JP5490733B2 - 器械シール - Google Patents

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Description

本願は、一般に、医療器具に関し、特に、圧縮要素を貫通して延びる器械接触要素を含むシールを有する外科用アクセス器具に関する。
〔関連出願の説明〕
本願は、2008年3月14日に出願された米国特許出願第61/036,838号の権益主張出願であり、この米国特許出願を参照により引用し、その開示内容を本明細書の一部とする。
低侵襲手術は、器械が体壁を横切る1つ又は2つ以上の外科用アクセス器具を通って患者の体内に接近する手術の一形式である。腹腔鏡下手術は、低侵襲手術の一形式である。低侵襲手術で用いられる外科用アクセス器具は、トロカール又はカニューレ、シングルポート及びハンドポートを含む。器械は、アクセス器具に設けられている器械アクセスチャネルを通って患者の体内に接近し、器械アクセスチャネルは、器械とシールを形成する弁又はシールを有する。
幾つかの場合において、手術手技は、注入ガス、例えば二酸化炭素でインフレートされ又はかかるガスが注入された体腔内で実施され、かかる注入ガスは、上に位置する体壁を持ち上げてこれを体腔内の器官床(支持構造)から離し、それにより外科医に視界が遮られる度合いの少ない手術野を提供する。体腔が腹部である場合、注入状態は、「気腹術」と呼ばれる気腹術下で用いられる外科用アクセス器具は、これを貫通して延びる器械が存在している状態と存在していない状態の両方においてアクセスチャネルを封止し、それにより気腹度の低下を阻止する。
典型的なトロカールシールは、弾性隔膜シール及び隔膜シールを損傷、例えば引き裂き及び/又は穿刺から保護したり器械との接触から保護するシールド(遮蔽体)を含む。しかしながら、典型的な隔膜シールド及び/又はプロテクタは、隔膜シールのオリフィスを損傷から保護しない。オリフィスの周りの隔膜シールの露出部分は、器械に直接接触してこれに密着する。オリフィスの周りの隔膜シールのエッジを器械に露出することにより、シールの易損性(損傷を受けやすい)部分が幾つかの器械に見受けられる攻撃的な表面特徴部にさらされる。オリフィスの周りの隔膜シールの露出部分は、器械がトロカールを通って挿入されている間、極めて大きな応力下に配置され、オリフィスの周りの材料は、手術器械、特に鋭利なエッジ、アンダーカット、突起及び/又は他の厄介な幾何学的形状を含む器械との接触により引き起こされる傷又は切れ目を生じやすくなる。
多くの技術上の課題として、隔膜シールを設計して製造する課題が挙げられ、例えば、不規則な形状の手術器械を取り扱ったりシールと手術器械との間の抗力又は摩擦力と耐久性のバランスを取るという課題に直面している。エラストマーシール材料は、器械を挿入しているときに伸長し、それにより抗力が増大する。例えば、厚手の隔膜は、弾性があり且つ耐久性があるが、大径器械により小径オリフィスを拡張することにより生じる復元力に打ち勝つことに起因して高い器械抗力を示す。また、典型的な隔膜シールの油被覆又は内反的ひっくり返り(インバージョン)の結果として、正確な器械の動きが失われる場合がある。というのは、外科医は、器械の位置の大幅な変化と小幅な変化の手応え又は感覚の違いを受けるからである。砂時計形(鼓形)隔膜シールは、器械の挿入中に引き伸ばされる場合があり、これによっても抗力が増大する。
外科用アクセスポートが、器械接触機能を器械形状一致機能から切り離す弁又は器械シールを有する。器械シールの実施形態は、圧縮要素に設けられた開口部を貫通して延び、それにより器械オリフィスを形成する器械接触要素を有し、器械接触要素は、器械オリフィスを貫通して延びる器械に密着する。器械接触要素の実施形態は、例えば管又は筒体として非伸展性メンブレン又はフィルムを有する。器械接触要素の実施形態の中には、圧縮要素の開口部の近位側に位置する第1の端部及び圧縮要素の開口部の遠位側に位置する第2の端部を備えた砂時計の形態を有するものがある。器械接触要素の実施形態の中には、圧縮要素の開口部に「巻き付いた」ものもあり、その第1の端部及び第2端部は、開口部の同一側に、例えば開口部の近位側に固定されている。圧縮要素の実施形態は、エラストマーシール、例えば隔膜シール及び/又はゲルシールを有する。
幾つかの実施形態では、器械シールを有する外科用アクセス器具であって、器械シールは、近位端から遠位端まで延びる長手方向軸線と、長手方向軸線に沿って延びる器械アクセスチャネルと、シールハウジングと、シールハウジング内に設けられていて、アクセスチャネルと整列した開口部を有する弾性圧縮要素と、圧縮要素に設けられると共に圧縮要素の開口部を貫通して延び、それにより器械オリフィスを形成する非伸展性器械接触要素とを有することを特徴とする外科用アクセス器具が提供される。器械シールは、オリフィスを貫通して延びる器械が存在しない場合、第1の状態を有し、器械シールは、オリフィスを貫通して延びる器械が存在する場合、第2の状態を有し、第2の状態では、器械接触要素は、器械に密着する。
幾つかの実施形態では、弾性圧縮要素は、隔膜シールから成る。幾つかの実施形態では、弾性圧縮要素は、ポリイソプレンから成る。幾つかの実施形態では、弾性圧縮要素の伸び率は、少なくとも約600%である。
幾つかの実施形態では、器械接触要素は、ポリオレフィンフィルムから成る。幾つかの実施形態では、器械接触要素は、非拘束状態では実質的に円筒形である。幾つかの実施形態では、器械接触要素の最小拘束直径は、器械シールが受け入れるよう設計されている最も大きな器械の直径と少なくともほぼ同じ大きさである。
幾つかの実施形態では、外科用アクセス器具は、器械シールを備えたシール組立体と、シール組立体から延びるカニューレとを有するトロカールであり、アクセスチャネルは、シール組立体及びカニューレを貫通して延びている。幾つかの実施形態は、アクセスチャネルと整列したゼロシールを更に有する。
幾つかの実施形態では、器械シールを有する外科用アクセス器具であって、器械シールは、近位端から遠位端まで延びる長手方向軸線と、長手方向軸線に沿って延びる器械アクセスチャネルと、シールハウジングと、シールハウジング内に設けられたエラストマー圧縮要素と、器械シールの近位端から遠位端まで延びると共に圧縮要素を貫通して延び、それによりアクセスチャネルを貫通させるオリフィスオリフィスを形成する非伸展性器械接触要素とを有することを特徴とする外科用アクセス器具が提供される。器械シールは、オリフィスを貫通して延びる器械が存在しない場合、第1の状態を有し、器械シールは、オリフィスを貫通して延びる器械が存在する場合、第2の状態を有し、第2の状態では、器械接触要素は、器械に密着する。
幾つかの実施形態では、外科用アクセス器具は、器械シールを備えたシール組立体と、シール組立体から延びるカニューレとを有するトロカールであり、アクセスチャネルは、シール組立体及びカニューレを貫通して延びている。幾つかの実施形態では、外科用アクセス器具は、ハンドポートである。
幾つかの実施形態では、圧縮要素は、ゲル材料から成る。幾つかの実施形態では、ゲル材料の伸び率は、少なくとも約1,000%である。幾つかの実施形態では、圧縮要素は、器械接触要素を挿通させる開口部を構成する複数の弾性要素から成り、少なくとも幾つかの弾性要素は、少なくとも1つの他の弾性要素とオーバーラップしている。幾つかの実施形態では、圧縮要素は、隔膜シールから成る。幾つかの実施形態では、圧縮要素は、円板の形をしている。幾つかの実施形態では、圧縮要素は、ドーナツ形である。幾つかの実施形態では、圧縮要素は、シールハウジングに繋がれている。
幾つかの実施形態では、器械接触要素は、ポリオレフィンフィルムから成る。幾つかの実施形態では、器械接触要素は、非拘束状態では実質的に円筒形である。幾つかの実施形態では、器械接触要素は、少なくとも1つのスリットを有する。幾つかの実施形態は、器械接触要素の少なくとも一部分に施された潤滑剤を更に有する。幾つかの実施形態では、器械接触要素の遠位端部は、円板重りに固定されている。
幾つかの実施形態では、第1の状態では、器械シールは、ゼロシールである。幾つかの実施形態では、第1の状態では、器械接触要素は、オリフィスのところに、複数の折り目を有する。
幾つかの実施形態では、器械シールは、第2の状態では2kPaにおいて約500mL/分以下の漏れ量を示す。
幾つかの実施形態は、ゼロシールを更に有し、アクセスチャネルは、ゼロシールを貫通して延びている。
幾つかの実施形態では、第2の状態では、器械接触要素は、器械を圧縮要素から離隔させる。
幾つかの実施形態では、器械シールを有する外科用アクセス器具であって、器械シールは、近位端から遠位端まで延びる長手方向軸線を有し、長手方向軸線に沿って延びる器械アクセスチャネルを有し、シールハウジングを有し、シールハウジング内に長手方向に設けられた管状器械接触要素を有し、アクセスチャネルは、管状器械接触要素を貫通して延びており、器械接触要素の周りに設けられていて、器械接触要素の一部分を圧縮し、それによりオリフィスを形成する弾性圧縮要素を有することを特徴とする外科用アクセス器具が提供される。器械接触要素の最小拘束直径は、器械シールが受け入れるよう設計されている最も大きな器械の直径と少なくともほぼ同じ大きさである。器械シールは、オリフィスを貫通して延びる器械が存在しない場合、第1の状態を有し、器械シールは、オリフィスを貫通して延びる器械が存在する場合、第2の状態を有し、第2の状態では、器械接触要素は、器械に密着する。
幾つかの実施形態では、器械接触要素は、非伸展性材料から成る。幾つかの実施形態では、非伸展性材料は、ポリオレフィンフィルムである。幾つかの実施形態では、器械接触要素は、エラストマー材料から成る。
幾つかの実施形態では、器械シールを有する外科用アクセス器具であって、器械シールは、近位端から遠位端まで延びる長手方向軸線を有し、長手方向軸線に沿って延びる器械アクセスチャネルを有し、シールハウジングを有し、シールハウジング内に長手方向に設けられた管状器械接触要素を有し、アクセスチャネルは、管状器械接触要素を貫通して延びており、器械接触要素は、シールハウジングに作動的に結合された第1の端部及びシールハウジング内で浮動する第2の端部を備え、器械接触要素の周りに設けられていて、器械接触要素の一部分を圧縮し、それによりオリフィスを形成し、器械接触要素によってシールハウジング内に固定された弾性圧縮要素を有することを特徴とする外科用アクセス器具が提供される。器械シールは、オリフィスを貫通して延びる器械が存在しない場合、第1の状態を有し、器械シールは、オリフィスを貫通して延びる器械が存在する場合、第2の状態を有し、第2の状態では、器械接触要素は、器械に密着する。
器械シールの実施形態を有する手術用アクセス器具の側面図である。 分解組立て斜視図である。 図1Aに示されているアクセス器具のシール組立体の断面図である。 図1B及び図1Cに示されている器械シールの断面を示す図である。 非拘束状態にある図1Dの器械シールの器械接触要素の断面を示す図である。 図1Dの器械シールの圧縮要素の側面図である。 器械シールの別の実施形態を有するアクセス器具の断面図である。 器械シールの別の実施形態を有するアクセス器具の断面図である。 図3Aのアクセス器具のシール組立体の分解組立て図である。 図3Bに示されているシール組立体の圧縮要素の切除図である。 器械が挿入された状態の図3A〜図3Cのアクセス器具の断面図である。 大径器械が挿入された状態の図3A〜図3Cのアクセス器具の断面図である。 先端がフォーク状の器械が挿入された状態の図3A〜図3Cのアクセス器具の断面図である。 アンダーカットを備えた器械が挿入された状態の図3A〜図3Cのアクセス器具の断面図である。 器械シールの別の実施形態を有するアクセス器具の断面図である。 星形開口部を有する圧縮要素の一実施形態の平面図である。 ドーナツ形圧縮要素の一実施形態の斜視図である。 切頭円錐形圧縮要素の一実施形態の平面図である。 切頭円錐形圧縮要素の一実施形態の側面図ある。 切頭円錐形圧縮要素の一実施形態の断面図である。 トーラス(円環体)及び複数法のテザーを有する圧縮要素の一実施形態の斜視図である。 トーラス(円環体)及び複数法のテザーを有する圧縮要素の一実施形態の平面図である。 リム及び複数の弾性要素を有する圧縮要素の一実施形態の平面図である。
図中、互いに類似した要素は、互いに類似した参照符号で示されている。
外科用アクセス器具のための弁又はシールは、器械接触要素及び圧縮要素を有している。シールの器械接触機能及び器械形状一致機能を別々のコンポーネントに分担させることにより、例えば、材料の選択、寸法決め、幾何学的形状の変化等により各機能を他の機能とは別個独立に向上させることができる。例えば、或る1つの材料は、高い耐穿刺性及び低い摩擦係数を示し、別の材料は、高い伸び率及び低い弾性率を示すことができる。シールの実施形態は、手術用アクセス器具、例えばトロカール、ハンドポート、シングルポート等に有用である。
図1Aは、トロカールとして具体化された外科用アクセス器具100の側面図であり、この外科用アクセス器具は、近位端部、遠位端部及び長手方向軸線を有している。長手方向ルーメンを有する管状カニューレ110が遠位端部のところに設けられ、このカニューレは、近位端部のところでシール組立体120に結合されている。器械アクセスチャネル102が図示の実施形態では長手方向軸線に沿ってカニューレ110及びシール組立体を貫通して延びている。図示の実施形態では、カニューレ110とシール組立体120は、解除可能に結合されている。他の実施形態では、カニューレ110とシール組立体120は、一体化される。カニューレ110の近位端部のところに取り付けられたOリング112が図示の実施形態では、カニューレ110とシール組立体120との間に流体密シールを提供している。カニューレ110の実施形態は、剛性又は可撓性である。
図1Bは、シール組立体120の分解組立て斜視図、図1Cは、シール組立体120の断面図である。シール組立体120は、流体コネクタ132を備えたシールハウジング130を有している。図示の実施形態では、流体コネクタ132は、半径方向に延びるルアー(Luer)継手及びストップコックを有する。キャップ又はカバー140がシールハウジング130の近位端部を閉鎖し、ハウジング130内に器械シール150及びゼロシール190を固定している。
図示の実施形態では、キャップ140は、その近位端部のところに漏斗状入口部142を有すると共に漏斗状入口部142の遠位側に位置した整列チャネル145を有している。漏斗状入口部142は、器械をアクセスチャネル102内に案内し、整列チャネル144は、一般に、挿入状態の器械をアクセスチャネル102に長手方向に整列させる。器械をアクセスチャネルに整列させることにより、器具100の軸外し部分又はそのコンポーネントとの器械の接触が減少し、それにより器械の損傷が減少する。キャップ140は、任意適当な方法、例えば機械的な方法(例えば、ねじ山、クリップ、差し込み形マウント、ねじ、ラッチ、ラチェット、ピン、ロックリング、フランジと溝、スプライン)、接着剤による方法(例えば、グルー、エポキシ、ウレタン、シアノアクリレート、感圧接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤、ブタジエン‐スチレン系接着剤)、溶接による方法(例えば、熱溶接、溶剤溶接、電子ビーム溶接、レーザ溶接、超音波溶接)、磁気的方法等を用いてハウジング130の近位端部に固定されている。幾つかの実施形態では、キャップ140は、上述の方法の組み合わせによってハウジング130に固定される。
カニューレ110,ハウジング130及びキャップ140は、別個独立に、適当な生物学的に適合性のある材料又はこれらの組み合わせから成り、かかる材料は、例えば、金属、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル‐チタン合金、ポリマー樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド(Nylon(登録商標)、Delrin(登録商標))、アラミド(Kevlar(登録商標))、ポリイミド、ポリエーテルブロックアミド(PEBAX(登録商標))、ポリオレフィン、ポリエチレン(Spectra(登録商標))、ポリプロピレン、フッ化ポリマー、エポキシ、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエポキシド、ポリアクリレート、ポリエーテル、アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン(ABS)、ゴム、合成ゴム、ポリイソプレン、シリコーン、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)、エチレン‐プロピレンコポリマー(EPゴム)、ポリブタジエン、ポリウレタン、スチレン‐ブタジエン、エチレンビニルアセテート(EVA)、ポリクロロプレン(Neoprene(登録商標))、ペルフルオロエラストマー(Kalrez(登録商標))、熱可塑性エラストマー(HYTREL(登録商標)、PELLETHANE(登録商標)、KRATON(登録商標))、ガラス、セラミック、炭素繊維等である。適当な材料の幾つかの実施形態としては、コポリマー、混合物、配合物及び/又は合金が挙げられる。適当な材料の幾つかの実施形態としては、複合材、例えば繊維強化ポリマーが挙げられる。当業者であれば理解されるように、一コンポーネントの互いに異なる部分が幾つかの実施形態においては互いに異なる材料から成る。
ゼロシール190は、図示の実施形態では、全体として漏斗状のダックビル(duckbill)形弁又は二重ダックビル形弁から成る。ダックビル形弁は、これを貫通して延びる器械が存在していない場合には密封を行い、それにより器械が存在していない場合にアクセスチャネル102を通るガスの流れを阻止すると共に起伏状態が失われるのを阻止する。他の実施形態では、ゼロシール190は、これとは異なる形式の弁、例えばフラップ弁から成る。アクセス器具190の幾つかの実施形態は、ゼロシールを備えない。
ゼロシール190の実施形態は、1種類又は2種類以上の適当な材料から成る。例えばダックビル形弁の幾つかの実施形態は、エラストマー材料、例えば、ポリマー樹脂、合成ゴム、ポリイソプレン、シリコーン、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)、エチレン‐プロピレンコポリマー(EPゴム)、ポリブタジエン、ポリウレタン、スチレン‐ブタジエン、エチレンビニルアセテート(EVA)、ポリクロロプレン(Neoprene(登録商標))、ペルフルオロエラストマー(Kalrez(登録商標))、熱可塑性エラストマー(HYTREL(登録商標)、PELLETHANE(登録商標)、KRATON(登録商標))並びにこれらの配合物、混合物、コポリマー及び/又は複合材のうちの少なくとも1つから成る。幾つかの実施形態では、ダックビル形弁は、ポリイソプレンから成る。
器械シール150の断面図である図1Dで最も良く理解されるように、器械シール150は、圧縮要素160及び器械接触要素180を有している。器械シール150は、その遠位端部のところに設けられたオリフィス152を有する全体として漏斗状のものである。器械シール150が漏斗の形をしているので、オリフィス152を整列させるアクセスチャネル102を通って挿入される器械のための漏斗状入口部が形成される。
圧縮要素160は、ハウジング130からトロカール100の長手方向軸線に向かって半径方向に延びる近位フランジ162を有している。圧縮要素の遠位領域164は、切頭円錐形の状態に先細になっており、開口部166で終端している。フランジ162の図示の実施形態は、回旋部又はベロー部を有し、この回旋部又はベロー部は、遠位端部164に並進及び回転自由度又は「浮動」状態を与えており、かかる回旋部又はベロー部は、開口部166を貫通して延びる器械の側方運動、長手方向運動及び/又は角運動を許容する一方で、器械との密封状態を維持する。圧縮要素160の図示の実施形態は、隔膜シールに似た全体的形態を有し、したがって、本明細書においてはこの圧縮要素を隔膜シールともいう。ただし、圧縮要素160は、実際には隔膜シールとして機能するわけではない。
図1Eは、非拘束状態又は弛緩状態の器械接触要素180の断面図であり、器械接触要素180は、第1の端部及び第2の端部を備えた管状シース、スリーブ又はメンブレン182を有している。図示の実施形態では、メンブレン182の第1の端部は、第1のリング184に結合されている。図1Dに示されているように、第1のリング184は、例えば圧縮要素の遠位領域164の近位端部のところ又はその近くで圧縮要素の内壁168に取り付けられている。図示の実施形態では、第1のリングに設けられた外方に延びるフランジ186が圧縮要素の内壁168に設けられた溝170と嵌合し、それにより第1のリング184を圧縮要素に結合している。第2のリング186がメンブレン182の第2の端部に結合されている。第2のリング188は、圧縮要素の外壁170に取り付けられ、この第2のリングは、図示の実施形態では、圧縮要素の外壁170に設けられた複数の長手方向リブ172の近位端部に係合し、これら長手方向リブは、圧縮要素150の側面図である図1Fで最もよく示されている。幾つかの実施形態では、リブ172は又、圧縮要素160を補強し、それにより例えば器械を引き抜く際に圧縮要素の内反的ひっくり返り(インバージョン)を減少させ又は阻止する。幾つかの実施形態では、第2のリング188は、別の仕方で、例えば、フランジ及び/又は溝を用いて固定される。幾つかの実施形態では、第2のリング186は、圧縮要素160を介して第1のリング184に係合する。幾つかの実施形態では、第1のリング184及び第2のリング186のうちの少なくとも一方は、圧縮要素160にくっつけられると共に/或いは溶接される。器械接触要素180がフランジ162の遠位側で圧縮要素160に取り付けられているので、器械の接触要素180は、圧縮要素の遠位部分164及び開口部166と一緒に動く。その結果、器械シールのオリフィス152は、圧縮要素の開口部166と常時整列状態にある。
図示の実施形態では、管状メンブレン182は、第1のリング184及び圧縮要素の開口部166を貫通している。メンブレン182は、開口部166と一緒になって、器械シールにオリフィス152を構成している。メンブレン182は、開口部166を通って2つ折りされ又は折り返され、それによりメンブレンが圧縮要素の開口部166及び遠位領域164に巻き付けられると共に開口部166及び遠位領域164が損傷から保護される。図1Eで最も良く理解されるように、非拘束状態では、管状メンブレン182は、全体として円筒形である。図示の実施形態では、管状メンブレン182の直径は、アクセス器具100が設計上受け入れる最も大径の器械の直径と少なくともほぼ同じである。管状メンブレン182の直径は、圧縮要素の開口部166の直径よりも大きい。その結果、圧縮要素の遠位部分164は、開口部166を貫通したメンブレン182の部分を圧縮し、それによりこのメンブレンに複数の折り目、ひだ(プリーツ)、ギャザー又はしわを生じさせる。オリフィス152周りのメンブレン182の折り目又はひだは、挿入状態の器械の先端部をオリフィス152に向かって長手方向に差し向ける傾向がある。
管状メンブレン182の直径は、最も大径の器械の直径と少なくともほぼ同じなので、挿入状態の器械は、管状メンブレン182の直径を拡張させることはない。メンブレン182それ自体は、最も大径の器械がメンブレン中に挿入されたときでも張力下にはないので、メンブレン182は、器械を圧縮せず、それによりメンブレンと器械との間の抗力及び摩擦力が減少する。メンブレン182を引き伸ばすことなく、器械は、挿入時に折り目又はひだを減少させると共に/或いはなくす。メンブレン182を引き伸ばすことがないようにすることにより耐久性も又向上する。
図示の実施形態では、メンブレン圧縮要素182は、開口部166を完全に覆う。その結果、オリフィスを通って挿入された器械は、メンブレン182にのみ接触し、圧縮要素の開口部166又は遠位部分164には直接接触しない。換言すると、メンブレン182は、図示の実施形態では、器械を圧縮要素の開口部166又は遠位部分164から離隔させ又は隔離する。
図示の実施形態では、メンブレン182は、第1のリング184と第2のリング188との間で実質的にぴんと張った状態又は張力下にあり、トランポリンのように働き、これと接触状態にある器械の先端部を逸らしてこれを下に位置する圧縮要素160から遠ざけ、それにより器械の損傷を阻止し又は減少させる。他の実施形態では、メンブレン182は、張力下にはない。ゆるい又はルーズなメンブレン182は、一般に、きつい又はタイトなメンブレン182よりも圧縮要素160のより大きな運動及び/又は変形を許容する。しかしながら、幾つかの実施形態では、ゆるいメンブレン182は、逸れないで力を入って来る器械先端部から下に位置する圧縮要素160に伝達する。場合によっては、伝達された力は、場合によってはメンブレン182それ自体を穿刺することなく、圧縮要素160を損傷させ又は穿刺するのに十分である。
図示の実施形態では、メンブレン182は、閉鎖チューブである。換言すると、メンブレン182は、互いに当接し又はオーバーラップする長手方向縁部を備えたチューブから成る。非拘束状態にあるメンブレン182の図示の実施形態は、全体として円筒形である。換言すると、メンブレン182は、別の形状のもの、例えば、切頭円錐形、砂時計形(鼓形)、樽形又は互いに異なる直径を備えた互いに当接する筒体の形状を有する。他の実施形態では、メンブレン182は、これとは異なる断面形状、例えば楕円形、長円形、多角形等を有する。
メンブレン182の幾つかの実施形態は、オリフィス152の近位側からオリフィス152の遠位側まで延び、例えば、メンブレン182の第1の端部からメンブレン182の第2の端部まで延びる少なくとも1つのスリット、スロット又は開口部を有する。少なくとも1つのスリット、スロット又は開口部の幾つかの実施形態は、全体として長手方向であり、他の実施形態は、メンブレン182の長手方向軸線に対して傾斜しており又は偏り状態にある。幾つかの実施形態では、少なくとも1つのスリット、スロット又は開口部は、オリフィスのところにメンブレン182の1つ又は2つ以上の互いにオーバーラップした層を生じさせ、それによりオリフィス152のところでのメンブレン182に生じる折り目及び/又はひだが減少し又は無くなる。
圧縮要素の遠位領域164は、器械接触要素180をオリフィス152を通って延びる器械に押し付け、それにより器械とのシールを形成するよう選択されたエラストマー材料から成る。幾つかの実施形態では、圧縮要素160全体は、エラストマー材料から成る。エラストマー材料の幾つかの実施形態は、少なくとも約500%、少なくとも約600%又は少なくとも約700%の伸び率を有する。伸び率の高い材料は、一般に、所与の圧縮要素160の場合、大径の器械とシールを形成する。適当なエラストマー材料としては、ポリマー樹脂、合成ゴム、ポリイソプレン、シリコーン、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)、エチレン‐プロピレンコポリマー(EPゴム)、ポリブタジエン、ポリウレタン、スチレン‐ブタジエン、エチレンビニルアセテート(EVA)、ポリクロロプレン(Neoprene(登録商標))、ペルフルオロエラストマー(Kalrez(登録商標))、熱可塑性エラストマー(HYTREL(登録商標)、PELLETHANE(登録商標)、KRATON(登録商標))並びにこれらの配合物、混合物、コポリマー及び/又は複合材が挙げられる。幾つかの実施形態では、圧縮要素160は、ポリイソプレンから成る。器械は、幾つかの実施形態では、圧縮要素160に直接接触しないので、材料の摩擦係数、強度、耐引き裂き性、耐穿刺性及び/又は耐摩耗性は、これら実施形態では重要なものではない。 メンブレン182は、耐穿刺性、耐引き裂き性、引っ張り強度、耐久性、耐摩耗性、良好な密封特性、可撓性及び低摩擦性のうちの少なくとも1つを提供するよう選択された材料から成る。メンブレン182の実施形態は、アクセス器具100の使用条件下において実施的に非伸展性である。適当な非伸展性材料の例としては、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド(Nylon(登録商標)、Delrin(登録商標))、アラミド(Kevlar(登録商標))、ポリイミド、ポリエーテルブロックアミド(PEBAX(登録商標))、ポリオレフィン、ポリエチレン(Spectra(登録商標))、ポリプロピレン、フッ化ポリマー、エポキシ、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエポキシド、ポリアクリレート、ポリエーテル、アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン(ABS)並びにこれらの配合物、混合物、コポリマー及び/又は複合材が挙げられる。メンブレン182の幾つかの実施形態は、ポリオレフィンから成る。
メンブレン182の他の実施形態は、エラストマー又は伸展性であり、例えば、ポリマー樹脂、合成ゴム、ポリイソプレン、シリコーン、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)、エチレン‐プロピレンコポリマー(EPゴム)、ポリブタジエン、ポリウレタン、スチレン‐ブタジエン、エチレンビニルアセテート(EVA)、ポリクロロプレン(Neoprene(登録商標))、ペルフルオロエラストマー(Kalrez(登録商標))、熱可塑性エラストマー(HYTREL(登録商標)、PELLETHANE(登録商標)、KRATON(登録商標))並びにこれらの配合物、混合物、コポリマー及び/又は複合材のうちの少なくとも1つから成る。エラストマー又は伸展性材料から成るメンブレン182の実施形態は、優れた密封作用を器械及び/又はそれ自体に提供する一方で、メンブレン182を穿刺する恐れを増大させると共に/或いはその耐久性を減少させる摩擦力又は抗力を増大させる。
メンブレン182の幾つかの実施形態は、例えば、低摩擦性表面層又はフィルム及び高強度層又はフィルムを含む複合材から成る。幾つかの実施形態は、強度を向上させる補強繊維から成る。幾つかの実施形態では、メンブレン182は、異方性であり、例えば、長手方向に高い強度を有すると共に横方向に高い折り曲げ性を有する。
メンブレン182の幾つかの実施形態は、油、シリコーン油、薄いゲルフィルム及び減摩性被膜のうちの少なくとも1つである被膜から成り、この被膜は、これと接触状態にある器械との摩擦を減少させる。幾つかの実施形態は、被膜は又、器械との密封状態を向上させると共にメンブレン182の折り目又はひだの自己密封状態を向上させる。具体的に説明すると、メンブレン182は、小径の器械が存在している場合又は器械が全く存在していない場合、より多くの且つ/或いはより大きな折り目又はひだを有する。
メンブレン182の幾つかの実施形態は、摩擦力を減少させる模様付き表面、例えば点状部、こぶ状部、縞状部、隆起部等を有する。模様は、パターン付けされており又はランダムである。
器械シール150内での器械運動のためには摩擦力が小さいことが望ましいが、幾つかの実施形態では、或る程度の摩擦力が望ましい。例えば、器械シール150内における器械の位置を維持するのに十分な摩擦力は、ユーザが望ましくない運動を阻止するために器械を定位置に保持する労力を軽減する。
メンブレン182の実施形態は、約250μm(約10ミル)以下、約125μm(約5ミル)以下、約25μm(約1ミル)以下、約12μm(約0.5ミル)以下、約5μm(約0.2ミル)以下又は約2μm(約0.1ミル)以下である。当業者であれば理解されるように、メンブレン182の材料及び所望の特性のバランスで決まるであろう。例えば、厚いメンブレンは、一般に、高い強度、高い耐引き裂き性、高い耐穿刺性、高い耐久性及び高い耐摩耗性を有する。薄いメンブレンは、一般に、器械及びそれ自体に良好に形状が一致し、したがって、良好に密封を行う。
器械シール150と器械との間のシールを定量化する一基準は、漏れ量である。場合によってはゼロ漏れ量が望ましい場合があるが、ガス注入器は、注入ガスを高い流量で、例えば最高約30リットル/分又は最高約40リットル/分で送り出すことができる。かかるガス注入器は、各々が約2kPa(約15トル、水柱8インチ(20.32cm))において最高約400mL/分まで、最高約500mL/分まで、最高約1,000mL/分までは最高約1,500mL/分の漏れ量を示す器械シールを備えた最高4つ又は5つまでのアクセス器具からの漏れを補償することができる。漏れ量は、器械が挿入されている状態及び/又は器械が挿入されていない状態における器械シール150に関するものである。
アクセス器具100の実施形態は、互いに異なるサイズの器械に対応する。例えば、アクセス器具100の実施形態は、最高約5mm、最高約8mm、最高約11mm、最高約12mm又は最高約15mmまでの直径を備えた器械に対応するトロカールを含む。幾つかの実施形態は、約4.5mmから約15.4mmまでの直径を備えた器械に密着する。アクセス器具100の幾つかの実施形態は、外科医の手に対応する。アクセス器具100の幾つかの実施形態は、複数の器械シール150を有し、それにより単一の器械を通る複数の器械の導入を可能にする。
図2は、図1A〜図1Fに示されている実施形態に類似した実施形態としてのアクセス器具200の断面図である。アクセス器具200は、トロカールとして具体化されており、このアクセス器具は、カニューレ210及びシール組立体220を有している。シール組立体220は、シールハウジング230及びキャップ240を有し、これらは、器械シール250及びゼロシール290を保持している。器械シール250は、圧縮要素260及び器械接触要素280を有している。図示の実施形態では、器械接触要素280は、メンブレン282を有している。メンブレン282の第1の端部は、圧縮要素の内壁268に結合されている。メンブレン282は、圧縮要素の遠位部分264で終端した開口部266を貫通している。メンブレン282の第2の端部は、開口部266の遠位側に位置していて、リング288に結合されている。リング288の内径は、メンブレン282の直径とほぼ同じである。
リング288は、開口部266の直径よりも大きな直径を有し、それにより、メンブレン282の第2の端部が開口部を通過するのが阻止される。リング288の幾つかの実施形態は、円板重りを有し、この円板重りは、アクセス器具200が図2に示されているように全体として直立位置にあるとき、メンブレン288に張力を及ぼす。幾つかの実施形態は、リング288を遠位側に押圧し、それによりアクセス器具200が他の位置にあるとき、メンブレン282を張力下に維持する引っ張り要素(図示せず)を有する。引っ張り要素それ自体は、張力下にあり又は圧縮下にあり、或いは、引っ張り要素は、張力下にある少なくとも1つのコンポーネント及び圧縮下にある少なくとも1つのコンポーネントを有する。引っ張り要素の実施形態は、例えば、ばね、弾性バンド、弾性部材バルーン等のうちの少なくとも1つを含む。幾つかの実施形態は、リング288の近位側への運動を制限する停止部(図示せず)を有する。リング288がシールハウジング230内で自由に動くことができるようにする実施形態は、器械の大幅な軸外し及び/又は傾斜位置決めを許容する。
図示の実施形態では、メンブレン282は、全体として砂時計の形を有し、圧縮要素の開口部266は、砂時計の形のくびれ部分を構成している。砂時計の形のくびれ部分は、器械シールのオリフィス252を構成している。また、リング288は、メンブレン282の第2の端部を開放状態に保ち、それによりメンブレン282の砂時計の形を維持している。メンブレン282が砂時計の形をしていることにより、アクセス器具のアクセスチャネル202に沿うオリフィス252への近位側からの接近と遠位側からの接近の両方を可能にするオリフィス252の漏斗状入口部が得られる。
図3Aは、上述の実施形態に類似した別の実施形態としてのアクセス器具300の断面図である。アクセス器具300は、カニューレ310及びシール組立体320を有している。図3Bは、シール組立体320の分解組立て図であり、このシール組立体は、シールハウジング330、キャップ340、器械シール350及びゼロシール390を有している。器械シール350は、圧縮要素360及び器械接触要素380を有している。
図示の実施形態では、圧縮要素360は、ゲル円板から成り、このゲル円板は、図3Cに最も良く示されているようにその中心を長手方向に貫通して延びる全体として円形の開口部366を有している。開口部366は、アクセスチャネル302と整列状態にある。幾つかの実施形態では、開口部366は、例えば針を圧縮要素360に通すことにより形成された小径部を有している。
圧縮要素360の実施形態は、ゲル材料から成る。適当なゲル材料の実施形態は、生体適合性であり、高い伸び率、低いジュロメータ及び高い引っ張り強度を示す。ゲル材料の実施形態は、熱可塑性エラストマージブロック及び/又はトリブロックコポリマー並びに油を含む。適当なジブロックコポリマーの例としては、スチレン‐エチレン/ブチレン(S‐E/B)等が挙げられる。適当なトリブロックコポリマーの例としては、スチレン‐エチレン/ブチレン‐スチレン(S‐E/B‐S)、スチレン‐イソプレン‐スチレン(S‐I‐S)、スチレン‐ブタジエン‐スチレン(S‐B‐S)、スチレン‐エチレン/プロピレン‐スチレン(S‐E/P‐S)等が挙げられる。適当なジブロック及びトリブロックコポリマーの例は、KRATON(登録商標)(クラトンポリマー)及びSEPTON(登録商標)(クラレイ・カンパニー(Kuraray Co.))として市販されている。幾つかの実施形態では、コポリマーは、KRATON(登録商標)トリブロックコポリマーである。適当な油の例としては、鉱油、植物油、石油、シリコーン油及びこれらの混合物が挙げられる。幾つかの実施形態では、油は、鉱油である。ゲル材料の実施形態は、重量を基準として、少なくとも約6:1、少なくとも約1:5又は少なくとも約1:10のKRATON(登録商標)と鉱油を含む。ゲル材料の実施形態は、重量を基準として、最高約1:15のKRATON(登録商標)と鉱油を含む。
ゲル材料の幾つかの実施形態は、少なくとも約1000パーセントの局限伸び率及び約5ショアAスケール以下のジュロメータを示し、かかるゲル材料は、ウルトラゲル(ultragel)と呼ばれている。幾つかの実施形態は、少なくとも約1500パーセントの局限伸び率及び約200ブルーム以下のジュロメータを示す。幾つかの実施形態は、少なくとも約3000パーセントの局限伸び率を示す。ゲル及びウルトラゲル材料の実施形態は、粘着性の又はべとべとした表面を有する。幾つかの実施形態では、この表面は、例えば粉ふき及び/又はポリマーフィルムによる被覆によって粘着性を減少させるよう処理される。他の実施形態では、かかる表面は、器械接触要素380が圧縮要素360と開口部366を貫通する器械との間に配置され、それによりこれら相互の接触が阻止されるので処理されない。
上述したように、高い伸び率の材料は、大径の器械との密封を行う。その結果、伸び率の高いゲル圧縮要素360の実施形態は、伸び率の低い材料から成る類似の圧縮要素よりも広い範囲の直径を備えた器械との密封を行うことができる。したがって、幾つかの実施形態では、オリフィス352は、器械が存在していない場合にゼロ又はほぼゼロの直径を有し、他方、依然として大径の器械を密封することができる。これら実施形態のうちの幾つかに関し、器械が挿入されていない器械シール30の漏れ量は、ガス注入器が上述したように漏れを補償することができるほど十分低い。これら実施形態のうちの幾つかに関し、器械シール350は、ゼロシールとして機能し、その結果、ゼロシール390は、オプションである。
ゲル材料の実施形態は又、低い弾性率(モジュラス)を示す。その他の互いに類似した圧縮要素、即ち、ゲルから成る一方の圧縮要素及びゴムから成る他方の圧縮要素は、器械抗力と器械直径との間に非常に異なる相関関係を示すであろう。ゴム圧縮要素が挿入状態で受け入れる最も大径の器械の場合、ゴムは、弾性率が高い応力‐歪曲線上の弾性限度の近くに位置する。これとは対照的に、同一直径の器械がゲル圧縮要素内に挿入された状態では、ゲルは、弾性限度の近くには位置しない。応力‐歪曲線のこの領域では、弾性率は、低い。その結果、互いに異なる直径の器械を挿入するのに必要な力の差は、ゴム圧縮要素と比較して、ゲル圧縮要素の場合小さく、その結果、ゲル圧縮要素の器械抗力は、より一定である。
圧縮要素360は、開口部366内に挿入された器械に応答して、ひねり又は回転力ではなく、圧縮力だけを及ぼす。したがって、ゲル及びウルトラゲルを含む高い伸び率の材料は又、非真円又は非丸形形状に、より効果的に一致し、それにより、かかる断面の器械に対する密封作用を向上させる。
圧縮要素360の幾つかの実施形態は、上述したゲル及び/又はウルトラゲル材料とほぼ同じ特性を備えた発泡軟質エラストマー、例えば発泡KRATON(登録商標)、発泡MONOPRENE(登録商標)(ポリ‐メド・インコーポレイテッド(Poly-Med Inc.))等から成る。
上述したように、器械接触要素380は、圧縮要素360と器械との接触を阻止し、それにより上述した軟質且つ損傷を受けやすい材料の使用を可能にする。
器械接触要素380は、圧縮要素の開口部366を貫通して延び、圧縮要素360の近位側に位置する第1の端部及び圧縮要素360の遠位側に位置する第2の端部を備えたメンブレン382を有している。図示の実施形態では、メンブレン382の第1の端部は、第1のリング384に結合され、この第1のリングは、キャップ340とシールハウジング330との間に捕捉されており、それにより、メンブレン382の第1の端部が固定されている。他の実施形態では、メンブレン382の第1の端部は、別の仕方で固定され、例えば、キャップの整列チャネル344の遠位端部に作動的に結合されている。メンブレン382の第2の端部は、第2のリング388に結合されている。第2のリング388の内径は、図示の実施形態では、メンブレン382の直径とほぼ同じである。第2のリング388の幾つかの実施形態は、上述したように円板重りを有する。また、上述したように、器械接触要素380の幾つかの実施形態は、オプションとしての引っ張り要素及び/又は第2のリング388のための停止部を有する。他の実施形態では、メンブレン382の第2の端部は、例えば第2のリング388を通ってシールハウジング330に作動的に結合され、第1の端部は、浮動状態にある。
メンブレン382は、全体として砂時計の形を有し、圧縮要素の開口部366を貫通して延びるメンブレン382の部分は、器械シール350のオリフィス352を構成し、このオリフィスは、アクセスチャネル302と整列状態にある。器械接触要素の第1のリング384及び第2のリング388は、これらの間に圧縮要素360を捕捉し、それにより圧縮要素360を固定している。したがって、圧縮要素360は、アクセスチャネル302内での器械の側方運動と一致して側方に浮動することができ、それにより、器械を追跡する。上述したように、メンブレン382の砂時計の形は、器械シールのオリフィス352への器械のそれぞれの挿入及び引き抜きの両方のための漏斗状入口部を構成している。
器械シール及び種々の器械の実施形態相互間の作用については図3A〜図3Cに示されている実施形態としてのアクセス器具300を参照して説明されている。ただし、当業者であれば、かかる説明は、本明細書において説明する他の実施形態にも当てはまることは理解されよう。
図3Dは、器械Iが軸外し状態でアクセスチャネル302内に挿入された状態のアクセス器具300の断面図である。図示の実施形態では、器械Iの軸線は、アクセスチャネル302の左側に位置している。圧縮要素360は、左側に浮動し、それにより、器械シールのオリフィス352が左側にずらされており、他方、器械Iとのシールが維持されている。器械シールのオリフィス352は、器械の側方運動に追従し、それにより、オリフィス352の後縁が器械Iとの接触状態を失う(猫の目状)漏れの恐れが減少する。器械シール350が許容する側方運動の量は、メンブレン382の第1の端部と密封オリフィス352との間の距離及びメンブレン382の直径を含む種々の要因で決まる。
アクセス器具300の図示の実施形態も又、器械Iを器械チャネル302内で長手方向に、即ち、挿入方向、引き抜き方向又は交換方向に動かしているとき、典型的な隔膜シールと比較して、低いヒステリシスを示す。隔膜シールは、典型的には、平べったく又は円錐形なので、器械Iを前進させ、次に引っ込めることにより、隔膜シールは、凹状の形状から凸状の形状に油缶のように動き又は弾くように動く傾向がある。方向のこの変化の際にユーザにより知覚される器械抗力は、挿入段階中における一様な抗力とは異なっている。器械Iを引き続き引っ込めると、隔膜シールは、凸状形態のままであり、ユーザは、再び一様な抗力を感じ取る。再び方向を変化させると、隔膜シールは、突然の抗力の変化を伴って弾けて再び凹状の形態に戻る。その結果、ユーザは、器械Iの周期的な挿入と取り出しの際に抗力のヒステリシスを感じ取る。
図示の器具300では、器械シールの密封オリフィス352は、シールハウジング330に結合されている。したがって、器械Iの挿入からその取り出しに方向を変えると、圧縮要素360の重量だけが引っ込み力に加わる。さらに、第1のリング384及び第2のリング388は、圧縮要素360の軸方向又は長手方向運動を制限し、それによりヒステリシスを一段と減少させる。幾つかの実施形態では、圧縮要素360の軸方向運動は、例えば、圧縮要素360を円錐形支持体又は他の支持構造体内に配置することにより一段と制限される。その結果、器械シール350は、外科医が挿入及び取り出し中に器械Iの同一の抗力及び「感触」を受ける同等に予測可能な器械運動特性を有する。この首尾一貫性により、器械シール350が正しく動作していることが外科医に分かるようになり、トロカールカニューレの変位が減少すると共に操作全体を通じて器械を操作することから生じる外科医の疲労が減少する。
図3Eは、大径の器械Iが軸外し状態でアクセスチャネル302内に挿入された状態のアクセス器具300の断面図である。図3Dに示された実施形態の場合と同様、圧縮要素360は、側方にずれて軸外し器械Iを受け入れると共に開口部366のサイズの増大に対応する一方で、オリフィス352のところのシールを維持する。上述したように、低い弾性率を備えた圧縮要素360を有する実施形態では、ユーザは、図3Eに示されている大径器械と図3Dに示されている小径器械の両方について一定の器械抗力を感じるであろう。
図3Fは、器械Iが器械シール350に接近している状態のアクセス器具300の断面図である。図示の器械Iは、フォーク状の尖った先端部を有し、この先端部は、潜在的な損傷に関して異なる幾何学的形状であると考えられる。かかる幾何学的形状は、特に、幾つかのクリップアプライヤにおいて見受けられる。メンブレン382の砂時計の形状により、オリフィス352の漏斗状又は傾斜した入口部が作られ、それによりその損傷の恐れが減少する。典型的な隔膜シールの類似のオリフィスは、典型的には、その最も傷つきやすい部分である。また、先端部とメンブレン382との接触により、器械シール350は、振り子のように動いて先端部から離れ、それにより潜在的な損傷が一段と減少する。
図3Gは、器械Iが器械シール350内にアンダーカットUを有している状態のアクセス器具300の断面図である。アンダーカットは、器械シールからの器械の引っ込みに関してもう1つの問題のある幾何学的形状であり、例えば、内視鏡ステープラで見受けられる。この場合も又、メンブレン382の砂時計の形状により、器械Iを引き抜くためのオリフィス352の漏斗状の入口部又は出口部が作られ、それによりその損傷の恐れが減少する。また、メンブレン382の遠位側の表面とオリフィス352の周りの部分との間の滑らかな移行により、潜在的な引っ掛かり又はかぎ裂きが減少する。さらに、圧縮要素360は、器械に設けられている特徴部に応答して側方に動く傾向があり、抵抗の最も小さい経路を取り、それにより器械シール350の損傷が減少する。
さらに、器械Iとオリフィスとの間の摩擦力の減少、メンブレン382の強度及び器械Iからの圧縮要素360の隔離も又、典型的な隔膜シールと比較して、図示の器械シール350の耐久性の向上に寄与する。したがって、メンブレン182が圧縮要素の開口部166を巻いている図1A〜図1Fに示されている実施形態100も又、耐久性を向上させると共に問題のある幾何学的形状、例えばアンダーカットや突起を備えた器械を引き抜くことに起因した損傷の恐れを減少させる。
図4は、上述した実施形態に類似した別の実施形態としてのアクセス器具400の断面図である。アクセス器具400は、カニューレ410及びシール組立体420を有している。シール組立体420は、シールハウジング430及びキャップ440を有している。器械シール450及びゼロシール490がシールハウジング430内に設けられている。器械シール450は、オリフィス452、圧縮要素460及び器械接触要素480を有している。圧縮要素460は、開口部466を備えたゲル円板を有している。器械接触要素480は、圧縮要素の開口部466を貫通して延びる管状メンブレン482を有している。メンブレン482は、第1の端部及び第2の端部を有し、これら両端部は、圧縮要素460の近位側に設けられており、それにより、圧縮要素460を「巻く」と共にこれをメンブレン482内に固定している。
図5〜図9は、当業者には理解されるように本明細書において説明すると共に図示したアクセス器具並びに他の実施形態に有用である圧縮要素の他の実施形態を示している。
図5は、ゲル円板圧縮要素560の別の実施形態の平面図であり、この場合、開口部566は、星形である。星の先端は、器械接触要素のメンブレンの折り目又はひだのうちの1つ又は2つ以上を受け入れ、それにより小径の器械に対する密封具合及び/又は器械が存在していない場合の密封具合を向上させている。幾つかの実施形態では、開口部566のスリット又は切欠き部分により、圧縮要素560について厚いメンブレン及び/又は低い伸び率の材料の使用が可能であり、これら材料のいずれか一方又は両方は、器械シール550の全体的耐久性を向上させる。
開口部566の幾つかの実施形態は、その近位端部及び遠位端部のところに異なる形状を有する。近位端部と遠位端部との間及び開口部566内におけるメンブレンの折り目パターンの相違は、ガス漏れ経路を減少させ又は無くすことにより器械シールの漏れ量を減少させることができる。
図6は、ゲルトーラス又はドーナツ形状部を有する圧縮要素660の別の実施形態の斜視図である。開口部666は、その中央が細くなり、その両端部のところが広くなっている。近位端部及び遠位端部のところの丸形又は弧状開口部666も又、圧縮要素660の当たり平面を減少させ、それによりメンブレンの潜在的な切断又は貫通を減少させる。
図7A、図7B及び図7Cは、それぞれ、切頭円錐形ゲル圧縮要素760の別の実施形態の平面図、側面図及び断面図である。圧縮要素760は、第1の端部から第2の端部に先細になっており、開口部766で終端している。図示の実施形態では、圧縮要素の第1の端部は、ゲル材料のリング762により補強されている。開口部766も又、ゲル材料のリング764を有している。図示の実施形態は、例えば図2、図3及び図4に示されている実施形態において圧縮要素として有用である。
図8A及び図8Bは、それぞれ、図6に示されている実施形態に類似したゲルトーラス861及び圧縮要素860を例えばシールハウジングに固定し、それにより、より正確な器械追跡を提供する複数本の半径方向に延びるテザー874を有する圧縮要素860の一実施形態の斜視図及び平面図である。テザー874の実施形態は又、トーラス861の長手方向又は軸方向運動を制限し、それによりヒステリシスを一段と減少させる。図示の実施形態のテザー874の各々は、トーラス861の側方運動を許容するひだ付き部分876を有している。幾つかの実施形態では、トーラス861及びテザー874は、同種の材料から成っている。幾つかの実施形態では、トーラス861及びテザー874は、一体形である。他の実施形態では、トーラス861及びテザー874は、異種材料から成り、例えば、トーラス861はゲルから成り、テザー874はより硬質の材料から成っている。 図9は、円形リム978及び円形リム978を横切って弦として配置された複数本の弾性要素又はバンド979を有する圧縮要素960の一実施形態の平面図であり、各弾性要素又はバンドは、圧縮要素960の長手方向軸線に対して回転する。各弾性要素979は、少なくとも1つの他の弾性要素979とオーバーラップする。幾つかの実施形態では、弾性要素979は、対称に配置される。弾性要素979は、任意適当なエラストマー材料、例えば、ゲル、ゴム、エラストマーポリマー等から成る。複数本の弾性要素979は、一緒になって、弾性要素に開口部966を構成し、器械接触要素は、上述したようにこの開口部内に配置される。他の実施形態では、リム978は、別の形状を有し、例えば、長円形又は多角形のものである。
アクセス器具の幾つかの実施形態は、単一器械接触要素の長さに沿って配置された複数の圧縮要素を有する。幾つかの実施形態では、圧縮要素の形状、寸法及び/又は特性は、1つ又は2つ以上の特性、例えば、広範な直径の器械の密封具合、より一定の抗力の達成具合及び/又は器械チャネル内に器械が存在していない場合の漏れの減少具合を向上させるよう選択される。
幾つかの実施形態では、器械シール全体は、シールハウジング内で動くことができ、それにより器械シールに追加の浮動作用を提供する。これら実施形態のうちの幾つかにおいて、器械シールは、軸外し及び/又は傾斜器械との密封具合を向上させる。
器械シールの実施形態は、シールをあらかじめ拡張させるために幾つかの器械シールで用いられるアクチュエータ、拡張器又はエキスパンダを備えておらず、或いは、器械シールをあらかじめ拡張すると共に/或いは保護する任意の可動シールド又はプロテクタを備えることはない。メンブレンは、空気又は注入流体がシールのオリフィスを画定し又は構成する閉鎖キャビティ又はブラダを構成することはなく、シールの運動、例えば側方運動を制限する。
本発明をその例示の実施形態について具体的に図示すると共に説明したが、当業者であれば理解されるように、特許請求の範囲に記載された本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、かかる実施形態に関する形態及び細部の種々の変更を行うことができる。

Claims (19)

  1. 器械シール(150)を有する外科用アクセス器具(100)であって、前記器械シール(150)は、
    近位端から遠位端まで延びる長手方向軸線を有し、
    前記長手方向軸線に沿って延びる器械アクセスチャネル(102)を有し、
    シールハウジング(130)を有し、
    前記シールハウジング(130)内に長手方向に設けられた非伸展性管状器械接触要素(180)を有し、前記アクセスチャネル(102)は、前記管状器械接触要素を貫通して延びており、
    前記器械接触要素(180)の周りに設けられていて、前記器械接触要素の一部分を圧縮し、それによりオリフィス(152)を形成する、エラストマー材料から成る圧縮要素(160)を有し、
    前記器械接触要素(180)の最小拘束直径は、前記器械シール(150)が受け入れるよう設計されている最も大きな器械(I)の直径と少なくともほぼ同じ大きさであり、 前記器械シール(150)は、前記オリフィス(152)を貫通して延びる器械(I)が存在しない場合、第1の状態を有し、
    前記器械シール(150)は、前記オリフィス(152)を貫通して延びる器械(I)が存在する場合、第2の状態を有し、前記第2の状態では、前記器械接触要素(180)は、器械(I)に密着する、外科用アクセス器具(100)。
  2. 前記器械接触要素(180)は、非拘束状態では実質的に円筒形である、請求項1記載の外科用アクセス器具(100)。
  3. 前記器械接触要素(180)は、ポリオレフィンフィルムから成る、請求項1又は2記載の外科用アクセス器具(100)。
  4. 前記器械接触要素(180)は、少なくとも1つのスリットを有する、請求項1〜3のうちいずれか一に記載の外科用アクセス器具(100)。
  5. 前記器械接触要素(180)は、前記圧縮要素(160)に設けられている、請求項1〜4のうちいずれか一に記載の外科用アクセス器具(100)。
  6. 前記器械接触要素(180)は、前記器械シール(150)の前記近位端から前記遠位端まで延びている、請求項1〜4のうちいずれか一に記載の外科用アクセス器具(100)。
  7. 前記器械接触要素(180)の遠位端部は、円板重り(288)に固定されている、請求項6記載の外科用アクセス器具(100)。
  8. 前記圧縮要素(160)は、隔膜シールから成る、請求項1〜7のうちいずれか一に記載の外科用アクセス器具(100)。
  9. 前記圧縮要素(160)は、ゲル材料から成る、請求項1〜7のうちいずれか一に記載の外科用アクセス器具(100)。
  10. 前記圧縮要素(160)は、円板の形(460)をしている、請求項9記載の外科用アクセス器具(100)。
  11. 前記圧縮要素(160)は、ドーナツ形(660)である、請求項9記載の外科用アクセス器具(100)。
  12. 前記圧縮要素(160)は、切頭円錐形である、請求項9記載の外科用アクセス器具(100)。
  13. 前記圧縮要素(160)は、前記器械接触要素(180)を挿通させる開口部(966)を構成する複数の弾性要素(979)から成り、少なくとも幾つかの弾性要素(979)は、少なくとも1つの他の弾性要素(979)とオーバーラップしている、請求項1〜7のうちいずれか一に記載の外科用アクセス器具(100)。
  14. 前記圧縮要素(160)は、前記シールハウジング(130)に繋がれている、請求項1〜13のうちいずれか一に記載の外科用アクセス器具(100)。
  15. 前記第1の状態では、前記器械接触要素(180)は、前記オリフィス(152)のところに、複数の折り目を有する、請求項1〜14のうちいずれか一に記載の外科用アクセス器具(100)。
  16. 前記第1の状態では、前記器械シール(150)は、ゼロシールである、請求項1〜15のうちいずれか一に記載の外科用アクセス器具(100)。
  17. ゼロシール(190)を更に有し、前記アクセスチャネル(102)は、前記ゼロシールを貫通して延びている、請求項1〜16のうちいずれか一に記載の外科用アクセス器具(100)。
  18. 前記外科用アクセス器具は、前記器械シールを備えたシール組立体(120)と、前記シール組立体(120)から延びるカニューレ(110)とを有するトロカール(100)であり、前記アクセスチャネル(102)は、前記シール組立体(120)及び前記カニューレ(110)を貫通して延びている、請求項1〜17のうちいずれか一に記載の外科用アクセス器具(100)。
  19. 前記外科用アクセス器具(100)は、ハンドポートである、請求項1〜17のうちいずれか一に記載の外科用アクセス器具(100)。
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