〔実施形態1〕
本発明の一実施形態について説明する。
(1−1.画像データ処理システム1の全体構成)
図1は、本実施形態にかかる画像データ処理システム1の構成を示す説明図である。この図に示すように、画像データ処理システム1は、複合機(MFP;multifunction peripheral)10と、制御装置30と、画像処理装置50とを含んでおり、これら各装置が通信ネットワーク100を介して通信可能に接続されている。
なお、画像データ処理システム1に含まれる複合機10の台数は複数であってもよい。また、画像処理装置50の台数も特に限定されず、1台であっても2台以上であってもよい。
また、通信ネットワーク100は、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線、シリアルケーブル等の有線ネットワークであってもよい。あるいは、通信ネットワーク100は、IrDAやリモコンのような赤外線、ブルートゥース(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線ネットワークであってもよい。
また、本実施形態では、複合機10と制御装置30とは、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol:ハイパーテキスト転送プロトコル)を用いて通信を行うようになっている。HTTPは、ウェブサーバとウェブブラウザとの間の通信(例えば、ウェブページの要求および送信)で用いられるプロトコルである。
また、複合機10、制御装置30、および画像処理装置50のうちの全部または一部の装置は、ファイアーウォールを介して通信ネットワーク100に接続されていてもよい。
(1−2.複合機10の構成)
複合機10は、HTTPを用いて制御装置30からHTML形式の制御情報を受け取り、受け取った制御情報に基づいて複合機10の各種機能を実行するデジタル複合機またはアナログ複合機である。上記の各種機能としては、例えば、スキャン機能、印刷機能、コピー機能、ファクシミリの送受信機能、通信機能などが挙げられる。
複合機10は、制御部11、操作部12、画像読取部13、画像形成部(画像データ出力処理部)14、画像処理部(内部画像処理部)15、および通信部16を備えている。また、制御部11は、機器制御部21、ウェブブラウザ部22、および制御アプリケーション部23を備えている。また、制御アプリケーション部23は、コピーAPI(Application Interface)23a、スキャンAPI23b、およびプリントAPI23cを備えている。
操作部12は、ユーザに対して各種情報を通知するとともに、ユーザからの指示入力を受け付けるユーザインターフェイスである。具体的には、操作部12は、各種の入力キーを含む入力部(指示入力部)12aと、ユーザに呈示する情報を表示するための表示部12bとを備えている。表示部12bの構成は特に限定されるものではなく、例えば、LCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイなどを用いることができる。なお、操作部12は、入力部12aと表示部12bとが一体的に構成されたタッチパネルであってもよい。
画像読取部13は、スキャナと、原稿をスキャナの読取位置に搬送する原稿搬送部とを含んでおり、原稿に印刷された文字や画像などを画像データとして読み取るスキャン機能を実行する。
画像形成部(画像データ出力処理部)14は、用紙などの記録材(記録シート)に対して画像データに応じた画像を印刷するためのものであり、画像読取部13が取得した画像データに応じた画像を印刷するコピー機能、および外部装置から入力された画像データを印刷するプリンタ機能を実行する。なお、本実施形態では、画像形成部14として、感光体ドラム、帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置、定着装置、および用紙トレイなどを有する電子写真方式の印刷装置を用いている。ただし、画像形成部14の構成は特に限定されるものではなく、例えばインクジェット方式の印刷装置を用いてもよい。
画像処理部(内部画像処理部)15は、画像読取部13が取得した画像データや外部装置から入力された画像データに対して所定の画像処理(例えば、シェーディング補正処理、階調補正処理、色補正処理、色変換処理、変倍処理、濃度補正処理など)を行う。
通信部16は、通信ネットワーク100を介して制御装置30や画像処理装置50などの他の装置と通信を行う通信インターフェイスである。本実施形態では、上述したように、通信部16は制御装置30とHTTPを用いて通信する。
制御部11は、CPUや専用プロセッサなどの演算処理部、および、RAM、ROM、HDDなどの記憶手段(いずれも図示せず)などにより構成されるコンピュータ装置であり、上記記憶手段に記憶されている各種情報および各種制御を実施するためのプログラムを読み出して実行することで機器制御部21、ウェブブラウザ部22、および制御アプリケーション部23の機能を実現する。
ウェブブラウザ部22は、汎用されているウェブブラウザのソフトウェアに従った動作を行うものであり、制御装置30が有するウェブサーバ部35と通信部16を介して通信を行う。また、ウェブブラウザ部22は、制御装置30から受信した操作画面(UIコンテンツ)を表示部12bに表示し、入力部12aに対するユーザの操作入力を受け付ける。
制御アプリケーション部23は、ウェブサーバ上で動作するウェブアプリケーションに従った処理を実行するものであり、複合機10の各種機能(例えばコピー機能)を制御する必要がある場合に、当該機能を制御するための制御コマンドを機器制御部21に送る。
具体的には、制御アプリケーション部23は、コピーAPI23a、スキャンAPI23b、およびプリントAPI23cを備えている。
コピーAPI23aは、制御装置30からコピー条件設定(原稿サイズ設定、用紙サイズ設定、両面設定、後処理設定など)のデータとコピー開始のコマンド(印刷命令)とを受信したときに、コピー条件設定に基づいてコピー処理(原稿読取処理および印刷処理)を実行するように機器制御部21を制御する。
スキャンAPI23bは、制御装置30から読取条件設定(解像度設定、モノクロ/カラー設定など)のデータと読み取った原稿データの送信先(または保存先)の設定情報とスキャン開始のコマンドとを受信したときに、読取条件設定に基づいて原稿台上に載置された原稿あるいは原稿自動送り装置によって搬送される原稿を読み取り、読み取った画像データを上記送信先に送信(または上記保存先に保存)する処理を実行するように機器制御部21を制御する。
プリントAPI23cは、制御装置30から印刷条件設定(記録紙サイズ設定、排紙先トレイ設定など)と印刷画像データと印刷開始のコマンドとを受信したときに、印刷画像データを印刷条件設定に基づいて印刷する処理を実行するように機器制御部21を制御する。
機器制御部21は、複合機10の各種機能を制御するものである。具体的には、機器制御部21は、画像読取部13、画像形成部14、画像処理部15、通信部16、および操作部12等の各部の動作を制御する。例えば、機器制御部21は、画像読取部13の動作を制御し、原稿を読み取らせて原稿の画像データを取得させる。また、機器制御部21は、画像形成部14の動作を制御し、画像データに応じた画像を記録材上に形成(出力)させる。また、画像処理部15の動作を制御し、画像データに対して画像処理を実行させる。また、通信部16の動作を制御し、他の装置との通信を行わせる。
なお、機器制御部21は、固有操作モードと連携操作モードとを有している。固有操作モードは複合機10に固有のモードであり、予め複合機10内で記憶しているプログラムに基づいて複合機10の各部の動作を制御する。なお、固有操作モードは、従来の複合機で行われている一般的なモードであるため、ここでは詳細な説明を省略する。
連携操作モードの実行指示が入力された場合、機器制御部21は、ウェブブラウザ部22を起動させ、予め設定されたURL(本実施形態では制御装置30のウェブサーバ部35に対して初期情報表示画面の送信を要求するURL)に従った処理を実行させる。そして、連携操作モードでは、機器制御部21は、制御アプリケーション部23から制御コマンドを受け付け、当該制御コマンドに従った制御を行う。なお、本実施形態では、コピー処理については連携操作モードの処理が行われる。
(1−3.制御装置30の構成)
制御装置(画像処理装置)30は、図1に示したように、通信部31、制御部32、記憶部33、および画像処理部(外部画像処理部)34を備えている。また、制御部32はウェブサーバ部35および外部アプリケーション部36を備えており、記憶部33は画面情報記憶部37、制御情報記憶部38、および画像処理情報記憶部39を備えている。
通信部31は、通信ネットワーク100を介して接続された他の装置との通信を行うものである。なお、通信部31は、HTTPの通信プロトコルを用いて複合機10と通信する。
制御部(複合処理制御部)32は、CPUや専用プロセッサなどの演算処理部、および、RAM、ROM、HDDなどの記憶手段(いずれも図示せず)などにより構成されるコンピュータ装置であり、上記記憶手段に記憶されている各種情報および各種制御を実施するためのプログラムを読み出して実行することでウェブサーバ部35および外部アプリケーション部36の機能等を実現する。また、制御部32は、複合機10の装置機能を制御する機能、および画像処理装置50に対して画像処理の実行を指示する機能を有している。
ウェブサーバ部35は、汎用されているウェブサーバのソフトウェアに従って動作する。ウェブサーバとは、インターネット上の情報システムであるWWW(World Wide Web)を構成するサーバ装置の機能を提供するソフトウェアである。ウェブサーバ部35は、通信部31を介して複合機10からの要求(ここでは、HTTPリクエスト)を受信し、当該要求に応じたファイルや画像データ、印刷データ、制御情報などを、通信部31を介して複合機10に応答する機能を有している。
外部アプリケーション部(複合処理制御部)36は、ウェブサーバ部35からの指示に応じて、所定のウェブアプリケーションに従った動作を行う。すなわち、外部アプリケーション部36は、ウェブサーバ上で動作する各種のウェブアプリケーションに従った動作を行うものである。
例えば、外部アプリケーション部36は、複合機10からの要求(HTTPリクエスト)が表示画面の送信要求である場合、表示画面送信アプリケーションに従った動作を行う。具体的には、外部アプリケーション部36は、当該送信要求で示される表示画面のHTMLデータを画面情報記憶部37から読み出し、ウェブサーバ部35に送る。
また、外部アプリケーション部36は、複合機10からの要求が印刷データの送信要求である場合、印刷アプリケーションに従った動作を行う。具体的には、外部アプリケーション部36は、当該送信要求で示されるフォルダ名のフォルダから指定されたファイル名の印刷データを取得し、その印刷データをウェブサーバ部35に送る。
また、外部アプリケーション部36は、複合機10からの要求が画像データに対する画像処理要求である場合、画像処理アプリケーションに従った動作を行う。具体的には、外部アプリケーション部36は、当該画像処理要求が自装置の画像処理部34で画像処理を行わせるためのものである場合、処理対象の画像データを画像処理部34に送って当該画像処理要求に対応する画像処理を行わせ、画像処理後の画像データをウェブサーバ部35に送る。また、外部アプリケーション部36は、当該画像処理要求が他の画像処理装置の画像処理部(例えば画像処理装置50の画像処理部54)で画像処理を行わせるためのものである場合、処理対象の画像データを当該画像処理部に送って当該画像処理要求に対応する画像処理を行わせ、画像処理後の画像データを受け取ってウェブサーバ部35に送る。なお、他の画像処理装置の画像処理部に画像処理を行わせる場合、処理対象の画像データを複合機10から当該他の画像処理装置に送信させるようにしてもよい。
画像処理部(外部画像処理部)34は、画像データに対して所定の画像処理(例えば、後述する白紙除去処理、傾き補正処理、自動回転処理など)を行う。
画面情報記憶部37は、複合機10の表示部12bに表示させるための各種画面情報を記憶している。また、制御情報記憶部38は、複合機10の各部を制御するための制御情報を記憶している。また、画像処理情報記憶部39は、通信ネットワーク100を介して接続されている各装置の画像処理部(例えば、複合機10の画像処理部(内部画像処理部)15、制御装置30の画像処理部(外部画像処理装置)34、および画像処理装置50の画像処理部(外部画像処理装置)54)において実行可能な各画像処理について、当該画像処理の種類(あるいは当該画像処理の画像処理内容)の識別情報(画像処理ID)と当該画像処理を実行可能な装置の識別情報(ハードウェアID)とを対応付けた画像処理情報テーブル(画像処理機能情報。画像処理一覧情報。)を記憶している。
図2は、画像処理情報記憶部39に記憶される画像処理情報テーブルのデータ構成の一例を示す説明図である。この図に示す例では、画像処理情報テーブルは、画像処理情報数N(Nは1以上の整数)、およびN個の画像処理情報(画像処理情報1,2、・・・N)を含んでいる。各画像処理情報は、画像処理の種類の識別情報(画像処理ID)と当該画像処理を実行可能な装置の識別情報(ハードウェアID)とを含んでいる。
(1−4.画像処理装置50の構成)
画像処理装置50は、通信部51、制御部52、記憶部53、および画像処理部54を備えている。
通信部51は、通信ネットワーク100を介して接続された他の装置との通信を行うものである。
制御部52は、CPUや専用プロセッサなどの演算処理部、および、RAM、ROM、HDDなどの記憶手段(いずれも図示せず)などにより構成されるコンピュータ装置であり、上記記憶手段に記憶されている各種情報および各種制御を実施するためのプログラムを読み出して実行することで画像処理装置50の各部の動作を制御する。
記憶部53は、画像処理装置50で取り扱われる画像データや各種制御情報などを記憶する。
画像処理部(外部画像処理部)54は、画像データに対して所定の画像処理(例えば、翻訳処理、赤目補正処理など)を施す。
(1−5.画像データ処理システム1の動作)
画像データ処理システム1は、画像読取部13が原稿の画像データを取得し、画像処理部15、画像処理部34、および画像処理部54のうちの少なくとも1つが画像読取部13の取得した画像データに画像処理を施し、複合機10の画像データ出力処理部が上記したいずれかの画像処理部によって画像処理された画像データの出力処理を行う処理である複合処理を行う機能を有している。
なお、本実施形態では、上記出力処理として画像形成部14が画像データの印刷処理(コピー処理)を行う場合について主に説明するが、出力処理の内容はこれに限るものではない。例えば、上記出力処理は、上記したいずれかの画像処理部によって画像処理された画像データを通信部(画像データ出力処理部)16が他の装置への送信(例えばファクシミリ(FAX)送信、あるいは電子メールによる送信など)する処理であってもよい。また、上記出力処理は、複合機10に備えられる機器制御部(画像データ出力処理部)21が、複合機10に備えられる画像記憶部(図示せず)、または複合機10に対して通信可能に接続される画像記憶部(図示せず)に、上記したいずれかの画像処理部によって画像処理された画像データを記憶(ファイリング)させる処理であってもよい。また、上記出力処理は、複合機10に備えられる機器制御部(画像データ出力処理部)21が、複合機10に備えられる表示部12bに上記したいずれかの画像処理部によって画像処理された画像データを表示させる処理であってもよい。
図3は画像データ処理システム1におけるコピー処理(複合処理)の流れを示すフローチャートである。
複合機10のウェブブラウザ部22は、操作部12を介してユーザからコピーモード(複合処理モード)の選択指示を受け付けると(S1)、通信部16を介して制御装置30にコピーモードの操作画面の送信要求を送信する(S2)。
制御装置30のウェブサーバ部35は、複合機10から操作画面の送信要求を受信すると(S31)、当該送信要求に対応する操作画面データ(操作画面のHTMLデータ)を画面情報記憶部37から読み出し(S32)、通信部31を介して複合機10に送信する(S33)。
複合機10のウェブブラウザ部22は、制御装置30から操作画面データを受信すると(S3)、表示部12bを制御して当該操作画面データに応じた操作画面を表示させる(S4)。
図4は、表示部12bに表示されるコピーモードの操作画面の一例を示す説明図である。この図に示す例では、「コピー部数」、「用紙サイズ」、「カラーモード」、「倍率」、「濃度」、「白紙除去」、「傾き補正」、「自動回転」、「翻訳」、および「赤目補正」の各項目についてユーザが設定内容の変更を行えるようになっている。
「コピー部数」は、画像データに応じた画像の印刷枚数を設定する項目である。初期状態では1枚に設定されており、ユーザが必要に応じて任意の枚数に変更できるようになっている。
「用紙サイズ」は、画像データに応じた画像を印刷する用紙のサイズを設定する項目である。初期状態では、原稿サイズの検知結果に応じて用紙のサイズを自動的に設定する自動設置モードが選択されており、ユーザが必要に応じて特定の用紙サイズに変更できるようになっている。画像読取部13は、原稿のサイズを検知する原稿サイズ検知センサを備えている。そして、自動設定モードでは、画像処理部15が画像読取部13による原稿サイズの検知結果に応じて用紙サイズ(記録材のサイズ)を設定(例えば用紙サイズを原稿サイズと同サイズ、または選択可能な用紙サイズのうち原稿サイズに最も近いサイズに設定)する。そして、画像処理部15は画像データを画像形成部14に出力し、画像形成部14が設定された用紙サイズの用紙に印刷を行う。なお、必要に応じて、画像処理部15が画像データに対して用紙サイズに応じた画像処理を施してから画像形成部14に出力するようにしてもよい。
「カラーモード」は、モノクロ画像を印刷するかカラー画像を印刷するかを設定する項目である。初期状態では、原稿から読み取った画像データに応じて画像処理部15がモノクロ画像を印刷するかカラー画像を印刷するかを自動的に設定する自動設定モードに設定されており、ユーザが必要に応じて任意に変更できるようになっている。自動設定モードでは、画像処理部15が画像読取部13によって読み取られた画像データに応じて原稿がモノクロ原稿であるかカラー原稿であるかを判断する。そして、画像処理部15は、上記の判断結果に応じてモノクロ画像を印刷するかカラー画像を印刷するかを設定する。例えば、モノクロ原稿の場合にはモノクロ印刷を行い、カラー原稿の場合にはカラー印刷を行うように設定する。
「倍率」は、原稿の画像サイズに対するコピー画像(印刷画像)のサイズの倍率を設定するモードである。初期状態では、原稿の画像サイズに対して等倍(100%)のコピー画像を印刷するように設定されており、ユーザが必要に応じて所望する倍率に変更できるようになっている。
「濃度」は、コピー画像(印刷画像)を印刷する際の濃度を設定するモードである。初期状態では、原稿から読み取った画像の濃度に応じてコピー画像(印刷画像)の濃度を自動的に設定する自動設定モードに設定されている。自動設定モードでは、画像処理部15が画像読取部13によって読み取られた画像データに応じて原稿の画像の濃度を判断し、その判断結果に応じて、原稿の画像を記録材上に忠実に再現できるようにコピー画像(印刷画像)の濃度を設定する。
「白紙除去」は、複数枚の原稿をコピーする際、これら複数枚の原稿中に白紙原稿が含まれているか否かを判断し、含まれている場合に当該白紙原稿を除いてコピー処理を行う白紙除去処理を行うか否かを設定する項目である。初期状態では白紙除去がON(白紙除去処理を行う)に設定されており、ユーザが必要に応じてOFF(白紙除去処理を行わない)に変更できるようになっている。なお、本実施形態では、上記の白紙除去処理は、制御装置30の画像処理部34を用いて行われる。白紙原稿が含まれているか否かの判断方法は特に限定されるものではなく、従来から公知の種々の方法を用いることができる。例えば、画像処理部34は、原稿の画像データの各ページについて、ページ内の画像部分の画素数(下地色領域以外の画素数)を検出し、検出した画素数が予め設定される所定値以下であるページを白紙ページとして抽出する。そして、白紙ページについてはコピー処理(印刷処理)を行わず、白紙ページ以外のページのみをコピー処理する。
「傾き補正」は、原稿から読み取った画像データにおいて原稿の画像が所定方向に対して傾いているか否かを判断し、傾いている場合にその傾きを補正する傾き補正処理を行うか否かを設定する項目である。初期状態では傾き補正がON(傾き補正処理を行う)に設定されており、ユーザが必要に応じてOFF(傾き補正処理を行わない)に変更できるようになっている。なお、本実施形態では、上記の傾き補正処理は制御装置30の画像処理部34を用いて行われる。傾きの検出方法は特に限定されるものではなく、従来から公知の種々の方法を用いることができる。
「自動回転」は、原稿から読み取った画像データにおいて原稿の画像の向き(90度単位の向き)が画像データの向きと相違しているか否かを判断し、相違している場合にその向きを一致させるように画像データ中の原稿の画像を90度単位で回転させる自動回転処理を行うか否かを設定する項目である。初期状態では自動回転がON(自動回転処理を行う)に設定されており、ユーザが必要に応じてOFF(自動回転処理を行わない)に変更できるようになっている。なお、本実施形態では、上記の自動回転処理は制御装置30の画像処理部34を用いて行われる。自動回転処理の方法は特に限定されるものではなく、従来から公知の種々の方法を用いることができる。例えば、画像処理部34は、原稿の画像データの各ページについて、0°、90°、180°、および270°の4段階に回転させた画像データをそれぞれ生成し、これら各画像データに対してOCR処理(文字認識処理)を施す。そして、認識された文字数(OCR処理用の辞書データに登録されている文字との一致度が所定値以上である文字の数)が最も多い回転角度に対応する方向を原稿の正規の向きとして判断し、当該正規の向きと画像データの向きとを一致させるように原稿の画像データを回転させる。
「翻訳」は、原稿に含まれる文字の言語を所定の言語に翻訳し、原稿中の文字を翻訳結果に置換した画像を印刷する翻訳処理(翻訳コピー処理)を行うか否かを設定する項目である。初期状態では翻訳処理はOFF(翻訳処理を行わない)に設定されており、ユーザが必要に応じてON(翻訳処理を行う)に変更できるようになっている。なお、本実施形態では、上記の翻訳処理は画像処理装置50の画像処理部54を用いて行われる。翻訳処理の方法は特に限定されるものではなく、従来から公知の種々の方法を用いることができる。例えば、画像処理部54は、原稿の画像データに対してOCR処理を行い、OCR処理によって認識された文章を機械翻訳ソフトによって翻訳する。そして、原稿の画像データに含まれる文章を翻訳結果に応じた文書に置換した画像データを生成し、複合機10の画像形成部14はこの翻訳結果が反映された画像データに応じた画像を印刷する。なお、OCR処理による文章の抽出処理、抽出した文章の翻訳処理、および画像データ中の文章の置換処理のうちの1つ以上を他の装置で行ってもよい。例えば、翻訳処理をウェブ(Web)上で提供されている無料翻訳サービスなどを用いて行ってもよい。また、OCR処理および置換処理のうちの一方または両方を複合機10または制御装置30で行うようにしてもよい。
「赤目補正」は、原稿に含まれる写真に赤目現象(人や動物の瞳が赤色に写る現象)が生じている場合にそれを補正する赤目補正処理を行うか否かを設定するモードである。初期状態では赤目補正はOFF(赤目補正処理を行わない)に設定されており、ユーザが必要に応じてON(赤目補正処理を行う)に変更できるようになっている。なお、本実施形態では、上記の赤目補正処理は画像処理装置50の画像処理部54を用いて行われる。赤目補正処理の方法は特に限定されるものではなく、従来から公知の種々の方法を用いることができる。
その後、ウェブブラウザ部22は、S4で表示させた操作画面に対するユーザからのコピー条件(画像処理内容)の選択指示(各設定項目の設定指示)を受け付けるとともに(S5)、コピー開始指示(「コピー開始」ボタンの操作。複合処理の開始指示。)を受け付けたか否かを判断する(S6)。そして、コピー開始指示を受け付けていないと判断した場合、S5およびS6の処理を継続する。
一方、S6においてコピー開始指示を受け付けたと判断した場合、ウェブブラウザ部22は、その時点で設定されているコピー条件(画像処理内容)を示すコピー条件情報(処理内容情報)を生成し、コピー開始要求(複合処理の開始要求)とコピー条件情報とを通信部16を介して制御装置30に送信する(S7)。
制御装置30のウェブサーバ部35は、複合機10からコピー条件情報を受信すると(S34)、受信したコピー条件情報を外部アプリケーション部36に引き渡す。外部アプリケーション部36は、上記のコピー条件情報に基づいて画像データに適用すべき画像処理の内容を特定する(S35)。
また、外部アプリケーション部36は、画像処理情報記憶部39に記憶される画像処理情報テーブルに基づいて、S35で特定した画像処理を複合機10の画像処理部15によって実行可能か否かを判断する(S36)。
そして、S36において複合機10の画像処理部15によって実行可能であると判断した場合、外部アプリケーション部36はコピー命令(コピーAPIコール、処理命令)を生成してウェブサーバ部35に伝達し、ウェブサーバ部35はこのコピー命令を通信部31を介して複合機10に送信する(S37)。このコピー命令には、画像読取部13に原稿の読み取り処理を実行させ、画像処理部15にユーザが設定したコピー条件に応じた画像処理を実行させ、画像処理後の画像データに応じた画像の印刷処理を画像形成部14に行わせるための制御命令が含まれている。
一方、S36において複合機10の画像処理部15によって実行不可能であると判断した場合、外部アプリケーション部36はスキャン命令(スキャンAPIコール、処理命令)を生成してウェブサーバ部35に伝達し、ウェブサーバ部35はこのスキャン命令を通信部31を介して複合機10に送信する(S37)。このスキャン命令には、画像読取部13に原稿の読み取り処理を実行させ、読み取った画像データを所定の送信先(本実施形態では制御装置30)に送信させるための制御命令が含まれている。
複合機10のウェブブラウザ部22は、制御装置30から処理命令(コピー命令またはスキャン命令)を受信すると(S8)、受信した処理命令を制御アプリケーション部23に引き渡す。制御アプリケーション部23は、受信した処理命令がコピー命令であるか否かを判断する(S9)。
S9においてコピー命令であると判断した場合、制御アプリケーション部23は、コピーAPI23aを起動し、当該コピー命令に応じたコピー処理を実行させるための制御コマンドを生成して機器制御部21に伝達する。機器制御部21は、この制御コマンドに基づいて、画像読取部13を制御して原稿の読み取り処理を実行させ(S10)、画像処理部15を制御して画像読取部13が読み取った画像データにユーザが設定したコピー条件に応じた画像処理を実行させ(S11)、画像形成部14を制御して画像処理部15によって画像処理された画像データに応じた画像の印刷処理を行わせ(S12)、処理を終了する。
一方、S9においてコピー命令ではないと判断した場合(スキャン命令であると判断した場合)、制御アプリケーション部23は、スキャンAPI23bを起動し、当該スキャン命令に応じたスキャン処理を実行させるための制御コマンドを生成して機器制御部21に伝達する。機器制御部21は、この制御コマンドに基づいて、画像読取部13を制御して原稿の読み取り処理を実行させ(S13)、通信部16を制御して読み取った画像データをスキャン命令に応じた送信先(本実施形態では制御装置30)に送信させる(S14)。
制御装置30の外部アプリケーション部36は、複合機10から画像データを受信すると(S39)、画像処理情報記憶部39に記憶される画像処理情報テーブルに基づいて、S35で特定した画像処理を制御装置30の画像処理部34によって実行可能か否かを判断する(S40)。
S40において実行可能であると判断した場合、外部アプリケーション部36は、画像処理部34にS35で特定した画像処理を実行させ(S41)、画像処理後の画像データと当該画像データの印刷処理を画像形成部14に実行させるための印刷命令(印刷APIコール)とをウェブサーバ部35に伝達する。ウェブサーバ部35は、この画像データおよび印刷命令を、通信部31を介して複合機10に送信する(S44)。
一方、S40において実行不可能であると判断した場合、外部アプリケーション部36は、S39で受信した画像データとS35で特定した画像処理を画像処理装置50の画像処理部54に実行させるための画像処理命令とをウェブサーバ部35に伝達する。ウェブサーバ部35は、この画像データおよび画像処理命令を通信部31を介して画像処理装置50に送信する(S42)。
画像処理装置50の制御部52は、制御装置30から画像データと画像処理命令とを受信すると(S51)、当該画像データに対して当該画像処理命令に応じた画像処理を実行させ(S52)、通信部51を介して画像処理後の画像データを制御装置30に送信する(S53)。
制御装置30の外部アプリケーション部36は、画像処理装置50から画像処理後の画像データを受信すると(S43)、当該画像データの印刷処理を画像形成部14に実行させるための印刷命令(印刷APIコール)を生成し、ウェブサーバ部35に伝達する。ウェブサーバ部35は、画像処理装置50から受信した画像処理後の画像データと上記印刷命令とを、通信部31を介して複合機10に送信する(S44)。
複合機10のウェブブラウザ部22は、制御装置30から画像データおよび印刷命令を受信すると(S15)、その画像データおよび印刷命令を制御アプリケーション部23に引き渡す。制御アプリケーション部23は、プリントAPI23cを起動し、当該印刷命令に応じた印刷処理を実行させるための制御コマンドを生成して機器制御部21に伝達する。機器制御部21は、この制御コマンドに基づいて画像形成部14を制御し、S15で受信した画像データに応じた画像の印刷処理を行わせ(S16)、処理を終了する。
以上のように、本実施形態にかかる画像データ処理システム1では、複合機10がユーザからコピー条件選択指示(画像処理内容の選択指示)およびコピー開始指示(複合処理の開始指示)を受け付けたときに、選択されたコピー条件を示すコピー条件情報を制御装置30に送信する。また、制御装置30は、複合機10の画像処理部15、制御装置30の画像処理部34、および画像処理装置50の画像処理部54が実行可能な画像処理の内容と、当該画像処理を実行可能な画素内とを対応付けた画像処理情報テーブルを記憶した画像処理情報記憶部39を備えており、この画像処理情報テーブルに基づいて複合機10から受信したコピー条件情報に対応する画像処理を実行する装置を特定する。そして、特定した装置の画像処理部に画像処理を実行させ、画像処理後の画像データを複合機10に印刷させる。
これにより、例えば、制御装置30あるいは画像処理装置50において実行可能な画像処理機能に変更(更新・追加・廃止等)が生じた場合であっても、制御装置30に記憶させている画像処理情報テーブルの更新を行うだけでよく、複合機10に登録されている情報を更新する必要がないので、画像データ処理システム1において実行可能な最新の画像処理機能を複合機10から容易に利用することができる。また、画像処理をいずれの装置で行うかについては制御装置30が自動的に判断するので、ユーザは画像処理を実行する装置を指定する必要がない。したがって、柔軟性が高く、ユーザの使い勝手がよい画像データ処理システムを実現できる。
なお、本実施形態において、複合機10の画像処理部15で行う画像処理、制御装置30の画像処理部34で行う画像処理、および画像処理装置50の画像処理部54で行う画像処理を組み合わせて実行してもよい。この場合、制御装置30の制御部32(外部アプリケーション部36)が、図4のS40〜S43の処理に代えて、図6に示すS40a〜S40gの処理を行うようにすればよい。
すなわち、S39において制御装置30が複合機10から画像データを受信すると、外部アプリケーション部36は、この画像データに対して行う各画像処理の実行順序を決定する(S40a)。そして、外部アプリケーション部36は、次に行うべき画像処理を実行する装置(本実施形態では、制御装置30、画像処理装置50、または複合機10)を特定し(S40b)、特定した装置が自装置(制御装置30)であるか否かを判断する(S40c)。S40cにおいて自装置であると判断した場合、外部アプリケーション部36は、画像処理部34を制御して画像処理を実行させ(S40d)、S40gの処理に移行する。
一方、S40cにおいて自装置ではないと判断した場合、制御部32(外部アプリケーション部36)は、次の画像処理を実行する装置(画像処理装置50または複合機10)に画像データと当該装置に画像処理を実行させるための画像処理命令とを送信する(S40e)。
上記の次の画像処理を実行する装置(画像処理装置50または複合機10)は、制御装置30から画像データと画像処理命令とを受信すると(S51a)、当該装置の画像処理部(画像処理部54または画像処理部15)によって画像処理命令に応じた画像処理を実行し(S52a)、画像処理後の画像データを制御装置30に送信する(S53a)。
外部アプリケーション部36は、画像処理後の画像データを受信した場合(S40f)、およびS40dの画像処理が完了した場合、全ての画像処理が完了したか否かを判断する(S40g)。そして、未完了の画像処理が残っていると判断した場合、S40bの処理に戻る。一方、全ての画像処理が完了したと判断した場合には、印刷処理を画像形成部14に実行させるための印刷命令(印刷APIコール)を生成してウェブサーバ部35に伝達する。ウェブサーバ部35は、画像処理後の画像データと印刷命令とを通信部31を介して複合機10に送信する(S44)。
また、制御装置30が複合機10に画像データと当該画像データの印刷命令を送信する際、この印刷命令に印刷処理の実行を許可するユーザのユーザ認証情報(例えばユーザIDなど)を含めておき、ユーザ認証処理を行ってから印刷を実行するようにしてもよい。すなわち、複合機10を操作するユーザが入力するユーザ認証情報と印刷命令に含まれるユーザ認証情報とが一致する場合にのみ印刷処理の実行を許可するようにしてもよい。
例えば、S2で操作画面の送信要求を送信するとき、S7でコピー条件情報を送信するとき、またはS14でスキャンした画像データを送信するときに、複合機10を操作しているユーザのユーザ認証情報を複合機10から制御装置30に送信し、制御装置30がS44で複合機10に送信する印刷命令にこのユーザ認証情報を含めるようにしてもよい。なお、複合機10を操作しているユーザのユーザ認証情報の取得方法は特に限定されるものではなく、例えば、ユーザが入力部12aを操作して入力してもよく、ユーザの所持するICカードを複合機10に備えられるカードリーダ(図示せず)で読み込むことによって取得してもよい。
複合機10の制御部11(ウェブブラウザ部22)は、制御装置30から画像データとユーザ認証情報を含む印刷命令とを受信すると、これら各データを複合機10の記憶部(図示せず)に記憶させておく。そして、記憶させておいた印刷命令に含まれるユーザ認証情報と一致するユーザ認証情報が入力されたときに、当該印刷命令を制御アプリケーション部23に伝達し、当該印刷命令に応じた印刷処理を実行させる。
また、本実施形態では、「コピー部数」、「用紙サイズ」、「カラーモード」、「倍率」、および「濃度」の各設定項目に対応する画像処理を複合機10の画像処理部15が行い、「白紙除去」、「傾き補正」、および「自動回転」の各設定項目に対応する画像処理を制御装置30の画像処理部34が行い、「翻訳」および「赤目補正」の各設定項目に対応する画像処理を画像処理装置50の画像処理部54が行うものとしている。しかしながら、各画像処理を何れの装置に備えられる画像処理部が行うかはこれに限るものではなく、適宜変更してもよい。
また、本実施形態にかかる画像データ処理システム1において実行可能な画像処理は、図4に示した各画像処理に限るものではなく、図3に示した画像処理の一部または全部に代えて、あるいは、図4に示した各画像処理に加えて、複合機10の画像処理部15、制御装置30の画像処理部34、および画像処理装置50の画像処理部54のうちの1つ以上が、他の画像処理を実行可能な構成としてもよい。上記の他の画像処理としては、例えば、図5に示す各画像処理が挙げられる。
また、画像データ処理システム1に備えられる複数の装置が、共通の画像処理を実行可能であってもよい。この場合、当該画像処理を実行する装置を予め決めておいてもよい。あるいは、当該画像処理を実行可能な各装置のうち処理能力の最も高い装置に当該画像処理を実行させるようにしてもよい。また、当該画像処理を実行可能な各装置の動作状況(他の処理を実行中あるいは待機中であるか否か、処理待ちの処理の数など)を検出し、その検出結果に応じて、最も早く当該画像処理を実行できる装置に当該画像処理を実行させるようにしてもよい。また、当該画像処理を実行可能な複数の装置の中に、当該画像処理の対象である画像データの画像読取処理を実行する複合機10が含まれる場合には、当該複合機10に画像処理を実行させるようにしてもよい。
また、本実施形態では、制御装置(制御装置)30が、画像処理を実行する装置を決定する機能、および複合機10の装置機能を制御する機能に加えて、画像処理を実行する機能(画像処理部34)を備えている構成について説明したが、これに限るものではない。例えば、制御装置(制御装置)30が、画像処理を実行する機能(画像処理部34)を備えない構成としてもよい。この場合、画像データに対する画像処理は、複合機10の画像処理部15、または画像処理装置50の画像処理部54によって行われる。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について説明する。なお、説明の便宜上、実施形態1と同様の機能を有する部材については実施形態1と同じ符号を付し、その説明を省略する。
実施形態1では、図3のS44の処理において、制御装置30は、制御装置30の画像処理部34または画像処理装置50の画像処理部54における画像処理が完了次第、画像処理された画像データと当該画像データの印刷命令とを複合機10に送信していた。これに対して、本実施形態では、制御装置30の画像処理部34または画像処理装置50の画像処理部54で画像処理された画像データおよび当該画像データの印刷命令を、一旦、複合機10とは異なる他の装置(後述する印刷ジョブ管理サーバ70)に記憶させておく。そして、ユーザからの指示があったときに、上記画像データおよび上記印刷命令を複合機10に送信し、印刷処理を実行させる。
図7は本実施形態にかかる画像データ処理システム1bの構成を示す説明図である。この図に示すように、画像データ処理システム1bは、実施形態1における画像データ処理システム1の構成に加えて、通信ネットワーク100を介して他の装置と通信可能に接続された印刷ジョブ管理サーバ70を備えている。また、印刷ジョブ管理サーバ70は、通信部71、制御部72、および記憶部73を備えている。
通信部71は、通信ネットワーク100を介して接続された他の装置との通信を行うものである。
制御部72は、CPUや専用プロセッサなどの演算処理部、および、RAM、ROM、HDDなどの記憶手段(いずれも図示せず)などにより構成されるコンピュータ装置であり、上記記憶手段に記憶されている各種情報および各種制御を実施するためのプログラムを読み出して実行することで印刷ジョブ管理サーバ70の各部の動作を制御する。
記憶部73は、通信ネットワーク100を介して他の装置から受信した画像データおよびこの画像データを複合機10に印刷させるための印刷命令を記憶する。
図8は、画像データ処理システム1bにおける処理の流れを示すフローチャートである。なお、図8では、説明の便宜上、画像データ処理システム1bにおける処理のうち、実施形態1において図3に示した処理と異なる処理内容の部分のみを記載している。
制御装置30のウェブサーバ部35は、S41において自装置の画像処理部34に画像処理を行わせた後、およびS43において画像処理装置50から画像処理後の画像データを受信した後、画像処理後の画像データおよび当該画像データの印刷処理を実行させるための印刷命令を、通信部31を介して印刷ジョブ管理サーバ70に送信する(S91)。
印刷ジョブ管理サーバ70の制御部72は、通信部71を介して画像データおよび印刷命令を受信すると(S71)、受信した画像データおよび印刷命令を記憶部73に記憶させるとともに(S72)、画像データおよび印刷命令の受信処理および記憶処理が完了したことを示す受信・記憶完了通知を、通信部71を介して制御装置30に送信する(S73)。
制御装置30のウェブサーバ部35は、印刷ジョブ管理サーバ70から受信・記憶完了通知を受信すると(S92)、印刷準備が完了したことを示す印刷準備完了通知(出力準備完了通知)を、コピー開始指示を行ったユーザが予め指定した送信先(例えばユーザの電子メールアドレス等)に送信する(S93)。
なお、上記送信先の設定方法は特に限定されるものではなく、例えば、複合機10のユーザが任意のタイミングで入力部12aを介して送信先を示す送信先情報を入力し、それを複合機10のウェブブラウザ部22が制御装置30に送信するようにしてもよい。また、ユーザ認証情報と上記送信先を示す送信先情報とを対応付けて予め制御装置30、複合機10、あるいは通信ネットワーク100に接続された他の装置(例えばユーザ認証処理を行う認証サーバ)に記憶させておき、上記ユーザ認証情報を用いて複合機10を用いてコピー処理を行おうとするユーザのユーザ認証処理を行い、認証可であった場合に、制御装置30が上記送信先情報を記憶している装置から送信先情報を取得するようにしてもよい。
複合機10においてコピー開始指示を行ったユーザは、制御装置30から送信された印刷準備完了通知を、例えば自身の携帯端末装置あるいはパーソナルコンピュータ等により受信して確認した後、任意のタイミングで複合機10の入力部12aを介して印刷命令一覧の表示指示を入力する。
複合機10のウェブブラウザ部22は、入力部12aを介して入力される印刷命令一覧の表示指示を受け付けると(S81)、通信部16を介して、印刷ジョブ管理サーバ70に印刷命令一覧情報の送信要求を送信する(S82)。なお、印刷ジョブ管理サーバ70に上記送信要求を送信するための送信先情報は、予め複合機10の記憶部(図示せず)に記憶させておいてもよく、印刷準備完了通知に含めておき、ユーザが入力部12aを介して入力するようにしてもよい。
印刷ジョブ管理サーバ70の制御部72は、複合機10から送信された印刷命令一覧情報の送信要求を受信すると(S74)、記憶部73に記憶している印刷命令の一覧を示す印刷命令一覧情報を複合機10に送信する(S75)。
なお、複合機10から印刷ジョブ管理サーバ70に印刷命令一覧情報の送信要求を送信する際、当該送信要求を行うユーザを特定するための情報を送信要求と共に印刷ジョブ管理サーバ70に送信し、印刷ジョブ管理サーバ70の制御部72が記憶部73に記憶している印刷命令の中から当該ユーザに対応する印刷命令を抽出し、抽出した印刷命令の印刷命令一覧情報を複合機10に送信するようにしてもよい。
複合機10のウェブブラウザ部22は、印刷ジョブ管理サーバ70から送信された印刷命令一覧情報を受信すると(S83)、当該印刷命令一覧情報に対応する印刷命令の一覧を表示部12bに表示させる(S84)。そして、ウェブブラウザ部22は、入力部12aを介して入力される印刷命令の選択指示を受け付けると(S85)、選択指示された印刷命令の送信要求を印刷ジョブ管理サーバ70に送信する(S86)。
印刷ジョブ管理サーバ70の制御部72は、複合機10から送信された印刷命令の送信要求を受信すると(S76)、記憶部73から対応する印刷命令および画像データを読み出して複合機10に送信する(S77)。
複合機10のウェブブラウザ部22は、印刷ジョブ管理サーバ70から印刷命令および画像データを受信すると(S87)、受信した印刷命令および画像データを制御アプリケーション部23に伝達する。制御アプリケーション部23は、プリントAPI23cを起動し、当該印刷命令に応じた印刷処理を実行させるための制御コマンドを生成して機器制御部21に伝達する。機器制御部21は、この制御コマンドに基づいて画像形成部14を制御し、S87で受信した画像データに応じた画像の印刷処理を実行させ(S88)、処理を終了する。
なお、上記印刷命令に印刷処理の実行を許可するユーザのユーザ認証情報(例えばS6においてコピー開始指示を行ったユーザのユーザID)を含めておき、S87で印刷命令および画像データを受信した後、ユーザ認証処理を行ってから印刷処理を実行するようにしてもよい。この場合、複合機10がS87で受信した印刷命令および画像データは、複合機10の記憶部(図示せず)に一旦保存され、ユーザ認証処理が完了したときに上記記憶部から読み出されて印刷処理が実行される。
以上のように、本実施形態にかかる画像データ処理システム1bでは、画像処理後の画像データおよびこの画像データを印刷させるための印刷命令を印刷ジョブ管理サーバ70に一旦保存させるとともに、上記画像データを印刷可能であることを示す印刷準備完了通知をユーザの電子メールアドレスに送信する。
これにより、ユーザは、画像処理が完了した後、任意のタイミングで印刷処理を実行させることができる。したがって、例えば、画像処理に時間がかかる場合などに、一旦複合機の前を離れ、画像処理が完了した後の任意のタイミングで印刷を実行させることができる。
なお、本実施形態では、画像読取処理と印刷処理とを共通の複合機10で行っているが、これに限るものではない。例えば、ユーザが印刷準備完了通知を受け取った後、画像データに応じた画像を印刷することのできる任意の複合機あるいはプリンタ(印刷装置)から印刷ジョブ管理サーバ70にアクセスして印刷命令および画像データを取得し、印刷処理を実行するようにしてもよい。
また、本実施形態では、画像処理後の画像データおよび印刷命令を印刷ジョブ管理サーバ70に記憶させているが、これに限らず、例えば印刷ジョブ管理サーバ70の機能を制御装置30が実行するようにしてもよい。この場合、制御装置30は、図3のS41またはS43の処理によって取得した画像データおよび当該画像データの印刷処理を実行させるための印刷命令を記憶部33に記憶させるとともに、印刷準備完了通知をユーザが予め設定した送信先に送信する。そして、複合機10から印刷命令一覧情報の送信要求を受信したときに印刷命令一覧情報を応答し、複合機10から印刷命令の送信要求を受信したときに対応する印刷命令および画像データを応答する。
また、本実施形態では、印刷ジョブ管理サーバ70が制御装置30に印刷準備完了通知を送信し、制御装置30が受信・記憶完了通知をユーザが予め指定した送信先に送信しているが、これに限るものではない。例えば、制御装置30が画像データおよび印刷命令に加えてユーザが予め指定した送信先を示す送信先情報を印刷ジョブ管理サーバ70に送信し、印刷ジョブ管理サーバ70が、印刷準備完了通知を上記送信先に送信するようにしてもよい。
〔実施形態3〕
本発明のさらに他の実施形態について説明する。なお、説明の便宜上、実施形態1と同様の機能を有する部材については実施形態1と同じ符号を付し、その説明を省略する。
実施形態1,2では、複合処理における画像データの出力処理として画像形成部(画像データ出力処理部)14が画像データの印刷処理を行う場合について説明した。これに対して、本実施形態では、複合処理における画像データの出力処理として、通信部(画像データ出力処理部)16が画像データのFAX送信処理を行う場合について説明する。
図9は本実施形態にかかる画像データ処理システム1cの構成を示す説明図である。この図に示すように、画像データ処理システム1cは、実施形態1における画像データ処理システム1の構成に加えて、複合機10の制御部11に備えられる制御アプリケーション部23がFAX−API23dを備えている。
FAX−API23dは、制御装置30からFAX条件設定(解像度設定、カラー/モノクロ設定、送信先設定など)のデータとFAX処理(複合処理)の開始コマンド(複合処理命令)とを受信したときに、FAX条件設定に基づいてFAX処理(原稿読取処理およびFAX送信処理)を実行するように機器制御部21を制御する。
図10は画像データ処理システム1cにおけるFAX処理(複合処理)の流れを示すフローチャートである。
複合機10のウェブブラウザ部22は、操作部12を介してユーザからFAXモード(複合処理モード)の選択指示を受け付けると(S101)、通信部16を介して制御装置30にFAXモードの操作画面の送信要求を送信する(S102)。
制御装置30のウェブサーバ部35は、複合機10から操作画面の送信要求を受信すると(S131)、当該送信要求に対応する操作画面データ(操作画面のHTMLデータ)を画面情報記憶部37から読み出し(S132)、通信部31を介して複合機10に送信する(S133)。
複合機10のウェブブラウザ部22は、制御装置30から操作画面データを受信すると(S103)、表示部12bを制御して当該操作画面データに応じた操作画面を表示させる(S104)。この操作画面では、ユーザが、原稿サイズ、原稿の読取解像度、画像データに対する画像処理内容、FAX送信する画像データの解像度、FAX送信方式、送信先情報などのFAX条件を選択できるようになっている。
その後、ウェブブラウザ部22は、S104で表示させた操作画面に対するユーザからのFAX条件(画像処理内容)の選択指示(各設定項目の設定指示)を受け付けるとともに(S105)、FAX開始指示(「FAX開始」ボタンの操作。複合処理の開始指示。)を受け付けたか否かを判断する(S106)。そして、FAX開始指示を受け付けていないと判断した場合、S105およびS106の処理を継続する。
一方、S106においてFAX開始指示を受け付けたと判断した場合、ウェブブラウザ部22は、その時点で設定されているFAX条件(画像処理内容)を示すFAX条件情報(処理内容情報)を生成し、FAX開始要求(複合処理の開始要求)とFAX条件情報とを通信部16を介して制御装置30に送信する(S107)。
制御装置30のウェブサーバ部35は、複合機10からFAX条件情報を受信すると(S134)、受信したFAX条件情報を外部アプリケーション部36に引き渡す。外部アプリケーション部36は、上記のFAX条件情報に基づいて画像データに適用すべき画像処理の内容を特定する(S135)。
また、外部アプリケーション部36は、画像処理情報記憶部39に記憶される画像処理情報テーブルに基づいて、S135で特定した画像処理を複合機10の画像処理部15によって実行可能か否かを判断する(S136)。
そして、S136において複合機10の画像処理部15によって実行可能であると判断した場合、外部アプリケーション部36はFAX送信命令(FAX−APIコール、処理命令)を生成してウェブサーバ部35に伝達し、ウェブサーバ部35はこのFAX送信命令を通信部31を介して複合機10に送信する(S137)。このFAX送信命令には、画像読取部13に原稿の読み取り処理を実行させ、画像処理部15にユーザが設定したFAX条件に応じた画像処理を実行させ、画像処理後の画像データのFAX送信処理を通信部16に行わせるための制御命令が含まれている。
一方、S136において複合機10の画像処理部15によって実行不可能であると判断した場合、外部アプリケーション部36はスキャン命令(スキャンAPIコール、処理命令)を生成してウェブサーバ部35に伝達し、ウェブサーバ部35はこのスキャン命令を通信部31を介して複合機10に送信する(S137)。このスキャン命令には、画像読取部13に原稿の読み取り処理を実行させ、読み取った画像データを所定の送信先(本実施形態では制御装置30)に送信させるための制御命令が含まれている。
複合機10のウェブブラウザ部22は、制御装置30から処理命令(FAX送信命令またはスキャン命令)を受信すると(S108)、受信した処理命令を制御アプリケーション部23に引き渡す。制御アプリケーション部23は、受信した処理命令がFAX送信命令であるか否かを判断する(S109)。
S109においてFAX送信命令であると判断した場合、制御アプリケーション部23は、FAX−API23dを起動し、当該FAX送信命令に応じたFAX送信処理を実行させるための制御コマンドを生成して機器制御部21に伝達する。機器制御部21は、この制御コマンドに基づいて、画像読取部13を制御して原稿の読み取り処理を実行させ(S110)、画像処理部15を制御して画像読取部13が読み取った画像データにユーザが設定したFAX条件に応じた画像処理を実行させ(S111)、通信部16を制御して画像処理部15によって画像処理された画像データのユーザが設定したFAX条件に応じた送信先へのFAX送信処理を行わせ(S112)、処理を終了する。
一方、S109においてFAX送信命令ではないと判断した場合(スキャン命令であると判断した場合)、制御アプリケーション部23は、スキャンAPI23bを起動し、当該スキャン命令に応じたスキャン処理を実行させるための制御コマンドを生成して機器制御部21に伝達する。機器制御部21は、この制御コマンドに基づいて、画像読取部13を制御して原稿の読み取り処理を実行させ(S113)、通信部16を制御して読み取った画像データをスキャン命令に応じた送信先(本実施形態では制御装置30)に送信させる(S114)。
制御装置30の外部アプリケーション部36は、複合機10から画像データを受信すると(S139)、画像処理情報記憶部39に記憶される画像処理情報テーブルに基づいて、S135で特定した画像処理を制御装置30の画像処理部34によって実行可能か否かを判断する(S140)。
S140において実行可能であると判断した場合、外部アプリケーション部36は、画像処理部34にS135で特定した画像処理を実行させ(S141)、画像処理後の画像データと当該画像データのFAX送信処理を通信部16に実行させるためのFAX送信命令(FAX−APIコール)とをウェブサーバ部35に伝達する。ウェブサーバ部35は、この画像データおよびFAX送信命令を、通信部31を介して複合機10に送信する(S144)。
一方、S140において実行不可能であると判断した場合、外部アプリケーション部36は、S139で受信した画像データとS135で特定した画像処理を画像処理装置50の画像処理部54に実行させるための画像処理命令とをウェブサーバ部35に伝達する。ウェブサーバ部35は、この画像データおよび画像処理命令を通信部31を介して画像処理装置50に送信する(S142)。
画像処理装置50の制御部52は、制御装置30から画像データと画像処理命令とを受信すると(S151)、当該画像データに対して当該画像処理命令に応じた画像処理を実行させ(S152)、通信部51を介して画像処理後の画像データを制御装置30に送信する(S153)。
制御装置30の外部アプリケーション部36は、画像処理装置50から画像処理後の画像データを受信すると(S143)、当該画像データのFAX送信処理を通信部16に実行させるためのFAX送信命令(FAX−APIコール)を生成し、ウェブサーバ部35に伝達する。ウェブサーバ部35は、画像処理装置50から受信した画像処理後の画像データと上記FAX送信命令とを、通信部31を介して複合機10に送信する(S144)。
複合機10のウェブブラウザ部22は、制御装置30から画像データおよびFAX送信命令を受信すると(S115)、その画像データおよびFAX送信命令を制御アプリケーション部23に引き渡す。制御アプリケーション部23は、FAX−API23dを起動し、当該FAX送信命令に応じたFAX送信処理を実行させるための制御コマンドを生成して機器制御部21に伝達する。機器制御部21は、この制御コマンドに基づいて通信部16を制御し、S115で受信した画像データのFAX送信処理を行わせ(S116)、処理を終了する。
〔実施形態4〕
本発明のさらに他の実施形態について説明する。なお、説明の便宜上、実施形態1と同様の機能を有する部材については実施形態1と同じ符号を付し、その説明を省略する。
実施形態1,2では、複合処理における画像データの出力処理として画像形成部(画像データ出力処理部)14が画像データの印刷処理を行う場合について説明した。また、実施形態3では、複合処理における画像データの出力処理として通信部(画像データ出力処理部)16が画像データのFAX送信処理を行う場合について説明した。これに対して、本実施形態では、複合機が、複合処理における画像データの出力処理として、画像データのファイリング処理を行う場合について説明する。
図11は本実施形態にかかる画像データ処理システム1dの構成を示す説明図である。この図に示すように、画像データ処理システム1dは、実施形態1における画像データ処理システム1の構成に加えて、ファイリングAPI23e、画像記憶処理部17、および画像記憶部18を備えている。
ファイリングAPI23eは、複合機10の制御部11における制御アプリケーション部23に備えられている。ファイリングAPI23eは、制御装置30からファイリング条件設定(解像度設定、カラー/モノクロ設定、ファイリング先設定など)のデータとファイリング処理(複合処理)の開始コマンド(複合処理命令)とを受信したときに、ファイリング条件設定に基づいてファイリング処理(原稿読取処理およびファイリング処理)を実行するように機器制御部21を制御する。
画像記憶処理部17は、画像記憶部18に対する画像データの書き込み処理、および画像記憶部18からの画像データの読み出し処理を行う。
画像記憶部18は、画像データを記憶する記憶媒体である。上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。なお、本実施形態では、画像記憶部18が複合機10の内部に備えられている構成について説明するが、これに限るものではない。例えば、画像記憶部18は、複合機10に対して着脱可能に装着されるものであってもよく、複合機10と通信可能に接続される装置に備えられるものであってもよい。
図10は画像データ処理システム1dにおけるファイリング処理(複合処理)の流れを示すフローチャートである。
複合機10のウェブブラウザ部22は、操作部12を介してユーザからファイリングモード(複合処理モード)の選択指示を受け付けると(S201)、通信部16を介して制御装置30にファイリングモードの操作画面の送信要求を送信する(S202)。
制御装置30のウェブサーバ部35は、複合機10から操作画面の送信要求を受信すると(S231)、当該送信要求に対応する操作画面データ(操作画面のHTMLデータ)を画面情報記憶部37から読み出し(S232)、通信部31を介して複合機10に送信する(S233)。
複合機10のウェブブラウザ部22は、制御装置30から操作画面データを受信すると(S203)、表示部12bを制御して当該操作画面データに応じた操作画面を表示させる(S204)。この操作画面では、ユーザが、原稿サイズ、原稿の読取解像度、画像データに対する画像処理内容、ファイリングする画像データの解像度、ファイリングする画像データのデータ形式、ファイリング先情報などのファイリング条件を選択できるようになっている。
その後、ウェブブラウザ部22は、S204で表示させた操作画面に対するユーザからのファイリング条件(画像処理内容)の選択指示(各設定項目の設定指示)を受け付けるとともに(S205)、ファイリング開始指示(「ファイリング開始」ボタンの操作。複合処理の開始指示。)を受け付けたか否かを判断する(S206)。そして、ファイリング開始指示を受け付けていないと判断した場合、S205およびS206の処理を継続する。
一方、S206においてファイリング開始指示を受け付けたと判断した場合、ウェブブラウザ部22は、その時点で設定されているファイリング条件(画像処理内容)を示すファイリング条件情報(処理内容情報)を生成し、ファイリング開始要求(複合処理の開始要求)とファイリング条件情報とを通信部16を介して制御装置30に送信する(S207)。
制御装置30のウェブサーバ部35は、複合機10からファイリング条件情報を受信すると(S234)、受信したファイリング条件情報を外部アプリケーション部36に引き渡す。外部アプリケーション部36は、上記のファイリング条件情報に基づいて画像データに適用すべき画像処理の内容を特定する(S235)。
また、外部アプリケーション部36は、画像処理情報記憶部39に記憶される画像処理情報テーブルに基づいて、S235で特定した画像処理を複合機10の画像処理部15によって実行可能か否かを判断する(S236)。
そして、S236において複合機10の画像処理部15によって実行可能であると判断した場合、外部アプリケーション部36はファイリング命令(ファイリング−APIコール、処理命令)を生成してウェブサーバ部35に伝達し、ウェブサーバ部35はこのファイリング命令を通信部31を介して複合機10に送信する(S237)。このファイリング命令には、画像読取部13に原稿の読み取り処理を実行させ、画像処理部15にユーザが設定したファイリング条件に応じた画像処理を実行させ、画像処理後の画像データのファイリング処理を画像記憶処理部17に行わせるための制御命令が含まれている。
一方、S236において複合機10の画像処理部15によって実行不可能であると判断した場合、外部アプリケーション部36はスキャン命令(スキャンAPIコール、処理命令)を生成してウェブサーバ部35に伝達し、ウェブサーバ部35はこのスキャン命令を通信部31を介して複合機10に送信する(S237)。このスキャン命令には、画像読取部13に原稿の読み取り処理を実行させ、読み取った画像データを所定の送信先(本実施形態では制御装置30)に送信させるための制御命令が含まれている。
複合機10のウェブブラウザ部22は、制御装置30から処理命令(ファイリング命令またはスキャン命令)を受信すると(S208)、受信した処理命令を制御アプリケーション部23に引き渡す。制御アプリケーション部23は、受信した処理命令がファイリング命令であるか否かを判断する(S209)。
S209においてファイリング命令であると判断した場合、制御アプリケーション部23は、ファイリング−API23eを起動し、当該ファイリング命令に応じたファイリング処理を実行させるための制御コマンドを生成して機器制御部21に伝達する。機器制御部21は、この制御コマンドに基づいて、画像読取部13を制御して原稿の読み取り処理を実行させ(S210)、画像処理部15を制御して画像読取部13が読み取った画像データにユーザが設定したファイリング条件に応じた画像処理を実行させ(S211)、画像記憶処理部17を制御して画像処理部15によって画像処理された画像データのユーザが設定したファイリング条件に応じたファイリング先へのファイリング処理を行わせ(S212)、処理を終了する。
一方、S209においてファイリング命令ではないと判断した場合(スキャン命令であると判断した場合)、制御アプリケーション部23は、スキャンAPI23bを起動し、当該スキャン命令に応じたスキャン処理を実行させるための制御コマンドを生成して機器制御部21に伝達する。機器制御部21は、この制御コマンドに基づいて、画像読取部13を制御して原稿の読み取り処理を実行させ(S213)、通信部16を制御して読み取った画像データをスキャン命令に応じた送信先(本実施形態では制御装置30)に送信させる(S214)。
制御装置30の外部アプリケーション部36は、複合機10から画像データを受信すると(S239)、画像処理情報記憶部39に記憶される画像処理情報テーブルに基づいて、S235で特定した画像処理を制御装置30の画像処理部34によって実行可能か否かを判断する(S240)。
S240において実行可能であると判断した場合、外部アプリケーション部36は、画像処理部34にS235で特定した画像処理を実行させ(S241)、画像処理後の画像データと当該画像データのファイリング処理を画像記憶処理部17に実行させるためのファイリング命令(ファイリング−APIコール)とをウェブサーバ部35に伝達する。ウェブサーバ部35は、この画像データおよびファイリング命令を、通信部31を介して複合機10に送信する(S244)。
一方、S240において実行不可能であると判断した場合、外部アプリケーション部36は、S239で受信した画像データとS235で特定した画像処理を画像処理装置50の画像処理部54に実行させるための画像処理命令とをウェブサーバ部35に伝達する。ウェブサーバ部35は、この画像データおよび画像処理命令を通信部31を介して画像処理装置50に送信する(S242)。
画像処理装置50の制御部52は、制御装置30から画像データと画像処理命令とを受信すると(S251)、当該画像データに対して当該画像処理命令に応じた画像処理を実行させ(S252)、通信部51を介して画像処理後の画像データを制御装置30に送信する(S253)。
制御装置30の外部アプリケーション部36は、画像処理装置50から画像処理後の画像データを受信すると(S243)、当該画像データのファイリング処理を画像記憶処理部17に実行させるためのファイリング命令(ファイリング−APIコール)を生成し、ウェブサーバ部35に伝達する。ウェブサーバ部35は、画像処理装置50から受信した画像処理後の画像データと上記ファイリング命令とを、通信部31を介して複合機10に送信する(S244)。
複合機10のウェブブラウザ部22は、制御装置30から画像データおよびファイリング命令を受信すると(S215)、その画像データおよびファイリング命令を制御アプリケーション部23に引き渡す。制御アプリケーション部23は、ファイリング−API23eを起動し、当該ファイリング命令に応じたファイリング処理を実行させるための制御コマンドを生成して機器制御部21に伝達する。機器制御部21は、この制御コマンドに基づいて画像記憶処理部17を制御し、S215で受信した画像データのファイリング処理を行わせ(S216)、処理を終了する。
なお、上記各実施形態では、複合処理モードが選択される毎に複合機10から制御装置30に操作画面の送信要求を行うものとしたが、これに限るものではない。例えば、複合機10が各モードを初回に実行する際に制御装置30から受信した操作画面データを記憶しておき、当該モードを次回以降に実行する際には自身に記憶しておいて操作画面データに基づいて操作画面を表示させるようにしてもよい。
図13は、実施形態1に示したコピーモードの処理において、操作画面データを複合機10に記憶させておく場合の処理の流れを示すフローチャートである。なお、図13では、説明の便宜上、実施形態1における図3の処理と異なる点のみを記載している。
複合機10のウェブブラウザ部22は、操作部12を介してユーザからコピーモード(複合処理モード)の選択指示を受け付けると(S1)、コピーモードの操作画面データを複合機10の記憶部(図示せず)に記憶しているか否かを判断する(S1a)。そして、記憶している場合には、その操作画面データを読み出し(S1a)、表示部12bを制御して当該操作画面データに応じた操作画面を表示させ(S4)、S5以降の処理を行う。S5以降の処理については実施形態1と同様である。
一方、S1aにおいてコピーモードの操作画面データを記憶していないと判断した場合、ウェブブラウザ部22は、通信部16を介して制御装置30にコピーモードの操作画面の送信要求を送信する(S2)。
制御装置30のウェブサーバ部35は、複合機10から操作画面の送信要求を受信すると(S31)、当該送信要求に対応する操作画面データ(操作画面のHTMLデータ)を画面情報記憶部37から読み出し(S32)、通信部31を介して複合機10に送信する(S33)。
複合機10のウェブブラウザ部22は、制御装置30から操作画面データを受信すると(S3)、受信した操作画面データを複合機10の記憶部(図示せず)に記憶させるとともに(S3a)、表示部12bを制御して当該操作画面データに応じた操作画面を表示させ(S4)、S5以降の処理を行う。S5以降の処理については実施形態1と同様である。
なお、複合機10の画像記憶部18に記憶させた操作画面データを、所定のタイミング毎(例えば、複合機10の電源がオフにされたとき、連携操作モードが解除されたとき、当操作画面データを記憶させてから所定期間が経過したとき、あるいは制御装置30から画像処理装置50において実行可能な画像処理内容の更新を行った旨の通知を受けたときなど)に消去するようにしてもよい。これにより、操作画面データを適当な頻度で更新することができる。
また、上記各実施形態において、複合機10から制御装置30に操作画面の送信要求を行う際、複合機10が操作画面の操作要求とともにユーザの識別情報を送信し、制御装置30がユーザに応じた操作画面を複合機10に送信するようにしてもよい。例えば、制御装置30のウェブサーバ部35が、ユーザの選択したモードに応じた操作画面であって、ユーザに利用権限のある画像処理内容に対応する操作画面を複合機10に送信するようにしてもよい。
図14は、実施形態1に示したコピーモードの処理において、複合機10から制御装置30に操作画面の送信要求を行う際、複合機10が操作画面の操作要求とともにユーザの識別情報を送信し、制御装置30がユーザに応じた操作画面を複合機10に送信する場合の処理の流れを示すフローチャートである。なお、図14では、説明の便宜上、実施形態1における図3の処理と異なる点のみを記載している。
複合機10のウェブブラウザ部22は、まず、ユーザの識別情報(ユーザID)を受け付ける(S01)。例えば、ユーザが操作部12を用いてユーザ識別情報を入力するようにしてもよく、ユーザが所持するメモリカード等に記憶されたユーザ識別情報を読み出すようにしてもよい。
次に、複合機10のウェブブラウザ部22は、操作部12を介してユーザからコピーモード(複合処理モード)の選択指示を受け付ける(S1)。なお、S01の処理とS1の処理とは順序が逆であってもよく、並行して行ってもよい。
その後、複合機10のウェブブラウザ部22は、通信部16を介して制御装置30にコピーモードの操作画面の送信要求およびユーザ識別情報を送信する(S2)。
制御装置30のウェブサーバ部35は、複合機10から操作画面の送信要求およびユーザ識別情報を受信すると(S31b)、当該送信要求に対応する操作画面データ(操作画面のHTMLデータ)のうち、ユーザ識別情報に対応するユーザが利用権限を有する画像処理内容に対応する操作画面データを画面情報記憶部37から読み出し(S32b)、通信部31を介して複合機10に送信する(S33)。すなわち、画面情報記憶部37には、画像データ処理システム1において実行可能な画像処理(複合機10の画像処理部15、制御装置30の画像処理部34、または画像処理装置50の画像処理部54において実行可能な画像処理)が、当該画像処理の実行を許可するユーザのユーザ識別情報と対応付けて予め記憶されている。そして、ウェブサーバ部35は、ユーザが選択したモード(複合処理モード)に対応する操作画面データのうち、ユーザ識別情報に対応するユーザが利用権限を有する画像処理内容に対応する操作画面データを画面情報記憶部37から読み出す。なお、ウェブサーバ部35が、画面情報記憶部37から読み出した操作画面データをユーザ識別情報に対応するユーザが利用権限を有する画像処理内容に応じて編集するようにしてもよい。
複合機10のウェブブラウザ部22は、制御装置30から操作画面データを受信すると(S3)、表示部12bを制御して当該操作画面データに応じた操作画面を表示させ(S4)、S5以降の処理を行う。S5以降の処理については実施形態1と同様である。
また、上記各実施形態において、画像処理を画像処理装置50の画像処理部54において行う場合に、画像処理の実行に先立ってユーザが当該画像処理(あるいは当該画像処理装置50)の利用権限を有しているか否かを確認するようにしてもよい。
図15は、実施形態1に示したコピーモードの処理において、画像処理を画像処理装置50の画像処理部54において行う場合に、画像処理の実行に先立ってユーザが当該画像処理の利用権限を有しているか否かを確認する場合の処理の流れを示すフローチャートである。なお、図15では、説明の便宜上、実施形態1における図3の処理と異なる点のみを記載している。
図3に示したS9の処理においてコピー命令ではないと判断した場合(スキャン命令であると判断した場合)、制御アプリケーション部23は、スキャンAPI23bを起動し、当該スキャン命令に応じたスキャン処理、ユーザ識別情報の取得処理、および画像データおよびユーザ識別情報の送信処理を実行させるための制御コマンドを生成して機器制御部21に伝達する。機器制御部21は、この制御コマンドに基づいて、画像読取部13を制御して原稿の読み取り処理を実行させるとともに(S13)、操作部12を制御してユーザの識別情報(ユーザID)を取得し(S13b)、通信部16を制御してS13で読み取った画像データおよびS13bで取得したユーザ識別情報をスキャン命令に応じた送信先(本実施形態では制御装置30)に送信させる(S14b)。
なお、ユーザ識別情報の取得方法は特に限定されるものではない。例えば、ユーザが操作部12を用いてユーザ識別情報を入力するようにしてもよく、ユーザが所持するメモリカード等に記憶されたユーザ識別情報を読み出すようにしてもよい。また、ユーザ識別情報の取得タイミングも上記のタイミングに限るものではなく、S13の処理よりも前にユーザ識別情報の取得処理を行って複合機10の記憶部(図示せず)に記憶させておき、S13bにおいてそれを読み出すようにしてもよい。
制御装置30の外部アプリケーション部36は、複合機10から画像データおよびユーザ識別情報を受信すると(S39b)、画像処理情報記憶部39に記憶される画像処理情報テーブルに基づいて、S35で特定した画像処理を制御装置30の画像処理部34によって実行可能か否かを判断する(S40)。
S40において実行可能であると判断した場合、外部アプリケーション部36は、画像処理部34にS35で特定した画像処理を実行させ(S41)、画像処理後の画像データと当該画像データの印刷処理を画像形成部14に実行させるための印刷命令(印刷APIコール)とをウェブサーバ部35に伝達する。ウェブサーバ部35は、この画像データおよび印刷命令を、通信部31を介して複合機10に送信する(S44)。
一方、S40において実行不可能であると判断した場合、外部アプリケーション部36は、S39bで受信したユーザ識別情報と、予め記憶している画像処理装置50の画像処理機能を利用する権限を有するユーザのユーザ識別情報とを比較することにより、複合機10のユーザが画像処理装置50の画像処理機能を利用する権限を有しているか否かを判断する(S40b)。例えば、各画像処理装置50について利用権限を有する各ユーザのユーザ識別情報を記憶しておき、複合機10から受信したユーザ識別情報に応じて、当該ユーザが利用権限を有する画像処理装置50があるか否かを判断してもよい。また、各画像処理装置50について利用権限を有するユーザが属するグループ(例えば、利用契約を締結しているユーザである「ライセンスユーザ」、試用中のユーザである「お試しユーザ」などのグループ)を記憶しておき、複合機10から受信したユーザ識別情報に応じて、当該ユーザが利用権限を有する画像処理装置50があるか否かを判断してもよい。
そして、S40bにおいて複合機10のユーザが画像処理装置50の画像処理機能を利用する権限を有していると判断した場合、外部アプリケーション部36は、S39bで受信した画像データとS35で特定した画像処理を画像処理装置50の画像処理部54に実行させるための画像処理命令とをウェブサーバ部35に伝達する。ウェブサーバ部35は、この画像データおよび画像処理命令を通信部31を介して画像処理装置50に送信する(S42)。
画像処理装置50の制御部52は、制御装置30から画像データと画像処理命令とを受信すると(S51)、当該画像データに対して当該画像処理命令に応じた画像処理を実行させ(S52)、通信部51を介して画像処理後の画像データを制御装置30に送信する(S53)。
制御装置30の外部アプリケーション部36は、画像処理装置50から画像処理後の画像データを受信すると(S43)、当該画像データの印刷処理を画像形成部14に実行させるための印刷命令(印刷APIコール)を生成し、ウェブサーバ部35に伝達する。ウェブサーバ部35は、画像処理装置50から受信した画像処理後の画像データと上記印刷命令とを、通信部31を介して複合機10に送信する(S44)。
一方、S40bにおいて複合機10のユーザが画像処理装置50の画像処理機能を利用する権限を有していないと判断した場合、外部アプリケーション部36は、エラー表示画面を生成し、通信部31を介して複合機10に送信する(S40c)。上記のエラー表示画面には、例えば、エラーが生じたことを示す表示と、コピー処理を中止した旨の表示とが含まれる。なお、画面情報記憶部37に予め想定されるエラー内容に対応するエラー表示画面の画面データを記憶させておき、外部アプリケーション部36がそれを読み出すようにしてもよい。
複合機10のウェブブラウザ部22は、制御装置30からデータを受信すると(S15b)、受信したデータがエラー画面データであるか否かを判定する(S15c)。
そして、エラー画面データを受信したと判断した場合、ウェブブラウザ部22は、表示部12bにエラー画面を表示させ(S15d)、処理を終了する。
一方、受信したデータがエラー画面データではないと判断した場合、すなわち画像データおよび印刷命令を受信した場合、ウェブブラウザ部22は、受信した画像データおよび印刷命令を制御アプリケーション部23に引き渡す。制御アプリケーション部23は、プリントAPI23cを起動し、当該印刷命令に応じた印刷処理を実行させるための制御コマンドを生成して機器制御部21に伝達する。機器制御部21は、この制御コマンドに基づいて画像形成部14を制御し、S15bで受信した画像データに応じた画像の印刷処理を行わせ(S16)、処理を終了する。
また、上記各実施形態において、ユーザが選択した画像処理内容に対応する画像処理を複数の画像処理装置50において実行可能な場合に、ユーザに応じて画像処理を実行させる画像処理装置50を選択するようにしてもよい。
図16は、図15に示したコピーモードの処理において、ユーザが選択した画像処理内容に対応する画像処理を複数の画像処理装置50において実行可能な場合に、ユーザに応じて画像処理を実行させる画像処理装置50を選択する場合の処理の流れを示すフローチャートである。なお、説明の便宜上、図153の処理と異なる点について説明する。
S40においてS35で特定した画像処理を制御装置30の画像処理部34によって実行不可能であると判断した場合、外部アプリケーション部36は、S39bで受信したユーザ識別情報と、予め記憶している通信ネットワーク100を介して接続された各画像処理装置50の画像処理機能を利用する権限を有するユーザのユーザ識別情報とを比較することにより、S35で特定した画像処理を実行可能であり、かつユーザが利用権限を有する画像処理装置50があるか否かを判断する(S40d)。例えば、各画像処理装置50について利用権限を有する各ユーザのユーザ識別情報を記憶しておき、複合機10から受信したユーザ識別情報に応じて、当該ユーザが利用権限を有する画像処理装置50があるか否かを判断してもよい。また、各画像処理装置50について利用権限を有するユーザが属するグループ(例えば、利用契約を締結しているユーザである「ライセンスユーザ」、試用中のユーザである「お試しユーザ」などのグループ)を記憶しておき、複合機10から受信したユーザ識別情報に応じて、当該ユーザが利用権限を有する画像処理装置50があるか否かを判断してもよい。
そして、S40dにおいて、S35で特定した画像処理を実行可能であり、かつユーザが利用権限を有する画像処理装置50がないと判断した場合、外部アプリケーション部36は、エラー表示画面を生成し、通信部31を介して複合機10に送信する(S40c)。上記のエラー表示画面には、例えば、エラーが生じたことを示す表示と、コピー処理を中止した旨の表示とが含まれる。なお、画面情報記憶部37に予め想定されるエラー内容に対応するエラー表示画面の画面データを記憶させておき、外部アプリケーション部36がそれを読み出すようにしてもよい。
一方、S40dにおいて、S35で特定した画像処理を実行可能であり、かつユーザが利用権限を有する画像処理装置50があると判断した場合、外部アプリケーション部36は、画像処理を実行可能であり、かつユーザが利用権限を有する画像処理装置50が複数あるか否かを判断する(S40e)。
例えば、ユーザが利用権限を有する画像処理装置50をまず検出し、検出された画像処理装置50の中からS35で特定した画像処理を実行可能な画像処理装置50を検出するようにしてもよい。あるいは、S35で特定した画像処理を実行可能な画像処理装置50をまず検出し、検出された画像処理装置50の中からユーザが利用権限を有する画像処理装置50を検出するようにしてもよい。
そして、S40eにおいて、S35で特定した画像処理を実行可能であり、かつユーザが利用権限を有する画像処理装置50が1台のみであると判断した場合、外部アプリケーション部36は、S39bで受信した画像データとS35で特定した画像処理を画像処理装置50の画像処理部54に実行させるための画像処理命令とをウェブサーバ部35に伝達する。ウェブサーバ部35は、この画像データおよび画像処理命令を通信部31を介して画像処理装置50に送信する(S42)。
一方、S40eにおいて、S35で特定した画像処理を実行可能であり、かつユーザが利用権限を有する画像処理装置50が複数存在すると判断した場合、外部アプリケーション部36は、それら複数の画像処理装置50の中からユーザ属性に応じた画像処理装置50を選択する(S40f)。
例えば、複数の画像処理装置50が同種の画像処理を実行可能である場合、それら複数の画像処理装置50に優先順位を設定しておく。そして、S35で特定した画像処理を実行可能であり、かつユーザが利用権限を有する画像処理装置50のうち、優先順位の最も高い画像処理装置50を選択する。上記の優先順位の設定方法は特に限定されるものではなく、例えば、画像処理の処理能力に応じた順であってもよく、利用料金に応じた順であってもよく、ユーザが予め選択した順であってもよい。
例えば、S35で特定した画像処理を実行可能な画像処理装置50をまず検出し、検出された画像処理装置50のうち、優先順位の高いものから順に複合機10のユーザが当該画像処理装置50の利用権限を有しているか否かを判断していき、最初に利用権限を有していると判断した画像処理装置50を選択するようにしてもよい。あるいは、S35で特定した画像処理を実行可能な画像処理装置50をまず検出し、検出された各画像処理装置50の中から複合機10のユーザが利用権限を有している画像処理装置50を抽出し、抽出された画像処理装置50の中から優先順位の最も高い画像処理装置50を選択するようにしてもよい。
そして、外部アプリケーション部36は、S40fで選択した画像処理装置50を特定するための情報と、S39bで受信した画像データとS35で特定した画像処理を画像処理装置50の画像処理部54に実行させるための画像処理命令とをウェブサーバ部35に伝達する。ウェブサーバ部35は、この画像データおよび画像処理命令を通信部31を介してS40fで選択した画像処理装置50に送信する(S42)。
画像処理装置50の制御部52は、制御装置30から画像データと画像処理命令とを受信すると(S51)、当該画像データに対して当該画像処理命令に応じた画像処理を実行させ(S52)、通信部51を介して画像処理後の画像データを制御装置30に送信する(S53)。
制御装置30の外部アプリケーション部36は、画像処理装置50から画像処理後の画像データを受信すると(S43)、当該画像データの印刷処理を画像形成部14に実行させるための印刷命令(印刷APIコール)を生成し、ウェブサーバ部35に伝達する。ウェブサーバ部35は、画像処理装置50から受信した画像処理後の画像データと上記印刷命令とを、通信部31を介して複合機10に送信する(S44)。
複合機10のウェブブラウザ部22は、制御装置30からデータを受信すると(S15b)、受信したデータがエラー画面データであるか否かを判定する(S15c)。
そして、エラー画面データを受信したと判断した場合、ウェブブラウザ部22は、表示部12bにエラー画面を表示させ(S15d)、処理を終了する。
一方、受信したデータがエラー画面データではないと判断した場合、すなわち画像データおよび印刷命令を受信した場合、ウェブブラウザ部22は、受信した画像データおよび印刷命令を制御アプリケーション部23に引き渡す。制御アプリケーション部23は、プリントAPI23cを起動し、当該印刷命令に応じた印刷処理を実行させるための制御コマンドを生成して機器制御部21に伝達する。機器制御部21は、この制御コマンドに基づいて画像形成部14を制御し、S15bで受信した画像データに応じた画像の印刷処理を行わせ(S16)、処理を終了する。
また、上記各実施形態において、複合機10、制御装置30、および画像処理装置50に備えられる各部(各ブロック)、特に、複合機10の制御部11および/または画像処理部15、制御装置30の制御部32および/または画像処理部34、画像処理装置50の制御部52および/または画像処理部54を、CPU等のプロセッサを用いてソフトウェアによって実現してもよい。この場合、複合機10、制御装置30、および画像処理装置50は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである複合機10、制御装置30、および画像処理装置50の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、複合機10、制御装置30、および画像処理装置50に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによって達成される。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、複合機10、制御装置30、および画像処理装置50を通信ネットワークと接続可能に構成し、通信ネットワークを介して上記プログラムコードを供給してもよい。この通信ネットワークの構成は特に限定されるものではなく、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体についても特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
また、複合機10、制御装置30、および画像処理装置50の各ブロックは、ソフトウェアを用いて実現されるものに限らず、ハードウェアロジックによって構成されるものであってもよい。また、複合機10、制御装置30、および画像処理装置50の各ブロックは、処理の一部を行うハードウェアと当該ハードウェアの制御や残余の処理を行うソフトウェアを実行する演算手段とを組み合わせたものであってもよい。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。