JP5501823B2 - 成形金型の製造方法 - Google Patents
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Description
一方、金型材料として、特に合成樹脂成形用金型材として鋼材が多く使用されており、鋼材以外の非鉄金属を用いることは極めて限定的である。その理由として、鋼材は技術と経験が豊富で、高強度、多種類、安価、高品質(特に日本製)等が挙げられる。
その結果、鋼材金型内に射出された溶融樹脂が「均一」に素早く「冷却・固化」せず、冷却時間が長くなり、成形サイクルが非鉄金属に比べて長くなると言う欠点がある。
このことは、鋼材金型の冷却速度に起因する製品成形速度の低下と、それに付随するコスト競争力の低下、及び製品の外観への悪影響等をもたらすので、製造現場で大きな課題となっている。
更に、熱バランスが取り難いために金型温度が安定せず、結果として成形品の変形、ヒケが発生し、品質問題や生産性に大きな課題を抱えている。(金型は熱交換器と言える)
そのため、鋼材金型の設計では、冷却回路をいかに充実させるかが重要視されているが、鋼材の熱伝導率が亜鉛合金、アルミ合金、銅合金等の非鉄金属に比べて数段劣るので、熱伝導率を十分にカバーすることは容易でない。
従って、設計変更、加工ミス、成形段階での事故による破損、摩耗等の劣化に対処するには部分的又は全体を作り変える他に選択技がなかった。
しかし、高強度銅合金と言えども、所詮は鋼材に匹敵する強度は無く、金型寿命が劣るのが現状である。
更に、鋼材では一般に行われているTIGによる肉盛溶接が、銅合金では非常に難しく不可能に近いことが知られている。
一方、肉盛溶接として、最近YAGレーザー溶接(イットリウム、アルミニウム、ガーネットレーザー)が注目され、著しい発展を見せている。
これにより金型修復技術は格段の進歩を見るに至っている。
銅合金金型に対する異種材の鋼材を接合する技術は未だ確立されておらず、その技術が確立できれば熱伝導と強度に優れた銅合金と鋼材から成るハブリッド金型の製造が可能となり、新しい産業として世に送り出せる。
即ち、熱伝導に優れた銅合金と、強度とコストに優れた鋼材の特徴を兼ね備えたハイブリッド金型が出来れば革新的な技術となる。
例えば、キャビティの製品形成面の損傷しやすい負荷集中範囲を所定の仕上げ厚みよりも薄肉化した薄肉部を形成し、薄肉部に高エネルギ密度の熱源を用いて銅合金を用いた非鉄金属体より溶融温度の高い鉄系材を肉盛溶接し、鉄系肉盛部を形成し、その肉盛部表面を仕上げ加工することで鉄材層を設け、鉄材層で製品形成面の損傷しやすい負荷集中範囲を保護する。
例えば保護部位としての製品関連部が非鉄金属体のパーテイングライン(以下、PLとする)のキャビティ連続部であり、該連続部を所定の仕上げ厚みよりも数mm以内の厚さで薄肉化し、薄肉部に高エネルギ密度の熱源を用いて鉄系材を肉盛溶接し、鉄系肉盛部を形成し、その肉盛部表面を仕上げ加工することで鉄材層を設け、鉄材層にPLのキャビティ連続部を形成する。
ここでキャビティとは、成形金型内に設ける成形品を形成するための空部、溶湯樹脂を入れる空部、溶湯樹脂が通過する空部等を言う。
ここで鉄系肉盛部とは、鉄系材の肉盛溶接により形成さあれた部位を言い、仕上げ加工とは、鉄系肉盛部の表面に対する切削や研磨加工等を言い、鉄材層とは、仕上げ加工が終わった鉄系肉盛部を言う。
ここで熱交換範囲とは、加熱状態と冷却状態が交互に繰り返される範囲で、特に短時間で熱交換を頻繁に行なう必要がある範囲を言い、損傷しやすい負荷集中範囲とは、キャビティにあっては、ダイレクトゲートの相対向側製品形成面、溶湯が強く当るキャビティ角部や形状急変化部等を言い、製品関連部にあっては、溶湯に触れる範囲とその近辺、及びPLのキャビティ連続部を言う。
摺動体は非鉄金属体にて形成され、その少なくとも頭部を数mm以内の厚さで薄肉化し、薄肉部に高エネルギ密度の熱源を用いて鉄系材を肉盛溶接し、鉄系肉盛部を形成し、その肉盛部表面を仕上げ加工することで鉄材層を設け、鉄材層にて摺動体頭部を保護することもできる。
ここでPLとは、成形金型を構成する固定金型と可動金型との当接面、或は成形金型を構成する非鉄金属体の当接面を言う。
ここで製品関連部とは、キャビティに関連する例えば摺動体と摺動体受部、部分成形体、キャビティに向けて開口する保持部、及びPLのキャビティ連続部を言い、摺動体とは、キャビティに向けて往復動する突き出しピンとスライドコア等を言い、摺動体頭部とは、キャビティ内に突出する露出部と、それに続く一定範囲を言い、摺動体受部とは、突き出しピン挿入孔とコアガイドを言う。
ここで摺動体受部の入口側とは、キャビティに面している側を言い、摺動体頭部とは、キャビティ内に突出する範囲とそれに続く範囲を言う。
成形金型は鋼材型と、鋼材型に組み込む入れ子型とから成り、入れ子型が非鉄金属体で形成されていてもよい。
成形金型が左金型と右金型から成るブロー成形金型であり、左右金型の少なくとも熱交換範囲を非鉄金属体にて各々形成し、非鉄金属体の突合せ部を数mm以内の厚さで薄肉化し、薄肉部に高エネルギ密度の熱源を用いて鉄系材を肉盛溶接し、鉄系肉盛部を形成し、その肉盛部表面を仕上げ加工することで鉄材層を設け、鉄材層にてバリ食い切り部を形成してもよい。
ここで鋼材型とは、従来金型と同様の材質で形成した金型を言い、入れ子型とは、成形金型を構成する一部材を言い、通常、鋼材型の中に組み込まれる。
ここでブロー成形金型の左金型と右金型とは、例えば、射出成形金型の固定金型と可動金型に相当し、バリ食い切り部とは、ブロー成形金型の離型時に、ブロー成形金型に形成された製品のバリ(食み出し)を切断する部位を言う。
ここで非鉄金属体とは、銅合金体、アルミ合金体、ニッケル合金体等を言い、具体的にはHIT75の銅合金体を用いる。
ここで鉄系材とは、例えば鋼材等を言い、具体的にはKD1VAX、NAK等のワイヤ、ステンレス系鋼材の商品名「スターバックス」を言う。
鉄系材は溶接用の鋼材ワイヤであり、非鉄金属体は鉄系材より溶融温度が低く、熱伝導の良好な銅合金体である。
鉄系材の肉盛溶接に用いる高エネルギ密度の熱源は、レ−ザ溶接、パルス溶接、電子ビーム溶接、超音波溶接等であり、その中でもYAGレーザ溶接が優れている。
ここで切欠部とは、薄肉部より深く形成する部位で、他の部材を組み込んだり、嵌着する部位を言う。
ここで高エネルギ密度の熱源とは、アーク溶接、レーザー溶接、パルス溶接、電子ビーム溶接、超音波溶接を言い、レーザー溶接として、例えばYAGレーザー溶接やマイクロYAGレーザー溶接を用いる。
ここでゲート路とは、サイドゲート、トンネルゲート、ダイレクトゲートを言う。
成形金型の熱交換範囲を非鉄金属体で形成し、非鉄金属体にキャビティと製品関連部を備え、少なくともキャビティ製品形成面の負荷集中範囲に高エネルギ密度の熱源を用いて鉄系材を肉盛溶接し、その肉盛部表面を仕上げ加工することで鉄材層を設けているので、即ち、熱伝導性に優れた非鉄金属体でありながら、「鋼製の鎧」を纏った強度のハイブリッド金型が得られることになる。
鉄材層は、初めから正確(適正寸法)に鉄系材を肉盛溶接して形成することも可能であるが、初めから適正寸法に溶接するには高度の熟練を要するので、適正寸法より僅かに大きく肉盛溶接し、余分な所を後加工により切削(仕上げ加工)すれば、従来技術で簡単に加工し得る。
成形金型にキャビティに向けて往復動する摺動体と、その摺動体をスライド自在にガイドする摺動体受部を備えていても、摺動体受部の少なくとも入口側に鉄材層を形成しているので、例え母材が非鉄金属体であっても、摺動体のスライドによる損傷、及び溶湯による損傷等は、従来の鋼材製金型と略同様になる。
少なくとも摺動体頭部に鉄材層を設けていると、例え摺動体が非鉄金属体であって、しかも摺動体頭部がキャビティ内に突出し、高温の溶湯に触れるとしても、溶湯による損傷は従来の鋼材製金型と略同様になる。
鋼材型に組み込む入れ子型を非鉄金属体で形成しているが、入れ子型は負荷集中範囲に薄肉部を設け、薄肉部に鉄系材を肉盛溶接し、その肉盛部表面を仕上げ加工した鉄材層を設け、鉄材層で守られている。
成形金型の少なくとも50%以上を非鉄金属体で作り、非鉄金属体の損耗しやすい部分(高温の溶湯が触れる部分)を鉄材層でカバーすることで、高価な非鉄金属体の使用量が少なくなり、その分、安価に提供できる。
即ち、成形金型を作る側と、その成形金型を使う側の双方にとって極めて実用的な技術であり、周辺技術の整備と熟成を伴えば夢の技術と言っても過言ではない。
鉄系材の肉盛溶接を単層とすれば、その分、鉄材層の形成は容易になる。
しかし、単層では十分な耐久力が得られない場合、多層に肉盛溶接し、肉盛高さを最大2mmにすれば、十分な耐久力が得られる。
但し、層を重ねる毎に肉盛溶接に時間を要する。
鉄系材として鋼材ワイヤを、非鉄金属体として銅合金体を用い、鋼材ワイヤを肉盛溶接する高エネルギ密度の熱源にYAGレ−ザ溶接を用いることで、初めて非鉄金属体と鉄材層の積層が可能となるものである。
即ち、銅合金体の薄肉部に鉄系材を単層又は多層に肉盛溶接し、その鉄系肉盛部の表面を仕上げ加工し、鉄材層としたことで、銅合金体でも高温の溶湯から十分に守ることができる。
他の高エネルギ密度の熱源についても実験中であるし、銅合金体以外の非鉄金属体、例えばアルミニウム合金体に対する鉄材層の形成について実験中である。
非鉄金属体に鉄系材を肉盛溶接する高エネルギ密度の熱源として、レ−ザ溶接、特にYAGレ−ザ溶接を用いることで、非鉄金属体に対する鉄系材の肉盛溶接が初めて可能となった。
キャビティEの摩耗しやすい負荷集中範囲として、例えば成形材料の圧力が強く作用する図2の如く角部や形状の変化部、或はダイレクトゲートの相対向側製品形成面eが挙げられる。
鉄材層4Aは、鋼材ワイヤWによる肉盛高さtを平均2mm以内に単層又は多層に溶接し、仕上げ加工(切削加工、グラインダー又はやすり等による研磨等)して形成する。
そのため、保持部9の少なくとも入口側9a、第三実施形態にあっては、コア金型保持部92の入口側92a(キャビティ側)を数mm以内の厚さで薄肉化し、薄肉部13にYAGレ−ザ溶接を用いて鋼材ワイヤWを肉盛溶接し、鉄系肉盛部4を形成し、その肉盛部表面4aに仕上げ加工した鉄材層4Aを設け、鉄材層4Aにて保持部入口側92aを保護する。
コア金型1Cのコアガイド62を非鉄金属体3の銅合金体3Aにて形成する場合、コアガイド62のガイド頭部62aを数mm以内の厚さで薄肉化し、薄肉部13にYAGレ−ザ溶接を用いて鋼材ワイヤWを肉盛溶接し、鉄系肉盛部4を形成し、その肉盛部表面4aに仕上げ加工した鉄材層4Aを設け、鉄材層4Aにてガイド頭部62aを保護する。
部分成形体8が例えば図5の如くインサート材81或は微細成形体83である場合、銅合金体3Aにインサート材81或は微細成形体83の部分形成体保持部91を設け、概保持部91の少なくとも入口側91aに鉄材層4Aを設け、鉄材層4Aで保持部入口側91aを保護している。
また、銅合金体3Aから成る入れ子型20に第ニ実施形態の如く、摺動体5の突き出しピン51と、摺動体受部6が突き出しピン挿入孔61を設けることも可能である。
更に、第三実施形態の如く、コア金型1Cを用いて成形金型1を構成したり、第四実施形態の如く部分成形体8の保持部9を形成することも可能である。
・実験条件
銅合金体3A: 図12の如く縦d=10mm、横w=10mm、高さh=10mm(一辺が10mmのサイコロ型)のHIT75をテストピースとする。
鋼材ワイヤW:0.3mmφと0.6mmφの商品名「スターバックス」のステンレス系鋼材ワイヤWを用いる。尚、0.3φの鋼材ワイヤWをレ−ザ溶接すると、一回の溶接で約0.2mmの肉盛ができるし、0.6φの鋼材ワイヤWをパルス溶接すると、一回の溶接で約0.4mmの肉盛ができる。
・肉盛条件
テストピースの一面の半巾分5mmに0.5mmの薄肉部13(溶接面)を設ける。
YAGレ−ザ溶接:ドイツ製100W、200Wのレ−ザ溶接機を用いる。
溶接面にYAGレ−ザを用いて図13の如く鋼材ワイヤWを一定のピッチで肉盛溶接し、溶接面より僅かに高く広い範囲で鉄系肉盛部4を設けた後、鉄系肉盛部4を設けたテストピースに仕上げ加工(研磨)し、肉盛高さtが0.5mmの鉄材層4Aを形成する。
・観察結果
目視観察では、図14の如く鉄材層4Aと銅合金体3Aとが積層状態にあり、鉄材層4Aと銅合金体3Aの間に境界線が見える。
顕微鏡による300倍拡大写真では、YAGレーザ溶接の条件によっては図15〜図18の如く鉄材層4Aに亀裂を生じたり、気穴を生じるし、銅合金体3Aとの境界線に乱れ生じた。YAGレーザ溶接の条件と試料の詳しい関係は追って追加する。
図15の線状跡は、磨きによって生じたものである。
YAGレーザーのエネルギーにより銅合金体3Aの極く表面が溶融され、該溶融部にYAGレーザーのエネルギーによって溶融された鋼材ワイヤWが流れ込み、凝固して銅合金体3Aの表面に鉄系肉盛部4が形成されると思われるが、顕微鏡では銅合金体3Aの表面が溶融された形跡は発見できなかった。
しかし、鉄材層4Aと銅合金体3Aは、恰も糊や接着剤で着接しているように強力に着接している。
・実験条件
非鉄金属体3:実験例1と同じ銅合金体3Aを用いる。
鋼材ワイヤW:0.3mmφのステンレス系鋼材ワイヤWを用いる。
試料1=肉盛高さt=0・1mm
試料2=肉盛高さt=0・3mm
試料3=肉盛高さt=0・5mm
試料4=肉盛高さt=1・0mm
各試料の薄肉部13は、肉盛高さtに応じて薄肉化し、薄肉部13にYAGレーザーを用いて鋼材ワイヤWを肉盛溶接した後、鉄系肉盛部4の表面を適正寸法になるまで仕上げ加工を施した。
・実験条件:実験例1と同じ。
試料5=YAGレ−ザ溶接のみにて鉄系肉盛部4を形成する。
試料6=YAGレ−ザ溶接にて一層目を形成し、残りをパルス溶接にて肉盛する。
試料7=パルス溶接のみにて鉄系肉盛部4を形成する。
試料5〜7の比較
肉盛溶接に要した時間は、試料7<試料6<試料5の関係にある。
鉄系肉盛部4の接着状況:顕微鏡による観察では、試料5と試料6は略同様であった。
試料7では、やや乱れが見えた。
各試料の品質の検討と、適正厚さを確定する。
同上に関する溶接技術と接合面の強度および信頼性評価。
肉盛溶接した鉄材層4Aの接合面の物性評価。
表面硬さを調査する。(マイクロビッカース硬さ測定)
溶接条件の変化に伴う接合界面の健全性(ピンホール及び界面相の形成の有無、溶接割れ等)の調査、(断面組織の光顕観察、EPMA分析)
鉄材層4Aの熱処理効果の確認(マイクロビッカース硬さ測定)
熱影響部の材質調査(相変態の有無、結晶粒径の変化と物性変化)
当該技術を使用した金型製作、修理、改造のシステム考察。
銅合金体3Aとそれに肉盛溶接した鉄材層4Aの界面の定性分析と状況観察
顕微鏡下の観察及び分析(SEM)では、溶接による欠陥は殆ど認められず、実用レベルの品質を得られる可能性が極めて高い。
TIG及び精密スポット溶接では、「ピンホール」「割れ」等の欠陥が多く認められ、且つ肉盛部が脱落するものもあり、実用的ではない。
前記の実験は極めて限定的な予察に過ぎず、本格的な技術開発に向けて鋭意研究開発を行う。特に、YAGレーザー以外の高エネルギ密度の熱源について、現在実験中である。
例えば、摺動体5のスライドコア52を銅合金体3Aにて形成する場合、スライドコア52少なくとも摩耗しやすい範囲のコア頭部52a(キャビティ内に露出する露出部と、それに続く適宜範囲)を数mm以内の厚さで薄肉化し、薄肉部13にYAGレ−ザ溶接を用いて鋼材ワイヤWを肉盛溶接し、鉄系肉盛部4を形成し、その肉盛部表面4aに仕上げ加工した鉄材層4Aを設け、鉄材層4Aでコア頭部52aを保護する。
摺動体5の突き出しピン51を銅合金体3Aにて形成する場合、銅合金体3Aから成るスライドコア52と同様に、そのピン頭部51aに鉄材層4Aを設け、鉄材層4Aでピン頭部51aを保護する。
ゲート路2として、サイドゲート2a、トンネルゲート2b、ダイレクトゲート2cを設けることができる。
実施形態は合成樹脂用射出成形金型とブロー成形金型を例としたが、両金型に限定されるものではなく、例えば圧縮成形金型、押出し成形金型にも応用し得るし、合成樹脂用金型以外の例えばダイカスト金型、ゴム成形用金型、ガラス金型にも応用し得る。
また、部分成形体8が銅合金体3Aから成る図11の如く中子体84で、中子体保持部94も銅合金体3Aに設ける場合、中子体84の全表面に鉄材層4Aを形成し、中子体保持部94も鉄材層4Aで覆うことが好ましい。
部分成形体8が図10の如く鋼材から成るゲート体82である場合、銅合金体3Aにゲート体保持部93を設け、概保持部93にゲート体82を組み込むことも可能である。
尚、成形金型1、又は成形金型1を構成する非鉄金属体3が熱伝導の良好な銅合金体3Aであっても、従来の鋼製金型と同様に冷却水路を設けることが好ましい。
11 ブロー成形金型、11A 左金型、11B 右金型
10 鋼材型、20 入れ子型
2 ゲート路
2a サイドゲート、2b トンネルゲート、2c ダイレクトゲート
3 非鉄金属体、3A 銅合金体(テストピース)、13 薄肉部(溶接面)
3a パーテングライン(PL)のキャビティ連続部
4 鉄系肉盛部、4A 鉄材層、4a 肉盛部表面
14 ゲート用鉄系肉盛部、14A ゲート用鉄材層、24 バリ食い切り部
5 摺動体、5a 頭部(露出部+α)
51 突き出しピン、52 スライドコア
51a ピン頭部、52a コア頭部
6 摺動体受部、6a 受部入口側
61 ピン挿入孔、62 コアガイド
61a 挿入孔入口側、62a ガイド頭部
7 製品関連部
8 部分成形体、81 インサート体(インモールド)、82 ゲート体
83 微細成形体、84 中子体
9 保持部、19 切欠部
91 部分成形体保持部、92 コア金型保持部、93 ゲート体保持部
94 中子体保持部、9a,91a,92a 保持部入口側
F 鉄系材、W 鋼材ワイヤ
E 製品形成部(キャビティ)、e 製品形成面
R レーザー、R1 YAGレーザー(精密マイクロYAGレーザー)
t 肉盛高さ
Claims (4)
- 銅合金からなる成形金型の保護が必要な部位を所定の仕上げ厚みよりも薄い薄肉部に形成し、
前記薄肉部に鋼材ワイヤを用いてYAGレーザ溶接により肉盛溶接し、
前記肉盛溶接部の表面を仕上げ加工し、前記所定の仕上げ厚みであって肉盛溶接による鉄材層の厚みが2mm以下になるようにしたことを特徴とする成形金型の製造方法。 - 前記保護が必要な部位はキャビティの少なくとも一部,パーティングラインとのキャビティ連続部,キャビティに向けて摺動体が往復動する摺動体受部のキャビティ側又は当該摺動体のキャビティ側部のうち、いずれかであることを特徴とする請求項1記載の成形金型の製造方法。
- 前記保護が必要な部位は前記成形金型内に設ける入れ子型又はインサート材の保持部であることを特徴とする請求項1記載の成形金型の製造方法。
- 銅合金からなる射出成形金型のキャビティに連続する切欠部を形成し、
前記切欠部に鋼材ワイヤを用いてYAGレーザ溶接により肉盛溶接し、
前記肉盛溶接部に仕上げ加工し、溶融樹脂又は金属の溶湯をキャビティ内に射出するためのゲート路を形成したことを特徴とする成型金型の製造方法。
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