JP5494035B2 - 液体噴射装置 - Google Patents
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このようなプリンターでは、印刷休止中等にノズル内に存在するインク中のインク溶媒の揮発によりインクが増粘することで、ノズルが目詰まりしてドット抜け等の印刷不良を招くことがある。また、長時間の印刷による連続使用によりノズルやインク内に気泡が生じ、ノズルが目詰まりしてドット抜け等の印刷不良を招くことがある。そこで、これらの不具合を解消するため、プリンターには記録ヘッドのノズル形成面のメンテナンスを行うキャップユニットが設けられる。
キャップユニットは、概略、記録紙の搬送領域外である非印字領域に配置され、非印字領域上に位置する記録ヘッドの液体吐出面を覆うように封止してノズルのインクの乾燥を防止する蓋体としての機能と、液体吐出面を覆って封止した状態で吸引ポンプからの負圧を印加することにより液体吐出面のノズルからインクを強制的に吸引,排出してノズルの目詰まりを解消する吸引機能とを有している。
また、キャップユニットのシール部やワイパーの払拭面に紙粉や埃が付着すると、シール部やワイパーと直接接触する記録ヘッドの液体吐出面にも紙や埃が付着する要因となり、記録ヘッドとシール部との間に紙粉が介在することによりシール部とノズル面との間に隙間を生じさせて、シール性を低下させてキャッピング不良を誘発することや、ノズル開口に付着した紙粉や埃が、ノズルの目詰まりや印字不良を引き起こす要因ともなる。
本発明によれば、記録ヘッドの液体、例えばインクの吐出動作時にワイパー及び封止体が遮蔽されることから、印字動作に伴って飛散・浮遊する紙粉や埃がキャップに付着することを防止できる。よって、ワイパーによる記録ヘッドの液体吐出面の払拭動作や封止体による記録ヘッドのキャッピング時に紙粉が記録ヘッドの液体吐出面に付着することを防止できる。
本発明に係る第2の構成として、キャップを紙送り機構よりも下方に移動させる移動機構を備え、ワイパー及び封止体が紙送り機構により遮蔽される構成とした。
本発明によれば、紙送り機構がキャップを遮蔽するので、紙粉や埃がワイパーとキャップの封止体に付着することを防止できる。
本発明に係る第3の構成として、キャップを紙送り機構の搬送方向と同一方向に移動させる移動機構と、移動機構の終端位置に配設される遮蔽体とを備え、ワイパー及び封止体が遮蔽体により遮蔽される構成とした。
本構成によれば、前記構成から生じる効果と同様に移動機構の終端位置に配設された遮蔽体がキャップを遮蔽するので、紙粉や埃がワイパーとキャップの封止体に付着することを防止できる。
図1に示すように、プリンター1は、ハウジング1Aの長手方向に延長して架設されるガイド軸2と、ガイド軸2に沿ってハウジング1Aの長手方向(主走査方向)に移動可能なキャリッジ3と、キャリッジ3の下面に搭載される記録ヘッド4と、ハウジング1Aの両端に互いに離間して設けられたプーリー7a,7bに掛け渡され、キャリッジ3と接続されるタイミングベルト7と、プーリー7aを回転駆動させ、タイミングベルト7を駆動するキャリッジモーター8と、記録ヘッド4のメンテナンスを行うキャップユニット9と、記録紙Pを主走査方向と直角方向に搬送するプラテン10と、操作パネル及び制御装置11とを備える。
また、内部には、例えばブラック,シアン,マゼンダ,イエロー等の各色を貯留する図外のインクカートリッジを個別に収容可能な収容壁が形成され、インクカートリッジが上方から装着されることによりキャリッジ3内に搭載される。また、キャリッジ3の下面側には記録ヘッド4が搭載される。
液体吐出面4aには、各色毎にインクを吐出する複数のノズル口が略全域に亘って開設され、当該ノズル口からキャリッジ3に形成された流路を介してインクカートリッジ内に貯留されたインクが吐出される。
図2に示すように、キャップユニット9は、記録ヘッド4の液体吐出面4aに対して昇降可能なキャップ本体20と、キャップ本体20を主走査方向に移動させる移動機構40と、後述するキャップ本体20が有する封止体25が液体吐出面4aに密着したときに封止体25と液体吐出面4aとにより形成される空間に負圧を印加する吸引ポンプ22と、吸引ポンプ22により吸引されたインクを貯留する廃液タンク23とにより構成される。
躯体20Aの開口部20aは、記録ヘッド4の液体吐出面4aの面積よりもやや小さく形成される。躯体20Aの底板20bは、四隅から中央に向かうに従い漸次下降する傾斜面として形成され、傾斜面の最低位置には、吸引口24と連通して底板20bを貫通する貫通孔20cが設けられる。
吸引口24は、躯体20Aの下面から下方に突設される円筒状部材であって、後述の吸引ポンプ22に接続するための吸引チューブ27の端部が嵌挿されることにより、躯体20A内に貯留されるインクを排出することができる。
ワイパー29の上端部は、封止体25の先端面25aよりも高く、上方を通過する記録ヘッド4の液体吐出面4aに接触する高さに設定される。よって、ワイパー29の上端部は、記録ヘッド4が上方を通過する度に液体吐出面4aを払拭し、ノズル口より突出するインクや固化したインクを除去する。
図4及び図6に示すように、移動機構40は、一対のガイド部材41,41と、ガイド部材41,41の第1溝部46に沿って移動する可動体42と、可動体42を主走査方向に移動させる水平駆動機構43と、キャップ本体20を可動体42に対して上下方向に移動させるスプリング44及びソレノイド45とを備える。
ガイド部材41,41は、延長方向が主走査方向と平行となるように互いに記録紙搬送方向に離間して、ハウジング1A内に立設される板状部材である。ガイド部材41には、主走査方向に沿って直線状に延長する第1溝部46と、第1溝部46よりも上側、かつ、第1溝部46と平行に延長する第2溝部47とが形成される。また、第2溝部47には、躯体20Aの凸部31,31の離間間隔に対応する間隔で、垂直方向に延長する1組の第3溝部48;48が形成される。
可動体42の記録紙搬送方向の両側面には、主走査方向の両端側に互いに離間して、記録紙搬送方向に突出する断面円形の凸部49が形成される。
そして、可動体42の一方の側面に形成される凸部49,49が、一方のガイド部材41の第1溝部46に嵌り込み、他方の側面に形成される凸部49,49が、他方のガイド部材41の第1溝部46に嵌り込む。よって、可動体42は互いに対向するガイド部材41,41に狭持されるように第1溝部46に沿って移動可能となる。
なお、ソレノイド45は制御装置11と接続される部材であって、制御装置11から出力される信号に基づいて作動し、キャップ本体20を昇降動作させる。
プーリー55a,55bは、第1溝部46よりも下側に位置し、かつ、第1溝部46の延長方向に沿って互いに離間して一方のガイド部材41から突出する回転軸により軸支される。
印字領域P1側のプーリー55aには、モーター57が取り付けられ、モーター57の駆動によりプーリー55aを介してタイミングベルト56が回転する。モーター57は、制御装置11と接続され、制御装置11の出力する退避信号及びホーム復帰信号により駆動する。
そして、当該上昇によってキャップ本体20の封止体25の先端面25aが記録ヘッド4の液体吐出面4aに当接し、複数のノズル口を密閉状態に封止する。
即ち、キャップ本体20の封止体25が液体吐出面4aに当接したときに、吸引ポンプ22を作動させ、液体吐出面4aと封止体25とにより囲まれる空間を減圧することにより、ノズルからインクを排出させ、インク吸収体26が飽和し、吸収しきれない余剰のインクを廃液タンク23に貯留させる構成である。
まず、図5(a)に示すように、例えば休止状態のプリンター1に電源が投入されると、ホーム位置HPにおいてキャップ本体20によって封止されている記録ヘッド4に対してメンテナンス動作が実行される。
具体的には、制御装置11が吸引ポンプ22を駆動することにより、液体吐出面4aと封止体25とによって形成される空間内の圧力を減圧し、液体吐出面4aの複数のノズル口からインクを吸引することによって、休止状態中に粘度が増したインクを強制的に吐出させる。
次に、制御装置11は、メンテナンス動作実行後の記録ヘッド4に印刷動作を実行させる。
具体的には、図5(b)に示すように、キャリッジモーター8に対しては印字実行信号を出力し、キャリッジ3とともに記録ヘッド4をホーム位置HPから印字領域P1に移動させ、記録ヘッド4の液体吐出面4aからインクを吐出させながらキャリッジモーター8を駆動することによりキャリッジ3を印字領域P1内で往復移動させ、図外の紙送り機構により記録紙Pをキャリッジ3の往復方向(主走査方向)と直交する方向に搬送することにより、記録紙Pに対して印字を行う。
具体的には、印字実行信号によって記録ヘッド4の液体吐出面4aがワイパー29の上方を通過した後に、ソレノイド45を駆動し、キャップ本体20を第3溝部48に沿って第2溝部47まで下降させる。
その後、水平駆動機構43のモーター57に退避信号を出力し、可動体42とともにキャップ本体20をプラテン10の下側に退避させ、プラテン10によってキャップ本体20の上方を遮蔽する。
よって、プラテン10の下側に退避したキャップ本体20のワイパー29及び封止体25には、印字動作に伴って飛散・浮遊する紙粉や埃が付着することがない。
具体的には、図5(c)に示すように制御装置11は、記録ヘッド4に対して印字終了の印字終了信号を出力する前に、ソレノイド45に信号を出力して、キャップ本体20を可動体42側に引き寄せつつ、モーター57に対してホーム復帰信号を出力して可動体42を退避位置からホーム位置HPまで移動させる。
そして、キャップ本体20の凸部31,31が、第3溝部48との交錯位置まで到達すると、モーター57及びソレノイド45の駆動を停止させる。すると、ソレノイド45から開放されたキャップ本体20は、スプリング44の伸長力により第3溝部48に沿って記録ヘッド4側に上昇し、記録ヘッド4の液体吐出面4aとキャップ本体20の封止体25が当接する。即ち、封止体25が液体吐出面4aに形成される複数のノズル口を封止する。よって、キャリッジ3とキャップユニット9は、電源投入前の図5(a)に示す状態に復帰することとなる。
紙粉受は、プラテン10と略等しい大きさに形成されるトレー状の樹脂などからなり、搬送中の記録紙から落下する紙粉を受容する。また、紙粉受を帯電し易い素材により構成すれば、静電気を利用して紙粉や埃を吸着でき、プリンター1内において浮遊叉は飛散する紙粉や埃の量を減少させて、キャップユニット9に紙粉が付着することを一層抑制することができる。
上記遮蔽体61をプラテン10の下方に配設することにより、プラテン10に隙間があっても、退避位置に存在するキャップ本体20に紙粉が付着することを防止できる。
同図において、移動機構40を構成する一対のガイド部材41;41は延長方向が副走査方向と平行となるように互いに主走査方向に離間して、ハウジング1A内に立設される板状部材である。
即ち、本実施形態においては、ガイド部材41;41によって支持される可動体42の移動方向が記録紙搬送方向に規制され、可動体42及びキャップ本体20は、モーター57の駆動によって記録ヘッド4の下方位置(キャッピング位置)、及び、遮蔽体61が配設された退避位置間を移動可能である。
4 記録ヘッド、4a 液体吐出面、7 タイミングベルト、7a,7b プーリー、
8 キャリッジモーター、9 キャップユニット、10 プラテン、11 制御装置、
20 キャップ本体、20a 開口部、20b 底板、20c 貫通孔、
22 吸引ポンプ、23 廃液タンク、24 吸引口、25 封止体、
26 インク吸収体、29 ワイパー、31 凸部、
40 移動機構、41 ガイド部材、42 可動体、43 水平駆動機構、
44 スプリング、45 ソレノイド、46 第1溝部、47 第2溝部、
48 第3溝部、49 凸部、55a,55b プーリー、56 タイミングベルト、
57 モーター、61 遮蔽体、P 記録紙、HP ホーム位置。
Claims (3)
- 被記録媒体を一定方向に搬送する紙送り機構と、
前記紙送り機構よりも上方において当該紙送り機構の搬送方向と直交する方向に往復移動するキャリッジと、
前記キャリッジに搭載され、前記紙送り機構上で搬送される被記録媒体に対して液体を吐出する液体吐出面を有する記録ヘッドと、
前記液体吐出面を払拭するワイパー、及び前記液体吐出面と当接して当該液体吐出面を封止する封止体を有するキャップ本体と、を備え、
前記記録ヘッドによる前記被記録媒体に対する液体の吐出動作時に、前記キャップ本体は、前記紙送り機構よりも下方に移動された後、前記キャップ本体を前記搬送方向または前記搬送方向と直交する方向に移動されて前記ワイパー及び前記封止体の上方に前記紙送り機構を位置されることにより、前記ワイパー及び前記封止体が遮蔽されることを特徴とする液体噴射装置。 - 前記キャップ本体を移動させる移動機構及び前記キャップ本体の移動をガイドするガイド部材を備え、
前記キャップ本体が、前記ガイド部材にガイドされて前記搬送方向または前記搬送方向と直交する方向に移動可能な可動体によって前記搬送方向または前記搬送方向と直交する方向に移動可能であり、さらに、前記キャップ本体が、前記ガイド部材にガイドされて前記液体吐出面を封止する方向または前記紙送り機構よりも下方に移動可能であることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。 - 前記紙送り機構よりも下方に帯電性遮蔽体を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の液体噴射装置。
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