニルホスフェート、イソプロピルフェニルジフェニルホスフェート、ビス−(イソプロピルフェニル)ジフェニルホスフェート、トリス−(イソプロピルフェニル)ホスフェートなどのプロピル化フェニルホスフェートなどが挙げられる。
芳香族縮合リン酸エステルはオキシ塩化リンと二価のフェノール系化合物、及びフェノール(またはアルキルフェノール)との反応生成物である。芳香族縮合リン酸エステルとしては、レゾルシノールビス−ジフェニルホスフェート、レゾルシノールビス-ジキシレニルホスフェート、ビスフェノールAビス−ジフェニルホスフェートなどが挙げられる。
ハロゲン化リン酸エステルは触媒の存在下で、アルキレンオキサイドとオキシ塩化リンを反応させる事によって製造される。ハロゲン化リン酸エステルとしては、トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(β−クロロプロピル)ホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、テトラキス(2−クロロエチル)ジクロロイソペンチルジホスフェート、ポリオキシアルキレンビス(ジクロロアルキル)ホスフェートなどが挙げられる。
本発明におけるリン系難燃剤の添加量は、(a)ポリアミド樹脂100重量部に対して、1〜50重量部であり、さらに好ましくは3〜40重量部である。
本発明における窒素系難燃剤としては、トリアジン系化合物とシアヌール酸またはイソシアヌール酸の塩を形成する化合物が挙げられる。トリアジン系化合物とシアヌール酸またはイソシアヌール酸の塩とは、トリアジン系化合物とシアヌール酸またはイソシアヌール酸との付加物であり、通常は1対1(モル比)、場合により2対1(モル比)の組成を有する付加物である。トリアジン系化合物のうち、シアヌール酸またはイソシアヌール酸と塩を形成しないものは除外される。シアヌール酸またはイソシアヌール酸との塩のうち、特に好ましいトリアジン系化合物の例としてはメラミン、モノ(ヒドロキシメチル)メラミン、ジ(ヒドロキシメチル)メラミン、トリ(ヒドロキシメチル)メラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、2−アミド−4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジンの塩が挙げられ、とりわけメラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミンの塩が好ましい。トリアジン系化合物とシアヌール酸またはイソシアヌール酸との塩の具体例としては、メラミンシアヌレート、モノ(β−シアノエチル)イソシアヌレート、ビス(β−シアノエチル)イソシアヌレート、トリス(β−シアノエチル)イソシアヌレートなどが挙げられ、とりわけメラミンシアヌレートが好ましい。
本発明における窒素系難燃剤の添加量は、(a)ポリアミド樹脂100重量部に対して、1〜50重量部であり、さらに好ましくは3〜20重量部である。
本発明における金蔵水酸化物系難燃剤としては、水酸化マグネシウムや水酸化アルミニウムなどが挙げられ、水酸化マグネシウムがより好ましい。これらは通常市販されているものであり、粒子径、比表面積、形状など特に限定されるものではないが、好ましくは粒子径が0.1〜20mm、比表面積が3〜75m/g、形状は球状、針状または小板状のものがよい。金属水酸化物系難燃剤の表面処理については施されていてもいなくてもよい。表面処理法の例としては、シランカップリング剤、アニオン界面活性剤、多価官能性有機酸、エポキシ樹脂など熱硬化性樹脂による被覆形成などの処理法が挙げられる。
本発明における金属水酸化物系難燃剤の添加量は、(a)ポリアミド樹脂100重量部に対して、1〜50重量部であり、さらに好ましくは3〜50重量部である。
本発明で使用される臭素系難燃剤としては、化学構造中に臭素を含有する化合物であれば特に制限はなく、通常公知の難燃剤を使用することができる。例えばヘキサブロモベンゼン、ペンタブロモトルエン、ヘキサブロモビフェニル、デカブロモビフェニル、ヘキサブロモシクロデカン、デカブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、ヘキサブロモジフェニルエーテル、ビス(ペンタブロモフェノキシ)エタン、エチレン−ビス(テトラブロモフタルイミド)、テトラブロモビスフェノールAなどのモノマー系有機臭素化合物、臭素化ポリカーボネート(例えば臭素化ビスフェノールAを原料として製造されたポリカーボネートオリゴマーあるいはそのビスフェノールAとの共重合物)、臭素化エポキシ化合物(例えば臭素化ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジエポキシ化合物や臭素化フェノール類とエピクロルヒドリンとの反応によって得られるモノエポキシ化合物)、ポリ(臭素化ベンジルアクリレート)、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ビスフェノールA、塩化シアヌールおよび臭素化フェノールの縮合物、臭素化(ポリスチレン)、ポリ(臭素化スチレン)、架橋臭素化ポリスチレンなどの臭素化ポリスチレン、架橋または非架橋臭素化ポリa−メチルスチレンなどのハロゲン化されたポリマー系臭素化合物が挙げられ、なかでもエチレンビス(テトラブロモフタルイミド)、臭素化エポキシポリマー、臭素化ポリスチレン、架橋臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンエーテルおよび臭素化ポリカーボネートが好ましく、臭素化ポリスチレン、架橋臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンエーテルおよび臭素化ポリカーボネートが最も好ましく使用できる。
本発明における臭素系難燃剤の添加量は、(a)ポリアミド樹脂100重量部に対して、1〜50重量部であり、さらに好ましくは10〜50重量部である。
また、上記の臭素化難燃剤と併用することによって、相乗的に難燃性を向上させるために使用される難燃助剤を添加することも好ましく、例えば三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン、十二酸化アンチモン、結晶性アンチモン酸、アンチモン酸ナトリウム、アンチモン酸リチウム、アンチモン酸バリウム、リン酸アンチモン、硼酸亜鉛、錫酸亜鉛、塩基性モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸カルシウム亜鉛、酸化モリブデン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化鉄、赤燐、膨潤性黒鉛、カーボンブラック等を例示できる。これらのうち三酸化アンチモン、五酸化アンチモンがより好ましい。難燃助剤の配合量は、難燃性改良効果の点から、(a)ポリアミド樹脂100重量部に対して、0.2〜30重量部が好ましい。
本発明の1,5−ジアミノペンタンを構成成分とする難燃ポリアミド樹脂は、難燃剤としてメラミンシアヌレートを用いた場合、ヘキサメチレンジアミンを構成成分とするポリアミド樹脂と比較して、難燃剤の添加量が(a)ポリアミド樹脂100重量部に対して3〜5重量部であっても優れた難燃性を有するという特徴をもつ。1,5−ジアミノペンタンを構成成分とするポリアミド樹脂は、ヘキサメチレンジアミンを構成成分とするポリアミド樹脂と比較して、溶融時にゲルを生成しにくく、熱がポリマーの分解に効果的に利用されるため、熱の蓄積が抑制され難燃性が向上したものと考えられる。
また、本発明の(a)ポリアミド樹脂には、本発明の目的を損なわない範囲で、要求される特性に応じて他のポリアミド樹脂や他のポリマー類を含有させることができる。具体的にはポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイロン612)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン66/6T/6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ナイロン6T/6I)、ポリキシリレンアジパミド(ナイロンXD6)およびこれらの混合物ないし共重合体などが挙げられる。中でも好ましいものとしては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン6/66コポリマー、ナイロン6/12コポリマーなどの例を挙げることができる。
また、本発明の(a)ポリアミド樹脂には、発明の目的を損なわない範囲で、他の成分、例えば酸化防止剤や耐熱安定剤(ヒンダードフェノール系、ヒドロキノン系、ホスファイト系およびこれらの置換体、ハロゲン化銅、ヨウ素化合物等)、耐候剤(レゾルシノール系、サリシレート系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒンダードアミン系等)、離型剤及び滑剤(脂肪族アルコール、脂肪族アミド、脂肪族ビスアミド、ビス尿素及びポリエチレンワックス等)、顔料(硫化カドミウム、フタロシアニン、カーボンブラック等)、染料(ニグロシン、アニリンブラック等)、結晶核剤(タルク、シリカ、カオリン、クレー等)、可塑剤(p−オキシ安息香酸オクチル、N−ブチルベンゼンスルホンアミド等)、帯電防止剤(アルキルサルフェート型アニオン系帯電防止剤、4級アンモニウム塩型カチオン系帯電防止剤、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートのような非イオン系帯電防止剤、ベタイン系両性帯電防止剤等)、充填剤(グラファイト、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化アンチモン、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化鉄、硫化亜鉛、亜鉛、鉛、ニッケル、アルミニウム、銅、鉄、ステンレス、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ベントナイト、モンモリロナイト、合成雲母等の粒子状、繊維状、針状、板状充填材)、他の重合体(他のポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、液晶ポリマー、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ABS樹脂、SAN樹脂、ポリスチレン等)を任意の時点で添加することができる。
本発明の難燃ポリアミド樹脂組成物の調整方法は特定の方法に限定されないが、具体的且つ効率的な例として、原料のポリアミド樹脂、難燃剤の混合物を単軸あるいは二軸の押出機、バンバリーミキサー、ニーダーおよびミキシングロールなど公知の溶融混練機に供給し、用いられるポリアミド樹脂の融点以上で溶融混練する方法などを挙げることができる。
かくして得られる難燃性ポリアミド樹脂組成物は、通常公知の方法で成形することができ、射出成形、押出成形、圧縮成形などの成形品、シート、フィルムなどの成形物品とすることができる。本発明の難燃性ポリアミド樹脂組成物は、その優れた特性を活かし電気又は電子部品(コイルボビン、コネクター、リレー、ディスクドライブシャーシ、トランス、電磁開閉器、スイッチ部品、コンセント部品、ソケット、プラグ、コンデンサー、各種ケース類、抵抗器、金属端子又は導線が組み込まれる箇所に使用される部品など)、家電機器部品[例えば、一般家庭用電化製品のハウジング、コンピューター又はその周辺機器に関連する部品、照明部品、電話又はファクシミリ機器関連部品、エアコン部品、家庭用視聴覚機器(テレビ、デジタルバーサタイルディスクプレーヤー、ビデオデッキなど)用の部品など]、オフィスオートメーション(OA)機器部品(コンピューター関連部品、音響部品、照明部品、電信又は電話機器関連部品、ファクシミリ用部品、複写機用部品、空調部品、光学機器用部品など)、機械機構部品(各種ギヤー、各種軸受、モーター部品など)及び自動車部品(自動車点火装置部品、自動車用コネクター、及び各種自動車用電装部品など)などに有用である。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。材料特性評価については下記の方法に従って行った。
[硫酸相対粘度(ηr)]
98%硫酸中、0.01g/ml濃度、25℃でオストワルド式粘度計を用いて測定を行った。
[23℃アイゾッド衝撃強度]
ASTM D256に準じて、23℃における1/8インチ厚ノッチ付き成型品のアイゾッド衝撃強度を測定した。なお、試験片は、組成物中のポリアミド樹脂成分が以下に示す大気平衡吸水率となるよう吸水処理を行った。
N56:4.5%
N66:2.5%
N510:1.7%
N610:1.5%
N56/5T=50/50(wt%):3.6%
N510/5T=30/70(wt%):3.1%
N5I/5T=30/70(wt%):3.0%
N66/6T=50/50(wt%):2.0%
N610/6T=30/70(wt%):1.7%
N6I/6T=30/70(wt%):1.7%
[引張破断伸度]
ASTM D638に従って引張試験機テンシロンUTA2.5T(オリエンテック社製)により、厚さ1/8インチのASTM1号ダンベル試験片についてクロスヘッド速度10mm/minで引張試験を行い、求めた。なお、試験片は、組成物中のポリアミドが上記に示す大気平衡吸水率となるよう吸水処理を行った。
[高荷重DTUL]
東洋精機社製HDT−TESTERを使用し、厚さ1/4インチの棒状試験片を用いて、試験荷重18.6kgfでの荷重たわみ温度をASTM D648−82に準じて評価した。
[難燃性]
UL94に定められている厚み1/32“の難燃性評価用試験片を用いて、UL94に定められている評価基準に従い難燃性を評価した。難燃性レベルはV−0>V−1>V−2>HBの順に低下する。
参考例1(ポリペンタメチレンアジパミドの製造)
1,5―ジアミノペンタンとアジピン酸の等モル塩の50重量%水溶液を1500g(3.024mol)、1,5―ジアミノペンタンの10重量%水溶液を46.26g(1,5―ジアミノペンタン含量45.26mmol)を重合缶に入れ、重合缶内を充分に窒素置換した後、攪拌しながら昇温を開始した。缶内圧力が17.5kg/cmに到達した後、缶内圧力を17.5kg/cmで90分保持し、その後1時間かけて缶内圧力を常圧に戻した。このとき缶内温度は270℃に到達した。更に−160mmHgの減圧下270℃で30分間反応させ重合を完了した。その後水浴中に吐出したポリマーをストランドカッターでペレタイズした。得られたポリペンタメチレンアジパミド樹脂の硫酸相対粘度は2.76であった。
参考例2(ポリペンタメチレンセバカミドの製造)
1,5―ジアミノペンタンとセバシン酸の等モル塩の50重量%水溶液1500g、さらに過剰に1,5―ジアミノペンタンを2.56g(24.67mmol)、末端封鎖剤として安息香酸を0.71g(5.85mmol)を重合缶に入れ、重合缶内を充分に窒素置換した後、攪拌しながら昇温を開始した。缶内圧力が17.5kg/cmに到達した後、缶内圧力を17.5kg/cmで74分保持し、その後1時間かけて缶内圧力を常圧に戻した。このとき缶内温度は264℃に到達した。更に−160mmHgの減圧下264℃で40分間反応させ重合を完了した。その後水浴中に吐出したポリマーをストランドカッターでペレタイズした。得られたポリペンタメチレンセバカミド樹脂の硫酸相対粘度は2.71であった。
(実施例1〜3、参考例4〜7、比較例1)
シリンダー設定温度270℃、スクリュー回転数200rpmに設定した日本製鉄所社製TEX30型2軸押出機を用い、参考例1で得たポリペンタメチレンアジパミド樹脂と難燃剤、難燃助剤を表1に記載の各割合でドライブレンドした後、メインフィーダーより供給し、無機充填剤をスクリューの全長を1.0としたときの上流側より見て約0.35の位置に設置したサイドフィーダーより供給して溶融混練を行った。ダイから吐出されるガットは即座に水浴にて冷却し、ストランドカッターによりペレット化した。得られたペレットは80℃で12時間減圧乾燥し、射出成形(住友重機社製SG75H―MIV、シリンダー温度265℃、金型温度80℃)により試験片を調製した。各サンプルの機械特性、耐熱性、難燃性を評価した結果は表1に示すとおりである。本実施例では、比較例1と比較して、靱性、耐熱性に優れるものであった。
(比較例2〜5)
シリンダー設定温度280℃、スクリュー回転数200rpmに設定した日本製鉄所社製TEX30型2軸押出機を用い、硫酸相対粘度が2.78であるナイロン66樹脂(東レ製CM3001)と難燃剤、難燃助剤を表1に記載の各割合でドライブレンドした後、押出機メインフィーダーより供給し、無機充填剤をスクリューの全長を1.0としたときの上流側より見て約0.35の位置に設置したサイドフィーダーより供給して溶融混練を行った。ダイから吐出されるガットは即座に水浴にて冷却し、ストランドカッターによりペレット化した。得られたペレットは80℃で12時間減圧乾燥し、射出成形(住友重機社製SG75H―MIV、シリンダー温度280℃、金型温度80℃)により試験片を調製した。各サンプルの機械特性、耐熱性、難燃性を評価した結果は表1に示すとおりである。本実施例1〜と比較して靱性、耐熱性、難燃性に劣る。これに対して本実施例は、優れた靱性、耐熱性、難燃性をバランスよく有している。
Figure 0005504756
(実施例8〜9、参考例10〜11)
シリンダー設定温度240℃、スクリュー回転数200rpmに設定した日本製鉄所社製TEX30型2軸押出機を用いて、参考例2で得たポリペンタメチレンセバカミドと難燃剤、難燃助剤を表2に記載の各割合でドライブレンドした後、押出機メインフィーダーより供給し、無機充填剤をスクリューの全長を1.0としたときの上流側より見て約0.35の位置に設置したサイドフィーダーより供給して溶融混練を行った。ダイから吐出されるガットは即座に水浴にて冷却し、ストランドカッターによりペレット化した。得られたペレットは80℃で12時間減圧乾燥し、射出成形(住友重機社製SG75H―MIV、シリンダー温度240℃、金型温度80℃)により試験片を調製した。各サンプルの機械特性、耐熱性、難燃性を評価した結果は表2に示すとおりである。本実施例8〜では、比較例6,7と比較して、優れた靱性、難燃性を有している。
(比較例6,7)
シリンダー設定温度250℃、スクリュー回転数200rpmに設定した日本製鉄所社製TEX30型2軸押出機を用いて、硫酸相対粘度が2.70であるナイロン610樹脂(東レ製CM2001)と難燃剤、難燃助剤を表2に記載の各割合でドライブレンドした後、押出機メインフィーダーより供給し、無機充填剤をスクリューの全長を1.0としたときの上流側より見て約0.35の位置に設置したサイドフィーダーより供給し、溶融混練を行った。ダイから吐出されるガットは即座に水浴にて冷却し、ストランドカッターによりペレット化した。得られたペレットは80℃で12時間減圧乾燥し、射出成形(住友重機社製SG75H―MIV、シリンダー温度250℃、金型温度80℃)により試験片を調製した。各サンプルの機械特性、耐熱性、難燃性を評価した結果は表2に示すとおりである。本実施例8〜と比較して靱性、難燃性が低下した。これに対して本実施例は、優れた靱性と耐熱性、難燃性をバランスよく有している。
Figure 0005504756
参考例12)
1,5−ジアミノペンタンとアジピン酸の等モル塩800g、1,5−ジアミノペンタンとテレフタル酸の等モル塩800g、および前記塩中のジアミン総量に対して1.4mol%の1,5−ジアミノペンタンを配合し、さらに全仕込み量に対して水含有量が30wt%になるように、反応容器に仕込み、密閉し窒素置換した。ジャケット温度を300℃に設定し、加熱を開始した。缶内圧力が17.5kg/cmに到達した後、缶内圧力を17.5kg/cmで2.5時間保持した。その後、反応容器から内容物をクーリングベルト上に吐出した。これを80℃で24時間真空乾燥して得られた低次縮合物を、240℃、0.4torrにて10時間固相重合を行い、硫酸相対粘度が2.72のポリアミド樹脂を得た。シリンダー設定温度を310℃、スクリュー回転数200rpmに設定した日本製鉄所社製TEX30型2軸押出機を用いて、このポリアミド樹脂と難燃剤、難燃助剤を表3に記載の各割合でドライブレンドした後、押出機メインフィーダーより供給し、無機充填剤をスクリューの全長を1.0としたときの上流側より見て約0.35の位置に設置したサイドフィーダーより供給し、溶融混練を行った。ダイから吐出されるガットは即座に水浴にて冷却し、ストランドカッターによりペレット化した。得られたペレットは80℃で12時間減圧乾燥し、射出成形(住友重機社製SG75H―MIV、シリンダー温度305℃、金型温度120℃)により試験片を調製した。各サンプルの機械特性、耐熱性、難燃性を評価した結果は表3に示すとおりである。比較例8と比較して優れた靱性と耐熱性をバランスよく有している。
(比較例8)
ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の等モル塩を800g、ヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸の等モル塩800g、および前記塩中のジアミン総量に対して1.0mol%のヘキサメチレンジアミンを配合して、さらに全仕込み量に対して水含有量が30wt%になるように、反応容器に仕込み、密閉し窒素置換した。ジャケット温度を300℃に設定し、加熱を開始した。缶内圧力が17.5kg/cmに到達した後、缶内圧力を17.5kg/cmで2.0時間保持した。その後、反応容器から内容物をクーリングベルト上に吐出した。これを80℃で24時間真空乾燥して得られた低次縮合物を、240℃、0.4torrにて3時間固相重合を行い、硫酸相対粘度が2.78のポリアミド樹脂を得た。シリンダー設定温度を310℃、スクリュー回転数200rpmに設定した日本製鉄所社製TEX30型2軸押出機を用いて、このポリアミド樹脂と難燃剤、難燃助剤を表3に記載の各割合でドライブレンドした後、押出機メインフィーダーより供給し、無機充填剤をスクリューの全長を1.0としたときの上流側より見て約0.35の位置に設置したサイドフィーダーより供給し、溶融混練を行った。ダイから吐出されるガットは即座に水浴にて冷却し、ストランドカッターによりペレット化した。得られたペレットは80℃で12時間減圧乾燥し、射出成形(住友重機社製SG75H―MIV、シリンダー温度305℃、金型温度120℃)により試験片を調製した。各サンプルの機械特性、耐熱性、難燃性を評価した結果は表3に示すとおりである。参考例12と比較して靱性、耐熱性が低下する。
参考例13)
1,5−ジアミノペンタンとセバシン酸の等モル塩を480g、1,5−ジアミノペンタンとテレフタル酸の等モル塩を1120g、および前記塩中のジアミン総量に対して1.3mol%の1,5−ジアミノペンタンを配合して、さらに全仕込み量に対して水含有量が30wt%になるように、反応容器に仕込み、密閉し窒素置換した。ジャケット温度を300℃に設定し、加熱を開始した。缶内圧力が17.5kg/cmに到達した後、缶内圧力を17.5kg/cmで1.5時間保持した。その後、反応容器から内容物をクーリングベルト上に吐出した。これを80℃で24時間真空乾燥して得られた低次縮合物を、240℃、0.4torrにて10時間固相重合を行い、硫酸相対粘度が2.70のポリアミド樹脂を得た。シリンダー設定温度を320℃、スクリュー回転数200rpmに設定した日本製鉄所社製TEX30型2軸押出機を用いて、このポリアミド樹脂と難燃剤、難燃助剤を表3に記載の各割合でドライブレンドした後、押出機メインフィーダーより供給し、無機充填剤をスクリューの全長を1.0としたときの上流側より見て約0.35の位置に設置したサイドフィーダーより供給し、溶融混練を行った。ダイから吐出されるガットは即座に水浴にて冷却し、ストランドカッターによりペレット化した。得られたペレットは80℃で12時間減圧乾燥し、射出成形(住友重機社製SG75H―MIV、シリンダー温度315℃、金型温度120℃)により試験片を調製した。各サンプルの機械特性、耐熱性、難燃性を評価した結果は表3に示すとおりである。比較例9と比較して優れた靱性と耐熱性をバランスよく有している。
(比較例9)
ヘキサメチレンジアミンとセバシン酸の等モル塩を480g、ヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸の等モル塩を1120g、および前記塩中のジアミン総量に対して0.98mol%のヘキサメチレンジアミンを配合して、さらに全仕込み量に対して水含有量が30wt%になるように、反応容器に仕込み、密閉し窒素置換した。ジャケット温度を300℃に設定し、加熱を開始した。缶内圧力が17.5kg/cmに到達した後、缶内圧力を17.5kg/cmで2.0時間保持した。その後、反応容器から内容物をクーリングベルト上に吐出した。これを80℃で24時間真空乾燥して得られた低次縮合物を、240℃、0.4torrにて4時間固相重合を行い、硫酸相対粘度が2.82のポリアミド樹脂を得た。シリンダー設定温度を330℃、スクリュー回転数200rpmに設定した日本製鉄所社製TEX30型2軸押出機を用いて、このポリアミド樹脂と難燃剤、難燃助剤を表3に記載の各割合でドライブレンドした後、押出機メインフィーダーより供給し、無機充填剤をスクリューの全長を1.0としたときの上流側より見て約0.35の位置に設置したサイドフィーダーより供給し、溶融混練を行った。ダイから吐出されるガットは即座に水浴にて冷却し、ストランドカッターによりペレット化した。得られたペレットは80℃で12時間減圧乾燥し、射出成形(住友重機社製SG75H―MIV、シリンダー温度融点325℃、金型温度120℃)により試験片を調製した。各サンプルの機械特性、耐熱性、難燃性を評価した結果は表3に示すとおりである。参考例13と比較して靱性が低下する。
参考例14)
1,5−ジアミノペンタンとテレフタル酸の等モル塩を1120g、1,5−ジアミノペンタンとイソフタル酸の等モル塩を480gおよび前記塩中のジアミン総量に対して1.47mol%の1,5−ジアミノペンタンを配合して、さらに全仕込み量に対して水含有量が30wt%になるように、反応容器に仕込み、密閉し窒素置換した。ジャケット温度を310℃に設定し、加熱を開始した。缶内圧力が17.5kg/cmに到達した後、缶内圧力を17.5kg/cmで2時間保持した。その後、反応容器から内容物をクーリングベルト上に吐出した。これを80℃で24時間真空乾燥して得られた低次縮合物を、240℃、0.4torrにて25時間固相重合を行い、硫酸相対粘度が2.66のポリアミド樹脂を得た。シリンダー設定温度を310℃、スクリュー回転数200rpmに設定した日本製鉄所社製TEX30型2軸押出機を用いて、このポリアミド樹脂と難燃剤、難燃助剤を表3に記載の各割合でドライブレンドした後、押出機メインフィーダーより供給し、無機充填剤は、スクリューの全長を1.0としたときの上流側より見て約0.35の位置に設置したサイドフィーダーより供給し、溶融混練を行った。ダイから吐出されるガットは即座に水浴にて冷却し、ストランドカッターによりペレット化した。得られたペレットは80℃で12時間減圧乾燥し、射出成形(住友重機社製SG75H―MIV、シリンダー温度305℃、金型温度140℃)により試験片を調製した。各サンプルの機械特性、耐熱性、難燃性を評価した結果は表3に示すとおりである。比較例10と比較して優れた靱性と耐熱性をバランスよく有している。
(比較例10)
ヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸の等モル塩を1120g、ヘキサメチレンジアミンとイソフタル酸の等モル塩を480gおよび前記塩中のジアミン総量に対して1.05mol%のヘキサメチレンジアミンを配合して、さらに全仕込み量に対して水含有量が30wt%になるように、反応容器に仕込み、密閉し窒素置換した。ジャケット温度を310℃に設置し、加熱を開始した。缶内圧力が17.5kg/cmに到達した後、缶内圧力を17.5kg/cmで2時間保持した。その後、反応容器から内容物をクーリングベルト上に吐出した。これを80℃で24時間真空乾燥して得られた低次縮合物を、240℃、0.4torrにて3時間固相重合を行い、硫酸相対粘度が2.72のポリアミド樹脂を得た。シリンダー設定温度を340℃、スクリュー回転数200rpmに設定した日本製鉄所社製TEX30型2軸押出機を用いて、このポリアミド樹脂と難燃剤を表3に記載の各割合でドライブレンドした後、押出機メインフィーダーより供給し、無機充填剤をスクリューの全長を1.0としたときの上流側より見て約0.35の位置に設置したサイドフィーダーより供給し、溶融混練を行った。ダイから吐出されるガットは即座に水浴にて冷却し、ストランドカッターによりペレット化した。得られたペレットは80℃で12時間減圧乾燥し、射出成形(住友重機社製SG75H―MIV、シリンダー温度335℃、金型温度140℃)により試験片を調製した。各サンプルの機械特性、耐熱性、難燃性を評価した結果は表3に示すとおりである。参考例14と比較して靱性が低下する。
Figure 0005504756
本実施例および比較例に用いた(b)難燃剤は以下の通りである。
(b−1):メラミンシアヌレート(日産化学工業製MC−4000)
(b−2):赤燐(燐化学工業製ノーバエクセル140)
(b−3):臭素化ポリスチレン樹脂(GLC社製:商品名PDBS)
(b−4):水酸化マグネシウム(協和化学工業製キスマ5E)
(b−5):ポリリン酸メラミン、メレム、メラム化合物(日産化学工業製PMP−200)
同様に、(c)難燃助剤は以下の通りである。
(c−1):三酸化アンチモン(日本精鉱製ATOX)
同様に、(d)無機充填剤は以下の通りである。
(d−1):ガラス繊維(日本電気硝子製T289)
本発明の難燃性ポリアミド樹脂組成物は、通常公知の射出成形、射出圧縮成形、圧縮成形、押出成形、ブロー成形、プレス成形、紡糸などの任意の方法で成形することができ、各種成形品に加工し利用することができる。成形品としては、射出成形品、押出成形品、ブロー成形品、一軸延伸、二軸延伸などの各種フィルム、シート、未延伸糸、延伸糸、超延伸糸など各種繊維などとして利用することができる。特に、本発明においては難燃性、靱性、耐熱性に優れる点を活かし、各種電気・電子部品、自動車部品などに加工することが可能である。

Claims (6)

  1. (a)1,5−ジアミノペンタンと炭素数6以上のジカルボン酸を主要成分として含有する単量体から構成されるポリアミド樹脂(b)難燃剤を配合してなる難燃性ポリアミド樹脂組成物であって、前記(b)難燃剤がメラミンシアヌレートであり、(b)難燃剤の配合量が、(a)1,5−ジアミノペンタンと炭素数6以上のジカルボン酸を主要成分として含有する単量体から構成されるポリアミド樹脂100重量部に対して3〜20重量部であることを特徴とする難燃性ポリアミド樹脂組成物
  2. (b)難燃剤の配合量が、(a)1,5−ジアミノペンタンと炭素数6以上のジカルボン酸を主要成分として含有する単量体から構成されるポリアミド樹脂100重量部に対して3〜8重量部であることを特徴とする請求項1に記載の難燃性ポリアミド樹脂組成物。
  3. 炭素数6以上のジカルボン酸が、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、およびイソフタル酸から選ばれる少なくとも1種である請求項1または2に記載の難燃性ポリアミド樹脂組成物。
  4. 前記(a)1,5−ジアミノペンタンと炭素数6以上のジカルボン酸を主要成分として含有する単量体から構成されるポリアミド樹脂の大気平衡吸水率が、3.0%以上である請求項1〜3のいずれかに記載の難燃性ポリアミド樹脂組成物。
  5. さらにガラス繊維を配合してなる請求項1〜4のいずれかに記載の難燃性ポリアミド樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の難燃性ポリアミド樹脂組成物からなる成形品。
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