JP5500912B2 - ラチスシェル構造の節点構造及びその施工方法 - Google Patents

ラチスシェル構造の節点構造及びその施工方法 Download PDF

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本発明は、ラチスシェル構造の節点構造及びその施工方法に関し、曲面形状を有するラチスシェル構造に最適な節点構造及びその施工方法に関する。
建築物の屋根などを構成するため、構造体にラチスシェル構造(グリッドシェル構造)が採用される場合がある。ラチスシェル構造は、梁材と、複数の梁材が集合して互いに接合される節点(node)からなる。ラチスシェル構造による構造体の上面又は下面にガラス、鋼板などの板材が設置されて、屋根が構成される。
例えば、特許文献1〜5には、梁材と節点における接合部材からなる節点構造に関する技術が開示されている。特許文献1〜4には、梁材と接合部材がボルトによって接合される節点構造が記載され、特許文献5には、梁材に相当する骨組部材3と接合部材に相当する本体部4が溶接よって接合される節点構造が記載されている。その他、ラチスシェル構造の節点は、複数の梁材が溶接によって互いに直接接合されたり、接合部材に梁材が嵌め込まれたりして構成される。
特開平6−57829号公報 国際公開第94/20698号 ソビエト連邦国特許第777170号 ソビエト連邦国特許第614185号 特開平9−279749号公報
ところで、ラチスシェル構造による構造体は、平面形状ではなく、曲面形状を有するものがある。曲面形状を有するラチスシェル構造は、複数の梁材が集合する節点において、梁材ごとに梁材の取り付け位置や取り付け方向が異なる。従って、節点において、梁材ごとに梁材の端部面の形状を異ならせる必要がある。特に、対称形状ではない複雑な曲面形状であると、節点ごとに異なる加工が必要となるため、ラチスシェル構造の施工には労力と時間がかかるという問題があった。
そして、ラチスシェル構造の節点を現場で施工するには、ボルト接合、溶接又はボルト接合と溶接の併用などがある。節点の施工に溶接を採用すると、更にラチスシェル構造の施工において労力と時間がかかるという問題があった。
また、ラチスシェル構造の構造体を構築する際、まず、梁材が集合する接合部材を所定の位置に設置する。そして、2つの接合部材の間に梁材を挿入して、梁材と接合部材を接合する。ラチスシェル構造の構造体を構築する際、初めのうちは、互いに接合された梁材や接合部材はある程度自由に動かすことができる。しかし、構造体が構築されるにつれて梁材や接合部材の位置が固定し、2つの接合部材の間に梁材を挿入しづらくなってくる。特に、対向関係にある2つの接合部材の梁材との接触面がねじれの位置関係にあり、更に接触面が曲面を有すると、施工現場では梁材の端部の加工が困難である上、2つの接合部材の間に梁材を挿入しにくいという問題があった。
更に、梁材の設置位置によっては、他の部材が干渉するなどの理由によって、2つの接合部材の間に梁材を挿入できる方向が限られる場合がある。このとき、梁材の端部の形状や、対向関係にある2つの接合部材の梁材との接触面の向きによっては、梁材を挿入できる限られた方向からも梁材を実際に挿入できないという問題があった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、2つの接合部材の間に梁材を容易かつ正確に挿入でき、曲面形状を有するラチスシェル構造を構築することが可能な、新規かつ改良されたラチスシェル構造の節点構造及びその施工方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、梁材と、平面状の接触面を有する接合部材と、接合部材の接触面と接触し接合部材とボルト接合される平面状の第1の面と、第1の面と異なる梁材と溶接される第2の面とを有し、第1の面が接合部材の接触面とボルト接合されたときに、接合部材の接触面に対する第2の面の角度を一意に規定する形状に形成された端部材とを備え、対向して設けられる2つの接合部材の対向するそれぞれの接触面は、2つの接合部材が所定の位置に設置された後に、端部材が溶接された梁材を2つの接合部材の間に挿入できるように形成され、梁材は、接合部材の接触面とボルト接合されたときに規定される端部材の第2の面の角度と、中心軸に対する梁材の設置角度とに基づいて形状が決定され、第2の面と溶接される端部面を有するラチスシェルの節点構造が提供される。
対向して設けられる2つの接合部材のそれぞれの接触面は、互いに平行になるように形成されてもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、梁材と、外周面を有する接合部材と、接合部材の外周面と接触する第1の接触面と、第1の接触面と異なる平面状の第2の接触面とを有する調節部材と、調節部材の第2の接触面と接触し調節部材を間に挟んで接合部材とボルト接合される平面状の第1の面と、第1の面と異なり梁材と溶接される第2の面とを有し、調節部材を間に挟んで接合部材とボルト接合されたときに、調節部材の第2の接触面に対する第2の面の角度を一意に規定する形状に形成された端部材とを備え、対向して設けられる2つの接合部材に設けられる調節部材の対向するそれぞれの第2の接触面は、調節部材が設けられた2つの接合部材が所定の位置に設置された後に、端部材が溶接された梁材を対向する2つの調節部材の間に挿入できるように形成され、梁材は、調節部材を間に挟んで接合部材とボルト接合されたときに規定される端部材の第2の面の角度と、中心軸に対する梁材の設置角度とに基づいて形状が決定され、第2の面と溶接される端部面を有するラチスシェルの節点構造が提供される。
対向して設けられる2つの調節部材のそれぞれの第2の接触面は、互いに平行になるように形成されてもよい。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、対向して設けられる2つの接合部材の対向するそれぞれの接触面を、2つの接合部材が所定の位置に設置された後に、梁材を2つの接合部材の間に挿入できるように形成するステップと、接合部材の平面状の接触面と端部材の平面状の第1の面とがボルト接合されたときにおける、接合部材の接触面に対する第1の面と異なる端部材の第2の面の角度を決定するステップと、第2の面の接触面に対する角度と、梁材の設置角度とに基づいて、第2の面と溶接される梁材の端部面の形状を決定し加工するステップと、梁材の端部面と端部材の第2の面とを溶接するステップと、端部材の第1の面と接合部材の接触面とをボルト接合するステップとを有するラチスシェル構造の節点構造の施工方法が提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、対向して設けられる2つの接合部材に設けられる調節部材の対向するそれぞれの第2の接触面を、調節部材が設けられた2つの接合部材が所定の位置に設置された後に、梁材を2つの接合部材の間に挿入できるように形成するステップと、調節部材の平面状の第2の接触面と端部材の平面状の第1の面とが接触して調節部材を間に挟んで接合部材と端部材とがボルト接合されたときにおける、調節部材の第2の接触面に対する第1の面と異なる端部材の第2の面の角度を決定するステップと、第2の面の第2の接触面に対する角度と、梁材の設置角度とに基づいて、第2の面と溶接される梁材の端部面の形状を決定し加工するステップと、梁材の端部面と端部材の第2の面とを溶接するステップと、調節部材を間に挟んで端部材と接合部材とをボルト接合するステップとを有するラチスシェル構造の節点構造の施工方法が提供される。
以上説明したように本発明によれば、2つの接合部材の間に梁材を容易かつ正確に挿入でき、曲面形状を有するラチスシェル構造を構築することができる。
本発明の第1の実施形態に係るラチスシェル構造の構造体1を示す斜視図である。 同実施形態に係る節点構造100を示す平面図である。 同実施形態に係る節点構造100を示す断面図である。 同実施形態に係る節点構造100を示す断面図である。 同実施形態に係る節点構造100を示す側面図である。 同実施形態に係る節点構造100を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る節点構造200を示す平面図である。 同実施形態に係る節点構造200を示す断面図である。 同実施形態に係る節点構造200を示す側面図である。 同実施形態に係る節点構造200を示す断面図である。 同実施形態に係る梁材10及び節点構造200を示す模式的な側面図である。 同実施形態に係る梁材10及び節点構造200を示す模式的な側面図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1の実施形態)
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施形態に係るラチスシェル構造について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係るラチスシェル構造の構造体1を示す斜視図である。
ラチスシェル構造は、例えば建築物の屋根などを架構するために用いられる。図1は、本実施形態を説明するために示した形状であり、ラチスシェル構造の構造体の形状は構造体1の形状に限定されず、他の形状で構成されてもよい。
ラチスシェル構造の構造体1は、例えば、梁材10と、筋交材20などからなる。また、複数の梁材10が集合するラチスシェル構造の節点には、梁材10と筋交材20と接合ブロック102と端部ブロック112などからなる節点構造100が形成される(図2以降も参照)。ラチスシェル構造の構造体1の上面又は下面にガラスや鋼板などの板材が設置されて、屋根が構成される。
ラチスシェル構造の構造体1を構築する際、まず、梁材10が集合する接合ブロック102を所定の位置に設置する。そして、2つの接合ブロック102の間に梁材10を挿入して、梁材10と接合ブロック102を、端部ブロック112を介して接合する。
次に、図2〜図6を参照して、本実施形態に係る節点構造100について説明する。
図2は、本実施形態に係る節点構造100を示す平面図である。図3は、本実施形態に係る節点構造100を示す断面図であり、図5のB−B線で切断した断面図である。図4は、本実施形態に係る節点構造100を示す断面図であり、図5のC−C線で切断した断面図である。図5は、本実施形態に係る節点構造100を示す側面図である。図6は、本実施形態に係る節点構造100を示す断面図であり、図2のA−A線で切断した断面図である。
節点構造100は、梁材10と、筋交材20と、接合ブロック102と、端部ブロック112と、高力ボルト122、124と、上蓋132と、筋交材押さえ板142、144、148と、通しボルト152を有する。節点構造100は、複数の梁材10が集合する節点において形成される。図1に示すように、4つの梁材10で四角形を構成する場合、筋交材20を節点に固定することで、ラチスシェル構造を安定的に維持することができる。
以下で、節点構造100の各構成部材について詳細に説明する。
梁材10は、例えば棒状部材であり、鋼製である。梁材10の端部には端部面11が形成され、端部面11は端部ブロック112と接合される。梁材10は、ラチスシェル構造における梁の一部として作用する。
筋交材20は、例えば線状部材であり、鋼製ケーブルなどである。筋交材20は筋交材押さえ板142、144、148によって節点で固定される。
接合ブロック102は、接合部材の一例であり、例えば筒形状であり、中心軸と平行な開口を有している。接合ブロック102の外周面は、例えば多角柱面に近い形状を有しており、端部ブロック112と接合される位置に平面状の接触面108が形成される。接合ブロック102の内周面は高力ボルト122、124を固定する面が平面である。接合ブロック102は、梁材10から伝達されるモーメントに耐え得る強度を有する強度を有する材質、構造を有する。接合ブロック102は、梁材10が接合される方向であって端部ブロック112と接合される位置において、接合ブロック102を貫通するボルト穴104、106が形成される。
ボルト穴104、106は、高力ボルト122、124の直径より広い径を有し、接合ブロック102の中心軸から外周面に向かって、中心軸に対して垂直に形成される。ボルト穴104は、接合ブロック102の上側に位置し、ボルト穴106は、接合ブロック102の下側に位置する。上下関係にある1つのボルト穴104と1つのボルト穴106は、接合ブロック102の中心軸と平行に配置される。
接触面108は、接合ブロック102の外周面の一部であり、平面状に形成される。接触面108は、端部ブロック112の第1接合面118と接触する。接合ブロック102の中心軸に対する接触面108の角度は、対向して設けられる別の接合ブロック102の接触面108との関係で決定される。即ち、対向して設けられる2つの接合ブロック102の対向するそれぞれの接触面108は、2つの接合ブロック102が所定の位置に設置された後に、端部ブロック112が溶接された梁材10を2つの接合ブロック102の間に挿入できるように形成される。具体的には、対向して設けられる2つの接合ブロック102のそれぞれの接触面108は、互いに平行になるように形成される。または、対向して設けられる2つの接合ブロック102のそれぞれの接触面108間の間隔は、一側の間隔が広く他側の間隔が狭くなるように形成される。これにより、間隔が広い一側から梁材10を挿入できる。
端部ブロック112は、端部材の一例であり、梁材10の端部に溶接によって設けられる。端部ブロック112の形状は、節点構造100の設置位置や方向に関わらず一定である。端部ブロック112は、第1の面の一例である第1接合面118と、第2の面の一例である第2接合面113を有する。
端部ブロック112の第1接合面118は、接合ブロック102の接触面108と接触し、ボルト122、124によって接合ブロック102とボルト接合される。第1接合面118の形状は、接合ブロック102の接触面108の形状に沿った平面形状を有する。端部ブロック112は、接合ブロック102の第1接合面118側に開口したボルト穴114、116が形成される。
端部ブロック112の第2接合面113は、梁材10の端部面11と溶接される。第2接合面113は、例えば第1接合面118と対向する位置に設けられる。
端部ブロック112は、梁材10の取り付け位置や取り付け方向、接合ブロック102との接合位置に影響されず、また節点の位置にも影響されず、常に同一の形状を有する。即ち、端部ブロック112は、第1接合面118が接合ブロック102とボルト接合されたときに、接合ブロック102の接触面108に対する第2接合面113の角度が一意に規定される形状に形成されている。
ボルト穴114、116は、端部ブロック112が接合ブロック102に接合されたとき、接合ブロック102の中心軸から端部ブロック112に向かって、中心軸に対して垂直である直線上に形成される。ボルト穴114は、端部ブロック112の上側に位置し、ボルト穴116は、端部ブロック112の下側に位置する。上下関係にある1つのボルト穴114と1つのボルト穴116は、端部ブロック112が接合ブロック102に接合されたとき、接合ブロック102の中心軸と平行になるように配置される。ボルト穴114は接合ブロック102のボルト穴104と対応し、ボルト穴116は接合ブロック102のボルト穴106と対応する。ボルト穴114、116は、内部に雌ねじが形成される。
高力ボルト122、124は、先端部分に雄ねじが形成される。高力ボルト122は、接合ブロック102の内部から外側に向かって挿入され、接合ブロック102のボルト穴104を貫通し、端部ブロック112のボルト穴114で螺合される。高力ボルト124は、接合ブロック102の内部から外側に向かって挿入され、接合ブロック102のボルト穴106を貫通し、端部ブロック112のボルト穴116で螺合される。上下関係で挿入される1つの高力ボルト122と1つの高力ボルト124が1対となって、1つの端部ブロック112と接合ブロック102をボルト接合する。
上蓋132は、例えば板状部材であり、接合ブロック102の軸方向端部、例えば上端部に設けられる。上蓋132は、図6に示すように、接合ブロック102に形成された開口部に嵌め合わせ可能なように、突起形状を有する。これにより、筋交材20の引張り力などによる上蓋132のずれを防止できる。上蓋132は、中心にボルト穴134が形成される。
ボルト穴134は、上蓋132を例えば貫通して形成され、内部に雌ねじが形成される。
筋交材押さえ板142、144、148は、例えば板状部材であり、上蓋132と反対側に設けられる。筋交材押さえ板142は、接合ブロック102の軸方向端部、例えば下端部に設けられる。筋交材押さえ板144は、筋交材押さえ板142と筋交材押さえ板148に挟まれて設けられる。筋交材押さえ板148は、節点構造100の最下端部に設けられる。筋交材押さえ板144の両面には、溝146が形成され、溝146に沿って筋交材20が配設される。また、筋交材押さえ板142、144、148はそれぞれ中心に、筋交材押さえ板142、144、148を貫通する貫通孔143、145、149が形成される。
貫通孔143、145、149は、通しボルト152の直径より広い径を有し、通しボルト152が貫通して設置される。
通しボルト152は、先端部に雄ねじが形成される。通しボルト152は、貫通孔143、145、149を貫通し、ボルト穴134で螺合される。
次に、本実施形態に係るラチスシェル構造の構造体1及び節点構造100の設計・施工方法について説明する。
節点構造100に用いる端部ブロック112は、節点構造100の設置位置や設置方向に関わらず一定の形状のものを用いる。本実施形態によれば、ラチスシェル構造の構造体1の施工現場で、梁材10等に合わせて、端部ブロック112を加工する必要がない。
ラチスシェル構造の構造体1を構築するためには、まず、節点の位置や数、梁材10の位置や数を決定する。これにより、梁材10のおおよその長さや筋交材20の長さなどが決定される。
次に、接合ブロック102の設置方向を決定し、設置時における接合ブロック102の中心軸方向を決定する。そして、節点構造に用いる接合ブロック102や端部ブロック112の形状を決定する。接合ブロック102の形状は、接合ブロック102の中心軸に対する接触面108の角度によって変わる。接合ブロック102の中心軸に対する接触面108の角度は、対向して設けられる別の接合ブロック102の接触面108との関係で決定される。即ち、対向して設けられる2つの接合ブロック102の対向するそれぞれの接触面108は、2つの接合ブロック102が所定の位置に設置された後に、端部ブロック112が溶接された梁材10を2つの接合ブロック102の間に挿入できるように形成される。
端部ブロック112は、端部ブロック112の第1接合面118が接合ブロック102の接触面108とボルト接合されたときに、接合ブロック102の接触面108に対する第2接合面113の角度が一意に規定される形状に形成される。端部ブロック112は、節点構造100の設置位置や設置方向に関わらず一定の形状のものを共通して用いるから、節点の数に合わせて作製すればよい。上述した例では、接合ブロック102には、4つの端部ブロック112が設けられ、それぞれ隣接する端部ブロック112の接合位置のなす角度が90度である。
次に、梁材10の端部面11の形状を決定する。即ち、接合ブロック102の接触面108に対する第2接合面113の角度と、接合ブロック102の中心軸に対する梁材10の設置角度を考慮して、第2接合面113と溶接される梁材10の端部面11の形状が決定される。そして、決定された形状に梁材10の端部面11を加工する。そして、梁材10の端部面11と端部ブロック112の第2接合面113とを溶接する。この溶接作業は、ラチスシェル構造の構造体1の施工現場ではなく、例えば工場などで行う。この梁材10と端部ブロック112が溶接されて組み合わされた部材(以下、「端部ブロック付き梁材」という。)を、複数作製して、施工現場に搬出する。この端部ブロック付き梁材の端部ブロック112の2つの第1接合面118は、2つの接触面108に対応するように設けられている。例えば、2つの接触面108が互いに平行な関係にあれば、2つの第1接合面118も平行である。
そして、ラチスシェル構造の構造体1の施工現場において、接合ブロック102に端部ブロック付き梁材をボルト接合する。それぞれの接合ブロック102は、接触面108の角度を考慮した形状を有しているため、予め決定してある適切な節点に配置する。また、端部ブロック付き梁材も、梁材10の取り付け位置および取り付け方向を考慮して、梁材10に端部ブロック112が接合されている部材であるから、予め決定してある適切な節点に配置する。
対向関係にある2つの接合ブロック102の対向するそれぞれの接触面108は、2つの接合ブロック102が設置された後に、端部ブロック付き梁材を2つの接合ブロック102の間に挿入できるように形成されている。例えば、対向して設けられる2つの接合ブロック102のそれぞれの接触面108は、互いに平行になるように形成されている。また、端部ブロック付き梁材の端部ブロック112の2つの第1接合面118も、2つの接触面108に対応するように設けられている。従って、2つの接合ブロック102の間に端部ブロック付き梁材を容易かつ正確に挿入できる。
その後、端部ブロック112の第1接合面118と、接合ブロック102の接触面108とをボルト接合する。このボルト接合作業を1つの接合ブロック102において複数の端部ブロック付き梁材に対して行い、更に、別の節点の接合ブロックにおいても同様の作業をすることで、ラチスシェル構造の構造体1を構築する。
通常、図1に示すように、曲面形状を有するラチスシェル構造の節点において、接合部材に複数の梁材が接合されるとき、梁材の取り付け位置や取り付け方向は、梁材ごとに異なる。従って、従来、梁材ごとに接合部材と接合する梁材の端部面の形状を異ならせる必要があった。また、節点の位置によっても、梁材の端部面の形状が異なってくる。従って、梁材を工場で作製したとしても、施工現場で梁材の端部面を加工する必要があり、労力と時間がかかっていた。
また、従来、接合部材と梁材とを接合する節点構造で、接合部材を節点位置に関わらず全て同じにしてボルト接合を用いるものもあったが、梁材の取り付け方向や取り付け位置は、接合部材の形状に依存していた。そのため、接合部材を共通化し、接合部材と梁材との接合をボルト接合にすると、決められた方向にしか梁材を取り付けることができないため、例えば対称形状ではない複雑な曲面形状を有するラチスシェル構造を構築できなかった。
一方、本実施形態によれば、節点構造を現場施工する前に、端部ブロック112を梁材10の端部面11に接合して、端部ブロック付き梁材を作製する。このとき、すでに梁材10の端部面11と、端部ブロック112の第2接合面113との間で、梁材10の部材軸や接合ブロック102の中心軸の角度が調節されて、梁材10と端部ブロック112が接合されている。従って、施工現場では、端部ブロック付き梁材を別途加工することなく、端部ブロック付き梁材を接合ブロック102にボルト接合するだけで、梁材10を適切な位置、方向に設置することができる。接合ブロック102と端部ブロック付き梁材との接合はボルト接合であり、溶接に比べて容易かつ精度良く部材を接合することができる。よって、本実施形態によれば、節点構造100の施工が容易になる。
また、ラチスシェル構造の構造体1を構築する際、初めのうちは、互いに接合された梁材10や接合ブロック102はある程度自由に動かすことができる。しかし、従来の梁材を用いると、構造体1が構築されるにつれて梁材や接合ブロック102の位置が固定し、2つの接合ブロック102の間に梁材を挿入しづらくなってくる。
特に、図1からも分かるように、ラチスシェル構造の構造体1が平面形状ではなく、曲面形状を有する場合、複数の梁材10が集合する節点ごとに、梁材10は異なる角度で集合する。従って、対向関係にある2つの接合ブロック102がねじれの位置関係にあり、更に梁材との接触面が曲面を有すると、施工現場では梁材の端部の加工が困難である上、2つの接合ブロック102の間に梁材を挿入しにくいという問題があった。
更に、梁材の設置位置によっては、他の部材が干渉するなどの理由によって、2つの接合ブロック102の間に梁材を挿入できる方向が限られる場合がある。このとき、梁材の端部の形状や、対向関係にある2つの接合ブロック102の梁材との接触面の向きによっては、梁材を挿入できる限られた方向からも梁材を実際に挿入できないという問題があった。
本実施形態は、対向関係にある2つの接合ブロック102の対向するそれぞれの接触面108は、2つの接合ブロック102が設置された後に、端部ブロック112が溶接された梁材10を2つの接合ブロック102の間に挿入できるように形成されている。例えば、対向して設けられる2つの接合ブロック102のそれぞれの接触面108は、互いに平行になるように形成されている。従って、本実施形態によれば、2つの接合ブロック102の間に端部ブロック112が溶接された梁材10を容易かつ正確に挿入でき、曲面形状を有するラチスシェル構造の構造体1を構築することができる。
(第2の実施形態)
次に、図7〜図10を参照して、本発明の第2の実施形態に係る節点構造200について説明する。図7は、本実施形態に係る節点構造200を示す平面図である。図8は、本実施形態に係る節点構造200を示す断面図であり、図9のB−B線で切断した断面図である。図9は、本実施形態に係る節点構造200を示す側面図である。図10は、本実施形態に係る節点構造200を示す断面図であり、図7のA−A線で切断した断面図である。なお、図9のC−C線で切断した断面図は、図4で示した断面図と同様に表される。
節点構造200は、梁材10と、筋交材20と、接合ブロック202と、端部ブロック212と、高力ボルト222、224と、上蓋132と、筋交材押さえ板142、144、148と、通しボルト152と、ワッシャー262を有する。梁材10と、筋交材20と、上蓋132と、筋交材押さえ板142、144、148と、通しボルト152は、第1の実施形態と同様であり、詳細な説明は省略する。
以下で、節点構造200のその他の各構成部材について詳細に説明する。
接合ブロック202は、接合部材の一例であり、例えば筒形状であり、中心軸と平行な開口を有している。接合ブロック202の形状は、節点構造200の設置位置や方向に関わらず一定である。接合ブロック202は、第1の実施形態の接合ブロック102と異なり、節点毎に形状を変える必要がなく、全ての節点で共通化できる。
接合ブロック202の外周面208は、例えば円柱面であり、接合ブロック202の内周面は高力ボルト222、224を固定する面が平面である。接合ブロック202は、梁材10から伝達されるモーメントに耐え得る強度を有する強度を有する材質、構造を有する。接合ブロック202は、梁材10が接合される方向であって端部ブロック212と接合される位置において、接合ブロック202を貫通するボルト穴204、206が形成される。
ボルト穴204、206は、高力ボルト222、224の直径より広い径を有し、接合ブロック202の中心軸から外周面208に向かって、中心軸に対して垂直に形成される。ボルト穴204は、接合ブロック202の上側に位置し、ボルト穴206は、接合ブロック202の下側に位置する。上下関係にある1つのボルト穴204と1つのボルト穴206は、接合ブロック202の中心軸と平行に配置される。
端部ブロック212は、端部材の一例であり、梁材10の端部に溶接によって設けられる。端部ブロック212の形状は、節点構造200の設置位置や方向に関わらず一定である。端部ブロック212は、第1の面の一例である第1接合面218と、第2の面の一例である第2接合面213を有する。
端部ブロック212の第1接合面218は、ワッシャー262の第2接触面268と接触し、端部ブロック212は、ボルト222、224によってワッシャー262を間に挟んで接合ブロック202とボルト接合される。第1接合面218の形状は、ワッシャー262の第2接触面268の形状に沿った平面形状を有する。端部ブロック212は、接合ブロック202の第1接合面218側に開口したボルト穴214、216が形成される。
端部ブロック212の第2接合面213は、梁材10の端部面11と溶接される。第2接合面213は、例えば第1接合面218と対向する位置に設けられる。
端部ブロック212は、梁材10の取り付け位置や取り付け方向、接合ブロック202との接合位置に影響されず、また節点の位置にも影響されず、常に同一の形状を有する。即ち、端部ブロック212は、第1接合面218がワッシャー262を介して接合ブロック202とボルト接合されたときに、ワッシャー262の第2接触面268に対する第2接合面213の角度が一意に規定される形状に形成されている。
ボルト穴214、216は、端部ブロック212がワッシャー262を介して接合ブロック202に接合されたとき、接合ブロック202の中心軸から端部ブロック212に向かって、中心軸に対して垂直である直線上に形成される。ボルト穴214は、端部ブロック212の上側に位置し、ボルト穴216は、端部ブロック212の下側に位置する。上下関係にある1つのボルト穴214と1つのボルト穴216は、端部ブロック212が接合ブロック202に接合されたとき、接合ブロック202の中心軸と平行になるように配置される。ボルト穴214は接合ブロック202のボルト穴204と対応し、ボルト穴216は接合ブロック202のボルト穴206と対応する。ボルト穴214、216は、内部に雌ねじが形成される。
高力ボルト222、224は、先端部分に雄ねじが形成される。高力ボルト222は、接合ブロック202の内部から外側に向かって挿入され、接合ブロック202のボルト穴204と、ワッシャー262のボルト穴264を貫通し、端部ブロック212のボルト穴214で螺合される。高力ボルト224は、接合ブロック202の内部から外側に向かって挿入され、接合ブロック202のボルト穴206と、ワッシャー262のボルト穴266を貫通し、端部ブロック212のボルト穴216で螺合される。上下関係で挿入される1つの高力ボルト222と1つの高力ボルト224が1対となって、ワッシャー262を介して1つの端部ブロック212と接合ブロック202をボルト接合する。
ワッシャー262は、調節部材の一例であり、接合ブロック202の外周面208に設けられる。ワッシャー262は、第1の接触面の一例である第1接触面261と、第2の接触面の一例である第2接触面268を有する。ワッシャー262は、貫通したボルト穴264、266が形成される。
ワッシャー262の第1接触面261は、接合ブロック202の外周面208と接触する。第1接触面261の形状は、接合ブロック202の外周面208の形状に沿った形を有する。本実施形態では、外周面208は円筒面であるから、第1接触面261も円筒面に沿った凹面を有する。
第2接触面268は、第1接触面261と反対側の面であり、平面状に形成される。第2接触面268は、端部ブロック212の第1接合面218と接触する。
接合ブロック202に設けられたときの接合ブロック202の中心軸に対するワッシャー262の第2接触面268の角度は、対向して設けられる別のワッシャー262の第2接触面268との関係で決定される。即ち、対向して設けられる2つのワッシャー262の対向するそれぞれの第2接触面268は、ワッシャー262が設けられた2つの接合ブロック202が所定の位置に設置された後に、端部ブロック212が溶接された梁材10を対向する2つのワッシャー262の間に挿入できるように形成される。具体的には、対向して設けられる2つのワッシャー262のそれぞれの第2接触面268は、互いに平行になるように形成される。または、対向して設けられる2つのワッシャー262のそれぞれの第2接触面268間の間隔は、一側の間隔が広く他側の間隔が狭くなるように形成される。これにより、間隔が広い一側から梁材10を挿入できる。
ボルト穴264、266は、ワッシャー262が接合ブロック202に接合されたとき、接合ブロック202の中心軸から端部ブロック212に向かって、中心軸に対して垂直である直線上に形成される。ボルト穴264は、ワッシャー262の上側に位置し、ボルト穴266は、ワッシャー262の下側に位置する。上下関係にある1つのボルト穴264と1つのボルト穴266は、端部ブロック212が接合ブロック202に接合されたとき、接合ブロック202の中心軸と平行になるように配置される。ボルト穴264は接合ブロック202のボルト穴204と対応し、ボルト穴266は接合ブロック202のボルト穴206と対応する。
次に、図11及び図12も参照しながら、本実施形態に係るラチスシェル構造の構造体1及び節点構造200の設計・施工方法について説明する。図11及び図12は、本実施形態に係る梁材10及び節点構造200を示す模式的な側面図である。図11は、梁材10の両端側に設けられる接合ブロック202がねじれの位置関係にあるときを示している。図12は、梁材10の両端側に設けられる接合ブロック202が互いに傾斜した関係にあるときを示している。
節点構造200に用いる接合ブロック202、端部ブロック212は、節点構造200の設置位置や設置方向に関わらず一定の形状のものを用いる。本実施形態は、ワッシャー262で角度の調整がされるため、接合ブロック202についても節点に関わらず同一形状のものを使用することかできる。本実施形態によれば、ラチスシェル構造の構造体1の施工現場で、梁材10等に合わせて、接合ブロック202、端部ブロック212を加工する必要がない。
ラチスシェル構造の構造体1を構築するためには、まず、節点の位置や数、梁材10の位置や数を決定する。これにより、梁材10のおおよその長さや筋交材20の長さなどが決定される。
次に、接合ブロック202の設置方向を決定し、設置時における接合ブロック202の中心軸方向を決定する。そして、節点構造に用いる接合ブロック202、端部ブロック212及びワッシャー262の形状を決定する。ワッシャー262の形状は、接合ブロック202に設けられたときの接合ブロック202の中心軸に対するワッシャー262の第2接触面268の角度によって変わる。接合ブロック202の中心軸に対するワッシャー262の第2接触面268の角度は、対向して設けられる別のワッシャー262の第2接触面268との関係で決定される。即ち、対向して設けられる2つのワッシャー262の対向するそれぞれの第2接触面268は、ワッシャー262が設けられた2つの接合ブロック202が所定の位置に設置された後に、端部ブロック212が溶接された梁材10を対向する2つのワッシャー262の間に挿入できるように形成される。
端部ブロック212は、端部ブロック212の第1接合面218がワッシャー262の第2接触面268とボルト接合されたときに、ワッシャー262の第2接触面268に対する第2接合面213の角度が一意に規定される形状に形成される。端部ブロック212は、節点構造200の設置位置や設置方向に関わらず一定の形状のものを共通して用いるから、節点の数に合わせて作製すればよい。上述した例では、接合ブロック202には、4つの端部ブロック212が設けられ、それぞれ隣接する端部ブロック212の接合位置のなす角度が90度である。
次に、梁材10の端部面11の形状を決定する。即ち、ワッシャー262の第2接触面268に対する第2接合面213の角度と、接合ブロック202の中心軸に対する梁材10の設置角度を考慮して、第2接合面213と溶接される梁材10の端部面11の形状が決定される。そして、決定された形状に梁材10の端部面11を加工する。そして、梁材10の端部面11と端部ブロック212の第2接合面213とを溶接する。この溶接作業は、ラチスシェル構造の構造体1の施工現場ではなく、例えば工場などで行う。この梁材10と端部ブロック212が溶接されて組み合わされた部材(以下、「端部ブロック付き梁材」という。)を、複数作製して、施工現場に搬出する。この端部ブロック付き梁材の端部ブロック212の2つの第1接合面218は、ワッシャー262の2つの第2接触面268に対応するように設けられている。例えば、2つの第2接触面268が互いに平行な関係にあれば、2つの第1接合面218も平行である。
そして、ラチスシェル構造の構造体1の施工現場において、接合ブロック202に端部ブロック付き梁材をボルト接合する。接合ブロック202は、全て同一形状であるから、いずれの節点に配置してもよい。接合ブロック202に設けられるワッシャー262は、ワッシャー262の第2接触面268の角度を考慮した形状を有しているため、予め決定してある適切な節点に配置する。また、端部ブロック付き梁材も、梁材10の取り付け位置および取り付け方向を考慮して、梁材10に端部ブロック212が接合されている部材であるから、予め決定してある適切な節点に配置する。
対向関係にある2つのワッシャー262の対向するそれぞれの第2接触面268は、2つの接合ブロック202が設置された後に、端部ブロック付き梁材を2つの接合ブロック202の間に挿入できるように形成されている。例えば、対向して設けられる2つのワッシャー262のそれぞれの第2接触面268は、互いに平行になるように形成されている。また、端部ブロック付き梁材の端部ブロック212の2つの第1接合面218も、2つの第2接触面268に対応するように設けられている。従って、2つの接合ブロック202に設けられたワッシャー262の間に端部ブロック付き梁材を容易かつ正確に挿入できる。
その後、端部ブロック212の第1接合面218と、ワッシャー262の第2接触面268とをボルト接合する。このボルト接合作業を1つの接合ブロック202において複数の端部ブロック付き梁材に対して行い、更に、別の節点の接合ブロックにおいても同様の作業をすることで、ラチスシェル構造の構造体1を構築する。
通常、曲面形状を有するラチスシェル構造の節点において、接合部材に複数の梁材が接合されるとき、梁材の取り付け位置や取り付け方向は、梁材ごとに異なる。従って、従来、梁材ごとに接合部材と接合する梁材の端部面の形状を異ならせる必要があった。また、節点の位置によっても、梁材の端部面の形状が異なってくる。従って、梁材を工場で作製したとしても、施工現場で梁材の端部面を加工する必要があり、労力と時間がかかっていた。
また、従来、接合部材と梁材とを接合する節点構造で、接合部材を節点位置に関わらず全て同じにしてボルト接合を用いるものもあったが、梁材の取り付け方向や取り付け位置は、接合部材の形状に依存していた。そのため、接合部材を共通化し、接合部材と梁材との接合をボルト接合にすると、決められた方向にしか梁材を取り付けることができないため、例えば対称形状ではない複雑な曲面形状を有するラチスシェル構造を構築できなかった。
一方、本実施形態によれば、節点構造を現場施工する前に、端部ブロック212を梁材10の端部面11に接合して、端部ブロック付き梁材を作製する。このとき、すでに梁材10の端部面11と、端部ブロック212の第2接合面213との間で、梁材10の部材軸や接合ブロック202の中心軸の角度が調節されて、梁材10と端部ブロック212が接合されている。従って、施工現場では、端部ブロック付き梁材を別途加工することなく、端部ブロック付き梁材を接合ブロック202にボルト接合するだけで、梁材10を適切な位置、方向に設置することができる。接合ブロック202と端部ブロック付き梁材との接合はボルト接合であり、溶接に比べて容易かつ精度良く部材を接合することができる。よって、本実施形態によれば、節点構造200の施工が容易になる。
また、ラチスシェル構造の構造体1を構築する際、初めのうちは、互いに接合された梁材10や接合ブロック102はある程度自由に動かすことができる。しかし、従来の梁材を用いると、構造体1が構築されるにつれて梁材や接合ブロック102の位置が固定し、2つの接合ブロック102の間に梁材を挿入しづらくなってくる。
特に、図1からも分かるように、ラチスシェル構造の構造体1が平面形状ではなく、曲面形状を有する場合、複数の梁材10が集合する節点ごとに、梁材10は異なる角度で集合する。従って、図11に示すように、対向関係にある2つの接合ブロック102がねじれの位置関係にあり、更に梁材との接触面が曲面を有すると、施工現場では梁材の端部の加工が困難である上、2つの接合ブロック102の間に梁材を挿入しにくいという問題があった。
更に、梁材の設置位置によっては、他の部材が干渉するなどの理由によって、2つの接合ブロック102の間に梁材を挿入できる方向が限られる場合がある。例えば図12に示すような接合ブロックの関係にあって、梁材の挿入は図の上側からのみに限られるときがある。このとき、梁材の端部の形状や、対向関係にある2つの接合ブロック102の梁材との接触面の向きによっては、梁材を挿入できる限られた方向(図12の上側)からも梁材を実際に挿入できないという問題があった。
本実施形態は、対向関係にある2つの接合ブロック202に設けられるワッシャー262の対向するそれぞれの第2接触面268は、2つの接合ブロック202が設置された後に、端部ブロック212が溶接された梁材10を2つの接合ブロック202の間に挿入できるように形成されている。例えば、対向して設けられる2つのワッシャー262のそれぞれの第2接触面268は、互いに平行になるように形成されている。従って、本実施形態によれば、2つのワッシャー262の間に端部ブロック212が溶接された梁材10を容易かつ正確に挿入でき、曲面形状を有するラチスシェル構造の構造体1を構築することができる。また、本実施形態は、ワッシャー262で角度の調整がされるため、接合ブロック202は節点に関わらず同一形状のものを使用することかできる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、ラチスシェル構造の節点構造及びその施工方法に適用可能であり、特に曲面形状を有するラチスシェル構造の節点構造及びその施工方法に適用可能である。
1 ラチスシェル構造の構造体
10 梁材
11 端部面
20 筋交材
100、200 節点構造
102、202 接合ブロック
104、106、204、206 ボルト穴
108 接触面
112、212 端部ブロック
113、213 第2接合面
114、116、214、216 ボルト穴
118、218 第1接合面
122、124、222、224 ボルト
132 上蓋
134 ボルト穴
142、144、148 筋交材押さえ板
143、145、149 貫通孔
146 溝
152 通しボルト
208 外周面
261 第1接触面
262 ワッシャー
264、266 ボルト穴
268 第2接触面

Claims (6)

  1. 梁材と、
    平面状の接触面を有する接合部材と、
    前記接合部材の前記接触面と接触し前記接合部材とボルト接合される平面状の第1の面と、前記第1の面と異なる前記梁材と溶接される第2の面とを有し、前記第1の面が前記接合部材の前記接触面とボルト接合されたときに、前記接合部材の前記接触面に対する前記第2の面の角度を一意に規定する形状に形成された端部材と
    を備え、
    対向して設けられる2つの前記接合部材の対向するそれぞれの前記接触面は、前記2つの接合部材が所定の位置に設置された後に、前記端部材が溶接された前記梁材を前記2つの接合部材の間に挿入できるように形成され、
    前記梁材は、
    前記接合部材の前記接触面とボルト接合されたときに規定される前記端部材の前記第2の面の角度と、前記梁材の設置角度とに基づいて形状が決定され、前記第2の面と溶接される端部面を有し、
    前記接合部材と前記端部材とを接合するボルトは、前記接合部材の内部空間から前記接触面を貫通して前記端部材の内部まで挿入される、ラチスシェル構造の節点構造。
  2. 対向して設けられる2つの前記接合部材のそれぞれの前記接触面は、互いに平行になるように形成された、請求項1に記載のラチスシェル構造の節点構造。
  3. 梁材と、
    外周面を有する接合部材と、
    前記接合部材の前記外周面と接触する第1の接触面と、前記第1の接触面と異なる平面状の第2の接触面とを有する調節部材と、
    前記調節部材の前記第2の接触面と接触し前記調節部材を間に挟んで前記接合部材とボルト接合される平面状の第1の面と、前記第1の面と異なり前記梁材と溶接される第2の面とを有し、前記調節部材を間に挟んで前記接合部材とボルト接合されたときに、前記調節部材の前記第2の接触面に対する前記第2の面の角度を一意に規定する形状に形成された端部材と
    を備え、
    対向して設けられる2つの前記接合部材に設けられる前記調節部材の対向するそれぞれの前記第2の接触面は、前記調節部材が設けられた前記2つの前記接合部材が所定の位置に設置された後に、前記端部材が溶接された前記梁材を対向する前記2つの前記調節部材の間に挿入できるように形成され、
    前記梁材は、
    前記調節部材を間に挟んで前記接合部材とボルト接合されたときに規定される前記端部材の前記第2の面の角度と、前記梁材の設置角度とに基づいて形状が決定され、前記第2の面と溶接される端部面を有し、
    前記接合部材と前記端部材とを接合するボルトは、前記接合部材の内部空間から前記外周面及び前記調節部材を貫通して前記端部材の内部まで挿入される、ラチスシェル構造の節点構造。
  4. 対向して設けられる2つの前記調節部材のそれぞれの前記第2の接触面は、互いに平行になるように形成された、請求項3に記載のラチスシェル構造の節点構造。
  5. 対向して設けられる2つの接合部材の対向するそれぞれの接触面を、前記2つの接合部材が所定の位置に設置された後に、梁材を前記2つの接合部材の間に挿入できるように形成するステップと、
    前記接合部材の平面状の前記接触面と端部材の平面状の第1の面とがボルト接合されたときにおける、前記接合部材の前記接触面に対する前記第1の面と異なる前記端部材の第2の面の角度を決定するステップと、
    前記第2の面の前記接触面に対する角度と、前記梁材の設置角度とに基づいて、前記第2の面と溶接される前記梁材の端部面の形状を決定し加工するステップと、
    前記梁材の前記端部面と前記端部材の前記第2の面とを溶接するステップと、
    前記端部材の前記第1の面と前記接合部材の前記接触面とをボルト接合するステップと
    を有し、
    前記接合部材と前記端部材とを接合するボルトは、前記接合部材の内部空間から前記接触面を貫通して前記端部材の内部まで挿入される、ラチスシェル構造の節点構造の施工方法。
  6. 対向して設けられる2つの接合部材に設けられる調節部材の対向するそれぞれの第2の接触面を、前記調節部材が設けられた前記2つの接合部材が所定の位置に設置された後に、梁材を前記2つの接合部材の間に挿入できるように形成するステップと、
    前記調節部材の平面状の前記第2の接触面と端部材の平面状の第1の面とが接触して前記調節部材を間に挟んで前記接合部材と前記端部材とがボルト接合されたときにおける、前記調節部材の前記第2の接触面に対する前記第1の面と異なる前記端部材の第2の面の角度を決定するステップと、
    前記第2の面の前記第2の接触面に対する角度と、前記梁材の設置角度とに基づいて、前記第2の面と溶接される前記梁材の端部面の形状を決定し加工するステップと、
    前記梁材の前記端部面と前記端部材の前記第2の面とを溶接するステップと、
    前記調節部材を間に挟んで前記端部材と前記接合部材とをボルト接合するステップと
    を有し、
    前記接合部材と前記端部材とを接合するボルトは、前記接合部材の内部空間から前記接合部材の前記調節部材との接触面及び前記調節部材を貫通して前記端部材の内部まで挿入される、ラチスシェル構造の節点構造の施工方法。

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