JP5499965B2 - 交流回転機の制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、誘導機や同期機といった交流回転機の制御装置に関する。
従来の交流回転機の制御装置において、交流回転機に位置センサを取り付けることなく交流回転機を速度制御する方法として、交流回転機の誘起電圧から交流回転機の速度を推定し、推定した推定速度と速度指令とが一致するように交流回転機を制御する方法(センサレスベクトル制御)がある。この方法で用いる誘起電圧の大きさは交流回転機の速度に比例するため、低速域では誘起電圧が小さくなり、誘起電圧の検出または推定が困難になり推定速度の精度が悪化する。このため、低速域では交流回転機を速度制御することが困難になる。
そこで、誘起電圧の検出または推定が困難な低速域では、任意の制御位相上に所定の電流ベクトルを流し、速度指令を積分することで得られた同期位相を制御位相として与えることで、交流回転機の速度が速度指令に対して追従するように交流回転機を制御する方法(同期電流制御)がある。低速域では同期電流制御で交流回転機を駆動し、速度指令が誘起電圧の検出または推定が十分行える値になったら、同期電流制御からセンサレスベクトル制御へ切換える方法が知られている。この方法では、同期電流制御とセンサレスベクトル制御との切換えにおいて、制御位相や電流ベクトル指令が不連続にならないように適切な指令を与えないと、交流回転機の速度が変動したりしてスムーズに交流回転機を駆動することができない。このような切換え時にスムーズに交流回転機を駆動する方法として、同期運転モード中に、永久磁石同期モータの回転子軸とdqベクトル制御部の制御系軸との軸誤差を推定し、推定した軸誤差と電流指令値の位相差とを略一致させてから同期運転モードから位置センサレスモードに切換える方法がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−029016号(第7−10頁、第2図)
特許文献1に開示された方法は、予め設定しておいた電流指令値と推定した軸誤差との位相を略一致させることで、制御位相をモータ実位相に一致させた後で同期運転モード(同期電流制御)から位置センサレスモード(センサレスベクトル制御)に切換えることでスムーズに交流回転機を駆動させる方法である。電流指令値と推定した軸誤差との位相を略一致させる期間は、軸誤差が正しく推定できている期間であるので、位置センサレスモードでも駆動できる期間である。位置センサレスモードであれば、速度指令と推定速度との偏差に応じて電流が自動調整されるため、高負荷がかかっても交流回転機の駆動が可能である。
しかしながら、特許文献1に開示された方法では、スムーズに交流回転機を駆動させる目的で、予め電流指令値と推定した軸誤差との位相を略一致させているため、予め電流指令値の大きさより小さい電流を必要とする負荷に対しては駆動することができるが、予め電流指令値の大きさ以上の電流を必要とする高負荷に対しては駆動することができない。また、特許文献1に開示された方法は、電流指令値と推定した軸誤差との位相を略一致させることで同期運転モードから位置センサレスモードにスムーズに切換えるものであるが、特許文献1には、位置センサレスから同期運転モードへの切換え方法については記載されておらず、また、仮に電流指令値と推定した軸誤差との位相を略一致させようとしても、位置センサレスモードでは軸誤差が発生していないため、特許文献1に開示された方法では位置センサレスモードから同期運転モードへスムーズに切換えることは困難である。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、同期電流制御(特許文献1における電流指令値と推定した軸誤差との位相を略一致させる期間以外の同期運転モードに相当)からセンサレスベクトル制御(特許文献1における位置センサレスモードに相当)へ、またはセンサレスベクトル制御から同期電流制御へ切換える制御(特許文献1における電流指令値と推定した軸誤差との位相を略一致させる期間に相当)において、高負荷がかかってもスムーズに交流回転機を駆動する切換え制御を行う交流回転機の制御装置を得るものである。
この発明に係る交流回転機の制御装置は、電圧指令値に基づいて交流回転機に電圧を印加する電圧印加手段と、交流回転機に流れる回転機電流を検出する電流検出手段と、電圧指令値および回転機電流に基づいて交流回転機の回転子位置の推定値である推定位相と、交流回転機の回転速度の推定値である推定速度とを出力する推定手段と、任意の制御位相上での制御電流ベクトル指令を生成し、回転機電流を制御位相上へ変換した制御電流ベクトルが制御電流ベクトル指令に一致するように電圧指令値を出力する制御手段とを備え、制御手段は、外部より入力する速度指令と推定速度とが一致するようして得た実電流指令ベクトルと、制御位相と、推定位相と、予め設定された電流ベクトル設定値とに基づいて制御電流ベクトル指令を生成するとともに、任意に設定する同期位相と推定位相とを相互に切換えて制御位相とし、同期位相は、同期電流制御中は速度指令を積分した値に設定され、切換え中および制御位相と推定位相とが同一であるときは推定速度を積分した値に設定されるものである。
この発明は、交流回転機の回転子位置の推定値である推定位相と、交流回転機の回転速度の推定値である推定速度とを出力する推定手段と、任意の制御位相上での制御電流ベクトル指令を生成し、回転機電流を制御位相上へ変換した制御電流ベクトルが制御電流ベクトル指令に一致するように電圧指令値を出力する制御手段とを備え、制御手段は、外部より入力する速度指令と推定速度とが一致するようして得た実電流指令ベクトルと、制御位相と、推定位相と、予め設定された電流ベクトル設定値とに基づいて制御電流ベクトル指令を生成するとともに、任意に設定する同期位相と推定位相とを相互に切換えて制御位相とし、同期位相は、同期電流制御中は速度指令を積分した値に設定され、切換え中、及び制御位相と推定位相とが同一であるときは推定速度を積分した値に設定されるので、制御位相を切換える前に負荷が変動しても、切換え中の制御電流ベクトル指令や制御位相が不連続にならず、スムーズに交流回転機を駆動することができる交流回転機の制御装置を得ることができる。
本発明の実施の形態1における交流回転機の制御装置の構成を示す構成図である。 本発明の実施の形態1における推定手段の内部を示す構成図である。 本発明の実施の形態1における速度指令の絶対値|ω*|と位相比例係数Kcとの関係を示す図である。 本発明の実施の形態1におけるd−q軸上に表した電流ベクトル図である。 本発明の実施の形態1におけるδ軸電流指令演算部の内部を示す構成図である。 本発明の実施の形態1におけるd−q軸上に表した各制御時の電流ベクトル図である。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における、交流回転機の制御装置の構成を示す構成図である。本発明は、センサレスベクトル制御と同期電流制御との間で切換え制御を行う交流回転機の制御装置に関するものであり、本実施の形態では、同期電流制御から切換え制御を経てセンサレスベクトル制御へ切換える場合について説明する。また、交流回転機1は、三相永久磁石同期機である。
なお、センサレスベクトル制御とは、交流回転機に位置センサを取り付けることなく交流回転機を速度制御する方法であり、交流回転機の誘起電圧から交流回転機の速度を推定し、推定した推定速度と速度指令とが一致するように交流回転機を制御する方法である。また、同期電流制御とは、任意の制御位相上に所定の電流ベクトルを流し、任意に設定した同期位相を制御位相として与えることで、交流回転機の速度が速度指令に対して追従するように交流回転機を制御する方法であり、誘起電圧の検出または推定が困難な低速域で適用される方法である。
図1において、交流回転機の制御装置は、電圧指令値Vu*、Vv*、Uw*に基づいて交流回転機1に電圧を印加する電圧印加手段3と、交流回転機1と電圧印加手段3との間を流れる回転機電流iu、iwを検出する電流検出手段2と、電圧指令値Vu*、Uw*および回転機電流iu、iwに基づいて交流回転機1の回転子位置の推定値である推定位相(推定位置)θ0と交流回転機1の回転速度の推定値である推定速度ωr0とを出力する推定手段4と、任意の制御位相θc上での制御電流ベクトル指令iγ*、iδ*を生成し、回転機電流iu、iwを制御位相θc上へ変換した制御電流ベクトルiγ、iδが制御電流ベクトル指令iγ*、iδ*に一致するように電圧指令値Vu*、Vv*、Uw*を出力し、電圧印加手段3へ電圧指令値Vu*、Vv*、Uw*を出力する制御手段5とによって構成されている。
図1において、電流検出手段2は、例えば変流器等からなり、交流回転機1と電圧印加手段3とを結ぶ電力線からU相電流iuとV相電流ivとの二相分の電流(回転機電流)を検出する。なお、U相とV相以外に、U相電流iu、V相電流iv、W相電流iwのうち任意の二相分の電流を検出してもよいし、U相電流iu、V相電流iv、W相電流iwの三相電流を検出してもよい。電圧印加手段3は、PWM(Pulse Width Modulation)インバータなどの半導体電力変換器であり、制御手段5の出力である電圧指令値Vu*、Vv*、Uw*に基づいてPWM変調した電圧を交流回転機1に印加する。
推定手段4は、電流検出手段2の出力である回転機電流iu、ivと後述する制御手段5の出力である電圧指令値Vu*、Uw*とに基づいて、交流回転機1の推定位相θ0を演算し出力するものである。なお、電圧指令値は、適当な組合せの2相分の電圧指令値を使ってもよいし、3相全ての電圧指令値を使ってもよい。以下に、交流回転機1の推定位相θ0を演算する方法の一例として、誘起電圧を利用した方法について説明する。
図2は、推定手段4の内部を示す構成図である。図2において、3相/2相変換器A400は、電圧指令値Vu*、Uw*を交流回転機1の静止二軸上であるα−β軸上の電圧指令ベクトルVαs*、Vβs*に変換する。3相/2相変換器B401は、回転機電流iu、ivをα−β軸上の電流ベクトルiαs、iβsに変換する。ここで、交流回転機1の電機子抵抗をR、電機子インダクタンスをL、推定速度をωr0とし、行列A、B、C1、C2、Hを(1)式のように定義する。
Figure 0005499965
ここで、行列Hのh11、h12、h21、h22、h31、h32、h41、h42の値は、例えば再公表特許WO2002/091558号の第9図に記載されているように推定回転速度に応じて各増幅ゲインの値を変更するようにする。ゲイン行列演算器403は、行列Bに電圧指令ベクトル(Vαs*、Vβs*)を乗算した結果を出力する。なお、Tは転置行列を表す。加減算器402は、電流ベクトルiαs、iβsと後述する推定電流iαs0、iβs0とを図2記載の符号に従って加減算して電流偏差ベクトル(eα、eβ)を出力する。ゲイン行列演算器404は、電流偏差ベクトル(eα、eβ)に行列Hを乗算した結果を増幅偏差ベクトル(e1、e2、e3、e4)として出力する。加減算器405は、ゲイン行列演算器403の出力とゲイン行列演算器404の出力と後述するゲイン行列演算器406の出力とを図2記載の符号に従って加減算したベクトルを出力する。
積分器407は、加減算器405が出力するベクトルを各要素毎に積分し、α−β軸上の推定電機子反作用ベクトルpαs0、pβs0、およびα−β軸上の推定磁束ベクトルpαr0、pβr0を、ベクトル(pαs0、pβs0、pαr0、pβr0)として出力する。ゲイン行列406は、推定速度ωr0に基づいて(1)式の行列Aを得るとともに、この行列Aにベクトル(pαs0、pβs0、pαr0、pβr0)を乗算した結果を出力する。この一連の演算では、積分器407の入力が(1)式の各行列の右辺に相当するようになっている。また、(1)式の左辺はベクトル(pαs0、pβs0、pαr0、pβr0)の微分であり、積分器407の入力でもあるから、積分器407の出力はベクトル(pαs0、pβs0、pαr0、pβr0)となる。ここまでの動作を数式で表すと(2)式のようになり、α−β軸上の電圧指令ベクトル(Vαs*、Vβs*)および増幅偏差ベクトル(e1、e2、e3、e4)が与えられればα−β軸上の推定電機子反作用ベクトルpαs0、pβs0、およびα−β軸上の推定磁束ベクトルpαr0、pβr0を得ることができる。
Figure 0005499965
なお、(2)式の行列Aの内部パラメータである推定速度ωr0は、α−β軸上の電流偏差ベクトルのα軸成分をeα、β軸成分をeβ、sをラプラス演算子(微分演算子)、kpを比例ゲイン、kiを積分ゲインと定義し、(3)式によって与えることができる。
Figure 0005499965
次に、ゲイン行列408は、(4)式の行列演算を行い、推定電流(iαs0、iβs0)を出力する。また、ゲイン行列409は、(5)式の行列演算を行い、推定磁束ベクトル(pαr0、pβr0)を出力する。
Figure 0005499965
Figure 0005499965
位相推定器410は、入力される推定磁束ベクトル(pαr0、pβr0)に基づいて(6)式の演算を行い、推定位相θ0を出力する。
Figure 0005499965
速度推定器411は、入力される推定磁束ベクトル(pαr0、pβr0)と電流偏差ベクトル(eα、eβ)とに基づいて(3)式の演算を行い、推定速度ωr0を出力する。以上のように、推定手段4は、交流回転機1の推定位相を演算して出力する。また、推定手段4は、誘起電圧を利用した方法であるため、低速域では推定位相の演算精度が悪い。そこで、外部より入力する速度指令ω*の絶対値|ω*|が予め設定した基準値ωlev1未満の場合には推定手段4を停止させ、|ω*|が基準値ωlev1以上になったら推定手段4を動作させるようにしておくと良い。基準値ωlev1は、推定位相θ0、推定速度ωr0の演算精度が所望の値となるうちで最も小さい値に設定しておくと良い。なお、推定手段4は、上記に説明した方法に限らず、交流回転機1の回転子位置を推定するものであればどのような方法でも構わない。
制御手段5は、任意に設定した同期位相θsと、推定位相θ0と、予め設定した電流ベクトル設定値iγ*_setとに基づいて、任意の制御位相θc上での制御電流ベクトル指令iγ*、iδ*を生成し、回転機電流iu、iwを制御位相θc上へ変換した制御電流ベクトルiγ、iδが制御電流ベクトル指令iγ*、iδ*に一致するように電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*を出力するものである。また、制御手段5は、速度指令ω*と推定速度ωr0とが一致するようして得た実電流指令ベクトルiδsp*と、制御位相θcと、推定位相θ0と、電流ベクトル設定値iγ*_setとに基づいて制御電流ベクトル指令iδ*を生成するとともに、任意に設定した同期位相θsと推定位相θ0とを相互に切換えて制御位相θcとするものである。なお、本実施の形態では、同期位相θsは、速度指令ω*を積分した値に設定される。以下に詳細の動作について説明する。
制御手段5は、速度指令ω*の大きさに応じて、同期電流制御と切換え制御とセンサレスベクトル制御との3種類の制御方法を選択する。制御手段5は、速度指令ω*の絶対値|ω*|が0から予め設定した基準値ωlev2(ωlev2>ωlev1)未満までは同期電流制御を選択し、|ω*|が基準値ωlev2から予め設定された基準値ωlev3(ωlev3>ωlev2)未満までは切換え制御を選択し、|ω*|が基準値ωlev3以上であればセンサレスベクトル制御を選択し、制御を行う。
このような制御を実現するために、図1の同期位相演算器50は、同期電流制御時(|ω*|<ωlev2)には速度指令ω*を積分した同期位相θsを出力する。また、切換え制御時(ωlev2≦|ω*|<ωlev3)には、速度推定値ωr0を積分した同期位相θsを出力する。また、センサレスベクトル制御時(ωlev3≦|ω*|)には、後述する(19)式のように電流ベクトル設定値iγ*_setとセンサレスベクトル制御時の制御電流ベクトル指令iδ*であるiδsp*とを逆正弦演算して求めた負荷角θαを、(7)式のように推定位相θ0に加算した位相を同期位相θsとして出力する。同期位相θsは、実電流指令ベクトルiδsp*と、推定位相θ0と、電流ベクトル設定値iγ*_setとに基づいて求めることができる。また、センサレスベクトル制御時には(19)式で求めた負荷角θαも出力する。
Figure 0005499965
ここで、同期電流制御と切換え制御の間、および切換え制御とセンサレスベクトル制御の間の切換えをスムーズに行うために、位相比例係数Kcを設定する。図3に、速度指令ω*の絶対値|ω*|と位相比例係数Kcとの関係について示す。制御位相演算器55では、(8)式(図3)のように速度指令ω*に基づいて各制御毎に位相比例係数Kcを演算し、Kcに応じて制御位相θcを出力する。
Figure 0005499965
すなわち、制御位相演算器55が出力する制御位相θcは、同期電流制御(0≦|ω*|<ωlev2)の場合には、同期位相演算器50が出力する同期位相θsを、切換え制御(ωlev2≦|ω*|<ωlev3)の場合には、同期位相θsと推定手段4の出力である推定位相θ0とを位相比例係数Kcで重み付けした位相を、センサレスベクトル制御(ωlev3≦|ω*|)の場合には、推定位相θ0を、それぞれ出力する。本実施の形態においては、係数として速度指令ω*に比例して変化する位相比例係数Kcを用いて説明したが、係数としては、速度指令ω*がωlev2の時に同期位相θsとなり、速度指令ω*がωlev3の時に推定位相θ0となるように変化するものであればよい。
なお、交流回転機1が停止状態から起動する場合には、同期位相演算器50が、速度指令ω*の積分初期値を0として与えたり、例えば特許4271397号記載の方法で求めた初期磁極位置を積分初期値として与える。また、同期電流制御から切換え制御へ移行する場合には、同期電流制御から切換え制御へ移行して同期位相演算器50が推定速度ωr0を積分して、同期位相θsの演算を開始する直前の同期位相θsを推定速度ωr0の積分の積分初期値として与える。さらに、切換え制御から同期電流制御へ移行する場合も同様に、切換え制御から同期電流制御へ移行して同期位相演算器50が速度指令ω*を積分して、同期位相θsの演算を開始する直前の同期位相θsを速度指令ω*の積分の積分初期値として与える。
センサレスベクトル制御から切換え制御へ移行する場合には、センサレスベクトル制御から切換え制御へ移行して同期位相演算器50が推定速度ωr0を積分して同期位相θsの演算を開始する直前の同期位相θs、すわなち、(7)式で求めた同期位相θsを推定速度ωr0の積分の積分初期値として与える。このようにすることで、同期位相θsは積分する値が変わっても不連続になることを防ぐことができる。
制御手段5において、制御位相演算器55が出力する制御位相θc上で動作できるようにするため、座標変換器B54は、(9)式のように電流検出手段2で検出した回転機電流iu、ivを制御位相θc上の軸γ−δ軸への換算値である制御電流ベクトルiγ、iδに座標変換する。
Figure 0005499965
まず、同期電流制御時の制御手段5の動作について説明する。上述のとおり、同期電流制御時の制御位相θc上の軸γ−δ軸の電流指令である制御電流ベクトル指令iγ*、iδ*のうち、iγ*を予め設定した電流ベクトル設定値iγ*_setとして与える。電流ベクトル設定値iγ*_setは、任意の値で構わないが、交流回転機1の連続定格電流未満に設定しておくことが望ましい。そして、δ軸電流指令演算部51が出力する、もう1つ制御電流ベクトル指令であるiδ*については、ゼロに設定しておく。
電流制御器52は、制御電流ベクトル指令iγ*、iδ*に座標変換器B54の出力である制御電流ベクトルiγ、iδが一致するように比例積分制御を行い、制御電圧ベクトルVγ*、Vδ*を出力する。そして、座標変換器A53は(10)式のように、制御電圧ベクトルVγ*、Vδ*を電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*に変換し、出力する。
Figure 0005499965
以上の動作が、制御手段5の動作であるが、電流ベクトルの関係を示して同期電流制御時の駆動原理を説明する。図4に、d−q軸上に表した電流ベクトル図を示す。図4において、d軸は交流回転機1の回転子に存在する永久磁石のN極と同一方向の軸であり、q軸はd軸と直交する方向の軸である。d−q軸は、交流回転機1の回転子に同期して回転する軸であり、すなわち、交流回転機1の実際の軸である。一方、前述したように、γ−δ軸は、同期電流制御時には速度指令ω*を積分した同期位相θs上の軸であるので、γ−δ軸は速度指令ω*と同期して回転する軸である。ここで、交流回転機1から発生する回転機トルクTmを考える。回転機トルクTmは、例えば突極性が無い永久磁石同期機の場合、永久磁石磁束をφf、極対数をPm、q軸方向の電流をiqで定義すると(11)式のようになる。
Tm=Pm・φf・iq ・・・(11)
無負荷時には、定常的にiq=0となるため、上述したように制御電流ベクトル指令iδ*=0と制御していれば、図4(a)のように、制御電流ベクトル指令iγ*は、d軸方向に流れることになる。交流回転機1の回転子(d−q軸)は、図4(a)のようにq軸方向の電流iq=0の関係を保とうとするため、γ−δ軸に追従するように回転する。これが同期電流制御の駆動原理である。また、負荷時には、図4(b)のように、負荷トルクと回転機トルクTmとが釣り合う時のq軸方向の電流iqを負荷電流iLとすると、γ軸とd軸との間には、なす角(以下負荷角)θαが発生し、定常的に制御電流ベクトル指令iγ*のq軸射影成分が負荷電流iLと一致するようにγ−δ軸がd−q軸に対して傾き、交流回転機1の回転子(d−q軸)はγ−δ軸に追従するように回転する。
すなわち、d−q軸の回転子位相をθeとして、負荷角θαを(12)式のように定義すると、制御電流ベクトル指令iγ*および負荷電流iLは(13)式の関係を保つように、負荷角θαが自動的に決まり、γ−δ軸に追従するように交流回転機1の回転子(d−q軸)が回転する。
θα=θs−θe ・・・(12)
iL=−iγ*・sin(θα) ・・・(13)
同期電流制御時には、以上のような原理で交流回転機1が駆動するため、同期電流制御において駆動できる負荷は、電流ベクトル設定値iγ*_setの大きさで決まる。このため、電流ベクトル設定値iγ*_setよりも大きな電流を必要とする負荷が交流回転機1にかかった場合には、同期電流制御で駆動することができない。
次に、センサレスベクトル制御時の制御手段5の動作について説明する。センサレスベクトル制御時には、制御位相演算器55が出力する制御位相θcは、推定手段4が出力する推定位相θ0と同一である。また、センサレスベクトル制御時には、推定手段4は、ほぼ正確に交流回転機1の速度と位相を推定できていることが前提であるため、推定位相θ0≒交流回転機1の回転子位相θeである。すなわち、制御手段5は、センサレスベクトル制御時には、交流回転機1の実位相上で動作していることになる。
図5は、δ軸電流指令演算部51の内部を示す構成図である。図5のδ軸電流指令演算部は切換え制御にも関連するが、ここではセンサレスベクトル制御に関連する部分のみ説明することとする。図5において、切換え器513は、速度指令ω*の絶対値|ω*|に応じて、同期電流制御時(0≦|ω*|<ωlev2)には0を、切換え制御時(ωlev2≦|ω*|<ωlev3)には切換え電流指令演算器511の出力である電流指令ベクトルiδch*を、センサレスベクトル制御時(ωlev3≦|ω*|)には速度制御器512の出力である実電流指令ベクトルiδsp*を、それぞれ制御電流ベクトル指令iδ*として出力する。
速度制御器512は、外部より入力する速度指令ω*と推定手段4の出力である推定速度ωr0とが一致するように比例積分制御を行うことで得た実電流指令ベクトルiδsp*を出力する。よって、センサレスベクトル制御時には、電流ベクトル設定値iγ*_setと、速度制御器512において速度指令ω*と推定速度ωr0とが一致するように比例積分制御を行うことで得た実電流指令ベクトルiδsp*とを制御電流ベクトル指令iγ*、iδ*として電流制御器52に与える。電流制御器52は、制御電流ベクトル指令iγ*、iδ*に座標変換器B54の出力である制御電流ベクトルiγ、iδが一致するように比例積分制御を行い、制御電圧ベクトルVγ*、Vδ*を出力する。そして、座標変換器A53は(10)式に基づいて、制御位相θcを用いて、制御電圧ベクトルVγ*、Vδ*を電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*に変換し、出力する。
次に、切換え制御時の制御手段5の動作について説明する。まず、切換え制御時の制御位相θcについて説明する。切換え制御時には、制御位相演算器55が出力する制御位相θcは、図3に示した速度指令ω*の絶対値|ω*|によって変化する位相比例係数Kcに応じて、(14)式に示すように同期位相θsから推定位相θ0へ、または推定位相θ0から同期位相θsへの切換えを徐々に行う。
θc=Kc・θs+(1−Kc)・θ0 ・・・(14)
同期電流制御時の同期位相θsと推定位相θ0は互いに独立しており、両者の位相差である負荷角θαは図4のように負荷トルクに応じて変化する。センサレスベクトル制御時には、(7)式のように同期位相θsが与えられる。また、センサレスベクトル制御時には、推定位相θ0≒交流回転機1の回転子位相θeであり、負荷電流iL=実電流指令ベクトルiδsp*となる。負荷電流iL(=iδsp*)の状態を保って、同期電流制御で交流回転機1を駆動する場合、同期電流制御時の制御軸γ−δとd−q軸との関係は図4(b)のようになるので、この負荷電流の状態で同期電流制御時に同期位相θsが取るべき値は(7)式から求めることができる。
切換え制御時には、同期位相θsは推定速度ωr0を積分して与えられるので、同期位相θsと推定位相θ0とは同期して動くことになり、同期位相θsと推定位相θ0とは切換え制御へ移行する直前の関係(負荷角θα)を保持するため、制御位相θcは(14)式のように位相比例係数Kcのみに依存して同期位相θsと推定位相θ0との間の値を取ることになる。これが切換え制御中の制御位相の動作である。なお、切換え制御中に同期位相θsを推定速度ωr0の積分値ではなく、速度指令ω*の積分値で与えた場合、切換え制御中に負荷変動があると、負荷変動によって負荷角θαの値が変わり、同期位相θsも変化する。つまり、同期位相θsを速度指令ω*で与えた場合、切換え制御中の制御位相θcは位相比例係数Kcだけではなく負荷によっても変わってしまうことになり、スムーズに切換えられない場合がある。よって、切換え制御中の同期位相θsは推定速度ωr0の積分値で与え、同期位相θsと推定位相θ0とを同期させておくほうが良い。
続いて、切換え制御時の制御電流ベクトル指令iγ*、iδ*について説明する。制御電流ベクトル指令iγ*、iδ*のうち、iγ*は予め設定した電流ベクトル設定値iγ*_setとする。iδ*についてはδ軸電流指令演算部51の内部を示す構成図である図5を用いて説明する。図5において、制御位相差演算器510は、(15)式に示したように制御位相θcおよび推定位相θ0に基づいて制御位相差θβを演算する。なお、切換え制御へ移行する直前の同期電流制御時においては、推定手段4が精度良く推定位相θ0を推定できているという前提であるので、推定位相θ0=交流回転機1の回転子位相θeとなり、(16)式に示したように負荷角θαを表すことができる。また、θc=θsであるので、(15)式、(16)式よりθβ=θαとなる。
θβ=θc−θ0 ・・・(15)
θα=θs−θ0 ・・・(16)
速度制御器512は、同期電流制御から切換え制御へ移行した時点で演算を開始する。すなわち、速度制御器512は、同期電流制御以外の制御において演算を行う。具体的には、速度指令ω*と推定手段4の出力である推定速度ωr0とが一致するように比例積分制御を行い、実電流指令ベクトルiδsp*を出力するものである。切換え制御から速度制御器512の演算を開始して実電流指令ベクトルiδsp*を出力することで、交流回転機1のq軸電流、すなわち負荷トルクと釣り合うために必要な負荷電流を常に把握できることになる。なお、速度制御器512は、演算開始の比例積分制御の初期値を与えずにゼロに設定すると、実電流指令ベクトルiδsp*が負荷電流とほぼ同一の値になるまで遅れが生じるため、比例積分制御の初期値は(13)式のようにiγ*と負荷角θαで求めた負荷電流iLを与えておくことで、実電流指令ベクトルiδsp*をスムーズに立ち上げることができる。
切換え電流指令演算器511は、速度制御器512が出力する実電流指令ベクトルiδsp*、制御位相差演算器510が出力する制御位相差θβ(制御位相θcと推定位相θ0との差)、および電流ベクトル設定値iγ*_setに設定した制御電流ベクトル指令iγ*に基づいて(17)式より、切換え制御時の制御電流ベクトル指令iδ*であるiδch*を演算し、出力する。
Figure 0005499965
なお、切換え制御中に負荷トルクが変動すると、速度指令ω*と推定手段4の出力である推定速度ωr0とに偏差が生じるが、速度制御器512が速度指令ω*と推定速度ωr0を一致させようと比例積分制御を行うことで、自動的に実電流指令ベクトルiδsp*が調整される。
次に、各制御間の移行について説明する。ここでは、同期電流制御から切換え制御を経てセンサレスベクトル制御へ移行する場合について説明する。図6に、d−q軸上に表した各制御時の電流ベクトル図を示す。交流回転機1が停止状態から起動して同期電流制御を行う時には、図6(a)のように、負荷電流iLと制御電流ベクトル指令iγ*が(13)式に示すように、すなわち、制御電流ベクトル指令iγ*のq軸射影成分と負荷電流iLとが釣り合うように、自動的にd−q軸とγ−δ軸との間には負荷角θα(=制御位相差θβ)の位相差が発生する。
切換え制御時には、図6(b)のような電流ベクトルとなる。速度指令ω*によって位相比例係数Kcが1から0に変位するにつれて、γ−δ軸も徐々にd−q軸へと近づいてゆく。制御電流ベクトル指令iγ*は予め設定した一定の電流ベクトル設定値であるため、制御電流ベクトル指令iγ*のq軸射影成分が負荷電流iLより小さくなり釣り合わなくなる。これを補うためにδ軸電流指令演算部51は、制御電流ベクトル指令iδ*を発生させる。制御電流ベクトル指令iδ*のq軸射影成分はiδ*にcos(θβ)を乗じたものであるので、負荷電流iLと制御電流ベクトル指令iγ*、iδ*との関係は(18)式を満足するようにすればよい。
iL=−iγ*・sin(θβ)+iδ*・cos(θβ) ・・・(18)
切換え制御時には、速度制御器512は、速度指令ω*と推定手段4の出力である推定速度ωr0とが一致するように比例積分制御を行い、実電流指令ベクトルiδsp*を演算しており、この実電流指令ベクトルiδsp*は、負荷電流iLとほぼ同一になる。切換え電流指令演算器511から出力される切換え制御時の制御電流ベクトル指令iδ*であるiδch*は、(17)式を利用して演算する。なお、(18)式は(17)式のiδsp*をiLに、iδch*をiδ*に置換えて変形したものである。
センサレスベクトル制御時は、図6(c)のような電流ベクトルとなる。センサレスベクトル制御時はθβ=0となるため、電流ベクトル設定値iγ*_setのq軸射影成分はゼロとなるので、制御電流ベクトル指令iδ*と負荷電流iLとは一致する。切換え制御からセンサレスベクトル制御へ移行した直後の制御電流ベクトル指令iδ*は、(17)式にθβ=0を代入し、iδch*はiδ*を置換えたものであるので、iδ*=iδsp*となる。このように、切換え制御時から速度制御器512の演算を開始し、速度制御器512により求めた実電流指令ベクトルiδsp*を用いて制御電流ベクトル指令iδ*を(17)式から演算することで、同期電流制御中には制御電流ベクトル指令iγ*以上に電流を必要とする高負荷がかかった場合には交流回転機1を駆動できない。しかしながら、切換え制御中には制御電流ベクトル指令iγ*以上に電流を必要とする高負荷がかかった場合でも、それに応じて実電流指令ベクトルiδsp*が変化し、それに伴い制御電流ベクトル指令iδ*も変化するため、高負荷でも駆動することができ、また、位相比例係数Kcに応じて制御位相θcを同期位相θsから推定位相θ0へ移行させることでスムーズに交流回転機1を駆動することができる。すなわち、従来方法ではセンサレスベクトル制御へ移行しないと高負荷駆動できなかったが、本発明では切換え制御の段階から高負荷駆動することができるため、従来方法よりも低速時から高負荷駆動ができる。
以上のように、本実施の形態による交流回転機1の制御装置は、速度指令ω*と推定速度ωr0とが一致するように比例積分制御を行うことで得た実電流指令ベクトルiδsp*と、電流ベクトル設定値iγ*_setに設定したiγ*と、(15)式のように制御位相θcと推定位相θ0とから求めた制御位相差θβとに基づいて、(17)式から求めた電流指令ベクトルiδch*を制御電流ベクトル指令iδ*として生成するとともに、速度指令ω*によって変化する位相比例係数Kcに応じて制御位相θcを同期位相θsから推定位相θ0へ徐々に切換えることで、同期電流制御からセンサレスベクトル制御へスムーズに切換えることができ、更に切換え制御の段階から高負荷駆動が可能となる。なお、制御位相θcを速度指令ω*に応じて同期位相θsから推定位相θ0へ徐々に切換えることによって、同期位相θsと推定位相θ0に偏差があってもスムーズに駆動することができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、各制御間の移行について、同期電流制御から切換え制御を経てセンサレスベクトル制御へ移行する場合について説明したが、本実施の形態では、センサレスベクトル制御から切換え制御を経て同期電流制御へ移行する場合、すなわち、制御位相を推定位相から同期位相へ切換える場合について説明する。本実施の形態による交流回転機の制御装置は、図1と同様の構成であるが、一部の動作に異なる部分がある。ここでは、同期位相演算器50の動作についてのみ説明する。
センサレスベクトル制御時には、同期電流制御の時のように、自動的に負荷角θαが決まらないため、推定位相θ0と同期電流制御時の同期位相θsとの関係も自動的には決まらない。仮に、負荷角θα=0として切換え制御から同期電流制御へ切換えると、負荷がかかっている場合には、γ−δ軸は図6(c)の状態から図6(a)の状態に急変してしまう。このため、スムーズに交流回転機1を駆動することができない。そこで、同期位相演算器50は、センサレスベクトル制御時および切換え制御時に、同期電流制御になった時の負荷角θαを常に計算し、(16)式を用いて同期電流制御時の同期位相θsを求めておく。同期電流制御時の電流ベクトルは図6(a)であり、センサレスベクトル制御時には、実電流指令ベクトルiδsp*=負荷電流iLであるので、(13)式を変形して負荷角θαは(19)式より求めることができる。
Figure 0005499965
(19)式と(16)式より、同期電流制御時の同期位相θsは(7)式となる。切換え制御時には、(16)式、(19)式、および(7)式で求めた同期位相θsを用いて、(14)式のように、制御位相θcを位相比例係数Kcに応じて推定位相θ0から同期位相θsへと移行させる。切換え制御から同期電流制御へ移行した時の同期位相θsと推定位相θ0との位相差は(19)式の負荷角θαとなる。切換え制御時は、実施の形態1と同様に、切換え制御時の制御電流ベクトル指令iδ*を(17)式で求めた電流指令ベクトルiδch*で与えることで、実施の形態1と同様に切換え制御中でも交流回転機1の高負荷駆動が可能となる。
以上のように、本実施の形態による交流回転機1の制御装置は、速度指令ω*と推定速度ωr0とが一致するように比例積分制御を行うことで得た実電流指令ベクトルiδsp*と、電流ベクトル設定値iγ*_setに設定したiγ*と、(19)式のように負荷角θαを計算し、計算した負荷角θαと推定位相θ0とを加算することで(7)式のように同期位相θsを求め、実電流指令ベクトルiδsp*と、電流ベクトル設定値iγ*_setに設定したiγ*と、(15)式のように制御位相θcと推定位相θ0とから求めた制御位相差θβに基づいて、(17)式から求めた電流指令ベクトルiδch*を制御電流ベクトル指令iδ*として生成するとともに、速度指令ω*によって変化する位相比例係数Kcに応じて制御位相θcを推定位相θ0から同期位相θsへ徐々に切換えることで、センサレスベクトル制御から同期電流制御へスムーズに切換えることができ、更に切換え制御の段階から高負荷駆動が可能となる。なお、制御位相θcを速度指令ω*に応じて推定位相θ0から同期位相θsへ徐々に切換えることによって、同期位相θsと推定位相θ0に偏差があってもスムーズに駆動することができる。
1 交流回転機、2 電流検出手段、3 電圧印加手段、4 推定手段、5 制御手段、
50 同期位相演算器、51 δ軸電流指令演算部、52 電流制御器、
53 座標変換器A、54 座標変換器B、55 制御位相演算器、
400 3相/2相変換器A、401 3相/2相変換器B、402,405 加減算器、
403,404,406,408,409 ゲイン行列演算器、407 積分器、
410 位相推定器、411 速度推定器、510 制御位相差演算器、
511 切換え電流指令演算器、512 速度制御器、513 切換え器。

Claims (3)

  1. 電圧指令値に基づいて交流回転機に電圧を印加する電圧印加手段と、
    前記交流回転機に流れる回転機電流を検出する電流検出手段と、
    前記電圧指令値および前記回転機電流に基づいて前記交流回転機の回転子位置の推定値である推定位相と、前記交流回転機の回転速度の推定値である推定速度とを出力する推定手段と、
    任意の制御位相上での制御電流ベクトル指令を生成し、前記回転機電流を前記制御位相上へ変換した制御電流ベクトルが前記制御電流ベクトル指令に一致するように前記電圧指令値を出力する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、外部より入力する速度指令と前記推定速度とが一致するようして得た実電流指令ベクトルと、前記制御位相と、前記推定位相と、予め設定された電流ベクトル設定値とに基づいて前記制御電流ベクトル指令を生成するとともに、
    任意に設定する同期位相と前記推定位相とを相互に切換えて前記制御位相とし、
    前記同期位相は、同期電流制御中は前記速度指令を積分した値に設定され、切換え中および前記制御位相と前記推定位相とが同一であるときは前記推定速度を積分した値に設定されることを特徴とする交流回転機の制御装置。
  2. 前記同期位相は、前記制御位相と前記推定位相とが同一であるときは、前記実電流指令ベクトルと、前記推定位相と、前記電流ベクトル設定値とに基づいて演算した値に設定されることを特徴とする請求項1に記載の交流回転機の制御装置。
  3. 前記制御手段は、前記同期位相と前記推定位相との切換えを前記速度指令に応じて徐々に行うことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の交流回転機の制御装置。
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