JP5497540B2 - M3b2型分散物を含む合金の製造方法 - Google Patents

M3b2型分散物を含む合金の製造方法 Download PDF

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本発明は、硬質分散物を含む合金に関し、特に、M型分散物を含む合金の製造方法に関する。
マトリクス母材にホウ化物が分散された合金材料、特にM型分散物(ここでMは、1または2種以上の金属元素)を含む合金は、優れた耐摩耗性を有するため、様々な分野において広く使用されている。
例えば、特許文献1には、ダイカストマシンのプランジャスリーブ等に使用され得る、Ni(ニッケル)−Si(シリコン)−Mo(モリブデン)合金中にNi−Moホウ化物(NiMo)が分散され、耐摩耗性に優れたNi基合金が示されている(特許文献1)。
特開2004−18995号公報
従来のM型分散物を含む合金は、おおむね以下の工程を経て製造される:
(i)原料粉末の準備
原料粉末として、例えば、最終的に得られる合金に含まれる各元素の粉末が準備される。
(ii)原料粉末のメカニカルアロイング処理
例えば、前記原料粉末が粉砕、混合処理され、微細混合粉末に調製される。
(iii)ホットプレス処理、または熱間静水圧プレス処理(以下「HIP処理」という)
例えば、(ii)で得られた微細混合粉末が、温度1000℃〜1300℃、圧力100MPa〜150MPa程度で加圧され、これにより、所望の形状のM型分散物を含む合金が作製される。
しかしながら、このような従来の方法では、(ii)および(iii)において、メカニカルアロイング処理用の装置やHIP処理用の装置が必要となる。通常の場合、このような装置は、大がかりで高額である上、歩留まりが悪く、使い勝手が悪いという欠点がある。従って、従来の方法では、M型分散物を含む合金を、簡便および/または容易に製作することができないという問題がある。
本発明は、このような背景に鑑みなされたものであり、本発明では、簡便で容易な方法で、M型分散物を含む合金を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明では、M型分散物を含む合金の製造方法であって(Mは、1または2種以上の金属元素であり、Bは、ホウ素である)、
(a)少なくとも、ホウ素を含まない第1の粉末、およびホウ素を含む第2の粉末を準備するステップであって、前記第1の粉末は、平均粒径が13.5μm〜17.5μmの範囲にあり、前記第2の粉末は、平均粒径が100μm以下の範囲にある、ステップと、
(b)前記第1の粉末および第2の粉末を混合して、混合粉末を得るステップと、
(c)前記混合粉末を成形型に入れ、前記混合粉末を成形し、成形体を得るステップと、
(d)前記成形体を減圧環境下で熱処理して、所望の形状の前記合金を得るステップと、
を有することを特徴とする製造方法が提供される。
ここで、本発明による製造方法において、前記第1の粉末は、W(タングステン)および/またはMo(モリブデン)を含んでも良い。
また、本発明による製造方法では、前記(b)のステップにおいて、前記第1の粉末と、前記第2の粉末は、(W+Mo):Bが0.75:1〜1.1:1(mol比)の範囲となるように混合されても良い。
また、本発明による製造方法において、前記第2の粉末は、NiB、CoB、FeB、(NiCr)B、(NiCrSi)B、(CoCr)B、(CoCrSi)B、(FeCr)B、(FeCrSi)B、またはこれらの2種以上を含んでも良い(ここで、x、a、bおよびcは、正の数を表す)。
また、本発明による製造方法において、前記M型分散物は、NiW、NiMo、CoW、CoMo、FeW、およびFeMoの群から選定された少なくとも一つを含んでも良い。
また、本発明による製造方法において、前記(b)のステップは、さらに結合剤を添加するステップを有しても良い。
また、本発明による製造方法において、前記(d)のステップは、260Pa以下の減圧環境下で実施されても良い。
また、本発明による製造方法において、前記(d)のステップは、最高温度が1200℃〜1300℃の温度範囲で実施されても良い。
また、本発明による製造方法において、前記合金は、マトリクス材料として、Ni、Co、Fe、Ni−Cr、Ni−Cr−Si、Co−Cr、Co−Cr−Si、Fe−Cr、Fe−Cr−Si、またはこれらの2種以上を有しても良い。
また、本発明による製造方法において、前記M型分散物を含む合金は、1300MPa以上の抗折力を有しても良い。
また、本発明による製造方法において、前記M型分散物を含む合金は、60HRc以上のロックウェル硬度を有しても良い。
本発明では、簡便で容易な方法で、M型分散物を含む合金を製造する方法を提供することが可能となる。
本発明によるM型分散物を含む合金を作製する方法の一例を概略的に示したフロー図である。
本発明についてより良く理解するため、まず、従来のM型分散物を含む合金の製造方法について簡単に説明する。
前述のように、従来のM型分散物を含む合金は、
(i)原料粉末の準備
(ii)原料粉末のメカニカルアロイング処理
(iii)ホットプレス処理またはHIP処理
の工程を経て製作される。
しかしながら、このような従来の方法では、(ii)および(iii)において、MA処理用の装置やHIP処理用の装置が必要となる。通常の場合、このような装置は、大がかりで高額である上、歩留まりが悪く、使い勝手が悪いという欠点がある。従って、従来の方法では、M型分散物を含む合金を、簡便および/または容易に製造することができないという問題がある。
これに対して、本発明では、従来のようなメカニカルアロイング処理、およびホットプレス処理またはHIP処理を含まない。従って、本発明では、M型分散物を含む合金を、簡便および/または容易に作製することが可能となる。
ここで、M型分散物のMは、1または2種以上の金属元素を表す。すなわち、Mは、1種類の金属元素で構成されても、2種類の金属元素で構成されても、3種類の金属元素で構成されても良い。
特に、M型分散物は、M II 型の分散物であることが好ましい。この場合、Mは、第1の金属であり、MIIは、第2の金属である。
第1の金属Mは、例えばNi(ニッケル)、Co(コバルト)および/またはFe(鉄)であっても良い。また、第2の金属MIIは、例えばW(タングステン)および/またはMo(モリブデン)であっても良い。
型分散物を含む合金において、M型分散物は、マトリクス合金中に分散されている。このようなマトリクス合金としては、例えば、Ni(ニッケル)、Co(コバルト)、Fe(鉄)、Ni(ニッケル)−Cr(クロム)、Ni(ニッケル)−Cr(クロム)−Si(シリコン)、Co(コバルト)−Cr(クロム)、Co(コバルト)−Cr(クロム)−Si(シリコン)、Fe(鉄)−Cr(クロム)、Fe(鉄)−Cr(クロム)−Si(シリコン)、またはこれらの2種以上の混合物等がある。さらに、これらのマトリクス合金中には、W(タングステン)、Mo(モリブデン)、C(炭素)、Al(アルミニウム)、O(酸素)および/またはN(窒素)等の、微量の添加元素が含まれても良い。
以下、図面を参照して、本発明について詳しく説明する。
図1には、本発明によるM型分散物を含む合金を作製する方法の一例を概略的に示す。
図1に示すように、本発明による方法は、ホウ素を含まない第1の粉末、およびホウ素を含む第2の粉末を準備するステップ(ステップS110)と、前記第1の粉末および第2の粉末を混合して、混合粉末を得るステップ(ステップS120)と、前記混合粉末を成形型に入れ、前記混合粉末を成形し、成形体を得るステップ(ステップS130)と、前記成形体を減圧環境下で熱処理して、所望の形状の前記合金を得るステップ(ステップS140)とを有する。以下、各ステップについて、詳しく説明する。
(ステップS110)
まず、ホウ素を含まない第1の粉末、およびホウ素を含む第2の粉末が準備される。ここで、本発明の場合、ホウ素を含まない第1の粉末は、平均粒径が13.5μm〜17.5μmの範囲にあり、ホウ素を含む第2の粉末は、平均粒径が100μm以下の範囲にあるという特徴を有する。第1および第2の粉末の平均粒径をこのような範囲に調整することにより、後述のステップS140の処理の後に、マトリクス中にM型分散物が適正に分散された、高硬度および高強度の合金を得ることが可能となる。
なお、第2の粉末の平均粒径が100μmを超えると、そのような高硬度および高強度の合金を得ることができなくなる。より具体的には、最終的に得られる合金部材が、十分に固化されず、簡単にぼろぼろと崩れるような形態になってしまう。特に、第2の粉末の平均粒径は、25μm〜63μmの範囲(例えば45μm程度)にあることが好ましい。
第1の粉末は、例えば、W(タングステン)、Mo(モリブデン)、または両者を含む粉末であっても良い。
一方、第2の粉末は、NiB(ニッケルボロン)、CoB(コバルトボロン)、FeB(鉄ボロン)、(NiCr)B(ニッケルクロムボロン)、(NiCrSi)B(ニッケルクロムシリコンボロン)、(CoCr)B(コバルトクロムボロン)、(CoCrSi)B(コバルトクロムシリコンボロン)、(FeCr)B(鉄クロムボロン)、(FeCrSi)B(鉄クロムシリコンボロン)、またはこれらの2種以上を含んでも良い。なお、x、a、bおよびcは、正の数を表す。例えば、(NiCrSi)Bは、Niをバランス元素として、Crを8wt%〜12wt%、Siを4wt%〜5wt%、Bを3wt%〜8wt%含んでも良い。例えば、Crが10wt%、Siが4.5wt%、Bが8wt%で、残りがNiの場合、a=1.8、b=0.26、c=0.22となる。
第2の粉末は、さらに、上記以外の微量元素、例えばC(炭素)などを含んでも良い。
なお、第1の粉末と第2の粉末の混合割合は、最終的に得られる合金部材の組成に基づいて定められるため、特に限定されない。例えば、第1の粉末に、W(タングステン)および/またはMo(モリブデン)を使用する場合、第1の粉末と、第2の粉末は、(W+Mo):Bが0.75:1〜1.1:1(mol比)の範囲となるように混合されても良い。これにより、最終的にM II で表される分散物を含む合金が得られる。ここで、MIIは、Wおよび/またはMoであり、Mは、例えばNi、Coおよび/またはFe等である。
(ステップS120)
次に、第1の粉末および第2の粉末が混合され、混合粉末が得られる。混合の方法は、特に限られない。ただし、本発明では、混合の際に、メカニカルアロイング処理装置のような大がかりな処理装置は必要ではないことに留意する必要がある。
なお、混合の際に、さらに結合剤を添加しても良い。結合剤の種類は、特に限られず、有機系結合剤および無機系結合剤のいずれも使用することができる。
(ステップS130)
次に、得られた混合粉末が成形型内で成形され、これにより、所望の形状の成形体が得られる。ここで、本発明では、成形の際に、HIP処理装置のような大がかりな処理装置は必要ではないことに留意する必要がある。成形は、室温で、例えば、成形型内に混合粉末を投入し、この混合粉末に押圧を加えることにより、実施しても良い。
(ステップS140)
次に、前記成形体が熱処理される。本発明では、熱処理は、減圧環境下で実施される。減圧環境は、例えば、真空度が260Pa程度の低真空環境であっても、真空度が20Pa程度の高真空環境であっても良い。
熱処理条件は、合金の重量および/または組成等によっても異なるが、熱処理温度は、例えば、1200℃〜1300℃程度であり、熱処理時間は、例えば、30分から12時間程度であっても良い。
これにより、M型分散物を含む、所望の形状合金部材が形成される。
なお、ステップS120において、有機系結合剤を使用した場合、この結合剤を除去するため、ステップS140の前に、予め、前記成形体を予備加熱するステップを実施しても良い。
以下、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
以下の方法で、Ni−Cr−Si合金マトリクス中にNiW粒子が分散された合金部材を作製した。
まず、平均粒径が17.5μmのタングステン粉末(第1の粉末:純度99.8%)と、平均粒径45μmのNi−Cr−Si−B合金粉末(第2の粉末)とを準備した。第2の粉末の組成は、Ni−10wt%Cr−4.5wt%−8wt%Bとした。
次に、乳鉢に、第1の粉末15.95gと、第2の粉末11.55gとを入れ、さらに有機結合剤を加え、これらを乳棒で混合した。有機結合剤には、流動パラフィンを使用し、有機結合剤の量は、第1および第2の粉末の総量に対して、1.5wt%とした。混合物中のタングステンとホウ素のモル比(W:B)は、1:1であった。
次に、得られた混合物を鉄鋼製の成形型の収容部に投入した。収容部は、成形型の中央部分において、上下に貫通された開口として構成され、成形型の収容部の寸法は、縦約10mm×横約50mm×高さ約10mmであった。
次に、室温で、成形型の収容部の上下方向から、混合物に押圧を加え、混合物を成形した。押圧(荷重)は、100MPaとした。
次に、得られた成形体を成形型から取りだし、成形体を熱処理した。熱処理は、真空度20Paの減圧環境下で、成形体を1270℃に60分保持することにより実施した。
これにより、縦約10mm×横約50mm×高さ約10mmの合金部材が得られた(成形型の収容部の寸法に比べて多少収縮した)。合金部材には、外観上、特に欠けや割れ、および焼結不十分箇所等は、認められず、合金部材は、健全な状態であった。
得られた合金部材のX線回折分析の結果、合金部材は、Ni−Cr−Siをマトリクスとし、これにNiWが分散された合金であることが確認された。
次に、得られた合金部材を用いて、硬度および抗折力の評価を実施した。
硬度は、試験数Nを5とし、5回の平均値で評価した。
測定の結果、合金部材の硬度は、ロックウェル硬度で60HRc以上であり、高硬度の合金部材が得られていることがわかった。
合金部材の抗折力は、3点曲げ試験により評価した。サンプルは、前述の合金部材を切り出して、縦7.8mm×横3mm×全長40mmの寸法としたものを使用した。支点間距離は、20mmとした。サンプルの表面(7.8mm×40mmの面)に対して、上方向から1mm/分の速度で、支点間の中心位置に荷重を印加し、サンプルが破損するときの応力を測定した。試験数Nは、5とし、5回の測定応力の平均値をそのサンプルの抗折力とした。
測定の結果、合金部材の抗折力は、1300MPa以上であり、高強度の合金部材が得られていることがわかった。
評価結果を表1にまとめて示す。
Figure 0005497540
なお、この表には、第1および第2の粉末の組成、ならびにこれらの粉末の平均粒径についても同時に示した。
(実施例2)
実施例1と同様の方法により、実施例2に係る合金部材を作製した。ただし、実施例2では、Niマトリクス中にNiW粒子が分散された合金部材を作製した。
まず、平均粒径が13.5μmのタングステン粉末(第1の粉末:純度99.8%)と、平均粒径45μmのNi−B合金粉末(第2の粉末)とを準備した。第2の粉末の組成は、Ni−8wt%Bとした。
次に、乳鉢に、第1の粉末15.95gと、第2の粉末11.55gとを入れ、さらに有機結合剤を加え、これらを乳棒で混合した。有機結合剤には、流動パラフィンを使用し、有機結合剤の量は、第1および第2の粉末の総量に対して、1.5wt%とした。混合物中のタングステンとホウ素のモル比(W:B)は、1:1であった。
以降の成形工程、熱処理工程は、前述の実施例1と同様の方法により実施した。
最終的に得られた合金部材には、外観上、特に欠けや割れ、および焼結不十分箇所等は、認められず、合金部材は、健全な状態であった。
また、得られた合金部材のX線回折分析の結果、合金部材は、Niをマトリクスとし、これにNiWが分散された合金であることが確認された。
次に、得られた合金部材を用いて、硬度および抗折力の評価を実施した。結果を表1の実施例2の欄に示す。この結果から、合金部材の硬度は、ロックウェル硬度で60HRc以上であり、高硬度の合金部材が得られていることがわかった。また、合金部材の抗折力は、1300MPa以上であり、高強度の合金部材が得られていることがわかった。
(比較例1)
実施例1と同様の方法により、比較例1に係る合金部材を作製した。ただし、比較例1では、Coマトリクス中にCoW粒子が分散された合金部材の製作を試みた。
まず、平均粒径が17.5μmのタングステン粉末(第1の粉末:純度99.8%)と、平均粒径125μmのCo−B合金粉末(第2の粉末)とを準備した。第2の粉末の組成は、Co−10wt%Bとした。
次に、乳鉢に、第1の粉末15.95gと、第2の粉末11.55gとを入れ、さらに有機結合剤を加え、これらを乳棒で混合した。有機結合剤には、流動パラフィンを使用し、有機結合剤の量は、第1および第2の粉末の総量に対して、1.5wt%とした。混合物中のタングステンとホウ素のモル比(W:B)は、1:1であった。
次に、得られた混合物を鉄鋼製の成形型の収容部に投入した。収容部は、成形型の中央部分において、上下に貫通された開口として構成され、成形型の収容部の寸法は、縦約10mm×横約50mm×高さ約10mmであった。
次に、室温で、成形型の収容部の上下方向から、混合物に押圧を加え、混合物を成形した。押圧(荷重)は、100MPaとした。
得られた成形体を成形型から取り出した。しかしながら、この成形体は、手で軽く触れただけで、簡単にぼろぼろと崩れるような状態であり、以降の熱処理工程に供することはできなかった。このため、得られた合金部材を用いて、硬度および抗折力の評価を実施することはできなかった。
このように、本発明による方法で製作された合金部材は、健全な状態を有し、さらに高い硬度と高い強度を兼ね備えることが確認された。
本発明は、例えば、ダイカストマシンのプランジャースリーブ、射出成形機のシールリングや逆止リング、および各種装置の圧延ロールなど、耐摩耗性が必要となる部材等に適用することができる。

Claims (11)

  1. 型分散物を含む合金の製造方法であって(Mは、1または2種以上の金属元素であり、Bは、ホウ素である)、
    (a)少なくとも、ホウ素を含まない第1の粉末、およびホウ素を含む第2の粉末を準備するステップであって、前記第1の粉末および前記第2の粉末は、前記Mを含み、前記第1の粉末は、平均粒径が13.5μm〜17.5μmの範囲にあり、前記第2の粉末は、平均粒径が100μm以下の範囲にある、ステップと、
    (b)前記第1の粉末および第2の粉末を混合して、混合粉末を得るステップと、
    (c)前記混合粉末を成形型に入れ、前記混合粉末を成形し、成形体を得るステップと、
    (d)前記成形体を減圧環境下で熱処理して、所望の形状の前記合金を得るステップと、
    を有することを特徴とする製造方法。
  2. 前記第1の粉末は、W(タングステン)および/またはMo(モリブデン)を含むことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記(b)のステップにおいて、前記第1の粉末と、前記第2の粉末は、(W+Mo):Bが0.75:1〜1.1:1(mol比)の範囲となるように混合されることを特徴とする請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記第2の粉末は、NiB、CoB、FeB、(NiCr)B、(NiCrSi)B、(CoCr)B、(CoCrSi)B、(FeCr)B、(FeCrSi)B、またはこれらの2種以上を含む(ここで、x、a、bおよびcは、正の数を表す)ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の製造方法。
  5. 前記M型分散物は、NiW、NiMo、CoW、CoMo、FeW、およびFeMoの群から選定された少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の製造方法。
  6. 前記(b)のステップは、さらに結合剤を添加するステップを有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一つに記載の製造方法。
  7. 前記(d)のステップは、260Pa以下の減圧環境下で実施されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一つに記載の製造方法。
  8. 前記(d)のステップは、最高温度が1200℃〜1300℃の温度範囲で実施されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一つに記載の製造方法。
  9. 前記合金は、マトリクス材料として、Ni、Co、Fe、Ni−Cr、Ni−Cr−Si、Co−Cr、Co−Cr−Si、Fe−Cr、Fe−Cr−Si、またはこれらの2種以上を有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一つに記載の製造方法。
  10. 前記M型分散物を含む合金は、1300MPa以上の抗折力を有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一つに記載の製造方法。
  11. 前記M型分散物を含む合金は、60HRc以上のロックウェル硬度を有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一つに記載の製造方法。
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