JP5490229B2 - 光電極の製造方法、色素増感型太陽電池の製造方法、光電極及び色素増感型太陽電池 - Google Patents

光電極の製造方法、色素増感型太陽電池の製造方法、光電極及び色素増感型太陽電池 Download PDF

Info

Publication number
JP5490229B2
JP5490229B2 JP2012515707A JP2012515707A JP5490229B2 JP 5490229 B2 JP5490229 B2 JP 5490229B2 JP 2012515707 A JP2012515707 A JP 2012515707A JP 2012515707 A JP2012515707 A JP 2012515707A JP 5490229 B2 JP5490229 B2 JP 5490229B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dye
oxide semiconductor
semiconductor film
photoelectrode
adsorbed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012515707A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2011145229A1 (ja
Inventor
智啓 永田
村上  裕彦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ulvac Inc
Original Assignee
Ulvac Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ulvac Inc filed Critical Ulvac Inc
Priority to JP2012515707A priority Critical patent/JP5490229B2/ja
Publication of JPWO2011145229A1 publication Critical patent/JPWO2011145229A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5490229B2 publication Critical patent/JP5490229B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M14/00Electrochemical current or voltage generators not provided for in groups H01M6/00 - H01M12/00; Manufacture thereof
    • H01M14/005Photoelectrochemical storage cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/542Dye sensitized solar cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Photovoltaic Devices (AREA)
  • Hybrid Cells (AREA)

Description

本発明は、光電極の製造方法、色素増感型太陽電池の製造方法、光電極及び色素増感型太陽電池に関する。
光電変換素子である太陽電池には、結晶シリコンやアモルファスシリコンを用いたシリコン系太陽電池、GaAs系、CuInGaSe又はCuInGaSeS系や、CdTe系等の化合物を用いた化合物系太陽電池、導電性ポリマー等の有機薄膜を用いた有機薄膜系太陽電池、色素を増感剤として用いる色素増感型太陽電池がある。これらの中でも、色素増感型太陽電池は、導電性基板上に成膜した酸化物半導体微粒子膜表面に光増感剤として色素を吸着させて光電極を作製し、この光電極と対向電極との間を電解質溶液で充填させ、光を吸収した色素の電子励起と電解質の酸化還元反応を用いて光電変換するのが代表的なものである(例えば非特許文献1参照)。このような色素増感型太陽電池は、比較的高い光電変換効率を示すが、結晶シリコン系やCuInGaSe系等の太陽電池より一般的に光電変換効率が低く、光電変換効率をさらに高くすることが望まれている。
このような要望に関して、増感色素の吸着量を増やし、光電変換効率を向上させることを目的として、透明導電体基板上に形成した酸化物半導体電極を容器内に設置してその容器を真空排気した後に色素を酸化物半導体電極に吸着させる技術が開示されている(特許文献1参照)。
しかしながら、色素増感型太陽電池の製造工程において、色素を酸化物半導体膜に吸着させる方法は、酸化物半導体膜が形成された導電性基板を色素溶液に長時間浸漬させる手法が一般的であり、例えば、特許文献1では24時間浸漬させている。したがって、色素増感型太陽電池の実用化にあたって、生産性が悪いという問題がある。
また、光電変換効率を高くするという要望に対して、2種類以上のセル(電池)を積層してタンデム型のセルにした技術が開示されている(特許文献2参照)。この技術では、異なる吸収波長をもつ2種類の色素を光増感剤として用いているため、太陽光に対する吸収波長領域が広くなって、光電変換効率を向上させることができる。しかしながら、この技術では光の入射方向から遠いセルに光が届くまでに電解液や導電膜が存在するため、そこで光が吸収されることにより色素で吸収できる光が少なくなってしまうという問題がある。
また、1層の酸化物半導体膜に混合した2種類以上の色素を吸着させた技術が開示されているが(特許文献3参照)、この特許文献3では、色素を全て溶解させた単一の溶液を用いる等しており、色素が混合して酸化物半導体膜に吸着されているため、隣り合った異なる種類の色素同士で電子を受け渡しし得られる電流が低下してしまうという問題がある。
そして、異なる吸収波長を有する色素を用いてそれぞれ酸化物半導体微粒子に吸着させたものを予め準備し、これを順次塗布して膜を形成することで色素が2層となるように吸着された酸化物半導体膜を形成する技術も開示されているが(特許文献4参照)、この技術では、酸化物半導体微粒子と導電性基材の界面に色素が挟まってしまうため、励起された電子を導電性基材に取り込む効率が低下してしまうという問題がある。
また、超臨界二酸化炭素中での色素吸着により酸化物半導体微粒子膜の細孔への浸透性を上げて酸化物半導体膜の奥部にまで短時間に色素を吸着させる技術を用いて、異なる吸収波長を有する色素を2層となるように吸着させる技術が開示されているが(特許文献5参照)、超臨界状態を形成する高圧ガス設備やガス回収設備を必要とするため、コスト面での課題がある。
特開2002−246073号公報 特開2000−90989号公報 特開2000−268892号公報 特開2000−243466号公報 特開2008−71535号公報
B.O'Regan and M.Gratzel, Nature, 353, 737-740(1991)
本発明は、このような事情に鑑み、光電変換効率が高い光電極を製造することを目的とするものである。具体的には、第1の本発明は、光電変換効率が高い光電極を短時間で製造することができる光電極の製造方法、色素増感型太陽電池の製造方法、光電極及び色素増感型太陽電池を提供することを目的とする。また、第2の本発明は、容易に光電変換効率を向上させることができる光電極の製造方法、色素増感型太陽電池の製造方法、光電極及び色素増感型太陽電池を提供することを目的とする。
上記課題を解決する第1の本発明の光電極の製造方法は、導電性基材上に設けられた酸化物半導体膜に色素を吸着させた光電極の製造方法であって、酸化物半導体膜が形成された導電性基材を容器内に設置して前記容器内を真空排気する工程と、前記容器内を真空排気する工程の後に前記導電性基材を110〜140℃にして前記容器内に色素溶液を導入し前記色素溶液と前記酸化物半導体膜とを接触させて前記酸化物半導体膜に前記色素を吸着させる工程とを有することを特徴とする。
また、前記色素溶液と前記酸化物半導体膜とを接触させる時間は、10分以内であることが好ましい。
そして、前記容器内を真空排気する工程と同時または後に、前記導電性基材を100〜250℃にすることが好ましい。
さらに、前記酸化物半導体膜は、酸化物半導体の微粒子で形成された微粒子膜であることが好ましい。
また、本発明の色素増感型太陽電池の製造方法は、光電極の製造方法により製造された光電極と、前記光電極に対向する対向電極を設けると共に、前記光電極と前記対向電極との間に電解質層を設けることを特徴とする。
そして、本発明の光電極は、上記光電極の製造方法により製造されたことを特徴とする。
また、本発明の色素増感型太陽電池は、上記光電極の製造方法により製造された光電極と、前記光電極に対向する対向電極と、前記光電極及び前記対向電極の間に設けられた電解質層とを有することを特徴とする。
また、第2の本発明の光電極の製造方法は、導電性基材上に設けられ酸化物半導体の微粒子で形成された酸化物半導体膜に、異なる吸収波長領域を有する2種類の色素を吸着させた光電極の製造方法であって、前記酸化物半導体膜の前記導電性基材とは反対側に第1の色素を吸着させる第1の色素吸着工程と、前記第1の色素を導電性基材とは反対側に吸着させた酸化物半導体膜が形成された導電性基材を容器内に設置して前記容器内を真空排気した後、前記容器内に第2の色素を溶解させた色素溶液を導入して前記酸化物半導体膜と前記色素溶液とを接触させて前記酸化物半導体膜の前記導電性基材側に前記第2の色素を吸着させる第2の色素吸着工程と、を有することを特徴とする。
また、前記第1の色素は前記第2の色素の吸収波長領域よりも長波長側の吸収波長を有することが好ましい。
そして、前記第2の色素吸着工程では、前記容器内を真空排気する時に前記導電性基材を加熱することが好ましい。
本発明の光電極は、上記光電極の製造方法により製造されたことを特徴とする。
また、本発明の色素増感型太陽電池の製造方法は、上記光電極の製造方法により製造された光電極と、前記光電極に対向する対向電極を設けると共に、前記光電極と前記対向電極との間に電解質層を設けることを特徴とする。
本発明の色素増感型太陽電池は、上記光電極の製造方法により製造された光電極と、前記光電極に対向する対向電極と、前記光電極及び前記対向電極の間に設けられた電解質層とを有することを特徴とする。
第1の本発明によれば、酸化物半導体膜が形成された導電性基材を容器内に設置して容器内を真空排気し、その後導電性基材を110〜140℃にして容器内に色素溶液を導入し色素溶液と酸化物半導体膜とを接触させて酸化物半導体膜に色素を吸着させることにより、色素増感型太陽電池等に使用できる光電極を、短時間で製造することができるという効果を奏する。したがって、例えば、色素溶液と酸化物半導体膜とを接触させる時間を短くしても、酸化物半導体膜に適量の色素を吸着させることができる。また、製造される光電極は、光電変換効率が高いという効果を奏する。
また、第2の本発明によれば、酸化物半導体膜の導電性基材とは反対側に第1の色素を吸着させる第1の色素吸着工程と、第1の色素を導電性基材とは反対側に吸着させた酸化物半導体膜が形成された導電性基材を容器内に設置して容器内を真空排気した後、容器内に第2の色素を溶解させた色素溶液を導入して酸化物半導体膜と色素溶液とを接触させて酸化物半導体膜に第2の色素を吸着させる第2の色素吸着工程とを有する製造方法で、色素増感型太陽電池等に使用できる光電極を製造することにより、容易に光電変換効率を向上させることができる。

第1の本発明の光電極の構成例を示す図である。 第1の本発明の色素増感型太陽電池の構成例を示す図である。 色素を吸着させる真空装置の構成例を示す図である。 実施例1の微粒子膜の断面の写真である。 実施例1で作製した太陽電池セルの構成を示す図である。 色素吸着温度と光電変換効率との関係を示す図である。 実施例2及び比較例1の光電極の表面の写真である。 色素吸着時間と光電変換効率との関係を示す図である。 真空排気温度と光電変換効率との関係を示す図である。 第2の本発明の光電極の構成例を示す図である。 第2の本発明の色素増感型太陽電池の構成例を示す図である。 第1の色素及び第2の色素の吸収スペクトルの一例を示す図である。 第2の本発明の光電極の製造方法を示す側面図である。 色素を吸着させる真空装置の構成例を示す図である。 実施例6の光電極の写真である。 実施例6で作製した太陽電池セルの構成を示す図である。
(第1の本発明)
本発明に係る光電極は、導電性基材上に設けられた酸化物半導体膜に色素を吸着させたものである。具体的には、例えば、光電極の構成例を示す図である図1に示すように、光電極1は、支持基材2と支持基材2上に形成された導電膜3からなる導電性基材4とを有する。そして、この導電膜3上に、酸化物半導体膜に詳しくは後述する所定の方法により色素を吸着させた色素吸着酸化物半導体膜5が設けられている。
そして、色素増感型太陽電池の構成例を示す図である図2に示すように、光電極1と、光電極1に対向するように配置された対向電極11と、光電極1及び対向電極11の間に設けられた電解質溶液からなる電解質層12とで、色素増感型太陽電池10となる。このような色素増感型太陽電池10は、色素の光励起と電解質の酸化還元反応により、電気を発生する。
導電性基材4を構成する支持基材2に特に限定はないが、例えば、ガラス、プラスチックフィルム等の透光性を有する基材や、チタン、ステンレス、アルミニウム等の金属製の基材が挙げられる。
導電膜3としては、透明導電膜または金属薄膜を用いることができる。透明導電膜材料としては、例えば、酸化錫(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、錫添加酸化インジウム(ITO)、亜鉛添加酸化インジウム(IZO)、ガリウム添加酸化インジウム(GZO)、アルミニウム添加酸化亜鉛(AZO)、アンチモン添加酸化錫(ATO)、ニオブ添加酸化チタン(NTO)、及びフッ素添加酸化錫(FTO)が挙げられる。また、金属薄膜材料としては、例えば、チタン、ステンレス、アルミニウム、銀等が挙げられる。
なお、導電性基材4側から光を導入して使用する光電極1とする場合は、導電性基材4を構成する支持基材2及び導電膜3は、導入する光を透過する必要があるため透光性を有する必要がある。勿論、対向電極11側から光を導入して使用する光電極1とする場合は、導電性基材4を構成する支持基材2及び導電膜3は、透光性を有するものでなくてもよい。また、支持基材2が導電性を有する場合は、支持基材2が導電膜3を兼ねるため、導電膜3はなくてもよい。
導電性基材4に形成され、色素を吸着させる酸化物半導体膜は、酸化物半導体の微粒子で形成された微粒子膜でもよく、また、真空蒸着法やスパッタリング法により形成される緻密膜でもよいが、色素が吸着する面積が大きいほど光電変換の性能が向上するので、微粒子膜が好ましい。酸化物半導体膜を形成する微粒子の大きさに特に限定はないが、例えば粒径20〜400nm程度の微粒子を用い、微粒子間に形成される間隙を多く含んだ酸化物半導体膜とすることが好ましい。粒径20nmより小さい微粒子を用いると色素を多く吸着できるものの応力による剥がれや太陽光の透過が生じやすく、また、粒径400nmよりも大きい微粒子を用いると色素の吸着量が少なくなることにより光電変換効率が低くなるためである。
色素を吸着させる酸化物半導体膜の厚さに特に限定はないが、5〜20μmであることが好ましく、より好ましくは10〜18μmである。酸化物半導体膜の膜厚が20μmを超えると、電子が導電性基材4まで到達する経路が長くなり、電子が失活する可能性が高くなる。また、5μm未満であると、色素の吸着量が少なくなることにより光電変換効率が低くなるためである。
酸化物半導体としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化インジウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム及びチタン酸ストロンチウムが挙げられる。なお、吸着させる色素によって色素から電子が注入され正孔は注入されない、すなわち、色素のLUMO(最低空分子軌道)エネルギーより酸化物半導体の伝導帯エネルギーが低く、色素のHOMO(最高被占分子軌道)エネルギーより酸化物半導体の価電子帯エネルギーが低いものが好ましい。
そして、酸化物半導体膜に吸着させる色素としては、例えば、金属錯体色素、メチン系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、マーキュロクロム系色素、キサンテン系色素、ポルフィリン系色素、フタロシアニン系色素、アゾ系色素、クマリン系色素、スチリル系色素、ポリエン系色素、スチリル系色素、ジケトピロロピロール系色素、ペリレン系色素、インドリン系色素、スクアリウム系色素、およびキナクドリン系色素が挙げられる。
このような光電極1を製造する本発明の光電極の製造方法は、酸化物半導体膜が形成された導電性基材を容器内に設置して容器内を真空排気する工程と、この容器内を真空排気する工程の後に、導電性基材を110〜140℃にして容器内に色素溶液を導入して色素溶液と酸化物半導体膜とを接触させて酸化物半導体膜に色素を吸着させる工程を有するものである。具体的には、まず、上記支持基材2に設けられた導電膜3上に、酸化物半導体膜6を設ける。なお、導電性基材4が導電性の支持基材2のみからなる場合は、支持基材2上に酸化物半導体膜6を設ければよい。
次いで、この導電性基材4上に設けられた酸化物半導体膜6に、色素を吸着させる真空装置の構成例である図3に示す真空装置20を用いて、色素を吸着させる。真空装置20は、真空容器21と、真空容器21内を排気する真空ポンプ22と、真空容器21内に載置され酸化物半導体膜6を有する導電性基材4を加熱するヒーター23と、真空容器21内に導入する色素溶液24を貯留する色素貯留容器25を有する。そして、真空容器21と真空ポンプ22との間にはバルブ26が、真空容器21と色素貯留容器25との間にはバルブ27が設けられている。また、色素貯留容器25には、窒素ガスやアルゴンガスを色素貯留容器25に導入するためのバルブ28、及び、色素貯留容器25内の気体を排出するためのバルブ29が設けられている。
このような真空装置20の真空容器21内に、酸化物半導体膜6が形成された導電性基材4を載置し、バルブ26を開放して真空ポンプ22により真空容器21内を排気する。この真空排気は、酸化物半導体膜6に吸着等した水を除去できればよく、真空度に特に限定はないが、酸化物半導体膜6が微粒子膜の場合、微粒子間に形成された間隙内の水をできるだけ除去するためには、例えば真空容器21内を0.1〜10Pa以下とすることが好ましい。なお、真空排気を保持する時間は特に限定はないが、例えば30〜90分程度とすればよい。
また、この真空排気と同時に又は真空排気した後に、導電性基材4を50〜300℃、好ましくは100〜250℃程度に加熱する。加熱することにより、酸化物半導体膜6に吸着等した水を効果的に除去することができ、これにより、後段の酸化物半導体膜6への色素の吸着が水によって阻害されなくなる。50℃未満では酸化物半導体膜6に吸着等した水の除去効果が低く、また、300℃より高いと、酸化物半導体膜6の色素吸着サイトである水酸基も脱離させ疎水化してしまい、色素が吸着し難くなる。ここで、この導電性基材4の加熱は、真空排気する後でも同時でもよく、いずれにしても、加熱された状態の導電性基材4が真空排気された状態に保持されるようにすればよい。なお、図3においては、ヒーター23で支持基材2を加熱し、支持基材2の温度が50〜300℃程度になるようにしている。そして、支持基材2上に設けられた導電膜3や酸化物半導体膜6は支持基材2と同様の温度である。
また、色素貯留容器25に設けられたバルブ28及びバルブ29を開放し、バルブ28側から窒素ガスまたはアルゴンガス等の不活性ガスを色素貯留容器25内に導入し、色素貯留容器25内の空気をバルブ29を介して排出させ、色素貯留容器25内の空気を不活性ガスで置換することが好ましい。これは、色素貯留容器25内に貯留された色素溶液24が真空容器21内に導入された際に、色素貯留容器25内の気体も同時に真空容器21内に導入される可能性があり、その際、この気体が水分を含有していると、酸化物半導体膜6に吸着してしまい、色素の酸化物半導体膜6への吸着を阻害するためである。
その後、ヒーター23で導電性基材4の温度を110〜140℃に調整し、バルブ27を開けて色素貯留容器25に貯留された色素溶液24を真空容器21内に導入することにより、真空容器21内に載置され温度が110〜140℃である導電性基材4上の酸化物半導体膜6と色素溶液24とを接触させ、酸化物半導体膜6に色素を吸着させて、色素吸着酸化物半導体膜5とする。なお、色素は、酸化物半導体膜6が微粒子膜の場合は、酸化物半導体膜6を構成する微粒子の表面に吸着し、緻密膜の場合は、酸化物半導体膜6に色素溶液が侵入できるほどの空隙がないため、色素溶液が侵入せずに上層表面にのみ吸着する。そして、色素は酸化物半導体表面の水酸基と結合する。
このように、本発明においては、導電性基材4の温度を110〜140℃にした状態で、酸化物半導体膜6と色素溶液24とを接触させることにより、短時間で適量の色素を吸着させることができる。したがって、例えば、色素溶液24と酸化物半導体膜6とを接触させる時間、すなわち色素吸着時間を1分〜10分程度と短くしても、酸化物半導体膜6に適量の色素を吸着させることができる。よって、従来技術のように色素の吸着工程に何十時間もかからず、非常に短い時間で光電極を製造することができる。また、このようにして短時間で製造された光電極1は、後述する実施例に示すように、光電変換効率が高い。なお、導電性基材4の温度を110℃未満とすると、色素の吸着が不十分となり、また、140℃より高いと、色素が分解してしまう可能性がある。
色素溶液24の溶媒に特に限定はないが、例えば、アセトニトリル、tert−ブタノール、エタノールや、これらの混合溶媒が挙げられる。なお、色素溶液24が真空容器21内に導入される時の導電性基材4の温度は110〜140℃なので、これらの溶媒は真空容器21に導入された直後は揮発するが、この導入された色素溶液24により導電性基材4はすぐに冷却される。また、色素溶液24の濃度にも特に限定はなく、例えば、1×10−4mol/L程度の色素溶液とすればよい。
ここで、本発明において、色素溶液24を真空容器21内に注入した後長時間(例えば24時間)保持して、長時間酸化物半導体膜6と色素溶液24とを接触させておくと、短時間、例えば上記のように色素吸着時間を1〜10分とした場合と比較して、光電変換効率が低下する。これは、下記機構によるものと推測される。まず、酸化物半導体膜6と色素溶液24との接触時間が短い、例えば0.1時間程度であると、酸化物半導体膜6を構成する微粒子や酸化物半導体膜6表面に色素が吸着して色素の薄い層(例えば1層)が形成されると推測される。そして、この吸着した色素が光を吸収することにより電子が発生し、この電子が酸化物半導体に供給されることにより、電気が発生する。一方、酸化物半導体膜6と色素溶液24との接触時間が長いと、酸化物半導体膜6に吸着した色素が会合体や凝集体を形成し、その結果、色素間の相互作用による電子供給量の減少や酸化物半導体への電子供給に関与しない色素の光吸収によって光電変換効率が低下するものと推測される。
なお、真空容器21を大気開放して導電性基材4を真空容器21から取り出した後は、必要に応じて、導電性基材4をアセトニトリル等でリンスすることにより、光電極1を形成することができる。
そして、この光電極1に対向するように対向電極11を配置し、光電極1と対向電極11との間に電解質溶液を充填して電解質層12を形成することにより、色素増感型太陽電池10を製造することができる。なお、対向電極11は、一般的な対向電極でよく、例えば、ガラス基材上に白金や炭素を成膜したものからなるものとすればよい。また、電解質溶液も一般的なものでよく、例えば、ヨウ素酸化還元対を含む溶液とすればよい。
[実施例]
以下、実施例及び比較例に基づいてさらに詳述するが、本発明はこの実施例により何ら限定されるものではない。
(実施例1)
<色素の吸着>
透明導電膜(導電膜3)として、AGCファブリテック社製のフッ素ドープ酸化錫膜が形成されたガラス基板(支持基材2)上に、スキージ法により酸化チタンペースト(商品名:Ti−Nanoxide D20、Solaronix社製)を塗布し、その後電気炉にて450℃で30分間焼成し、酸化チタン粒子からなる微粒子膜(酸化物半導体膜6)を形成した。形成された酸化チタンの微粒子膜の膜厚は12μmであった。参考までにこの手法に準じて形成した6μmの酸化チタンの微粒子膜の断面を12000倍の走査電子顕微鏡(SEM)で観察した写真を図4に示す。
この酸化チタンの微粒子膜に、図3に示す真空装置20を用いて色素を吸着させた。具体的には、まず酸化チタンの微粒子膜が形成されたガラス基板を、真空容器21内に設置し、バルブ26を開放して真空ポンプ22によって圧力を10Pa以下まで排気した。同時にヒーター23により、ガラス基板を150℃に加熱し、1時間保持して酸化チタンの微粒子膜の水分を脱離させた。
また、Ru錯体色素(商品名:Ruthenium 535−bisTBA、Solaronix社製)の粉末を5×10−4mol/Lの濃度でアセトニトリルとtert−ブタノールを1:1で混合させた溶剤に添加し、1時間超音波撹拌して、色素溶液24を調製した。
この色素溶液24を色素貯留容器25に封入した後、バルブ29及びバルブ28を開放しバルブ28から窒素ガスを流して、色素貯留容器25内の空気をバルブ29から追い出し色素貯留容器25内の空気を窒素で置換した後、バルブ29及びバルブ28を閉じた。
その後、ヒーター23の加熱を停止して放冷し、ガラス基板の温度を110℃とした状態で、バルブ26を閉じて真空容器21内を真空封止し、バルブ27を開けて色素溶液24を真空容器21内に導入し、色素溶液24を酸化チタンの微粒子膜に接触させた。そして、色素溶液24を真空容器21内に導入した直後にバルブ27を閉めて真空容器21を大気開放して基板を取り出した。なお、色素溶液24と酸化チタンの微粒子膜との接触時間(色素吸着時間)は10分であった。その後、アセトニトリルでリンスして、導電性基材4上に設けられた酸化物半導体膜6に色素を吸着させた光電極1を得た。得られた光電極1を目視により観察したところ、微粒子膜内部に均一に色素が吸着している様子が見られた。
<太陽電池セルの作成>
上記光電極を用いて、図5に示す構成の太陽電池セルを作製した。図5に示すように、光電極1の色素が吸着した酸化チタンの微粒子膜(色素吸着酸化物半導体膜5)が形成された側の表面に対向するように、Pt薄膜で形成された対向電極11を設け、厚さ50μmの熱可塑性樹脂からなる封止部材31(商品名:ハイミラン、三井デュポンポリケミカル社製)を配置し、その空隙にヨウ素の酸化還元対を含む電解液(電解質層12)(商品名:Iodolyte AN−50、Solaronix社製)を注入して太陽電池セル10Aを得た。
<太陽電池セルの光電変換性能評価>
作製した太陽電池セル10Aに、強度100mW/cmの模擬太陽光をソーラーシュミレーター(商品名:WXS−50S−1、5、ワコム電創社製)を用いて支持基材2側から入射して、光電変換効率を測定した結果を表1及び図6に示す。
(実施例2〜4)
色素溶液24を真空容器21内に導入する際のガラス基板の温度(表中「色素吸着温度」と記載する。)を実施例1の場合の110℃とする代わりに表1に示す温度とした以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表1及び図6に示す。また、得られた光電極1を目視により観察したところ、微粒子膜内部に均一に色素が吸着している様子が見られた。この観察結果は、実施例2の光電極1をガラス基板側とは反対側及びガラス基板側から観察した写真である図7からも明らかである。
(比較例1〜5)
色素溶液24を真空容器21内に導入する際のガラス基板の温度を実施例1の場合の110℃とする代わりに表1に示す温度とした以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表1及び図6に示す。また、得られた光電極1を目視により観察したところ、微粒子膜内部に吸着した色素は、実施例1〜4よりも少なく色が薄かった。この観察結果は、比較例1の光電極1をガラス基板側とは反対側及びガラス基板側から観察した写真である図7からも明らかである。
Figure 0005490229
表1及び図6に示すように、色素を注入する際のガラス基板(支持基材2)の温度(色素吸着温度)を110〜140℃にした実施例1〜4では、比較例1〜5と比べて光電変換効率が顕著に高かった。
(実施例5)
真空容器21内を排気して保持する時間を実施例2の場合の1時間とする代わりに30分とし、色素溶液24と酸化チタンの微粒子膜との接触時間(色素吸着時間)を10分とする代わりに、それぞれ0.1、3、6、12、24時間とした以外は、実施例2と同様の操作を行った。結果を表2及び図8に示す。
(比較例6)
真空容器21内を排気して保持する時間を比較例3の場合の1時間とする代わりに30分とし、色素溶液24と酸化チタンの微粒子膜との接触時間(色素吸着時間)を10分とする代わりに、それぞれ0.1、3、6、12、24時間とした以外は、比較例3と同様の操作を行った。結果を表2及び図8に示す。
(比較例7)
真空容器21内を真空排気せず、また、色素溶液24と酸化チタンの微粒子膜との接触時間(色素吸着時間)を比較例1の場合の10分とする代わりに、それぞれ0.1、3、6、12、24時間とした以外は、比較例1と同様の操作を行った。結果を表2及び図8に示す。
Figure 0005490229
表2及び図8に示すように、実施例5では、色素を注入した瞬間の光電変換性能が高く、その後、時間の経過と共にゆっくりと光電変換性能が低下した。これは、実施例5においては、色素を注入した瞬間に酸化チタンの微粒子の表面に色素が吸着するため注入した瞬間の光電変換性能が高く、その後、時間の経過と共に、吸着した色素が会合体や凝集体を形成するため、光電変換性能が低下するものと推測される。
また、比較例6では、色素を注入した瞬間の光電変換性能は実施例5と比べて低く、6時間後には光電変換効率が向上するが、24時間後には再び低くなる。これは、色素吸着温度が80℃と低い比較例6においては、色素を注入した瞬間の酸化チタンの微粒子表面への色素吸着量は実施例5と比べて少なく6時間後程度までは吸着しつづけるが、24時間まで吸着させると、色素が会合体や凝集体を形成するため、光電変換効率が低くなるものと推測される。
そして、比較例7では、光電変換効率が24時間まで向上し続けた。これは、比較例7においては、色素がゆっくり酸化チタンの微粒子に吸着していくためと推測される。
(参考例1〜8)
真空容器21内を排気する際のガラス基板の温度(表中「真空排気温度」と記載する。)を実施例2の場合の150℃とする代わりに表3に示す温度とした以外は、実施例2と同様の操作を行った。結果を表3及び図9に示す。なお、実施例2についても併せて示す。
Figure 0005490229
表3及び図9に示すように、真空排気温度が100〜250℃では、真空排気温度が100〜250℃の範囲外の場合と比較して、光電変換効率が高かった。
(第2の本発明)
本発明に係る光電極は、導電性基材上に設けられた酸化物半導体の微粒子からなる酸化物半導体膜に、異なる吸収波長領域を有する2種類の色素を厚さ方向に染め分けて吸着させたものである。具体的には、例えば、光電極の構成例を示す図である図10に示すように、光電極101は、支持基材102と支持基材102上に形成された導電膜103とからなる導電性基材104を有する。そして、この導電性基材104上に、詳しくは後述する所定の方法により酸化物半導体膜に色素を吸着させた色素吸着酸化物半導体膜105が設けられている。この色素吸着酸化物半導体膜105は、第1の色素を吸着させた第1の色素吸着酸化物半導体膜106と、第2の色素を吸着させた第2の色素吸着酸化物半導体膜107とを有しており、第1の色素吸着酸化物半導体膜106は導電性基材104とは反対側に設けられ、第2の色素吸着酸化物半導体膜107は導電性基材104側に設けられている。
そして、色素増感型太陽電池の構成例を示す図である図11に示すように、光電極101と、光電極101に対向するように配置された対向電極111と、光電極101及び対向電極111の間に設けられた電解質溶液からなる電解質層112とで、色素増感型太陽電池110を構成する。このような色素増感型太陽電池110は、太陽光を入射することにより、色素の光励起と電解質の酸化還元反応を生じ、電気を発生する。太陽光は光電極101側から入射しても対向電極111側から入射してもよいが、対向電極111側から入射すると太陽光が色素の光励起を生じさせる色素吸着酸化物半導体膜105に届くまでに存在する電解質層112等に太陽光が吸収されてしまうため、光電極101側から入射することが好ましい。
導電性基材104を構成する支持基材102に特に限定はないが、例えば、ガラス、プラスチックフィルム等の透光性を有する基材や、チタン、ステンレス、アルミニウム等の金属製の基材が挙げられる。
導電膜103としては、透明導電膜または金属薄膜を用いることができる。透明導電膜材料としては、例えば、酸化錫(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)、錫添加酸化インジウム(ITO)、亜鉛添加酸化インジウム(IZO)、ガリウム添加酸化インジウム(GZO)、アルミニウム添加酸化亜鉛(AZO)、アンチモン添加酸化錫(ATO)、ニオブ添加酸化チタン(NTO)、及びフッ素添加酸化錫(FTO)が挙げられる。また、金属薄膜材料としては、例えば、チタン、ステンレス、アルミニウム、銀等が挙げられる。これらの中でも、導電性、透光性、耐熱性等の特性を鑑みると、FTOが好ましい。
なお、導電性基材104側から光を導入して使用する光電極101とする場合は、導電性基材104を構成する支持基材102及び導電膜103は、導入する光を透過する必要があるため透光性を有する必要がある。勿論、対向電極111側から光を導入して使用する光電極101とする場合は、導電性基材104を構成する支持基材102及び導電膜103は、透光性を有するものでなくてもよい。また、支持基材102が導電性を有する場合は、支持基材102が導電膜103を兼ねるため、導電膜103はなくてもよい。
導電性基材104に形成され、色素を吸着させる酸化物半導体膜は、酸化物半導体の微粒子で形成された微粒子膜である。酸化物半導体膜を形成する微粒子の大きさに特に限定はないが、例えば粒径20〜400nm程度の微粒子を用い、微粒子間に形成される間隙を多く含んだ酸化物半導体膜とすることが好ましい。粒径20nmより小さい微粒子を用いると色素を多く吸着できるものの応力による剥がれや太陽光の透過が生じやすく、また、粒径400nmよりも大きい微粒子を用いると色素の吸着量が少なくなることにより光電変換効率が低くなるためである。
色素を吸着させる酸化物半導体膜の厚さに特に限定はないが、5〜20μmであることが好ましく、より好ましくは10〜18μmである。酸化物半導体膜の膜厚が20μmを超えると、電子が導電性基材104まで到達する経路が長くなり、電子が失活する可能性が高くなる。また、5μm未満であると、色素の吸着量が少なくなることにより光電変換効率が低くなるためである。
酸化物半導体としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化インジウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム及びチタン酸ストロンチウムが挙げられる。なお、吸着させる色素によって色素から電子が注入され正孔は注入されない、すなわち、色素のLUMO(最低空分子軌道)エネルギーより酸化物半導体の伝導帯エネルギーが低く、色素のHOMO(最高被占分子軌道)エネルギーより酸化物半導体の価電子帯エネルギーが低いものが好ましい。
そして、酸化物半導体膜に吸着させる色素、すなわち、第1の色素及び第2の色素は、異なる吸収波長領域を有する2種類の色素であれば特に限定はされない。第1の色素及び第2の色素としては、例えば、ルテニウム錯体等の金属錯体色素、メチン系色素、シアニン系色素、メロシアニン系色素、マーキュロクロム系色素、キサンテン系色素、ポルフィリン系色素、フタロシアニン系色素、アゾ系色素、クマリン系色素、スチリル系色素、ポリエン系色素、スチリル系色素、ジケトピロロピロール系色素、ペリレン系色素、インドリン系色素、スクアリウム系色素、およびキナクドリン系色素が挙げられる。第1の色素及び第2の色素として、異なる吸収波長領域を有するものであれば、同系の2種類の色素を用いてもよい。
このように異なる吸収波長領域を有する2種類の色素を吸着させることにより、一方の色素が吸収しなかった太陽光を、もう一方の色素で吸収することができるため、1種類の色素を用いる場合よりも太陽光を吸収できる波長領域が広くなって、光電変換効率を向上させることができる。例えば、第1の色素の吸収スペクトルI及び第2の色素の吸収スペクトルIIを示す図である図12に示すように、第1の色素の吸収スペクトルIで表される第1の色素の吸収波長領域は、第2の色素の吸収スペクトルIIで表される第2の色素の吸収波長領域と異なる。そして、図12においては、第1の色素は第2の色素の吸収波長領域の最大波長βよりも長波長側の吸収波長を有する。そして、導電性基材104側、すなわち第2の色素が吸着した第2の色素吸着酸化物半導体膜107側から太陽光を入射させる色素増感型太陽電池とすると、まず、第2の色素で短波長側の太陽光を吸収し、また、第2の色素で吸収しなかった長波長側の太陽光を第1の色素で吸収できる。したがって、単独の色素を用いる場合よりも太陽光を吸収できる波長領域は広くなり、太陽光を高効率で電力に変換することができる。
なお、図12においては、第1の色素を第2の色素の吸収波長領域よりも長波長側の吸収波長を有するものとし、太陽光を第2の色素側から入射する構成の色素増感型太陽電池としたが、第1の色素と第2の色素とを逆にしてもよい。また、第2の色素を第1の色素の吸収波長領域よりも短波長側の吸収波長を有するものとし、太陽光を第2の色素側から入射する構成の色素増感型太陽電池とすることが好ましい。短波長側に吸収波長領域を有する色素のほうが、太陽光の可視光領域において波長の短い高エネルギーの太陽光を吸収でき、そして、長波長側に吸収波長領域を有する色素を第2の色素とした場合は、第1の色素である短波長側に吸収波長領域を有する色素に届くエネルギーの高い太陽光が第1の色素部分で減少してしまう可能性が高いためである。
第1の色素と第2の色素の具体例としては、例えば、第2の色素がRu錯体色素であるRuthenium 535−bisTBA(Solaronix社製、通称N719、シス−ビスイソチオシアネート−ビス(2,2’−ビピリジル−4−カルボキシレート−4’−カルボン酸)ルテニウム(II)−ビステトラブチルアンモニウム)で、第1の色素が、N719の吸収波長領域よりも長波長側の吸収波長を有するRu錯体色素であるRuthenium 620−1H3TBA(Solaronix社製、通称ブラックダイ、(トリ(チオシアネート)−(2,2’,2’’−ターピリジル−4,4’:6’,4’’−トリカルボン酸)ルテニウム(II)))の組み合わせ、第1の色素が銅クロロフィリンナトリウムで第2の色素がフロキシンBである組み合わせや、第1の色素がクマリン系色素であるNKX−2677(林原生物化学研究所製、2−シアノ−3−[5’(1,1,6,6−テトラメチル−10−オキソ−2,3,5,6−テトラヒドロ−1H,4H,10H−11−オキサ−3a−アザ−ベンゾ[デ]アントラセン−9−イル)−[2,2’]ビチオフェニル−5−イル]−アクリル酸)で第2の色素がインドリン系色素であるD149(三菱製紙社製、5−{1,2,3,3a,4,8b−ヘキサヒドロ−4−[4−(2,2−ジフェニルビニル)フェニル]−シクロペンタ[b]インドール−7−イルメチレン}−3’−エチル−4,4’−ジオキソ−2’−チオキソ−[2,5’]ビシアゾリジン−3−イル アミノ酸)である組み合わせ等が挙げられる。また、例えば、第1の色素として800nm未満の光を吸収するものを用い、第2の色素として800nm以上の光を吸収するものを用いることが好ましい。
このような光電極101を製造する本発明の光電極の製造方法は、酸化物半導体膜の導電性基材とは反対側に第1の色素を吸着させる第1の色素吸着工程と、第1の色素を導電性基材とは反対側に吸着させた酸化物半導体膜が形成された導電性基材を容器内に設置して容器内を真空排気した後、容器内に第2の色素を溶解させた色素溶液を導入して酸化物半導体膜と色素溶液とを接触させて酸化物半導体膜の導電性基材側に第2の色素を吸着させる第2の色素吸着工程とを有するものである。
このような本発明の光電極の製造方法例を、図13を用いて具体的に説明する。まず、図13(a)に示すように、支持基材102に設けられた導電膜103上に、酸化物半導体膜108を設ける。なお、導電性基材104が導電性の支持基材102のみからなる場合は、支持基材102上に酸化物半導体膜108を設ければよい。
次に、図13(b)に示すように、この導電性基材104上に設けられた酸化物半導体膜108の導電性基材104とは反対側、すなわち酸化物半導体膜108の表面側に、第1の色素を吸着させて、第1の色素吸着酸化物半導体膜106を形成する。この第1の色素を酸化物半導体膜108に吸着させる方法は、導電性基材104表面まで第1の色素が達しないようにすることができる方法であれば特に限定はない。例えば、大気中、不活性ガス中または真空中で、第1の色素を溶媒に溶解または分散させた第1の色素溶液を酸化物半導体膜108表面に滴下する方法や、酸化物半導体膜108を第1の色素溶液に浸漬する方法が挙げられる。これにより、酸化物半導体膜108を構成する酸化物半導体微粒子の表面の水酸基と第1の色素が結合して、酸化物半導体膜108に第1の色素が吸着する。このとき、第1の色素は酸化物半導体膜108の表面側から吸着していくが、導電性基材104までは第1の色素が吸着しないようにする必要がある。酸化物半導体膜108への第1の色素の吸着速度、圧力や温度等の雰囲気、酸化物半導体膜108の表面状態、第1の色素溶液の色素濃度や、吸着させる時間等を調整することにより、所望の厚さの第1の色素吸着酸化物半導体膜106を形成することができる。なお、透明な導電性基材104を用いることにより、第1の色素を吸着させる工程後に、導電性基材104に第1の色素が吸着しているか否かを目視で容易に確認することができる。
第1の色素の溶媒としては、例えば、tert−ブタノール、エタノール等のアルコール、アセトニトリルや、これらの任意の混合溶媒が挙げられる。また、第1の色素溶液の濃度は特に限定はなく、例えば、1×10−4〜5×10−4mol/L程度の色素溶液とすればよい。
このように、第1の色素を酸化物半導体膜108の導電性基材104とは反対側に吸着させて第1の色素吸着酸化物半導体膜106を形成した後は、必要に応じて、第1の色素を吸着させた酸化物半導体膜108を、アセトニトリルやアルコール等の有機溶媒で洗浄する。
次いで、図13(c)に示すように、この第1の色素吸着酸化物半導体膜106を表面側(導電性基材104とは反対側)に有する酸化物半導体膜108の導電性基材104側に、第2の色素を吸着させて、第2の色素吸着酸化物半導体膜107を形成する。酸化物半導体膜108に第2の色素を吸着させる真空装置の構成例を図14に示す。図14に示すように、真空装置120は、真空容器121と、真空容器121内を排気する真空ポンプ122と、真空容器121内に載置され酸化物半導体膜108を有する導電性基材104を加熱するヒーター123と、真空容器121内に導入する第2の色素溶液124を貯留する色素貯留容器125を有する。そして、真空容器121と真空ポンプ122との間にはバルブ126が、真空容器121と色素貯留容器125との間にはバルブ127が設けられている。また、色素貯留容器125には、窒素ガスやアルゴンガスを色素貯留容器125に導入するためのバルブ128、及び、色素貯留容器125内の気体を排出するためのバルブ129が設けられている。
このような真空装置120の真空容器121内に、表面側(導電性基材104とは反対側)に第1の色素吸着酸化物半導体膜106を有する酸化物半導体膜108が形成された導電性基材104を載置し、バルブ126を開放して真空ポンプ122により真空容器121内を排気する。この真空排気は、第2の色素吸着酸化物半導体膜107となる領域、すなわち、第1の色素が吸着していない酸化物半導体膜108に吸着等した水を除去できればよく、真空度に特に限定はないが、酸化物半導体膜108を構成する微粒子間に形成された間隙内の水をできるだけ除去するためには、例えば真空容器121内を0.1〜10Pa以下とすることが好ましい。なお、真空排気を保持する時間は特に限定はないが、例えば30〜90分程度とすればよい。
また、この真空排気時に、導電性基材104を例えば50〜300℃、好ましくは80〜150℃程度に加熱する。加熱することにより、第1の色素が吸着していない酸化物半導体膜108に吸着等した水を効果的に除去することができ、これにより、後段の酸化物半導体膜108への第2の色素の吸着が水によって阻害されなくなる。50℃未満では酸化物半導体膜108に吸着等した水の除去効果が低く、また、300℃より高いと、酸化物半導体膜108の色素吸着サイトである水酸基も脱離させ疎水化してしまい、第2の色素が吸着し難くなる。ここで、この導電性基材104の加熱は、真空排気する後でも同時でもよく、いずれにしても、加熱された状態の導電性基材104が真空排気された状態に保持されるようにすればよい。なお、図14においては、ヒーター123で支持基材102を加熱し、支持基材102の温度が50〜300℃程度になるようにしている。そして、支持基材102上に設けられた導電膜103や酸化物半導体膜108は支持基材102と同様の温度である。
また、色素貯留容器125に設けられたバルブ128及びバルブ129を開放し、バルブ128側から窒素ガスまたはアルゴンガス等の不活性ガスを色素貯留容器125内に導入し、色素貯留容器125内の空気をバルブ129を介して排出させ、色素貯留容器125内の空気を不活性ガスで置換することが好ましい。これは、色素貯留容器125内に貯留された第2の色素溶液124が真空容器121内に導入された際に、色素貯留容器125内の気体も同時に真空容器121内に導入される可能性があり、その際、この気体が水分を含有していると、酸化物半導体膜108に吸着してしまい、色素の酸化物半導体膜108への吸着を阻害するためである。
その後、バルブ127を開けて色素貯留容器125に貯留された第2の色素溶液124を真空容器121内に導入することにより、真空容器121内に載置された導電性基材104上の酸化物半導体膜108と第2の色素溶液124とを接触させ、第1の色素が吸着していない酸化物半導体膜108、すなわち酸化物半導体膜108の導電性基材104側に色素を吸着させて、第2の色素吸着酸化物半導体膜107とする。
第2の色素溶液124の溶媒に特に限定はないが、例えばtert−ブタノール、エタノール等のアルコール、アセトニトリルや、これらの任意の混合溶媒が挙げられる。また、第2の色素溶液の濃度は特に限定はなく、例えば、1×10−4〜5×10−4mol/L程度の色素溶液とすればよい。
なお、第2の色素を酸化物半導体膜108に限定する時の温度に特に限定はないが、例えば、酸化物半導体膜108を110〜140℃とした状態で第2の色素を吸着させることが好ましい。例えば、ヒーター123で導電性基材104の温度を110〜140℃に調整した後に、バルブ127を開けて色素貯留容器125に貯留された第2の色素溶液124を真空容器121内に導入することにより、真空容器121内に載置され温度が110〜140℃である導電性基材104上の酸化物半導体膜108と第2の色素溶液124とを接触させ、導電性基材104側の酸化物半導体膜108に色素を吸着させて、第2の色素吸着酸化物半導体膜107とする。
その後、真空容器121を大気開放して導電性基材104を真空容器121から取り出した後は、必要に応じて、第1の色素吸着酸化物半導体膜106及び第2の色素吸着酸化物半導体膜107からなる色素吸着酸化物半導体膜105や導電性基材104をアセトニトリル等でリンスすることにより、光電極101を形成することができる。
ここで、上述したように、本発明においては、酸化物半導体膜108の導電性基材104とは反対側に第1の色素を吸着させた後に、特定の方法、すなわち、真空排気した後に、導電性基材104とは反対側に第1の色素吸着酸化物半導体膜106が形成された酸化物半導体膜108に第2の色素溶液を接触させる方法により、第2の色素を吸着させているため、導電性基材104とは反対側には第1の色素が吸着した第1の色素吸着酸化物半導体膜106を有し、且つ、導電性基材104側には第2の色素が吸着した第2の色素吸着酸化物半導体膜107を有する色素吸着酸化物半導体膜105を形成することができる。真空排気した後に第2の色素が溶解した第2の色素溶液を酸化物半導体膜に接触させると、酸化物半導体膜を構成する酸化物半導体微粒子表面に吸着された水等が除去されるためか、酸化物半導体膜を構成する酸化物半導体微粒子により形成される空隙に第2の色素が素早く取り込まれ、酸化物半導体膜の奥まで素早く入り込んで、酸化物半導体微粒子の表面の水酸基と第2の色素が結合して第2の色素が酸化物半導体膜に吸着する。そして、酸化物半導体膜108に吸着した第1の色素を第2の色素が置換する速度よりも、第1の色素が吸着していない導電性基材104側の酸化物半導体膜108に第2の色素が吸着する速度のほうが早いためか、得られる色素吸着酸化物半導体膜105は、導電性基材104とは反対側には第1の色素が吸着し、導電性基材104側には第2の色素が吸着し、後述する実施例に示すように、厚さ方向に異なった色素が染め分けて吸着された色素吸着酸化物半導体膜105を形成することができる。
このように、本発明においては、導電性基材104に達しないように、酸化物半導体膜108の表面側(導電性基材104とは反対側)に第1の色素を吸着させた後に、真空排気し、その後第2の色素を導電性基材104側の酸化物半導体膜108に吸着させることにより、第1の色素と第2の色素を導電性基材104とは反対側から順に吸着させた酸化物半導体膜、すなわち、導電性基材104とは反対側の第1の色素吸着酸化物半導体膜106と導電性基材104側の第2の色素吸着酸化物半導体膜107とを有する色素吸着酸化物半導体膜105を形成することができる。
このように、本発明においては、異なる吸収波長領域を有する2種類の色素を増感剤として用いているため、単一の色素を用いるよりも吸収波長領域が広くなり、光電変換効率を向上させることができる。そして、一つの酸化物半導体膜108に2種類の色素を吸着させたものであるので、特許文献2のようにセル(太陽電池)を積層した構造とした場合に生じる電解液等により太陽光が吸収されてしまうという問題もない。
さらに、色素吸着酸化物半導体膜105は、第1の色素が吸着された第1の色素吸着酸化物半導体膜106と第2の色素が吸着された第2の色素吸着酸化物半導体膜107との積層構造であり、特許文献3のように異なる色素が混合して酸化物半導体膜に吸着された構造とした場合に生じる、隣り合った異なる種類の色素同士で電子を受け渡しし得られる電流が低下してしまうという問題もない。なお、特許文献3では色素を全て溶解させた単一の溶液を用いた方法の他に、色素を単独で溶解させた溶液を用いた方法も記載されているが、本発明のように、第2の色素を特定の方法で酸化物半導体膜に吸着させるものではないため、得られる酸化物半導体膜は、異なる色素が混合したものである。
また、本発明においては、導電性基材104上に酸化物半導体膜を形成した後に色素を吸着させているので導電性基材104と酸化物半導体膜とは接しているため、特許文献4のように、異なる色素を用いてそれぞれ酸化物半導体微粒子に吸着させたものを予め準備し、これを順次塗布して膜を形成することで色素が2層となるように吸着された酸化物半導体膜を形成した場合に生じる、酸化物半導体微粒子と導電性基材の界面に色素が挟まってしまい励起された電子を導電性基材に取り込む効率が低下してしまうという問題もない。
また、本発明においては、上述したように容易な製造方法であり、超臨界溶液を用いた特許文献5のように高圧ガス設備やガス回収設備等を必要としないため、コスト面でも良好である。
なお、第2の色素の吸着時間、すなわち第2の色素溶液を酸化物半導体膜108に接触させる時間が長すぎると、第1の色素や第2の色素の酸化物半導体膜108への吸着力にも依るが、第2の色素が第1の色素を置換して酸化物半導体膜108の導電性基材104とは反対側にも第2の色素が吸着してしまう場合や、第1の色素の上に第2の色素が吸着してしまう場合があるため、第2の色素の吸着時間は、例えば色素吸着時間は1〜10分程度と、短いほうが好ましい。
また、第2の色素溶液124を真空容器121内に注入した後長時間(例えば24時間)保持して、長時間酸化物半導体膜108と第2の色素溶液124とを接触させておくと、短時間、例えば上記のように色素吸着時間を1〜10分とした場合と比較して、光電変換効率が低下する。これは、下記機構によるものと推測される。まず、酸化物半導体膜108と第2の色素溶液124との接触時間が短い、例えば0.1時間程度であると、酸化物半導体膜108を構成する酸化物半導体膜微粒子表面に色素が吸着して色素の薄い層(例えば1層)が形成されると推測される。そして、この吸着した色素が光を吸収することにより電子が発生し、この電子が酸化物半導体に供給されることにより、電気が発生する。一方、酸化物半導体膜108と第2の色素溶液124との接触時間が長いと、酸化物半導体膜108に吸着した第2の色素が会合体や凝集体を形成し、その結果、色素間の相互作用による電子供給量の減少や酸化物半導体への電子供給に関与しない色素の光吸収によって光電変換効率が低下するものと推測される。
この光電極101に対向するように対向電極111を配置し、光電極101と対向電極111との間に電解質溶液を充填して電解質層112を形成することにより、色素増感型太陽電池110を製造することができる。なお、対向電極111は、一般的な対向電極でよく、例えば、ガラス基材上に白金や炭素等を成膜したものからなるものとすればよい。また、電解質溶液も一般的なものでよく、例えば、ヨウ素酸化還元対を含む溶液とすればよい。
[実施例]
以下、実施例及び比較例に基づいてさらに詳述するが、本発明はこの実施例により何ら限定されるものではない。
(実施例6)
<酸化物半導体膜108の形成>
透明導電膜(導電膜103)としてのAGCファブリテック社製のフッ素ドープ酸化錫膜が形成されたガラス基板(支持基材102)上に、スキージ法により酸化チタンペースト(商品名:Ti−Nanoxide D20、Solaronix社製)を塗布し、その後電気炉にて450℃で30分間焼成し、酸化チタン粒子からなる微粒子膜(酸化物半導体膜108)を形成した。形成された酸化チタンの微粒子膜の膜厚は12μmであった。
<第1の色素の吸着>
第1の色素としてRuthenium 620−1H3TBA(Solaronix社製、通称ブラックダイ)の粉末を、5×10−4mol/Lの濃度でアセトニトリルとtert−ブタノールを1:1(体積比)で混合させた溶剤に添加し、1時間超音波撹拌して、第1の色素溶液を調製した。この第1の色素溶液に、上記で得られた酸化チタンの微粒子膜(酸化物半導体膜108)が形成されたガラス基板及び透明導電膜からなる導電性基材104を、酸化物半導体膜108の厚さ方向の側面から第1の色素溶液が浸透しないように封止部材で覆った状態で、10分浸漬させて、第1の色素を表面側(導電性基材104とは反対側)から酸化物半導体膜108に吸着させた。その後、色素を吸着させた酸化物半導体膜108及び導電性基材104を、アセトニトリルで洗浄した。第1の色素が吸着した酸化物半導体膜108を目視により観察したところ、酸化物半導体膜108の表面側(導電性基材104とは反対側)は、第1の色素が吸着している黒色を示していた。また、酸化物半導体膜108の導電性基材104側は、酸化チタンの白色のままであり、酸化物半導体膜108の導電性基材104側には第1の色素が吸着していないことが確認された。
<第2の色素の吸着>
上記で得られた第1の色素が表面側に吸着した酸化物半導体膜108に、図14に示す真空装置120を用いて第2の色素を吸着させた。具体的には、まず第1の色素が表面側に吸着した酸化物半導体膜108が形成されたガラス基板及び透明導電膜からなる導電性基材104を、真空容器121内に設置し、バルブ126を開放して真空ポンプ122によって圧力を10Pa以下まで排気した。同時にヒーター123により、ガラス基板を120℃に加熱し、30分保持して酸化物半導体膜108の水分を脱離させた。
また、第2の色素としてRuthenium 535−bisTBA(Solaronix社製、通称N719)の粉末を、5×10−4mol/Lの濃度でアセトニトリルとtert−ブタノールを1:1で混合させた溶剤に添加し、1時間超音波撹拌して、第2の色素溶液124を調製した。
この第2の色素溶液124を色素貯留容器125に封入した後、バルブ129及びバルブ128を開放しバルブ128から窒素ガスを流して、色素貯留容器125内の空気をバルブ129から追い出し色素貯留容器125内の空気を窒素で置換した後、バルブ129及びバルブ128を閉じた。
その後、ガラス基板の温度を120℃とした状態で、バルブ126を閉じて真空容器121内を真空封止し、バルブ127を開けて第2の色素溶液124を真空容器121内に導入し、第1の色素が表面側に吸着した酸化物半導体膜108に、第2の色素溶液124を接触させた。そして、第2の色素溶液124を真空容器121内に導入した直後にバルブ127を閉めて真空容器121を大気開放して基板を取り出した。なお、第2の色素溶液124と酸化チタンの微粒子膜との接触時間(色素吸着時間)は2分であった。その後、アセトニトリルでリンスして、光電極101を得た。得られた光電極101を目視により観察したところ、酸化物半導体膜108の表面側(導電性基材104とは反対側)は、<第1の色素の吸着>直後の色(第1の色素が吸着している黒色)であり、酸化物半導体膜108の表面側には第1の色素のみが吸着していることが確認された。また、酸化物半導体膜108の導電性基材104側は、第2の色素が吸着している紫色であり、酸化物半導体膜108の導電性基材104側には第2の色素のみが吸着していることが確認された。すなわち、得られた光電極101は、第1の色素が吸着した第1の色素吸着酸化物半導体膜106と、第2の色素が吸着した第2の色素吸着酸化物半導体膜107との2層構造となっていた。光電極101をガラス基板側とは反対側及びガラス基板側から観察した写真を、図15に示す。
<太陽電池セルの作成>
上記光電極を用いて、図16に示す構成の太陽電池セルを作製した。図16に示すように、光電極101の第1の色素吸着酸化物半導体膜106側の表面に対向するように、Pt薄膜で形成された対向電極111を設け、厚さ50μmの熱可塑性樹脂からなる封止部材131(商品名:ハイミラン、三井デュポンポリケミカル社製)を配置し、その空隙にヨウ素の酸化還元対を含む電解液(電解質層112)(商品名:Iodolyte AN−50、Solaronix社製)を注入して太陽電池セル110Aを得た。
<太陽電池セルの光電変換性能評価>
作製した太陽電池セル110Aに、強度100mW/cmの模擬太陽光をソーラーシュミレーター(商品名:WXS−50S−1、5、ワコム電創社製)を用いて支持基材102側から入射して、光電変換効率を測定したところ、7.2%であった。
(比較例8)
実施例6の<酸化物半導体膜108の形成>と同様の操作で作成した酸化チタンの微粒子膜(酸化物半導体膜108)が形成されたガラス基板及び透明導電膜からなる導電性基材104を、酸化物半導体膜108の厚さ方向の側面から第1の色素溶液が浸透しないように封止部材で覆った状態で、実施例6と同様の第1の色素溶液に12時間浸漬させて、第1の色素を表面側(導電性基材104とは反対側)から酸化物半導体膜108に吸着させて、第1の色素1種類のみを酸化物半導体膜108全体に吸着させた。その後、色素を吸着させた酸化物半導体膜108及び導電性基材104を、アセトニトリルで洗浄して、光電極を得た。得られた光電極101を目視により観察したところ、酸化物半導体膜108は表面側から導電性基材104側まで第1の色素が吸着して単一の層となっていたことが確認された。
得られた光電極を用いて、実施例6の<太陽電池セルの作成>と同様の操作で太陽電池セルを作成し、実施例6の<太陽電池セルの光電変換性能評価>と同様にして、光電変換性能を評価した。この結果、光電変換効率は、6.5%であった。
(比較例9)
実施例6の<酸化物半導体膜108の形成>と同様の操作で作成した酸化チタンの微粒子膜(酸化物半導体膜108)が形成されたガラス基板及び透明導電膜からなる導電性基材104を、酸化物半導体膜108の厚さ方向の側面から第2の色素溶液が浸透しないように封止部材で覆った状態で、実施例6と同様の第2の色素溶液に12時間浸漬させて、第2の色素を表面側(導電性基材104とは反対側)から酸化物半導体膜108に吸着させて、第2の色素1種類のみを酸化物半導体膜108全体に吸着させた。その後、色素を吸着させた酸化物半導体膜108及び導電性基材104をアセトニトリルで洗浄して、光電極を得た。得られた光電極101を目視により観察したところ、酸化物半導体膜108は表面側から導電性基材104側まで第2の色素が吸着して単一の層となっていたことが確認された。
得られた光電極を用いて、実施例6の<太陽電池セルの作成>と同様の操作で太陽電池セルを作成し、実施例6の<太陽電池セルの光電変換性能評価>と同様にして、光電変換性能を評価した。この結果、光電変換効率は、6.7%であった。
(比較例10)
アセトニトリルとtert−ブタノールを1:1で混合させた溶剤に、Ruthenium 620−1H3TBA(Solaronix社製、通称ブラックダイ)の粉末及びRuthenium 535−bisTBA(Solaronix社製、通称N719)の粉末を、それぞれ濃度が5×10−4mol/Lとなるように添加し、1時間超音波撹拌して、混合色素溶液を調製した。
実施例6の<酸化物半導体膜108の形成>と同様の操作で作成した酸化チタンの微粒子膜(酸化物半導体膜108)が形成されたガラス基板及び透明導電膜からなる導電性基材104を、酸化物半導体膜108の厚さ方向の側面から混合色素溶液が浸透しないように封止部材で覆った状態で、上記の混合色素溶液に12時間浸漬させて、第1の色素及び第2の色素を表面側(導電性基材104とは反対側)から酸化物半導体膜108に吸着させて、第1の色素及び第2の色素の2種類を酸化物半導体膜108全体に吸着させた。その後、色素を吸着させた酸化物半導体膜108及び導電性基材104をアセトニトリルで洗浄して、光電極を得た。得られた光電極101を目視により観察したところ、酸化物半導体膜108は表面側から導電性基材104側まで第1の色素及び第2の色素が混合して吸着して単一の層となっていたことが確認された。
得られた光電極を用いて、実施例6の<太陽電池セルの作成>と同様の操作で太陽電池セルを作成し、実施例6の<太陽電池セルの光電変換性能評価>と同様にして、光電変換性能を評価した。この結果、光電変換効率は、6.1%であった。
(比較例11)
<酸化物半導体膜108の形成>
透明導電膜(導電膜103)としてのAGCファブリテック社製のフッ素ドープ酸化錫膜が形成されたガラス基板(支持基材102)上に、スキージ法により酸化チタンペースト(商品名:Ti−Nanoxide D20、Solaronix社製)を塗布し、その後電気炉にて450℃で30分間焼成し、酸化チタン粒子からなる微粒子膜(酸化物半導体膜108)を形成した。形成された酸化チタンの微粒子膜の膜厚は12μmであった。
<第1の色素の吸着>
上記で得られた酸化チタン粒子からなる微粒子膜(酸化物半導体膜108)に、図14に示す真空装置120を用いて第1の色素を吸着させた。具体的には、酸化物半導体膜108が形成されたガラス基板及び透明導電膜からなる導電性基材104を、真空容器121内に設置し、バルブ126を開放して真空ポンプ122によって圧力を10Pa以下まで排気した。同時にヒーター123により、ガラス基板を120℃に加熱し、30分保持して酸化物半導体膜108の水分を脱離させた。
また、第1の色素としてRuthenium 620−1H3TBA(Solaronix社製、通称ブラックダイ)の粉末を、5×10−4mol/Lの濃度でアセトニトリルとtert−ブタノールを1:1で混合させた溶剤に添加し、1時間超音波撹拌して、第1の色素溶液を調製した。
この第1の色素溶液を色素貯留容器125に封入した後、バルブ129及びバルブ128を開放しバルブ128から窒素ガスを流して、色素貯留容器125内の空気をバルブ129から追い出し色素貯留容器125内の空気を窒素で置換した後、バルブ129及びバルブ128を閉じた。
その後、ガラス基板の温度を120℃とした状態で、バルブ126を閉じて真空容器121内を真空封止し、バルブ127を開けて第1の色素溶液を真空容器121内に導入し、第1の色素溶液を酸化物半導体膜108に接触させた。そして、第1の色素溶液を真空容器121内に導入した直後にバルブ127を閉めて真空容器121を大気開放して基板を取り出した。なお、第1の色素溶液と酸化チタンの微粒子膜との接触時間(色素吸着時間)は2分であった。その後、色素を吸着させた酸化物半導体膜108及び導電性基材104をアセトニトリルでリンスした。目視により第1の色素が吸着した酸化物半導体膜108を観察したところ、酸化物半導体膜108は表面側から導電性基材104側まで第1の色素が吸着して単一の層となっていたことが確認された。
<第2の色素の吸着>
第2の色素としてRuthenium 535−bisTBA(Solaronix社製、通称N719)の粉末を、5×10−4mol/Lの濃度でアセトニトリルとtert−ブタノールを1:1で混合させた溶剤に添加し、1時間超音波撹拌して、第2の色素溶液を調製した。この第2の色素溶液に、上記で得られた第1の色素が全体に吸着した酸化チタンの微粒子膜が形成されたガラス基板及び透明導電膜からなる導電性基材104を、酸化物半導体膜108の厚さ方向の側面から第2の色素溶液が浸透しないように封止部材で覆った状態で、10分浸漬させて、第2の色素を表面側(導電性基材104とは反対側)から酸化物半導体膜108に吸着させた。その後、色素を吸着させた酸化物半導体膜108及び導電性基材104をアセトニトリルで洗浄して、光電極を得た。得られた光電極を目視により観察したところ、第2の色素を吸着させる前後で色の変化は見られておらず、表面側から基材側まで第1の色素の持つ黒色であることが見られ、実施例6のように、異なる色素が順に吸着した2層構造とはなっていないことが確認された。
得られた光電極を用いて、実施例6の<太陽電池セルの作成>と同様の操作で太陽電池セルを作成し、実施例6の<太陽電池セルの光電変換性能評価>と同様にして、光電変換性能を評価した。この結果、光電変換効率は、6.4%であった。
これらの結果、本発明の製造方法で製造することにより、第1の色素が吸着した酸化物半導体膜及び第2の色素が吸着した酸化物半導体膜からなる2層構造の酸化物半導体膜を有する実施例6の光電極は、第1の色素のみを吸着させた比較例8や、第2の色素のみを吸着させた比較例9よりも、光電変換効率が顕著に向上していることが確認された。また、実施例6の光電極は、第1の色素及び第2の色素を混合して吸着させた比較例10と比較しても、光電変換効率が顕著に向上していた。そして、実施例6の光電極は、第1の色素を吸着させる方法と次に第2の色素を吸着させる方法とを入れ替えた比較例11よりも、光電変換効率が顕著に向上していることが確認された。
1 光電極、 2 支持基材
3 導電膜、 4 導電性基材
5 色素吸着酸化物半導体膜、 6 酸化物半導体膜
10、10A 色素増感型太陽電池、 11 対向電極
12 電解質層、 20 真空装置
21 真空容器、 22 真空ポンプ
23 ヒーター、 24 色素溶液
25 色素貯留容器、 26、27、28、29 バルブ
31 封止部材
101 光電極、 102 支持基材
103 導電膜、 104 導電性基材
105 色素吸着酸化物半導体膜、 106 第1の色素吸着酸化物半導体膜
107 第2の色素吸着酸化物半導体膜、108 酸化物半導体膜
110、110A 色素増感型太陽電池、111 対向電極
112 電解質層、 120 真空装置
121 真空容器、 122 真空ポンプ
123 ヒーター、 124 第2の色素溶液
125 色素貯留容器、 126、127、128、129 バルブ
131 封止部材

Claims (12)

  1. 導電性基材上に設けられ酸化物半導体の微粒子で形成された酸化物半導体膜に、異なる吸収波長領域を有する2種類の色素を吸着させた光電極の製造方法であって、
    前記酸化物半導体膜の前記導電性基材とは反対側に第1の色素を吸着させる第1の色素吸着工程と、
    前記第1の色素を導電性基材とは反対側に吸着させた酸化物半導体膜が形成された導電性基材を容器内に設置して前記容器内を真空排気した後、前記容器内に第2の色素を溶解させた色素溶液を導入して前記酸化物半導体膜と前記色素溶液とを接触させて前記酸化物半導体膜の前記導電性基材側に前記第2の色素を吸着させる第2の色素吸着工程と、
    を有することを特徴とする光電極の製造方法。
  2. 前記第1の色素は前記第2の色素の吸収波長領域よりも長波長側の吸収波長を有することを特徴とする請求項1に記載する光電極の製造方法。
  3. 前記第2の色素吸着工程では、前記容器内を真空排気する時に前記導電性基材を加熱することを特徴とする請求項1または2に記載の光電極の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の光電極の製造方法により製造され、前記第1の色素が前記酸化物半導体膜の前記導電性基材とは反対側に位置し、前記第2の色素が前記酸化物半導体膜の前記導電性基材側に位置することを特徴とする光電極。
  5. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の光電極の製造方法により製造された光電極と、前記光電極に対向する対向電極を設けると共に、前記光電極と前記対向電極との間に電解質層を設けることを特徴とする色素増感型太陽電池の製造方法。
  6. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の光電極の製造方法により製造され、前記第1の色素が前記酸化物半導体膜の前記導電性基材とは反対側に位置し、前記第2の色素が前記酸化物半導体膜の前記導電性基材側に位置する光電極と、前記光電極に対向する対向電極と、前記光電極及び前記対向電極の間に設けられた電解質層とを有することを特徴とする色素増感型太陽電池。

  7. 導電性基材上に設けられた酸化物半導体膜に色素を吸着させた光電極の製造方法であって、
    酸化物半導体膜が形成された導電性基材を容器内に設置して前記容器内を真空排気する工程と、前記容器内を真空排気する工程の後に前記導電性基材を110〜140℃にして前記容器内に色素溶液を導入し前記色素溶液と前記酸化物半導体膜とを10分以内接触させて前記酸化物半導体膜に前記色素を吸着させる工程とを有することを特徴とする光電極の製造方法。
  8. 前記容器内を真空排気する工程と同時または後に、前記導電性基材を100〜250℃にすることを特徴とする請求項7に記載の光電極の製造方法。
  9. 前記酸化物半導体膜は、酸化物半導体の微粒子で形成された微粒子膜であることを特徴とする請求項7又は8に記載の光電極の製造方法。
  10. 請求項7〜のいずれか一項に記載の光電極の製造方法により製造された光電極と、前記光電極に対向する対向電極を設けると共に、前記光電極と前記対向電極との間に電解質層を設けることを特徴とする色素増感型太陽電池の製造方法。
  11. 請求項7〜のいずれか一項に記載の光電極の製造方法により製造されたことを特徴とする光電極。
  12. 請求項7〜のいずれか一項に記載の光電極の製造方法により製造された光電極と、前記光電極に対向する対向電極と、前記光電極及び前記対向電極の間に設けられた電解質層とを有することを特徴とする色素増感型太陽電池。
JP2012515707A 2010-05-21 2010-09-03 光電極の製造方法、色素増感型太陽電池の製造方法、光電極及び色素増感型太陽電池 Active JP5490229B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012515707A JP5490229B2 (ja) 2010-05-21 2010-09-03 光電極の製造方法、色素増感型太陽電池の製造方法、光電極及び色素増感型太陽電池

Applications Claiming Priority (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010117613 2010-05-21
JP2010117613 2010-05-21
JP2010195860 2010-09-01
JP2010195860 2010-09-01
PCT/JP2010/065169 WO2011145229A1 (ja) 2010-05-21 2010-09-03 光電極の製造方法、色素増感型太陽電池の製造方法、光電極及び色素増感型太陽電池
JP2012515707A JP5490229B2 (ja) 2010-05-21 2010-09-03 光電極の製造方法、色素増感型太陽電池の製造方法、光電極及び色素増感型太陽電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2011145229A1 JPWO2011145229A1 (ja) 2013-07-22
JP5490229B2 true JP5490229B2 (ja) 2014-05-14

Family

ID=44991353

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012515707A Active JP5490229B2 (ja) 2010-05-21 2010-09-03 光電極の製造方法、色素増感型太陽電池の製造方法、光電極及び色素増感型太陽電池

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP5490229B2 (ja)
TW (1) TW201143122A (ja)
WO (1) WO2011145229A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013161699A (ja) * 2012-02-07 2013-08-19 Tokyo Electron Ltd 色素吸着装置及び色素吸着方法
US20140216553A1 (en) * 2013-02-04 2014-08-07 Sean Vail Dye-Sensitized Solar Cell via Co-Sensitization with Cooperative Dyes

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07249790A (ja) * 1994-03-11 1995-09-26 Ishihara Sangyo Kaisha Ltd 光電変換材料用半導体
JPH11260428A (ja) * 1998-03-11 1999-09-24 Toshiba Corp 光化学電池
JP2001076776A (ja) * 1999-09-09 2001-03-23 Tdk Corp 色素増感型太陽電池
JP2002246076A (ja) * 2001-02-15 2002-08-30 Nec Corp 色素増感湿式太陽電池の製造方法
JP2003249275A (ja) * 2002-02-22 2003-09-05 Sharp Corp 色素増感型太陽電池およびその製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07249790A (ja) * 1994-03-11 1995-09-26 Ishihara Sangyo Kaisha Ltd 光電変換材料用半導体
JPH11260428A (ja) * 1998-03-11 1999-09-24 Toshiba Corp 光化学電池
JP2001076776A (ja) * 1999-09-09 2001-03-23 Tdk Corp 色素増感型太陽電池
JP2002246076A (ja) * 2001-02-15 2002-08-30 Nec Corp 色素増感湿式太陽電池の製造方法
JP2003249275A (ja) * 2002-02-22 2003-09-05 Sharp Corp 色素増感型太陽電池およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
TW201143122A (en) 2011-12-01
JPWO2011145229A1 (ja) 2013-07-22
WO2011145229A1 (ja) 2011-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4323457B2 (ja) 太陽電池及びその製造方法
JP5002595B2 (ja) 色素増感太陽電池モジュールおよびその製造方法
Wang et al. Exploitation of ionic liquid electrolyte for dye-sensitized solar cells by molecular modification of organic-dye sensitizers
WO2010044445A1 (ja) 色素増感太陽電池および色素増感太陽電池モジュール
KR20080094021A (ko) 색소 증감형 광전 변환장치
WO2010001877A1 (ja) 色素増感太陽電池、その製造方法および色素増感太陽電池モジュール
TWI443892B (zh) 製備電極的方法
WO2006095520A1 (ja) 色素増感光電変換素子およびその製造方法ならびに電子装置およびその製造方法ならびに電子機器
JP4312991B2 (ja) 色素増感型太陽電池の製造方法
JP2001210390A (ja) 高分子電解質を用いた色素増感型太陽電池およびその作製方法
Fu et al. Enhanced light harvesting in panchromatic double dye-sensitized solar cells incorporated with bilayered TiO2 thin film-based photoelectrodes
JP5189870B2 (ja) 電解液及び色素増感型太陽電池
JP2007103310A (ja) 色素増感太陽電池用光電極、色素増感太陽電池及び色素増感太陽電池用光電極の製造方法
JP5490229B2 (ja) 光電極の製造方法、色素増感型太陽電池の製造方法、光電極及び色素増感型太陽電池
Chang et al. Effective improvement of the photovoltaic performance of black dye sensitized quasi-solid-state solar cells
JP2004319130A (ja) 光電変換素子の製造方法、光電変換素子、電子装置の製造方法、電子装置、半導体微粒子層の形成方法および積層構造体
JP4322491B2 (ja) 色素増感型太陽電池の製造方法及び色素増感型太陽電池
JP4149714B2 (ja) 色素増感型太陽電池およびその製造方法
Noma et al. Preparation of double dye-layer structure of dye-sensitized solar cells from cocktail solutions for harvesting light in wide range of wavelengths
JP2002184477A (ja) 光半導体電極、その製造方法、及びそれを用いた光電変換素子
JP2002246076A (ja) 色素増感湿式太陽電池の製造方法
JP2006339074A (ja) 色素増感太陽電池の製造方法
JP2011165615A (ja) 光電変換素子およびその製造方法
JP5189869B2 (ja) 電解液及び色素増感型太陽電池
JP6289175B2 (ja) 光電変換素子および光電変換モジュール

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131120

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140107

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140212

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140225

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5490229

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250