JP5498295B2 - 地下構造物の施工方法 - Google Patents

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本発明は、トンネルの間に構築される構造体などの地下構造物の施工方法に関するものである。
従来、一対のトンネルの間に構造体を構築する場合などの地下構造物の施工方法の一つとしては、構造体施工位置の上方にパイプルーフを構築し、パイプルーフ下方を掘削し、掘削した空間に構造物を構築する方法がある。
このようなパイプルーフを用いた地下構造物の構築方法としては、例えば、複数の素管を掘削形状に応じて例えば矩形等に配置し、素管同士を継手で連結してパイプルーフを構築する方法がある(特許文献1)。
また、同様に、鋼管同士の継手内部に注入パイプを挿入し、継手内部に注入材を注入するパイプルーフ工法がある(特許文献2)。
特開平10−169361号公報 特開平10−37656号公報
しかし、特許文献1、特許文献2のいずれに記載のパイプルーフの構築方法においても、継手が必要であるため、継手を互いに連結した状態で鋼管を打設する必要があり、継手の精度の確保や、鋼管の打設精度確保、鋼管の構造の複雑化などの問題がある。
特に、上述のパイプルーフでは、継手同士を確実に連結しないと、上方からの土砂の崩壊を防止するパイプルーフの機能が発揮できず、例えば、パイプルーフ下方に仮支保工の設置をしながらパイプルーフ下方を掘削し、地下構造物設置予定部の掘削が終了する際には、本受け支保工によって上方からの荷重を受け、本受け支保工が設置された状態で地下構造物を構築する必要があるため作業が煩雑である。また、本受け支保工は地下構造物に埋め戻されるため、躯体品質上の問題もある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、作業性に優れ、品質の高い地下構造物を構築することが可能な地下構造物の施工方法を提供することを目的とする。
前述した目的を達成するため、第1の発明は、地下構造物の施工方法であって、地下構造物の施工予定部上方に複数の鋼管を打設し、前記鋼管の長手方向とは略垂直な方向にアーチ状のパイプルーフを形成する工程(a)と、前記鋼管同士の間の土砂を除去する工程(b)と、前記鋼管同士の間に圧縮力伝達部材を打設して前記鋼管同士を一体化する工程(c)と、前記パイプルーフ下部に地下構造物を構築する工程(d)と、を具備し、前記工程(b)の後、前記鋼管同士の間にくさび部材またはプレートジャッキを挿入し、前記パイプルーフのアーチ方向に圧縮力を付与する工程(f)をさらに具備することを特徴とする地下構造物の施工方法である。また第2の発明は、地下構造物の施工方法であって、地下構造物の施工予定部上方に複数の鋼管を打設し、前記鋼管の長手方向とは略垂直な方向にアーチ状のパイプルーフを形成する工程(a)と、前記鋼管同士の間の土砂を除去する工程(b)と、前記鋼管同士の間に圧縮力伝達部材を打設して前記鋼管同士を一体化する工程(c)と、前記パイプルーフ下部に地下構造物を構築する工程(d)と、を具備し、前記工程(b)の後、前記鋼管同士の間には、座屈防止材を鋼板で挟み込んだ連結部材が設けられることを特徴とする地下構造物の施工方法である。前記工程(a)において打設される前記鋼管には、隣り合う鋼管方向に張り出した土砂除去部区画部材が前記鋼管の長手方向に沿って接合されており、前記工程(b)において、前記鋼管同士の間の前記土砂除去部区画部材の下方の土砂を除去してもよい。前記工程(b)の前に、前記パイプルーフから、少なくとも前記パイプルーフの上方の地盤を改良する工程(e)をさらに具備してもよい。
前記工程(b)は、前記パイプルーフで囲まれた前記パイプルーフの下方領域を前記パイプルーフの軸方向に所定長さ掘削し、前記鋼管同士の間の土砂を除去する工程であり、前記工程(b)から前記工程(c)を繰り返すことで、前記パイプルーフの全長に渡って一体化してもよい。
前記工程(b)は、前記パイプルーフで囲まれた前記パイプルーフの下方領域を前記パイプルーフの軸方向に所定長さ掘削し、前記鋼管同士の間の土砂を除去する工程であり、前記工程(c)の前に、前記工程(b)で掘削された領域において前記パイプルーフの下部に仮支保工を設置し、前記工程(d)において前記仮支保工を撤去しつつ、前記地下構造物に対応する深さまで前記パイプルーフ下方を掘削してもよい。
打設される前記鋼管の外周の、前記鋼管同士の間に位置する部位には、圧縮伝達部材保持部材が長手方向に接合されていてもよい。
前記工程(e)は、凍結管によって地盤を凍結止水する工程であり、前記工程(c)の際、前記土砂除去部区画部材の内面に断熱材を設置後に圧縮力伝達部材を打設してもよい。
前記工程(e)は、凍結管によって地盤を凍結止水する工程であり、前記工程(c)の際、防凍材が混ぜられた圧縮力伝達部材を打設してもよい。
本発明によれば、鋼管の長手方向とは垂直な方向にアーチ状にパイプルーフが形成されるため、アーチ効果によって効率良くパイプルーフが上方からの荷重を受けることができる。また、鋼管同士は鋼管同士の間に打設される圧縮力伝達部材で一体化されるため、継手等が不要である。なお、圧縮力伝達部材とは、モルタル、コンクリート、流動化処理土、マンメイドロック、マンメイドソイルなど、固結することで鋼管同士の間に作用する圧縮力を伝達可能な部材である。
また、鋼管同士の間には土砂除去部区画部材が設けられれば、土砂除去部区画部材によって、容易に鋼管同士の間の土砂を掘削することができる。
また、パイプルーフ下方の掘削を、所定長さに渡ってパイプルーフ下方を掘削し、掘削範囲における鋼管同士の間の土砂を除去した後、当該範囲において鋼管同士の間に圧縮力伝達部材を打設することを繰り返すことにより、一体化されていないパイプルーフ(アーチ効果が期待できない範囲)が、既に圧縮力伝達部材で一体化されたパイプルーフ範囲と、土砂により埋設されている範囲との間の位置し、それらの両側で支持されるため、掘削範囲が崩壊することがない。
また、掘削範囲に仮支保工を設置し、圧縮力伝達部材によってパイプルーフが一体化されるまでの間、仮支保によって上方からの荷重を支持すれば、より確実に上方からの土砂の崩壊を防止できるとともに、一度に掘削できる範囲(パイプルーフ軸方向長さ)を広く(長く)することもできる。
また、鋼管同士の間に位置する部位に予め圧縮伝達部材保持部材を設けておけば、鋼管を設置して鋼管同士の間に圧縮力伝達部材を打設した際に、圧縮伝達部材保持部材がジベルとしての機能を果たし、より確実に圧縮力伝達部材と鋼管とを一体化することができる。なお、圧縮伝達部材保持部材は、鋼棒や形鋼などの部材であり、圧縮力伝達部材と鋼管とのずれを防止できれば良い。
また、凍結管を設置し、凍結管によって地盤を凍結止水する場合に、板部材の内面にあらかじめ断熱材を設置すれば、打設する圧縮力伝達部材が凍結等することがない。また、圧縮力伝達部材に防凍材を混ぜておくことで、同様に圧縮力伝達部材の凍結を防止することができる。
また、鋼管同士の間に、くさび部材またはプレートジャッキを挿入して、圧縮力伝達部材打設前にパイプルーフのアーチ方向に圧縮力を付与することで、圧縮力伝達部材固結前にパイプルーフのアーチ効果を発揮させることができる。また、鋼管同士の間に、座屈防止材を鋼板で挟み込んだ連結部材を設けることで、より確実に効果同士を一体化することができる。
本発明によれば、作業性に優れ、品質の高い地下構造物を構築することが可能な地下構造物の施工方法を提供することができる。
(a)は地下構造体1を示す図、(b)は地下構造体1’を示す図。 鋼管13をアーチ状に設置した状態を示す図で、(a)はトンネル軸方向から見た図、(b)は(a)のA−A線断面図。 パイプルーフ7上方の地盤を凍結止水した状態を示す図で、(a)は図2のB部における拡大図、(b)は全体図。 パイプルーフ7下方を掘削した状態を示す図。 鋼管同士の間にモルタル27を打設した状態を示す図。 パイプルーフ7下方の掘削方法を示す図。 トンネル5の間の地下構造物設置範囲を掘削した状態を示す図。 パイプルーフ7下方に仮支保工31を設置した状態を示す図。 (a)は鋼管13同士の間にくさび部材33を挿入した状態を示す図、(b)は鋼管13同士の間にプレートジャッキ35を挿入した状態を示す図。 鋼管13同士の間に連結部材37を設置した状態を示す図。
以下、本発明の実施の形態にかかる地下構造物の施工方法等について説明する。図1(a)は、本発明により構築された地下構造物1を示す図である。地下構造物1は、地面3下方に設けられた一対のトンネル5と、トンネル5の間に形成された合流部等を構成する躯体9等から構成される。なお、本発明は、地下に構築される構造物であれば、図1(a)の例に限られない。
躯体9は、トンネル5の間に構築され、上方にはパイプルーフ7が形成される。すなわち、躯体9は、パイプルーフ7の下方に形成される空間で構築される。なお、躯体9には、躯体9を構築する際にパイプルーフ7を支持していた支保工等が埋設されていることはない。なお、パイプルーフ7は、円断面の鋼管以外でも任意の断面形状のものが使用できる。たとえば、図1(b)に示すように、矩形断面の鋼管を用いてパイプルーフ7’を形成してもよい。以下の例では、円断面の鋼管を用いた例について説明する。
次に、地下構造物1の構築方法について説明する。図2は、トンネル5の上方にパイプルーフ7を構築した状態を示す図で、図2(a)はトンネル軸方向より見た図、図2(b)は図2(a)のA−A線断面図である。まず、図2に示すように、地下に構築されたトンネル5の間の地下構造物施工部の端部近傍に立坑11が構築される。次いで、立坑11より、複数の鋼管13を打設してパイプルーフ7が構築される。なお、パイプルーフの施工は、立坑のみからではなく、のり面や既設躯体から行ってもよい。
鋼管13は、軸方向に略まっすぐであり、トンネル5の上方にまたがるようにアーチ状に設置される。すなわち、パイプルーフ7の両端部はトンネル5の略頂部に位置し、パイプルーフ7は、トンネル5同士の間の上方に、複数の鋼管13は鋼管13の軸方向に対して略垂直な方向にアーチ状に配置される。
次に、図3に示すように必要に応じてパイプルーフ7上方の地盤改良が行われる。図3(a)は、図2のB部に対応する部位の拡大図であり、図3(b)は全体図である。図3(a)に示すように、鋼管13は、あらかじめ両側方に圧縮伝達部材保持部材である異形鋼棒17が設けられている。異形鋼棒17は、鋼管13の長手方向に沿って溶接されており、鋼管13を打設した際に、隣り合う鋼管同士の互いの間に位置する部位に配置される。
鋼管13内部の上方(例えば、鋼管13の中心から両側方に略45度程度の位置)には凍結管19が設置される。凍結管19内部には図示を省略したポンプ等によって冷媒を流すことが可能である。なお、凍結管19の配置や本数は図示した例に限られない。また、凍結管は、あらかじめ鋼管に設けておいてもよいが、パイプルーフに隣接するように、隣接地盤に別途設置してもよい。
鋼管13外方の凍結管19の設置位置に略対応する位置には、土砂除去部区画部材である板部材15が設けられる。板部材15はあらかじめ鋼管13に溶接等によって接合されており、鋼管13の長手方向に沿って形成される。板部材15は、鋼管13の両側方に向けて設けられている。鋼管13を打設する際には、図3(a)に示すように、隣り合う鋼管13のそれぞれの板部材15同士が重なり合うように、所定間隔をあけて鋼管13が打設される。なお、板部材15は例えば鋼板であるが、鋼管同士の間の土砂を除去する範囲を区画できれば、板状その他の形態でも良い。
凍結管19に冷媒を流すと、図3(a)に示すように、鋼管13の上方(鋼管13同士の間の上方)が凍結土壌21となる。すなわち、板部材15の上方(板部材15近傍)の土壌が凍結する。したがって、鋼管13同士の上方が止水される。なお、鋼板13同士の間の板部材15上方は凍結止水されるため、板部材15は、単体で上方からの土砂を受け持つほどの強度は不要である。
このような地盤改良をパイプルーフ7の全体に行うことで、図3(b)に示すように、パイプルーフ7上方全体に凍結土壌21が形成され、パイプルーフ7の上方から下方に対して止水を行うことができる。なお、地盤改良は、凍結による方法に限られない。たとえば、凍結管に代えて、薬液注入用の配管を鋼管13に設けておき、パイプルーフ7の上方を薬液注入によって止水してもよい。
次に、パイプルーフ7の下方を掘削する。図4は、パイプルーフ7の下方を掘削した状態を示す図である。図4に示すように、パイプルーフ7下方が掘削されて掘削部23が構築されるとともに、鋼管13同士の間(板部材15の下方)の土砂が除去される。掘削部23は、例えばアーチ状のパイプルーフ7で囲まれる空間に形成される。
パイプルーフ7の上方(鋼管13の間)が凍結土壌21によって止水されるため、パイプルーフ7の下部(および鋼管13の間)を掘削してもパイプルーフ7上方から漏水等が起こることがなく、また、土砂等が落下することもない。なお、掘削部23は、パイプルーフ7の端部においては前述した立坑側より形成すればよい。パイプルーフ7の軸方向に対する掘削方法については後述する。
次に、図5に示すように、パイプルーフ7の下部に型枠25が設置され、鋼管13同士の間であって板部材15の下方の領域に圧縮力伝達部材であるモルタル27が打設される。ここで、モルタル27が打設される前に、あらかじめ板部材の内面(下面)に断熱材29を設置することが望ましい。モルタル27が、凍結管19(凍結土壌21)により冷却され、凍結することを防止するためである。また、モルタル27として、防凍材を予め混ぜておくことで、モルタル27の凍結をより確実に防止することができる。
モルタル27が固結すると、鋼管13同士が一体化される。この際、鋼管13の側方であって、モルタル27との接触位置に異形鋼棒17が設けられるため、異形鋼棒17がジベルの機能を発揮し、モルタル27と鋼管13とが確実に一体化される。なお、型枠25は、モルタル27固結後に撤去してもよく、そのまま埋設してもよい。
次に、パイプルーフ7軸方向の掘削方法を説明する。図6は、パイプルーフ7下方の掘削工程を示す図である。まず、図6(a)に示すように、パイプルーフ7の下方がパイプルーフ7の軸方向に向けて(図中右側へ)向けて掘削されており、所定距離を掘削した後、前述の通り、パイプルーフ7が一体化される。図6(a)の例では、掘削されて露出した長さCのパイプルーフ7が一体化されている。この際、パイプルーフ7の残りの長さDは土中に埋設され、D部のパイプルーフ7は土によって支持されている。
次に、図6(b)に示すように、パイプルーフ7下方をパイプルーフの軸方向に掘削する(図中矢印G方向)。図6(b)の例では、距離Eだけパイプルーフ7下方が掘削される。掘削された状態において、C部は既にパイプルーフ7が一体化されており、アーチ効果を発揮しており、上方からの土圧等を受け持つことができる。一方、土中に埋設されているD部は、土によって荷重が支持されるため、土砂が崩落することがない。したがって、長さEの範囲のみ、パイプルーフ7が一体化されておらず、また、下方の土砂で上方からの土圧等を支持することができない部位となる。
すなわち、掘削後にE部で露出するパイプルーフ7が一体化されるまでの間は、E部上方からの土圧等は、C部およびD部が受け持つ。したがって、C部およびD部で支持可能な範囲(長さE)だけ掘削することが可能である。このような長さEとしては、パイプルーフの構造や土質、土かぶり等によっても異なるが、例えば4m程度となる。
図6(b)におけるE部のパイプルーフ7が一体化されると(すなわちE部がC部となると)、同様の手順を繰り返し、パイプルーフ7下方をパイプルーフ7軸方向に掘削する(図中矢印G方向)。この場合、図6(c)に示すように、パイプルーフ7の軸方向に、長さEずつ掘進してパイプルーフ7を一体化しつつ、パイプルーフ7の手前側においては、パイプルーフ7下部を深さ方向に掘削し(図中矢印H方向)、構築する構造物の設置深さまで掘削を行う。
以上の工程を繰り返しながら、パイプルーフ7の下方の対象部位を掘削して、構造物を構築する。図7は、パイプルーフ7下部を掘削した状態を示す図である。図7に示すように、上方でパイプルーフ7が完全に一体化されているため、上方の土圧をパイプルーフ7が受け持つことが可能である。このため、パイプルーフ7下部に支保工等を設置する必要がなく、躯体の設置時に、躯体と支保工とが干渉することもない。なお、パイプルーフが一体化された後、または前に、各鋼管内部にもモルタルを充填することで、より高強度なパイプルーフを得ることができる。
また、パイプルーフ7の両端は、トンネル5の頂部近傍の上部に位置する。このため、上方の土圧を受けとめるパイプルーフ7からの力を、トンネル5が受け持つことができる。なお、パイプルーフ7とトンネル5との隙間(図中F部)近傍は、あらかじめ薬液注入等により止水が行われる。
本実施の形態にかかる地下構造物の構築方法によれば、躯体の構築部位の上方にあらかじめアーチ状にパイプルーフ7が形成されるため、上方からの土圧をパイプルーフ7が受け持つことができ、躯体構築部位に支保工等を設置する必要がない。このため、躯体構築時に支保工と躯体とが干渉することがない。
また、パイプルーフ7に用いられる鋼管13には、継手等が不要であるため鋼管13の製造及び設置が容易である。また、板部材15を設けることで、掘削時にパイプルーフ7上方からの土砂の落下等がなく、また、掘削領域が明確であるため、パイプルーフ上方に堀過ぎることもない。また、パイプルーフ7の一体化は、所定距離を掘削しながら徐々に行うため、パイプルーフ7が一体化されておらず露出した部位は、すでに一体化された領域と、まだ土中に埋設されている領域とにより両側が支持される。このため、確実にパイプルーフ7を構築することができる。
また、地盤改良として凍結管19を用いる場合に、板部材15の内面に断熱材29を設けることで、モルタル27が凍結することがない。また、モルタル27に防凍材を混ぜることで、モルタル27の凍結を確実に防止することができる。
次に、他の実施形態について説明する。図8は、パイプルーフ構築の際に仮支保工31を用いる場合を示す図である。図6に示すように、パイプルーフ7が一体化されると(C部)、さらに奥に掘削を進めるが(E部)、この際、掘削されるE部は、鋼管同士が一体化されておらず、アーチ効果が期待できない。このため、上方からの土圧は、すでに一体化された部位(C部)と土中に埋設されている部位(D部)とで受け持たれる。したがって、E部の長さを長くしすぎると、C部とD部とで受け持つことが困難となる。
これに対し、図8に示すように、パイプルーフ7下方に仮支保工31を設置すると、一体化されていない範囲のパイプルーフ7についても、モルタル27が固結されるまでの間、上方からの力を受け持つことが可能である。すなわち、図6において、E部を掘削する際に、所定間隔で仮支保工31を設置しながら掘削を進めることで、E部(一体化されていない範囲)においても、暫定的に上方の土圧を受けることができる。
この場合、E部は、C部およびD部と、仮支保工31によって支持されるため、仮支保工を用いない場合と比較して、より長い距離を一度に掘削することができる。すなわち、E部を大きくすることができる。なお、仮支保工31は、仮支保工31により掘削した範囲がモルタル27によって一体化された後に撤去すれば良い。この場合には、すでにパイプルーフ7が一体化されているため、仮支保工31は不要となる。すなわち、仮支保工31は、あくまでもパイプルーフ7が一体化されるまでの暫定的なものであり、躯体構築時に躯体と干渉することはない。
また、図9は、一体化されていない範囲のパイプルーフに、アーチの軸力を付与する実施形態を示す図である。図9(a)に示すように、パイプルーフ7下方を掘削し、鋼管13同士の間の土砂を除去した後、鋼管13の間にくさび部材33が打ちこまれる(図中矢印I方向)。くさび部材33によって、鋼管13同士の圧縮力(アーチ形状の軸力)が付与され、アーチ効果を発揮する。このため、図6のE部において、パイプルーフ7が一体化されるまでの間においても、パイプルーフ7が上方の土圧等を受けもつことができる。したがって、E部の長さをより長くすることができる。なお、モルタル打設時には、くさび部材33をそのまま埋設すれば良い。
また、図9(b)に示すように、前述のくさび部材33に代えて、鋼管13同士の間にプレートジャッキ35を設置してもよい。プレートジャッキ35は、作動油によって、板状部材の両側方に変形する部材であり、変形によって両側方に力を付与することが可能である。鋼管13同士の間を掘削し、鋼管13の間にプレートジャッキ35を設置後、プレートジャッキ35を動作させると、プレートジャッキ35が両側方に変形して鋼管13同士の間に圧縮力を発生する(図中矢印J方向)。したがって、プレートジャッキ35によってもくさび部材33と同様の効果を奏する。
また、図10に示すように、鋼管13同士の間に連結部材37を設置してもよい。図10(a)は、連結部材37を設置した状態を示す図であり、図10(b)は図10(a)のK−K線断面図である。
図10(b)に示すように、連結部材37は、一対の鋼板39によって座屈防止部材41を挟み込み、ボルト43およびナット45で固定された部材である。座屈防止部材41としては、例えば木材など、ある程度の厚みを有すれば良い。鋼板39のみでは、鋼管39同士による圧縮力で座屈する恐れがあるため、厚みを増すために座屈防止部材41が挟み込まれる。
鋼板39は、鋼管13同士の間に設置され、鋼管13と接合が可能なように、鋼管13の外周面(鋼管13同士の間における鋼管13外面形状)と対応する形状を有する。したがって、連結部材37は、鋼管13同士の間に設置され、鋼管13と溶接等により接合される。隣り合う鋼管13同士は、連結部材37によって接合されるため、鋼管13同士の間隔が広がることがない。したがって、図6のE部の範囲において、モルタル27により一体化されるまでの間においてもパイプルーフ7が崩壊することがない。なお、くさび部材33等と同様に、モルタル27打設時には、連結部材37はモルタル27によって埋設すれば良い。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
たとえば、前述した各種の実施形態は、互いに組み合わせて用いることもできる。また、仮支保工31やくさび部材33等を用いることで、掘削及びパイプルーフの一体化を細かく繰り返すことなく、パイプルーフ7の略全長にわたって、一度に一体化を行うことも可能である。
また、パイプルーフ7下方を掘削後、パイプルーフ7の両端を水平方向に連結する連結部材を設ければ、パイプルーフ7の下方におけるアーチ形状が広がり、パイプルーフ7が崩壊することをより確実に防止することができる。
1………地下構造物
3………地面
5………トンネル
7………パイプルーフ
9………躯体
11………立坑
13………鋼管
15………板部材
17………異形鋼棒
19………凍結管
21………凍結土壌
23………掘削部
25………型枠
27………モルタル
29………断熱材
31………仮支保工
33………くさび部材
35………プレートジャッキ
37………連結部材
39………鋼板
41………座屈防止部材
43………ボルト
45………ナット

Claims (9)

  1. 地下構造物の施工方法であって、
    地下構造物の施工予定部上方に複数の鋼管を打設し、前記鋼管の長手方向とは略垂直な方向にアーチ状のパイプルーフを形成する工程(a)と、
    前記鋼管同士の間の土砂を除去する工程(b)と、
    前記鋼管同士の間に圧縮力伝達部材を打設して前記鋼管同士を一体化する工程(c)と、
    前記パイプルーフ下部に地下構造物を構築する工程(d)と、
    を具備し、
    前記工程(b)の後、前記鋼管同士の間にくさび部材またはプレートジャッキを挿入し、前記パイプルーフのアーチ方向に圧縮力を付与する工程(f)をさらに具備することを特徴とする地下構造物の施工方法。
  2. 地下構造物の施工方法であって、
    地下構造物の施工予定部上方に複数の鋼管を打設し、前記鋼管の長手方向とは略垂直な方向にアーチ状のパイプルーフを形成する工程(a)と、
    前記鋼管同士の間の土砂を除去する工程(b)と、
    前記鋼管同士の間に圧縮力伝達部材を打設して前記鋼管同士を一体化する工程(c)と、
    前記パイプルーフ下部に地下構造物を構築する工程(d)と、
    を具備し、
    前記工程(b)の後、前記鋼管同士の間には、座屈防止材を鋼板で挟み込んだ連結部材が設けられることを特徴とする地下構造物の施工方法。
  3. 前記工程(a)において打設される前記鋼管には、隣り合う鋼管方向に張り出した土砂除去部区画部材が前記鋼管の長手方向に沿って接合されており、
    前記工程(b)において、前記鋼管同士の間の前記土砂除去部区画部材の下方の土砂を除去することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の地下構造物の施工方法。
  4. 前記工程(b)の前に、前記パイプルーフから、少なくとも前記パイプルーフの上方の地盤を改良する工程(e)をさらに具備することを特徴とする請求項記載の地下構造物の施工方法。
  5. 前記工程(b)は、前記パイプルーフで囲まれた前記パイプルーフの下方領域を前記パイプルーフの軸方向に所定長さ掘削し、前記鋼管同士の間の土砂を除去する工程であり、
    前記工程(b)から前記工程(c)を繰り返すことで、前記パイプルーフの全長に渡って一体化することを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載の地下構造物の施工方法。
  6. 前記工程(b)は、前記パイプルーフで囲まれた前記パイプルーフの下方領域を前記パイプルーフの軸方向に所定長さ掘削し、前記鋼管同士の間の土砂を除去する工程であり、
    前記工程(c)の前に、前記工程(b)で掘削された領域において前記パイプルーフの下部に仮支保工を設置し、
    前記工程(d)において前記仮支保工を撤去しつつ、前記地下構造物に対応する深さまで前記パイプルーフ下方を掘削することを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載の地下構造物の施工方法。
  7. 打設される前記鋼管の外周の、前記鋼管同士の間に位置する部位には、圧縮力伝達部材保持部材が長手方向に接合されていることを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載の地下構造物の施工方法。
  8. 前記工程(e)は、凍結管によって地盤を凍結止水する工程であり、前記工程(c)の際、前記土砂除去部区画部材の内面に断熱材を設置後に圧縮力伝達部材を打設することを特徴とする請求項記載の地下構造物の施工方法。
  9. 前記工程(e)は、凍結管によって地盤を凍結止水する工程であり、前記工程(c)の際、防凍材が混ぜられた圧縮力伝達部材を打設することを特徴とする請求項記載の地下構造物の施工方法。
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