JP5504090B2 - 移設検知方法及び移設検知ユニット - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、工作機械等の装置(以下、「装置」と呼ぶ。)の移設を検知するために適用して好適な移設検知方法及び移設検知ユニットに関する。
高精度あるいは高機能な装置は、大量破壊兵器等の開発等に用いられるおそれがある貨物として、不正輸出が厳しく管理されている。しかし、一旦海外に輸出されてしまった装置が、第三者により輸出が許可されていない国に移設されてしまうことを防止することには困難が伴う。そのため、装置が設置された位置から許可無く移設された場合には、この移設を検知し機械の再稼動を阻止するための仕組みが組み込まれている。
従来、装置の移設を検知する際には、加速度センサにより、移設時の振動の大きさを検出する方法が使用されていた。また、加速度センサの値を2階積分することにより、移動距離を求めて、移動量が基準値を超えたら、移設を検知する方法も考えられる。以下の説明では、装置の移設を検知することを「移設検知」と呼ぶ。
移設を検知するための仕組みとしては、機械的に振動を検出し、規定値よりも大きな振動が加わった時に再稼動を出来なくする方法が提案されている(特許文献1参照)。また、特許文献2や特許文献3に記載されるように、装置に角度センサを取り付け、この機械が回転もしくは傾けられた時に移設と検知し、装置の再稼動を阻止する技術が提案されている。また、特許文献4には、装置と床との間にセンサを設け、床から持ち上げられたことを検出して再稼動を阻止する技術が提案されている。
特開2003−35595号公報 特許第4173513号公報 特開2009−271855号公報 特開2008−134173号公報
ところで、本来、移設検知は、高精度あるいは高機能な装置が、大量破壊兵器等の開発等に用いられることを防ぐ目的で行われる。従って、その検知能力は、悪意を持つ第三者によって阻害されてはならない。しかしながら、単に装置に加わる振動を検出するだけでは、地震による誤検出が避けがたい。また、装置が稼動する時の振動による誤検出を避けるため、センサの感度を上げることができない。このため、エアサスペンション付のトラックを用いて装置の移送が行われた場合には、これを阻止することが困難である。また、角度センサを用いても、装置の角度が変化しないように移送することで移設検知が回避されうる。また、装置と床との間にセンサを設けても、装置と床との間に鉄板を敷き、一緒に移送する等で移設検知を回避することが可能である。
また、加速度センサの値を2階積分することにより位置のデータにして移動距離を検出する手法は、カーナビゲーション等で従来から使用されている。しかし、温度ドリフト等による加速度センサの測定誤差が、積分により蓄積されてしまうために、時間が経過するとともに、位置精度が低下するという問題があった。ここで、カーナビゲーション等ではGPS(Global Positioning System)及び地図データを用いて、定期的に加速度センサの測定誤差を補正している。しかし、室内に設置された装置の場合には、GPSを使用することができない。また、装置が移設されていないにもかかわらず、時間経過とともに、ドリフト誤差が蓄積することにより、移設されたと誤検知することもあった。
本発明はこのような状況に鑑みて成されたものであり、装置が移設されたか否かを、確実に検知することを目的とする。
本発明は、装置に取り付けられた加速度センサの検出値に基づき、装置の移設を検知する場合に適用される。
まず、セットされると装置の移設を検知したことを示す移設検知フラグがクリアされた状態において、加速度センサの検出値が測定範囲内であるか判断し、加速度センサの検出値が測定範囲内であれば、移動平均値を減じた加速度センサの検出値を所定の時機に所定の階数で積分して第1の演算値を得る。
そして、所定の時機に、第1の演算値から加速度センサの温度ドリフトの影響を受けるオフセット値を除去することによって、第2の演算値を求め、第2の演算値が予め定めた基準値を超えた場合に、装置が移設されたことを検知する。
本発明によれば、所定の時機に、加速度センサの検出値を所定の階数で積分した加速度センサの温度ドリフトの影響を受けるオフセット値を除去して求めた第2の演算値が基準値を超えた場合に、装置が移設されたことを検知する。このため、地震による振動、加工時の振動等による誤検知を回避できる。また、エアサスペンション付のトラックでの輸送等、振動を抑えた搬送における移設の検知漏れも回避することができる。
本発明の一実施の形態における移設検知ユニットの内部構成例を示すブロック図である。 本発明の一実施の形態におけるMPUの内部構成例を示すブロック図である。 地震の際に検知される加速度の例を示す説明図である。 本発明の一実施の形態における加速度センサの加速度値の変動例を示す説明図である。 本発明の一実施の形態におけるMPUに取り込まれるデータの例を示す説明図である。 本発明の一実施の形態において検出した加速度を2階積分して算出した装置の移動量の例を示す説明図である。 10秒間の単純移動平均を用いて、加速度から温度ドリフトの影響を除いた場合における移動距離の例を示す説明図である。 本発明の一実施の形態における移設検知ユニットの処理例を示すフローチャートである。 地震時の加速度と、装置の移設時における加速度の例を示す説明図である。 本発明の一実施の形態における加速度センサが検出した加速度に対して、補正処理を含んだ2階積分処理を行って得られる移動距離の例を示す説明図である。
以下、本発明の一実施の形態例について、添付図面を参照して説明する。本実施の形態では、装置に取り付けられ、装置に生じた加速度を検知することによって、装置の移設を検知する移設検知ユニット1に適用した例(以下、「本例」という。)について説明する。
図1は、移設検知ユニット1の内部構成例を示す。
不図示の装置には、1軸以上の加速度センサ5を持つ移設検知ユニット1が取り付けられる。加速度センサ5としては、通常3軸の加速度を検知する3軸加速度センサが用いられる。
移設検知ユニット1は、装置の電源が遮断されている時に機能するためにバッテリ(2次電池)3と、バッテリ3に充電する充電回路2を備える。バッテリ3は、装置から電源供給を受けて充電されるため、装置の主電源が切られた状態でも移設検知ユニット1は動作する。また、工場の長期休暇のことも考慮すると、移設検知ユニット1が1年程度動作する容量を持つことが望ましい。
なお、バッテリ3が完全に放電して移設検知ユニット1の動作が停止した場合でも、その後、装置の主電源が再投入されると、移設検知フラグがセットされる(図8のステップS1)。移設検知フラグがセットされると、移設検知ユニット1は、一旦装置の移設を検知したものとして扱う。このため、装置が移設検知解除信号を移設検知ユニット1に送信するまで、装置を動かすことができない。
また、移設検知ユニット1は、加速度センサ5が出力するアナログ値の加速度データをデジタル値に変換するA/Dコンバータ6と、A/Dコンバータ6から取り込んだ加速度データを処理するMPU(Micro-Processing Unit)10と、MPU10が処理したデータを保持するRAM(Random Access Memory)7と、MPU10で実行される処理ソフトウェアを保存しているROM(Read Only Memory)8と、装置が有する不図示の制御部に対して通信を行うためのインターフェース9と、から構成される移設検知部4を備える。RAM7,ROM8には、例えば、フラッシュメモリーが用いられる。
装置の移設検知を行う基本的な機能として、本来設置された場所にあるべき装置が、実際に移設された時に、この移設を検知することが求められる。したがって、通常、移設検知ユニット1が検知する装置の微小な速度の移動は、温度ドリフトの影響による誤差と考えてよい。そこで、例えば、1分間に1m等、一定時間内に求まる移動距離に基準値を設け、移動距離が基準値を超えた時に装置が移設されたことを検知する。これにより、位置検出における累積誤差に影響されずに、移設検知ユニット1は移設検知を行うことが可能となる。
ここで、MPU10は、加速度センサ5が検出した加速度値のアナログデータを、A/Dコンバータ6によってデジタルデータに変換してRAM7に取り込む。一般に加速度センサ5は、温度により出力がシフトする温度ドリフト特性を持つため、MPU10は直前の一定期間における加速度の平均値を減算することにより温度ドリフト成分を取り除く。また、MPU10は、温度ドリフト成分が取り除かれた加速度を時間積分することにより、装置の移動速度を求める。この移動速度は、取り除ききれなかった温度ドリフトの影響を受けているため、オフセット値を持つ。
このオフセット値は、MPU10が移動距離を求める積分時に時間とともに累積されるため、装置の移動距離が本来0であるにもかかわらず、あたかも装置が移動しているかのように徐々に大きくなってしまう。装置が移動していないにも関わらず、移動距離が時間とともに大きくなると、装置が移動したという移設検知の誤作動を招くことにつながるため、移動速度のオフセット値を除去することが必要となる。MPU10は、この移動速度のオフセット値を除去するために、ある時間ごとに特定の量を減算してオフセット値を0に近づける処理を施す。この処理により、装置の移設が行われていない時の移動速度が略0に保たれる。このようにして得られた移動速度をMPU10が時間積分することにより、装置の移動距離が求まる。
求められた移動距離が、定められた判定基準を超えた時、移設検知ユニット1は装置が移設されたと判断して装置の稼働を停止するための稼働停止信号を送信する。また、装置の再稼働時にも移設検知ユニット1は、装置からの問い合わせに対して、稼働停止信号を送信し、稼働を阻止する。すなわち、移設検知ユニット1は、移設検知解除信号を受信しない限り、装置に稼働許可信号を返さない状態を保持する。これにより、無断で移設された装置が移設先で稼働することを阻止することができる。
図2は、MPU10の内部構成例を示す。
MPU10は、加速度センサ5からA/Dコンバータ6を介して入力する加速度値のデジタルデータを、所定の時機に所定の階数で積分して第1の演算値を求める演算部11と、所定の時機に、第1の演算値から特定の値を増減することによって、装置が移設されない場合に検出される第1の演算値を補正して第2の演算値を得る補正部12を備える。ここで、「所定の時機」とは、加速度センサ5の検出値を確認する度毎、又は、所定時間毎(例えば、1分、1時間毎)の時機をいう。「第1の演算値」は、加速度センサ5の検出値を1階積分して得られる速度値、又は、加速度センサ5の検出値を2階積分して得られる距離値である。「特定の値」は、第1の演算値から、加速度センサ5の周囲の温度によって増減する検出値の変化分であり、移設検知に影響を与えない値である。
また、MPU10は、第2の演算値が予め定めた基準値を超えた場合に、装置が移設されたことを検知する検知部13を備える。また、MPU10は、検知部13が装置の移設を検知した場合に、装置の移設を示す検知フラグをRAM7内の所定の領域にセットするフラグセット部14と、装置に対して稼働の停止又は許可を指示する信号を送出する信号送出部15を備える。
検知部13は、装置が移設されたことを検知すると、フラグセット部14に検知フラグのセットを指示し、フラグセット部14は、検知部13によって装置の移設が検知された場合に、検知部13の指示に従って検知フラグをセットする。信号送出部15は、装置から検知フラグのセット有無について問い合せがあったときに、検知フラグがセットされていなければ装置の稼働を許可する稼働許可信号を装置に送り、検知フラグがセットされていれば装置の稼働を停止する稼働停止信号を装置に送る。
図3は、地震の際に検知される加速度の例を示す。
加速度センサ5は、通常の使用状態における装置の稼動時や地震の際に、装置が移設されたことを誤検知しないように、十分な検出レンジを持つ必要がある。
ここで、±2Gの検出レンジを持つ加速度センサ5の性能の一例を示す。
レンジ:±2G
感度:1mG
ノイズ:0.65mG
温度ドリフト:1.12mG/℃
図3には、震度5相当の地震における加速度の例を示しており、装置が受ける加速度は最大で200gal(cm/s/s)=0.2Gである。図3より、この振動を正確に検出するためには、加速度センサ5の検出レンジは±2G以上であれば十分であることが分かる。なお、トラック等により装置を移送する際に装置が受ける加速度は0.1G程度である。このため、加速度センサ5が出力する加速度値のみで装置の移設を検知するような単純な方法では、地震による誤検出と、実際の移設との判別ができないことも明らかである。
図4は、60秒かけて温度が1℃上昇した場合における加速度センサ5が検出した加速度値の変動例を示す。
本例では、加速度センサ5の感度を1mGとし、A/Dコンバータ6がA/D変換するデジタル値のビット数を14ビットとする。図4より、温度ドリフトの影響により、時間の経過に従って、加速度センサ5が検出する加速度値が上がることが分かる。
図5は、実際にMPU10に取り込まれるデータの例を示す。
0秒〜20秒までは加速度値が小さいため、加速度センサ5の出力はデジタル変換時に検知されないが、20秒が経過した辺りから徐々に加速度センサ5が出力した加速度値が検知されることが分かる。
図6は、演算部11が加速度を2階積分して算出した第1の演算値(移動量)の例を示す。
図5に示したとおり、0秒〜20秒までは加速度センサ5の出力がないため、装置の移動量も0である。しかし、20秒を経過すると、加速度センサ5の出力を2階積分して算出した装置の移動量は積み上がって大きな値となることが示される。
この結果、実際には装置が移動していないにも関わらず、温度ドリフトの影響により、60秒で装置が1.5m移動した移設として検知されてしまう。このような誤検知を回避するために、補正部12は、加速度センサ5が計測した加速度から加速度の移動平均値を減算し、温度ドリフトによる加速度の大きなうねりを除去する。
ここで、加速度の移動平均値は、加速度に対してローパスフィルターを施した値と同じであり、温度ドリフトのようなゆっくりとした変化の成分を抽出することに等しい。前述のような60秒で1℃の温度変化によるドリフト量は、加速度換算で1秒あたり0.019mG=0.18mm/sである。この値は、実際に装置を移動する時の加速度としては在り得ないほど小さな値であり、加速度の移動平均値を減算することにより除去しても移設検知には影響を与えない。なお、加速度の移動平均値の求め方には、色々な方法があり、単純に一定期間の平均値である単純移動平均を使用してもよいし、加重移動平均、指数移動平均を使用してもよい。
図7は、10秒間の単純移動平均を用いて、温度ドリフトを除去した場合の加速度と移動距離の例を示す。
図7に示すように、単純移動平均を用いると、加速度値に対する温度ドリフトの影響を略除去できることが分かる。このため、実際は装置が移動していないにも関わらず移動しているとして検出されてしまう移動距離は、60秒間に0.5m程度まで軽減されることになる。しかしながら、図7をみて分かるとおり、残差が積分され、移動距離が時間とともに増大している。このまま、この増大した移動距離を、移設検知を行うためのデータとして使用すると、装置の移動距離がリミットを超えることにより、装置を移動させていないにもかかわらず移設されたと誤検知する可能性がある。そこで、補正部12は、移動速度及び移動距離の演算値を常に0へ近づけ第2の演算値を得る補正処理を行う。
この補正量以下の移動は、移設検知ユニット1が移設を検知できる限界となるが、実質上問題にならない程度の小さな補正で十分である。例えば、1秒間あたりの移動速度の補正処理は、実質、装置の移設が不可能な速度1cm/sを速度0に向けて減算することによってなされる。また、移動距離の補正処理も同様とし、例えば、1秒間当たり1cmを減算することによってなされる。
図8は、移設検知ユニット1の処理例を示すフローチャートである。
移設検知ユニット1は、装置の移設が行われたかどうかの判定を、RAM7に格納した移設検知フラグによって管理する。そして、装置からの問い合わせに対して移設検知フラグがクリアされている時のみ、稼動許可信号を返す。このため、フラグセット部14は、移設検知ユニット1の電源が投入されたことを、インターフェース9を介して知った後、移設検知フラグをセットする(ステップS1)。
次に、フラグセット部14は、装置からインターフェース9を介して移設検知解除信号を受信したか否かを判断する(ステップS2)。検知部13が一度でも移設を検知し、RAM7に移設検知フラグをセットすると、移設検知解除の権限を持つ装置メーカーの作業者が、装置から暗号化された解除信号を送らない限り、移設検知フラグはクリアされない。
フラグセット部14が装置から移設検知解除信号を受信していなければ、ステップS4に処理を移す。一方、装置から移設検知解除信号を受信すると、フラグセット部14は、移設検知フラグをクリアする(ステップS3)。その後、MPU10は、実際に装置が移設されたか否かを判断する処理に入る。
始めに、フラグセット部14は、移設検知ユニット1が取り付けられる装置から移設検知フラグの状況について問い合わせがあるか否かを判断する(ステップS4)。問い合わせがなければ、ステップS8に処理を移す。
一方、問い合わせがあれば、フラグセット部14は、移設検知フラグがクリアされているか否かを判断する(ステップS5)。移設検知フラグがクリアされていれば、信号送出部15は、装置に対して稼働を許可する稼働許可信号を送り(ステップS6)、ステップS8に処理を移す。一方、移設検知フラグがクリアされていなければ、信号送出部15は、装置に対して稼働を停止させる稼働停止信号を送り(ステップS7)、ステップS8に処理を移す。
次に、演算部11は、加速度Accが測定範囲内の値であるか否かを判断する(ステップS8)。演算部11は、加速度Accが測定範囲内でないと判断すると、ステップS15に処理を移し、移設を検知したものとして移設検知フラグをセットする。
一方、演算部11は、加速度Accが測定範囲内の値であると判断すると、加速度Accから移動平均値Accaveを求め、併せて、次式(1)より、加速度Accから移動平均値Accaveを減算した加速度Aを求める(ステップS9)。
A=Acc−Accave…(1)
次に、演算部11は、次式(2)より、加速度Aに経過時間Δtを掛けて、速度Vを求める(ステップS10)。
=Vn−1+A×Δt…(2)
次に、演算部11は、速度Vからオフセット値を除去するため、所定の量V(正)を補正する(ステップS11)。ここでは、速度Vが0より大きければ、次式(3)より、速度Vを求める。このとき、式(3)で求めた速度Vが0より小さければ、V=0に設定する。
=V−V…(3)
一方、演算部11は、式(2)で求めた速度Vが0以下であれば、次式(4)より、速度Vを求める。このとき、式(4)で求めた速度Vが0より大きければ、V=0に設定する。
=V+V…(4)
次に、演算部11は、次式(5)より、速度Vに経過時間Δtを掛けて位置Pを求める(ステップS12)。
=Pn−1+V×Δt…(5)
次に、補正部12は、位置Pからオフセット値を除去するため、所定の量P(正)を補正する(ステップS13)。ここでは、所定の量Pが0より大きければ、次式(6)より、所定の量Pを求める。このとき、式(6)で求めた所定の量Pが0より小さければ、P=0に設定する。
=P−P…(6)
一方、演算部11は、式(5)で求めた所定の量Pが0以下であれば、次式(7)より、所定の量Pを求める。このとき、式(7)で求めた所定の量Pが0より大きければ、P=0に設定する。
=P+P…(7)
次に、検知部13は、移動距離Pの絶対値が、移設検知の基準距離PTを超えたかどうか判断する(ステップS14)。移動距離Pの絶対値が、移設検知の基準距離PTを超えていない場合、MPU10は、ステップS2に処理を移し、ステップS2〜S14の処理を繰り返す。一方、移設検知の基準距離PTを超えている場合、フラグセット部14は、移設検知フラグをセットする(ステップS15)。
図9は、地震時の加速度と、移設時の加速度の例を示す。
地震波形は、前述と同じ震度5相当の波形であり、移設は、加速度0.3m/sで1秒間加速、その後20秒間一定速で移動し、1秒間で停止するという移動パターンで約6mの移動となる。
図10は、この加速度パターンに対して、前述のような補正処理を含んだ2階積分処理を行って得られる波形の例を示す。
移設検知の判定基準として1m程度を設定しておけば、地震等による移設の誤検出を免れ、なおかつ移設を適切に検知することができる。この例では、震度5という大きな地震波形を例に挙げて説明を行ったが、もっと小さな地震を想定して、判定基準を更に厳しく設定することも可能である。また、加速度センサ5の検出レンジを超える加速度を検出した場合には、当然ながらこのような積分手続きを経ることなく即移設とみなす。なお、前述の補正処理は、一定値を0に近づける方向へ減算することにより行ったが、一定値を減算する代わりに、例えば0.9を掛けることにより0に近づけるような処理としてもよい。
以上説明した本例の移設検知ユニット1によれば、加速度センサ5によって検出された加速度を2階積分することによって、移動距離を求め、この距離が所定の時間における判定基準を超えた場合に装置が移設されたことを検知する。ただし、この速度と距離等は適宜オフセット値が補正されるため、実際には装置が移設されていない場合、移設されたと誤検知することがない。このため、装置の移設を監視することが容易となる。
また、加速度センサ5の値から、温度ドリフトの影響を除去する。通常、このためには、加速度センサ5に温度補償回路が設けられているが、温度ドリフトの影響を完全に除去することは不可能である。しかし、本例の移設検知ユニット1は、数分もしくは数十分程度の間の移動平均値を減算することにより、温度ドリフトによる加速度誤差をほとんど除去することができる。また、こうして得た、温度ドリフト誤差がほとんど含まれていない加速度を2階積分することによって、移動量を求めることができる。しかしながら、積分操作のため、非常に小さな温度ドリフトの誤差も、時間とともに積分されて大きな移動量として現れてくる場合がある。そこで、移動量0に近づける方向へ一定時間ごとに移動量を減算する処理を施すようにする。
そして、検知部13は、補正部12によって時間とともに移動量0に向けて近づくような減算量による減算処理が施された後の移動量が、基準値を超えた時に、装置の移設が行われたと判断する。補正部12には、この減算量として、機械を移設する時には非現実的な値、例えば1分間に1m等が設定されることにより、移設検知と温度ドリフトの除去の両立を可能とし、移設の検知精度を高めている。
また、検知部13は、演算部11が加速度を2階積分して求めた距離を、移設されたか否かの判断に用いる。そのため、装置自身の振動、地震等の振動等、位置が動かない場合には移設とはみなされず、誤検出を回避できる。また、従来は、地震等の振動の誤検出回避のために移設検知の感度を落としていたが、そのようなことを行う必要が無くなる。そのため、移設検知の検出率を上げることと誤検出率を下げることの両方を同時に実現することができる。
また、従来の方法では、地震時には移設検知が誤作動するため、メーカーの作業者を待たなくては再稼働できなかった。しかし、本手法では、地震による振動と移設による振動の区別がつく。このため、地震時には安全のため、装置を自動的に停止させ、地震後にメーカーの作業者を待たずに、ユーザー自身が装置の復旧を行うこともできる。
<変形例>
なお、上述した実施の形態例では、1軸の加速度のみについて説明を行ったが、加速度センサ5を使用して、XYZ方向それぞれについて処理を行うことが望ましい。更に、移設検知ユニット1にジャイロセンサ等の回転検出器を付加することにより装置の移設時の回転を検出し、3軸の加速度それぞれを静止座標系(地面の座標系)に変換したものに対して補正を行うこともできる。また、加速度センサ5を1軸のみで使用する場合には、装置を持ち上げたことを検出するため、Z軸方向(重力方向)に取り付けることが望ましい。このとき、Z軸方向の加速度センサ5は、重力分の値をオフセットした加速度も検出できるような検出レンジを持つ必要がある点に留意すべきである。
また、移設検知ユニット1は、加速度センサ5が検出した加速度を2階積分することによって、装置の移動距離を求めたが、地震に対する誤検知率を問題にしないならば、加速度を1階積分することによって装置の移動速度を求め、検知部13は、この移動速度が所定値を超えた場合に、装置が移設されたと検知してもよい。この場合、図8に示したフローチャートのうち、ステップS12,S13が不要となり、ステップS14において移動距離を移動速度に置き換えればよい。このとき、補正部12の処理を簡略化することができる。
また、本発明は上述した実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りその他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。
1…移設検知ユニット、2…充電回路、3…バッテリ、4…移設検知部、5…加速度センサ、6…A/Dコンバータ、7…RAM、8…ROM、10…MPU、11…演算部、12…補正部、13…検知部、14…フラグセット部、15…信号送出部

Claims (4)

  1. 装置に取り付けられた加速度センサの検出値に基づき、前記装置の移設を検知する移設検知方法において、
    セットされると前記装置の移設を検知したことを示す移設検知フラグがクリアされた状態において、前記加速度センサの前記検出値が測定範囲内であるか判断するステップと、
    前記加速度センサの前記検出値が測定範囲内であれば、移動平均値を減じた前記加速度センサの検出値を所定の時機に所定の階数で積分して第1の演算値を得るステップと、
    前記所定の時機に、前記第1の演算値から前記加速度センサの温度ドリフトの影響を受けるオフセット値を除去することによって、第2の演算値を求めるステップと、
    前記第2の演算値が予め定めた基準値を超えた場合、又は前記加速度センサの前記検出値が測定範囲内でない場合に、前記装置が移設されたことを検知するステップと、を有することを特徴とする
    移設検知方法。
  2. 前記所定の時機は、前記加速度センサの検出値を確認する度毎、又は、所定時間毎であることを特徴とする
    請求項1記載の移設検知方法。
  3. 装置の移設を検知する移設検知ユニットにおいて、
    前記装置に生じた加速度を検出する加速度センサと、
    セットされると前記装置の移設を検知したことを示す移設検知フラグがクリアされた状態において、前記加速度センサの検出値が測定範囲内であるか判断し、前記加速度センサの前記検出値が測定範囲内であれば、移動平均値を減じた前記加速度センサの検出値を所定の時機に所定の階数で積分して第1の演算値を求める演算部と、
    前記所定の時機に、前記第1の演算値から前記加速度センサの温度ドリフトの影響を受けるオフセット値を除去することによって、第2の演算値を得る補正部と、
    前記第2の演算値が予め定めた基準値を超えた場合、又は前記加速度センサの前記検出値が測定範囲内でない場合に、前記装置が移設されたことを検知する検知部と、を備えることを特徴とする
    移設検知ユニット。
  4. 前記所定の時機は、前記加速度センサの検出値を確認する度毎、又は、所定時間毎であることを特徴とする
    請求項3記載の移設検知ユニット。
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