図1は本発明による無線式の住警器(住宅用火災警報器)の外観を示した説明図であり、図1(A)に正面図を、図1(B)に側面図を示している。
図1において、本実施形態の住警器10の筐体はカバー12と本体14で構成され、この内部に各種機能部品が内蔵されている。カバー12の中央には、周囲に煙流入口を開口し、その内部には検煙部16が配置され、火災による煙が所定濃度に達したときに火災を検出するようにしている。
カバー12に設けた検煙部16の左下側には音響穴18が設けられ、この背後にブザーやスピーカを内蔵し、音声合成回路や音声アンプを介して警報音や音声メッセージを出力できるようにしている。検煙部16の下側には警報停止スイッチ20が設けられている。警報停止スイッチ20は住警器の機能点検を指示する点検スイッチとしての機能を兼ねている。たとえば、火災警報時に警報停止スイッチ20が操作されると警報を停止し、通常状態で警報停止スイッチ20が操作されると所定の機能点検を実施して結果を報知する。
警報停止スイッチ20は、半透明部材で形成されたスイッチカバーと、スイッチカバーの内部に配置されたタクトスイッチ(図示せず)とで構成されている。スイッチカバー内部のタクトスイッチ近傍には、点線で示すように警報表示を行うLED22が配置されており、LED22が点灯すると、警報停止スイッチ20のスイッチカバーの部分を透過してLED22の点灯状態が外部から分かるようにしている。
また本体14の裏側上部には取付フック15が設けられており、例えば設置する部屋の壁にビスなどをねじ込み、この取付フック15をビスに通すことで、壁面に住警器10を設置することができる。
なお図1の住警器10にあっては、検煙部16を備えた火災による煙を検出する住警器を例に取っているが、これ以外に火災による熱を検出するサーミスタ等の温度検出素子を備えた住警器や火災に伴うその他の物理現象を検出する住警器、火災以外にガス漏れを検出する警報器、侵入者や地震その他の異常を検出する各種の警報器、これらを組み合わせて成る警報器についても、本発明の対象に含まれる。
図2は住宅に対する本実施形態の警報システムの設置状態を示した説明図である。図2の例にあっては、住宅24に設けられている台所、居間、主寝室、子供部屋のそれぞれに本実施形態の火災を検出して警報する住警器10−1〜10−4が設置され、更に屋外に建てられたガレージ26にも住警器10−5が設置されている。
住警器10−1〜10−5は、イベント信号を無線により相互に送受信する機能を備え、住宅全体の火災監視を行っている。
いま住宅24の子供部屋で万一、火災が発生したとすると、住警器10−4が火災を検出して火災警報(異常警報)を開始する。この火災を検出して火災警報を開始することを、住警器における「発報」という。住警器10−4が発報すると、住警器10−4は連動元として機能し、連動先となる他の住警器10−1〜10−3,10−5に対し、火災を示すイベント信号を無線により送信する。他の住警器10−1〜10−3,10−5、連動元の住警器10−4からの火災を示すイベント信号を受信した場合に、警報音と警報表示により連動先としての火災警報動作を行う。
ここで連動元となった住警器10−4の警報音としては、例えば音声メッセージにより「ウーウー 火災警報器が作動しました 確認してください」を出力する。一方、連動先の住警器10−1〜10−3,10−5にあっては、「ウーウー 別の火災警報器が作動しました 確認してください」といった音声メッセージを出力する。
また連動元となった住警器10−4の火災警報に伴う表示としては、例えばLED22を点灯させる。一方、連動先の住警器10−1〜10−3,10−5にあっては、LED22を点滅させる。これによって、連動元警報と連動先警報におけるLED50による警報表示を区別できるようにしている。
なお、連動元のLED22を点滅とし、連動先のLED22を明滅としても良いし、連動元警報と連動先警報のいずれについても、同じLED22の明滅または点滅、点灯表示であっても良い。
住警器10−1〜10−5が火災の警報を出している状態で、警報停止スイッチ20を操作すると、警報音及び警報表示の停止処理が行われる。
また住警器10−1〜10−5は、センサ障害や電池の電池電圧が低下してバッテリー切れに近付くローバッテリー障害を監視している。
例えば住警器10−1でセンサ障害を検出した場合は、連動元を示すセンサ障害の警報音としてスピーカから「ピッ、故障です」を所定回数連続出力し、その後は一定時間ごとに「ピッ、故障です」を所定回数出力する処理を繰り返す。またセンサ障害を検出した状態で警報停止スイッチ20による点検操作を検出すると、「ピッ、故障です 販売店に連絡して下さい」を1回出力する。また連動元を示す障害警報音に同期してLED22の点灯、点滅、明滅による表示を行う。
住警器10−1で検出されたセンサ障害は、例えば連動元でセンサ障害警報を出力する毎にイベント信号により他の住警器10−2〜10−5に送られ、連動先を示すセンサ障害の警報音としてスピーカから「ピッ 別の警報器が故障です」を出力する。また連動先を示す警報音に同期して連動元の駆動とは異なるLED22の点灯、点滅、明滅による表示を行う。
また住警器10−1で電池のローバッテリー障害を検出した場合は、連動元を示すローバッテリー障害の警報音としてスピーカから「ピッ、電池切れです」を所定回数連続出力し、その後は一定時間ごとに「ピッ、電池切れです」を所定回数出力する処理を繰り返す。また電池切れを検出した状態で警報停止スイッチ20による点検操作を検出すると、「ピッ、電池切れです 電池を交換して下さい」を1回出力する。また連動元を示すローバッテリー障害の警報音に同期してLED22の点灯、点滅、明滅による表示を行う。
住警器10−1で検出されたローバッテリー障害は、例えば連動元でローバッテリー障害警報を出す毎にイベント信号により他の住警器10−2〜10−5に送られ、連動先を示すローバッテリー障害の警報音としてスピーカから「ピッ 別の警報器が電池切です」を出力する。
住警器10−1〜10−5が障害警報を出している状態で、警報停止スイッチ20を操作すると、警報音及び警報表示の停止処理が行われる。
本発明の警報停止処理には、第1モード停止処理、第2モード停止処理、及び第3モード停止処理がある。各モード停止処理は、連動元で停止操作を行うか、連動先で停止操作を行うかで停止処理の内容が異なっている。第1モード停止処理、第2モード停止処理、及び第3モード停止処理を簡単にまとめると次のようになる。
(1)第1モード停止処理
連動元で障害警報の停止操作をした場合、連動元を示す警報音を停止するが表示を継続さし、更に連動先に警報停止信号を送信して警報音と表示を停止させる。
連動先で障害警報の停止操作をした場合、自己の連動先を示す警報音と表示のみを停止するが、他の住警器に警報停止信号は送信せず、障害警報を維持させる。
(2)第2モード停止処理
連動元で障害警報の停止操作をした場合、自己の連動元を示す警報音と表示を継続し、連動先に警報停止信号を送信して警報音と表示を停止させる。
連動先で障害警報の停止操作をした場合、自己の連動先を示す警報音と表示を停止し、他の住警器に警報停止信号を送信し、連動元については警報音と表示を継続させ、連動先については警報音と表示を停止させる。
(3)第3モード停止処理
連動元で障害警報の停止操作をした場合、自己の連動元を示す警報音を停止するが表示は継続し、更に連動先に警報停止信号を送信して警報音と表示を停止させる。
連動先で障害警報の停止操作をした場合、自己の連動先を示す警報音と表示を停止し、他の住警器に警報停止信号を送信し、連動元は警報音を停止させると共に表示を継続させ、連動先は警報音と表示を停止させる。
図3は第1モード警報停止処理における障害警報に対し連動元で停止操作を行った前後の警報制御を示している。図3(A)は警報停止前であり、連動関係にある住警器10−1〜10−5の中の住警器10−1が例えばローバッテリー障害を検出し、住警器10−1が警報音「電池切れです」とLED22のたとえば点灯(第1の表示)による警報表示により連動元を示す障害警報を行い、残りの住警器10−2〜10−5が警報音「他の警報器が電池切れです」とLED22の例えば点滅(第2の表示)による警報表示により連動先を示す障害警報を行っている。
この障害警報の連動状態で、矢印Aで示すように、連動元の住警器10−1に設けている警報停止スイッチ20を操作すると、図3(B)に示すように、警報停止操作を行った連動元の住警器10−1は連動元を示す警報音は停止するが、連動元を示すLED22の点灯(第1の表示)による警報表示は少なくとも所定期間継続するようにしている。
また連動元の住警器10−1は警報停止操作に伴い警報停止を示すイベント信号を連動先の住警器10−2〜10−5に送信する。このため連動先の住警器10−2〜10−5は連動先を示す障害の警報音とLED22の点滅による警報表示は停止する。
これによって障害の連動警報が行われた場合、連動先の住警器10−2〜10−5の設置場所に出向いて警報停止操作を行わなくとも、連動元の住警器10−1の警報停止操作で連動先の警報を停止することができ、停止操作が簡単且つ容易にできる。
また、連動元の住警器10−1における警報停止操作で警報音が全て停止しても、連動元の警報器10−1におけるLED22のたとえば点灯による警報表示は少なくとも所定期間継続され、ローバッテリー障害を起こしている住警器の特定が簡単且つ確実にできる。
警報停止後に継続している連動元の住警器10−1のLED22による警報表示は、タイマ設定で決まる所定時間経過後に停止させるか、または、再度、連動元の住警器10−1で警報停止操作を行ったときに停止する。
図4は第1モード警報停止処理における障害警報に対し連動先で停止操作を行った前後の警報制御を示している。図4(A)は警報停止前であり、住警器10−1が例えばローバッテリー障害を検出して警報音「電池切れです」とLED22のたとえば点灯(第1の表示)による警報表示により連動元を示す障害警報を行い、残りの住警器10−2〜10−5が警報音「他の警報器が電池切れです」とLED22の例えば点滅(第2の表示)による警報表示により連動先を示す障害警報を行っている。
この障害警報の連動状態で、矢印Bで示すように、連動先の住警器10−2に設けている警報停止スイッチ20を操作すると、図4(B)に示すように、警報停止操作を行った連動先の住警器10−2は連動先を示す警報音と表示は停止するが、他の住警器10−1,10−3〜10−5に対する警報停止のイベント信号は送信しないため、警報音と表示をそのまま継続している。
このように第1モードでは、連動先での障害警報の停止操作は、停止操作を行った住警器のみの警報音と表示を停止するだけとなる。
図5は第2モード警報停止処理における障害警報に対し連動元で停止操作を行った前後の警報制御を示している。図5(A)は警報停止前であり、連動関係にある住警器10−1〜10−5の中の住警器10−1が例えばローバッテリー障害を検出し、住警器10−1が警報音「電池切れです」とLED22のたとえば点灯(第1の表示)による警報表示により連動元を示す障害警報を行い、残りの住警器10−2〜10−5が警報音「他の警報器が電池切れです」とLED22の例えば点滅(第2の表示)による警報表示により連動先を示す障害警報を行っている。
この障害警報の連動状態で、矢印Aで示すように、連動元の住警器10−1に設けている警報停止スイッチ20を操作すると、図5(B)に示すように、警報停止操作を行った連動元の住警器10−1は連動元を示す警報音は停止するが、連動元を示すLED22の点灯(第1の表示)による警報表示は少なくとも所定期間継続するようにしている。
また連動元の住警器10−1は警報停止操作に伴い警報停止を示すイベント信号を連動先の住警器10−2〜10−5に送信する。このため連動先の住警器10−2〜10−5は連動先を示す障害の警報音とLED22の点滅による警報表示は停止する。
図6は第2モード警報停止処理における障害警報に対し連動先で停止操作を行った前後の警報制御を示している。図6(A)は警報停止前であり、住警器10−1が例えばローバッテリー障害を検出して警報音「電池切れです」とLED22のたとえば点灯(第1の表示)による警報表示により連動元を示す障害警報を行い、残りの住警器10−2〜10−5が警報音「他の警報器が電池切れです」とLED22の例えば点滅(第2の表示)による警報表示により連動先を示す障害警報を行っている。
この障害警報の連動状態で、矢印Bで示すように、連動先の住警器10−2に設けている警報停止スイッチ20を操作すると、図6(B)に示すように、警報停止操作を行った連動先の住警器10−2は連動先を示す警報音と表示は停止し、他の住警器10−1,10−3〜10−5に対し警報停止のイベント信号を送信する。このため連動先の住警器10−3〜10−5は警報音と表示を停止するが、連動元の住警器10−1は警報音と連動元を示すLED22の点灯(第1の表示)による警報表示は少なくとも所定期間継続する。
これによって連動警報が行われた場合、住警器10−1〜10−5の設置場所に出向いて警報停止操作を行わなくとも、住警器10−1〜10−5の内の任意の住警器の警報停止操作で連動元の警報音と警報表示は停止せず、連動先の警報音と警報表示を全て停止することができ、停止操作が簡単且つ容易にできる。
また、任意の住警器で警報停止操作を行っても、連動元の警報器10−1における警報音とLED22のたとえば点灯による警報表示は継続され、連動元から離れた場所に設置されている連動先警報器でも、依然として連動元が障害警報中である旨を知ることが出来、障害を起こしている住警器の特定を簡単に特定して電池交換や住警器そのものの交換などの対応をとることができる。
警報停止後に継続している連動元の住警器10−1のLED22による警報表示は、タイマ設定で決まる所定時間経過、又は警報停止操作を行ったときに停止する。
この場合、連動元の警報音が継続している間は、連動先の表示は停止しないようにすることも出来る。この警報停止操作時に残す連動先の警報表示としては、LED22の点滅以外に、連動元と同様にLED22の点灯としても良いし、明滅としてもよい。
また、LED22の点滅による警報表示は周期を異ならせることで各表示の意味を区別するようにしても良く、周期等の異なる点滅表示の組み合わせによっても、連動元や連動先の区別、また警報停止操作前後の区別が出来るようになる。明滅についても同様に適用出来る。
図7は第3モード警報停止処理における障害警報に対し連動元で停止操作を行った前後の警報制御を示している。図7(A)は警報停止前であり、住警器10−1が例えばローバッテリー障害を検出して警報音「電池切れです」とLED22のたとえば点灯(第1の表示)による警報表示により連動元を示す障害警報を行い、残りの住警器10−2〜10−5が警報音「他の警報器が電池切れです」とLED22の例えば点滅(第2の表示)による警報表示により連動先を示す障害警報を行っている。
この障害警報の連動状態で、矢印Aで示すように、連動元の住警器10−1に設けている警報停止スイッチ20を操作すると、図7(B)に示すように、警報停止操作を行った連動元の住警器10−1は連動元を示す警報音は停止するが、連動元を示すLED22の点灯(第1の表示)による警報表示は少なくとも所定期間継続するようにしている。
また連動元の住警器10−1は警報停止操作に伴い警報停止を示すイベント信号を連動先の住警器10−2〜10−5に送信する。このため連動先の住警器10−2〜10−5は連動先を示す障害の警報音とLED22の点滅による警報表示を停止する。
図8は第3モード警報停止処理における障害警報に対し連動先で停止操作を行った前後の警報制御を示している。図8(A)は警報停止前であり、住警器10−1が例えばローバッテリー障害を検出して警報音「電池切れです」とLED22のたとえば点灯(第1の表示)による警報表示により連動元を示す障害警報を行い、残りの住警器10−2〜10−5が警報音「他の警報器が電池切れです」とLED22の例えば点滅(第2の表示)による警報表示により連動先を示す障害警報を行っている。
この障害警報の連動状態で、矢印Bで示すように、連動先の住警器10−2に設けている警報停止スイッチ20を操作すると、図8(B)に示すように、警報停止操作を行った連動先の住警器10−2は連動先を示す警報音と表示は停止し、他の住警器10−1,10−3〜10−5に対し警報停止のイベント信号を送信する。このため連動先の住警器10−3〜10−5は警報音と表示を停止する。また連動元の住警器10−1は警報音を停止し、連動元を示すLED22の点灯(第1の表示)による警報表示は少なくとも所定期間継続する。
このように第3モード停止処理では、連動警報が行われた場合、住警器10−1〜10−5それぞれの設置場所に出向いて警報停止操作を行わなくとも、住警器10−1〜10−5の内の任意の住警器の警報停止操作で連動元と連動先の警報音を停止し、連動元の警報表示はそのままで、連動先の警報表示を全て停止することができ、停止操作が簡単且つ容易にできる。
また、任意の住警器警報停止操作を行っても、連動元の警報器10−1におけるLED22のたとえば点灯による警報表示は継続され、障害を起こしている住警器の特定を簡単に特定して電池交換や住警器そのものの交換などの対応をとることができる。
警報停止後に継続している連動元の住警器10−1のLED22による警報表示は、タイマ設定で決まる所定時間経過、又は警報停止操作を検出したときに停止する。
第1モード、第2モード、第3モードの警報停止処理は、連動元として警報中の警報停止処理は、少なくとも表示を継続させる点で基本的に同じであるが、連動先として警報中の警報停止処理が異なる。
即ち第1モードでは、連動先としての警報中に自己の警報停止操作があったら警報音と表示を停止して、他の警報器に対して警報停止を示すイベント信号を送信しない。
これに対して第2モードでは、連動先としての警報中に自己の警報停止操作があったら警報音と表示を停止して、他の警報器に対して警報停止を示すイベント信号を送信する。
そして第3モードでは、連動先としての警報中に自己の警報停止操作があったら警報音と警報表示を停止して、他の警報器に対して警報停止を示すイベント信号を送信する。
なお、第1〜第3モードの何れに於いても、連動元の障害状態が解消して障害復旧した場合には、警報停止操作後に継続させている各住警器の警報音や警報表示を停止するようにしても良い。
図9は図2の警報システムに設けた住警器の実施形態を示したブロック図であり、図2に示した5台の住警器10−1〜10−5につき、その内の住警器10−1について回路構成を詳細に示している。他の住警器10−2〜10−5についても同様の構成となる。
住警器10−1と他の住警器10−2〜10−5を結ぶ矢印はそれぞれが相互に通信することを示しているが、たとえば住警器10−2と住警器10−3なども相互に通信させるようにしている。もちろん、住警器10−1をシステムの親機として、図6の矢印の経路でのみ通信するようにしたシステムでも、本発明を適用することが出来る。
住警器10−1はワンチップCPUとして知られたプロセッサ28を備え、プロセッサ28に対してはアンテナ31を備えた無線通信部30、記録回路部(メモリ)32、センサ部34、報知部36、操作部38及び電池電源40を設けている。
無線通信部30には送信回路42と受信回路44が設けられ、他の住警器10−2〜10−5との間でイベント信号を無線により送受信できるようにしている。無線通信部30としては、日本国内の場合には、例えば400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格として知られたSTD−30(小電力セキュリティシステム無線局の無線設備標準規格)またはSTD−T67(特定小電力無線局テレメータ用、テレコントロール用及びデータ伝送用無線設備の標準規格)に準拠した構成を備える。
もちろん無線通信部30としては、日本国内以外の場所については、その地域の割当無線局の標準規格に準拠した内容を持つことになる。
記憶部としてのメモリ32には、イベント信号の順番を示す連続番号である連番48、各住警器を特定するID(識別子)となる送信元符号50及び図2のように住宅に設置した住警器10−1〜10−5で連動警報を行う連動グループを構成するためのグループ符号52が格納されている。
連番48は警報器間の通信に於いてイベント信号の中継処理等を管理するためのものであるが、本発明に直接関係しないので詳細な説明を省略する。
送信元符号50としては、国内に提供される住警器の数を予測し、例えば同一符号として重複しないように26ビットの符号コードが使用され、例えば、住警器のシリアル番号を利用する。
グループ符号52は連動グループを構成する複数の住警器に共通に設定される符号であり、無線通信部30で受信した他の住警器からのイベント信号に含まれるグループ符号がメモリ32に登録しているグループ符号52に一致したときに、このイベント信号を有効な信号として受信して処理することになるので、近隣の住宅等に設置された、連動を要しない他グループの警報器との不要な連動を回避出来る。
センサ部34には、煙を検出して信号を出力する検煙部16を設けている。
センサ部34には検煙部16以外に、火災による温度を検出するサーミスタ等の温度検出素子や、火災に伴うその他の物理現象変化を検出する各種素子を設けてもよい。
報知部36には警報音を出力するスピーカ58と警報表示を行うLED22が設けられている。スピーカ58は、図示しない音声合成回路部からの音声メッセージや警報音を、図示しない増幅部を介して出力する。LED22は点滅や明滅、点灯などにより、火災などの異常を表示する。スピーカ58に代えて、ブザー等を用いても良い。
操作部38には警報停止スイッチ20が設けられている。警報停止スイッチ20は、報知部36からスピーカ58により火災や障害の警報音を出力しているとき又はLED22により警報表示を行っているときにのみ警報停止スイッチとして機能する。例えば連動元を示す警報中に警報停止スイッチ20を操作すると、警報音及び警報表示はそのまま継続され、一方、連動先を示す警報中に警報停止スイッチ20を操作すると、警報音は停止し、警報表示は停止または継続するといった、後に説明するモード選択部の選択状態に応じた警報停止処理が行われる。
一方、連動元または連動先を示す警報を行っていない通常監視状態で警報停止スイッチ20は点検スイッチとして機能し、この状態で警報停止スイッチ20を操作すると、所定の点検動作が実行されて報知部36から点検結果を示す音声メッセージなどが出力される。
なお、障害警報中に警報停止スイッチ20が操作された場合には、所定の点検を実施して結果を報知した後に障害警報停止処理を行うようにしても良い。このようにすれば、例えばセンサ故障等を再チェックした後に障害警報停止処理が行われるので、ユーザに対し、故障状態をより明確に認知させることが出来る。そして、このとき障害状態が解消している場合には、例えば「障害は解消しました」等のメッセージを出力して、障害停止処理に移行しても良い。
また、再び図9を参照するに、操作部38にはモード選択スイッチ21が設けられている。モード選択スイッチ21は例えばディップスイッチその他の切り替えスイッチであり、これによりプロセッサ28のモード選択部70にモード選択指示を与える。モードの選択は必ずしもスイッチによる必要はなく、別に設けた設定装置との間で通信させて選択設定するなど、など適宜の手段に代えることが出来る。
電池電源40は、例えば所定セル数のリチウム電池やアルカリ乾電池を使用しており、電池容量としては住警器10−1における無線通信部30を含む回路部全体の低消費電力化により、例えば10年の電池寿命を保証している。
プロセッサ28にはプログラムの実行により実現される機能として、イベント検出部60、送信処理部62、受信処理部64、異常警報処理部66、障害検出部68、障害警報処理部70、及び連動元停止部74と連動先停止部76を備えた警報停止部72が設けられている。
イベント検出部60は、センサ部34による異常検出、操作部38による警報停止、センサ部34の異常検出がなくなる異常復旧等のイベントを検出する。
送信処理部62は、イベント検出部60によりセンサ部34による異常検出、操作部38による警報停止およびモード切り替え、センサ部34の異常検出がなくなる異常復旧等の自己のイベントを検出したときに、検出イベントを示すイベント信号を、無線通信部30から連動先の住警器に送信させる。受信処理部64は、住警器10−2〜10−5からのイベント信号を、無線通信部30を介して受信解読する。
異常警報処理部66は、イベント検出部60で自己の異常として火災を検出したときにスピーカ58から連動元を示す警報音を出力すると共に、LED22を駆動して連動元を示す警報表示を行い、更に、火災を示すイベント信号を他の住警器に送信する。
具体的に説明すると、異常警報処理部66は、センサ部34からの煙検出信号からイベント検出部60で火災を検出したときに、報知部36のスピーカ58から連動元を示す警報音例えば「ウーウー 火災警報器が作動しました 確認してください」を繰り返し出力させると共に、LED22を点灯して連動元を示す警報表示を行い、更に、火災を示すイベント信号を無線通信部30の送信回路42によりアンテナ31から他の住警器10−2〜10−5に向けて送信させる。
また異常警報処理部66は、他の住警器10−2〜10−5のいずれかから火災を示すイベント信号を無線通信部30の受信回路44により受信し、受信処理部64で有効となったときに、報知部36のスピーカ58から連動先を示す警報音例えば「ウーウー 別の火災警報器が作動しました 確認してください」となる警報音を繰り返し出力させ、同時にLED22を点滅して連動先を示す警報表示を行う。
障害検出部68はセンサ障害とローバッテリー障害を検出する。センサ障害の検出は、所定の測定時間間隔T1、例えばT1=1秒間隔でセンサ部34の検煙部16から出力される煙検出信号をA/D変換により読み込んでメモリ32のバッファ領域に保持し、例えば所定の時間間隔T2=10分毎に、メモリ32のバッファ領域に保持している10分間ぶんの検出データの平均値を求め、この平均値が所定の基準レベル(零点レベルという)を下回ったときに出力停止状態である等としてセンサ部16の障害と判定する。
このように煙濃度検出信号の10分間平均値が零点レベルを下回る原因は、検煙部16に設けている受光素子の断線、受光アンプの停止などの障害の発生したことによるものである可能性が高い。なお、センサ部16にサーミスタなどの温度検出素子を設けた場合には、その断線により検出信号の10分間平均値と所定の断線レベルを比較することでセンサ障害が試験結果として判定される。
ローバッテリー障害の検出は、所定の測定時間間隔T3、例えばT3=4時間間隔で電池電源40の電源電圧をA/D変換により読み込んで所定の閾値電圧と比較し、この閾値電圧以下のときにローバッテリー障害を判定し、更にローバッテリー障害の判定結果が連続して所定回数続いたときにローバッテリー障害を確定する。
障害警報処理部70は、イベント検出部60でセンサ障害又はローバッテリー障害を検出したときに、報知部36のスピーカ58からの警報音とLED22の第1の表示により連動元を示すセンサ障害又はローバッテリー障害警報を出力させる。また障害警報処理部70は、センサ障害又はローバッテリー障害を示すイベント信号を他の住警器10−2〜10−5に送信して連動先を示すセンサ障害又はローバッテリー障害警報を警報音と表示で行わせる。
更に障害情報処理部70は、他の住警器10−2〜10−5からセンサ障害又はローバッテリー障害を示すイベント信号を受信したときに、報知部36からの警報音と、LED22による第1の表示と異なる第2の表示による連動先を示すセンサ障害又はローバッテリー障害警報を出力させる。
障害警報処理部70は、イベント検出部60でセンサ障害を検出した場合、報知部36のスピーカ58から連動元(障害元)を示すセンサ障害の警報音としてたとえば「ピッ 故障です」を複数回連続出力し、同時にLED22を例えば点灯し、その後は一定時間毎に「ピッ 故障です」の音声出力とLED22による表示を複数回行う処理を繰り返す。
また障害警報処理部70は、センサ障害を示すイベント信号を他の住警器10−2〜10−5に送信することで、連動先を示すセンサ障害警報を警報音として「ピッ 別の警報器が故障です」を出力させ、同時にLED22により連動元とは異なる点滅表示を行わせる。
また障害警報処理部70は、イベント検出部60でローバッテリー障害を検出した場合、報知部36のスピーカ58から連動元(障害元)を示すローバッテリー障害の警報音としてたとえば「ピッ 電池切れです」を複数回連続出力し、同時にLED22を例えば点灯し、その後は、一定時間毎に「ピッ 電池切れです」とLED22による表示を複数回行う処理を繰り返す。
また障害警報処理部70は、ローバッテリー障害を示すイベント信号を他の住警器10−2〜10−5に送信することで、連動先を示すローバッテリー障害警報を警報音として「ピッ 別の警報器が電池切れです」を出力させ、同時にLED22により連動元とは異なる点滅表示を行わせる。
警報停止部72はセンサ障害又はローバッテリー障害警報の出力中に操作部38に設けた警報停止スイッチ20の警報停止操作を検出した場合、前述した第1モード、第2モード、又は第3モードのいずれかの警報停止処理を行う。
この詳細は既に説明した通りであり、第1モード停止処理については図3及び図4に示した停止処理を行い、第2モード停止処理については図5及び図6に示した停止処理を行い、第3モード停止処理については図7及び図8に示した停止処理を行う。
即ち第1モード停止処理の実施形態にあっては、連動元警報停止部74は、連動元を示す障害警報出力中に警報停止操作を検出した場合、自己の連動元を示す警報音を停止すると共に表示を継続させ、更に連動先を示す障害警報出力中の警報器に警報停止信号を送信して警報音と表示を停止させる。
連動先警報停止部76は、連動先を示す障害警報出力中に警報停止操作を検出した場合、自己の前記連動先を示す警報音と表示を停止する。
また第2モード停止処理の実施形態にあっては、連動元警報停止部74は、連動元を示す障害警報出力中に警報停止操作を検出した場合、自己の連動元を示す警報音と表示を継続させ、更に連動先を示す障害警報出力中の警報器に警報停止信号を送信して警報音と表示を停止させる。
連動先警報停止部76は、連動先を示す障害警報出力中に警報停止操作を検出した場合、自己の連動先を示す警報音と表示を停止し、更に連動元及び連動先を示す障害警報出力中の警報器に警報停止信号を送信し、連動元を示す障害警報出力中の警報器の警報音と表示を継続させ、連動先を示す障害警報出力中の警報器の警報音と表示を停止させる。
さらに第3モード停止処理の実施形態にあっては、連動元警報停止部74は、連動元を示す障害警報出力中に警報停止操作を検出した場合、自己の連動元を示す警報音を停止すると共に表示を継続させ、更に連動先を示す障害警報出力中の警報器に警報停止信号を送信して警報音と表示を停止させる。
連動先警報停止部76は、連動先を示す障害警報出力中に警報停止操作を検出した場合、自己の連動先を示す警報音と表示を停止し、更に連動元及び連動先を示す障害警報出力中の警報器に警報停止信号を送信し、連動元を示す障害警報出力中の警報器の警報音を停止させると共に表示を継続させ、連動先を示す障害警報出力中の警報器の警報音と表示を停止させる。
図10は本実施形態で使用するイベント信号のフォーマットを示した説明図である。図10において、イベント信号46は連番48、送信元符号50、グループ符号52及びイベント符号54で構成されている。
連番48はイベント信号の順番を示す連続番号であり、イベント信号を送信する毎に1つずつ増加させる。また、連番48は住警器10−1〜10−5の各々で非同期に生成している。連番48は警報器間の通信に於いてイベント信号の中継処理等を管理するためのものであるが、本発明に直接関係しないので詳細な説明を省略する。
送信元符号50は例えば26ビットの符号である。グループ符号52は例えば8ビットの符号であり、同一グループを構成する例えば図1の住警器10−1〜10−5につき同じグループ符号が設定されている。
なおグループ符号52としては、同一グループの住警器に同一のグループ符号を設定する以外に、予め定めたグループを構成する住警器に共通な基準符号と、各住警器に固有な送信元符号との演算から求めた住警器ごとに異なるグループ符号であってもよい。
イベント符号54は、火災、ガス漏れなどのイベント内容を表す符号であり、本実施形態にあっては3ビット符号を使用しており、例えば「001」で火災、「010」でガス漏れ、「011」で盗難、「100」で警報停止、「101」で復旧、「110」でセンサ障害、「111」でローバッテリー障害としている。なおイベント符号42のビット数は、更に4ビット、5ビットと増加させることで、更に多くのイベント内容を表すことができる。
図11は図9の住警器10−1における基本的な処理を示したフローチャートである。図11において、住警器10−1の電池電源40による電源供給が開始されると、ステップS1で初期化および自己診断を実行し、異常がなければステップS2に進んで火災監視処理を実行し、続いてステップS3に進んで障害監視処理を行い、これを繰り返している。
図12は図11のステップS2における火災監視処理の一例を示したフローチャートであり、プロセッサ28のプログラムの実行による処理となる。
図12において、火災監視処理は、ステップS11で火災を監視しており、センサ部34から出力された煙検出信号が所定の火災レベルを超えると火災発生を判別してステップS12に進み、連番、送信元符号、グループ符号、火災を示すイベント符号を含むイベント信号を他の住警器に無線送信した後、ステップS13でスピーカ58からの警報音とLED22の点灯による警報表示とにより連動元を示す火災警報を出力する。
続いて、ステップS14でセンサ部34からの煙検出信号が低下して火災がなくなる火災復旧の有無を判別しており、火災が継続している場合はステップS5で警報停止スイッチ20による警報停止操作の有無を判別し、警報停止操作が無ければステップS16で他の住警器からの警報停止を示すイベント信号受信の有無を判別する処理を繰り返している。なお、火災の継続中にあっては、所定時間毎に火災を示すイベント信号の送信を繰り返している。ステップS15で警報停止操作が有った場合には、ステップS18で連番、送信元符号、グループ符号、警報停止を示すイベント符号を含むイベント信号を他の住警器に送信し、ステップS19へ進む。
ステップS14〜S16の処理サイクル中に、センサ部34からの煙検出信号が低下し火災がなくなるとステップS14で火災復旧が判別され、ステップS17で連番、送信元符号、グループ符号、火災復旧を示すイベント符号を含むイベント信号を他の住警器に送信し、ステップS19に進んで連動元を示す警報音を停止し、連動元を示すLED22の点灯による表示は継続し、監視状態に戻る一方、ステップS20で所定の遅延時間経過を判定した後にステップS21に進んで連動元の表示を停止する。
またステップS16で他の住警器から警報停止イベント信号の受信を判別すると、ステップS19に進んで連動元を示すスピーカ58からの警報音は停止して監視状態に戻るが、LED22の点灯による警報表示は継続させる。続いてステップS20で警報停止操作から所定時間経過したか否か判別しており、所定時間の経過を判別すると、ステップS21に進んで連動元を示すLED22の点灯による警報表示を停止する。
なお、ステップS20で所定時間経過していない期間中は、警報停止スイッチ20による警報停止操作を検出した場合に、継続している警報表示を停止させるようにしても良い。そして、この期間中に新たに火災が検出されるかまたは他の住警器から火災を示すイベント信号を受信し有効となったときには、連動元警報表示を停止して新たに連動元または連動先としての処理を実施する。
一方で、ステップS20の遅延時間を未監視期間として問題とならない短い時間とするときには、この間は新たな火災発生判定を行わないか、または火災が判定されてもその後の警報処理を行わないようにすることも出来る。
ステップS11で火災でなかった場合には、ステップS22で他の住警器からのイベント信号受信の有無を判別している。他の住警器からの火災を示すイベント信号受信を判別すると、ステップS23に進んで連動先を示す火災警報としてスピーカ58からの警報音出力とLED22の点滅による警報表示を行う。
次にステップS24で他の住警器からの火災復旧を示すイベント信号受信の有無を判別しており、火災復旧を示すイベント信号を受信すると、ステップS25に進んで連動先を示すスピーカ58からの警報音とLED22の点滅による警報表示を停止する。
ステップS24で火災復旧を示すイベント信号受信がない場合には、ステップS26で他の住警器からの警報停止を示すイベント信号の受信の有無をチェックしており、警報停止を示すイベント信号の受信を判別すると、ステップS28に進んで連動先を示すスピーカ58からの警報音とLED22の点滅による警報表示を停止する。
ステップS26で警報停止を示すイベント信号受信がない場合には、ステップS27で警報停止スイッチ20による警報停止操作の有無を判別しており、警報停止操作を判別すると、ステップS28に進んで連番、送信元符号、グループ符号、火災復旧を示すイベント符号を含むイベント信号を他の住警器に送信し、ステップS29で連動先を示すスピーカ58からの警報音とLED22の点滅による警報表示を停止する。ステップS28は、ステップS19〜S21同様の処理としても良い。この場合当然、ステップS19、S21の連動元としての警報に代えて連動先としての警報が制御対象となる。
図13は図11のステップS3における障害監視処理として第1モード警報停止処理を適用した場合の一例を示したフローチャートであり、プロセッサ28のプログラムの実行による処理となる。またセンサ障害とローバッテリー障害を監視しているが、ローバッテリー障害が発生した場合を例にとって説明する。
図13において、障害監視処理は、ステップS31でローバッテリー障害の発生を監視しており、ローバッテリー障害が発生したとすると、これを判別してテップS32に進み、連番、送信元符号、グループ符号、ローバッテリー障害を示すイベント符号を含むイベント信号を他の住警器に無線送信した後、ステップS33でスピーカ58からの警報音とLED22の点灯による警報表示とにより連動元を示すローバッテリー障害警報を出力する。
なお、ローバッテリー障害の継続中にあっては、所定時間毎にローバッテリー障害を示す警報出力と障害イベント信号の送信を繰り返している。ここでは火災の場合と障害の場合の表示にLED22を共用するようにしているが、LEDは別々に設けたり、表示色を異ならせたりすることも出来る。
続いて、ステップS34で誤検出などによるローバッテリー障害が解消する障害復旧の有無を判別しており、ローバッテリー障害が継続している場合はステップS35で警報停止スイッチ20による警報停止操作の有無を判別し、警報停止操作が無ければステップS36で他の住警器からの警報停止のイベント信号受信の有無を判別する処理を繰り返している。
ステップS34〜S36の処理サイクル中に、ローバッテリー障害が解消するとステップS34で障害復旧が判別され、ステップS37で連番、送信元符号、グループ符号、復旧を示すイベント符号を含むイベント信号を他の住警器に送信し、ステップS39に進んで連動元警報音出力を停止し、表示は継続してステップS40へ進む。ステップS40で所定時間の経過が判別されたら、表示を停止して通常の監視状態に戻る。
なお、ステップS40の所定時間経過の判別に代え、警報停止スイッチ20による警報停止操作の有無を判別し、警報停止操作を検出した場合に、継続している警報表示を停止させても良い。また、障害復旧の場合は、ステップS37の後、連動元警報音と警報表示を停止して通常の監視状態へ戻るようにしても良い。
またステップS36で他の住警器(連動先)から警報停止イベント信号の受信を判別すると、ステップS39に進み、所定時間毎のローバッテリー警報の出力時に、連動元を示すスピーカ58からの警報音は停止するが、LED22の点灯による警報表示は継続させる。しかし、第1モード警報停止処理にあっては、図4に示したように、連動先で警報停止操作を行っても、警報停止を示すイベント信号は送信されず、このためステップS36からS39に進む処理は実行されない。
一方、ステップS31で障害でなかった場合には、ステップS42で他の住警器からのイベント信号受信の有無を判別している。他の住警器からのローバッテリー障害を示すイベント信号受信を判別すると、ステップS43に進んで連動先を示す障害警報としてスピーカ58からの警報音を出力し、LED22の点滅による警報表示を行う。
なお、他の住警器からのローバッテリー障害を示すイベント信号は、連動元の住警器が所定時間毎に障害警報を出力する際に送信され、このため連動先においても、所定時間毎に障害を示すイベント信号が受信されて連動先を示す障害警報が出力されている。
次にステップS44で他の住警器からの障害復旧を示すイベント信号受信の有無を判別しており、障害復旧を示すイベント信号を受信すると、ステップS45に進み、ローバッテリー障害を示すイベント信号の受信毎に行う連動先を示すスピーカ58からの警報音とLED22の点滅による警報表示を停止する。
ステップS44で障害復旧を示すイベント信号受信がない場合には、ステップS46で連動元の住警器からの警報停止を示すイベント信号受信の有無をチェックしている。ここで、第1モード停止処理にあっては、連動先の停止操作では警報停止のイベント信号は送信されず、連動元の停止操作のみで警報停止りイベント信号が送信されることから、ステップS46では送信元からの警報停止を示すイベント信号のみを判別している。なお、連動元からの信号か否かは、イベント信号に含まれる送信元符号から判別出来る。またイベント符号に連動元か否かを示す符号を別途付加するようにしても良い。
ステップS46で連動元からの警報停止を示すイベント信号の受信を判別すると、ステップS48に進み、ローバッテリー障害を示すイベント信号の受信毎に行う連動先を示すスピーカ58からの警報音とLED22の点滅による警報表示を停止する。
ステップS46で連動元からの警報停止を示すイベント信号受信がない場合には、ステップS47で警報停止スイッチ20による警報停止操作の有無を判別しており、警報停止操作を判別すると、ステップS48に進み、ローバッテリー障害を示すイベント信号の受信毎に行う連動先を示すスピーカ58からの警報音とLED22の点滅による警報表示を停止する。
ここではステップS48で連動先を示す警報音と警報表示を共に停止する例を示したが、ステップS39からS41と同様に、表示は継続させて所定時間の経過後に警報表示を停止するようにしても良い。若しくは、警報表示は連動元からの警報停止または復旧のイベント信号を受信するまで停止しないようにしても良い。
図14は図11のステップS3における障害監視処理として第2モード警報停止処理を適用した場合の一例を示したフローチャートであり、プロセッサ28のプログラムの実行による処理となる。またセンサ障害とローバッテリー障害を監視しているが、ローバッテリー障害が発生した場合を例にとって説明する。
図14において、障害監視処理は、ステップS51で障害発生を監視しており、ローバッテリー障害の発生を判別するとステップS52に進み、連番、送信元符号、グループ符号、ローバッテリー障害を示すイベント符号を含むイベント信号を他の住警器に無線送信した後、ステップS53でスピーカ58からの警報音とLED22の点灯による警報表示とにより連動元を示すローバッテリー障害警報を出力する。
なお、ローバッテリー障害の継続中にあっては、所定時間毎にローバッテリー障害を示す警報出力と障害イベント信号の送信を繰り返している。
続いて、ステップS54で誤動作などに起因したローバッテリー障害が解消する障害復旧の有無を判別しており、ローバッテリー障害が継続している場合はステップS55で警報停止スイッチ20による警報停止操作の有無を判別し、警報停止操作が無ければステップS56で他の住警器からの警報停止のイベント信号受信の有無を判別する処理を繰り返している。
ステップS54〜S56の処理サイクル中に、ローバッテリー障害が解消するとステップS54で障害復旧が判別され、ステップS57で連番、送信元符号、グループ符号、復旧を示すイベント符号を含むイベント信号を他の住警器に送信し、ステップS61に進んで連動元を示す警報音と警報表示を停止して通常の監視状態に戻る。
またステップS55で警報停止スイッチ20による自己(連動元)の警報停止操作を判別するとステップS58に進んで連番、送信元符号、グループ符号、警報停止を示すイベント符号を含むイベント信号を他の住警器(連動先)に送信し、ステップS59に進んで連動元を示すスピーカ58からの警報音とLED22の点灯による警報表示を継続する。
またステップS56で他の住警器(連動先)から警報停止イベント信号の受信を判別すると、ステップS59に進んで連動元を示すスピーカ58からの警報音とLED22の点灯による警報表示を継続する。
ステップS59で自己(連動元)の警報停止操作または他の住警器(連動先)からの警報停止を示すイベント信号受信で継続している連動元を示す警報音と警報表示は、この実施形態にあっては、ステップS60で所定時間の経過を判別したときにステップS61に進んで、継続している連動元を示す警報音と警報表示を停止する。
なお、ステップS60で警報停止操作または警報停止を示すイベント信号受信から所定時間経過を判別している間に、再度警報停止スイッチ20による警報停止操作を検出した場合には、連動元を示す警報音と警報表示を停止しても良い。
一方、ステップS61で障害発生でなかった場合には、ステップS62で他の住警器からのイベント信号受信の有無を判別している。他の住警器からローバッテリー障害を示すイベント信号受信を判別すると、ステップS63に進み、ローバッテリー障害を示すイベント信号の受信毎に行う連動先を示す障害警報としてスピーカ58からの警報音出力とLED22の点滅による警報表示を行う。
次にステップS64で他の住警器からの障害復旧を示すイベント信号受信の有無を判別しており、障害復旧を示すイベント信号を受信すると、ステップS65に進んで連動先の警報として行っているスピーカ58からの警報音とLED22の点滅による警報表示を停止する。
ステップS64で障害復旧を示すイベント信号受信がない場合には、ステップS66で他の住警器からの警報停止を示すイベント信号受信の有無をチェックしており、警報停止を示すイベント信号の受信を判別すると、ステップS69に進み、ローバッテリー障害を示すイベント信号の受信毎に行う連動先としてのスピーカ58からの警報音を停止し、LED22の点滅による警報表示についても停止する。
ステップS66で警報停止を示すイベント信号受信がない場合には、ステップS67で警報停止スイッチ20による警報停止操作の有無を判別しており、自己の警報停止操作を判別すると、ステップS68で連番、送信元符号、グループ符号、警報停止を示すイベント符号を含むイベント信号を他の住警器に送信した後、ステップS69に進み、ローバッテリー障害を示すイベント信号の受信毎に行う連動先を示すスピーカ58からの警報音を停止し、LED22の点滅による警報表示を停止する。
図15は図11のステップS3における障害監視処理として第3モード警報停止処理を適用した場合の一例を示したフローチャートであり、プロセッサ28のプログラムの実行による処理となる。またセンサ障害とローバッテリー障害を監視しているが、ローバッテリー障害が発生した場合を例にとって説明する。
図15において、障害監視処理は、ステップS71で障害発生を監視しており、例えばローバッテリー障害の発生を判別するとステップS72に進み、連番、送信元符号、グループ符号、ローバッテリー障害を示すイベント符号を含むイベント信号を他の住警器に無線送信した後、ステップS73でスピーカ58からの警報音とLED22の点灯による警報表示とにより連動元を示すローバッテリー障害警報を出力する。
なお、ローバッテリー障害の継続中にあっては、所定時間毎にローバッテリー障害を示す警報出力と障害イベント信号の送信を繰り返している。
続いて、ステップS74でローバッテリー障害の復旧の有無を判別しており、ローバッテリー障害が継続している場合はステップS75で警報停止スイッチ20による警報停止操作の有無を判別し、警報停止操作が無ければステップS76で他の住警器からの警報停止のイベント信号の受信の有無を判別する処理を繰り返している。なお、火災の継続中にあっては、所定時間毎に火災を示すイベント信号の送信を繰り返している。
ステップS74〜S76の処理サイクル中に、ローバッテリー障害が解消したとすると、ステップS74で障害復旧が判別され、ステップS77で連番、送信元符号、グループ符号、障害復旧を示すイベント符号を含むイベント信号を他の住警器に送信し、ステップS79に進んで連動元を示す警報音を停止し、警報表示は継続させる。なお、ステップS79で連動元の警報音を停止して警報表示を継続させる代わりに、ステップ81に進んで連動元の警報音と警報表示を停止して通常の監視状態に戻るようにしても良い。
またステップS75で警報停止スイッチ20による自己(連動元)の警報停止操作を判別するとステップS78に進んで連番、送信元符号、グループ符号、警報停止を示すイベント符号を含むイベント信号を他の住警器(連動先)に送信し、ステップS79に進んで連動元を示すスピーカ58からの警報音を停止し、LED22の点灯による警報表示を継続する。
またステップS76で他の住警器(連動先)からの警報停止イベント信号の受信を判別すると、ステップS79に進んで連動元を示すスピーカ58からの警報音を停止し、LED22の点灯による警報表示を継続する。
ステップS79で自己の警報停止操作または他の住警器からの警報停止を示すイベント信号受信で継続している連動元を示す警報表示は、この実施形態にあっては、ステップS80で所定時間の経過を判別したときにステップS81に進んで停止する。
なお、ステップS80のタイマ設定による所定時間経過の代わりに、警報停止スイッチ20による警報停止操作を再度検出した場合に、連動元を示す警報表示を停止しても良い。
一方、ステップS71で障害発生でなかった場合には、ステップS82で他の住警器からのイベント信号受信の有無を判別している。他の住警器からのローバッテリー障害を示すイベント信号受信を判別すると、ステップS83に進んで連動先を示すローバッテリー障害警報としてスピーカ58からの警報音とLED22の点滅による警報表示を行う。
次にステップS84で他の住警器からの障害復旧を示すイベント信号受信の有無を判別しており、障害復旧を示すイベント信号を受信すると、ステップS85に進み、ローバッテリー障害を示すイベント信号の受信毎に行う連動先を示すスピーカ58からの警報音とLED22の点滅による警報表示を停止する。
ステップS84で障害復旧を示すイベント信号受信がない場合には、ステップS86で他の住警器からの警報停止を示すイベント信号受信の有無をチェックしており、警報停止を示すイベント信号の受信を判別すると、ステップS88に進み、ローバッテリー障害を示すイベント信号の受信毎に行う連動先を示すスピーカ58からの警報音とLED22の点滅による警報表示を停止する。
ステップS86で警報停止を示すイベント信号受信がない場合には、ステップS87で警報停止スイッチ20による警報停止操作の有無を判別しており、警報停止操作を判別するとステップS88で連番、送信元符号、グループ符号、警報停止を示すイベント符号を含むイベント信号を他の住警器に送信した後、ステップS89に進み、ローバッテリー障害を示すイベント信号の受信毎に行う連動先を示すスピーカ58からの警報音とLED22の点滅による警報表示を停止する。
図16は連動元の表示色と連動先の表示色を異ならせた本発明による無線式の住警器の他の実施形態を示した説明図である。
図16において、住警器10はカバー12とその背後の本体で構成され、カバー12の中央には、周囲に煙流入口を開口し、その内部には検煙部16が配置され、検煙部16の左下側には音響穴18が設けられ、検煙部16の下側には警報停止スイッチ20が設けられている。
警報停止スイッチ20は、半透明部材で形成されたスイッチカバーの内部にタクトスイッチ(図示せず)を配置しており、スイッチカバー内部のタクトスイッチ近傍には、点線で示すように、連動元の警報表示を行う赤色LED22aと、連動先の警報表示を行う黄色LED22bが配置されており、赤色LED22aまたは黄色LED22bが点灯すると、警報停止スイッチ20のスイッチカバーの部分を透過して点灯状態が外部から分かるようにしている。それ以外の構成は図1の実施形態と同じである。
また図16の住警器の回路構成も基本的に図9のブロック図と同じであり、報知部36に図16に示したように連動元の警報表示を行う赤色LED22aと黄色LED22bを設けた点で相違している。本実施形態では、赤色LED22aと黄色LED22bを別々に設けた場合を示しているが、赤色LEDと黄色LEDを一体に備えた2色LEDを使用しても良い。
図16の実施形態に示した住警器の警報停止処理には、図1と同様、第1モード停止処理、第2モード停止処理、及び第3モード停止処理がある。各モード停止処理は、連動元で停止操作を行うか、連動先で停止操作を行うかで停止処理の内容が異なっている。
図17は図16の実施形態を対象に第1モード警報停止処理における障害警報に対し連動元で停止操作を行った前後の警報制御を示している。図17(A)は警報停止前であり、連動関係にある住警器10−1〜10−5の中の住警器10−1が例えばローバッテリー障害を検出し、住警器10−1が警報音「電池切れです」と赤色LED22aのたとえば点灯(第1の表示)による警報表示により連動元を示す障害警報を行い、残りの住警器10−2〜10−5が警報音「他の警報器が電池切れです」と黄色LED22bの例えば点灯(第2の表示)による警報表示により連動先を示す障害警報を行っている。
なお赤色LED22aによる警報表示により連動元を示す火災警報と、黄色LED22bによる警報表示により連動先を示す火災警報は、点灯以外に点滅又は明滅としても良い。
この障害警報の連動状態で、矢印Aで示すように、連動元の住警器10−1に設けている警報停止スイッチ20を操作すると、図17(B)に示すように、警報停止操作を行った連動元の住警器10−1は連動元を示す警報音は停止するが、連動元を示す赤色LED22aの点灯(第1の表示)による警報表示は少なくとも所定期間継続するようにしている。
また連動元の住警器10−1は警報停止操作に伴い警報停止を示すイベント信号を連動先の住警器10−2〜10−5に送信する。このため連動先の住警器10−2〜10−5は連動先を示す障害の警報音と黄色LED22bの点灯による警報表示は停止する。
これによって障害の連動警報が行われた場合、連動先の住警器10−2〜10−5の設置場所に出向いて警報停止操作を行わなくとも、連動元の住警器10−1の警報停止操作で連動先の警報を停止することができ、停止操作が簡単且つ容易にできる。
また、連動元の住警器10−1における警報停止操作で警報音が全て停止しても、連動元の警報器10−1における赤色LED22aのたとえば点灯による警報表示は少なくとも所定期間継続され、ローバッテリー障害を起こしている住警器の特定が簡単且つ確実にできる。
警報停止後に継続している連動元の住警器10−1の赤色LED22aによる警報表示は、タイマ設定で決まる所定時間経過後に停止させるか、または、再度、連動元の住警器10−1で警報停止操作を行ったときに停止する。
図18は図16の実施形態を対象に第1モード警報停止処理における障害警報に対し連動先で停止操作を行った前後の警報制御を示している。図18(A)は警報停止前であり、住警器10−1が例えばローバッテリー障害を検出して警報音「電池切れです」と赤色LED22aのたとえば点灯(第1の表示)による警報表示により連動元を示す障害警報を行い、残りの住警器10−2〜10−5が警報音「他の警報器が電池切れです」と黄色LED22aの例えば点灯(第2の表示)による警報表示により連動先を示す障害警報を行っている。
この障害警報の連動状態で、矢印Bで示すように、連動先の住警器10−2に設けている警報停止スイッチ20を操作すると、図18(B)に示すように、警報停止操作を行った連動先の住警器10−2は連動先を示す警報音と黄色LED22bの表示は停止するが、他の住警器10−1,10−3〜10−5に対する警報停止のイベント信号は送信しないため、警報音と表示をそのまま継続している。
このように第1モードでは、連動先での障害警報の停止操作は、停止操作を行った住警器のみの警報音と表示を停止するだけとなる。
図19は図16の実施形態を対象に第2モード警報停止処理における障害警報に対し連動元で停止操作を行った前後の警報制御を示している。図19(A)は警報停止前であり、連動関係にある住警器10−1〜10−5の中の住警器10−1が例えばローバッテリー障害を検出し、住警器10−1が警報音「電池切れです」と赤色LED22ちのたとえば点灯(第1の表示)による警報表示により連動元を示す障害警報を行い、残りの住警器10−2〜10−5が警報音「他の警報器が電池切れです」と黄色LED22この例えば点灯(第2の表示)による警報表示により連動先を示す障害警報を行っている。
この障害警報の連動状態で、矢印Aで示すように、連動元の住警器10−1に設けている警報停止スイッチ20を操作すると、図19(B)に示すように、警報停止操作を行った連動元の住警器10−1は連動元を示す警報音は停止するが、連動元を示す赤色LED22aの点灯(第1の表示)による警報表示は少なくとも所定期間継続するようにしている。
また連動元の住警器10−1は警報停止操作に伴い警報停止を示すイベント信号を連動先の住警器10−2〜10−5に送信する。このため連動先の住警器10−2〜10−5は連動先を示す障害の警報音と黄色LED22aの点灯による警報表示は停止する。
図20は図16の実施形態を対象に第2モード警報停止処理における障害警報に対し連動先で停止操作を行った前後の警報制御を示している。図20(A)は警報停止前であり、住警器10−1が例えばローバッテリー障害を検出して警報音「電池切れです」と赤色LED22aのたとえば点灯(第1の表示)による警報表示により連動元を示す障害警報を行い、残りの住警器10−2〜10−5が警報音「他の警報器が電池切れです」と黄色LED22bの例えば点灯(第2の表示)による警報表示により連動先を示す障害警報を行っている。
この障害警報の連動状態で、矢印Bで示すように、連動先の住警器10−2に設けている警報停止スイッチ20を操作すると、図20(B)に示すように、警報停止操作を行った連動先の住警器10−2は連動先を示す警報音と黄色LED22bの点灯による表示は停止し、他の住警器10−1,10−3〜10−5に対し警報停止のイベント信号を送信する。このため連動先の住警器10−3〜10−5は警報音と表示を停止するが、連動元の住警器10−1は警報音と連動元を示す赤色LED22aの点灯(第1の表示)による警報表示は少なくとも所定期間継続する。
これによって連動警報が行われた場合、住警器10−1〜10−5の設置場所に出向いて警報停止操作を行わなくとも、住警器10−1〜10−5の内の任意の住警器の警報停止操作により、連動元の警報音と赤色LED22aによる警報表示は停止せず、連動先の警報音と黄色LED22bによる警報表示を全て停止することができ、停止操作が簡単且つ容易にできる。
また、任意の住警器で警報停止操作を行っても、連動元の警報器10−1における警報音と赤色LED22aのたとえば点灯による警報表示は継続され、連動元から離れた場所に設置されている連動先警報器でも、依然として連動元が障害警報中である旨を知ることが出来、障害を起こしている住警器の特定を簡単に特定して電池交換や住警器そのものの交換などの対応をとることができる。
警報停止後に継続している連動元の住警器10−1の赤色LED22aによる警報表示は、タイマ設定で決まる所定時間経過、又は警報停止操作を行ったときに停止する。
この場合、連動元の警報音が継続している間は、連動先の黄色LED22地の点灯による表示は停止しないようにすることも出来る。
図21は図16の実施形態を対象に第3モード警報停止処理における障害警報に対し連動元で停止操作を行った前後の警報制御を示している。図21(A)は警報停止前であり、住警器10−1が例えばローバッテリー障害を検出して警報音「電池切れです」と赤色LED22aのたとえば点灯(第1の表示)による警報表示により連動元を示す障害警報を行い、残りの住警器10−2〜10−5が警報音「他の警報器が電池切れです」と黄色LED22bの例えば点灯(第2の表示)による警報表示により連動先を示す障害警報を行っている。
この障害警報の連動状態で、矢印Aで示すように、連動元の住警器10−1に設けている警報停止スイッチ20を操作すると、図21(B)に示すように、警報停止操作を行った連動元の住警器10−1は連動元を示す警報音は停止するが、連動元を示す赤色LED22aの点灯(第1の表示)による警報表示は少なくとも所定期間継続するようにしている。
また連動元の住警器10−1は警報停止操作に伴い警報停止を示すイベント信号を連動先の住警器10−2〜10−5に送信する。このため連動先の住警器10−2〜10−5は連動先を示す障害の警報音と黄色LED22bの点灯による警報表示を停止する。
図22は図16の実施形態を対象に第3モード警報停止処理における障害警報に対し連動先で停止操作を行った前後の警報制御を示している。図22(A)は警報停止前であり、住警器10−1が例えばローバッテリー障害を検出して警報音「電池切れです」と赤色LED22aのたとえば点灯(第1の表示)による警報表示により連動元を示す障害警報を行い、残りの住警器10−2〜10−5が警報音「他の警報器が電池切れです」と黄色LED22bの例えば点灯(第2の表示)による警報表示により連動先を示す障害警報を行っている。
この障害警報の連動状態で、矢印Bで示すように、連動先の住警器10−2に設けている警報停止スイッチ20を操作すると、図22(B)に示すように、警報停止操作を行った連動先の住警器10−2は連動先を示す警報音と黄色LED22bの表示は停止し、他の住警器10−1,10−3〜10−5に対し警報停止のイベント信号を送信する。このため連動先の住警器10−3〜10−5は警報音と黄色LED22bの表示を停止する。また連動元の住警器10−1は警報音を停止し、連動元を示す赤色LED22aの点灯(第1の表示)による警報表示は少なくとも所定期間継続する。
このように第3モード停止処理では、連動警報が行われた場合、住警器10−1〜10−5それぞれの設置場所に出向いて警報停止操作を行わなくとも、住警器10−1〜10−5の内の任意の住警器の警報停止操作で連動元と連動先の警報音を停止し、連動元の赤色LED22aによる警報表示はそのままで、連動先の黄色LED22bによる警報表示を全て停止することができ、停止操作が簡単且つ容易にできる。
また、任意の住警器警報停止操作を行っても、連動元の警報器10−1における赤色LED22aのたとえば点灯による警報表示は継続され、障害を起こしている住警器の特定を簡単に特定して電池交換や住警器そのものの交換などの対応をとることができる。
警報停止後に継続している連動元の住警器10−1の赤色LED22aによる警報表示は、タイマ設定で決まる所定時間経過、又は警報停止操作を検出したときに停止する。
第1モード、第2モード、第3モードの警報停止処理は、連動元として警報中の警報停止処理は、少なくとも表示を継続させる点で基本的に同じであるが、連動先として警報中の警報停止処理が異なる。
即ち第1モードでは、連動先としての警報中に自己の警報停止操作があったら警報音を停止して赤色LED22aの表示は継続または所定期間継続または復旧を示すイベント信号を受信するまで継続する。そして、他の警報器に対して警報停止を示すイベント信号を送信しない。
これに対して第2モードでは、連動先としての警報中に自己の警報停止操作があったら警報音を停止して黄色LED22bによる表示は継続または所定期間継続または復旧を示すイベント信号を受信するまで継続する。そして、他の警報器に対して警報停止を示すイベント信号を送信する。
そして第3モードでは、連動先としての警報中に自己の警報停止操作があったら警報音と警報表示を停止して、他の警報器に対して警報停止を示すイベント信号を送信する。
なお、第1〜第3モードの何れに於いても、連動元の障害状態が解消して障害復旧した場合には、警報停止操作後に継続させている各住警器の警報音や警報表示を停止するようにしても良い。
なお上記の実施形態は障害警報の停止処理として第1モード、第2モード又は第3モードを個別に設けた場合を例にとっているが、第1モード、第2モード又は第3モードの処理を設け、いずれか1つのモードをコマンド又はディップスイッチなど、何らかの選択手段により選択して動作させるようにしてもよい。
また上記の実施形態は火災を検出して警報する住警器を例にとるものであったが、ガス漏れ警報器、CO警報器、各種の防犯用警報器を配置した警報システムについても同様に適用できる。
また上記の実施形態におけるフローチャートは処理の概略例を説明したもので、処理の順番等はこれに限定されない。また各処理や処理と処理の間に必要に応じて遅延時間を設けたり、他の判定を挿入する等が出来る。
また上記の実施形態で述べた「受信がある」、「受信が無い」、「受信した場合」、「受信を判別」等は、受信した信号が有効なものとして認識されたか否かの判定も含んでいる。
また、警報器の規格等によっては、上記実施形態のLEDによる表示が「警報」と認められない場合があるが、本発明では規格上「警報」に含まれるか否かに関わらず、警報表示、警報に伴う表示、または単に表示として記載している。本発明の目的を達成できるものであれば、どのような表示手段を用いても構わない。そして、表示部は警報器と別体に設けられていても良い。
また、上記の実施形態では、電池電源によって動作する住警器を例に取ったが、電池電源以外の電源で動作するものにも本発明を適用できる。
また、上記の実施形態では、センサ障害とローバッテリー障害を例に取ったが、その他の障害についても同様に実施できる。
また上記の実施形態では、連動元を赤色表示とし、連動先を黄色表示としているが、任意の異なる表示色により連動元と連動先を表示しても良い。またLED22a、22bは多色LEDで共用としても良い。
また、火災等の異常を示す警報表示と、障害を示す表示の色を異ならせるようにしても良い。このようにすれば、警報中でなく障害報知(障害警報)中であることが、表示のうえでも識別出来る。
さらに、障害報知中についても連動元と連動先の表示色を異ならせることが出来る。このようにすれば、警報中か障害報知中か、そして連動元か連動先かを表示のうえで詳細に識別することが出来る。
また、例えば警報表示は点灯、障害報知中の表示は警報表示とは異なる色の点滅とするなど、LED(他の表示デバイスでも良い)の駆動周期やパターンの違いを組み合わせても、詳細な識別が出来るようにすることが出来る。
この他、少なくとも連動元と連動先が、また加えて警報と障害が表示のうえで識別できれば、どのような表示方法を組み合わせても良い。
また、上記の実施形態は住宅用に限らずビルやオフィス用など各種用途の警報器にも適用できる。
また、上記の実施形態は警報器にセンサ部と警報出力処理部を一体に設けた場合を例にとるが、他の実施形態として、センサ部と警報出力処理部を別体とした警報器であっても良い。
また本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。