JP4922164B2 - 吊り下げ式のシールを備える、導入器アセンブリ - Google Patents

吊り下げ式のシールを備える、導入器アセンブリ Download PDF

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Description

(関連出願への相互参照)
本願は、2004年7月21日に出願された、米国仮出願第60/590,176号(その前内容が、本明細書中に参考として援用される)に対する優先権を主張する。
(技術分野)
本開示は、患者の身体内への外科機器の導入を可能にするように適合された、バルブシステムに関する。具体的には、本開示は、患者の身体内への挿入のために意図され、そして、そのデバイスとシール係合した状態で機器を受け入れることが意図された、アクセスデバイスと共に用いるためのバルブシステムに関する。
(関連技術の説明)
最小侵襲性の、腹腔鏡手順は、一般に、身体内に挿入される任意の機器がシールされていることを必要とし、すなわち、例えば、外科手術の領域に気体が注入される(insufflated)外科手順においては、内視鏡的な切開を介して、気体および/または液体が、身体内に出たり入ったりしないことを保証する条件が設定されなければならない。この手順について、解剖学的な腔(例えば、腹腔)内への管の導入は、通常、トロカールおよびカニューレアセンブリを組み込んだシステムを使用することによって達成される。カニューレは、腹腔の内側と直接連絡するので、内部の腹腔に到達するための患者の身体内の開口部内へのカニューレの挿入は、腹腔と外気との間の流体密な界面を維持するように適合されるべきである。腔の内側領域の外気の保全性を維持することの必要性を鑑みて、広範囲の外科用機器の導入を可能にし、腔の内側領域の外気の保全性を維持する、カニューレのためのシールアセンブリが、所望される。この点に関して、先行技術において、このようなシーリングの要件を達成するために多数の試みがなされてきた。しかし、従来のシールアセンブリを用いる際に直面する問題は、広範囲の大きさの機器に適応させることができないことである。さらに、カニューレ内での機器の操作は、しばしば、シールの保全性を維持することに関して、問題を提示する。
(要旨)
従って、本開示は、外科医が、外科手順において種々の直径の機器を効果的に利用することを可能にする、アクセス装置のためのシールアセンブリを提供する。このシールアセンブリは、吊り下げられた様式で設置され、それによって、シール部材のアパーチャ内での機器の挿入および回収を容易にする、弾力性のあるシール部材を提供することにより、種々の直径の機器に適応させるための複数のアダプターに対する必要性を排除する。
1つの好ましい実施形態において、外科用アクセス装置は、組織内に挿入するための寸法のアクセス部材を備え、このアクセス部材は、下にある組織について処置を行なうためにこのアクセス部材を通した外科用機器の導入を可能にするための長軸方向の開口部を有する。シール部材がアクセス部材内に設置される。このシール部材は、アクセス部材に取り付けられた遠位シール端部と、近位シール端部とを有する。近位シール端部は、外科用機器をこのシール部材を通して通過させた際に、アクセス部材内で長軸方向に移動可能である。このシール部材は、好ましくは、内側領域を有し、この内側領域は、近位シール端部と遠位シール端部との間に配置される、外科用機器をシール部材と実質的にシールされた関係で受け入れるためのアパーチャを規定する。この内側領域は、外科用機器が導入されるときにアパーチャを拡げるように、半径方向に移動するように適合されている。
1つの好ましい実施形態において、シール部材の近位シール端部は、遠位シール端部の半径方向内向きに配置される。遠位シール端部は、遠位シール端部の外周に沿って、アクセス部材に連結される。好ましくは、近位シール端部は、外周と、外周に隣接して設置される環状部材とを規定する。環状部材は、アクセス部材の対応する長軸方向の開口部の寸法よりも大きい寸法を規定し、シール部材から外科用機器を引き抜く際に、シール部材の反転を最小にする。
近位シール端部は、ほぼ円錐形の形状を規定し得る。代替例において、近位シール端部は、外科用機器の通過および/または取り扱いを容易にするような寸法の、波状部分を備える。遠位シール端部は、ほぼ半球形の形状を規定する。さらなる代替例において、シール部材は、近位シール端部が遠位シール端部内に配置されるように折り畳まれた円筒形部材を備える。
別の好ましい実施形態によれば、外科用カニューレ装置が開示される。カニューレ装置は、カニューレハウジングと、カニューレハウジングから延び、外科用機器の導入を可能にするような長軸方向の開口部を有するカニューレスリーブと、カニューレハウジングに関連して設置されたシール部材とを備える。シール部材は、遠位シール端部と、遠位シール端部内に配置された近位シール端部と、近位シール端部および遠位シール端部を相互に連結する内側領域とを備える。この内側領域は、外科用機器をシール部材と実質的にシールされた関係で受け入れるためのアパーチャを規定する。近位シール端部は、長手方向軸に関して動くように適合された外周を規定する。遠位シール端部は、カニューレハウジングに連結された外周を規定する。
シール部材の近位シール端部は、ほぼテーパー状の構成(例えば、ほぼ円錐形(frusto−conical)の構成)を規定する。あるいは、近位シール端部は、長手方向軸に関する外科用機器の移動を容易にするように適合された、少なくとも1つの波状物を備える。
シール部材の遠位シール端部は、内側領域からほぼ近位方向に延びるような寸法である。好ましくは、遠位シール端部は、長軸方向成分および半径方向成分を有する、ほぼ近位方向に延びるような寸法である。1つの実施形態において、遠位シール端部は、ほぼ半球形の形状である。
近位シール端部は、近位シール端部の外周に付随する環状要素を備える。この環状要素は、シール部材の内側領域の残りの部分よりも柔軟性に乏しい(less compliant)。カニューレハウジングは、横壁を備え得、この横壁は、カニューレスリーブの軸とほぼ整列し、シール部材の近位に配置されたアパーチャを規定する。環状要素は、この環状要素が、外科用機器の挿入および回収の間に、横壁の遠位に保持され、それによって、シール部材の反転を最小にするように、カニューレハウジングのアパーチャの対応する横方向の寸法よりも大きな横方向の寸法を規定する。
別の好ましい実施形態において、外科用アクセス装置は、組織内に挿入するための寸法のアクセス部材を備え、このアクセス部材は、下にある組織について処置を行なうためにこのアクセス部材を通した外科用機器の導入を可能にするための長軸方向の開口部を有する。シール部材が、このアクセス部材の長軸方向の開口部を横切って設置され、このシール部材は、アクセス部材の長軸方向の開口部を通して導入される外科手術の対象物の周りに実質的なシールを形成するためのアパーチャを規定する内側部分を有する。このシール部材は、内側部分から延び、アクセス部材に関して吊り下げられた状態で設置された第1のシール部分と、内側部分から延び、第1のシール部分の半径方向外向きに配置され、そして、アクセス部材に取り付けられた第2のシール部分とを備える。
外科用機器の周りにシールを提供する方法もまた開示される。この方法は、以下の工程:
アクセスハウジングと、シールとを備えるカニューレアセンブリを提供する工程であって、このアクセスハウジングは、長手方向軸を規定し、そして、シールは、アクセスハウジングに取り付けられた遠位端と、遠位端に関して長軸方向に移動可能な近位端部とを有する、工程;
近位端部を外科用機器に係合する工程;および
シールが開くように、近位端部を、遠位端部に関して長軸方向に動かす工程
を包含する。
本開示の上記の特徴は、本明細書中で以下に図面を参照して記載される、以下の好ましい実施形態の詳細な説明を参照することによって、より容易に明らかとなり、そして、より良く理解される。
(好ましい実施形態の詳細な説明)
本開示のシールアセンブリは、単独でか、または、カニューレアセンブリの内側にあるシールシステムと組み合せてかのいずれかで、カニューレアセンブリを通して機器を挿入する前、挿入する間、および挿入した後に、患者の体腔と外気との間に実質的なシールを提供する。さらに、本開示のシールアセンブリは、挿入時に、各機器と気密シールを提供することによって、種々の寸法(例えば、5mm〜15mm)の機器に適応させ得る。本発明のシールアセンブリの可撓性は、しばしば、種々の寸法を有する種々の機器が、単回の外科手順の間に必要とされるような内視鏡外科手術を容易にする。
シールアセンブリは、気体および/または流体の漏れから、外科手順の外気の保全性を保つために、機器の周りに流体密な界面を維持しながら、トロカールおよび/またはカニューレアセンブリを通して挿入するために適合された、種々の型の機器の導入および取り扱いを企図する。機器の例としては、クリップ適用具(applier)、把持具、解剖具、開創器、ステープラー、レーザプローブ、写真用デバイス、内視鏡および腹腔鏡、管などが挙げられる。このような機器は、本明細書において、まとめて、「機器(instruments or instrumentation)」と呼ばれる。あるいは、シールアセンブリは、手用のアクセスデバイス内に組み込まれ得る。手用のアクセスデバイスは、外科手術を行なうことを補助するために、デバイスを通して手を導入することを企図する。このような手で補助される外科手術は、加圧された環境(例えば、気体が注入される腹腔)において行なわれ得る。
以下の説明において、従来どおり、用語「近位」とは、機器の操作者に最も近い端部を指し、他方で、用語「遠位」とは、機器の操作者に最も遠い端部を指す。
ここで、図面を参照すると、(図面において、同様の参照番号は、複数の図を通して、同一であるか、または、実質的に類似する部分を示す)図1〜2は、カニューレアセンブリ200に取り付けられた本開示のシールアセンブリ100を例示する。カニューレアセンブリ200は、体腔にアクセスするための意図された目的に適しており、そして、カニューレ全体を通して機器を導入することを可能にする、あらゆる従来のカニューレであり得る。例えば、カニューレアセンブリは、2002年10月4日に出願された、共有にかかる米国特許出願第10/264,556号(このような開示の内容は、その全体が本明細書中に援用される)に開示されるシステムに類似し得る。カニューレアセンブリ200は、特に、腹腔内部の器官から腔の壁を起こすために腹腔に適切な気体(例えば、CO)が注入される、腹腔鏡を用いる外科手術において使用するために適合される。カニューレアセンブリ200は、代表的には、カニューレアセンブリ200の通路内に位置決め可能な、先の尖った機器である、オブトラトールアセンブリ(図示せず)と共に使用される。オブトラトールアセンブリは、腹壁を穿孔するために利用され、その後、処置を行なうために利用される外科用機器の導入を可能にするために、カニューレアセンブリから取り外される。
カニューレアセンブリ200は、カニューレスリーブ202と、スリーブ202の端部に設置されたカニューレハウジング204を備える。カニューレスリーブ202は、スリーブ202の長さに沿って延びる、長手方向軸「a」を規定する。スリーブ202は、さらに、外科用機器の通過を可能にするような寸法の、内部の長軸方向の通路206を規定する。
カニューレハウジング204は、スナップ嵌め、超音波溶接、または、当業者により想定される任意の他の手段(例えば、接着手段を含む)によって固定された、複数の部品を有する要素であり得る。カニューレハウジング204は、さらに、使用者の指にしっかりと係合するための寸法および配置にされた、対向するハウジンググリップ208を備え得る。
カニューレハウジング204は、さらに、内部に嘴状の(duck bill)バルブまたはゼロクロージャー(zero closure)バルブ(図示せず)を備え得る。このようなバルブは、外科用機器の通過を可能にするように開き、そして、機器がない場合には閉じる。バルブは、好ましくは、内部の腔内に注入された気体によって及ぼされる力に曝されると、閉じるように適合され得る。シンガー(singer)バルブまたは多スリット(multiple slit)バルブの配置、トランペットバルブ(trumpet valve)、フラッパーバルブ(flapper valve)などを含む、他のゼロ封鎖バルブもまた企図される。
カニューレスリーブ202およびカニューレハウジング204は、ステンレス鋼、または、ポリマー性材料などのような他の剛性材料から形成され得る。カニューレスリーブ202および/またはカニューレハウジング204は、透明であっても半透明であってもよい。スリーブ202の直径は、変動し得るが、代表的には、機器の大きさの範囲に適応するように、10mm〜15mmの範囲である。
ここで、図1〜2と組み合せて図3を参照して、シールアセンブリ100が詳細に記載される。シールアセンブリ100は、シールハウジング(一般に、参照番号102として示される)、および、シールハウジングから吊り下げられた関係でシールハウジング102内に配置されるシール104を備える。シールハウジング102は、アセンブリのシーリング部品を収容し、そして、中央のシールハウジング軸「b」を規定する。この中央シールハウジング軸「b」は、好ましくは、カニューレスリーブ202の軸「a」に対して平行であり、そして、より具体的には、シールアセンブリ100が、カニューレアセンブリ100に設置されたとき、カニューレの軸「a」と一致する。1つの実施形態において、シールハウジング102は、2つのハウジング部品、すなわち、上側ハウジング部品106および下側ハウジング部品108を組み込む。これらは、一緒に組み立てられると、シールハウジング102を形成する。ハウジング部品106、108の組み立ては、カニューレハウジング204に関して考察した、上記の連結手段のいずれかによって達成され得る。あるいは、シールハウジング102は、単一のユニットとして、一体的に形成され得る。
上側ハウジング部品106は、外側壁110と、外側壁110の端部の間に配置される横方向の平面壁(transverse planar wall)112を規定する。横方向の平面壁112は、好ましくはハウジングの軸「b」に対して同軸方向に配置される、中央アパーチャ114を規定する。中央アパーチャ114は、シールハウジング102内に挿入することが企図された機器の最大直径に適応するために十分な直径を規定する。横方向の平面壁112は、その下面に、中央アパーチャ114の周りに配置された、環状の凹部116を規定する。
下側ハウジング部品108は、下側ハウジング部品108の横方向の基部120から上向きに延びている内側壁118と、この基部120に関して下向きにぶら下がるように配置された、第1の外側壁122および第2の外側壁124とを備える。内側壁118は、好ましくは、上側ハウジング部品106の外側壁110内に受け入れられるような対応するような寸法であり、そして、上側ハウジング部品106および下側ハウジング部品108を設置するための、干渉嵌めまたは摩擦嵌めを形成する。同様に、下側ハウジング部品108の第1の外側壁122は、カニューレハウジング204の壁を受け入れ得、そして、シールハウジング102をカニューレハウジング204に対して固定するための摩擦嵌めを形成し得る。シールハウジング102およびカニューレハウジング204を設置するための他の手段(差込みロック、スナップ嵌め、接着剤など)が想定される。下側ハウジング部品108は、さらに、内向きにテーパー状になった壁126を備え、この壁126は、基部120から延び、かつ、シールハウジングの軸「b」に関して半径方向内向きにテーパー状になっている。
ここで、図3〜4を参照すると、吊り下げ式のシール104は、外側すなわち遠位のシール端部128と、少なくともこの遠位シール端部128内に配置された内側すなわち近位のシール端部130とを備える。吊り下げ式のシール104は、内側のシール領域132(図3)を規定し、このシール領域132は、遠位シール端部128と近位シール端部130とを連結し、そして、中央シールアパーチャ134を規定する。遠位シール端部128は、外周フランジ136を規定する。外周フランジ136は、シール104を、シールハウジング102内に吊り下げられた様式で設置するために、上側ハウジング部品106の平面壁112と、下側ハウジング部品108の内側壁118との間でテーパー状になっている。遠位シール端部128は、外周フランジ136から、シール104の内側シール領域132まで、半径方向内向きに延びる。より具体的には、遠位シール端部128は、横軸方向成分と縦軸方向成分の両方を有し、そして、好ましくは、示されるような、弓状、半球形、または、ベル形状を規定する。遠位シール端部128は、円錐形、砂時計型(hourglasss)などを含む、あらゆる細長の構成を有し得る。シール104は、望ましくは、機器の直径よりも小さいか、または、カニューレアセンブリ200と共に使用される機器の大きさの範囲の最小値よりも小さい寸法の、シールアパーチャ134を形成するように成形される。
近位シール端部130は、内側シール領域132から上向きに延びて、座金138内で終結する。近位シール端部130は、ほぼ円錐形の形状として示される。しかし、近位シール端部130は、任意の他の構成(半球形、ベル形、砂時計型などを含む)を想定し得る。すなわち、近位シール端部130は、横軸方向成分および縦軸方向成分の両方を有する。近位シール端部130は、平面またはディスク形状のシールであり得る。
座金138は、近位シール端部の上側端部128内に嵌め込まれるか、または、これに連結される。この上側端部への座金138の取り付けは、接着剤、セメントなどを含む任意の手段によって達成され得る。あるいは、座金138は、シール104の製造の間に、近位シール端部130内にはめ込まれるシール104内に成形され得る。座金138は、シールハウジング102内に移動可能に配置され、そして、望ましくは、上側ハウジング部品106にも、シールハウジング102の任意の他の構造体にも、取り付けも連結もされない。従って、座金138および近位シール端部130は、毎回の機器の導入または取り出しの間に、カニューレスリーブ202に向かうか、または、カニューレスリーブ202から離れるかのいずれかで、長軸方向「L」(図3)に動き得る。この座金138の動きは、外科用機器の挿入および取り出しを容易にする。座金138の直径は、好ましくは、平面壁112の中央アパーチャ114の内径に近いか、または、これよりも大きい。このように寸法を決定することにより、座金138は、機器の回収の間に、中央アパーチャ114を通って通過しないように防がれ、従って、シール104の反転を防止する。座金138は、図3に示される最初の状態において、上側ハウジング部品106の横方向の平面壁112の環状の凹部116内に収容される。座金138は、好ましくは、シール部材102よりも柔軟性に乏しい材料から形成され、この材料は、剛性のポリマー材料または金属材料であり得る。
シールアセンブリ100のシール104は、好ましくは、シールのアパーチャ134を通して挿入される機器の周りに実質的なシールを形成するために、少なくとも内側シール領域132の領域に弾力性の材料を含む。シール104は、一体的に形成され得るか、または、互いに相互連結された複数の部品から構成され得る。1つの好ましい実施形態において、シール104は、エラストマー材料を含み、このエラストマー材料は、例えば、シリコンゴムを含み得る。別の実施形態において、シール104は、弾力性のあるエラストマー(例えば、ポリイソプレンまたは天然ゴム)を含み、そして、弾力性のあるシール104の各表面上に織物層が含浸されている。織物は、任意の適切な織物(例えば、Millikenから入手可能な、約20%のライクラおよび約80%のナイロンを含有するSPANDEX材料)から作製され得る。適切なシール部材またはシールの型は、同一出願人に譲渡された、Racenetらに対する米国特許第6,702,787号、および/または、Racenetらに対する米国特許第6,482,181号(各開示の全内容は、本明細書中に参考として援用される)に開示される。
シール104は、織物が含浸された配置として開示されているが、他のシールの型が使用され得、なお、本開示の目的を達成し得ることが理解される。例えば、シール104は、織物が埋め込まれていないエラストマー材料から製造され得る。ゲル、泡、または、他の流体で満たされた浮袋(bladder)シール配置もまた想定される。
シールハウジング102は、さらに、下側ハウジング部品108のチャネル142内に少なくとも部分的に受け入れられる、第2のシール140を備える。第2のシール140は、シールハウジング102を設置する際に、カニューレハウジング204と係合して、この境界面において実質的なシールを形成し、それによって、この境界面において、注入気体の所望されない通過を実質的に排除する。
シールアセンブリ100およびカニューレアセンブリ200の、外科用機器の導入と組み合せた使用が考察される。シールアセンブリ100は、気体が注入された腹腔内に予め導入されたカニューレアセンブリ200に設置される。機器1000は、シールハウジング102のアパーチャ114を通して、シールアセンブリ100内に挿入される。図5に最も良く図示されるように、機器1000は、近位シール端部130と係合する。図6に最も良く図示されるように、機器によって与えられる力は、近位シール端部130、そして、おそらくは、ある程度、遠位シール端部128を、カニューレスリーブ202に向かって移動させる。この動きの間に、遠位方向に動き得る座金138もまた、シールハウジング102内を長軸方向下向きに動き得る。図6において方向を示す矢印「U」によって示されるように、シール104は、近位シール端部130がシールハウジング102内を動く際に、機器に適応するように拡がる。その際、アパーチャ134が広がる。さらに、シール104の中央シールアパーチャ134を規定する、中央シール領域132は、機器1000の周りにシールを形成するために、必要に応じて、機器の直径に適応するように伸び縮みする。機器1000は、カニューレハウジング204内にさらに遠位に通過し、そして、嘴状のバルブ(示さず)およびカニューレスリーブ202を通って体腔内へと通過する。外科医は、所望の手術手順を行なう。外科手術が完了した後、外科医は、機器を回収する。この機器の回収の間に、シール104は、座金138の平面壁112と係合していることに起因して、反転しないように防止される。
図7は、本開示の代替的な実施形態を例示する。この実施形態は、図3の実施形態に実質的に類似する;しかし、この実施形態に関して、シール150は、休止位置または最初の位置にあるとき、図7に示されるように、少なくとも近位シール端部154内に複数の襞152を規定する。従って、これらの襞152は、例えば、図8に示されるシール102の配置(例えば、比較的直線状の配置)を取るように、機器の導入の間に、ほどけたり、巻いたりする。近位シール端部154の襞がほどけると、例えば、機器を取り出すために必要とされる初期の力を減らすことによって、カニューレスリーブ102内での機器の通過および取り扱いを有意に向上させる。同様に、機器を回収する間に、シール102のアパーチャ156を通して機器を取り出すために必要な初期の力を減らすことによって、近位シール端部154は、それ自体の上で折り重なったり、巻いたりして、図7の構成へと戻り、機器の取り出しを容易にし得る。上記のように、座金138は、機器を回収する際に、シール150の反転を防止する。この実施形態のさらなる特徴は、平面壁112の下側に、面取りをした面または切込み(cut−out)158を備える。面取りをした面158は、機器の取り出しの間に、座金138を、シールの軸「b」と整列するように導くようにはたらく。さらなる代替例として、座金138が、平面壁112の下側に固定され得、それによって、機器の挿入および取り出しの間に、近位シール端部および遠位シール端部の中央領域のみが、長軸方向に移動することも想定される。
さらなる実施形態において、シールは、円筒形の形状に形成されたエラストマー材料を含む。円筒形のシールは、図3に示される円錐形の形状に折り畳まれ、そして、両方の端部が、シールハウジング102に連結される。円筒形のシールの上側端部は、シールハウジング102に、弾性的に取り付けられ、その結果、上述のように、上側端部は、シールの下側端部に対して長軸方向に動き得、そして、シールは、ほどけたり巻いたりし得る。円筒形のシールの上側端部は、上述のように、座金138を備え得る。別の実施形態において、円筒形のシールの上側端部は、シールハウジング内の溝の中に捕捉され、その結果、上側端部は、長軸方向に動き得る。
本発明が、具体的に示され、好ましい実施形態を参照して説明されてきたが、形状および細部の種々の改変および変更が、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、本発明の範囲内にあり得ることが、当業者により理解される。従って、上で示唆された(これに限定されない)ような改変は、本発明の範囲内であるとみなされるべきである。
図1〜2は、本開示の原理に従うカニューレアセンブリおよびシールアセンブリの斜視図である。 図1〜2は、本開示の原理に従うカニューレアセンブリおよびシールアセンブリの斜視図である。 図3は、図1〜2の実施形態に従うシールアセンブリの側面断面図である。 図4は、図1〜3の実施形態に従うシールアセンブリのシールの斜視図である。 図5は、図4の実施形態に従うシールアセンブリの側面断面図であり、シールアセンブリ内への外科用機器の挿入を例示する。 図6は、図5の実施形態に従うシールアセンブリの側面断面図であり、シールアセンブリ内への外科用機器の挿入を例示する。 図7は、シールアセンブリの代替的な実施形態の側面断面図である。 図8は、図7の実施形態に従うシールアセンブリの側面断面図であり、シールアセンブリ内への外科用機器の挿入を例示する。

Claims (33)

  1. 外科用アクセス装置であって、該装置は、以下:
    組織内に挿入するための寸法のカニューレであって、該カニューレは、近位端部および遠位端部を有し、そして、長手方向軸を規定し、そして、下にある組織について処置を行なうために該カニューレを通した外科用機器の導入を可能にするための長軸方向の開口部を有する、カニューレ;ならびに
    該カニューレ内に設置されたシール部材であって、該シール部材は、該カニューレに付随する遠位シール端部と、該カニューレ内に吊り下げられ、そして該外科用機器を該シール部材を通して通過させた際に、該カニューレ内で自由にかつ長軸方向に移動可能な近位シール端部とを有する、シール部材を備え
    該近位シール端部と該遠位シール端部とが連結され、そして該近位シール端部が該遠位シール端部の半径方向の内方に配置される、外科用アクセス装置。
  2. 記シール部材が、前記近位シール端部と前記遠位シール端部との連結の点の間に配置される、前記外科用機器を該シール部材と実質的にシールされた関係で受け入れるためのアパーチャを規定する、内側領域を有する、請求項1に記載の外科用アクセス装置。
  3. 前記内側領域が、前記外科用機器が導入されるときに、前記アパーチャを拡げるように、半径方向に移動するように適合されている、請求項2に記載の外科用アクセス装置。
  4. 前記遠位シール端部が、前記遠位シール端部の外周に沿って、前記カニューレに連結される、請求項1に記載の外科用アクセス装置。
  5. 前記近位シール端部の自由に移動可能な端部が外周を規定し、そして環状部材が該外周に隣接して設置される、請求項1に記載の外科用アクセス装置。
  6. 前記環状部材が、前記カニューレの対応する長軸方向の開口部の最大の寸法よりも大きい寸法を規定し、前記シール部材から外科手術の対象物を引き抜く際に、該カニューレの該長軸方向の開口部を通る該シール部材の通路を最小にする、請求項に記載の外科用アクセス装置。
  7. 前記近位シール端部が、ほぼ円錐形の形状を形成する、請求項1に記載の外科用アクセス装置。
  8. 前記近位シール端部が、前記外科用機器の通過および/または取り扱いを容易にするような寸法の、波状部分を備える、請求項1に記載の外科用アクセス装置。
  9. 前記遠位シール端部が、ほぼ半球形の形状を形成する、請求項1に記載の外科用アクセス装置。
  10. 前記シール部材が、一体に形成される、請求項1に記載の外科用アクセス装置。
  11. 前記シール部材は、前記近位端部が前記遠位シール端部内に配置されるように折り畳まれた円筒形部材を備える、請求項1に記載の外科用アクセス装置。
  12. 外科用カニューレ装置であって、該装置は、以下:
    カニューレハウジング;
    該カニューレハウジングから延びるカニューレスリーブであって、該カニューレスリーブは、長手方向軸を規定し、そして、外科用機器の導入を可能にするための、長軸方向の開口部を有する、カニューレスリーブ;および
    該カニューレハウジングに対して設置されたシール部材であって、該シール部材は、遠位シール端部と、該遠位シール端部内に配置された近位シール端部と、該近位シール端部および該遠位シール端部を相互に連結する内側領域とを備え、該内側領域は、該外科用機器を該シール部材と実質的にシールされた関係で受け入れるためのアパーチャを規定し、該近位シール端部は、該シール部材内に吊り下げられ、そして該長手方向軸に対して自由に動くように適合された外周を規定し、そして、該遠位シール端部は、該カニューレハウジングに連結された外周を規定する、シール部材を備え、該近位シール端部と該遠位シール端部とが連結され、そして該近位シール端部が該遠位シール端部の半径方向の内方に配置される、外科用カニューレ装置。
  13. 前記近位シール端部が、ほぼテーパー状の形状を形成する、請求項12に記載の外科用カニューレ装置。
  14. 前記近位シール端部が、前記長手方向軸に対する前記外科用機器を移動を容易にする、少なくとも1つの波状物を備える、請求項12に記載の外科用カニューレ装置。
  15. 前記近位シール端部が、ほぼ円錐形の形状を形成する、請求項12に記載の外科用カニューレ装置。
  16. 前記遠位シール端部が、前記内側領域からほぼ近位方向に延びる、請求項12に記載の外科用カニューレ装置。
  17. 前記遠位シール端部が、長軸方向成分および半径方向成分を有して、ほぼ近位方向に延びる、請求項15に記載の外科用カニューレ装置。
  18. 前記遠位シール端部が、ほぼ半球形の形状である、請求項12に記載の外科用カニューレ装置。
  19. 前記近位シール端部の自由に動く端部が、該近位シール端部の外周に付随する環状要素を備え、該環状要素は、前記内側領域を構成する他の部分よりも柔軟性に乏しい、請求項12に記載の外科用カニューレ装置。
  20. 前記カニューレハウジングが、前記カニューレスリーブの長手方向軸を横切る壁を含み、該横切る壁が該カニューレスリーブの長手方向軸とほぼ整列し、前記シール部材の近位に配置されたアパーチャを備える、請求項19に記載の外科用カニューレ装置。
  21. 前記環状要素は、該環状要素が、前記外科用機器の挿入および回収の間に、前記横切る壁の遠位に保持され、それによって、前記カニューレハウジングのアパーチャを通る前記近位端部の通路を最小にするように、前記カニューレハウジングのアパーチャの対応する横方向の寸法よりも大きな横方向の寸法を規定する、請求項20に記載の外科用カニューレ装置。
  22. 外科用アクセス装置であって、該装置は、以下:
    組織内に挿入するための寸法の、カニューレであって、該カニューレは、近位端部および遠位端部を有し、そして、長手方向軸を規定し、そして、下にある組織について処置を行なうために該カニューレを通した外科手術の対象物の導入を可能にするための長軸方向の開口部を有する、カニューレ;ならびに
    該カニューレの長軸方向の開口部を横切って設置され、そして、該カニューレの長軸方向の開口部を通して導入される該外科手術の対象物の周りに実質的なシールを形成するためのアパーチャを規定する内側部分を有する、シール部材であって、該シール部材は、該内側部分から延び、該カニューレに対して吊り下げられた状態で設置された第1のシール部分と、該内側部分から延び、該第1のシール部分の半径方向の外方に配置され、そして、該カニューレに付随する第2のシール部分とを備える、シール部材
    を備える、外科用アクセス装置。
  23. 外科用機器の周りにシールを提供する方法であって、以下:
    シールアセンブリと、シールとを備えるカニューレアセンブリを提供する工程であって、該シールアセンブリは、長手方向軸を規定し、そして、該シールは、該シールアセンブリに取り付けられた遠位端と、該シールアセンブリ内に吊り下げられ、そして該遠位端に対して自由にかつ長軸方向に移動可能な近位端部とを有する工であって、該近位シール端部と該遠位シール端部とが連結され、そして該近位シール端部が該遠位シール端部の半径方向の内方に配置される工程
    該近位端部を該外科用機器に係合する工程;および
    該シールが開くように、該近位端部を、該遠位端部に対して長軸方向に動かす工程
    を包含する、方法。
  24. 前記動かす工程が、前記近位端部を、前記シールのアパーチャ内に動かす工程を包含する、請求項23に記載の方法。
  25. 外科用アクセス装置であって、該装置は、以下:
    組織内に挿入するための寸法のカニューレアセンブリであって、該カニューレアセンブリは、近位端部および遠位端部を有し、そして、下にある組織に対して処置を行うために該カニューレアセンブリを通した外科用器具の導入を可能にするための長軸方向の開口部を有する、カニューレアセンブリ;ならびに
    該カニューレアセンブリの長軸方向軸の開口部を横切って設置されるシールであって、該カニューレアセンブリの長軸方向の開口部を通って導入される該外科用器具の通過を可能にし、そして該外科用器具を実質的にシールするためのアパーチャを規定する内側シール領域を有するシールを備え、該シールが:
    該内側シール領域からほぼ近位長軸方向に延び、そして該カニューレアセンブリに吊り下げられた関係で設置される近位シール端部セグメント;および
    該近位シール端部に該内側シール領域によって連結される遠位シール端部セグメントであって、該内側シール領域からほぼ近位長軸方向に延び、そして該近位シール端部セグメントの半径方向の外方に設置される遠位シール端部セグメントを含み、そして該近位シール端部セグメントの近位端が、該外科用器具の通過に際し該カニューレアセンブリの該長手方向の開口部内で長軸方向に移動するように構成される、外科用アクセス装置。
  26. 前記外科用器具が導入されるとき、前記内側シール領域が半径方向に移動され、前記アパーチャを拡大する、請求項25に記載の外科用アクセス装置。
  27. 前記遠位シール端部セグメントが、該遠位シール端部セグメントの外周に沿って該カニューレアセブリに連結される、請求項26に記載の外科用アクセス装置。
  28. 前記近位シール端部セグメントが外周および該外周に隣接して設置される座金を規定し、該座金が前記カニューレアセンブリの前記長軸方向の開口部の対応する寸法より大きい寸法を規定し、前記シールからの前記外科用器具の引き抜きに際し、該シールの反転を最小にする、請求項26に記載の外科用アクセス装置。
  29. 前記近位シール端部セグメントが、ほぼ円錐形の形状を形成する、請求項25に記載の外科用アクセス装置。
  30. 前記近位シール端部セグメントが、前記外科用器具の通過および/または取り扱いを容易にする大きさの波状部分を備える、請求項25に記載の外科用アクセス装置。
  31. 前記遠位シール端部セグメントが、ほぼ半球形の形状を形成する、請求項26に記載の外科用アクセス装置。
  32. 前記シールが、一体に形成される、請求項26に記載の外科用アクセス装置。
  33. 前記シールが、前記近位シール端部セグメントが前記遠位シール端部セグメント内に配置されるように折り畳まれる円筒形部材を備える、請求項26に記載の外科用アクセス装置。
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