JP5491989B2 - 油圧緩衝器 - Google Patents

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本発明は油圧緩衝器に関する。
自動二輪車等に用いられる油圧緩衝器として、特許文献1に記載の如く、車体側チューブに車軸側チューブを摺動自在に挿入し、車体側チューブの内部で該車体側チューブに連結したダンパシリンダに、車軸側チューブの内部で該車軸側チューブに連結したピストンロッドに設けたメインピストンを摺動自在に挿入し、このメインピストンによりダンパシリンダの内部をピストン側油室とロッド側油室に区画し、メインピストンのピストン側油室とロッド側油室を連絡する流路に伸側減衰バルブを設け、ダンパシリンダの内部でメインピストンより上部に該メインピストンと相対するサブピストンを設け、このサブピストンによりダンパシリンダの内部のピストン側油室に対する上方にサブタンク室を区画し、サブピストンのピストン側油室とサブタンク室を連絡可能にする流路に圧側減衰バルブを設け、ダンパシリンダの内部でサブピストンより上部に該サブピストンと相対する体積補償用のフリーピストンを移動自在に設け、車体側チューブと車軸側チューブの内部で、該車体側チューブの側の上ばね受と該車軸側チューブの側の下ばね受との間に懸架スプリングを介装してなるものがある。
この油圧緩衝器では、車体側チューブの内部の懸架スプリングと空気ばねの弾発力により車両が路面から受ける衝撃力を吸収する。同時に、メインピストンに設けた減衰バルブ装置が発生する減衰力によって、懸架スプリングによる衝撃力の吸収に伴なう車体側チューブと車軸側チューブの伸縮振動を抑制する。
特許3441479
特許文献1に記載の油圧緩衝器では、車両の乗心地を向上するために、懸架スプリングのばね荷重を路面の状況に応じて調整することが望まれる。
しかしながら、特許文献1に記載の油圧緩衝器では、車体側チューブにも、車軸側チューブにも、ばね荷重調整装置を設置し難い。
即ち、車軸側チューブの下部に例えば特開2008-8341に記載のばね荷重調整装置を設けようとしても、車軸側チューブの内部に立設されているピストンロッドの存在がばね荷重調整装置の設置を困難にする。
また、車軸側チューブの下部に例えば実開平2-109037に記載のばね荷重調整装置を設けるときには、ばね荷重調整装置が車軸側チューブの外周から側方に大きく突出し、車両が転倒したときに破損するおそれがある。
また、車体側チューブの上部には、ダンパシリンダが内蔵されており、このダンパシリンダの存在がばね荷重調整装置の設置を困難にする。
本発明の課題は、車体側チューブの上部にダンパシリンダを内蔵している油圧緩衝器において、ばね荷重調整装置を設置することにある。
請求項1に係る発明は、車体側チューブに車軸側チューブを摺動自在に挿入し、車体側チューブの内部で該車体側チューブに連結したダンパシリンダに、車軸側チューブの内部で該車軸側チューブに連結したピストンロッドに設けたメインピストンを摺動自在に挿入し、このメインピストンによりダンパシリンダの内部をピストン側油室とロッド側油室に区画し、ダンパシリンダの内部でメインピストンより上部に体積補償用のフリーピストンを移動自在に設け、車体側チューブと車軸側チューブの内部で、該車体側チューブの側の上ばね受と該車軸側チューブの側の下ばね受との間に懸架スプリングを介装してなる油圧緩衝器において、車体側チューブの上部にばね荷重調整装置を設けたものであり、ばね荷重調整装置は、車体側チューブの外部に臨むアジャスト部材により、車体側チューブの内部でダンパシリンダの周囲に設けた中間ばね支持部材を介して上ばね受を昇降させて懸架スプリングのばね荷重を調整し、前記ばね荷重調整装置が、ダンパシリンダの上端部の中心軸まわりに螺着される環状のアジャスト部材を有するとともに、ダンパシリンダの上端側肉厚部の周方向複数位置にて該ダンパシリンダの軸方向に沿って穿設した各支持孔のそれぞれにプランジャピンを移動可能に挿通し、プランジャピンの上端面をアジャスト部材の下端面に突当て、プランジャピンの下端面に中間ばね支持部材の上端面を突当ててなり、プランジャピンの外周に設けたシール部材をダンパシリンダの支持孔に摺動自在に嵌合してなるようにしたものである。
請求項2に係る発明は、車体側チューブに車軸側チューブを摺動自在に挿入し、車体側チューブの内部で該車体側チューブに連結したダンパシリンダに、車軸側チューブの内部で該車軸側チューブに連結したピストンロッドに設けたメインピストンを摺動自在に挿入し、このメインピストンによりダンパシリンダの内部をピストン側油室とロッド側油室に区画し、メインピストンのピストン側油室とロッド側油室を連絡する流路に伸側減衰バルブを設け、ダンパシリンダの内部でメインピストンより上部に該メインピストンと相対するサブピストンを設け、このサブピストンによりダンパシリンダの内部のピストン側油室に対する上方にサブタンク室を区画し、サブピストンのピストン側油室とサブタンク室を連絡可能にする流路に圧側減衰バルブを設け、ダンパシリンダの内部でサブピストンより上部に該サブピストンと相対する体積補償用のフリーピストンを移動自在に設け、車体側チューブと車軸側チューブの内部で、該車体側チューブの側の上ばね受と該車軸側チューブの側の下ばね受との間に懸架スプリングを介装してなる油圧緩衝器において、車体側チューブの上部にばね荷重調整装置を設けたものであり、ばね荷重調整装置は、車体側チューブの外部に臨むアジャスト部材により、車体側チューブの内部でダンパシリンダの周囲に設けた中間ばね支持部材を介して上ばね受を昇降させて懸架スプリングのばね荷重を調整し、前記ばね荷重調整装置が、ダンパシリンダの上端部の中心軸まわりに螺着される環状のアジャスト部材を有するとともに、ダンパシリンダの上端側肉厚部の周方向複数位置にて該ダンパシリンダの軸方向に沿って穿設した各支持孔のそれぞれにプランジャピンを移動可能に挿通し、プランジャピンの上端面をアジャスト部材の下端面に突当て、プランジャピンの下端面に中間ばね支持部材の上端面を突当ててなり、プランジャピンの外周に設けたシール部材をダンパシリンダの支持孔に摺動自在に嵌合してなるようにしたものである。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る発明において更に、前記プランジャピンの上端面がアジャスト部材の下端面に設けたピン係合凹部に没入する状態で、プランジャピンの上端面をアジャスト部材の下端面に突き当て可能にするようにしたものである。
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれかに係る発明において更に、前記中間ばね支持部材がダンパシリンダの周囲に設けられるスプリングカラーからなり、スプリングカラーは、ダンパシリンダの外周との間と、車体側チューブ又は車軸側チューブの内周との間のそれぞれに内外の環状スペースを形成するように該ダンパシリンダの周囲に配置されるとともに、内外の環状スペースをそれらの上部で互いに連通する油孔を有してなるようにしたものである。
請求項5に係る発明は、請求項に係る発明において更に、前記スプリングカラーの下端部に設けたガイドリングが車軸側チューブの内周に摺接し、ダンパシリンダの外周から離隔するようにしたものである。
請求項6に係る発明は、請求項に係る発明において更に、前記ガイドリングに、車軸側チューブの底部寄りの油溜室からスプリングカラーの外側環状スペースへの油の流入を制限し、該外側環状スペースから該油溜室への油の流出を許容する逆止弁を設けてなるようにしたものである。
(請求項1、2)
(a)ばね荷重調整装置が、車体側チューブの上部にばね荷重調整装置を設けたものであり、ばね荷重調整装置は、車体側チューブの外部に臨むアジャスト部材により、車体側チューブの内部でダンパシリンダの周囲に設けた中間ばね支持部材を介して上ばね受を昇降させて懸架スプリングのばね荷重を調整するようにした。従って、車体側チューブの上部にダンパシリンダを内蔵している油圧緩衝器において、車体側チューブとダンパシリンダの環状間隙を利用し、車体側チューブの上部にばね荷重調整装置を設置できる。これにより、ユーザーがばね荷重調整装置の存在を認識し易く、ばね荷重調整装置の操作性も向上する。
(b)ばね荷重調整装置が、ダンパシリンダの上端部の中心軸まわりに螺着される環状のアジャスト部材を有するとともに、ダンパシリンダの上端側肉厚部の周方向複数位置にて該ダンパシリンダの軸方向に沿って穿設した各支持孔のそれぞれにプランジャピンを移動可能に挿通し、プランジャピンの上端面をアジャスト部材の下端面に突当て、プランジャピンの下端面に中間ばね支持部材の上端面を突当ててなるものにした。従って、環状のアジャスト部材の回転螺動操作により、プランジャピンをダンパシリンダの軸方向に沿って移動し、ひいては中間ばね支持部材を介して上ばね受を昇降させるものになる。ばね荷重調整装置を車体側チューブの上部の狭いスペースにコンパクトに設置できる。
(c)ばね荷重調整装置が、プランジャピンの外周に設けたシール部材をダンパシリンダの支持孔に摺動自在に嵌合した。車体側チューブの外部から内部に渡るばね荷重調整装置の設置部を車体側チューブの内部の空気ばね室に対してシールすべきシール部材を小型化し、そのシール面積を小面積にすることができ、アジャスト部材の回転螺動操作性を軽快化できる。
(請求項
(d)アジャスト部材の下端面に設けたピン係合凹部にプランジャピンの上端面が没入するときには、アジャスト部材が回転していって各ピン係合凹部に各プランジャピンの上端面が没入する度に、アジャスト部材が一定角度(相隣るピン係合凹部の配置間隔)回転したこと、ひいてはプランジャピンが一定量昇降し、ばね荷重が一定量調整されたことが節度感をもって認識できる。また、アジャスト部材の自由な回転が、プランジャピンの上述の没入により阻止される。
(請求項
(e)ばね荷重調整装置の中間ばね支持部材がダンパシリンダの周囲に設けられるスプリングカラーからなり、スプリングカラーは、ダンパシリンダの外周との間と、車体側チューブ又は車軸側チューブの内周との間のそれぞれに内外の環状スペースを形成するように該ダンパシリンダの周囲に配置されるとともに、内外の環状スペースをそれらの上部で互いに連通する油孔を有してなるものにした。従って、車体側チューブと車軸側チューブとが伸縮し、車軸側チューブの内部の油溜室の油面が上下するとき、油溜室の油はスプリングカラーの下端側からその内外の環状スペースにスムースに出入し、それらの環状スペースの管路抵抗に起因する硬さのない外側減衰力(ダンパの内部のピストンバルブ装置とベースバルブ装置が発生する減衰力を内側減衰力と称し、ダンパの外部で発生する減衰力を外側減衰力と称するものとする)を得ることができる。
(f)油溜室の油が内側環状スペース(又は外側環状スペース)に流入して外側減衰力を発生した後に、スプリングカラーの油孔を介して外側環状スペース(又は内側環状スペース)に流出するタイミング、流路抵抗を、スプリングカラーの軸方向に沿って設けられる各油孔の位置、孔サイズにより調整できる。これにより、上述(e)の外側減衰力に、車体側チューブと車軸側チューブの伸縮ストロークに関する位置依存性を付与できる。
(請求項
(g)スプリングカラーの下端部に設けたガイドリングが車軸側チューブの内周に摺接し、ダンパシリンダの外周から離隔する。上述(e)で、油溜室の油がスプリングカラーの下端側からその内側環状スペースに直接的にスムースに出入し、一層硬さのない外側減衰力を得ることができる。
(h)車体側チューブと車軸側チューブに作用する横力の曲げ荷重が、ダンパシリンダに支持されることがなく、車体側チューブと車軸側チューブだけで支持される結果、過剛性にならない。
(請求項
(i)ガイドリングに、車軸側チューブの底部寄りの油溜室からスプリングカラーの外側環状スペースへの油の流入を制限し、該外側環状スペースから該油溜室への油の流出を許容する逆止弁を設けた。圧側行程で、逆止弁が油溜室から外側環状スペースへの油の流入を制限するから、油溜室の油を内側環状スペースへ導いて圧側減衰力を発生させる。伸側行程では、逆止弁が外側環状スペースから油溜室への油の流出を許容するから、外側環状スペースの油を油溜室へスムースに戻し、圧側反転時の減衰力の発生のおくれ(さぼり)を回避する。
図1はフロントフォークを示す全体断面図である。 図2は図1の下部拡大断面図である。 図3は図1の中間部拡大断面図である。 図4は図1の上部拡大断面図である。 図5は図1の平面図である。 図6はばね荷重調整装置を示す断面図である。 図7はシリンダチューブを示す全体断面図である。 図8はシリンダチューブを示す上部断面図である。 図9は図8の平面図である。 図10はフォークボルトを示し、(A)は平面図、(B)は断面図である。 図11はアジャスト部材を示し、(A)は上面図、(B)は断面図、(C)は下面図、(D)は要部拡大断面図である。 図12はプランジャピンを示す正面図である。 図13はばね荷重調整装置の参考例を示す断面図である。
フロントフォーク10(油圧緩衝器)は、図1〜図5に示す如く、車体側チューブ(アウタチューブ)11内に車軸側チューブ(インナチューブ)12を摺動自在に挿入し、両チューブ11、12の間に懸架スプリング13を介装するとともに、単筒型ダンパ14を倒立にして内装している。
車体側チューブ11は車体側に支持され、車軸側チューブ12は車軸に結合される。
車体側チューブ11の上端部にはダンパ14のダンパシリンダ16(大径の上シリンダチューブ16A)(図7〜図9)の上端部がOリングを介して螺着され、ダンパシリンダ16の上部開口端はフォークボルト15により閉塞される。フォークボルト15は、Oリングを介して上シリンダチューブ16Aの内周に挿入されて螺着される。フォークボルト15とダンパシリンダ16は、フォークボルト15の外周段差部とダンパシリンダ16の内周段差部を軸方向で突当てロックするように螺着され、一体結合される。
車軸側チューブ12の下端部内周にはオイルロックカラー17がOリングを介して液密に嵌装され、車軸側チューブ12の下端部外周に螺着される車軸ブラケット19の内側底面にオイルロックカラー17がOリングを介して載置され、オイルロックカラー17を車軸側チューブ12と車軸ブラケット19の間に挟み固定している。車軸ブラケット19の底部には外部からボトムボルト18がOリングを介して液密に挿着され、軸方向に係止されて固定される。ボトムボルト18にはダンパ14のピストンロッド(中空ロッド)20の基端部が螺着されるとともにロックナット18Aでロックされ、このピストンロッド20の先端部をダンパシリンダ16に挿入してある。ピストンロッド20は、ダンパシリンダ16(小径の下シリンダチューブ16B)の下端側の開口部に螺着したロッドガイド21のブッシュ21Aで支持され、シール部材21Bを貫通してダンパシリンダ16の内部に挿入されている。シール部材21Bは、ダンパシリンダ16の後述する油室43Bを密封し、油室43Bの油がダンパシリンダ16の外に逃げ出すのを阻止する一方向性のシール機能をもつ。尚、ロッドガイド21の外周部にはオイルロックピース22を設けてある。また、ロッドガイド21の内側端面にはリバウンドスプリング23が支持されている。
車体側チューブ11と車軸側チューブ12の内部で、車体側チューブ11の側の上ばね受24と、車軸側チューブ12の側の下ばね受25との間に、懸架スプリング13を介装している。上ばね受24は後述するばね荷重調整装置70により昇降可能に支持され、下ばね受25はオイルロックカラー17の基端部上面に装填されている。
車体側チューブ11と車軸側チューブ12の内部で、ダンパ14の外側には油溜室31と空気ばね室32とが設けられ、油溜室31と空気ばね室32とは自由界面を介して接触し、空気ばね室32に閉じ込められている空気が空気ばねを構成する。これらの懸架スプリング13と空気ばねの弾発力が、車両が路面から受ける衝撃力を吸収する。
ダンパ14は、ピストンバルブ装置(伸側減衰バルブ装置)40と、ベースバルブ装置(圧側減衰バルブ装置)50とを有している。ダンパ14は、ピストンバルブ装置40とベースバルブ装置50の発生する減衰力により、懸架スプリング13と空気ばねによる衝撃力の吸収に伴う車体側チューブ11と車軸側チューブ12の伸縮振動を抑制する。
(ピストンバルブ装置40)
ピストンバルブ装置40は、ピストンロッド20の先端部にピストンホルダ41を装着し、このピストンホルダ41にメインピストン42を装着している。即ち、車体側チューブ11の内部で、車体側チューブ11に連結したダンパ14のダンパシリンダ16に、車軸側チューブ12の内部で車軸側チューブ12に連結したピストンロッド20に設けてあるメインピストン42を摺動自在に挿入している。メインピストン42は、ダンパシリンダ16の内部をピストンロッド20が収容されないピストン側油室43Aとピストンロッド20が収容されるロッド側油室43Bとに区画し、該ダンパシリンダ16(下シリンダチューブ16B)の内部を摺動する。メインピストン42は、伸側バルブ44Aを備えてピストン側油室43Aとロッド側油室43Bとを連絡可能とする伸側流路44と、圧側バルブ(チェックバルブ)45Aを備えてピストン側油室43Aとロッド側油室43Bとを連絡可能とする圧側流路45とを備える。
また、ピストンバルブ装置40は、アジャスタ46に結合されている減衰力調整ロッド47をピストンロッド20の中空部に通し、アジャスタ46の回転操作により軸方向に進退する減衰力調整ロッド47の先端のニードル47Aにより、ピストンホルダ41に設けてあるピストン側油室43Aとロッド側油室43Bとのバイパス路48の流路面積を調整可能とする。尚、アジャスタ46はボトムボルト18の外部に臨む下部端面に埋込保持されている。
(ベースバルブ装置50)
ベースバルブ装置50は、上シリンダチューブ16Aの上端部に螺着されている前述のフォークボルト15にガイドパイプ51(支持軸)を螺着し、ロックナット15Aでロックする。ガイドパイプ51の先端部にはハウジングホルダ51Aを螺着し、このハウジングホルダ51Aにナット51B等によりサブピストン52を保持している。ガイドパイプ51の上部外周には小径部51C(連通路)が形成されている。サブピストン52はダンパシリンダ16の内部のメインピストン42より上部でメインピストン42に相対配置され、上シリンダチューブ16Aの内周部に液密に接し、前述のピストン側油室43Aの上方にサブタンク室53を区画形成する。サブピストン52は、圧側バルブ54Aを備えてピストン側油室43Aとサブタンク室53とを連絡可能とする圧側流路54と、伸側バルブ55Aを備えてピストン側油室43Aとサブタンク室53とを連絡可能とする伸側流路55とを備える。また、ハウジングホルダ51Aは、圧側流路54と伸側流路55とをバイパスしてピストン側油室43Aとサブタンク室53とを連絡可能とするバイパス路56を備える。
フォークボルト15に螺合された減衰力調整ロッド58は、アジャスタ59を備えるとともに、ガイドパイプ51に挿入され、アジャスタ59の回転操作により軸方向に進退する先端のニードル58Aによりバイパス流路56の流路面積を調整可能とする。尚、フォークボルト15は外部に臨む頭部端面の中央部にアジャスタ59を埋込保持している。
また、ベースバルブ装置50は、上シリンダチューブ16Aの内部であって、メインピストン42とサブピストン52より上部で、上シリンダチューブ16Aとガイドパイプ51の間の環状空間にて体積補償用のフリーピストン61を移動可能に設ける。フリーピストン61はサブピストン52と相対する。フリーピストン61の外周環状溝61Aには、上下のバックアップリングに挟まれるOリング62が装填され、フリーピストン61はOリング62を介して上シリンダチューブ16Aの内周を液密に摺動する。フリーピストン61の内周凹部61Bには、オイルシール63が装填され、フリーピストン61はオイルシール63を介してガイドパイプ51の外周を液密に摺動する。フリーピストン61は、サブタンク室53のサブピストン52の側でピストン側油室43Aに連通している油室53Aと、フォークボルト15の側の体積補償室53Bとを区画する。体積補償室53Bは、上シリンダチューブ16Aの上端側に設けた連通孔64で空気ばね室32と連通している。フォークボルト15は、フロントフォーク10の伸縮によって車体側チューブ11と車軸側チューブ12の摺動部から空気ばね室32、体積補償室53Bに侵入した空気を排出するための排気プラグ(不図示)を頭部端面の側部に着脱可能に螺着している。尚、スプリング66が、この最大伸長時に僅かな初期荷重を有するように、フリーピストン61とフォークボルト15との間に介装される。
ダンパシリンダ16内にピストンロッド20が進入する圧縮時に、このスプリング66が収縮し、このときのスプリング66のばね荷重分だけ、ダンパシリンダ16内の油室が加圧され、伸長時におけるダンパシリンダ内油室のキャビテーションの発生を防止し、また伸長時に続く圧縮時の減衰力発生の遅れ(さぼり)も回避する。
尚、ベースバルブ装置50は、フロントフォーク10のピストンロッド20がストロークする度に、該ピストンロッド20の外周面に付着した油溜室31の油をロッドガイド部21のシール部材21Bからダンパシリンダ16の内部に持ち込む。これにより、ダンパシリンダ16の内部の油室43A、43B、53Aの作動油が徐々に増加し、フリーピストン61がその増加により上方へ移動し、作動油が一定量以上になってフリーピストン61の内周のシール部材63Cがガイドパイプ51の外周の小径部51C(連通路)に到達したときに、ダンパシリンダ16の余剰油を油室53Aから小径部51C、体積補償室53B、連通孔64、空気ばね室32経由でダンパシリンダ16の外の油溜室31に排出するブロー機能を有する。
従って、フロントフォーク10は以下の如くに減衰作用を行なう。
(圧縮時)
フロントフォーク10の圧縮時には、ベースバルブ装置50において、サブピストン52のニードル58A或いは圧側バルブ54Aを流れる油により圧側減衰力を生じ、ピストンバルブ装置40において、メインピストン42の圧側バルブ45Aを流れる油により、必要に応じた設定の圧側減衰力を生じる。
(伸長時)
フロントフォーク10の伸長時には、ピストンバルブ装置40において、メインピストン42のニードル47A或いは伸側バルブ44Aを流れる油により伸側減衰力を生じ、ベースバルブ装置50では殆ど減衰力を生じない。
これらの圧側と伸側の減衰力により、フロントフォーク10の伸縮振動が抑制される。
尚、フロントフォーク10の最圧縮時には、ダンパシリンダ16の下シリンダチューブ16Bの下端部のオイルロックピース22が、車輪側チューブ12の下端部に設けてあるオイルロックカラー17に嵌合し、両者の間で圧縮した油によりオイルロック作用を生ぜしめ、ダンパ14の底つきを防止する。
また、フロントフォーク10の最伸長時には、ピストンロッド20に設けているピストンホルダ41の下端面が、ダンパシリンダ16の開口部に設けてあるロッドガイド21に支持されているリバウンドスプリング23に衝合し、伸切りの緩衝作用を果たす。
しかるに、フロントフォーク10にあっては、車体側チューブ11の上部に、懸架スプリング13のためのばね荷重調整装置70を設けている。
ばね荷重調整装置70は、車体側チューブ11の外部に臨むアジャスト部材71により、車体側チューブ11の内部で、ダンパシリンダ16の周囲に設けた中間ばね支持部材80を介して上ばね受24を昇降させ、懸架スプリング13のばね荷重を調整する。
ばね荷重調整装置70は、図6に示す如く、ダンパシリンダ16の上端部の中心軸まわりに螺着される環状のアジャスト部材71を有する。ダンパシリンダ16(図7〜図9)の上部開口端の内周にはフォークボルト15(図10)がOリングを介して螺着されており、フォークボルト15とダンパシリンダ16の外方に臨む環状間隙にアジャスト部材71が装填される。アジャスト部材71(図11)は、上端面の周方向に等間隔配置された複数位置に設けた工具係入孔71Aに係入される回転工具を用いて、外周ねじ71Bをダンパシリンダ16の外方に臨む内周ねじに螺着される。アジャスト部材71の下端面の周方向に等間隔配置された複数位置にはピン係合凹部71Cが設けられている。
ばね荷重調整装置70は、ダンパシリンダ16の上シリンダチューブ16Aの上端側肉厚部の周方向に等間隔配置された複数位置(3位置以上が好ましい)に、上シリンダチューブ16Aの軸方向に沿って穿設した支持孔16Cを有し、各支持孔16Cのそれぞれにプランジャピン72(図12)を移動可能に挿通してある。各プランジャピン72の軸方向中間部の外周には小径環状溝が設けられ、この環状溝にOリング等のシール部材73が装填される。各プランジャピン72はシール部材73を上シリンダチューブ16Aの支持孔16Cの孔面に密に摺動自在に嵌合し、空気ばね室32を外部に対して封止する。プランジャピン72の支持孔16Cから上に突出する上端面は、本実施例では半球状端面をなし、アジャスト部材71の下端面に突当てられ、そのピン係合凹部71Cに没入可能にされる。プランジャピン72の支持孔16Cから下に突出する下端面は、中間ばね支持部材80の最上端部のカラー81の上端面に突当てられる。
中間ばね支持部材80は、プランジャピン72の側から上ばね受24の側に向けて順に積層され、軸方向に順に突当てられる複数のカラー81、82、83、84、85に分割され、最下端部のカラー85の下部にはガイドリング86が設けられる。カラー81〜83は上シリンダチューブ16Aの外周に摺接し、車体側チューブ11と車軸側チューブ12の内周との間に外側環状スペース80Aを形成するように配置される。カラー84は下シリンダチューブ16Bの外周に摺接し、車体側チューブ11と車軸側チューブ12の内周との間に外側環状スペース80Aを形成するように配置される。カラー85は車体側チューブ11と車軸側チューブ12の内周との間と、下シリンダチューブ16Bの外周との間のそれぞれに、外側環状スペース80Aと内側環状スペース80Bを形成するように配置される。ガイドリング86はカラー85の下端外周に嵌着され、車軸側チューブ12の内周に近接又は摺接し、ダンパシリンダ16(下シリンダチューブ16B)の外周から内側環状スペース80Bを介して離隔する。ガイドリング86の下端部に上ばね受24が嵌着される。ここで、車体側チューブ11と車軸側チューブ12とダンパシリンダ16(シリンダチューブ16A、16B)と中間ばね支持部材80(カラー81〜85)とガイドリング86は概ね真直円筒状をなしており、外側環状スペース80Aと内側環状スペース80Bはそれぞれ円筒状断面をなす。内側環状スペース80Bは上ばね受24の内周が下シリンダチューブ16Bの外周との間になす大断面の環状間隙を介して、より大断面をなす円筒状油溜室31に直に連通している。
中間ばね支持部材80は、カラー85の上端部寄りに、外側環状スペース80Aと内側環状スペース80Bをそれらの上部で互いに連通する油孔85Aを設けている。油孔85Aはカラー85の周方向複数位置に設けられ、カラー85の軸方向複数位置に設けることもできる。
中間ばね支持部材80は、ガイドリング86に、車軸側チューブ12の底部寄りの油溜室31からカラー85の外側環状スペース80Aへの油の流入を制限し、外側環状スペース80Aから油溜室31への油の流出を許容する逆止弁87を設けている。本実施例の逆止弁87はガイドリング86の外周に設けた環状溝86Aに装填される環状体をなし、逆止弁87の軸方向長さは環状溝86Aの軸方向長さより短尺とされ、逆止弁87の外周は車軸側チューブ12の内周に摺接し、逆止弁87の内周は環状溝86Aの溝底外周面との間に環状流路86Bを形成する。ガイドリング86は、環状溝86Aの底部を油溜室31に連絡する連絡孔86Cを備える。
フロントフォーク10の圧側行程では、逆止弁87は油溜室31の加圧力により環状溝86A内を上向き移動し、環状溝86Aの上部壁面に突当たり、外側環状スペース80Aへの環状流路86Bの連通を閉じ、油溜室31から外側環状スペース80Aへの油の流入を制限する。油溜室31の油は内側環状スペース80Bへ導かれ、内側環状スペース80Bの管路抵抗に起因する圧側減衰力を発生させる。
フロントフォーク10の伸側行程では、逆止弁87は油溜室31の減圧力により環状溝86A内を下向き移動し、環状溝86Aの下部壁面に突当たり、外側環状スペース80Aから環状流路86B、ひいては連絡孔86Cの連通を開き、外側環状スペース80Aから油溜室31への油のスムースな流出を許容する。
フロントフォーク10によれば、以下の作用効果を奏する。
(a)ばね荷重調整装置70が、車体側チューブ11の上部にばね荷重調整装置70を設けたものであり、ばね荷重調整装置70は、車体側チューブ11の外部に臨むアジャスト部材71により、車体側チューブ11の内部でダンパシリンダ16の周囲に設けた中間ばね支持部材80を介して上ばね受24を昇降させて懸架スプリング13のばね荷重を調整するようにした。従って、車体側チューブ11の上部にダンパシリンダ16を内蔵しているフロントフォーク10において、車体側チューブ11とダンパシリンダ16の環状間隙を利用し、車体側チューブ11の上部にばね荷重調整装置70を設置できる。これにより、ユーザーがばね荷重調整装置70の存在を認識し易く、ばね荷重調整装置70の操作性も向上する。
(b)ばね荷重調整装置70が、ダンパシリンダ16の上端部の中心軸まわりに螺着される環状のアジャスト部材71を有するとともに、ダンパシリンダ16の上端側肉厚部の周方向複数位置にて該ダンパシリンダ16の軸方向に沿って穿設した各支持孔16Cのそれぞれにプランジャピン72を移動可能に挿通し、プランジャピン72の上端面をアジャスト部材71の下端面に突当て、プランジャピン72の下端面に中間ばね支持部材80の上端面を突当ててなるものにした。従って、環状のアジャスト部材71の回転螺動操作により、プランジャピン72をダンパシリンダ16の軸方向に沿って移動し、ひいては中間ばね支持部材80を介して上ばね受24を昇降させるものになる。ばね荷重調整装置70を車体側チューブ11の上部の狭いスペースにコンパクトに設置できる。
アジャスト部材71の下端面に設けたピン係合凹部71Cにプランジャピン72の上端面が没入するときには、アジャスト部材71が回転していって各ピン係合凹部71Cに各プランジャピン72の上端面が没入する度に、アジャスト部材71が一定角度(相隣るピン係合凹部71Cの配置間隔)回転したこと、ひいてはプランジャピン72が一定量昇降し、ばね荷重が一定量調整されたことが節度感をもって認識できる。また、アジャスト部材71の自由な回転が、プランジャピン72の上述の没入により阻止される。
(c)ばね荷重調整装置70が、プランジャピン72の外周に設けたシール部材73をダンパシリンダ16の支持孔16Cに摺動自在に嵌合した。車体側チューブ11の外部から内部に渡るばね荷重調整装置70の設置部を車体側チューブ11の内部の空気ばね室32に対してシールすべきシール部材73を小型化し、そのシール面積を小面積にすることができ、アジャスト部材71の回転螺動操作性を軽快化できる。
(d)ばね荷重調整装置70の中間ばね支持部材80がダンパシリンダ16の周囲に設けられるスプリングカラー85からなり、スプリングカラー85は、ダンパシリンダ16の外周との間と、車体側チューブ11又は車軸側チューブ12の内周との間のそれぞれに内外の環状スペース80A、80Bを形成するように該ダンパシリンダ16の周囲に配置されるとともに、内外の環状スペース80A、80Bをそれらの上部で互いに連通する油孔85Aを有してなるものにした。従って、車体側チューブ11と車軸側チューブ12とが伸縮し、車軸側チューブ12の内部の油溜室31の油面が上下するとき、油溜室31の油はスプリングカラー85の下端側からその内外の環状スペース80A、80Bにスムースに出入し、それらの環状スペース80A、80Bの管路抵抗に起因する硬さのない外側減衰力(ダンパ14の内部のピストンバルブ装置40とベースバルブ装置50が発生する減衰力を内側減衰力と称し、ダンパ14の外部で発生する減衰力を外側減衰力と称するものとする)を得ることができる。
(e)油溜室31の油が内側環状スペース80B(又は外側環状スペース80A)に流入して外側減衰力を発生した後に、スプリングカラー85の油孔85Aを介して外側環状スペース80A(又は内側環状スペース80B)に流出するタイミング、流路抵抗を、スプリングカラー85の軸方向に沿って設けられる各油孔85Aの位置、孔サイズにより調整できる。これにより、上述(e)の外側減衰力に、車体側チューブ11と車軸側チューブ12の伸縮ストロークに関する位置依存性を付与できる。
(f)スプリングカラー85の下端部に設けたガイドリング86が車軸側チューブ12の内周に摺接し、ダンパシリンダ16の外周から離隔する。上述(e)で、油溜室31の油がスプリングカラー85の下端側からその内側環状スペース80Bに直接的にスムースに出入し、一層硬さのない外側減衰力を得ることができる。
(g)車体側チューブ11と車軸側チューブ12に作用する横力の曲げ荷重が、ダンパシリンダ16に支持されることがなく、車体側チューブ11と車軸側チューブ12だけで支持される結果、過剛性にならない。
(h)ガイドリング86に、車軸側チューブ12の底部寄りの油溜室31からスプリングカラー85の外側環状スペース80Aへの油の流入を制限し、該外側環状スペース80Aから該油溜室31への油の流出を許容する逆止弁87を設けた。圧側行程で、逆止弁87が油溜室31から外側環状スペース80Aへの油の流入を制限するから、油溜室31の油を内側環状スペース80Bへ導いて圧側減衰力を発生させる。伸側行程では、逆止弁87が外側環状スペース80Aから油溜室31への油の流出を許容するから、外側環状スペース80Aの油を油溜室31へスムースに戻し、圧側反転時の減衰力の発生のおくれ(さぼり)を回避する。
図13に示すフロントフォーク10Aが、図1〜図12に示したフロントフォーク10と実質的に異なる点は、ばね荷重調整装置70に代わるばね荷重調整装置90を用いたことにある。
尚、図13のフロントフォーク10Aにあっては、ダンパシリンダ16(上シリンダチューブ16A)の上端部を車体側チューブ11の上端部に螺着することなく、車体側チューブ11の上端部の内周にOリングを介して螺着されて固定されるキャップ91を設け、このキャップ91の内周に上シリンダチューブ16Aを支持した。即ち、上シリンダチューブ16Aの上端側の外周は、キャップ91の上端側の内周に、Oリングからなるシール部材92を介して相対回転可能に挿着される。上シリンダチューブ16Aの上端側の外周は、キャップ91の上端側の内周にシール部材92を介して密に、かつ回転可能に挿着され、空気ばね室32を外部に対して封止する。そして、上シリンダチューブ16Aの上端フランジ部と上シリンダチューブ16Aの外周に螺着されるロックナット93とにより、キャップ91の上端側に設けたガイド部91Aが挟み込み保持される。これにより、ダンパシリンダ16は、フォークボルト15と前述の如く一体結合された状態で、キャップ91のガイド部91Aに回転可能、かつ軸方向概ね不動に支持される。
ばね荷重調整装置90は、車体側チューブ11の外部に臨むフォークボルト15の上端寄り外周部に多角形状工具係合面を設け、このフォークボルト15をアジャスト部材94として用いる。このアジャスト部材94によりフォークボルト15及びダンパシリンダ16を一体で回転させつつ、車体側チューブ11の内部でダンパシリンダ16の周囲に設けた中間ばね支持部材95を介して、上ばね受24を昇降させ、懸架スプリング13のばね荷重を調整する。
ばね荷重調整装置90は、車体側チューブ11の内部で、上シリンダチューブ16Aの外周に螺着されるアジャストナット96を、車体側チューブ11の側のキャップ91に設けた回り止め部91Bに対し、該上シリンダチューブ16Aの軸方向に沿う方向にのみ移動可能に係合し、アジャストナット96の下端面に中間ばね支持部材95の上端面を突当てる。本実施例では、アジャストナット96の外周の周方向複数か所に回り止めピン97を嵌合し、この回り止めピン97の先端部をキャップ91の内周の軸方向に延在させてある半円溝状回り止め部91Bに係合する。これにより、アジャストナット96を上シリンダチューブ16Aの軸方向に沿う方向にのみ移動可能に規制する。
ばね荷重調整装置90は、アジャストナット96の下端面に突当てられる中間ばね支持部材95を、アジャストナット96の側から上ばね受24の側に向けて順に積層され、軸方向に順に突当てられる複数のワッシャ95A、カバー95B、95C…に分割し、それらの下部に前記フロントフォーク10におけると同様のガイドリング86を設けてある。尚、上シリンダチューブ16Aの外周で、アジャストナット96が螺着されるねじ部の下端部には、ワッシャ95Aが制止される下限ストッパ98が設置されている。
フロントフォーク10Aによれば、以下の作用効果を奏する。
(a)ばね荷重調整装置90が、車体側チューブ11の上部にばね荷重調整装置90を設けたものであり、ばね荷重調整装置90は、車体側チューブ11の外部に臨むアジャスト部材94により、車体側チューブ11の内部でダンパシリンダ16の周囲に設けた中間ばね支持部材95を介して上ばね受24を昇降させて懸架スプリング13のばね荷重を調整するようにした。従って、車体側チューブ11の上部にダンパシリンダ16を内蔵しているフロントフォーク10Aにおいて、車体側チューブ11とダンパシリンダ16の環状間隙を利用し、車体側チューブ11の上部にばね荷重調整装置90を設置できる。これにより、ユーザーがばね荷重調整装置90の存在を認識し易く、ばね荷重調整装置90の操作性も向上する。
(b)ばね荷重調整装置90が、ダンパシリンダ16の上端部に一体結合したアジャスト部材94を有するとともに、ダンパシリンダ16の外周に螺着されるアジャストナット96を車体側チューブ11の側に設けた回り止め部91Bに対し該ダンパシリンダ16の軸方向に沿う方向にのみ移動可能に係合し、アジャストナット96の下端面に中間ばね支持部材95の上端面を突当ててなるものにした。従って、アジャスト部材94の回転螺動操作により、アジャストナット96をダンパシリンダ16の軸方向に沿って移動し、ひいては中間ばね支持部材95を介して上ばね受24を昇降させるものになる。ばね荷重調整装置90を車体側チューブ11の上部の狭いスペースにコンパクトに設置できる。
尚、フロントフォーク10Aにあっては、フロントフォーク10において前述した(c)〜(h)の作用効果も奏する。
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
本発明は、車体側チューブに車軸側チューブを摺動自在に挿入し、車体側チューブの内部で該車体側チューブに連結したダンパシリンダに、車軸側チューブの内部で該車軸側チューブに連結したピストンロッドに設けたメインピストンを摺動自在に挿入し、このメインピストンによりダンパシリンダの内部をピストン側油室とロッド側油室に区画し、ダンパシリンダの内部でメインピストンより上部に体積補償用のフリーピストンを移動自在に設け、車体側チューブと車軸側チューブの内部で、該車体側チューブの側の上ばね受と該車軸側チューブの側の下ばね受との間に懸架スプリングを介装してなる油圧緩衝器において、車体側チューブの上部にばね荷重調整装置を設けたものであり、ばね荷重調整装置は、車体側チューブの外部に臨むアジャスト部材により、車体側チューブの内部でダンパシリンダの周囲に設けた中間ばね支持部材を介して上ばね受を昇降させて懸架スプリングのばね荷重を調整し、前記ばね荷重調整装置が、ダンパシリンダの上端部の中心軸まわりに螺着される環状のアジャスト部材を有するとともに、ダンパシリンダの上端側肉厚部の周方向複数位置にて該ダンパシリンダの軸方向に沿って穿設した各支持孔のそれぞれにプランジャピンを移動可能に挿通し、プランジャピンの上端面をアジャスト部材の下端面に突当て、プランジャピンの下端面に中間ばね支持部材の上端面を突当ててなり、プランジャピンの外周に設けたシール部材をダンパシリンダの支持孔に摺動自在に嵌合してなるようにした。これにより、車体側チューブの上部にダンパシリンダを内蔵している油圧緩衝器において、ばね荷重調整装置を設置することができる。
10 フロントフォーク(油圧緩衝器)
11 車体側チューブ
12 車軸側チューブ
13 懸架スプリング
16 ダンパシリンダ
16A、16B シリンダチューブ
20 ピストンロッド
24 上ばね受
25 下ばね受
31 油溜室
32 空気ばね室
40 ピストンバルブ装置
42 メインピストン
43A ピストン側油室
43B ロッド側油室
44 流路
44A 伸側バルブ(伸側減衰バルブ)
50 ベースバルブ装置(減衰バルブ装置)
51 ガイドパイプ(支持軸)
52 サブピストン
53 サブタンク室
54 流路
54A 圧側バルブ(圧側減衰バルブ)
61 フリーピストン
70 ばね荷重調整装置
71 アジャスト部材
72 プランジャピン
73 シール部材
80 中間ばね支持部材
85 スプリングカラー
85A 油孔
86 ガイドリング
87 逆止弁

Claims (6)

  1. 車体側チューブに車軸側チューブを摺動自在に挿入し、
    車体側チューブの内部で該車体側チューブに連結したダンパシリンダに、車軸側チューブの内部で該車軸側チューブに連結したピストンロッドに設けたメインピストンを摺動自在に挿入し、このメインピストンによりダンパシリンダの内部をピストン側油室とロッド側油室に区画し、
    ダンパシリンダの内部でメインピストンより上部に体積補償用のフリーピストンを移動自在に設け、
    車体側チューブと車軸側チューブの内部で、該車体側チューブの側の上ばね受と該車軸側チューブの側の下ばね受との間に懸架スプリングを介装してなる油圧緩衝器において、
    車体側チューブの上部にばね荷重調整装置を設けたものであり、
    ばね荷重調整装置は、車体側チューブの外部に臨むアジャスト部材により、車体側チューブの内部でダンパシリンダの周囲に設けた中間ばね支持部材を介して上ばね受を昇降させて懸架スプリングのばね荷重を調整し、
    前記ばね荷重調整装置が、
    ダンパシリンダの上端部の中心軸まわりに螺着される環状のアジャスト部材を有するとともに、
    ダンパシリンダの上端側肉厚部の周方向複数位置にて該ダンパシリンダの軸方向に沿って穿設した各支持孔のそれぞれにプランジャピンを移動可能に挿通し、プランジャピンの上端面をアジャスト部材の下端面に突当て、プランジャピンの下端面に中間ばね支持部材の上端面を突当ててなり、プランジャピンの外周に設けたシール部材をダンパシリンダの支持孔に摺動自在に嵌合してなることを特徴とする油圧緩衝器。
  2. 車体側チューブに車軸側チューブを摺動自在に挿入し、
    車体側チューブの内部で該車体側チューブに連結したダンパシリンダに、車軸側チューブの内部で該車軸側チューブに連結したピストンロッドに設けたメインピストンを摺動自在に挿入し、このメインピストンによりダンパシリンダの内部をピストン側油室とロッド側油室に区画し、メインピストンのピストン側油室とロッド側油室を連絡する流路に伸側減衰バルブを設け、
    ダンパシリンダの内部でメインピストンより上部に該メインピストンと相対するサブピストンを設け、このサブピストンによりダンパシリンダの内部のピストン側油室に対する上方にサブタンク室を区画し、サブピストンのピストン側油室とサブタンク室を連絡可能にする流路に圧側減衰バルブを設け、
    ダンパシリンダの内部でサブピストンより上部に該サブピストンと相対する体積補償用のフリーピストンを移動自在に設け、
    車体側チューブと車軸側チューブの内部で、該車体側チューブの側の上ばね受と該車軸側チューブの側の下ばね受との間に懸架スプリングを介装してなる油圧緩衝器において、
    車体側チューブの上部にばね荷重調整装置を設けたものであり、
    ばね荷重調整装置は、車体側チューブの外部に臨むアジャスト部材により、車体側チューブの内部でダンパシリンダの周囲に設けた中間ばね支持部材を介して上ばね受を昇降させて懸架スプリングのばね荷重を調整し、
    前記ばね荷重調整装置が、
    ダンパシリンダの上端部の中心軸まわりに螺着される環状のアジャスト部材を有するとともに、
    ダンパシリンダの上端側肉厚部の周方向複数位置にて該ダンパシリンダの軸方向に沿って穿設した各支持孔のそれぞれにプランジャピンを移動可能に挿通し、プランジャピンの上端面をアジャスト部材の下端面に突当て、プランジャピンの下端面に中間ばね支持部材の上端面を突当ててなり、プランジャピンの外周に設けたシール部材をダンパシリンダの支持孔に摺動自在に嵌合してなることを特徴とする油圧緩衝器。
  3. 前記プランジャピンの上端面がアジャスト部材の下端面に設けたピン係合凹部に没入する状態で、プランジャピンの上端面をアジャスト部材の下端面に突き当て可能にする請求項1又は2に記載の油圧緩衝器。
  4. 前記中間ばね支持部材がダンパシリンダの周囲に設けられるスプリングカラーからなり、
    スプリングカラーは、ダンパシリンダの外周との間と、車体側チューブ又は車軸側チューブの内周との間のそれぞれに内外の環状スペースを形成するように該ダンパシリンダの周囲に配置されるとともに、内外の環状スペースをそれらの上部で互いに連通する油孔を有してなる請求項1〜のいずれかに記載の油圧緩衝器。
  5. 前記スプリングカラーの下端部に設けたガイドリングが車軸側チューブの内周に摺接し、ダンパシリンダの外周から離隔する請求項に記載の油圧緩衝器。
  6. 前記ガイドリングに、車軸側チューブの底部寄りの油溜室からスプリングカラーの外側環状スペースへの油の流入を制限し、該外側環状スペースから該油溜室への油の流出を許容する逆止弁を設けてなる請求項に記載の油圧緩衝器。
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