JP5493978B2 - 画像表示体及び情報媒体 - Google Patents

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Description

本発明は、肉眼での真偽判定が容易であるセキュリティ性の高い偽造防止機能を備えた表示体及び情報媒体に関する。
パスポートやクレジットカード、IDカード、商品券や小切手等の有価証券類は、偽造が困難であることが望まれる。そのため、そのような物品は、物品自体が偽造または模造が困難であるとともに、偽造を抑制するために、偽造品や模造品と容易に区別できるようなラベルが貼り付けられている。
また、近年では、前記物品以外にもブランド品などにおいて偽造品が流通する点が問題となっているため、上記した偽造防止技術の需要は増えている。
偽造防止技術として、回折格子パターンが知られている。回折格子パターンは、光を回折させる方向や角度、明るさ等を制御することで、観察する角度に応じて絵柄を変化させることや、立体像を表示することが可能である。
回折格子パターンの原版を作製する方法としては、電子ビーム露光装置を用い、かつコンピュータ制御により、電子線用レジストが塗布された平面状の基板が載置されたX−Yステージを移動させて、基板の表面に回折格子パターンを形成する方法がある(例えば特許文献1参照)。
ここで、回折格子のパラメータとしては、
(1)回折格子の空間周波数(格子線のピッチ)
(2)回折格子の方向(格子線の方向)
(3)回折格子の描画領域(回折格子パターンの配置)
の3つがある。
そして、
(1)に応じて、定点に対してその回折格子パターンが光って見える色が変化し、
(2)に応じて、その回折格子パターンが光って見える方向が変化し、
(3)に応じて、表示パターン(絵柄や文字等)が決定される。
そこで、基板の表面を数十乃至数百μm程度の微小領域に分割し、各領域にこれらのパラメータを様々に変化させることで、絵柄や文字等を表現することができる。
回折格子パターンの代わりに、光散乱構造パターンを用いることも可能である。なお、以下における「パターン」の意味は、回折格子パターンと光散乱構造パターンの両方の意味を包含してあるとする。
上記のような方法により作製された、凹凸形状からなるパターンの原版から、電鋳等の方法により金属製のスタンパーを作製し、この金属製スタンパーを母型として透明基材上に熱可塑性樹脂や光硬化性樹脂を塗布し、金属製スタンパーを密着させ、熱や光を与えることで樹脂を軟化又は硬化させパターンを複製する。
複製されたパターンは通常透明であるので、アルミニウム等の金属や誘電体の薄膜層を蒸着する等の方法により、光反射層を設けた後、紙やプラスチックフィルム等の基材上に接着層を介してステッカー又は転写箔として貼付され、さらに必要に応じて印刷層やパターン層の汚れや傷を防止するための保護層が設けられ、有価証券類やカード類が作製される。
ところで、照明光の入射角度や観察者の観察角度に応じて変化する画像を平面基材上に表現する方法として、チェンジングと称される技術がある。
パターンによりチェンジングを表現する手法としては、例えば特許文献2などがある。
特開2000−39508号公報 特開平4−136810号広報
パターンを用いてチェンジングを表現する場合には、予めイメージスキャナ等で入力した複数枚の画像を必要とする。チェンジングによって動画像を表現する場合には、コンピュータ・グラフィックス等を用いて、連続性を持った複数枚の画像を用意する必要がある。
本発明は上記のような点に鑑みなされたもので、一枚の原画像でチェンジングによる動画像を表現した画像表示体及びこれを用いた情報媒体を提供することを目的とする。
第1の発明は、
基材の一方の面に、回折光及び/又は散乱光を射出する複数の画素を配置することにより、複数の画像が形成された画像表示体において、
光透過性の基材を有し、
前記基材の一方の面にマトリクス状に配列されている複数の画素を備え、
前記複数の画素の各々の表面は、
照明光の照射により回折光及び/又は指向性を有した散乱光を射出可能な複数の溝を備えており、
個々の画像を構成する各画素は、前記溝が同一方向に構成されているとともに、
別個の画像同士で前記溝の方向が異なっており、
前記複数の画像は、一つの原画像を異なる比率で拡大又は縮小して得られることを特徴とする画像表示体
である。
また、第の発明は、
基材の一方の面に、回折光及び/又は散乱光を射出する複数の画素を配置することにより、複数の画像が形成された画像表示体において、
光透過性の基材を有し、
前記基材の一方の面にマトリクス状に配列されている複数の画素を備え、
前記複数の画素の各々の表面は、
前記基材表面と互いに平行に延在する複数の曲線形状を備え、
前記複数の曲線形状は、前記基材表面と平行な一定の方向へ間隔をあけて配置され、
前記複数の曲線形状に沿って複数の溝を備えており、
前記複数の溝は、照明光の照射により回折光及び/又は指向性を有した散乱光を射出可能であり、
個々の画像を構成する各画素は、前記溝の曲線形状が同一形状に構成されているとともに、
別個の画像同士で前記溝の曲線形状が異なっており、
前記複数の画像は、一つの原画像の大きさを異なる比率で拡大又は縮小して得られる複数の画像であることを特徴とする画像表示体
である。
また、第の発明は、
前記別個の画像を構成する画素に備えられた前記溝が有する曲線の接線方向の角度範囲が、各画像の画素同士で異なることを特徴とする画像表示体
である。
また、第の発明は、
複数の前記画像の中心位置が同一であることを特徴とする請求項1に記載の画像表示体である。
また、第の発明は、
複数の前記画像の中心位置が一定の間隔で異なっていることを特徴とする請求項1に記載の画像表示体
である。
また、第の発明は、
前記複数の画像は少なくとも3つ以上形成されており、
前記画像の大きさの比率が等差級数で表せることを特徴とする請求項1乃至に記載の画像表示体
である。
また、第の発明は、
前記画像は個人情報を含んだ画像であることを特徴とする請求項1乃至に記載の画像表示体
である。
また、第の発明は、
請求項1乃至の何れか1項に記載の画像表示体を物品に支持したことを特徴とする情報媒体
である。
また、第の発明は、
前記物品に個人情報を含んだ画像が印刷、印字、又は他の方法で有色表示されてあり、
前記原画像が前記物品に表示されてある画像と同一であることを特徴とする請求項に記載の情報媒体
である。
また、第の発明は、
前記個人情報を含んだ画像は顔画像であることを特徴とする請求項乃至に記載の画像表示体。
である。
本発明によると、一枚の原画像でチェンジングによる動画像を表現可能とした画像表示体及び情報媒体を提供することが可能となる。
第1の発明によると、画像が観察者へ近づいたり、観察者から遠ざかったりする動画像のように観察できる画像表示体を提供することが可能となる。
の発明によると、各画像を一定の視域幅において観察可能となり、より滑らかな動画像のように観察可能である画像表示体を提供することが可能となる。
の発明によると、画像を正しく視認するのが困難となる視域を生じさせることなく、動画像のように観察可能である画像表示体を提供することが可能となる。
の発明によると、画像表示体に垂直な方向へのみ画像が動いているように観察できる画像表示体を提供することが可能となる。
の発明によると、画像表示体に平行な方向への画像の動きがより滑らかであるように観察できる画像表示体を提供することが可能となる。
の発明によると、画像表示体に垂直な方向への画像の動きがより滑らかであるように観察できる画像表示体を提供することが可能となる。
の発明によると、個人情報を含んだ画像が動画像であるように観察できる画像表示体を提供することが可能となる。
の発明によると、動画像であるように観察できる画像表示体と、その画像表示体を支持した物品とを具備した情報媒体を提供することが可能となる。
の発明によると、動画像であるように観察できる画像表示体と、その画像表示体を支持した物品とを具備した情報媒体の偽造防止性をより向上させることが可能となる。
の発明によると、個人情報として顔画像を含んでいる画像表示体を提供することが可能となる。
本発明の一態様に係る情報媒体を概略的に示す平面図。 本発明の実施の形態に係る画像表示体を概略的に説明するための平面図。 本発明の実施の形態に係る画像表示体を概略的に説明するための平面図。 本発明の実施の形態に係る画像表示体を概略的に説明するための平面図。 本発明の実施の形態に係る画像表示体を概略的に示す平面図。 本発明の実施の形態に係る画像表示体を概略的に示す平面図。 本発明の実施の形態に係る画像表示体を概略的に示す平面図。 回折格子パターンに採用可能な構造の一例と回折光射出方向の関係を概略的に示す平面図。 本発明の実施の形態に係る画像表示体を概略的に説明するための平面図。 本発明の実施の形態に係る画像表示体を概略的に示す平面図。 本発明の実施の形態に係る画像表示体を概略的に説明するための平面図。 本発明の実施の形態に係る画像表示体を概略的に説明するための平面図。 本発明の実施の形態に係る画像表示体を概略的に説明するための平面図。 回折格子パターンと光散乱構造パターンの構造を概略的に示す平面図。 本発明の他の態様に係る情報媒体を概略的に示す平面図。 本発明の他の態様に係る情報媒体を概略的に示す平面図。
以下、本発明の態様について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、同様又は類似した機能を発揮する構成要素には全ての図面を通じて同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の一態様に係る情報媒体を概略的に示す平面図である。
図1に示す情報媒体100は、個人認証媒体であり、パスポートなどの冊子体である。
図1には、開いた状態の冊子体を描いている。
この情報媒体100は、折り丁1と表紙2とを含んでいる。
折り丁1は、1枚以上の紙片11からなる。典型的には、紙片11上には、文字列及び地紋などの印刷パターン12が設けられている。折り丁1は、1枚の紙片11を又は複数枚の紙片11の束を二つ折りにすることによって形成されている。紙片11は、個人情報が記録されるIC(integrated circuit)チップや、このICチップとの非接触での通信を可能とするアンテナなどを内蔵していてもよい。
表紙2は、二つ折りされている。表紙2と折り丁1とは、冊子体を閉じた状態で折り丁1が表紙2によって挟まれるように重ね合わされており、それらの折り目の位置で綴じ合わせなどによって一体化されている。
表紙2は、個人情報を含んだ画像を表示する。この個人情報は、個人の認証に利用する個人認証情報を含んでいる。この個人情報は、例えば、生体情報と非生体個人情報とに分類することができる。
生体情報は、生体の特徴のうち、その個体に特有なものである。典型的には、生体情報は、光学的手法によって識別可能な特徴である。例えば、生体情報は、顔、指紋、静脈及び虹彩の少なくとも1つの画像又はパターンである。
非生体個人情報は、生体情報以外の個人情報である。例えば、非生体個人情報は、氏名、生年月日、年齢、血液型、性別、国籍、住所、本籍地、電話番号、所属及び身分の少なくとも1つである。非生体個人情報は、タイプ打ちによって入力された文字を含んでいてもよく、署名などの手書きを機械読み取りすることによって入力された文字を含んでいてもよく、それらの双方を含んでいてもよい。
図1において、表紙2は、画像I1a、I1b、I2及びI3を表示している。
画像I1a、I2及びI3は、光の吸収を利用して表示される画像である。具体的には、画像I1a、I2及びI3は、白色光で照明し、肉眼で観察した場合に視認可能な画像である。画像I1a、I2及びI3の1つ以上を省略してもよい。
画像I1a、I2及びI3は、例えば、染料及び顔料で構成することができる。この場合、画像I1a、I2及びI3の形成には、サーマルヘッドを用いた熱転写記録法、インクジェット記録法、電子写真法、又はそれらの2つ以上の組み合わせを利用することができる。或いは、画像I1a、I2及びI3は、感熱発色剤を含んだ層を形成し、この層にレーザビームで描画することにより形成することができる。或いは、これら方法の組み合わせを利用することができる。画像I2及びI3の少なくとも一部は、ホットスタンプを用いた熱転写記録法によって形成してもよく、印刷法によって形成してもよく、それらの組み合わせを利用して形成してもよい。
画像I1bは、ホログラム及び/又は回折格子が表示する画像である。画像I1bは、例えば、サーマルヘッドを用いた熱転写記録と、ホットスタンプ又は熱ロールを用いた熱転写記録とをこの順に行うことにより形成する。
画像I1a及びI1bは、同一人物の顔画像を含んでいる。画像I1aが含んでいる顔画像と、画像I1bが含んでいる顔画像とは、同一であってもよく、異なっていてもよい。画像I1aが含んでいる顔画像と、画像I1bが含んでいる顔画像とは、寸法が等しくてもよく、異なっていてもよい。また、画像I1a及びI1bの各々は、顔画像の代わりに他の生体情報を含んでいてもよく、顔画像に加えて顔画像以外の生体情報を更に含んでいてもよい。
画像I1bは、生体情報の代わりに非生体個人情報を含んでいてもよく、生体情報に加えて非生体個人情報を更に含んでいてもよい。また、画像I1bは、個人情報の代わりに非個人情報を含んでいてもよく、個人情報に加えて非個人情報を更に含んでいてもよい。
画像I2は、非生体個人情報と非個人情報とを含んでいる。画像I2は、例えば、文字、記号、符号及び標章の1つ以上を構成している。
画像I3は、地紋である。例えば、画像I3と画像I1a及びI1bの少なくとも一方とを組み合わせると、情報媒体100の改竄をより困難にすることができる。
以下、本発明の態様について図面を参照しながら詳細に説明する。
図2は、本発明の実施の形態に係る画像表示体を概略的に説明するための平面図である。以降、画素の一例として回折格子パターンを用いて説明するが、本発明はこれに限定するものではなく、回折光及び/又は散乱光を射出する構造又は機能を備えていれば良い。
図2(a)の画像表示体10は、回折格子パターン31aと非凹凸構造領域32とを備えている。
回折格子パターン31aは、複数の溝(回折格子)を備えている。
なお、回折格子の角度、観察方向の角度はX軸方向から反時計回りを正方向とし、角度は0°乃至180°の範囲で表すとする。これは以降の説明においても同様とする。また、XY平面に垂直な方向をZ軸とし、紙面裏面から表面に向かう方向をZ軸の正方向とする。
回折格子パターン31aの角度は0°である。
ゆえに、観察角度20aはYZ平面に平行な方向を向いているため、回折格子パターン31aからの回折光を観察できる。
図2(b)の画像表示体10は、回折格子パターン31bと非凹凸構造領域32とを備えている。
回折格子パターン31bの角度は30°である。
ゆえに、観察角度20bは、X軸と120°の角度を成す直線とZ軸を含む平面に平行な方向を向いているため、回折格子パターン31bからの回折光を観察できる。
なお、以降の説明における観察角度は、観察方向をXY平面に平行なベクトルとZ軸方向に平行なベクトルに分解した場合の、XY平面に平行なベクトルがXY平面においてX軸と成す角度として表すとする。例えば図2(b)の観察角度20bの観察角度は120°である。
なお、図2において画素は円形として図示してあるが、画素の形状は正方形や長方形でも良い。以降の図においても画素は円形で図示してあるが、正方形や長方形でも良く、特に限定しない。
図2(c)の画像表示体10は、回折格子パターン31a、31bと非凹凸構造領域32とを備えている。
回折格子パターン31a、31bの角度はそれぞれ、0°、30°である。
観察角度20aは90°、観察角度20bは120°である。
ゆえに、図2(a)、(b)において説明したように、観察角度20aにおいて回折格子パターン31aからの回折光を観察でき、観察角度20bにおいて回折格子パターン31bからの回折光を観察できる。
つまり、図2(c)の画像表示体を観察者が観察した場合、観察角度20aと20bでは異なった画像を観察することができる。
このように、回折格子パターンの方向が同一である複数の回折格子パターンで個々の画像を構成し、別個の画像同士で回折格子パターンの方向が異なるようにすることによって、チェンジングを表現している。
今回図示しないが、回折格子パターンの構造の一例としては、凹凸構造形成層と反射層と保護層とを順番に積層した構造が挙げられる。
凹凸構造形成層は、一方の主面に、回折構造としての複数の溝が設けられた透明層である。透明層の材料としては、熱可塑性樹脂などの樹脂を使用することができる。
凹凸構造形成層の材料としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂及びポリ塩化ビニル樹脂などの熱可塑性樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタンアクリレート、ウレタンメタクリレート、ポリオールアクリレート、ポリオールメタクリレート、メラミンアクリレート、メラミンメタクリレート、トリアジンアクリレート及びトリアジンメタアクリレートなどの熱硬化性樹脂、これらの混合物、又はラジカル重合性不飽和基を有する熱成形性材料を使用することができる。凹凸構造形成層は、光硬化性を有している樹脂を使用して形成してもよい。
反射層は、凹凸構造形成層上に形成されている。反射層は、凹凸構造形成層の複数の溝が設けられた面の少なくとも一部を被覆している。反射層は省略することができるが、反射層を設けると、複数の溝が表示する画像の視認性が向上する。
反射層としては、透明反射層又は不透明な金属反射層を使用することができる。反射層は、例えば、真空蒸着やスパッタリングなどの真空成膜法によって形成することができる。反射層が樹脂を含んでいる場合、反射層は、塗布又は印刷を利用して形成してもよい。
反射層として透明反射層を使用すると、反射層の背面側に絵柄及び文字等のパターンを配置した場合であっても、これを後述する画像表示体の前面側から視認することができる。他方、反射層として不透明な金属反射層を使用すると、輝度が高く視認性に優れた画像の表示が可能となる。
透明反射層としては、例えば、凹凸構造形成層とは屈折率が異なる透明材料からなる層を使用することができる。透明材料からなる透明反射層は、単層構造を有していてもよく、多層構造を有していてもよい。後者の場合、透明反射層は、繰り返し反射干渉を生じるように設計されていてもよい。この透明材料としては、例えば、硫化亜鉛及び二酸化チタンなどの透明誘電体を使用することができる。
或いは、透明反射層として、厚さが20nm未満の金属層を使用してもよい。金属層の材料としては、例えば、クロム、ニッケル、アルミニウム、鉄、チタン、銀、金及び銅などの単体金属又はそれらの合金を使用することができる。
不透明な金属反射層としては、より厚いこと以外は透明反射層について上述したのと同様の金属層を使用することができる。不透明な金属反射層は、連続膜であってもよい。或いは、不透明な金属反射層は、パターニングされていてもよい。例えば、不透明な金属反射層の少なくとも一部をパターニングして、後述する画像表示体に、網点、万線、他の図形、又はそれらの組み合わせを表示させてもよい。このようなパターンは、例えば、情報媒体100の真偽判定に利用することができる。
透明反射層又は不透明な反射層として、透明樹脂とこの中で分散した粒子とを含んだ層を使用してもよい。この粒子としては、例えば、単体金属及び合金などの金属材料からなる粒子、又は、透明金属酸化物及び透明樹脂などの透明誘電体からなる粒子を使用することができる。透明樹脂中には、粒子を分散させる代わりに、薄片を分散させてもよい。
保護層は、凹凸構造形成層を間に挟んで反射層と向き合っている。保護層は、光透過性を有しており、典型的には透明である。保護層は、例えば樹脂からなる。この樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂又はエポキシ樹脂を使用することができる。保護層は、省略することができる。
図3は、本発明の実施の形態に係る画像表示体を概略的に説明するための平面図である。
図3(a)は、回折格子パターン31aを備えた画像表示体10aであり、図3(b)は、回折格子パターン31bを備えた画像表示体10aであり、図3(c)は、回折格子パターン31cを備えた画像表示体10cである。
図3(d)、図3(e)、図3(f)は、図3(a)、図3(b)、図3(c)の各図の回折格子パターンが備えられた領域Xa、Xb、Xcの一部を拡大したものである。
回折格子パターン31a、31b、31cの角度はそれぞれ、0°、30°、60°である。図3(a)乃至(c)では、それぞれ異なる画像を視認することができ、画像を視認することが可能な方向も異なっている。
図4は、本発明の実施の形態に係る画像表示体を概略的に説明するための平面図である。
図4(a)は、図3(a)、図3(b)、図3(c)の回折格子パターンの配置を組み合わせることで得られる回折格子パターンを備えた画像表示体10である。
図4(b)は、図4(a)の回折パターン11が備えられた領域Xの一部を拡大したものの一例である。
図4(b)の場合、回折格子パターン31a、31b、31cはY軸に平行なストライプ状に配置されている。実際には、回折格子パターン31a、31b、31cの配置は図4(c)のようにX軸に平行なストライプ状でも良く、図4(d)のように市松状でも良い。規則性のある配置方法ではなく、ランダムでも良い。
図4(a)の画像表示体10を観察者が観察した場合、観察角度20a、20b、20cそれぞれで異なった画像を観察することができる。
図4(a)の画像表示体の場合、観察角度20aでは図3(a)、観察角度20bでは図3(b)、観察角度20cでは図3(c)のそれぞれに示す回折格子パターンで構成された画像が観察される。
図3(a)、図3(b)、図3(c)それぞれの表示体において観察される画像には相関性があり、画像の絵柄が連続的に変化している。
ゆえに、図4(a)の画像表示体を観察する場合に、観察角度を20a、20b、20cの順に移動させながら観察すると、画像が動いているように観察することができる。
観察角度の移動のさせ方は、20c、20b、20aの順でも良い。
図5は、本発明の実施の形態に係る画像表示体を概略的に示す平面図である。
図5の画像表示体10は、回折格子パターン31a、31b、31cと非凹凸構造領域32とを備えている。
回折格子パターン31a、31b、31cの角度はそれぞれ、0°、30°、60°である。
ゆえに図4の場合と同様に、観察角度20a、20b、20cそれぞれにおいて回折格子パターン31a、31b、31cそれぞれからの回折光を観察できるため、観察角度によって異なった画像を観察することができる。
図5において、回折格子パターン31aから構成される画像は正方形である。回折格子パターン31b、31cそれぞれから構成される画像も同様にいずれも正方形である。いずれも正方形ではあるものの、画像の大きさはそれぞれ異なっている。
よって、図5の画像表示体を観察する場合に、観察角度を20a、20b、20cの順に移動させながら観察すると、画像が徐々に大きく変化していく動画像であるように観察することができる。逆に、観察角度を20c、20b、20aの順に移動させながら観察すると、画像が徐々に小さく変化していく動画像であるように観察することができる。
図6は、本発明の実施の形態に係る画像表示体を概略的に示す平面図である。
図6(a)は、回折格子パターン31aを備えた画像表示体10aであり、図6(b)は、回折格子パターン31bを備えた画像表示体10aであり、図6(c)は、回折格子パターン31cを備えた画像表示体10cである。
図6(d)、図6(e)、図6(f)は、図6(a)、図6(b)、図6(c)の各図の回折格子パターンが備えられた領域Xa、Xb、Xcの一部を拡大したものである。
回折格子パターン31a、31b、31cの角度はそれぞれ、0°、30°、60°である。図3(a)乃至(c)では、同一人物の顔画像を視認することができ、画像を視認することが可能な方向も異なっている。
図7は、本発明の実施の形態に係る画像表示体を概略的に示す平面図である。
図7(a)は、図6(a)、図6(b)、図6(c)の回折格子パターンの配置を組み合わせることで得られる回折格子パターンを備えた画像表示体10である。
図7(b)は、図7(a)の回折格子パターン31が備えられた領域Xの一部を拡大したものである。
図7(b)の場合、回折格子パターン31a、31b、31cはY軸に平行なストライプ状に配置されている。実際には、回折格子パターン31a、31b、31cの配置は図7(c)のようにX軸に平行なストライプ状でも良く、図7(d)のように市松状でも良い。規則性のある配置方法ではなく、ランダムでも良い。
図7(a)の画像表示体10を観察者が観察した場合、観察角度20a、20b、20cそれぞれで異なった画像を観察することができる。
図7の(a)の画像表示体の場合、観察角度20aでは図6(a)、観察角度20bでは図6(b)、観察角度20cでは図6(c)のそれぞれに示す回折格子パターンで構成された画像が観察される。
図6(a)、図6(b)、図6(c)それぞれの表示体において観察される画像には相関性があり、画像の絵柄が連続的に変化している。
ゆえに、図7(a)の画像表示体を観察する場合に、観察角度を20a、20b、20cの順に移動させながら観察すると、画像が徐々に大きく変化していく動画像であるように観察できる。
観察角度の移動のさせ方は、20c、20b、20aの順でも良く、この場合、画像は徐々に小さく変化していく動画像であるように観察できる。
図4(a)と図7(a)の画像表示体10を観察すると、前記のように、いずれも動画像であるように観察できる。いずれの場合も、複数枚の画像の絵柄が連続的に変化していることによって生じる視覚効果である。
図4(a)の画像表示体10を作製するには、予め図3(a)、図3(b)、図3(c)の三種類の画像が必要となる。この三種類のような画像は、例えばコンピュータ・グラフィックスを用いて作製することができる。
図7(a)の画像表示体10を作製するには、予め図6(a)、図6(b)、図6(c)の三種類の画像が必要となる。この三種類のような画像は、ある一つの原画像を三種類の縮尺でサイズを変えることによって作製することができる。
つまり、図4(a)の画像表示体10を作製するためにはコンピュータ・グラフィックスによる画像処理が必要となる一方で、図7(a)の画像表示体を作製するためにはコンピュータ・グラフィックスのような煩雑な系を用いることなく、ある一つの原画像を用いるのみで良い。
すなわち、本発明によれば、コンピュータ・グラフィックスのようなわずらわしい手続きを経ることなく、ある一つの原画像を用いることによってチェンジングによる動画像を表現することが可能となる。
図8は、回折格子パターンに採用可能な構造の一例と回折光射出方向の関係を概略的に示す平面図である。
図8(a)に示す回折格子パターン31aは、本発明の回折格子パターンをZ方向から観察したものの一例である。回折格子パターンの複数の溝は、長さ方向が同一方向(本図ではX軸)に平行な向きの直線であり、Y軸方向へ一定の間隔で並んでいる。この場合、回折光22aは、Y軸と平行な方向へ射出する。
図8(b)に示す回折格子パターン31dは、本発明の回折格子パターンをZ方向から観察したものの一例である。回折格子パターンの複数の溝は曲線状に配列されており、Y軸方向へ一定の間隔で同じ方向に並んでいる。この場合、回折光22dは、回折格子パターンの溝が曲線状であることにより、曲線の形状に応じたある一定の視域幅を持って射出する。つまり、直線状の溝の代わりに曲線状の溝を用いると、これら溝に起因した視覚効果を、より広い視域で観察することが可能となる。
図7(a)等の説明において前記したように、表示体10の角度を変化させながら表示体10を観察者が観察すると、チェンジング効果により動画像であるように観察することができる。しかし、回折格子パターンが例えば図7(a)に示すような直線形状の場合、表示体10の角度を変化させると回折光は観察されにくいか、観察できない視域が生じる場合がある。
図9は、本発明の実施の形態に係る画像表示体を概略的に説明するための平面図である。
例えば図9の場合、回折格子パターン31a、31bの凹凸方向に対して垂直方向に当たる観察角度20a、20bでは異なる画像を観察することができるが、その中間の位置である20dでは画像は観察されないか、又は観察されにくい。
図10は、本発明の実施の形態に係る画像表示体を概略的に示す平面図である。
図10(a)は、回折格子パターン31e、31f、非凹凸構造領域32を備えている。
図10(b)、図10(c)はそれぞれ、図10(a)の回折格子パターン31e、31fを拡大したものである。ここで、回折格子パターン31e、31fはそれぞれ、90°乃至120°、120°乃至150°の角度範囲に回折光を射出するとする。
なお、図10(b)、図10(c)は模式図であり、図示した構造を用いて前記した角度範囲に回折光を射出出来るとは限らない。
図10(a)の観察角度20a、20d、20eの観察角度はそれぞれ、90°、120°、150°であるとする。
図10(a)の画像表示体10を、観察角度を20a、20d、20eの順に移動させながら観察すると、観察角度が90乃至120°、すなわち観察角度20aから観察角度20dでは回折格子パターン31eで構成される画像が観察でき、観察角度が120°乃至150°、すなわち観察角度20d乃至観察角度20eでは回折格子パターン31fで構成される画像が観察できる。
つまり、回折格子パターンが曲線形状であることで、ある一定の視域幅を持った回折光が射出するため、回折光が観察されにくいか、又は観察出来ない視域を発生させることなくチェンジング効果を表現することが可能となる。よって、回折格子パターンが直線状である場合と比較して、より自然で滑らかな動画像として観察することができる。
図11は、本発明の実施の形態に係る画像表示体を概略的に説明するための平面図である。
図11(a)は、回折格子パターン31g、31h、非凹凸構造領域32を備えている。
図11(b)、図11(c)はそれぞれ、図11(a)の回折格子パターン31g、31hを拡大したものである。ここで、回折格子パターン31g、31hはそれぞれ、90°乃至135°、120°乃至165°の角度範囲に回折光を射出するとする。
なお、図11(b)、図11(c)は模式図であり、図示した構造を用いて前記した角度範囲に回折光を射出できるとは限らない。
図11(a)の観察角度20a、20d、20g、20hの観察角度はそれぞれ、90°、120°、135°、165°であるとする。
図11(a)の画像表示体10を、観察角度を20a、20d、20g、20hの順に移動させながら観察すると、観察角度が90°乃至135°、すなわち観察角度20aから観察角度20gでは回折格子パターン31gで構成される画像が観察でき、観察角度が120°乃至165°、すなわち観察角度20dから観察角度20hでは回折格子パターン31hで構成される画像が観察できる。
この場合、観察角度が120°乃至135°、すなわち観察角度20dから観察角度20gでは、回折格子パターン31gで構成される画像と回折格子パターン31hで構成される画像の両方が同時に観察されることになり、観察される画像を正しく視認することが難しくなる。
一方で、前記した図10の場合には、回折格子パターン31e、31fそれぞれで構成される画像が同時に観察されることはない。
つまり、回折格子パターンが曲線形状であり、異なる回折格子パターンの回折光射出角度の範囲に重なりが生じている場合、画像を正しく視認することが困難となる観察角度が生じる可能性がある。
よって、本発明によれば、回折格子パターンが曲線形状であるとき、溝が有する曲線の接線方向の角度範囲が、各画像の画素同士で異なるように設定する。例えば、別個の画像を構成する回折格子パターンの接線方向の角度範囲同士に重なりを生じさせないことによって、画像を正しく視認することが困難となる観察角度を生じさせることなく、動画像を表現することが可能となる。また、それぞれの角度範囲が隣接していると、画像が途切れることなく、連続して視認することが可能となる。
図12は、本発明の実施の形態に係る画像表示体を概略的に説明するための平面図である。
図12(a)、図12(b)、図12(c)の画像はそれぞれ、原画像の50%、75%、100%の大きさであるとする。
チェンジング効果によって図12(a)、図12(b)、図12(c)の順に画像が観察されると、画像が徐々に大きく変化していき、まるでZ方向に迫ってきている動画像であるように観察できる点は前記してある。図12の場合は画像の大きさの比率の差が一定、すなわち画像サイズの比率を等差数列で表せる。ゆえに、画像サイズの比率を等差数列で表せない場合に比べて、より滑らかな動画像として観察することができ、一定の速度で画像がZ方向に迫っているように観察できる。
つまり、画像サイズの比率を等差数列で表せるように設定することによって、画像のZ方向への動きがより滑らかな動画像として観察することができる。
図12において、画像サイズの比率が等差数列で表せる場合について説明したが、必ずしも等差数列である必要はない。例えば等比数列でも良く、その場合は一定の加速度で画像がZ方向に迫っている(又は遠ざかっている)動画像として観察できる。
すなわち、画像サイズの比率に規則性を持たせて変化させれば、その規則性に従った動きを持つ滑らかな動画像として観察できる。
図12(a)、図12(b)、図6(c)の画像はいずれも、画像の中心位置が同一である。
ゆえに、チェンジング効果によって図12(a)、図12(b)、図12(c)の順に画像が観察されると、画像の位置は変わることなく、大きさのみが変化しているように見え、まるでZ方向に画像が迫ってきている動画像であるように観察できる。
つまり、画像の中心位置を同一にすることによって、XY方向へは移動せず、Z方向のみに移動する動画像として観察することができる。
図13は、本発明の実施の形態に係る画像表示体を概略的に説明するための平面図である。
図13(a)、図13(b)、図13(c)の画像は、お互いに画像の中心位置が異なっているが、XY平面上での図13(a)の顔画像の中心位置から図13(b)の顔画像の中心位置への移動距離と、図13(b)の顔画像の中心位置から図13(c)の顔画像の中心位置への移動距離は同一である。
チェンジング効果によって図13(a)、図13(b)、図13(c)の順に画像が観察されると、画像が徐々に大きく変化していき、まるでZ報告に迫ってきている動画像であるように観察できる点は前記してある。この場合は更に、画像の中心位置が一定の距離で変化している。ゆえに、画像がZ方向へ移動しているように観察できることに加え、XY方向において一定の速度で移動しているように観察できる。
つまり、画像の中心位置を一定の距離で変化させることによってXY平面上での画像の動きを表現することができ、中心位置の距離が一定であることによってその動きをより滑らかに観察することができる。
図13の場合、図13(a)の顔画像の中心位置から図13(b)の顔画像の中心位置へのベクトルと、図13(b)の顔画像の中心位置から図13(c)の顔画像の中心位置へのベクトルは同一である。しかし、必ずしもベクトルが同一である必要はなく、ベクトルの大きさが同一であれば良い。
図13において、画像の中心位置が一定の間隔である場合について説明したが、必ずしも一定である必要はない。例えば、間隔が徐々に大きくなるように設定すれば、XY平面上での画像の動きを徐々に速くすることができ、逆に徐々に小さくすれば、XY平面上での画像の動きを徐々に遅くすることができる。
すなわち、画像の中心位置を、規則性を持たせて変化させれば、その規則性に従った動きを持つ滑らかな動画像として観察できる。
図14は、回折格子パターンと光散乱構造パターンの構造を概略的に示す平面図である。
図14(a)は、回折格子の構造を概略的に示す平面図である。黒色と白色が等間隔で交互に描かれているが、これは回折格子の凹凸が規則的に繰り返されている構造を示している。
図14(b)は、光散乱構造パターンを概略的に示す平面図である。図7(a)と同様に、黒色と白色によって凹凸の溝を示している。図14(a)と比較すると、長さ方向は同一方向に構成されているが、溝の間隔が不規則な構造となっている。この不規則性によって散乱光を射出することを可能としている。しかし、図14(b)は不規則な構造ではあるものの、構造は全てX軸方向に沿っている。ゆえに、図14(a)ではY軸方向へ回折光が射出するように、図14(b)ではY軸方向に散乱光を射出する。
図1乃至図11において、回折格子パターンを用いて図示、説明したが、回折格子パターンではなく、図14(b)に図示したような光散乱構造パターンを用いてもよい。
以上、パスポートとしての情報媒体100を例示したが、情報媒体100について上述
した技術は、他の情報媒体に適用することも可能である。例えば、この技術は、査証及び
IDカードなどの各種カードに適用することも可能である。
図15は、本発明の他の態様に係る情報媒体を概略的に示す平面図である。
この情報媒体200は、磁気カードであって、基材51を含んでいる。基材51は例えば、プラスチックからなる。基材51には、印刷層52と帯状の磁気記録層53とが形成されている。更に、基材51には、表示体10が偽造防止用又は個人識別用ラベルとして貼り付けられている。
この情報媒体200は、表示体10を含んでいる。ゆえに、この情報媒体200の偽造又は模造は困難である。
図16は、本発明の他の態様に係る情報媒体を概略的に示す平面図である。図16に示
す情報媒体300は、IDカードであり、上で説明した画像表示体10に基づいた画像
I1bを含んでいる。よって、この情報媒体300は、改竄が困難である。
画像表示体を貼り付ける基材の材質は、天然の紙及び合成紙などの紙でなくても
よい。例えば、画像表示体300を貼り付ける基材の材質は、ポリエチレンテレフタレー
ト樹脂(熱可塑性PET)、ポリ塩化ビニル樹脂、熱硬化性ポリエステル樹脂、ポリカー
ボネート樹脂、ポリメタクリル樹脂及びポリスチレン樹脂などの合成樹脂、ガラス、陶器
及び磁器などのセラミックス、又は、単体金属及び合金などの金属材料であってもよい。
上では、情報媒体としてパスポート及びIDカードなどの個人認証媒体を例示したが、
情報媒体100及び300について上述した技術は、個人認証媒体以外の情報媒体に適用
することも可能である。即ち、上述した技術は、個別認証等、個人認証以外の目的で利用してもよい。
画素は42μm四方の正方形とする。画素は曲線形状の回折格子パターンで構成されており、8種類の回折格子パターンを用いるとする。8種類の回折格子パターンの回折光射出角度はそれぞれ、67.12°乃至72.84°、72.84°乃至78.56°、78.56°乃至°、84.28°乃至°、84.28°乃至90.00°、90.00°乃至95.72°、95.72°乃至101.44°、101.44°乃至107.16°、107.16°乃至112.88°であるとする。
8種類の回折格子パターンは一つの顔画像を原画像として、原画像のサイズを異なる8種類の縮尺で拡大した8種類の顔画像を用いるとする。原画像のサイズを100%とすると、8種類の画像の大きさはそれぞれ、100%、105%、110%、115%、120%、125%、130%、135%とする。
その結果、観察角度を変えながら本実施例の表示体を観察すると、顔画像が拡大又は縮小することで、顔画像が観察面へ迫ったり観察面から遠ざかったりする動画像であるように観察することができた。
1…折り丁
2…表紙
10…画像表示体
11…紙片
12…印刷パターン
14、I1a、I1b、I3…画像
20a、20b、20c20d、20e…観察角度
21…光源
22a、22d…回折光射出方向
31、31a、31b、31c、31d、31e、31f、31g、31h…回折格子パターン
32…非凹凸構造領域
51…基材
52…印刷層
53…磁気記録層
54…印刷層
100、200、300…情報媒体
X、Xa、Xb、Xc…領域

Claims (8)

  1. 基材の一方の面に、回折光及び/又は散乱光を射出する複数の画素を配置することによ
    り、複数の画像が形成された画像表示体において、
    光透過性の基材を有し、
    前記基材の一方の面にマトリクス状に配列されている複数の画素を備え、
    前記画素は、
    照明光の照射により回折光及び/又は指向性を有した散乱光を射出可能な複数の溝を備えており、
    個々の画像を構成する各画素は、前記複数の溝の長さ方向が同一方向に構成されているとともに、
    別個の画像同士で前記溝の長さ方向が異なっており、
    前記溝は、曲線状であり、
    前記別個の画像を構成する画素に備えられた前記溝が有する曲線の接線方向の角度範囲が、各画像の画素同士で異なり、
    前記複数の画像は、一つの原画像を異なる比率で拡大又は縮小して得られることを特徴とする画像表示体。
  2. 複数の前記画像の中心位置が同一であることを特徴とする請求項1に記載の画像表示体。
  3. 複数の前記画像の中心位置が一定の間隔で異なっていることを特徴とする請求項1に記載の画像表示体。
  4. 前記複数の画像は少なくとも3つ以上形成されており、
    前記画像の大きさの比率が等差級数で表せることを特徴とする請求項1乃至3に記載の画像表示体。
  5. 前記画像は個人情報を含んだ画像であることを特徴とする請求項1乃至4に記載の画像表示体。
  6. 請求項1乃至5の何れか1項に記載の画像表示体を物品に支持したことを特徴とする情報媒体。
  7. 前記物品に個人情報を含んだ画像が印刷、印字、又は他の方法で有色表示されてあり、
    前記原画像が前記物品に表示されてある画像と同一であることを特徴とする請求項6に記載の情報媒体。
  8. 前記個人情報を含んだ画像は顔画像であることを特徴とする請求項5または7に記載の画像表示体。
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