JP5491312B2 - 多軸工作機械の幾何誤差の計測方法 - Google Patents

多軸工作機械の幾何誤差の計測方法 Download PDF

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本発明は、多軸工作機械において幾何誤差を計測し補正するための幾何誤差の計測方法(同定方法)に関するものである。
工作機械として、能率の高い加工や複雑な形状のワークの加工を行う目的で従来の3軸マシニングセンタに回転軸や旋回軸を付加した5軸マシニングセンタ等の多軸工作機械が知られており、そのような多軸工作機械における加工精度の向上が望まれている。
多軸工作機械においては、一般的に、軸数が増えると、組み付けの精度が悪化し、加工精度が悪くなる傾向にあるが、組み付けの精度の向上には限界があるため、隣り合う軸間の傾きや位置誤差といった所謂幾何誤差を計測し、その幾何誤差を補正することによって加工精度を向上させる補正システムが開発されている。
幾何誤差を計測(同定)する手法として、従来は、変位計と直角スコア等の複数の計測対象をセッティングしてそれらの計測対象の所定部分の計測結果に基づいて幾何誤差を求める方法や、ボールバーを用いて同時2軸および同時3軸円弧動作を計測したときの計測結果を用いて幾何誤差を求める方法(特許文献1)が利用されていたが、どちらも高価な測定器が必要である上、計測者の技量により結果が異なったものとなる等の不具合があった。
そのため、高価な測定器を必要とせず計測者の技量に左右されない幾何誤差の同定方法として、工作機械の主軸にタッチプローブを付け、テーブルにターゲット(被計測治具)となる球を設置して、自動で旋回軸や回転軸の割出動作を複数回行い、各割出条件でターゲットの位置を計測し、それらの計測結果に基づいて幾何誤差を自動的に求める(同定する)計測方法が開発されている。
特開2004−219132号公報
しかしながら、上記した計測方法で用いるターゲットは、実際のワークの加工時には干渉対象となるため、幾何誤差計測を行う際にテーブル等に取り付け、計測が完了するとテーブルから取り外す必要がある。取り外しを容易にするためにマグネットにより固定するターゲットも開発されているが、そのようなターゲットを用いると、計測中にターゲットが動いてしまう可能性がある。ところが、計測中にターゲットが動いても、タッチプローブの計測範囲内であれば計測可能な状態が維持されてしまうため、計測結果に、ターゲットの位置の変動量も含まれてしまうこととなる。そして、そのようにターゲットの位置の変動量が含まれたまま幾何誤差を同定すると、同定結果に不測の誤差が生じ、そのような同定結果を用いて幾何誤差補正システムで補正を行うと、加工精度を向上させることができないばかりか、却って悪化させてしまう事態も起こり得る。
本発明の目的は、上記従来の計測方法が有する問題点を解消し、外乱に基づいて不適切な幾何誤差が計測された場合であっても、そのような不適切な幾何誤差に基づく補正の実行により多軸工作機械の加工精度が低下する事態を、きわめて効果的に防止することが可能な幾何誤差の計測方法を提供することにある。
本発明の内、請求項1に記載された発明は、複数の直進軸、回転軸を有する工作機械において、主軸に設けたセンサによってテーブルに設置されたターゲット(被計測治具)の位置を計測し、計測された位置に関する情報に基づいて、直進軸、回転軸に関連した幾何誤差を算出して同定する幾何誤差の計測方法であって、前記幾何誤差の同定前に、前記直進軸あるいは回転軸を複数の条件で割り出して、ターゲットの所定部位の長さを計測してそれらの計測値のバラツキを算出し、そのバラツキが所定値を超えた場合に計測ミスと判断する外乱誤差有無確認ステップを実行することを特徴とするものである。
請求項2に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記外乱誤差有無確認ステップが、初期設定位置でターゲットの所定部位の長さの計測を実行した後に、直進軸あるいは回転軸を別の複数の位置に割り出してターゲットの所定部位の長さを計測するとともに、それらの直進軸あるいは回転軸の割り出し後の各計測値と、前記ターゲットの設置位置確認時の計測値との差が、予め設定された計測値変動量許容値を上回る場合に、計測ミスと判断することを特徴とするものである。
請求項3に記載された発明は、請求項1に記載された発明において、前記外乱誤差有無確認ステップが、初期設定位置でターゲットの所定部位の長さの計測を実行した後に、直進軸あるいは回転軸を別の複数の位置に割り出してターゲットの所定部位の長さを計測するとともに、それらの直進軸あるいは回転軸の割り出し後の各計測値と、前記ターゲットの設置位置確認時の計測値との差が、予め設定された計測値変動量許容値を上回る場合に、前記直進軸あるいは回転軸の割り出し後の各計測値の平均値を算出し、その平均値と、前記ターゲットの設置位置確認時の計測値との差が、前記計測値変動量許容値を上回る場合に、計測ミスと判断することを特徴とするものである。
請求項4に記載された発明は、請求項1〜3のいずれかに記載された発明において、前記初期設定位置でターゲットの設置位置を計測した後、前記直進軸あるいは回転軸の割り出し後の各計測を実行してから、ターゲットの設置位置が初期設定位置となるように直進軸あるいは回転軸を割り出してターゲットの設置位置を再度計測し、その再計測されたターゲットの設置位置と、前記初期設定位置とのずれが、予め設定されたターゲットの位置変動量許容値を上回る場合に、計測ミスと判断するものであることを特徴とするものである。
請求項5に記載された発明は、請求項1〜3のいずれかに記載された発明において、前記直進軸あるいは回転軸の任意の割り出し条件において前記ターゲットの設置位置を計測した後、同じ割り出し条件においてターゲットの設置位置を再度計測し、その再計測されたターゲットの設置位置と、前回の計測時における設置位置とのずれが、予め設定されたターゲットの位置変動量許容値を上回る場合に、計測ミスと判断することを特徴とするものである。
請求項6に記載された発明は、請求項1〜請求項5のいずれかに記載された発明において、幾何誤差を同定する毎に、その同定された幾何誤差に基づいて算出された幾何誤差の補正パラメータを、新たな補正パラメータとして更新するパラメータ更新ステップを有しているとともに、計測ミスと判断した場合には、前記パラメータ更新ステップを実行しないことを特徴とするものである。
請求項7に記載された発明は、請求項1〜請求項6のいずれかに記載された発明において、計測ミスと判断した場合に、その事態を報知し、前記ターゲットの位置あるいは所定部位の長さの計測を中断することを特徴とするものである。
請求項8に記載された発明は、請求項1〜請求項7のいずれかに記載された発明において、前記ターゲットが球状のものであり、前記ターゲットの所定部位の長さが球の直径であることを特徴とするものである。
本発明に係る幾何誤差の計測方法によれば、幾何誤差の計測中にターゲット(被計測治具)の位置がずれたり、不測の振動によりタッチプローブがターゲットに接触した旨の信号を発する等の原因により不適切な幾何誤差(外乱による誤差を含む幾何誤差)が同定された場合であっても、そのような不適切な幾何誤差に基づく補正の実行により多軸工作機械の加工精度が低下する事態を、きわめて効果的に防止することが可能となる。
マシニングセンタを示す説明図(斜視図)である。 マシニングセンタの制御機構を示すブロック図である。 記憶手段の概念図である。 主軸頭にタッチプローブを装着し、テーブルにターゲットを装着した状態を示す説明図である。 C軸の複数の割出位置でターゲット球を計測する様子を示す説明図である。 A軸の複数の割出位置でターゲット球を計測する様子を示す説明図である。 ターゲット球の直径の算出方法を示す説明図である。 外乱誤差有無確認処理の内容を示すフローチャートである。 ターゲット球の直径の再計測処理の内容を示すフローチャートである。
以下、本発明に係る幾何誤差の計測方法の一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
<多軸工作機械の構成>
図1は、多軸工作機械の一例である5軸制御マシニングセンタ(テーブル旋回型5軸機)を示したものである(以下、単にマシニングセンタMという)。マシニングセンタMのベッド(基台)1には、正面視略U字状のトラニオン5が、Y軸に沿ってスライド可能に設けられており、当該トラニオン5には、正面視略U字状のクレードル4が、A軸(回転軸)を中心として、回転可能に設けられている。さらに、クレードル4には、円盤状のテーブル3が、A軸と直交するC軸(回転軸)を中心として、回転可能に設けられている。また、ベッド1の上部には、工具を装着可能な主軸頭2が、Y軸と直交するX軸、および、それらのX,Y軸と直交するZ軸に沿ってスライド可能に設けられている。当該主軸頭2は、装着した工具をZ軸を中心として回転させることができるようになっている。
上記マシニングセンタMは、主軸頭2に装着された工具を回転させた状態で、テーブル3に固定された被加工物(ワーク)に対して、当該主軸頭2を相対的にアプローチさせることによって、被加工物と工具との相対位置および相対姿勢を制御しながら、被加工物に対して種々の加工を施すことができるようになっている。また、マシニングセンタMは、上記の如く構成されているため、被加工物から工具までの軸のつながりが、C軸→A軸→Y軸→X軸→Z軸の順番になっている。
また、図2は、上記したマシニングセンタMの制御機構を示すブロック図であり、トラニオン5、主軸頭2を並進させるための各サーボモータ、および、クレードル4、テーブル3を回転させるための各サーボモータは、制御装置(数値制御装置)21によって駆動制御されるようになっている。また、制御装置21には、割出位置(割出条件)等を設定するための入力手段31、後述する同定環境判定の結果等を出力するためのモニタやスピーカ等の出力手段32等が接続されている。さらに、制御装置21には、記憶手段22が設けられており、当該記憶手段22内には、図3の如く、各種のプログラムを記憶するためのプログラム記憶領域23、各種の演算に用いる変数等を記憶するための変数記憶領域24、予め設定された各種の許容値等を記憶するための許容値記憶領域25等が設けられている。
そして、プログラム記憶領域23には、同定された幾何誤差に基づいて当該幾何誤差の補正に用いる補正パラメータを算出するための補正パラメータ算出プログラムや、補正パラメータを算出する毎に、算出後の補正パラメータを新たな補正パラメータとして自動更新するためのパラメータ更新プログラム等が記憶されている。また、許容値記憶領域25には、予め設定された直径変動量許容値(閾値)Daや、予め設定された位置変動量許容値(閾値)Pa等が記憶されている。
<マシニングセンタの幾何誤差>
次に、上記したマシニングセンタMの幾何誤差について説明する。ここでは、幾何誤差が、各軸間の相対並進誤差3方向および相対回転誤差3方向の合計6成分(δx,δy,δz,α,β,γ)からなるものであると仮定する。また、各幾何誤差は、挟まれた2つの軸名称を添えて示すものとする。たとえば、C軸とA軸との間のY方向の並進誤差は、δyCA,Y軸とX軸との間のZ軸周りの回転誤差は、γYXと表記する。また、工具を示す記号はTとする。
マシニングセンタMにおける被加工物から工具までの軸のつながりは、C軸,A軸,Y軸,X軸,Z軸の順番であるため、Z軸と工具間も考慮すると合計60個の幾何誤差が存在するが、冗長の関係となるものにおいて1つを残し他を除外すると、最終的な幾何誤差は、δxCA,δyCA,αCA,βCA,δyAY,δzAY,βAY,γAY,γYX,αXZ,βXZ,αZT,βZTの合計13個となる。なお、それらの内のγYX,αXZ,βXZ,αZT,βZTの5つは、直進軸に関する幾何誤差であり、それぞれ、X−Y軸間直角度,Y−Z軸間直角度,Z−X軸間直角度,工具−Y軸間直角度,工具−X軸間直角度である。他の8つは、回転軸に関する幾何誤差であり、それぞれ、C軸中心位置X方向誤差,C−A軸間オフセット誤差,A軸角度オフセット誤差,C−A軸間直角度,A軸中心位置Y方向誤差,A軸中心位置Z方向誤差,A−X軸間直角度,A−Y軸間直角度である。それゆえ、マシニングセンタMにおける幾何誤差は、δxCA,δyCA,αCA,βCA,δyAY,δzAY,βAY,γAY,γYX,αXZ,βXZ,αZT,βZTの合計13個のパラメータを求めることによって同定される。
<幾何誤差の同定方法>
上記した幾何誤差の同定方法について、以下に説明する。幾何誤差を同定する際には、図4の如く、主軸頭2に、工具の代わりにタッチプローブ11を装着させ、テーブル3にターゲットであるターゲット球12を固定させる(ターゲット球12の土台に組み付けられた磁石等によって固定させる)。なお、タッチプローブ11は、ターゲット球12に接触したことを感知するセンサ(図示せず)を有しており、接触を感知した場合に赤外線や電波等で信号を発することができるようになっている。一方、マシニングセンタMの制御装置21は、接続された受信機によりタッチプローブ11から発せられた信号を受信した瞬間(もしくは遅れ分を考慮した時点)の各軸の現在位置を、測定値として記憶手段22に記憶することができるようになっている。そして、制御装置21からの指令により、A軸、C軸の所定の割出状態において、タッチプローブ11によりターゲット球12の中心位置等を計測し、その計測値に基づいて幾何誤差の同定(計測)を実行する。
ここで、ターゲット球12の中心位置の計測値と幾何誤差との関係について説明する。ターゲット球12の中心位置がテーブル座標系(幾何誤差がない理想な状態でA軸とC軸との交点を原点とし、そのX軸がマシニングセンタMのX軸に平行であるテーブル3上の座標系)で(R,0,H)であるとする。幾何誤差がない場合のターゲット球12の中心位置計測値(x,y,z)は、A軸角度をa、C軸角度をcとすると、次に示す[数1]で表すことができる。
Figure 0005491312
一方、ターゲット球12の取付位置の誤差(δxWC,δyWC,δzWC)を含めた幾何誤差が存在する場合のターゲット球12の中心位置の計測値(x’,y’,z’)に関する行列関係式は、次の[数2]となる。ただし、幾何誤差が微小であるとして近似している。
Figure 0005491312
この[数2]を展開すると次の[数3]となる。ここで、式の簡略化のため、幾何誤差同士の積は微小であるとして0に近似している。
Figure 0005491312
幾何誤差を同定する際には、初めに、テーブル3の上面が主軸頭2(Z軸)と垂直になる状態(A軸角度a=0°)にA軸を割り出し、C軸角度cを0°から任意の角度ピッチで割り出して1周分nヶ所のターゲット球12の中心位置の計測を行う。たとえば、角度ピッチを30°とすると、図5に示すように0°から330°まで12ヶ所の計測を行う(以下、この計測を割出計測という)。これにより、i=1〜nとするとn個の球中心位置計測値(x’,y’,z’)が得られ、計測値は円軌跡を描くことになる。なお、幾何誤差の同定におけるA軸、C軸の割出位置(割出条件)は、予め、制御装置21の記憶手段22内に記憶されている。
ここで、計測値のXY平面上での半径、すなわち、C軸の中心位置から各中心位置計測値までの距離は、幾何誤差がない場合はRであり、幾何誤差がある場合には半径誤差ΔRXYが加わる。このΔRXYは[数3]を変形して近似することで、次の[数4]に示すように算出することができる。
Figure 0005491312
この[数4]に[数3]を代入すると、次の[数5]が得られる。したがって、ΔRXYは0次(半径誤差),1次(中心偏差),2次(楕円形状)の成分を含んだ円軌跡となる。
Figure 0005491312
また、360°を等間隔でn個に分割した角度θ〜θの正弦・余弦関数には次の[数6]のような性質がある。
Figure 0005491312
そして、[数5]の2次正弦成分に着目し、この[数6]の性質を利用する。各中心位置計測値に対応するΔRXYiに、それぞれ割り出したときのC軸角度cの2次の正弦値を掛け合わせて平均を取ることで2次正弦成分rb2が得られ、これを変形すると次に示す[数7]となり、X−Y軸間直角度γYXを求めることができる。
Figure 0005491312
さらに1次成分を抽出する。ΔRXYiにC軸角度cの1次の余弦値もしくは正弦値を掛け合わせることで1次余弦成分ra1および1次正弦成分rb1が得られ、これを変形して次の[数8]が得られる。
Figure 0005491312
なお、[数3]を変形して各中心位置計測値のX座標x’、Y座標y’の平均をそれぞれ求めることで[数9]が得られる。この[数9]は円軌跡の中心、すなわち1次成分を求めるものであり、[数8]の代わりに用いることができる。
Figure 0005491312
一方、[数3]の中心位置計測値のZ座標の式からわかるように、Z座標値はC軸角度cに対して0次、1次余弦・正弦成分を持った円である。この円の1次成分を抽出するため、各中心位置計測値のZ座標に、それぞれ割り出したときのC軸角度cの余弦値、正弦値を掛け合わせると、次の[数10]が得られる。βAYは別の方法もしくは後述の測定および式から求めて代入することにより、C軸の傾き誤差に関する幾何誤差であるβCA,αCAを求めることができる。
Figure 0005491312
次に、A軸を0°以外の任意の角度aに傾けて、C軸角度cを0°から任意の角度ピッチで割り出して1周分nヶ所でターゲット球12の中心位置の計測を行う(割出計測)。先と同様に、中心位置計測値は円軌跡を描くが、その半径、すなわち、A軸とC軸との交点から各中心位置計測値までの距離は、幾何誤差がない場合はRであり、幾何誤差がある場合は半径誤差ΔRが加わる。ΔRは[数3]を変形して近似することで得られる次の[数11]で示される。
Figure 0005491312
この[数11]に[数3]を代入すると次の[数12]が得られる(なお、ra0,ra1,rb1,ra2の詳細な式については省略する)。
Figure 0005491312
この[数12]は[数5]と同様に、0〜2次成分を含んだ円軌跡である。2次正弦成分に着目し、各中心位置計測値に対応するΔRに、それぞれ割り出したときのC軸角度cの2次の正弦値を掛け合わせると、次に示す[数13]が得られる。この[数13]に対し[数7]や別の方法で求めたγYXを代入することで、βXZを求めることができる。
Figure 0005491312
ここで、A軸の割り出し角度によっては、主軸頭2とテーブル3等との干渉や、各軸の可動範囲の制限等により、1周分測定できない場合がある。1周分の中心位置計測値がない場合は[数13]を使うことができない。その場合、複数の中心位置計測値を用いて[数12]の係数を最小自乗法等で解くことにより次の[数14]が得られる。
Figure 0005491312
次に、図6に示すように、C軸角度cを90°もしくは−90°に割り出し、A軸を任意の複数の角度に割り出してmヶ所のターゲット球12の中心位置の計測を行う(割出計測)。A軸は機構的に1周回転することができない場合が多く、できたとしてもタッチプローブ11により計測できないため、1周分ではなく、ある角度範囲の間で計測を行う。中心位置計測値のX座標に着目すると、[数3]から次に示す[数15]が得られる。
Figure 0005491312
すなわち、[数15]は、0,1次成分を含んだ円弧を示しているといえる。ただし、C軸角度cを90°,−90°と変えて混在させると、cに依存した0次成分も加わる。[数12]の各成分の係数を変数として最小自乗法等で求めることで次の[数16]が得られる。したがって、βXZを上述の方法もしくは別の方法で求めて代入することで、A軸の傾き誤差に関する幾何誤差γAYとβAYとを求めることができる。
Figure 0005491312
次に、中心位置計測値のY,Z座標に着目する。幾何誤差による円軌跡の半径誤差、すなわち、A軸中心から球中心までの距離の誤差ΔRYZは次の[数17]から得られる。
Figure 0005491312
この[数17]に[数3]を代入すると次の[数18]となる。なお、ra0,rc0の詳細な式については省略する。
Figure 0005491312
したがって、ΔRYZは0〜2次成分を含んだ円弧軌跡であり、各成分の係数を最小自乗法等で解くことにより、次の[数19]が得られる。
Figure 0005491312
ここで、[数18]の係数を求めることは、円弧の半径と中心位置、および円弧に含まれる楕円成分の大きさを求めることと同じである。一般的に、円弧の中心位置や楕円成分を求めることは、円弧角度が小さいほど精度が悪くなる。そこで、図6に示すように、C軸を90°(ターゲット球12の中心位置がep1〜ep4)と−90°(ターゲット球12の中心位置がen1〜en4)の両方に割り出して計測する。これにより円弧角度を広くすることができ、同定精度を上げることができる。なお、αXZを求める必要がない場合は、[数19]において、2次成分であるra2、rb2を0として無視して計算を行っても良い。
以上から、前述の方法でターゲット球12の中心位置を複数箇所測定し、上述の数式を用いて計算することで、回転軸(A軸、C軸)に関する幾何誤差8個に加えて、直進軸(Y軸、X軸、Z軸)に関する3個も併せて11個の幾何誤差を同定することが可能である。なお、残りの2つは別の方法で同定しておく必要がある。
<外乱誤差の有無の確認>
マシニングセンタMにおいては、制御装置21内で、上記した方法により幾何誤差を同定するが、その際に、その同定される幾何誤差中に外乱(ターゲット球の位置ずれ等)による誤差が入り込んでいるか否かを判定する外乱誤差有無確認処理(以下、単に確認処理という)を実行する(この処理を、外乱誤差有無確認ステップという)。当該確認処理においては、A軸、C軸の各割り出し位置において、以下の方法により、マシニングセンタMの主軸頭2を、各直線軸(Y軸、X軸、Z軸)の内の一つに沿って動かし、ターゲット球12にタッチプローブ11を合計で5回接触させることによって、ターゲット球12の直径を計測する。そして、計測されたターゲット球12の直径の計測値およびターゲット球12の設置位置を対比し、その結果に基づいて、同定される幾何誤差中に外乱による誤差が入り込んでいるか否かをを判定する。
<ターゲット球の直径の計測方法>
図7は、ターゲット球の直径を計測する方法の一例を図式化したものである。ターゲット球12の直径を計測する際には、まず、主軸頭2を、X軸方向に動かして、タッチプローブ11をターゲット球12に接触させる。そして、+X方向からターゲット球12に接触させて計測した結果(TP1)と、−X方向からターゲット球12に接触させて計測した結果(TP2)とを用いて、下式1により、ターゲット球12のX軸方向における中心位置Xを算出する。なお、TP1,TP2の計測の際には、Y軸およびZ軸においては主軸頭2を同じ位置に保たせる。また、そのときの主軸頭2のZ軸における位置をZTP1234とする。
=(XTP1+XTP2)/2 ・・・1
次に、主軸頭2を、X軸方向に沿って、ターゲット球12のX軸方向における中心位置Xsに移動させた後に、当該主軸頭2を、X軸およびZ軸においては同じ位置を保ったままY軸方向に動かして、タッチプローブ11をターゲット球12に接触させる。そして、+X方向からターゲット球12に接触させて計測した結果(TP3)と、−X方向からターゲット球12に接触させて計測した結果(TP4)とを用いて、下式2により、ターゲット球12のY軸方向における中心位置Yを算出する。
=(YTP3+YTP4)/2 ・・・2
このとき、ZTP1234(すなわち、X,Y計測時のZ軸方向における主軸頭2の位置)で計測したターゲット球12の半径RXYは、下式3によって求められる。
XY=(YTP3−YTP4)/2 ・・・3
最後に、主軸頭2を、Y軸方向に沿って、ターゲット球12のY軸方向における中心位置Ysに移動させた後に、当該主軸頭2を、X軸およびY軸においては同じ位置を保ったまま、+Z方向からZ軸方向に沿って動かして、タッチプローブ11をターゲット球12に接触させることにより、計測結果(TP5)を得る。このとき、ターゲット球12の半径をRとすると、以下の下式4が成り立つ。
=RXY +[R+(ZTP5−ZTP1234)] ・・・4
よって、ターゲット球12の計測直径Dは、下式5によって求められる。
=[RXY +(ZTP5−ZTP1234]/(ZTP5−ZTP1234) ・・・5
なお、上記したように幾何誤差を同定(計測)するためには、ターゲット球12の中心位置を求める必要があるため、各割出位置において、ターゲット球12の中心位置および直径を計測する際には、制御装置21により、主軸頭2(タッチプローブ11)の移動回数が最も少なくなるように制御される。
<外乱誤差有無確認処理の内容>
以下、制御装置21内で実行される外乱誤差有無確認処理の内容について、図8のフローチャートにしたがって具体的に説明する。
外乱誤差有無確認処理においては、まず、A軸、C軸の各割り出し条件でのターゲット球12の直径の計測前に、ターゲット球12の設置位置および直径を計測する(以下、この計測を設置位置確認計測という)。そして、その計測により得られたターゲット球12の中心位置XYZ(X,Y,Z)および直径(以下、基準値Dsという)を、計測時のA軸、C軸の割り出し位置と対応させて記憶手段22内に記録する(S1−a)。
次に、幾何誤差の同定を行うための各割り出し条件でのターゲット球12の設置位置の計測(以下、割出計測という)を、所定の回数だけ実行する(S1−b)。それぞれの計測においては、まず、計測条件に設定されているA軸とC軸の割出動作を実行する(S1−c)。その割出動作によって、ターゲット球12の位置が変動するため、割出動作毎に、上記した方法(すなわち、主軸頭2を、マシニングセンタMのY軸、X軸、Z軸の内の一つに沿って動かし、タッチプローブ11をターゲット球12に複数回接触させる方法)によって、ターゲット球12の中心位置と直径とを計測し、それらの計測結果を記憶手段22内に記録する(S1−d)。
上記の如く、所定の割出位置でターゲット球12の中心位置と直径との計測を行った後には、その計測された直径が確からしいか否かの評価を行う。かかる評価においては、設置位置確認計測時におけるターゲット球12の直径の計測結果である基準値Ds、および、予め設定された直径変動量許容値Da(閾値)を、記憶手段22内から呼び出す(S1−e,S1−f)。そして、下式6により、当該割出動作後に計測されたターゲット球12の直径の値Dmと、基準値Dsとの差が、直径変動量許容値Daの範囲内に収まっているか否か判定する(S1−g)。
Ds−Da/2<Dm≦Ds+Da/2 ・・・6
(ただし、Dsは基準値、Daは直径変動量許容値、Dmは割出動作後の計測値)
そして、上記関係を満たしている場合には、計測結果には問題がない(外乱による誤差が含まれていない)と判断する。一方、上式6の関係を満たしていない場合には、計測中にターゲット球12の位置ずれ等の外乱による誤差が入ったと判定して直径変動NGフラグを有効にする(S1−h)。そして、そのような判定を、全ての割出計測毎に実施する。
さらに、上記した全ての割出計測の完了後に、再度、設置位置確認計測時におけるターゲット球12の設置位置へ、A軸とC軸とを割り出し、ターゲット球12の中心位置XYZ(X,Y,Z)および直径を計測する(S1−i)(以下、再計測ステップという)。
上記の如く、設置位置確認計測時におけるターゲット球12の設置位置においてターゲット球12の中心位置および直径を再計測した後には、設置位置確認計測時と再計測時との計測値の変動量△XYZを下式7により算出する。
△XYZ=√[(X−X+(Y−Y+(Z−Z] ・・・7
しかる後、記憶手段22内に記憶されている予め設定されたターゲット球12の位置変動量許容値Pa(閾値)を呼び出し、算出された変動量△XYZと、呼び出された位置変動量許容値Paとを比較する(S1−j)。
そして、変動量△XYZを位置変動量許容値Paとを比較した結果、変動量△XYZが位置変動量許容値Pa以下であった場合には、計測結果には問題ない(外乱による誤差が含まれていない)と判断する。一方、変動量△XYZが位置変動量許容値Paを上回る場合には、計測中にターゲット球12の位置ずれ等の外乱による誤差が入った(計測ミスが発生した)と判断し、設置位置変動NGフラグを有効にする(S1−k)。
また、直径変動NGフラグが有効になっている場合には、ターゲット球12の設置位置確認計測時に計測ミスが生じていた可能性もあるため、当該直径変動NGフラグの再確認を行う(S1−l)。
図9は、直径変動NGフラグの再確認における処理内容を示すフローチャートであり、直径変動NGフラグを再確認する場合には、まず、記憶手段22内から全ての割出計測におけるターゲット球12の直径の計測結果を呼び出し(S2−a)、それらの計測結果の中から、最大値Dmmaxと最小値Dmminを取得する(S2−b)。そして、最大値Dmmaxと最小値Dmminとの差が、下式8を満たす場合には、計測ミスはないと判断する(S2−c)。
|Dmmax−Dmmin|<Da ・・・8
(ただし、Dmmaxは直径の最大値、Dmminは直径の最小値、Daは直径変動量許容値)
一方、最大値Dmmaxと最小値Dmminとの差が直径変動量許容値Daを超えていた場合には、ターゲット球12の設置位置確認計測時に計測ミスが生じていたと判断する。その場合には、統計手法を用いて、全ての計測値の平均値Dmavを算出し(S2−d)、全ての計測値Dmの内、下式9を満たさない計測値(すなわち、平均値Dmavとの差が直径変動量許容値Daを上回っている計測値)に対して、直径変動NGフラグを有効にする(S2−e)(以下、平均値比較ステップという)。
Dmav−Da/2≦Dm≦Dmav+Da/2 ・・・9
(ただし、Dmavは平均値、Dmは計測値、Daは直径変動量許容値)
しかる後、直径変動NGフラグが有効であるか否か判断し、直径変動NGフラグが有効になっていない(すなわち、計測ミスが生じていない)と判断した後には、上記した方法によって、幾何誤差の同定を実行する(S1−m)。そして、記憶手段22内に記憶された補正パラメータ算出プログラムに基づいて、同定された幾何誤差の補正に用いる補正パラメータを算出する。
幾何誤差の同定を実行した後には、直径変動NGフラグおよび設置位置変動NGフラグを再度確認し(S1−n)、それらのフラグが存在しない場合には、記憶手段22内に記憶されたパラメータ更新プログラムに基づいて、算出された補正パラメータを新たな補正パラメータとして自動更新し、その後に一連の処理を終了する(S1−o)。
一方、直径変動NGフラグあるいは設置位置変動NGフラグが存在した場合には、出力手段32によってアラームやメッセージ等を出力する(S1−p)。なお、この場合には、同定結果が誤差を含むものとなった可能性があるため、初期設定の内容に拘わらず、パラメータ更新プログラムに基づく補正パラメータの自動更新を実行することなく、一連の処理を終了する。
<幾何誤差計測方法による効果>
上記実施形態における幾何誤差の計測方法は、幾何誤差の同定前に、A軸およびC軸を複数の条件で割り出して、ターゲット球12の直径を計測してそれらの計測値のバラツキを算出し、そのバラツキが予め設定された閾値である直径変動量許容値Daを超えた場合に計測ミスと判断する外乱誤差有無確認ステップを実行するものであるため、不適切な幾何誤差(外乱に基づく誤差を含んだ幾何誤差)に基づく補正の実行によりマシニングセンタMの加工精度が低下する事態を、非常に効果的に防止することができる。
<幾何誤差計測方法の変更例>
本発明に係る幾何誤差の計測方法は、上記実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、必要に応じて適宜変更することができる。たとえば、本発明に係る計測方法は、上記実施形態の如く、球状のターゲット(被計測治具)を用いる方法に限定されず、直方体状等の他の形状のターゲットを用いて、その直方体状のターゲットの所定の辺の長さや所定の面同士の間隔の計測値のバラツキによって外乱誤差の有無を確認するものでも良い。
また、本発明に係る幾何誤差の計測方法は、上記実施形態の如く、外乱誤差有無確認処理においてNGフラグが存在すると判断した場合でも処理を継続するものに限定されず、NGフラグが存在した場合に計測ミスが存在する旨を出力して直ちに全ての処理を終了するもの等に変更することも可能である。
さらに、本発明に係る幾何誤差の計測方法は、上記実施形態の如く、外乱誤差有無確認処理において各割出動作後に計測されたターゲット球の直径Dmと基準値Dsとの差が直径変動量許容値Daの範囲内に収まっていない場合に、ターゲット球を設置位置確認計測時の位置に戻して再度直径の計測を行うものに限定されず、ターゲット球を設置位置確認計測時の位置以外の位置に移動させて再度直径の計測を行うもの等に変更することも可能である。
加えて、本発明に係る幾何誤差の計測方法は、上記実施形態の如く、外乱誤差有無確認処理において設置位置の再計測を実施する際に、変化量をスカラーとして捉えて位置変動量許容値Pa(スカラー)との比較により外乱誤差の有無を確認するものに限定されず、変化量をY軸方向、X軸方向、Z軸方向の各成分で捉えて位置変動量許容値PaのY軸方向成分、X軸方向成分、Z軸方向成分との比較により外乱誤差の有無を確認するもの等に変更することも可能である。
一方、各割出位置におけるターゲットの設置位置(中心位置)から求められる幾何誤差の同定方法も、上記実施形態の方法に限定されず、多軸工作機械の軸構成やターゲットの形状等に応じて適宜変更することができる。
また、ターゲットの設置位置(中心位置)や直径の測定は、上記実施形態の如く、タッチプローブをターゲットに接触させる方法に限定されず、非接触で距離が測定できるレーザ変位計を利用した方法や、3つ以上の変位センサを同時にターゲットに接触させて各変位センサの計測値からターゲットの中心位置や直径を求める方法等に変更することも可能である。
本発明に係る幾何誤差の計測方法は、上記の如く優れた効果を奏するものであるから、各種の多軸工作機械における幾何誤差の計測方法(同定方法)として好適に用いることができる。
M・・マシニングセンタ
1・・ベッド
2・・主軸頭
3・・テーブル
4・・クレードル
5・・トラニオン
11・・タッチプローブ
12・・ターゲット球
21・・制御装置

Claims (8)

  1. 複数の直進軸、回転軸を有する工作機械において、主軸に設けたセンサによってテーブルに設置されたターゲットの位置を計測し、計測された位置に関する情報に基づいて、直進軸、回転軸に関連した幾何誤差を算出して同定する幾何誤差の計測方法であって、
    前記幾何誤差の同定前に、前記直進軸あるいは回転軸を複数の条件で割り出して、ターゲットの所定部位の長さを計測してそれらの計測値のバラツキを算出し、そのバラツキが所定値を超えた場合に計測ミスと判断する外乱誤差有無確認ステップを実行することを特徴とする幾何誤差の計測方法。
  2. 前記外乱誤差有無確認ステップが、
    初期設定位置でターゲットの所定部位の長さの計測を実行した後に、直進軸あるいは回転軸を別の複数の位置に割り出してターゲットの所定部位の長さを計測するとともに、
    それらの直進軸あるいは回転軸の割り出し後の各計測値と、前記ターゲットの設置位置確認時の計測値との差が、予め設定された計測値変動量許容値を上回る場合に、計測ミスと判断するものであることを特徴とする請求項1に記載の幾何誤差の計測方法。
  3. 前記外乱誤差有無確認ステップが、
    初期設定位置でターゲットの所定部位の長さの計測を実行した後に、直進軸あるいは回転軸を別の複数の位置に割り出してターゲットの所定部位の長さを計測するとともに、
    それらの直進軸あるいは回転軸の割り出し後の各計測値と、前記ターゲットの設置位置確認時の計測値との差が、予め設定された計測値変動量許容値を上回る場合に、前記直進軸あるいは回転軸の割り出し後の各計測値の平均値を算出し、
    その平均値と、前記ターゲットの設置位置確認時の計測値との差が、前記計測値変動量許容値を上回る場合に、計測ミスと判断するものであることを特徴とする請求項1に記載の幾何誤差の計測方法。
  4. 前記初期設定位置でターゲットの設置位置を計測した後、前記直進軸あるいは回転軸の割り出し後の各計測を実行してから、ターゲットの設置位置が初期設定位置となるように直進軸あるいは回転軸を割り出してターゲットの設置位置を再度計測し、
    その再計測されたターゲットの設置位置と、前記初期設定位置とのずれが、予め設定されたターゲットの位置変動量許容値を上回る場合に、計測ミスと判断するものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の幾何誤差の計測方法。
  5. 前記直進軸あるいは回転軸の任意の割り出し条件において前記ターゲットの設置位置を計測した後、同じ割り出し条件においてターゲットの設置位置を再度計測し、
    その再計測されたターゲットの設置位置と、前回の計測時における設置位置とのずれが、予め設定されたターゲットの位置変動量許容値を上回る場合に、計測ミスと判断することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の幾何誤差の計測方法。
  6. 幾何誤差を同定する毎に、その同定された幾何誤差に基づいて算出された幾何誤差の補正パラメータを、新たな補正パラメータとして更新するパラメータ更新ステップを有しているとともに、
    計測ミスと判断した場合には、前記パラメータ更新ステップを実行しないことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の幾何誤差の計測方法。
  7. 計測ミスと判断した場合に、その事態を報知し、前記ターゲットの位置あるいは所定部位の長さの計測を中断することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の幾何誤差の計測方法。
  8. 前記ターゲットが球状のものであり、前記ターゲットの所定部位の長さが球の直径であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の幾何誤差の計測方法。
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