JP5495957B2 - ワイヤ放電加工装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ワイヤ放電加工装置に関する。
従来、ワイヤ放電加工により工作物に複数の溝を同時に加工する場合、1本のワイヤ電極を複数のガイドローラ間に複数回巻回すことにより、工作物に対して対向して形成される複数の切断ワイヤ部を形成し、各切断ワイヤ部と工作物の間に電圧を印加しながら工作物を加工方向に送って放電加工を行う(例えば、特許文献1参照)。
この場合、各切断ワイヤ部は1本のワイヤ電極からなるために互いに導通しているが、ワイヤ電極をガイドローラに複数回巻回すことによりコイルを形成すれば、このコイルのインピーダンスによって各切断ワイヤ部を流れる高周波電流に対する絶縁性が高まるので、同時並列的に放電加工を行うことが可能となっている。
しかしながら、ガイドローラにワイヤ電極を複数回巻回すると、各切断ワイヤ間の間隔を狭くすることが困難となり、工作物を薄くスライスできないという問題があった。これに対して、ガイドローラへの複数回の巻回なしに各切断ワイヤ部の高周波絶縁性を高めることで、同時並列的な放電加工を実現しながら、工作物を薄くスライスすることも可能な技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2000−94221号公報 特開2007−237348号公報
しかしながら、上記特許文献2において高周波絶縁要素を取り付けるには、一本のワイヤ電極をガイドローラに巻回することによって切断ワイヤ部を形成する度に、ワイヤ電極に高周波絶縁要素を取り付け、これを切断ワイヤ本数だけ繰り返していた。また切断ワイヤの数だけ存在する高周波絶縁要素を保持する必要もあるため、この構成では高周波絶縁要素を取り付ける段取りに多大な工数を要するという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、従来技術より簡易な構造で各切断ワイヤ部の高周波絶縁性を高め、効率的な同時並列放電の実現するワイヤ放電加工装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、1本のワイヤ電極を複数のガイドローラに巻回することにより形成された、被加工物に対向する並列した複数の切断ワイヤ部と、前記切断ワイヤ部それぞれと前記被加工物との間に電圧を印加する電源手段と、前記切断ワイヤ部と前記被加工物との間隔を制御する位置制御手段とを備え、前記位置制御手段が前記間隔を制御しつつ前記電源手段が印加する電圧により複数の前記切断ワイヤ部と前記被加工物との間に放電を生じさせることにより、前記被加工物に複数の溝を同時に形成するワイヤ放電加工装置において、前記ワイヤ電極を複数の前記ガイドローラに巻回することにより形成された並列した複数のワイヤに近接して磁性体を配置することを特徴とする。
本発明によれば、各切断ワイヤ部を互いに高周波的に絶縁することで同時並列的な放電加工の効率を向上させた上で、従来技術に比べて高周波絶縁要素の取り付けが容易になり加工段取りの工数を削減できるという効果を奏する。
図1は、実施の形態1にかかるワイヤ放電加工装置の構成を示す斜視図である。 図2は、実施の形態2にかかるワイヤ放電加工装置の構成を示す斜視図である。 図3は、実施の形態3にかかるワイヤ放電加工装置の構成を示す斜視図である。 図4は、実施の形態4にかかる加工槽とガイドローラからなるワイヤ放電加工装置の構造の一部を示す斜視図である。 図5−1は、実施の形態4にかかる加工槽とガイドローラからなるワイヤ放電加工装置の構造の一部を示す上面投影図である。 図5−2は、実施の形態4にかかる加工槽とガイドローラからなるワイヤ放電加工装置の構造の一部を示す正面投影図である。 図5−3は、実施の形態4にかかる加工槽とガイドローラからなるワイヤ放電加工装置の構造の一部を示す側面投影図である。 図6は、実施の形態5にかかる加工槽とガイドローラと高周波絶縁要素からなるワイヤ放電加工装置の構造の一部を示す斜視図である。 図7は、実施の形態5にかかる加工槽とガイドローラと高周波絶縁要素からなるワイヤ放電加工装置の構造の一部を示す右側面投影図である。
以下に、本発明にかかるワイヤ放電加工装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1にかかるワイヤ放電加工装置100の装置全体を示す図である。図1において、ワイヤ放電加工装置100は、ワイヤ電極2を繰り出すワイヤボビン1、ワイヤ電極2を回収する回収ローラ5、ワイヤ電極2を巻回する第1のガイドローラ3a、第2のガイドローラ3b、第3のガイドローラ3c、及び第4のガイドローラ3dを備える。ガイドローラ3a、3b、3c、及び3dそれぞれにはワイヤ電極2が順次巻き掛けられ、軸線方向に並行に配置されている。
ワイヤ電極2のうち第1のガイドローラ3aと第2のガイドローラ3bとの間では、互いに平行に張られた切断ワイヤ部2aが形成されている。この切断ワイヤ部2aと対向する被加工物8(工作物)は、図示しない位置制御手段によって切断ワイヤ部2aとの間隔(極間距離)を適切に制御されながら切断方向に移動させられる。被加工物8と切断ワイヤ部2aとの間には通常のワイヤ放電加工装置と同様に吹きかけ、もしくは浸漬により加工液が供給される。
ワイヤ電極2のうち第2のガイドローラ3bと第3のガイドローラ3cとの間に、互いに平行に張られた複数のワイヤ部2bにはそれぞれ給電子ユニット71が接触している。この給電子ユニット71を介してワイヤ部2bは加工電源ユニット61とそれぞれ接続されており、各給電子ユニット71は各切断ワイヤ部2aに電圧を印加する。各給電子ユニット71は互いに絶縁された状態で積層され給電子7を構成している。
各加工電源ユニット61は、各給電子ユニット71を介して切断ワイヤ部2aにそれぞれ独立に電圧を印加可能な構成になっており、そのグランドは共通化され、全体として加工電源6を構成する。加工電源6は各切断ワイヤ部2aと被加工物8の間に電圧を印加するため、加工電源6の共通グランドは被加工物8に接続されている。
ワイヤ電極2のうち第1のガイドローラ3aと第4のガイドローラ3dとの間のワイヤ部2cは高周波絶縁要素41と近接しており、ワイヤ電極2を流れる高周波電流によって発生した磁界を引き寄せ、引き寄せられた磁界は高周波絶縁要素41において収束し、熱エネルギーとして消費される。従って、切断ワイヤ部2aはそれぞれ高周波的に絶縁される。
高周波絶縁要素41としては、例えば機械的強度に優れる鉄系材料などの磁性体を用いるのが好ましいが、他にもフェライトなどの磁性体を用いてもよい。なお、高周波絶縁要素41は放電電流経路とならないワイヤ部と近接する必要があるので、高周波絶縁要素41は給電子7から切断ワイヤ部2aまでの距離が長い側のワイヤ部と近接するように配置される。図1の場合は、高周波絶縁要素41は給電子7からガイドローラ3c、3d、3aを経由して切断ワイヤ部2aまでの間に配置される。
次に、実施の形態1にかかるワイヤ放電加工装置100の動作を図1に従って説明する。ワイヤボビン1から繰り出されたワイヤ電極2は、第1のガイドローラ3a、第2のガイドローラ3b、第3のガイドローラ3c、および第4のガイドローラ3dの順に走行した後、再び第1のガイドローラ3aを通る。
このようにして、ワイヤボビン1から繰り出された1本のワイヤ電極2は、第1のガイドローラ3a、第2のガイドローラ3b、第3のガイドローラ3c、および第4のガイドローラ3dを繰り返し走行することによって複数の切断ワイヤ部2aを形成し、最後に回収ローラ5から排出される。
加工電源6は互いに独立に電圧を印加できる複数の加工電源ユニット61からなり、給電子7もそれぞれが互いに絶縁された複数の給電子ユニット71からなり、各切断ワイヤ部2aに独立して電圧を印加できる構成となっている。加工電源6は給電子7を介して各切断ワイヤ部2aに高周波パルス電圧を印加する。高周波パルス電圧は一般には10kHz以上で印加される。
被加工物8は、図示しない駆動装置によって切断ワイヤ部2aとの極間距離を適切に制御されながら、図1の下方に送られることによってワイヤ切断部2aのいずれかで放電火花が発生する。被加工物8と切断ワイヤ部2aの間で放電火花が飛ぶと、加工電源6から給電子7を介してワイヤ電極に放電電流が供給される。放電電流は被加工物8に近い方向へとワイヤ電極を流れた後、切断ワイヤ部2aから被加工物8へ、そして、被加工物8からは加工電源6と共通化されたグランドへと流れる。
放電が発生した切断ワイヤ部2aと、これに隣接する切断ワイヤ部2aとの間のインピーダンスは高周波絶縁要素41を備えることで高められているので、隣接する切断ワイヤ部2aへと放電電流が流れることはない。そのため、各切断ワイヤ部2aに印加される電圧が降下することもなく、放電が発生するのに十分な電圧が印加された状態となり、被加工物8が下方に送られることによって複数の切断ワイヤ部2aで同時並列的に放電火花が発生し、複数の溝の同時加工が行われる。
以上の構成によれば、いずれかのガイドローラ間の複数のワイヤと近接するように高周波絶縁要素41を備えることで各切断ワイヤ部2aの間が高周波的に絶縁されるため、効率的に同時並列的な放電加工が可能となる。複数の切断ワイヤをまとめて一つのコイルとみなし、このコイルの自己インダクタンスを高くすることで、各切断ワイヤの高周波絶縁性を高めている。即ち、加工効率を向上して、被加工物のスライス厚さを薄くすることが実現できる。また、従来技術に比べて高周波絶縁要素41の取り付けが容易であり、一つの高周波絶縁要素で複数のワイヤをまとめて高周波絶縁することにより加工段取りの工数を削減でき、生産性を向上させることができる。
実施の形態2.
図2は本発明の実施の形態2にかかるワイヤ放電加工装置200の装置全体を示す図である。ここで、先に説明した実施の形態1にかかる図1と同一の符号は同一の構成要素を表わしており、説明を省略する。
本実施の形態においては、実施の形態1の図1の構成において複数のワイヤ部2cに近接するように設けた高周波絶縁要素41の代わりに、図2に示すように複数のガイドローラ3a、3b、3c、および3dにより形成される空間に高周波絶縁要素42を配置している。即ち、ガイドローラ3a〜3d及びそれを巻回するワイヤ電極2に囲まれた空間の中に高周波絶縁要素42を配置している。
複数のガイドローラ3a、3b、3c、および3dにワイヤ電極2が巻回されることによってワイヤ電極2はコイル形状となる。このコイル状のワイヤによって形成される内側の空間に高周波絶縁要素42を配置することで、ワイヤ電極2のインピーダンスが大きくなる。
これにより実施の形態1と同様に各切断ワイヤ部2aが高周波的に絶縁されるため、効率的に同時並列的な放電が可能となる。さらに実施の形態1に比べて、磁性体からなる高周波絶縁要素42がワイヤ電極2に対向する面積も大きくなるので、高周波絶縁性能を向上させることができる。
ただし、コイル状のワイヤによって形成される空間は被加工物8が加工送りされる方向にあるため、加工が進行すると高周波絶縁要素の形状によっては高周波絶縁要素が被加工物8と干渉してしまう。そこで高周波絶縁要素を図2に示すようなU字型の形状の高周波絶縁要素42とすることで、被加工物8との干渉を回避することができる。
即ち、高周波絶縁要素42は、放電加工時に被加工物8との干渉を回避するために被加工物8が送られて来る向きに凹部を有しているので、例えば、ガイドローラの延伸方向と垂直な面での断面がU字型の形状となる。
また、切断ワイヤ部2aの方向が凹んでいて被加工物8との干渉を回避可能な形状としては、図2の高周波絶縁要素42からワイヤ部2bに近接した部分を取り除いた断面がL字型の形状、或いは、図2の高周波絶縁要素42からワイヤ部2cに近接した部分を取り除いた断面がL字型の形状等も変形例として考えられる。
以上の構成によれば、複数のガイドローラ3a、3b、3c、および3dによって形成される空間に高周波絶縁要素42を配置することで各切断ワイヤ部2aの間が高周波的に絶縁されるため、効率的に同時並列的な放電加工が可能となる。
本実施の形態においては、複数の切断ワイヤをまとめて一つのコイルとみなして当該コイルの自己インダクタンスを高くすることで各切断ワイヤの高周波絶縁性を高めた上、さらに、高周波絶縁要素42と被加工物8との干渉を回避しつつワイヤ電極2と高周波絶縁要素42が対向する面積を増大させることができるので、高周波絶縁性能がさらに向上する。また、従来技術に比べて高周波絶縁要素の取り付けが容易であり、一つの高周波絶縁要素で複数のワイヤをまとめて高周波絶縁することにより加工段取りの工数を削減でき、生産性を向上させることができる。
実施の形態3.
図3は本発明の実施の形態3にかかるワイヤ放電加工装置300の装置全体を示す図である。ここで、先に説明した実施の形態1にかかる図1と同一の符号は同一の構成要素を表わしており、説明を省略する。
本実施の形態においては、実施の形態1の図1の構成において複数のワイヤ部2cに近接するように設けた高周波絶縁要素41の代わりに、図3に示すように複数のワイヤ電極2を取り囲んで覆うように高周波絶縁要素43を配置している。
ワイヤ電極2のうち第1のガイドローラ3aと第4のガイドローラ3dとの間のワイヤ部2cは磁性体からなる高周波絶縁要素43によって取り囲まれており、切断ワイヤ部2aはそれぞれ高周波的に絶縁される。高周波絶縁要素43には、例えば鉄やフェライトなどの磁性体からなるコアが用いられる。
高周波絶縁要素41をワイヤ電極2に近接させる実施の形態1と比べて、高周波絶縁要素43は複数本のワイヤ電極2を覆う形状、例えば中空形状であるループ(環)状の形状であることから、高周波電流によって発生した磁界をより効率よく引き寄せ、高周波絶縁性能がさらに向上する。また、並列した複数のワイヤ電極を取り囲んで、高周波絶縁性能を向上できるような形状であれば、必ずしもループ状に完全に連続した形状でなくてもよい。即ち、高周波絶縁要素43は途中に切れ目があってもかまわない。
なお高周波絶縁要素43は放電電流経路とならないワイヤ部を覆う必要があるので、高周波絶縁要素43は給電子7から切断ワイヤ部2aまでの距離が長い側のワイヤ部を覆うように配置される。図3の場合、高周波絶縁要素43は給電子7からガイドローラ3c、3d、3aを経由して切断ワイヤ部2aまでの間に配置される。
高周波絶縁要素43は分割可能な形状とし、ワイヤ電極2をガイドローラ3a、3b、3c、および3dに巻回した後に、複数のワイヤ部2cを覆うように、分割された高周波絶縁要素43を締結具などで固定する形態にしてもよい。このように高周波絶縁要素43を複数の部分に分割可能な形状にすることで分解が可能となり、高周波絶縁要素43の着脱がさらに容易になる。
以上の構成によれば、複数のガイドローラ3a〜3dによって形成される空間に高周波絶縁要素43を配置することで各切断ワイヤ部2aの間が高周波的に絶縁されるため、効率的に同時並列的な放電加工が可能となる。さらに高周波絶縁要素43は、上記空間を経て複数本のワイヤ電極を取り囲んで覆う形状であるため、高周波絶縁性能がさらに向上する。
即ち、複数の切断ワイヤをまとめて一つのコイルとみなし、このコイルの自己インダクタンスを高くすることで、各切断ワイヤの高周波絶縁性を高めている。また、従来技術に比べて高周波絶縁要素の取り付けが容易であり、一つの高周波絶縁要素で複数のワイヤをまとめて高周波絶縁することにより加工段取りの工数を削減でき、生産性を向上させることができる。
実施の形態4.
図4は本発明の実施の形態4を説明する図であり、図1のワイヤ電極2とガイドローラ3a〜3dに、加工槽80を加えて図示したものである。また、図5−1は図4を真上から見た上面投影図、図5−2は図4のガイドローラ3a〜3dの軸方向を紙面垂直方向に見た正面投影図、図5−3は図4の切断ワイヤ部2aのワイヤ走行方向を紙面垂直方向に見た側面投影図を示したものである。
図4において、ワイヤ電極2をガイドローラ3a〜3dに巻回することによって形成された切断ワイヤ部2aは、加工槽80に貯められた加工液に浸漬される。加工液には一般に水または油が用いられる。ガイドローラ3a〜3d、および加工槽80を磁性体とすると、ガイドローラ3a〜3dと加工槽80からなる構造体はワイヤを覆う形態となるから、実施の形態3で述べた高周波絶縁要素43と同様の効果を奏する。
図4の上面投影図を示した図5−1と右側面投影図を示した図5−3には、ワイヤ電極2を覆う磁性体によるループ91、92、93を一点鎖線で表している。磁性体によりワイヤ電極2をループ状に覆うことで、ループ91、92、93は擬似的なコアとして機能する。
図5−1のループ91はガイドローラ3aおよび3dと加工槽80の壁面によって形成され、ガイドローラ3aと3d間のワイヤ電極2のインピーダンスを高める。同じくループ92はガイドローラ3bおよび3cと加工槽80の壁面によって形成され、ガイドローラ3bと3c間のワイヤ電極2のインピーダンスを高める。図5−3のループ93はガイドローラ3cおよびガイドローラ3dと加工槽80の壁面によって形成され、3cと3d間のワイヤ電極2のインピーダンスを高める。
ここで、ガイドローラ3a〜3dと加工槽80は高周波絶縁機能を備えるために磁性体である必要があるが、ガイドローラ3a〜3dが導体だとガイドローラ3a〜3dから加工槽8へと放電電流が流れ、被加工物8へ放電電流が流れにくくなる。従って、ワイヤ電極2と接するガイドローラ3a〜3dの外周は絶縁体であることが望ましい。
そこで例えば、ガイドローラ3a〜3dの外周は絶縁体(絶縁材)、ガイドローラ3a〜3dの内芯は磁性体(磁性材)とする。即ち、各ガイドローラ3a〜3dは必ずしも全体が磁性体である必要はない。また、絶縁体であることが望ましいのはワイヤ電極2と接する部分なので、ワイヤ電極2と接する部分が絶縁体であればよく、ガイドローラ3a〜3dの外周が必ずしも全て絶縁体である必要はない。
さらに、ガイドローラ3a〜3dの内芯は加工槽80に取り付けられた軸受によって保持されるが、軸受を磁性体にすることでさらに高周波絶縁性能を向上させることも可能である。また、ガイドローラ3a〜3dには磁性絶縁体(磁性絶縁材)を用いてもよく、この場合はガイドローラ3a〜3dの外周と内芯で異なる材質にする必要がなくなる。
以上の構成によれば、ガイドローラ3a〜3dと加工槽80を磁性体とすることで各切断ワイヤ部2aの間が高周波的に絶縁されるため、効率的に同時並列的な放電加工が可能となる。即ち、複数の切断ワイヤをまとめて一つのコイルとみなし、このコイルの自己インダクタンスを高くすることで、各切断ワイヤの高周波絶縁性を高めている。
さらに高周波絶縁要素は複数本のワイヤ電極2を覆う形状であるため、高周波絶縁性能がさらに向上する。また、加工装置の構造自体が高周波絶縁機能を有するため、複数のワイヤをまとめて高周波絶縁することができ加工段取りの工数を削減でき、生産性を向上させることができる。
実施の形態5.
図6は本発明の実施の形態5を説明する図であり、実施の形態4を示した図4に磁性体からなる高周波絶縁要素44をさらに追加したものである。また、図7は図6の右側面投影図を示したものである。
実施の形態4において、ガイドローラ3a〜3dは図示しない軸受によって加工槽80に保持される。ここでガイドローラ3a〜3dと軸受間には潤滑油が介在するため、ループ91、92、93における高周波絶縁性能の低下が懸念される。そこで実施の形態5では図6のようにガイドローラ3cと3d間のワイヤ上方に磁性体からなる高周波絶縁要素44を加工槽80に接触するように設ける。
図6の右側面投影図を示した図7において、磁性体によりワイヤ電極2が覆われるループ94を一点鎖線で表している。磁性体によりワイヤ電極2をループ状に覆うことで、当該ループ94は擬似的なコアとして機能する。複数の切断ワイヤをまとめて一つのコイルとみなし、このコイルの自己インダクタンスを高くすることで、各切断ワイヤの高周波絶縁性を高めている。
ループ94は高周波絶縁要素44と加工槽80の壁面によって形成され、3cと3d間のワイヤ電極2のインピーダンスを高める。即ち、高周波絶縁要素44は加工槽80と直に接触することから、実施の形態4より高周波絶縁性能をさらに向上させることが可能となる。
以上説明したワイヤ放電加工装置の構成によれば、各切断ワイヤ部の間が高周波的に絶縁されるため、効率的に同時並列的な放電加工が可能となる。さらに、磁性体からなる加工槽と高周波絶縁要素を直接、接触させることにより高周波絶縁性能をさらに向上させることができる。また、高周波絶縁要素の取り付けが容易であり、一つの高周波絶縁要素で複数のワイヤをまとめて高周波絶縁することができ加工段取りの工数を削減でき、生産性を向上させることができる。
なお、上記実施の形態1乃至5において、高周波絶縁要素に鉄系材料を用い、加工液を水とした場合、高周波絶縁要素に錆が発生する。そこで、亜硝酸イオン等の防錆効果をもつ添加物を加工液に添加することが望ましく、例えば、図示しない亜硝酸イオン交換樹脂に加工液を通水する亜硝酸イオン交換手段を備える等の方法が考えられる。
さらに、本願発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、上記実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出されうる。
例えば、実施の形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出されうる。更に、上記実施の形態1乃至5を適宜併用してもよく、併用することによりさらに高い高周波絶縁性能を奏することが可能となる。
以上のように、本発明にかかるワイヤ放電加工装置は、簡易な構造で各切断ワイヤ部の高周波絶縁性を高めるのに有用であり、特に、同時並列的な放電加工を実現しながら被加工物を薄くスライスするワイヤ放電加工装置に適している。
1 ワイヤボビン
2 ワイヤ電極
2a 切断ワイヤ部
2b、2c ワイヤ部
3a、3b、3c、3d ガイドローラ
5 回収ローラ
6 加工電源
61 加工電源ユニット
7 給電子
71 給電子ユニット
8 被加工物
41、42、43、44 高周波絶縁要素
80 加工槽
91、92、93、94 ループ
100、200、300 ワイヤ放電加工装置

Claims (10)

  1. 1本のワイヤ電極を複数のガイドローラに巻回することにより形成された、被加工物に対向する並列した複数の切断ワイヤ部と、
    前記切断ワイヤ部それぞれと前記被加工物との間に電圧を印加する電源手段と、
    前記切断ワイヤ部と前記被加工物との間隔を制御する位置制御手段とを備え、
    前記位置制御手段が前記間隔を制御しつつ前記電源手段が印加する電圧により複数の前記切断ワイヤ部と前記被加工物との間に放電を生じさせることにより、前記被加工物に複数の溝を同時に形成するワイヤ放電加工装置において、
    前記ワイヤ電極を複数の前記ガイドローラに巻回することにより形成された並列した複数のワイヤに近接して磁性体を配置し、
    前記磁性体は、前記並列した複数のワイヤを取り囲む形状である
    ことを特徴とするワイヤ放電加工装置。
  2. 前記磁性体は、前記並列した複数のワイヤを収容する中空を有する形状である
    ことを特徴とする請求項に記載のワイヤ放電加工装置。
  3. 前記磁性体は、複数の部分に分解可能である
    ことを特徴とする請求項に記載のワイヤ放電加工装置。
  4. 1本のワイヤ電極を複数のガイドローラに巻回することにより形成された、被加工物に対向する並列した複数の切断ワイヤ部と、
    前記切断ワイヤ部それぞれと前記被加工物との間に電圧を印加する電源手段と、
    前記切断ワイヤ部と前記被加工物との間隔を制御する位置制御手段とを備え、
    前記位置制御手段が前記間隔を制御しつつ前記電源手段が印加する電圧により複数の前記切断ワイヤ部と前記被加工物との間に放電を生じさせることにより、前記被加工物に複数の溝を同時に形成するワイヤ放電加工装置において、
    前記ワイヤ電極を複数の前記ガイドローラに巻回することにより形成された並列した複数のワイヤに近接して磁性体を配置し、
    前記磁性体は、複数の前記ガイドローラの両端を内部で保持する加工槽であり、
    複数の前記ガイドローラは磁性材を含んでいる
    ことを特徴とするワイヤ放電加工装置。
  5. 複数の前記ガイドローラの前記ワイヤ電極に接触する部分は絶縁材からなる
    ことを特徴とする請求項に記載のワイヤ放電加工装置。
  6. 複数の前記ガイドローラの外周が絶縁材、内芯は磁性材からなる
    ことを特徴とする請求項に記載のワイヤ放電加工装置。
  7. 複数の前記ガイドローラは磁性絶縁材からなる
    ことを特徴とする請求項またはに記載のワイヤ放電加工装置。
  8. 前記磁性体は、複数の前記ガイドローラの両端を内部で保持する加工槽と、前記加工槽に保持されて複数の前記ガイドローラ及びそれを巻回する前記ワイヤ電極に囲まれた空間に配置された磁性材とからなる
    ことを特徴とする請求項またはに記載のワイヤ放電加工装置。
  9. 前記磁性体は、鉄系材料である
    ことを特徴とする請求項1から8のいずれか1つに記載のワイヤ放電加工装置。
  10. 亜硝酸イオン交換手段をさらに備える
    ことを特徴とする請求項に記載のワイヤ放電加工装置。
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