JP6804777B2 - 耐食性評価用金属試験片の作製方法 - Google Patents

耐食性評価用金属試験片の作製方法 Download PDF

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本発明は、金属材料の耐局部腐食性の電気化学特性評価、および、腐食起点の電気化学特性評価に適する腐食試験片を作製する耐食性評価用金属試験片の作製方法に関する。
金属材料の局部腐食は、製錬などの工程で除去しきれない不可避不純物や、製造過程で生成する介在物や析出物などの化合物相や偏析帯など、実用材料に内在された組成的・質的に不均一な部分を起点として発生することがほとんどである。例えば、実用ステンレス鋼の場合、孔食は、MnSに代表される硫化物系介在物が起点であることが知られている。しかし、そのような組成的・質的不均一部のすべてが腐食の起点になるわけではなく、不均一部に存在する不純物の種類や濃度、さらには不均一部を構成する化合物などの化学組成によって、局部腐食の起点になるかどうかが定まる。さらに、溶液組成や温度などの環境要因も、不均一部が腐食の起点になるかどうかに強く関係している。したがって、金属材料の耐局部腐食性向上のためには、不均一部の不純物や化合物の化学組成と材料の耐食性との関係を、各種環境中で系統的に調査する必要がある。そして、そのためには、不純物の種類や量を変化させた腐食試験評価用金属試験片を作製する必要がある。
ところで、一般に、金属材料は、原料を溶解・精製(製錬)し、凝固させた後に、圧延や伸線の加工、さらには熱処理を行うことで製造される。金属材料の不純物は、この一連の製造工程において不可避的に残存するものであり、通常、材料全体の質量に対して、質量%で0.1%以下の極微量である。したがって、耐食性評価用金属試験片の作製に際しては、この僅かな元素量を正確に再現し制御する必要があり、金属原料を多量に溶解する必要がある。たとえば、鉄鋼材料の耐食性評価においては、100kgほど金属を真空溶解し、その中に硫黄などの不純物元素を、0.1〜1g程度添加することが通常行われている。溶解する金属の量を過度に少なくすると、添加すべき不純物の量が極微量になり、実用材料を模擬することが困難になる。しかし、金属を100kgの規模で溶解するには、多大な製造コストと時間がかかる。さらに、金属材料中に含まれている微量元素は、材料表面や中心部、結晶粒界などに偏析することで、局部腐食の起点になることが多い。このような偏析部などは、各種熱処理を組み合わせることによって生成するものであり、そのような試験片の作製には、莫大な試行錯誤と長い予備検討期間を必要とする。このように、現状では、局部腐食の起点となりうる組成的・質的な不均一部を備えた耐食性評価用金属試験片の簡便な作製方法に関する技術は知られていない。
しかしながら、介在物や析出物などの組成的・質的な不均一部の制御は、工業的には非常に重要であり、多くの研究開発の事例がある。特に、機械的特性や耐食性などの向上を目的として、介在物や析出物などの組成制御が精力的に行われている。例えば、ステンレス鋼に快削性を付与する手段として、介在物が利用されており、被削性と耐食性とを両立するための組成制御が行なわれている。具体的には、硫化物を形成するMnの一部をZrで置換した形態のZr系硫化物を、鋼中に生成させたオーステナイト系快削ステンレス鋼や(例えば、特許文献1参照)、脱酸元素の量を調整して鋼中の酸化物系介在物の組成を制御し、酸化物系介在物の周囲にMnSを生成させたオーステナイト系S含有快削ステンレス鋼(例えば、特許文献2参照)、ステンレス鋼にCeを微量添加してCe系硫化物を鋼中に生成させることで、ステンレス鋼を高耐食化させる方法がある(例えば、非特許文献1参照)。
一方、アルミニウム合金においては、機械的特性向上のため、析出物を積極的に生成させている。例えば、7000系アルミニウム合金板のZnとMgの添加量を調整し、析出物中のZnとMgの平均組成比を制御して、強度と成型性、耐食性を兼備させた構造材用アルミニウム合金板がある(例えば、特許文献3参照)。しかし、いずれの場合も、目的とする組成の化合物を生成させるために、複数の合金元素の添加量のバランスを考慮する必要がある。化合物の組成を系統的に制御するための合金組成の調整や熱処理条件の最適化は、複雑で莫大な組み合わせであり、そのような合金組成を得るための試験片作製には、膨大なコストと時間が費やされているという問題があるが、解決方法は未だ提示されていない。したがって、化合物や偏析部などの組成的・質的な不均一部の電気化学特性と材料の耐食性との関係を、各種環境中で系統的に調査することは極めて困難である。
不純物や化合物相の組成制御を難しくさせている根本的な原因は、原料を真空溶解して完全な均一化を行った後に、凝固させることで金属材料を製造していることにある。これを解決する方法としては、出発原料を金属母相と不純物や化合物などの第二相とに分けておき、溶解せずに母相と第二相とを固相接合あるいは混合・焼結することが考えられる。一般的に、金属材料中の不純物や化合物など組成的・質的な不均一部は、μmオーダー以下の大きさであることから、母相を構成する金属粉末と、第二相などとなる元素の単体(あるいは化合物)の粉末とを用意し、混合・焼結を行うことが好適であると思われる。粉末焼結法を用いれば、少量の原料粉末を短時間加熱することで金属試験片を作製することができる。しかし、金属材料の耐局部腐食性と腐食起点の電気化学特性評価に適する腐食試験片の迅速簡便な作製のための、原料粉末の種類、粒径、添加量、焼結の方法は明らかにされていない。
ところで、主成分を構成する金属粉末に対して、それと組成の異なる種々の粉末を混合し焼結する方法については、焼結体の機械的特性向上などのために、従来から多くの技術が開示されている。例えば、粒径10μm以下の粒子5〜50重量%と、粒径10〜100μmの粒子50〜95重量%とからなるMnS粒子を、0.05〜5重量%混合した原料を焼結した、被削性および耐摩耗性に優れた鉄系焼結合金や(例えば、特許文献4参照)、耐食性改善用粉末として、10容量%以上の金属窒化物粉末を、90容量%以下の合金粉末と混合して金属粉末射出成型を行った、高耐食・高強度の高窒素焼結合金鋼がある(例えば、特許文献4参照)。しかし、これらの技術は、焼結体の特性向上であるため、金属材料の耐局部腐食性と腐食起点の電気化学特性評価に適する耐食性評価用金属試験片として必要な試料作製の条件が開示されているものとは言えない。
特開2009−046732号公報 特開2014−028997号公報 特開2015−175045号公報 特開1994−145916号公報 特開2007−182593号公報
Masashi Nishimoto, Izumi Muto, Yu Sugawara, and Nobuyoshi Hara, "Micro-Electrochemical Properties of CeS Inclusions in Stainless Steel and Inhibiting Effects of Ce3+ Ions on Pitting", Journal of The Electrochemical Society, 2017, 164, 13, C901-C910
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、金属材料の耐局部腐食性の電気化学特性評価、および、腐食起点の電気化学特性評価に適する腐食試験片を、迅速簡便に作製することができる耐食性評価用金属試験片の作製方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、以上のような従来技術の限界を克服し、未解決の課題を解決するため、種々の試験研究を行い、本発明を完成させた。
すなわち、本発明に係る耐食性評価用金属試験片の作製方法は、金属材料の耐局部腐食性の電気化学特性評価、および、腐食起点の電気化学特性評価に適する腐食試験片を作製する耐食性評価用金属試験片の作製方法であって、母材を構成する金属の粉末に、前記母材とは組成が異なる金属、金属間化合物、元素の単体、または化合物の粉末のうちいずれか1種または2種以上を均一に混合した後、圧縮成形を経て放電プラズマ焼結法により、焼結時の最高加熱温度をTmax(℃)、前記母材を構成する金属の融点をTmp(℃)としたとき、Tmax<Tmp×0.85であり、かつ、Tmax>Tmp×0.4となる時間が30分未満である条件で焼結を行うことを特徴とする。
本発明に係る耐食性評価用金属試験片の作製方法は、前記母材を構成する金属の粉末、前記母材とは組成が異なる金属、または前記金属間化合物の粉末のうち、いずれか1種または2種以上が、鋼、鉄またはアルミニウムであることが好ましい。また、本発明に係る耐食性評価用金属試験片の作製方法は、前記母材を構成する金属の粉末、前記母材とは組成が異なる金属、または前記金属間化合物の粉末のうち、いずれか1種または2種以上が、粒径150μm以下の鋼、鉄またはアルミニウムのガスアトマイズ粉末であってもよい。
本発明に係る耐食性評価用金属試験片の作製方法は、前記元素の単体または前記化合物の粉末が、硫黄、黒リン、黒鉛、硫化物、酸化物、酸硫化物、炭化物、炭硫化物、窒化物、炭窒化物、ケイ化物、リン化物、ホウ化物、金属間化合物のいずれか1種または2種以上であることが好ましい。また、本発明に係る耐食性評価用金属試験片の作製方法は、前記元素の単体または前記化合物の粉末が、2種以上の硫化物をメカニカルアロイング法により合成した複合硫化物の粉末であってもよい。また、本発明に係る耐食性評価用金属試験片の作製方法は、前記元素の単体または前記化合物の粉末が、粒径50μm以下の硫化物または複合硫化物であってもよい。
本発明に係る耐食性評価用金属試験片の作製方法は、前記母材を構成する金属の粉末に対して、S含有量が質量%にて0.001%以上1.0%以下になるように、硫黄粉末またはSを含有する化合物の粉末を混合してもよい。また、本発明に係る耐食性評価用金属試験片の作製方法は、放電プラズマ焼結法における通電条件が900A以下であることが好ましい。また、本発明に係る耐食性評価用金属試験片の作製方法は、前記放電プラズマ焼結法により作製された焼結体を、その焼結体のみ、または、その焼結体と金属片とをアルゴンガス雰囲気でアーク溶解した後に凝固させ、その後、鍛造あるいは圧延してもよい。
本発明によれば、金属材料の耐局部腐食性の電気化学特性評価、および、腐食起点の電気化学特性評価に適する金属試験片を、低コストで迅速簡便に作製することができる耐食性評価用金属試験片の作製方法を提供することができる。作製した耐食性評価用金属試験片を使用することにより、金属材料の腐食起点ごとの耐食性を、電気化学的に評価することが可能である。また、作製した耐食性評価用金属試験片を、不純物や化合物の化学組成と材料の耐食性との関係を各種環境中で系統的に調査することに利用でき、金属材料の高耐食化に必要な不純物・化合物などの組成設計・制御指針を低コストで、しかも短時間に得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の実施の形態の耐食性評価用金属試験片の作製方法では、原料として、母材を構成する金属の粉末と、母材とは組成が異なる金属、金属間化合物、元素の単体(あるいは化合物)の粉末のうち、いずれか1種または2種以上とを、使用する必要がある。従来の腐食試験片の作製方法である真空溶解において、不純物や化合物相の組成制御を難しくさせている根本的な原因は、原料を完全に均一に溶解してから凝固させる方法で金属試験片を作製していることにある。これを解決するためには、出発原料を、金属母相を構成する粉末と、耐食性が母材とは異なる金属の偏析部となる粉末、もしくは不純物や化合物などの第二相となる粉末とに分けておき、完全に均一に溶解せずに、混合・焼結する必要がある。
母材を構成する金属の粉末、母材とは組成が異なる金属、金属間化合物、元素の単体(あるいは化合物)の粉末は、均一に混合する必要がある。本発明の実施の形態の耐食性評価用金属試験片の作製方法は、粉末の混合方法を限定するものではないが、粉末をビニール袋に入れ、1分以上様々な角度で振り動かして混合することが望ましい。
母材を構成する金属の粉末、母材とは組成が異なる金属、金属間化合物、元素の単体(あるいは化合物)の粉末は、均一に混合した後、圧縮成形を行う必要がある。本発明の実施の形態の耐食性評価用金属試験片の作製方法は、圧縮成形の方法を限定するものではないが、粉末の混合工程から圧縮成形を行うまでは、NやArなどの不活性ガス雰囲気の中で作業を行うことが望ましい。これは、混合した粉末を圧縮成形する際に、圧縮成形体の中の粉末間に酸素を含む空気が閉じ込められ、焼結工程において焼結体内部の酸化を引き起こすことを防止するためである。
本発明の実施の形態の耐食性評価用金属試験片の作製方法では、圧縮成形した混合粉末を、放電プラズマ焼結法により焼結する必要がある。放電プラズマ焼結法とは、パルス通電法、パルス通電加圧焼結法、プラズマ活性化焼結法、通電加熱焼結法などとも呼ばれ、粉体や固体などを黒鉛製焼結型に充填し、加圧を行いながらパルス通電により加熱を行う方法である。圧縮成形した粉末に直接電流を流し加熱するため、低温でしかも短時間で焼結が完了し、空隙が少ない。また、放電プラズマ焼結においては、焼結時の最高加熱温度をTmax(℃)、母材を構成する金属の融点をTmp(℃)とした場合、Tmax<Tmp×0.85であり、かつ、Tmax>Tmp×0.4となる時間が30分未満である条件で焼結を行う必要がある。Tmax>Tmp×0.85である場合には、焼結時の最高加熱温度が母材金属の融点に近くなり、母材金属の一部が溶融してしまう可能性がある。Tmax>Tmp×0.4となる時間が30分以上である場合には、加熱時間が長くなり、局部腐食の起点が消滅してしまう。なお、ここで規定している温度であるが、焼結時に粒子間に生じている放電により形成されるプラズマの温度ではなく、黒鉛製焼結型に埋め込んだ熱電対で計測した温度である。この温度は、熱電対の測温部と焼結される圧縮成形体との距離が、5mmから10mmの範囲に設定した温度を意味する。
また、詳細な機構は不明であるが、放電プラズマ焼結の通電条件が900Aを超えると、局部腐食の起点と母材との耐食性の差異が不明瞭になる傾向がある。このため、高い精度で耐食性を評価する際には、通電条件は900A以下であることが望ましい。
次に、母材を構成する金属の粉末と、母材とは組成が異なる金属あるいは金属間化合物の粉末とについて述べる。本発明の実施の形態の耐食性評価用金属試験片の作製方法は、母材を構成する金属の粉末の化学組成と、母材とは組成が異なる金属あるいは金属間化合物の粉末の化学組成とを限定するものではないが、特に鉄鋼材料やアルミニウム合金の腐食起点の調査に適した焼結体を得る場合や、鉄系の化合物もしくは元素偏析部の耐局部腐食性評価に適した焼結体を得る場合には、鋼(あるいは鉄もしくはアルミニウム)の粉末を用いる必要がある。ここでの鋼とは、鉄と炭素との合金で、炭素含有量が質量%で0.02〜2%の範囲のものであり、炭素含有量0.02%未満のものを鉄として区別している。
本発明の実施の形態の耐食性評価用金属試験片の作製方法は、母材を構成する金属の粉末、母材とは組成が異なる金属あるいは金属間化合物の粉末のうち、いずれか1種または2種以上が、粒径150μm以下の鋼(あるいは鉄もしくはアルミニウム)のガスアトマイズ粉末であることが望ましい。鋼(あるいは鉄もしくはアルミニウム)の粉末の粒径が150μmを超えて大きい場合には、焼結体中における母材とは組成が異なる金属あるいは金属間化合物の偏析部もしくは元素の単体(あるいは化合物)の分散状態がまばらになりすぎて、腐食試験後の試験片表面を観察する際に、腐食の発生起点を特定することが難しくなる。鋼(あるいは鉄もしくはアルミニウム)の粉末がガスアトマイズ法以外で作製されたものである場合には、酸化物などの不純物が粉末に混入していることがあり、腐食起点の高精度な調査に適さない。
次に、元素の単体(あるいは化合物)の粉末について述べる。本発明の実施の形態の耐食性評価用金属試験片の作製方法は、元素の単体(あるいは化合物)の粉末の化学組成を限定するものではないが、腐食起点の簡便な調査に適した焼結体を必要とする際は、硫黄、黒リン、黒鉛、硫化物、酸化物、酸硫化物、炭化物、炭硫化物、窒化物、炭窒化物、ケイ化物、リン化物、ホウ化物、金属間化合物のいずれか1種を用いることが望ましい。次いで、硫黄、黒リン、黒鉛、硫化物、酸化物、酸硫化物、炭化物、炭硫化物、窒化物、炭窒化物、ケイ化物、リン化物、ホウ化物、金属間化合物のいずれか2種以上を用いることが望ましい。これらの単体(あるいは化合物)は、放電プラズマ焼結法における試験片作製において、真空溶解−鋳造−圧延−熱処理の工程で作製した試験片に非常に近い腐食挙動を示す。
本発明の実施の形態の耐食性評価用金属試験片の作製方法で、2種以上の金属が固溶した複合硫化物を含む試験片の耐食性を調査するための焼結体を得る場合には、2種以上の硫化物をメカニカルアロイング法により合金化して複合硫化物の粉末としたものを、焼結に用いることが望ましい。さらに、硫化物(あるいは複合硫化物)を含む試験片の耐食性を調査する場合には、粉末の粒径が粒径50μm以下であることが好ましい。粉末の粒径が50μmを超えて大きい場合には、焼結体の金属母相と硫化物相との間に空孔が生じることがある。また、母材を構成する金属の粉末に対して、S含有量が質量%にて0.001%以上1.0%以下になるように、硫黄粉末もしくはSを含有する化合物の粉末の量を調整することが望ましい。S含有量が0.001%を下回る場合には、焼結体に含まれる硫化物相が小さく、数も少なくなるため、試験片の耐食性に及ぼす硫化物相の影響が現れにくい。S含有量が1.0%を超えて大きい場合には、焼結体に含まれる硫化物相が大きく、数も多くなるため、腐食試験による試験片全体の腐食損傷が激しく、腐食起点の調査には適さない。
本発明の実施の形態の耐食性評価用金属試験片の作製方法で、作製した焼結体に空孔が多数ある場合、金属組織を制御する必要がある場合、または焼結体中の第二相の組成をさらに変化させる必要がある場合には、作製した焼結体をアルゴンガス雰囲気で溶解した後に凝固させ、その後、鍛造あるいは圧延することが望ましい。詳細な機構は不明であるが、放電プラズマ焼結法により局部腐食の起点になる不均一部を含有させた金属材料の場合、アルゴンガス雰囲気でアーク溶解した後に凝固させ、その後、鍛造あるいは圧延することで、局部腐食の起点になる不均一部が消失することはなく、むしろ焼結体をこのような方法で溶解・凝固・加工することにより、内在する空孔を除去することができ好ましい。ここでのアルゴンガス雰囲気とは、Arを90容量%以上含むガス雰囲気のことであり、少量のN、CO、Hなどの含有を排除するものではない。また、このアーク溶解の際に、さらに金属片を焼結体と同時にアーク溶解することで、第二相の組成などを制御・改質することができる。
以下、実施例に基づき本発明を詳細に説明するが、本発明は実施例の記載に限定されるものではない。
はじめに、工業的な大規模生産工程(溶解炉の大きさ10トン以上)で製造された市販の炭素鋼S45C、SUS304ステンレス鋼、SUS316ステンレス鋼、およびAl合金AA−1050の、塩化物イオン環境における腐食起点を調査した。調査においては、試験片表面をSiC紙で320番から1500番まで湿式研磨した後、6μmと1μmのダイヤモンドペーストで鏡面研磨を行った。研磨後、光学顕微鏡、走査型電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡、エネルギー分散型X線分析装置などを使用し、材料内に存在する組成的・質的な不均一部の解析を行った。さらに、同様に鏡面研磨を行った試験片を腐食試験液中に浸漬し、その後、試験片表面を光学顕微鏡などで観察し、孔状の金属の溶解が生じている箇所を分析し、エネルギー分散型X線分析により腐食起点の元素分析から、局部腐食の起点を同定した。その結果を、表1に示す。
表1に示すように、市販SUS304ステンレス鋼の場合には、NaCl水溶液中での主たる腐食起点はMnSであった。しかし、沸騰硝酸中における主たる腐食起点は、P(リン)の粒界偏析部であった。市販SUS316ステンレス鋼の場合も、NaCl水溶液中での主たる腐食起点は、MnSであった。ここで述べる主たる腐食起点とは、腐食試験後の試験片表面1cmを光学顕微鏡により観察し、発生した腐食のうち60%以上の割合で腐食の起点となっていた部分のことを指す。pH8.6のホウ酸塩水溶液中における炭素鋼S45Cの主な腐食起点は、P(リン)の粒界偏析部であった。水溶液に塩化物を添加すると、主な腐食起点は、MnS介在物となった。同様に、市販のAl合金AA−1050の腐食起点を調査した。市販材にはAl−Fe−Si系とAl−Fe系の金属間化合物が含まれるが、NaCl水溶液中ではAl−Fe−Si系金属間化合物のみが主たる腐食起点になることが分かった。
次に、本発明の実施の形態の耐食性評価用金属試験片の作製方法に基づき、腐食試験片を作製し、耐食材料の耐局部腐食性と腐食起点の評価に適しているか否かを実験した。その結果を、表2乃至表4に示す。なお、表中の*印の例は、比較例である。また、表2乃至表4の評価の項目において、主たる腐食起点が表1と一致しており、発生した腐食のうち80%以上の割合で腐食の起点となっていた場合には、”◎”と表記した。主たる腐食起点が表1と一致しているが、発生した腐食のうち60%以上80%以下の割合で腐食の起点となっていた場合には、”〇”と表記した。主たる腐食起点が表1と一致していないか、発生した腐食のうち60%以下の割合で腐食の起点となっていた場合には、”×”と表記した。
表2の番号1は、粒径25μm以下の硫化物MnSの粉末と、粒径150μmのSUS304ステンレス鋼の粉末とを混合し、最終的に厚さ約5mm、直径約15mmの焼結体を作製したものである。混合した粉末全体の質量7gに対して、S含有量が質量%にて0.03%になるように、MnS粉末を約6mg秤量し添加した。粉末の秤量および混合は、Arガス雰囲気のグローブボックスの中で行った。混合粉末を内径15mmの円筒形の炭素容器に装填し、Arガス雰囲気中で10MPaの圧力で圧縮成形し、放電プラズマ焼結法により30MPaの圧力下で焼結体を作製した。焼結時の最高加熱温度1100℃で10分間保持し、通電条件は800A以下とした。作製した腐食試験片を厚さ方向に二等分し、試験片の中心部分に相当する面をSiC紙で320番から1500番まで湿式研磨した後、6μmと1μmのダイヤモンドペーストで鏡面研磨を行った。
研磨後の金属試験片表面を光学顕微鏡で観察すると、長さ約1〜30μm、幅約1〜20μmのMnSからなる化合物相が、ステンレス鋼母相の中に点在していた。その金属試験片を、0.1mol/L NaCl水溶液に1時間浸漬したところ、主たる腐食起点は、MnSであることが確認された。この結果は、表1に示した市販のSUS304ステンレス鋼の腐食起点の調査結果とよく一致していた。
表2の番号2は、放電プラズマ焼結以外の焼結方法を用いた場合の例である。この場合は、主たる腐食の起点が焼結体に内在する空孔であったため、市販耐食材料の耐局部腐食性と腐食起点の評価に適さないことがわかる。
表2の番号3は、放電プラズマ焼結であっても、焼結時の最高温度が1100℃を超える場合の例である。この場合は、MnSから腐食は発生するが、発生した腐食のうち60%以下の割合で腐食の起点となるため、市販耐食材料の耐局部腐食性と腐食起点の評価に適さない。
表2の番号4は、放電プラズマ焼結において、Tmax>Tmp×0.4となる時間が30分以上である場合の例である。この場合には、MnSから腐食は発生するが、発生した腐食のうち60%以下の割合で腐食の起点となるため、市販耐食材料の耐局部腐食性と腐食起点の評価に適さない。
表2の番号5は、放電プラズマ焼結における通電条件が900Aを超える場合の例である。この場合には、主たる腐食起点はMnSであるが、発生した腐食のうち60%以上80%以下の割合で腐食の起点となる。より市販耐食材料の耐局部腐食性と腐食起点の評価に適した腐食試験片を作製するためには、放電プラズマ焼結における通電条件を900A以下とすることが望ましいことが分かる。
表2の番号6と7は、MnSに加えCrSあるいは(Cr,Mn)Sを加えた例であるが、腐食起点としてはMnSが作用することを、的確に評価できていることが分かる。
表2の番号8と9は、耐食性評価試験の方法が自然浸漬試験ではない場合においても、主たる腐食起点はMnSであり、市販耐食材料の耐局部腐食性と腐食起点を、適切に評価することができることが分かる。
表2の番号10は、P量が0.1mass%のSUS304(粒径150μm以下)を、通常のP濃度(0.02mass%P)のSUS304と混合することで作製した試験片の例である。P偏析部を起点とする腐食を、的確に評価できることが分かる。
表3の番号11〜13は、MnSの粉末とSUS316ステンレス鋼の粉末とを混合した後、焼結して腐食試験片を作製した例である。番号12のように、元素の単体(あるいは化合物)の粉末が粒径50μmを超える硫化物である場合には、主たる腐食起点は評価できるものの、発生した腐食のうち60%以上80%以下の割合で腐食の起点となる。より市販耐食材料の耐局部腐食性と腐食起点の評価に適した腐食試験片を作製するためには、元素の単体(あるいは化合物)の粉末が粒径50μm以下の硫化物であることが望ましいことが分かる。また、番号13のように、母材を構成する金属の粉末が粒径150μm以下の鋼(あるいは鉄もしくはアルミニウム)のガスアトマイズ粉末でない場合においても、主たる腐食起点は評価できるものの、発生した腐食のうち60%以上80%以下の割合で腐食の起点となる。より市販耐食材料の耐局部腐食性と腐食起点の評価に適した腐食試験片を作製するためには、粒径150μm以下の鋼(あるいは鉄もしくはアルミニウム)のガスアトマイズ粉末を用いることが望ましいことが分かる。
表3の番号14は、SUS316に対し、MnSに加えCrSを加えた例であるが、腐食起点としてはMnSが作用することを、的確に評価できていることが分かる。
表3の番号15〜17および表4の番号18は、MnSの粉末と鉄の粉末とを混合した後、焼結して腐食試験片を作製した例である。番号16のように、母材を構成する金属の粉末が粒径150μmを超える鋼(あるいは鉄もしくはアルミニウム)の粉末である場合には、主たる腐食起点は評価できるものの、発生した腐食のうち60%以上80%以下の割合で腐食の起点となる。炭素鋼であるS45Cの腐食起点を、的確に評価できていることが分かる。また、番号17のように、母材を構成する金属の粉末に対して、S含有量が質量%にて1.0%を超える場合には、主たる腐食起点は評価できるものの、発生した腐食のうち60%以上80%以下の割合で腐食の起点となる。さらに、番号18のように、母材を構成する金属の粉末に対して、S含有量が質量%にて0.001%以下である場合には、主たる腐食起点は評価できるものの、発生した腐食のうち60%以上80%以下の割合で腐食の起点となる。より市販耐食材料の耐局部腐食性と腐食起点の評価に適した腐食試験片を作製するためには、母材を構成する金属の粉末に対して、S含有量が質量%にて0.001%以上1.0%以下になるように、硫黄粉末もしくはSを含有する化合物の粉末を混合することが望ましいことが分かる。
表4の番号19は、P量が0.1mass%のS45C(粒径150μm以下)を、通常のP濃度(0.02mass%P)のS45Cと混合することで作製した試験片の例である。腐食試験の結果、P偏析部を起点とする腐食を、的確に評価できていることが分かる。
表4の番号20は、番号19の混合粉末にさらにFeNを添加したものであるが、市販材の腐食起点であるP偏析部を、上手く評価できていることが分かる。
表4の番号21と22は、Alをマトリックスとして金属間化合物を混合した例であるが、市販材の腐食挙動を再現できていることが分かる。
本発明の活用例としては、特定の腐食環境に金属材料を適用する際に、本発明に係る耐食性評価用金属試験片の作製方法により耐食性評価用金属試験片を迅速簡便に作製し、金属材料の腐食起点ごとの耐食性を評価することで、腐食による事故などに対するリスクを回避したり、リスクの程度を的確に把握・管理したりすることができる。また、作製した耐食性評価用金属試験片を、不純物や化合物の化学組成と金属材料の耐食性との関係を、各種環境中で系統的に調査することに利用でき、金属材料の高耐食化に必要な不純物・化合物の組成設計指針を得ることができる。

Claims (8)

  1. 金属材料の耐局部腐食性の電気化学特性評価、および、腐食起点の電気化学特性評価に適する腐食試験片を作製する耐食性評価用金属試験片の作製方法であって、
    母材を構成する金属の粉末に、前記母材とは組成が異なる金属、金属間化合物、元素の単体、または化合物の粉末のうち、いずれか1種または2種以上を均一に混合した後、圧縮成形を経て放電プラズマ焼結法により、焼結時の最高加熱温度をTmax(℃)、前記母材を構成する金属の融点をTmp(℃)としたとき、Tmax<Tmp×0.85であり、かつ、Tmax>Tmp×0.4となる時間が30分未満である条件で焼結を行うことを
    特徴とする耐食性評価用金属試験片の作製方法。
  2. 前記母材を構成する金属の粉末、前記母材とは組成が異なる金属、または前記金属間化合物の粉末のうち、いずれか1種または2種以上が、鋼、鉄またはアルミニウムであることを特徴とする請求項1に記載の耐食性評価用金属試験片の作製方法。
  3. 前記母材を構成する金属の粉末、前記母材とは組成が異なる金属、または前記金属間化合物の粉末のうち、いずれか1種または2種以上が、粒径150μm以下の鋼、鉄またはアルミニウムのガスアトマイズ粉末であることを特徴とする請求項1または2記載の耐食性評価用金属試験片の作製方法。
  4. 前記元素の単体または前記化合物の粉末が、硫黄、黒リン、黒鉛、硫化物、酸化物、酸硫化物、炭化物、炭硫化物、窒化物、炭窒化物、ケイ化物、リン化物、ホウ化物、金属間化合物のいずれか1種または2種以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の耐食性評価用金属試験片の作製方法。
  5. 前記元素の単体または前記化合物の粉末が、2種以上の硫化物をメカニカルアロイング法により合成した複合硫化物の粉末であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の耐食性評価用金属試験片の作製方法。
  6. 前記元素の単体または前記化合物の粉末が、粒径50μm以下の硫化物または複合硫化物であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の耐食性評価用金属試験片の作製方法。
  7. 前記母材を構成する金属の粉末に対して、S含有量が質量%にて0.001%以上1.0%以下になるように、硫黄粉末またはSを含有する化合物の粉末を混合することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の耐食性評価用金属試験片の作製方法。
  8. 前記放電プラズマ焼結法における通電条件が900A以下であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の耐食性評価用金属試験片の作製方法。
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