以下、図面に示す実施例により本発明を説明する。図1は本発明の一実施例に係る分岐装置の平面図、図2はその側面図である。この分岐装置は、容器等の物品を直立させた状態で搬送する搬送コンベヤ2と、この搬送コンベヤ2によって搬送される容器を両側のガイド部材4a、4bによって案内する固定の供給ガイド4と、この供給ガイド4の下流側に連続して配置され、上流側の支点6を中心に揺動する移動ガイド8とを備えている。この移動ガイド8の下流側に、複数(この実施例では6本)の搬送レーン(図1の上方から順に、第1搬送レーン10a、第2搬送レーン10b、第3搬送レーン10c、第4搬送レーン10d、第5搬送レーン10e、第6搬送レーン10f)を有する分岐部10が配置されており、前記供給ガイド4および移動ガイド8に案内されて一列で搬送されてきた物品がこの分岐部10の各搬送レーン10a〜10fに所定本数ずつ振り分けられる。なお、搬送コンベヤ2上に配置されて揺動するとともに、後に説明するように下流部が伸縮することにより、前記供給ガイド4から受け渡された容器を案内して、分岐部10に受け渡すガイド全体を移動ガイド8と呼ぶことにする。
供給ガイド4は、搬送される物品の幅よりもやや広い間隔で配置された両側のガイド部材4a、4bを備えている。両ガイド部材4a、4bは、上下二段のガイドプレート4aa、4ab、4ba、4bbから構成されている。この供給ガイド4は、搬送コンベヤ2のほぼ中央部に、この搬送コンベヤ2の搬送方向(図1の矢印X参照)と平行して配置されている。
移動ガイド8は、供給ガイド4の下流端に連続して配置されている。移動ガイド8は、上流側の第1アーム11と、下流側の第2アーム12とを備えている。第1アーム11は、前記供給ガイド4と同様に、搬送される物品の幅よりもやや広い間隔に配置された両側ガイド部材11a、11bを備えている。第1アームの各ガイド部材11a、11bは、搬送コンベヤ2の上方に設置された水平な取り付けプレート11Aに複数の縦方向ブラケット11Bを介して吊り下げられた上下2本の平行なガイドバーを備えている(図2では上方のガイドバーの図示を省略している)。前記取り付けプレート11Aの上流端は、支柱7上に配置された支点(支点ピン6)によって回転自在に支持されており、この支点ピン6を中心に下流側が、搬送コンベヤ2の搬送方向(以下、この方向をX方向と呼ぶ)に対して左右に所定角度揺動できるようになっている。
移動ガイド8の第1アーム11と第2アーム12は、連結部14において相対回転可能な状態で連結されている。この連結部14が請求項1に記載した屈曲点である。第2アーム12は、この屈曲点14で前記第1アーム11と連結されている揺動部15と、この揺動部15に一部をオーバーラップさせて配置された伸縮部16とを有している。第2アーム12の揺動部15は、第1アーム11と同様に、搬送される物品の幅よりもやや広い間隔に配置された両側ガイド部材15a、15bを備えている。揺動部15の各ガイド部材15a、15bは、搬送コンベヤ2の上方に設置された水平な取り付けプレート15Aに複数の縦方向ブラケット15Bを介して吊り下げられた上下2本の平行なガイドバーを備えている(図2では上方のガイドバーの図示を省略している)。
第2アーム12の揺動部15に一部をオーバーラップさせて設けた伸縮部16は、揺動部15の両側ガイド部材15a、15bとほぼ同じ間隔で配置された両側ガイド部材16a、16bを備えている。伸縮部16の各ガイド部材16a、16bは、上方の水平な取り付けプレート16Aに複数の縦方向ブラケット16Bを介して吊り下げられた上下3本の平行なガイドバーを備えている(図2では一番下のガイドバーだけを示している)。さらに、これら両側ガイド部材16a、16bの下流端に、搬送コンベヤ2の搬送方向(X方向)と平行に配置された直線部17が連結されている。この直線部17も前記各ガイド部材11a、11b、15a、15b、16a、16bと同様の間隔で配置された両側のプレート部17a、17bを備えている。
伸縮部16の下流端に連結された直線部17が、後に説明する可動スタンド28とともに搬送コンベヤ2の搬送方向(X方向)に向かって進退動するとともに、この可動スタンド28に対して相対移動して、搬送コンベヤ2の搬送方向(X方向)と直交する方向(以下、この方向をY方向と呼ぶ)に往復動するようになっており、前記X方向の進退動により伸縮部16が伸縮し、Y方向の往復動により前記直線部17が分岐部10の各搬送レーン10a〜10fの前方を順次移動する。
前記第1アーム11と第2アーム12の揺動部15との連結部(屈曲点)14の構成について、前記図1、図2およびこの屈曲点14における横断面図(図1のIII−IIIに沿う断面図)である図3により説明する。支持台13の上方に固定された両側壁18間に、第1サーボモータ(屈曲点移動モータ)19の駆動軸に連結されたねじ軸20が回転自在に支持されている。このねじ軸20は搬送コンベヤ2の進行方向(X方向)と直交する方向に配置されている。このねじ軸20にはナット21が螺合されており、ねじ軸20の回転によってナット21がねじ軸20の軸方向(Y方向)に移動するようになっている。
第1アーム11の取り付けプレート11A上には、搬送コンベヤ2の進行方向(X方向)を向けてレール22が固定されている。一方、ナット21の下部に、水平な取付板23を介してスライダ24が固定され、このスライダ24が前記第1アーム11の取り付けプレート11Aに固定されたレール22に嵌合している。また、第2アーム12の揺動部15の取り付けプレート15Aは、上流側の端部にカップ状の連結部15Aaが形成されており、このカップ状連結部15Aaが前記ナット21に嵌合するとともに、前記取付板23上にベアリング25を介して相対回転可能に支持されている。従って、ねじ軸20に沿ってナット21が搬送コンベヤ2の搬送方向(X方向)と直交する方向(Y方向)に直線的に移動する際に、スライダ24がレール22に沿ってX方向に移動することにより、第1アーム11と第2アーム12の揺動部15との相対回動を可能にしている。また、第1アーム11の取り付けプレート11Aの下面には、ローラ27が回転自在に取り付けられて支持台13の上面を転動するようになっており、第1アーム11と第2アーム12との連結部(屈曲点14)が下方へ折れ込まないように下方から支持している。なお、屈曲点14のナット21がねじ軸20上を直線的に移動することによる、第2アーム12の揺動部15の伸縮部16に対する相対変位は、詳細は図示しないが、前記レール22とスライダ24と同様のスライド機構によって吸収されるようになっている。
次に、前記直線部17および伸縮部16を、搬送コンベヤ2の搬送方向(X方向)に進退動させるとともに、左右方向(Y方向)に揺動させる構成について、前記図1ないし図3および図4ないし図7により説明する。前記可動スタンド28の上方に、この可動スタンド28と一体的にX方向に進退動し、かつ、Y方向に相対移動可能な移動プレート30が連結されている(図2、図4および図5参照)。伸縮部16の両側ガイド部材16a、16bは、前記移動プレート30上に固定された支点軸32に回転可能に支持された取り付けプレート16Aに、複数の縦方向ブラケット16B(図2参照)を介して吊り下げられている。各ガイド部材16a、16bは、一部の図示を省略しているが、それぞれ、上下3本の平行なガイドバーを備えている。一方、揺動部15のガイド部材15a、15bは、それぞれ上下2本のガイドバーを備えており、伸縮部16の上中下3本のガイドバーと揺動部15の上下2本のガイドバーとが交互に組み合わせた状態で配置されており、伸縮部16のガイドバー16a、16bが揺動部15のガイドバー15a、15bに沿ってその延長線上を進退動する。
直線部17の両側プレート部17a、17bは、前記伸縮部16の両側ガイド部材16a、16bに連結ピン29(図1参照)を介して連結されており、この連結ピン29を中心に相対的に回動することができる。このプレート部17a、17bは、前記移動プレート30を介して可動スタンド28に連結されており、搬送コンベヤ2の搬送方向(X方向)には可動スタンド28と一体的に進退動し、搬送コンベヤの左右方向(Y方向)には、移動プレート30とともに可動スタンド28に対し相対的に往復動できるようになっている。
前記直線部17は、縦方向の連結部材40を介して前記移動プレート30に結合されている(図5参照)。また、可動スタンド28の上面には、搬送コンベヤ2の搬送方向(X方向)と直交する方向(Y方向)を向けた2本のレール42が取り付けられており、前記移動プレート30の下面に固定した2個のスライダ44がこれら2本のレール42にそれぞれ係合している。従って、伸縮部16の下流端に連結された直線部17は、可動スタンド28が搬送コンベヤ2の搬送方向(X方向)に移動すると、前記レール42および移動プレート30のスライダ44を介して可動スタンド28と一体的にX方向に移動し、また、後に説明するように移動プレート30が可動スタンド28上を搬送コンベヤ2の搬送方向と直交する方向(Y方向)に移動すると、移動プレート30のスライダ44が可動スタンド28上のY方向のレール42に沿って移動するので、直線部17は水平な移動プレート30とともに、可動スタンド28に対して左右方向(Y方向)に移動する。
次に、可動スタンド28をX方向に移動させ、また、移動プレート30をY方向に移動させる構成について、前記図4ないし図7により説明する。搬送コンベヤ2の搬送面2aの下方に、ベース46上に配置された上面が長方形のフレーム48(図6および図7参照)が、その長手方向を搬送コンベヤ2の搬送方向(X方向)に向けて設置されている。このフレーム48の両側部48a、48b上に、それぞれ、搬送コンベヤ2の搬送方向(X方向)と平行なレール50、52が設置されている。これら両側のレール50、52を横断して可動スタンド28が設置されている。可動スタンド28の一方(図6の下方)の脚部に一対のスライダ54が固定されており、前記一方のレール52に係合し、このレール52に沿って搬送コンベヤ2の搬送方向(X方向)に向かって進退動する。この可動スタンド28の他方(図6の上方)の脚部には一対のローラ56が取り付けられており、可動ヘッド28の移動時にはこれらのローラ56がレール50上を移動する。
搬送コンベヤ2の搬送方向(X方向)に向けて平行に配置された両側のレール50、52の中間に、可動スタンド28を搬送コンベヤ2の搬送方向(X方向)に進退動させる駆動機構が設けられている。この実施例では、長方形フレーム48上の上流側(図6および図7の左方)と下流側(同図の右方)にそれぞれ配置されたプーリ58、60と、中央部の下方側に配置された一対のプーリ62、64と、これら下方側のプーリ62、64の中間の下方に設置されたモータ(X方向駆動モータ)66の駆動軸に固定されているプーリ68とに掛け回されたベルト70に、前記可動スタンド28の下面が連結されている。前記X方向駆動モータ66の駆動により、前記ベルト70を往復走行させることによって、可動スタンド28をX方向に進退動させることができる。可動スタンド28がX方向に進退動すると、この可動スタンド28に移動プレート30を介して連結されている直線部17がX方向に進退動し、さらに、直線部17の両側プレート17a、17bに連結ピン29(図1参照)を介して連結されている伸縮部16の両側ガイド部材16a、16bが、X方向に進退動する。
また、伸縮部16の先端(下流端)に連結された直線部17をY方向に往復動させる機構は、図4および図5に示すように、搬送コンベヤ2の搬送面2aよりも上方に設置された長方形のフレーム72上に設置されている。この上方の長方形フレーム72も、前記搬送コンベヤ2の下方に設置された長方形フレーム48と同様に、その長手方向を搬送コンベヤ2の搬送方向(X方向)に向けて設置されている。
搬送コンベヤ2の搬送面2aの上方に設置された長方形フレーム72上の下流端(図4および図5の右端)寄りに、搬送方向と直交する方向(Y方向)のレール74が設置されている。また、上流端(同図の左端)に、上下のローラ76を支持する支持プレート78が、前記下流側のY方向レール74と平行に取り付けられている。搬送コンベヤ2の搬送面2aよりも上方に設置された長方形フレーム72の、下流端寄りと上流端に設けられたレール74および支持プレート78の間に渡って、搬送コンベヤ2の搬送方向(X方向)を向いた長い取付プレート80が配置されている。この取付プレート80の下流側の端部(レール74側の端部)には、スライダ82が取り付けられており、前記レール74に係合してレール74上をY方向に移動できるようになっている。一方、取付プレート80の上流側端部には、上下一対のローラ76が2組設けられており、各上下ローラ76が前記支持プレート78を上下から挟んでいる。従って、取付プレート80の下流端のスライダ82がレール74上を移動する際に、取付プレート80の他端(上流側の端部)は、ローラ76が支持プレート78に案内されて移動する。
さらに、前記取付プレート80の上面にX方向に延びるレール84が取り付けられている。このX方向レール84には、スライダ86が係合しており、このスライダ86がレール84に沿ってX方向に移動できるようになっている。このスライダ86には、前記直線部17が連結されている水平な移動プレート30が、縦方向のブラケット88を介して連結されている。従って、取付プレート80がY方向に移動すると、スライダ86およびブラケット88を介して水平な移動プレート30がY方向に移動し、さらに、移動プレート30に連結部材40を介して連結されている直線部17がY方向に移動する。また、可動スタンド28とともに前記直線部17がX方向に移動する際には、前記スライダ86がレール84に沿って移動することにより案内される。
搬送コンベヤ2の搬送面2aの上方側に配置された長方形フレーム72の一方の側部(図4の下方の側部72b)寄りの、下流側端部に第2サーボモータ(Y方向駆動モータ)90が設置され、この第2サーボモータ90に、X方向に延びる駆動軸92が接続されて回転駆動される。この駆動軸92の、前記Y方向レール74が設けられている位置と、上流端寄りの位置とに、それぞれ駆動プーリ94A、94Bが取り付けられている。また、長方形フレーム72の他方の側部(図4の上方の側部72a)の、前記各駆動プーリ94A、94Bに対応する位置にそれぞれ従動プーリ96A、96Bが配置されている。Y方向レール74の両側に配置された2つのプーリ(駆動プーリ94A、従動プーリ96A)と、上流寄りに配置された2つのプーリ(駆動プーリ94B、従動プーリ96B)に、それぞれベルト98A、98Bが掛け回され、第2サーボモータ90の駆動により駆動軸92が回転すると、両ベルト98A、98Bが、Y方向に走行する。そして、Y方向のレール74上に配置されたベルト98Aに、前記取付プレート80に固定されたスライダ82が連結され、他方のベルト98Bに取付プレート80の他端が連結されており、両ベルト98A、98Bが同時に同方向に走行することにより、取付プレート80がX方向と平行な姿勢を保ったままY方向に移動する。
移動ガイド8の下流側に配置されている分岐ガイド10は、この実施例では、ガイド部材によって仕切られた6列の搬送レーン10a、10b、10c、10d、10e、10fを有しており、前記移動ガイド8の揺動に伴って、伸縮部16の下流端に設けられた直線部17から排出された容器が、所定本数ずつ各搬送レーン10a、10b、10c、10d、10e、10fに順次振り分けられて送り込まれる。
以上の構成に係る分岐装置の作動について説明する。この分岐装置の運転開始時には、X方向駆動モータ66によって、移動ガイド8の下流側を構成している第2アーム12の伸縮部16を最も収縮させた状態、つまり搬送コンベヤ2の上流側に最も後退させた状態にするとともに、伸縮部16の先端(下流端)に接続された直線部17を、第1サーボモータ(屈曲点移動モータ)19および第2サーボモータ(Y方向駆動モータ)90の駆動によって、分岐部10の、容器を最初に分岐させて供給するレーン(この実施例では第1搬送レーン10a)の上流側に位置させておく。なお、第1搬送レーン10aから開始する場合に限るものではなく、他の搬送レーン10b〜10fから開始しても良い。また、搬送レーンの数も6本に限るものではなく、その他の数であっても良い。
この分岐装置では、移動ガイド8の先端の直線部17を、各搬送レーン10a〜10fの正面に順次移動させて、一列で搬送されてきた容器を所定本数ずつ分岐させる。このように搬送されてきた容器を分岐させる際には、屈曲点14を搬送コンベヤ2の搬送方向(X方向)と直交する方向(Y方向)に移動させる第1サーボモータ19と、直線部17を搬送方向と直交する方向(Y方向)に移動させる第2サーボモータ90の駆動によって、屈曲点14より上流側の第1アーム11と下流側の第2アーム12の、搬送コンベヤ2の搬送方向(X方向)に対する揺動角度を変更する。これら第1アーム11と第2アーム12の角度は予め設定されており、例えば、分岐部10の、搬送コンベヤ2の両側部に位置している第1搬送レーン10aまたは第6搬送レーン10fに分岐させる場合の、移動ガイド8全体の搬送コンベヤ2のセンターラインからの傾斜角度が9度であるとすると、第1アーム11の角度が6度、第2アーム12の角度が3度となるように、第1サーボモータ19および第2サーボモータ90の駆動を制御する。なお、これら第1アーム11および第2アーム12の揺動角度は、分岐する搬送レーン10a〜10fの数や第1アーム11および第2アーム12の長さ等によって適宜設定するが、常に伸縮部16を有する第2アーム12の揺動角度(搬送コンベヤ2のセンターラインに対する傾斜角度)を第1アーム11の揺動角度よりも小さくする。また、第1アーム11および第2アーム12の揺動する方向は常に同じ方向とする。
この状態から搬送コンベヤ2を駆動して容器の搬送を開始する。搬送コンベヤ2によって搬送されてくる容器は、この搬送コンベヤ2上に配置された供給ガイド4の両側ガイド部材4a、4bに案内されて一列で前進する。供給ガイド4の先端の容器出口から排出された容器は、供給ガイド4に連続して配置されている移動ガイド8の上流部を構成する第1アーム11の両ガイド部材11a、11b間に導入される。
移動ガイド8の第1アーム11内に導入された容器は、屈曲点14を通過して第2アーム12の揺動部15に入り両側ガイド部材15a、15b間を搬送される。揺動部15の下流側に連続して設けられている伸縮部16は、最も上流側に後退して揺動ガイド15にオーバーラップした状態になっており、容器はこの伸縮部16を通過して直線部17に入る。このようにして揺動部15からその下流側の伸縮部16を通って直線部17に容器が送られると、直線部17が、X方向駆動モータ66の駆動により前進して、分岐部10の第1搬送レーン10aの前方まで移動する(図8(a)に示す状態)。X方向駆動モータ66を駆動すると、このモータ66の駆動軸に連結されたプーリ68が回転し、各プーリ58、60、62、64および68に掛け回されているベルト70が走行して、このベルトに連結されている可動スタンド28を搬送コンベヤ2の搬送方向(X方向)に移動させる。可動スタンド28には、X方向のレール42およびスライダ44を介して移動プレート30がX方向に一体的に移動するようになっており、さらに、この移動プレート30に縦方向の連結部材40を介して直線部17が連結されており、可動スタンド28がX方向に前進することにより直線部17を搬送コンベヤ2の搬送方向に前進させる。
前記のように直線部17を分岐部10の第1搬送レーン10aの前方まで前進させて、この第1搬送レーン10fに容器を送り込んだ後、前記X方向駆動モータ66によって直線部17を搬送コンベヤ2の上流側に後退させるとともに、第1アーム11および第2アーム12を第1サーボモータ19と第2サーボモータ90の駆動によってY方向に移動させ、前記直線部17を分岐部10の第2搬送レーン10bに向かい合う位置の上流側に停止させる。
直線部17を搬送コンベヤ2の上流側に後退させて、第2アーム12を収縮させる場合には、図6に示すX方向駆動モータ66を駆動して、プーリ58、60、62、64、68に掛け回されているベルト70の、可動スタンド28が取り付けられている上面側を、図6および図7の左方向に走行させる。可動スタンド28が各図の左方向に移動すると、可動スタンド28の上方に配置された移動プレート30(図5参照)が、その下面に取り付けられているスライダ44と可動スタンド28の上面に固定されている2本のY方向のレール42との係合により、可動スタンド28と一体的に搬送コンベヤ2の搬送方向(X方向)の上流側に移動し、この移動プレート30に連結部材40を介して連結されている直線部17が一体的に搬送コンベヤ2の上流側に向けて後退する。このとき、移動プレート30の上面に縦方向のブラケット88を介して取り付けられているスライダ86が、取付プレート80上のX方向のレール84に係合しているので、このX方向のレール84に案内されて移動する。
また、移動ガイド8の先端の直線部17を、分岐部10の一つの搬送レーンから他の搬送レーンに移動させる(Y方向に移動させる)ためには、第1アーム11と第2アーム12との連結部である屈曲点14を、第1サーボモータ19によって搬送コンベヤ2の搬送方向と直交する方向(Y方向)に移動させるとともに、第2サーボモータ90によって直線部17が連結されている移動プレート30を同様にY方向に移動させる。第1サーボモータ19の駆動によりねじ軸20を回転させると、ナット21がねじ軸20上をY方向に直線的に移動する。第1アーム11側の取り付けプレート11A上にレール22が取り付けられ、一方、ナット21側の取付板23の下面にスライダ24が固定されており、このスライダ24が前記レール22に係合しているので、ナット21が直線的に移動しても第1アーム11が揺動できるようになっている。また、第2アーム12側でも同様のスライド機構によって、屈曲点14をY方向に直線的に移動させた際のX方向への移動を吸収するようになっている。
前記のように屈曲点14を第1サーボモータ19の駆動によってY方向に移動させるとともに、第2サーボモータ90を駆動させて、移動ガイド16の下流端の直線部17を搬送コンベヤ2の搬送方向(X方向)と直交する方向(Y方向)に移動させて第2アーム12を揺動させる。第2サーボモータ90を駆動して駆動軸92を回転させると、この駆動軸92に取り付けられている2個の駆動プーリ94A、94Bおよび逆側に配置されている2個の従動プーリ96A、96Bに掛け回されている2本のベルト98A、98Bが走行する。これらベルト98A、98B間には、X方向の取付プレート80が連結されている。この取付プレート80は、その一端に設けたスライダ82がX方向のレール74に係合し、他端の2箇所のローラ76が支持プレート78を上下から挟持しており、取付プレート80が両端をレール74と支持プレート78に案内されてY方向に移動する。この取付プレート80がY方向に移動すると縦方向のブラケット88を介して連結されている移動プレート30が移動し、さらに、移動プレート30に連結部材40を介して連結されている直線部26がY方向に移動する。この移動時には、移動プレート30の下面に固定されたスライダ44が可動スタンド28の上面に固定されたY方向のレール42に沿って移動することにより、可動スタンド28に対して相対移動することが可能になっている。
このようにして可動スタンド28のX方向への移動を介して直線部17および伸縮部16を進退動させるとともに、第1サーボモータ19の駆動により屈曲点14をY方向に移動させて第1アーム11の揺動角度を変更し、かつ、第2サーボモータ90の駆動により、取り付けプレート80および移動プレート30のY方向の移動を介して、第2アーム12の揺動角度を変更することにより、上流側から一列で搬送されてきた容器等の物品を、分岐部10の各搬送レーン10a〜10fに所定個数ずつ振り分ける。第1サーボモータ19により第1アーム11を揺動させ、第2サーボモータ90により第2アーム12を揺動させるが、搬送コンベヤ2のセンターラインに対する揺動角度を、常に第2アーム12が第1アーム11よりも小さくなるように設定しているので、搬送中の容器をガイドしている伸縮部16を移動させても、容器の姿勢が不安定にならず、高速化も可能である。
従来の分岐装置では、図9(b)に示すように、固定ガイド104の下流側に連結された移動ガイド108の、揺動部115および伸縮部116が一直線であったため、分岐部110の両端部側の搬送レーン110aまたは110fに直線部117を向けると、固定ガイド104の延長線(搬送コンベヤ102の搬送方向(X方向)と平行な線O1)に対する傾斜角度αが大きくなってしまったが、本願発明のように(図9(a)参照)、移動ガイド8を屈曲部14で上流側の第1アーム11と下流側の第2アーム12に分割して、別の駆動(第1サーボモータ19と第2サーボモータ91)により傾斜角度を制御できるようにしている場合には、第2アーム12の揺動部15と伸縮部16の、搬送コンベヤ2の搬送方向(X方向)に対する傾斜角度βを、第1アーム11の傾斜角度γよりも小さくすることができるので、伸縮部16が搬送コンベヤ2の搬送方向(X方向)に移動して伸縮する際にも容器の搬送姿勢が不安定になることが無く、高速搬送を行っても安定した搬送が可能である。
なお、前記実施例では、1箇所の屈曲点14を設けて上流側アーム(第1アーム)11と下流側アーム(第2アーム)12に分割して異なる揺動角度に制御することを可能にしたが、屈曲点14の数は、必ずしも1箇所に限るものではなく、2箇所以上であっても良い。