JPH08118049A - レーザー肉盛方法 - Google Patents

レーザー肉盛方法

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JPH08118049A
JPH08118049A JP7086893A JP8689395A JPH08118049A JP H08118049 A JPH08118049 A JP H08118049A JP 7086893 A JP7086893 A JP 7086893A JP 8689395 A JP8689395 A JP 8689395A JP H08118049 A JPH08118049 A JP H08118049A
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JP
Japan
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laser
base material
hollow metal
powder
overlaying
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Application number
JP7086893A
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English (en)
Inventor
Tokuo Morishige
徳男 森重
Koji Nezaki
孝二 根崎
Minoru Hagiwara
実 萩原
Kiyobumi Ishikawa
清文 石川
Tomomi Otake
知美 大竹
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IHI Corp
Original Assignee
IHI Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 レーザービームのビーム速度を上げると共に
厚い肉盛を得られるようにする。 【構成】 母材8へ向けてレーザートーチ9からレーザ
ービーム10を照射し、同時に、母材8へ向けて照射さ
れるレーザービーム10へ、レーザー加工用ワイヤ13
を送給すると、レーザービーム10のエネルギーによ
り、レーザー加工用ワイヤ13及び母材8の表面が溶融
されて、レーザー加工用ワイヤ13の金属ワイヤ本体1
1と粉末の成分が混合され、凝固後に母材8の表面に硬
化肉盛部15が形成される。このように、肉盛の成分を
ワイヤ化することにより、レーザー加工用ワイヤ13と
して肉盛成分の供給が容易且つ確実となって、厚い肉盛
を得ることが可能化され、且つ、レーザー加工用ワイヤ
13は素速く溶融されるので、その分、レーザービーム
10のビーム速度を大幅に上げることが可能化される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザー肉盛方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】レーザービームを利用して母材の表面を
肉盛する場合、図21に示すように、母材1の表面に、
予め肉盛しようとする物質の粉末2を有機バインダーに
溶いて層状に塗布しておき、その後、塗布層3の上から
レーザービーム4を照射する方法や、図22に示すよう
に、母材1へ照射されているレーザービーム4の直前に
ノズル5から前記肉盛しようとする物質の粉末2を供給
する方法などが考えられる。
【0003】尚、図中、6はレーザートーチ、7は形成
された肉盛である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法には、以下のような問題があった。
【0005】即ち、粉末2を予め層状に塗布する図21
の場合には、形成できる塗布層3の厚さに限界があって
厚い肉盛7を得るのが難しいという問題があり、又、粉
末2を直接供給する図22の場合には、粉末2のブロー
(吹き飛び)により欠陥が生じ易いという問題があっ
た。
【0006】しかも、図21の粉末塗布方式の場合に
は、塗布層3の溶融に時間が掛かるため、又、図22の
粉末供給方式の場合には、粉末2の供給自体に時間が掛
かるため、レーザービーム4の移動速度(ビーム速度)
を上げられないという問題があった。
【0007】本発明は、上述の実情に鑑み、レーザービ
ームのビーム速度を上げると共に厚い肉盛を得られるよ
うにしたレーザー肉盛方法を提供することを目的とする
ものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、母材へ向けて
照射されるレーザービームへ、中空金属筒本体内部に金
属やセラミックスなどの粉末を充填して成る中空金属筒
状部材を送給して、中空金属筒状部材を溶融することに
より、母材の表面に肉盛部を形成することを特徴とする
レーザー肉盛方法にかかるものである。
【0009】この場合において、肉盛部の主成分となる
金属又はその合金で作った中空金属筒本体内部に、残り
の成分から成る粉末を必要割合に応じて充填して成る中
空金属筒状部材を用いても良い。
【0010】又、ニッケル基合金製の中空の中空金属筒
本体に、ニッケル、クロム、モリブデンのいずれか1つ
又は複数を混合した粉末を充填して成る中空金属筒状部
材を用いても良い。
【0011】更に、鋼やステンレスなどの鉄系金属製の
中空金属筒本体に、クロム、ニッケルなどの金属粉と、
クロムカーバイドやタングステンカーバイドなどのカー
バイド系セラミックスなどのセラミックス粉を混合した
粉末を充填して成る中空金属筒状部材を用いても良い。
【0012】そして、中空金属筒状部材を、レーザー加
工用ワイヤとしても良い。
【0013】又、中空金属筒状部材を、レーザー加工用
棒状部材としても良い。
【0014】加えて、母材をシール面として適用しても
良い。
【0015】又、母材を弁体のフェース面或いはシート
面として適用しても良い。
【0016】更に、母材をエンジンバルブのフェース面
或いはシート面として適用しても良い。
【0017】この際、母材を予熱した後に肉盛を行わせ
るようにすることもできる。
【0018】又、母材の肉盛後に後熱を行わせるように
することもできる。
【0019】更に、母材の肉盛後に後熱と除冷を行わせ
るようにすることもできる。
【0020】更に又、母材に形成された肉盛に塑性加工
を施すようにすることもできる。
【0021】そして、母材の製造時に予め肉盛を行わせ
るようにしても良い。
【0022】又、母材の補修時に肉盛を行わせるように
しても良い。
【0023】
【作用】本発明の作用は以下の通りである。
【0024】母材へ向けてレーザートーチからレーザー
ビームを照射し、同時に、母材へ向けて照射されるレー
ザービームへ、レーザー加工用ワイヤやレーザー加工用
棒状部材などの中空金属筒状部材を送給する。
【0025】すると、レーザービームのエネルギーによ
り、中空金属筒状部材及び母材の表面が溶融されて、中
空金属筒状部材の中空金属筒本体と粉末の成分が混合さ
れ、凝固後に母材の表面に硬化肉盛部が形成される。
【0026】このように、肉盛の成分をワイヤ化や棒状
化するようにしたので、中空金属筒状部材として肉盛成
分の供給が容易且つ確実となって、厚い肉盛を得ること
が可能となり、且つ、中空金属筒状部材は素速く溶融さ
れるので、その分、レーザービームのビーム速度を大幅
に上げることが可能となる。
【0027】この場合において、肉盛の主成分となる金
属又はその合金で作った中空金属筒本体内部に、残りの
成分から成る粉末を必要割合に応じて充填して成る中空
金属筒状部材を用いることにより、母材に対し任意の肉
盛を形成することができる。
【0028】特に、中空金属筒状部材として、ニッケル
基合金の中空金属筒本体内部に、クロムと、耐食性向上
のためのモリブデンなどの金属粉を混合した粉末を充填
したものを使用することにより、硬度が高く且つ耐食性
の良い硬化肉盛部を得ることができる。
【0029】又、中空金属筒状部材として、鋼やステン
レスなどの鉄系金属から成る中空金属筒本体内部に、ク
ロム、ニッケルなどの金属粉と、クロムカーバイドやタ
ングステンカーバイドなどのカーバイド系セラミックス
などのセラミックス粉を混合した粉末を充填したものを
使用することにより、更に硬度の高い硬化肉盛部を得る
ことができる。
【0030】本発明は、各種のシール面に肉盛するのに
適している。又、弁体のフェース面或いはシート面に肉
盛するのに適している。更に、エンジンバルブのフェー
ス面或いはシート面に肉盛するのに適している。
【0031】この際、母材を予熱した後に肉盛を行わせ
るようにすることもできる。又、母材の肉盛後に後熱を
行わせるようにすることもできる。更に、母材の肉盛後
に後熱と除冷を行わせるようにすることもできる。この
ようにすることにより、母材を保護しつつ、より高速に
肉盛を行わせることができるようになる。
【0032】更に又、母材に形成された肉盛に塑性加工
を施すようにすることもできる。このようにすることに
より、使用前に予め肉盛を硬化させておくことができ
る。
【0033】上記は、母材の製造時に予め行わせるよう
にしても良い。又、母材の補修時に行わせるようにして
も良い。
【0034】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ説
明する。
【0035】図1〜図3は、本発明の第一の実施例であ
る。
【0036】図中、8は母材、9はYAGレーザー装置
などのレーザートーチ、10はレーザートーチ9から母
材8へ向けて照射されるレーザービーム、11は母材8
と同一材質か、鋼やステンレスなどの鉄系金属か、或い
は、ニッケル基合金などから成る中空の金属ワイヤ本体
(中空金属筒本体)、12は金属やセラミックスなどの
粉末、13は金属ワイヤ本体11の中空部に粉末12を
充填して成るレーザー加工用ワイヤ(中空金属筒状部
材)、14はレーザービーム10による溶融部、15は
母材8の表面に形成される硬化肉盛部である。
【0037】尚、レーザー装置としては、YAGレーザ
ー装置に限らず、炭酸ガスレーザー装置や、その他の加
工用レーザー装置を使用することが可能である。
【0038】更に、18はレーザートーチ9へレーザー
ビーム10を導く光ファイバーである。又、19はレー
ザー加工用ワイヤ13を巻取ったコイル、20はレーザ
ー加工用ワイヤ13の巻きぐせを矯正する矯正ローラ、
21はレーザー加工用ワイヤ13を送るワイヤ送給ロー
ラであり、コイル19と矯正ローラ20とワイヤ送給ロ
ーラ21によってワイヤ送給装置Aが構成されている。
【0039】尚、前記粉末12は、クロム(Cr)、ニ
ッケル(Ni)、耐食性向上のためのモリブデン(M
o)などの金属粉や、クロムカーバイド(Cr32)や
タングステンカーバイドなどのカーバイド系セラミック
スなどのセラミックス粉を、目的に応じ単独で又は複数
を適宜組合せて使用する。
【0040】母材8の表面に肉盛を行う際には、先ず、
予め中空の金属ワイヤ本体11内部に金属やセラミック
スなどの粉末12を充填したレーザー加工用ワイヤ13
を用意しておく。
【0041】該レーザー加工用ワイヤ13は、例えば、
金属ワイヤ本体11としてニッケル基合金を用い、粉末
12としてクロム(Cr)と、耐食性向上のためのモリ
ブデン(Mo)などの金属粉を混合したものを使用す
る。
【0042】或いは、金属ワイヤ本体11として鋼やス
テンレスなどの鉄系金属を用い、粉末12としてクロム
(Cr)、ニッケル(Ni)などの金属粉と、クロムカ
ーバイド(Cr32)やタングステンカーバイドなどの
カーバイド系セラミックスなどのセラミックス粉を混合
したものを使用する。
【0043】その他にも、得ようとする肉盛の組成に応
じて、主成分となる材料又はその合金で中空の金属ワイ
ヤ本体11を作り、残りの成分を粉末12として必要割
合だけ金属ワイヤ本体11内に充填することにより、所
望の肉盛を得ることができる。
【0044】次に、母材8へ向けてレーザートーチ9か
らレーザービーム10を照射し、同時に、母材8へ向け
て照射されるレーザービーム10の高密度エネルギー部
へ、レーザー加工用ワイヤ13を送給する。
【0045】すると、レーザービーム10のエネルギー
により、母材8の極く表面が溶融されて溶融部14が形
成され、該溶融部14にレーザービーム10のエネルギ
ーによって溶融されたレーザー加工用ワイヤ13が盛込
まれて、凝固後に母材8の表面に硬化肉盛部15が形成
される。
【0046】こうしてできた硬化肉盛部15は、母材8
側から表面側へ向かって、母材8の成分が徐々に減少し
て行き、反対に、レーザー加工用ワイヤ13の金属ワイ
ヤ本体11と粉末12が混合された成分が徐々に増加し
て行き、表面側に、母材8の成分の混り込みが全くな
く、レーザー加工用ワイヤ13の金属ワイヤ本体11と
粉末12のみの成分が混合された所要厚さの層が得ら
れ、いわゆる傾斜機能材料となる。
【0047】このような傾斜機能材料は、表面に、母材
8とは全く異なる機能の被覆が得られ、しかも、被覆と
母材8とのなじみが良好で剥離しにくいという、優れた
性質を備えている。
【0048】本発明によれば、肉盛の成分をワイヤ化す
るようにしたので、レーザー加工用ワイヤ13として肉
盛成分の供給が容易且つ確実となって、一度に2mm以
上もの欠陥のない厚い肉盛を得ることが可能となり、し
かも、比較的細いレーザー加工用ワイヤ13は素速く溶
融されるので、その分、レーザービーム10のビーム速
度を従来の0.2m/min程度の低速から1m/mi
n程度以上へと大幅に高速化することが可能となる。
【0049】又、レーザービーム10を用いているた
め、入熱量の小さい肉盛を行うことができるので、母材
8への熱影響を最小にして、割れのない健全な硬化肉盛
部15を形成することができる。同時にレーザービーム
10の移送を光ファイバー18で行わせることにより、
狭隘部への施行も容易となる。
【0050】そして、レーザー加工用ワイヤ13とし
て、ニッケル基合金の金属ワイヤ本体11内部に、クロ
ム(Cr)と、耐食性向上のためのモリブデン(Mo)
などの金属粉を混合した粉末12を充填したものを使用
することにより、例えば、30Cr−30Ni−2Mo
などの組成を有する、600〜700Hv程度と硬度が
高く且つ耐食性の良い硬化肉盛部15を得ることができ
る。
【0051】更に、レーザー加工用ワイヤ13として、
鋼やステンレスなどの鉄系金属から成る金属ワイヤ本体
11内部に、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)などの
金属粉と、クロムカーバイド(Cr32)やタングステ
ンカーバイドなどのカーバイド系セラミックスなどのセ
ラミックス粉を混合した粉末12を充填したものを使用
することにより、例えば、Cr32−Cr−Niなどの
組成を有する、700〜800Hv程度と更に硬度の高
い硬化肉盛部15を得ることができる。
【0052】その他にも、得ようとする肉盛の組成に応
じて、主成分となる材料又はその合金で中空の金属ワイ
ヤ本体11を作り、残りの成分を粉末12として必要割
合だけ金属ワイヤ本体11内に充填することにより、所
望の肉盛を得ることができる。
【0053】従って、例えば、図4・図5にそれぞれ示
すような、各種の機器において部材間を接続するために
設けられるフランジ部などに形成された凹シール面16
や、凸シール面17などのシール面に適用して、レーザ
ートーチ9を左右にオシレートさせながら、自由に厚い
肉盛を形成して行くことが可能となる。
【0054】しかも、上記硬化肉盛部15は、多層に盛
込むことが可能なので、任意の厚さの肉盛を容易に形成
して、高いシール性と耐久性を獲得することができる。
【0055】同様に、図6に示すような弁22に適用し
て、その弁座23に着座する弁体24におけるディスク
面25の全面(図7)や、ディスク面25周縁のフェー
ス面26のみ(図8)に対して硬化肉盛部15を形成す
ることが可能となる。尚、弁座23側のシート面27に
対しても硬化肉盛部15を形成するようにしても良い。
【0056】更に、ビルなどの動力源として使用される
エンジンにおける排気バルブ28(図9参照)は、通常
のエンジンの排気バルブよりも使用温度が高く設定され
ているため、比較的その寿命が短いので、寿命が来た排
気バルブ28のフェース面29や、弁座30側の対応す
るシート面31に適用して、これを補修し、再使用させ
るようにすることもできる。
【0057】具体的には、図10に示すように、割れ3
2や減肉などの発生した排気バルブ28のフェース面2
9などを、二点鎖線33で示すように削り落し、図11
に示すように、排気バルブ28などを図示しない回転治
具に固定して、排気バルブ28などを回転しながら肉盛
を施し、フェース面29などを硬化肉盛部15によって
再形成させるようにする。
【0058】尚、図11中、34はシールドガスノズル
である。
【0059】この場合に、例えば、硬化肉盛部15をI
N939とするには、金属ワイヤ本体11をベースとな
るニッケルで作り、粉末12として、炭素を0.15
%、ケイ素を0.2%以上、マンガンを0.2%以上、
クロムを22.5%、コバルトを19%、タングステン
を2%、鉄を0.5%以上、チタンを3.7%、アルミ
ニウムを1.9%、ホウ素を0.01%、ジルコニウム
を0.10%、その他、微量のタンタルなどを配合する
ようにする。
【0060】又、硬化肉盛部15をInco738とす
るには、金属ワイヤ本体11をベースとなるニッケルで
作り、粉末12として、炭素を0.11%、ケイ素を
0.3%以上、マンガンを0.2%以上、クロムを16
%、コバルトを8.5%、モリブデンを1.75%、タ
ングステンを2.6%、鉄を0.5%以上、チタンを
3.4%、アルミニウムを3.4%、ホウ素を0.01
%、ジルコニウムを0.05%、銅を0.1%以上、そ
の他、微量のタンタルなどを配合するようにする。
【0061】IN939やInco738などの材料
は、高温強度が高いので、排気バルブ28のフェース面
29などに対する肉盛材料としては最適のものである。
【0062】更に、肉盛を行わせる際に、図示しないヒ
ータなどを用いて、図12に示すようなパターンで母材
8の予熱(予熱区間35)を行わせたり(尚、36は肉
盛区間)、図13・図14に示すようなパターンで肉盛
後に母材8の後熱(後熱区間37a)を行わせ、必要な
らば更に、図示しない冷却、放熱装置による除冷(除冷
区間37b)を行わせたりすることにより、肉盛速度の
向上と共に母材8の保護を図るようにしても良い。
【0063】加えて、肉盛されたIN939やInco
738などの材料は、塑性歪を受けると硬化する性質を
有しているので、肉盛後に、図15に示すようなHIP
装置38(熱間等方圧プレス)を用いて、母材8と共に
肉盛部分を高温高圧ガスで加圧し、肉盛部分に塑性歪を
生じさせて、組込み前に予め肉盛の硬度を上げておくよ
うにすることもできる。
【0064】尚、上記HIP装置38は、圧力円筒39
に上蓋40と下蓋41を取付けて内部に加圧室42を形
成し、加圧室42内部に設けられたヒータ43で排気バ
ルブ28などの母材8を加熱しつつ、加圧ガス供給装置
44からのアルゴンなどの圧縮率の大きいガスを圧縮機
45を介して加圧室42内部へ供給し、高温下で母材8
全面に対し均等で且つ高いガス圧を付与するようにした
ものである。
【0065】図中、46は加圧室42内部を真空排気す
る真空ポンプ、47はヒータ43へ電力を供給する加熱
用電源、48は圧力円筒39の外周に設けられた温度調
整用の冷却水ジャケット、49は冷却水ジャケット48
に対し給排される冷却水、50はガス戻流路51の途中
に設けられた圧力調整弁、52はガス流路53やガスバ
イパス流路54やガス戻流路51に設けられた弁であ
る。
【0066】同様に、肉盛後に、図16・図17に示す
ようなCIP装置55(冷間等方圧プレス)を用いて、
母材8と共に肉盛部分を高圧ガスで加圧し、肉盛部分に
塑性歪を生じさせて、組込み前に予め肉盛の硬度を上げ
ておくようにすることもできる。
【0067】尚、上記CIP装置55は、圧力外筒56
に圧力内筒57を嵌合し、圧力内筒57の上端に上蓋5
8を取付けると共に、圧力内筒57の下端に増圧ピスト
ン59を摺動自在に嵌合して、圧力内筒57の内部に加
圧室60を形成し、更に、圧力外筒56の下端に下蓋6
1を取付けて、増圧ピストン59の下面と下蓋61との
間にシリンダ室62を形成し、先ず、図16に示すよう
に、加圧ガス供給装置63からのアルゴンなどの圧縮率
の大きいガスを低圧ポンプ64を介して加圧室60内部
へ供給し、次に、図17に示すように、高圧ポンプ65
を用いてシリンダ室62へ加圧ガス供給装置63からの
前記アルゴンなどのガスを供給して増圧ピストン59を
上昇させ、加圧室60内部のガスを圧縮させることによ
り、母材8全面に対し均等で且つ高いガス圧を付与する
ようにしたものである。
【0068】図中、66は加圧室60内部を排気する排
気バルブ、67はシリンダ室62からガスを抜くための
圧抜弁である。
【0069】或いは、肉盛後に、図18に示すように、
排気バルブ28などを図示しない回転治具に固定して、
エアハンマー68を用いて、フェース面29となる硬化
肉盛部15部分を機械的に鍛造加工し、肉盛部分に塑性
歪を生じさせて、組込み前に予め肉盛の硬度を上げてお
くようにすることもできる。
【0070】尚、排気バルブ66への適用例について
は、補修する場合を説明したが、補修時に限らず製造時
に、予め排気バルブ66のフェース面に対して肉盛を施
すようにしても良い。又、排気バルブ66には、全体温
度の均一化を図るため、内部にナトリウムの気化熱を利
用したヒートパイプを封入したものがあるが、このよう
な排気バルブ66に対しても同様に適用することが可能
である。又、通常のエンジンの排気バルブ回りに対して
も適用することが可能である。
【0071】更に、図4・図5に示すようなフランジな
どの凹シール面16及び凸シール面17や、図6に示す
ような弁22における弁体24のディスク面25や、弁
座23のシート面に対しても、製造時及び補修時のいず
れでも肉盛を施すことができる。又、これらの母材8に
対し、予熱や後熱や、除冷を行わせること、及び、肉盛
部分に塑性加工を施すことも同様に可能である。
【0072】図19・図20は本発明の第二の実施例で
あり、レーザー加工用ワイヤ13に代えて、レーザー加
工用棒状部材69(中空金属筒状部材)を使用したもの
である。
【0073】該レーザー加工用棒状部材69は、図20
に示すように、中空の金属棒本体70(中空金属筒本
体)の中空部に金属やセラミックスなどの粉末71を充
填したものであり、案内ローラ72と、送給ローラ73
を備えた送給装置Bによって送給されるようになってい
る。
【0074】このように、レーザー加工用棒状部材69
を用いた場合でも、レーザービーム10のビーム速度を
上げつつ厚い肉盛を得ることができる。
【0075】上記以外は前記実施例と同様の構成を備え
ており、前記実施例と同様の作用効果を得ることができ
る。
【0076】尚、本発明は、上述の実施例にのみ限定さ
れるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内に
おいて種々変更を加え得ることは勿論である。
【0077】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のレーザー
肉盛方法によれば、レーザービームのビーム速度を上げ
ると共に厚い肉盛を得ることができるという優れた効果
を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例の概略側面図である。
【図2】図1の部分拡大図である。
【図3】レーザー加工用ワイヤの断面図である。
【図4】凹シール面に適用する状態を示す概略斜視図で
ある。
【図5】凸シール面に適用する状態を示す概略斜視図で
ある。
【図6】本発明の方法を適用する弁の側方断面図であ
る。
【図7】図6の弁のディスク面全面への適用結果を示す
平面図である。
【図8】図6の弁のディスク面の一部への適用結果を示
す平面図である。
【図9】本発明の方法を適用するエンジンの排気バルブ
を示す側方断面図である。
【図10】図9の部分拡大図である。
【図11】図9の排気バルブに本発明の方法を適用する
状態を示す概略斜視図である。
【図12】母材に対する予熱パターンを示すグラフであ
る。
【図13】母材に対する予熱と後熱と除冷のパターンを
示すグラフである。
【図14】図13とは異なる母材に対する予熱と後熱と
除冷のパターンを示すグラフである。
【図15】母材に塑性加工を与えるためのHIP装置の
概略系統図である。
【図16】母材に塑性加工を与えるためのCIP装置の
概略系統図である。
【図17】図16の作動図である。
【図18】肉盛に塑性加工を与えるためのエアーハンマ
ーの概略側面図である。
【図19】本発明の第二の実施例の概略側面図である。
【図20】レーザー加工用棒状部材の断面図である。
【図21】粉末塗布方式による肉盛方法の概略側面図で
ある。
【図22】粉末供給方式による肉盛方法の概略側面図で
ある。
【符号の説明】
8 母材 10 レーザービーム 11 金属ワイヤ本体(中空金属筒本体) 12,71 粉末 13 レーザー加工用ワイヤ(中空金属筒状部材) 15 硬化肉盛部(肉盛部) 16 凹シール面(シール面) 17 凸シール面(シール面) 22 弁 24 弁体 23 弁座 25 ディスク面 26,29 フェース面 27,31 シート面 28 排気バルブ(エンジンバルブ) 35 予熱区間 37a 後熱区間 37b 除冷区間 38 HIP装置(塑性加工のための装置) 55 CIP装置(塑性加工のための装置) 68 エアハンマー(塑性加工のための装置) 69 レーザー加工用棒状部材(中空金属筒状部材) 70 金属棒本体(中空金属筒本体)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 萩原 実 神奈川県横浜市磯子区新中原町1番地 石 川島播磨重工業株式会社横浜エンジニアリ ングセンター内 (72)発明者 石川 清文 神奈川県横浜市磯子区新中原町1番地 石 川島播磨重工業株式会社技術研究所内 (72)発明者 大竹 知美 神奈川県横浜市磯子区新中原町1番地 石 川島播磨重工業株式会社技術研究所内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 母材へ向けて照射されるレーザービーム
    へ、中空金属筒本体内部に金属やセラミックスなどの粉
    末を充填して成る中空金属筒状部材を送給して、中空金
    属筒状部材を溶融することにより、母材の表面に肉盛部
    を形成することを特徴とするレーザー肉盛方法。
  2. 【請求項2】 肉盛部の主成分となる金属又はその合金
    で作った中空金属筒本体内部に、残りの成分から成る粉
    末を必要割合に応じて充填して成る中空金属筒状部材を
    用いた請求項1記載のレーザー肉盛方法。
  3. 【請求項3】 ニッケル基合金製の中空の中空金属筒本
    体に、ニッケル、クロム、モリブデンのいずれか1つ又
    は複数を混合した粉末を充填して成る中空金属筒状部材
    を用いた請求項1記載のレーザー肉盛方法。
  4. 【請求項4】 鋼やステンレスなどの鉄系金属製の中空
    金属筒本体に、クロム、ニッケルなどの金属粉と、クロ
    ムカーバイドやタングステンカーバイドなどのカーバイ
    ド系セラミックスなどのセラミックス粉を混合した粉末
    を充填して成る中空金属筒状部材を用いた請求項1記載
    のレーザー肉盛方法。
  5. 【請求項5】 中空金属筒状部材がレーザー加工用ワイ
    ヤである請求項1乃至4記載のレーザー肉盛方法。
  6. 【請求項6】 中空金属筒状部材がレーザー加工用棒状
    部材である請求項1乃至4記載のレーザー肉盛方法。
  7. 【請求項7】 母材がシール面である請求項1乃至6記
    載のレーザー肉盛方法。
  8. 【請求項8】 母材が弁体のフェース面或いはシート面
    である請求項1乃至6記載のレーザー肉盛方法。
  9. 【請求項9】 母材がエンジンバルブのフェース面或い
    はシート面である請求項1乃至6記載のレーザー肉盛方
    法。
  10. 【請求項10】 母材を予熱した後に肉盛を行わせる請
    求項1乃至9記載のレーザー肉盛方法。
  11. 【請求項11】 母材の肉盛後に後熱を行わせる請求項
    1乃至10記載のレーザー肉盛方法。
  12. 【請求項12】 母材の肉盛後に後熱と除冷を行わせる
    請求項1乃至10記載のレーザー肉盛方法。
  13. 【請求項13】 母材に形成された肉盛に塑性加工を施
    す請求項1乃至12記載のレーザー肉盛方法。
  14. 【請求項14】 母材の製造時に予め肉盛を行わせる請
    求項1乃至13記載のレーザー肉盛方法。
  15. 【請求項15】 母材の補修時に肉盛を行わせる請求項
    1乃至13記載のレーザー肉盛方法。
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