JP5498229B2 - 熱交換器用アルミニウム合金偏平管およびアルミニウム合金製熱交換器 - Google Patents
熱交換器用アルミニウム合金偏平管およびアルミニウム合金製熱交換器 Download PDFInfo
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{1/(10^Ra1)}×{1/(10^(Hv1/100))}×20000≧1000、および{1/(10^Ra2)}×{1/(10^(Hv2/100))}×20000≧1000の関係式(但し、「^」はべき乗を示す)
を満足する2層クラッド材を曲げ成形して端部を高周波溶接してなることを特徴とするものであり、Al−Si系合金ろう材をクラッドしたアルミニウムブレージングフィンを組み付けてろう付けして熱交換器を作製するための熱交換器用アルミニウム合金偏平管である。なお、以下の説明において、合金組成%は全て質量%で示す。
破断回数={1/(10^Ra)}×{1/(10^(Hv/100))}×20000
但し、Ra:材料表面の中心線平均粗さ(μm)、Hv:材料表面のビッカース硬さ、「^」はべき乗を示す。
例えば、材料表面の中心線平均粗さRaが0.3μm、材料表面のビッカース硬さHvが50の場合は、破断回数=(1/100.3)×(1/100.5)×20000=2000となる。
破断回数(表面)={1/(10^Ra1)}×{1/(10^(Hv1/100))}×20000
破断回数(裏面)={1/(10^Ra2)}×{1/(10^(Hv2/100))}×20000
となる。全体としての破断寿命は表面、裏面のうち短寿命の方に律速されるため、各々の計算値の低いほうがチューブの破断回数近似値となる。耐疲労性をそなえた材料の破断回数の目安として、上記破断回数の計算値≧1000にする必要がある。上記破断回数の計算値を1000以上にすることで、塑性域まで繰返し応力がかかる場合においても良好な疲労特性を示すチューブ材が得られる。上記破断回数の計算値が1400以上であると、より好ましい。
(芯材)
Siは、芯材の強度を向上させる機能を有する。特に、ろう付け中に犠牲陽極材から拡散してくるMgと共存することにより、ろう付け後、時効硬化を生じせしめ強度をさらに高める。好ましい含有範囲は0.3〜1.2%であり、0.3%未満ではその効果が小さく、1.2%を超えて含有すると耐食性を低下させるとともに、芯材の融点を下げ、ろう付け時に局部溶融が生じ易くなる。Siのより好ましい含有範囲は0.3〜1.0%である。
Znは犠牲陽極材の電位を卑にし、芯材に対する犠牲陽極効果を保持させる。その結果、芯材の孔食やすき間腐食を防止する。好ましい含有量は0.5〜5.0%の範囲であり、0.5%未満ではその効果が小さく、5.0%を超えると自己耐食性が低下する。Znのより好ましい含有範囲は3.0〜5.0%である。
表1に示す組成を有する芯材用合金、表2に示す組成を有する内皮材用合金を溶解し、連続鋳造により造塊した。得られた鋳塊のうち、芯材用合金の鋳塊については、600℃×10時間の均質化処理を行い、内皮材用合金の鋳塊については、600℃×10時間の均質化処理を行った。
ろう付け加熱後の強度測定と芯材および内皮材の硬度測定:強度測定は、クラッド材をJIS5号試験片に成型した後、常温で引張試験を行った。硬度測定は、クラッド材から採取した試験片を樹脂埋めし、断面を研磨した後JIS Z2244に基づいてビッカース硬さを測定した。
低サイクル曲げ疲労試験:図1に示す曲げ疲労試験機を用いて、ひずみ範囲すなわちひずみ振幅1.6%で曲げ疲労試験を実施し、破断までの繰返し数(回)を測定した。繰返し数1000回以上を合格とした。
内面の腐食試験:以下の腐食液を用い、以下の方法により試験を行った。
腐食液:粗悪水模擬液、pH3〜7 の弱酸性液(Cl― :195ppm、SO4 2−:60ppm、Cu2+:1ppm、Fe3+:30ppm )
方法:88℃で8hr 加熱したのち冷却し、25℃で16hr保持するサイクルを6ヶ月間繰り返し試験し、貫通腐食の有無で評価した。
表5に示す組成を有する芯材用合金、表6に示す組成を有する内皮材用合金を溶解し、連続鋳造により造塊した。得られた鋳塊のうち、芯材用合金の鋳塊については、600℃×10時間の均質化処理を行い、内皮材用合金の鋳塊については、600℃×10時間の均質化処理を行った。なお、表5、表6において、本発明の条件を外れたものには下線を付した。
Claims (6)
- 質量%で、Si:0.3〜1.2%、Fe:0.05〜0.7%、Cu:0.3〜1.0%、Mn:0.6〜1.8%、Ti:0.05〜0.3%を含有し、不純物としてのMgを0.1%未満に制限し、残部Alおよび不可避不純物からなる芯材の片面に、Zn:0.5〜5%を含有し、不純物としてのMgを0.5%以下に制限し、残部Alおよび不可避不純物からなる内皮材をクラッドしてなり、ろう付け加熱(600℃(材料温度)に加熱して3分間保持)後の引張強さが140MPa以上であり、前記ろう付け加熱後の表面および裏面の中心線平均粗さをそれぞれRa1およびRa2、前記ろう付け加熱後の表面および裏面のビッカース硬さをそれぞれHv1およびHv2としたとき、表面および裏面について、
{1/(10^Ra1)}×{1/(10^(Hv1/100))}×20000≧1000、および{1/(10^Ra2)}×{1/(10^(Hv2/100))}×20000≧1000の関係式(但し、「^」はべき乗を示す)
を満足する2層クラッド材を曲げ成形して端部を高周波溶接してなることを特徴とし、Al−Si系合金ろう材をクラッドしたアルミニウムブレージングフィンを組み付けてろう付けして熱交換器を作製するための熱交換器用アルミニウム合金偏平管。 - 前記内皮材が、さらにSi:0.3〜1.2%、Mn:0.6〜1.8%のうちの1種または2種を含むことを特徴とする請求項1に記載の熱交換器用アルミニウム合金偏平管。
- 前記芯材が、さらにCr:0.01〜0.3%、Zr:0.01〜0.3%のうちの1種または2種を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の熱交換器用アルミニウム合金偏平管。
- 前記内皮材が、さらにCr:0.01〜0.3%、Zr:0.01〜0.3%、Ti:0.01〜0.3%のうちの1種または2種以上を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱交換器用アルミニウム合金偏平管。
- 前記内皮材が、さらにFe:0.3〜1.5%、Ni:0.1〜1.5%のうちの1種または2種を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の熱交換器用アルミニウム合金偏平管。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のアルミニウム合金偏平管と、Al−Si系合金ろう材をクラッドしたアルミニウムブレージングフィンを組み合わせて、フッ化物系フラックスを用いる不活性ガス雰囲気ろう付けまたは真空ろう付けにより作製したことを特徴とするアルミニウム合金製熱交換器。
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