JP5489914B2 - 水解紙の製造方法及び水解性清浄物品の製造方法 - Google Patents

水解紙の製造方法及び水解性清浄物品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、水解紙の製造方法、及び該製造方法で得られた水解紙を用いた水解性清浄物品の製造方法に関する。
従来、トイレ周辺の清掃あるいはおしりを拭い清める用品として、使用後トイレに流すことができるように、水解紙あるいはこれに薬剤を担持させた清浄用品が使用されている。水解紙には、拭き取り作業等に耐えうる実用上十分な強度が要求されており、斯かる強度を確保するために接着剤が必要となるため、水解紙は、一般に、水分散性パルプ繊維からなるウエブに接着剤を噴霧含浸させるか、又は水分散性パルプ繊維スラリーに接着剤を添加して抄紙する方法によって製造されている。接着剤としてカルボキシメチルセルロースのようなアニオン性接着剤を用いた場合、繊維は負に帯電しているので繊維表面への歩留りが悪い。特に後者の方法では、アニオン性接着剤を使用するのは経済的に不利であった。
水解性を必要としない通常の紙の場合には、アニオン性接着剤の歩留まりを向上させるために、各種のカチオン性ポリマーが添加されている。しかし、水解紙の製造において、水解性を必要としない通常の紙の製造に適用される、接着剤の歩留まり向上技術を採用した場合、即ち、従来公知のカチオン性ポリマーを使用した場合、アニオン性接着剤の歩留まりは向上するが、水解性を損なうおそれがあった。
そこで、本出願人は、先に、アニオン性接着剤と共に、水解紙においてアニオン性接着剤の歩留りを向上し且つ水解性を損なわない歩留り向上剤として、特定の水溶性カチオン性ポリマーを用いた水解紙を提案した(特許文献1参照)。また、本出願人は、前記歩留り向上剤として、特定のカチオン性オリゴマーを用いた水解紙を提案した(特許文献2参照)。特許文献1及び2に記載の水解紙は、好ましくは、パルプスラリー(繊維の分散液)にカチオン性ポリマー又はカチオン性オリゴマーを添加し、充分均一になるように撹拌した後、アニオン性接着剤を投入し混合して製造される。
また、非特許文献1には、紙を構成するパルプ繊維に高分子電解質の多層膜を形成した場合において、その多層膜の該紙の強度への影響について開示されている。具体的には、非特許文献1には、高分子電解質としてポリアリルアミン塩酸塩(PAH)及びポリアクリル酸(PAA)を用い、パルプ繊維の分散液中にPAH及びPAAを交互に複数回に亘って添加して該パルプ繊維にPAH及びPAAを吸着させた後、常法に従って抄紙して得られた紙が、強度に優れるものである旨記載されている。このPAH及びPAAの複数回に亘る添加においては、PAH又はPAAの1回の添加の度に、分散液のろ過及びその残渣(パルプ繊維)の洗浄を実施し、余剰のPAH及び/又はPAAを洗い流している。
特許第2721566号公報 特開2009−52152号公報
M.Eriksson,et al.,Journal of Colloid and Interface Science,292,2005,p38−45
水解紙には、拭き取り作業等に耐えうる実用上充分な湿潤強度が求められており、斯かる強度を確保するために接着剤(アニオン性高分子)が必要となり、また、前述したように該接着剤の歩留り向上剤(カチオン性高分子)が必要となるところ、より少ない量の接着剤及び歩留まり向上剤で、実用上充分な湿潤強度を有する水解紙を得る方法が要望されている。水解紙の製造において、従来に比して少量の接着剤及び歩留まり向上剤の使用で、実用上充分な湿潤強度と使用後水に流せる水解性とを確保しうる技術は未だ提供されていない。
従って本発明の課題は、実用上充分な湿潤強度及び水解性を有し、且つ生産性に優れた水解紙の製造方法、及び該製造方法で得られた水解紙を用いた水解性清浄物品の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、従来に比して少量の接着剤及び歩留まり向上剤の使用で、実用上充分な湿潤強度と使用後水に流せる水解性とを確保しうる、水解紙の製造方法について種々検討した結果、セルロース系繊維の水分散液中に、カチオン性高分子電解質及びアニオン性高分子電解質を交互にそれぞれ複数回に亘って添加する方法が有効であることを知見した。
本発明は、前記知見に基づきなされたもので、セルロース系繊維を水に分散させた分散液中に、カチオン性高分子電解質の1種以上及びアニオン性高分子電解質の1種以上を、この順で交互にそれぞれ複数回に亘って添加し、且つ各該高分子電解質の添加後に該セルロース系繊維の洗浄を実施しない、高分子電解質添加工程と、前記高分子電解質工程を経た前記分散液を湿式抄紙する抄紙工程とを有する水解紙の製造方法を提供することにより、前記課題を解決したものである。
また本発明は、前記水解紙の製造方法で得られた水解紙に清浄薬液を含浸する工程を有し、該清浄薬液が、水、水溶性溶剤及び2価金属イオンを含む電解質を含有している水解性清浄物品の製造方法を提供することにより、前記課題を解決したものである。
また本発明は、前記水解紙の製造方法で得られた水解紙に清浄薬液を含浸させてなり、該清浄薬液が、水、水溶性溶剤及び2価金属イオンを含む電解質を含有している水解性清浄物品を提供することにより、前記課題を解決したものである。
本発明によれば、実用上充分な湿潤強度及び水解性を有し、且つ生産性に優れた水解紙及び水解性清浄物品を提供することができる。
以下、先ず、本発明の水解紙の製造方法について説明する。本発明の水解紙の製造方法は、セルロース系繊維を水に分散させた分散液中に、カチオン性高分子電解質及びアニオン性高分子電解質を、この順で交互にそれぞれ複数回に亘って添加する高分子電解質添加工程と、該電解質工程を経た該分散液を湿式抄紙する抄紙工程とを有する。
本発明で用いるセルロース系繊維は、水解紙の主成分となるものであり、最終的に得られる水解紙の全重量の80重量%以上(好ましくは90〜98重量%)を占める。本発明で用いるセルロース系繊維としては、例えば、針葉樹未晒クラフトパルプ(Softwood Unbleached Kraft Pulp;SUKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(Softwood Bleached Kraft Pulp;SBKP)、針葉樹未晒亜硫酸パルプ(Softwood Unbleached Sulfite Pulp;SUSP)、針葉樹晒亜硫酸パルプ(Softwood Bleached Sulfite Pulp;SBSP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(Hardwood Unbleached Kraft Pulp;HUKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(Hardwood Bleached Kraft Pulp;HBKP)、広葉樹未晒亜硫酸パルプ(Hardwood Unbleached Sulfite Pulp;HUSP)、広葉樹晒亜硫酸パルプ(Hardwood Bleached Sulfite Pulp;HBSP)等の木材パルプ;綿、藁、ケナフ等の非木材パルプ;キュプラ、レーヨン等の再生セルロース繊維等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのセルロース系繊維の中でも特に針葉樹晒クラフトパルプは、得られる水解紙の強度及び伸び等の物性、並びに白色外観である点で好ましい。
本発明では、セルロース系繊維を水に分散させた分散液中に、高分子電解質を添加する。高分子電解質は、水等の適当な溶媒に溶解又は分散させた状態で、分散液中に添加することができる。高分子電解質の分散液中への添加は、該分散液を攪拌しつつ実施することが好ましい。高分子電解質を添加する前の分散液は、水及びセルロース系繊維を含有し、更に必要に応じ、セルロース系繊維以外の他の繊維(非セルロース系繊維)、カルシウムイオンやマグネシウムイオン等の硬度成分等を含有していても良い。非セルロース系繊維としては、例えば、ポリビニルアルコール繊維等の合成繊維を用いることができる。
高分子電解質を添加する前の分散液中における全繊維の含有量(セルロース系繊維に加えて非セルロース系繊維を用いた場合は、両繊維の含有量の合計)は、特に制限されないが、好ましくは0.1〜5重量%である。また、高分子電解質を添加する前の分散液のpHは、特に制限されないが、好ましくは4.5〜8.0である。分散液のpHの調整は、例えば、希塩酸水又は希硫酸水等の酸性水溶液、及び希水酸化ナトリウム水溶液によって実施することができる。
前記高分子電解質添加工程においては、カチオン性高分子電解質、アニオン性高分子電解質の順で、両高分子電解質を交互にそれぞれ複数回に亘って所定量ずつ分散液中に添加する。即ち、両高分子電解質をそれぞれ2回以上に亘って添加し、例えば、1回目のカチオン性高分子電解質の添加→1回目のアニオン性高分子電解質の添加→2回目のカチオン性高分子電解質の添加→2回目のアニオン性高分子電解質の添加、の順で実施する。両高分子電解質を斯かる順序で分散液中に添加することにより、実用上充分な湿潤強度及び水解性を有し且つ生産性に優れた高品質の水解紙を得ることが可能となる。
このように、両高分子電解質を交互にそれぞれ複数回に亘って分散液中に添加することにより高品質の水解紙が得られる理由は定かではないが、両電解質が分散液中のセルロース系繊維に定着する前に分散液中で凝集体を形成することを抑制でき、且つ、分散液中のセルロース系繊維の表面に、両高分子電解質が吸着して多層膜が形成されることによるものと推察される。即ち、分散液中に最初にカチオン性高分子電解質を添加することで、該分散液中で負に帯電しているセルロース系繊維の表面に、静電結合により該カチオン性高分子電解質が吸着してカチオン性高分子電化質層膜が形成され、次いで、該分散液中にアニオン性高分子電解質を添加することで、該分散液中で正に帯電している該カチオン性高分子電化質層膜の表面に、静電結合により該アニオン性高分子電解質が吸着してアニオン性高分子電化質層膜が形成される。従って、両高分子電解質を交互にそれぞれ複数回に亘って分散液中に添加することにより、セルロース系繊維の表面に、カチオン性高分子電化質層膜及びアニオン性高分子電化質層膜が順次積層してなる多層膜が形成され、これにより、比較的少ない高分子電解質添加量で実用上十分な湿潤強度を有する水解紙が得られるものと推察される。
これに対し、前述した高分子電解質の添加順序とは逆に、アニオン性高分子電解質、カチオン性高分子電解質の順で、両高分子電解質を交互にそれぞれ複数回に亘って分散液中に添加した場合には、高分子電解質の歩留まり及び水解紙の湿潤強度の向上の点で良い結果を得ることは困難である。また、両高分子電解質を同時に分散液中に添加した場合には、両高分子電解質どうしが分散液中で静電結合して凝集体を形成してしまうため、高分子電解質の歩留まり及び水解紙の湿潤強度の向上の点で良い結果を得ることは困難である。
また、前記高分子電解質添加工程においては、各高分子電解質の添加後にセルロース系繊維の洗浄を実施しない。即ち、各回のカチオン性高分子電解質の分散液中への添加後及び各回のアニオン性高分子電解質の分散液中への添加後それぞれにおいて、分散液中のセルロース系繊維を洗浄しない。この点は、非特許文献1に記載の高分子電解質の添加方法と異なるところである。前述したように、非特許文献1に記載の高分子電解質の添加方法では、高分子電解質であるPAH及びPAAの繊維分散液への複数回に亘る添加において、PAH又はPAAの1回の添加の度に、繊維分散液をろ過し、その残渣(繊維)を水性液で洗浄している。ここで、「セルロース系繊維の洗浄」には、非特許文献1に記載の如き、分散液をろ過してその残渣を洗浄する方法の他、例えば、分散液を放置してセルロース系繊維を沈殿させた後、該分散液が収容されている容器を静かに傾けて上澄みだけを流し去る方法(いわゆるデカンテーション)が含まれ、分散液からセルロース系繊維を取り出さずに洗浄する方法も含まれる。
前記高分子電解質添加工程におけるカチオン性高分子電解質及びアニオン性高分子電解質それぞれの添加回数は、2回以上であれば良く、好ましくは3回以上である。高分子電解質の添加に関しては、少ない添加回数で1回当たりの添加量を多くするよりも、多い添加回数で1回当たりの添加量を少なくする方が、水解紙の湿潤強度の向上が得られやすい。
前記高分子電解質添加工程においては、両高分子電解質を交互にそれぞれ複数回に亘って分散液中に添加することによる前述した作用効果を一層確実に奏させるようにする観点から、「カチオン性高分子電解質の分散液中への総添加量Vc」及び「アニオン性高分子電解質の分散液中への総添加量Va」は、それぞれ、該分散液中の繊維の総重量(セルロース系繊維に加えて非セルロース系繊維を用いた場合は、両繊維の合計重量)に対して1.5〜7重量%、特に3〜6重量%であることが好ましく、且つ「カチオン性高分子電解質の分散液中への1回当たりの添加量Vc1」と総添加量Vcとの重量比(Vc1/Vc)、及び「アニオン性高分子電解質の分散液中への1回当たりの添加量Va1」と総添加量Vaとの重量比(Va1/Va)は、それぞれ、1/10〜1/2、特に1/5〜1/3であることが好ましい。尚、「総添加量Vc」、「総添加量Va」、「1回当たりの添加量Vc1」、「1回当たりの添加量Va1」は、それぞれ、カチオン性高分子電解質あるいはアニオン性高分子電解質の有効成分としての量であり、「繊維の総重量」は、繊維の有効成分としての総重量である。また、添加量Vc1と添加量Va1とは、同じであっても良く、異なっていても良い。
また、同様の観点から、前記高分子電解質添加工程においては、カチオン性高分子電解質及びアニオン性高分子電解質の一方を添加してから次に他方を添加するまでの時間、即ち、表面電荷が互いに異なる2種の高分子電解質を順次添加する場合の両者の添加タイムラグは、10〜60秒、特に15〜30秒であることが好ましい。添加タイムが少なすぎると、両電解質が繊維に定着する前に凝集体を形成し、歩留りが低下、ひいては水解紙の湿潤強度の低下のおそれがある。尚、添加タイムラグが多すぎることは、歩留りや水解紙の湿潤強度については特に悪影響を与えないが、効率的な製造の面からいえば好ましくはない。また、カチオン性高分子電解質を添加してから次にアニオン性高分子電解質をするまでの時間と、アニオン性高分子電解質を添加してから次にカチオン性高分子電解質をするまでの時間とは、同じであっても良く、異なっていても良い。
本発明で用いるカチオン性高分子電解質及びアニオン性高分子電解質について説明する。アニオン性高分子電解質は、主として、水解紙の湿潤強度を向上させる接着剤として機能し、カチオン性高分子電解質は、主として、アニオン性高分子電解質の歩留まり向上剤として機能する。1回のカチオン性高分子電解質の分散液中への添加において、2種以上のカチオン性高分子電解質を同時に添加することもでき、アニオン性高分子電解質についても同様にすることができる。その場合、前記1回当たりの添加量Vc1(添加量Va1)は、2種以上のカチオン性高分子電解質(アニオン性高分子電解質)それぞれの添加量の合計量である。また、複数回に亘るカチオン性高分子電解質の分散液中への添加において、各回で用いるカチオン性高分子電解質は同じであることが好ましく、アニオン性高分子電解質についても同様である。
カチオン性高分子電解質としては、例えば下記一般式(1)〜(5)で表される化合物を用いることができる。本発明に係る前記高分子電解質添加工程においては、下記一般式(1)〜(5)で表される化合物からなる群から選択される1種以上を、カチオン性高分子電解質として用いることができる。
Figure 0005489914
前記一般式(1)において、R2としては、例えばCH3が挙げられる。R3としては、例えばCH3が挙げられる。X1としては、例えばF-,Cl-,Br-,I-,CH3SO4 -,CH3CH2SO4 -が挙げられる。Yとしては、例えばCH2CH2が挙げられる。
前記一般式(1)で表されるカチオン性高分子電解質の例としては、ポリN,N,N−トリメチル−N−(2−メタクリロキシエチル)アンモニウムクロリドが挙げられる。前記一般式(1)で表されるカチオン性高分子電解質の重合度(DP)は、好ましくは10〜1000である。
Figure 0005489914
前記一般式(2)において、X2としては、例えばF-,Cl-,Br-,I-,CH3SO4 -,CH3CH2SO4 -が挙げられる。
前記一般式(2)で表されるカチオン性高分子電解質の例としては、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリドが挙げられる。前記一般式(2)で表されるカチオン性高分子電解質の重合度は、好ましくは10〜1000である。
Figure 0005489914
前記一般式(3)において、R5としては、例えばC612が挙げられる。R6としては、例えばCH3が挙げられる。X3としては、例えばF-,Cl-,Br-,I-,CH3SO4 -,CH3CH2SO4 -が挙げられる。
前記一般式(3)で表されるカチオン性高分子電解質の例としては、R5がC612の構造を持ち、R6がCH3の構造を持ち、且つX3がCl-である4級アミンオリゴマー塩化物が挙げられる。
Figure 0005489914
前記一般式(4)において、R7としては、例えばC612が挙げられる。R8としては、例えばCH3が挙げられる。X4としては、例えばF-,Cl-,Br-,I-,CH3SO4 -,CH3CH2SO4 -が挙げられる。
前記一般式(4)で表されるカチオン性高分子電解質の例としては、R7がC612の構造を持ち、R8がCH3の構造を持ち、且つX4がCl-である4級アミンオリゴマー塩化物が挙げられる。前記一般式(4)で表されるカチオン性高分子電解質の重合度は、好ましくは3〜1000である。
Figure 0005489914
前記一般式(5)で表されるカチオン性高分子電解質の例としては、ポリエチルアミンが挙げられる。前記一般式(5)で表されるカチオン性高分子電解質の重合度は、好ましくは3〜1000である。
また、アニオン性高分子電解質としては、例えば下記一般式(6)〜(8)で表される化合物を用いることができる。本発明に係る前記高分子電解質添加工程においては、下記一般式(6)〜(8)で表される化合物からなる群から選択される1種以上を、アニオン性高分子電解質として用いることができる。
Figure 0005489914
前記一般式(6)で表されるアニオン性高分子電解質の例としては、カルボキシメチルセルロースが挙げられる。前記一般式(6)で表されるアニオン性高分子電解質の置換度(DS)は、好ましくは0.5〜1.5であり、重合度は、好ましくは3〜1000である。
Figure 0005489914
前記一般式(7)で表されるアニオン性高分子電解質の例としては、セロウロン酸のナトリウム塩若しくはカリウム塩が挙げられる。前記一般式(7)で表されるアニオン性高分子電解質の重合度は、好ましくは3〜1000である。
Figure 0005489914
前記一般式(8)で表されるアニオン性高分子電解質の例としては、ポリアクリル酸若しくはポリメタクリル酸のナトリウム塩若しくはカリウム塩が挙げられる。前記一般式(8)で表されるアニオン性高分子電解質の重合度は、好ましくは3〜1000である。
アニオン性高分子電解質としては、カルボキシル基を有するものが好ましい。カルボキシル基を有するアニオン性高分子電解質は、水解紙の湿潤強度を向上させる接着剤として実用上十分な機能を有し、且つ比較的安価で入手が容易である。カルボキシル基を有するアニオン性高分子電解質として本発明で好ましく用いられるものには、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム〔前記一般式(6)〕、セロウロン酸ナトリウム〔前記一般式(7)〕等がある。
本発明の水解紙の製造方法においては、前記高分子電解質工程の実施後に、該高分子電解質工程を経た分散液、即ち、セルロース系繊維並びにカチオン性高分子電解質及びアニオン性高分子電解質を含有する分散液を湿式抄紙する抄紙工程を実施する。本発明における抄紙工程は、通常の湿式抄紙法に準じて実施することができる。例えば、分散液を公知の湿式抄紙機に導入し、該分散液を、常法に従って湿式抄紙機の網の上に流して薄く平にすることで湿潤繊維ウエブを形成し、次いで、該湿潤繊維ウエブを乾燥することで、目的の水解紙が得られる。湿潤繊維ウエブの乾燥は、通常の湿式抄紙法における抄紙工程のドライヤーパートを利用して行うことができる。湿潤繊維ウエブの乾燥前に、該湿潤繊維ウエブの脱水処理を実施することもできる。脱水処理は、通常の湿式抄紙法における抄紙工程のプレスパートを利用して行うことができる。具体的には、先ず、プレスパートにおいて、湿潤繊維ウエブに必要に応じフェルト(毛布)を当てて上下から圧縮することで、該ウエブ中の水分を搾り取り、次いで、ドライヤーパートにおいて、乾燥手段を用いて、脱水処理がなされた湿潤繊維ウエブを乾燥する。前記乾燥手段に特に制限は無く、ヤンキードライヤーやエアースルードライヤー等を用いることができる。また、前記湿式抄紙機は、例えば、長網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機、オントップ抄紙機、ハイブリッド抄紙機または丸網抄紙機等を用いることができる。
前述した本発明の水解紙の製造方法によって得られた水解紙は、水解性を有し且つ湿潤強度が高く、トイレットペーパー、紙ワイパー等としてそのまま使用できる。ここで、水解性とは、水解紙を通常の水洗トイレに流したときに、その水流により水解紙が崩壊し、水洗トイレを詰まらせることなく流すことができる性能である。また、本発明の水解紙の製造方法は、主として接着剤として機能するアニオン性高分子電解質の歩留まりが高いため、このような高品質の水解紙を効率良く製造することができ、生産性に優れる。
前述した本発明の水解紙の製造方法によって得られた水解紙は、清浄薬液を含浸させることにより、清浄効果の高い水解性清浄物品として使用することもできる。以下、本発明の水解性清浄物品について説明する。
本発明の水解性清浄物品は、前述した本発明の水解紙の製造方法で得られた水解紙に清浄薬液を含浸させてなる。清浄薬液は、水、水溶性溶剤及び2価金属イオンを含む電解質を含有している。一般に、水溶性接着剤を使用した水解紙は、水を含有する水性清浄薬液を含浸させて水解性清浄物品としても、清浄作業に耐えうる強度を有しておらず、清浄物品として実用に堪えない。これに対し、本発明の水解性清浄物品は、前述した本発明の製造方法によって得られた水解紙に、水、水溶性溶剤及び2価金属イオンを含む電解質を必須成分として含有する水性清浄薬液が含浸されて構成されているため、清浄作業に耐え得る強度を有し、且つ良好な水解性を有している。斯かる構成を有する本発明の水解性清浄物品は、水を多量に含浸させることができるので、水溶性汚れに対する清浄効果を高めることができ、おしりふきの如き、人体を清浄するための物品として使用できる他、人体以外の物(例えば、トイレの便器や床等)を清浄するための物品としても使用できる。
本発明で用いる清浄薬液の必須成分である水溶性溶剤としては、例えば、エタノール、メタノール、プロパノール等の低級アルコール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール等のグリコール類;前記グリコール類とメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等の低級アルコールとのモノ、あるいはジエーテル;前記グリコール類と低級脂肪酸とのエステル;グリセリン、ソルビトール等の多価アルコール等が挙げられ、これらの1種を単独であるいは2種以上を組み合せて用いることができる。
また、本発明で用いる清浄薬液の必須成分である2価金属イオンを含む電解質としては、例えば、アルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム)、マンガン、亜鉛、コバルト、ニッケル等の2価金属イオンを含む、水溶性金属塩(水酸化物、塩化物、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、ギ酸塩、酢酸塩等)が挙げられ、これらの1種を単独であるいは2種以上を組み合せて用いることができる。
本発明で用いる清浄薬液は、水を好ましくは25〜90重量%、更に好ましくは40〜80重量%含有し、水溶性溶剤を好ましくは9〜74重量%、更に好ましくは19〜59重量%含有し、2価金属イオンを含む電解質を好ましくは0.5〜10重量%、更に好ましくは1〜5重量%含有する。
本発明で用いる清浄薬液は、前述した必須成分に加えて、更に必要に応じ、界面活性剤、抗菌剤、殺菌剤、消臭剤、香料等を含有していても良い。これら必須成分以外の他の成分の含有量は、清浄薬液の全重量に対して好ましくは10重量%以下である。
本発明の水解性清浄物品は、前述した本発明の水解紙の製造方法で得られた水解紙に、前述した組成の清浄薬液を含浸することによって得られる。この含浸工程においては、清浄薬液を水解紙の全重量に対して、120〜250重量%含浸させることが好ましい。水解紙に清浄薬液を含浸させる方法としては、例えば、適当な容器に収容されている清浄薬液中に、水解紙を浸漬する方法が挙げられる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は斯かる実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
針葉樹晒クラフトパルプ(SBKP)を、パルプ濃度が有効成分換算で1重量%となるように水に分散させたパルプスラリー(分散液、pH7)に、別途調製したカチオン性高分子電解質水溶液及びアニオン性高分子電解質水溶液を、この順で交互にそれぞれ5回ずつ添加した。各高分子電解質の添加時間間隔は30秒とした。5回目のアニオン性高分子電解質水溶液の添加終了後、パルプスラリーを3分間攪拌した。そして、このパルプスラリーを常法に従って湿式抄紙して湿潤繊維ウエブを得、該湿潤繊維ウエブを脱水・乾燥して、坪量60g/m2の紙を得た。カチオン性高分子電解質水溶液及びアニオン性高分子電解質水溶液は、それぞれ、高分子電解質をその濃度が有効成分換算で1重量%となるように水に添加して調製し、また、1回の電解質水溶液の添加で、該電解質水溶液中の高分子電解質が対パルプ1重量%添加されるようにパルプスラリーに添加した。カチオン性高分子電解質として、前記一般式(1)で表されるカチオン性高分子電解質〔ポリN,N,N−トリメチル−N−(2−メタクリロキシエチル)アンモニウムクロリド、DP(重合度)=340〕を用い、アニオン性高分子電解質として、前記一般式(6)で表されるアニオン性高分子電解質〔カルボキシメチルセルロースナトリウム、DP=630、DS(置換度)=0.93〕を用いた。
〔実施例2〕
実施例1において、カチオン性高分子電解質及びアニオン性高分子電解質それぞれのパルプスラリーへの総添加量を実施例1よりも減らし(対パルプ重量比で5%から3%に減らし)、且つ、各高分子電解質水溶液の添加回数を実施例1よりも減らした(5回から3回に変更した)以外は、実施例1と同様にして坪量60g/m2の紙を得た。
〔実施例3〕
カチオン性高分子電解質として、前記一般式(2)で表されるカチオン性高分子電解質〔ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド、DP=646〕を用い、且つ、カチオン性高分子電解質水溶液を、1回の添加で、カチオン性高分子電解質の有効分が対パルプ0.78重量%添加されるようにパルプスラリーに添加した以外は、実施例1と同様にして坪量60g/m2の紙を得た。
〔実施例4〕
カチオン性高分子電解質として、前記一般式(3)で表されるカチオン性高分子電解質〔4級アミンオリゴマー(4級化率98%)塩化物、DP=10〕を用いた以外は、実施例1と同様にして坪量60g/m2の紙を得た。
〔実施例5〕
アニオン性高分子電解質として、前記一般式(7)で表されるアニオン性高分子電解質〔セロウロン酸ナトリウム、DP=76〕を用い、且つ、カチオン性高分子電解質水溶液を、1回の添加で、カチオン性高分子電解質の有効分が対パルプ1.2重量%添加されるようにパルプスラリーに添加した以外は、実施例1と同様にして坪量60g/m2の紙を得た。
〔比較例1〕
カチオン性高分子電解質(ポリN,N,N−トリメチル−N−(2−メタクリロキシエチル)アンモニウムクロリド)水溶液及びアニオン性高分子電解質(カルボキシメチルセルロースナトリウム)水溶液を、この順でそれぞれ1回ずつパルプスラリーに添加し、且つ両電解質水溶液それぞれの1回の添加で、高分子電解質が対パルプ5重量%添加されるようにした以外は、実施例1と同様にして坪量60g/m2の紙を得た。
〔比較例2〕
カチオン性高分子電解質(ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド)水溶液及びアニオン性高分子電解質(カルボキシメチルセルロースナトリウム)水溶液を、この順でそれぞれ1回ずつパルプスラリーに添加し、且つカチオン性高分子電解質水溶液の1回の添加で、カチオン性高分子電解質が対パルプ3.9重量%添加されるようにし、また、アニオン性高分子電解質水溶液の1回の添加で、アニオン性高分子電解質が対パルプ5重量%添加されるようにした以外は、実施例3と同様にして坪量60g/m2の紙を得た。
〔比較例3〕
カチオン性高分子電解質(4級アミンオリゴマー(4級化率98%)塩化物)水溶液及びアニオン性高分子電解質(カルボキシメチルセルロースナトリウム)水溶液を、この順でそれぞれ1回ずつパルプスラリーに添加し、且つ両電解質水溶液それぞれの1回の添加で、高分子電解質が対パルプ5重量%添加されるようにした以外は、実施例4と同様にして坪量60g/m2の紙を得た。
〔比較例4〕
カチオン性高分子電解質(ポリN,N,N−トリメチル−N−(2−メタクリロキシエチル)アンモニウムクロリド)水溶液及びアニオン性高分子電解質(セロウロン酸ナトリウム)水溶液を、この順でそれぞれ1回ずつパルプスラリーに添加し、且つ両電解質水溶液それぞれの1回の添加で、カチオン性高分子電解質が対パルプ6重量%添加されるようにした以外は、実施例5と同様にして坪量60g/m2の紙を得た。
〔比較例5〕
実施例1において、各高分子電解質の1回の添加の度にセルロース系繊維の洗浄を実施した以外は概ね実施例1と同様にして坪量60g/m2の紙を得た。即ち、パルプスラリーにカチオン性高分子電解質水溶液及びアニオン性高分子電解質水溶液をこの順で交互にそれぞれ5回ずつ添加する工程において、各高分子電解質水溶液を添加する度に、下記洗浄作業を連続して2回実施し、更に2回の該洗浄作業を経たパルプを、パルプ濃度が有効成分換算で1重量%程度となるように水に分散させた。5回目のアニオン性高分子電解質水溶液の添加後(即ち最後の高分子電解質の添加後)に下記洗浄作業を連続して2回実施した後、2回の該洗浄作業を経たパルプを再び水に分散させ、常法に従って湿式抄紙して湿潤繊維ウエブを得、該湿潤繊維ウエブを脱水・乾燥して、坪量60g/m2の紙を得た。
洗浄作業:ガラスフィルターを用いてパルプスラリーの吸引濾過を行い、濾過後にガラスフィルターに形成されたパルプマットに水を加えて攪拌し、更に吸引濾過を行う。
〔評価〕
実施例及び比較例で得られた紙について、下記評価方法によって各種性能を評価した。その結果を下記表1に示す。
<湿潤引張強度>
評価対象である紙を幅15mm、長さ120mmの短冊状に裁断し、エタノール(水溶性溶剤)/水/塩化カルシウム(2価金属イオンを含む電解質)=25重量%/74重量%/1重量%よりなる水性清浄薬液を、紙重量に対して1.5倍重量となるように紙に含浸させ、短冊状の清浄シートとした。こうして得られた清浄シートについて、万能圧縮引張試験機(オリエンティック(株)製RTM−25)を用いて、引張速度20mm/min、試験片つかみ間隔10mmの条件で、試験片をその長手方向に引っ張って破断時の強度を測定し、この測定値を湿潤引張強度とした。
<水解性>
JIS P4501−1993(トイレットペーパー)に準じて紙の水解性を評価する。評価対象である紙を6cm×5cmの四角形状に裁断し、エタノール(水溶性溶剤)/水/塩化カルシウム(2価金属イオンを含む電解質)=25重量%/74重量%/1重量%よりなる水性清浄薬液を、紙重量に対して1.5倍重量となるように紙に含浸させ、試験片とした。ビーカーに500mlの水を入れ、スターラー(攪拌子又は回転子)を用い600rpmで撹拌しつつ、ビーカー内に試験片を投入し、投入直後に400〜500rpm程度に遅くなったスターラーの回転数が540rpmにまで回復するまでの経過時間(試験片の投入直後からスターラーの回転数が540rpmになるまでの時間、水解時間)を測定した。スターラーとして、HANNA INSTRUMENT社製 MAGNETIC STIRRER HI304N(直径34mm、高さ12mmのクロスヘッド型)を用いた。前記経過時間が短いほど、水解性が高評価となる。
また、スターラーの回転数が540rpmに回復したときの紙(試験片)の状態(ほぐれ具合)を目視観察し、下記評価基準により評価した。
○:紙は繊維状又は5mm四方以下の紙片状に崩壊し、分散性良好。
△:紙は概ね崩壊しているが、崩壊してできた紙片の一部が5mm四方以上の大きさを保っている。
×:紙は全く崩壊せず、元の形状を保っている。
Figure 0005489914
表1において実施例と比較例とを比較する際には、用いた電解質が同じもの(前記一般式が同じもの)どうしを比較することが、本発明に係る電解質の添加プロセスの有効性を評価する上で適切である。例えば、比較例1は、実施例1及び2と同じ電解質を用いているので、実施例1及び2両方の比較対象であり、比較例2は、実施例3と同じ電解質を用いているので、実施例3の比較対象である。
表1に示す結果から明らかなように、各実施例の紙は、パルプスラリー中にカチオン性高分子電解質及びアニオン性高分子電解質をこの順で交互にそれぞれ複数回に亘って添加する工程を経て製造されていることにより、そのような工程を経て製造されていない比較例1〜4の紙に比べ、湿潤引張強度が高く、且つ比較例1〜4の紙と略同等の実用上充分な水解性を有している。比較例1〜4の紙は、各高分子電解質の添加回数が1回であるため、該添加回数が複数回である実施例の紙に比べ、湿潤引張強度に劣る結果となった。特に、実施例2の紙は、各高分子電解質の総添加量が比較例1の紙よりも少ないにもかかわらず、その湿潤引張強度は比較例1の紙と略同等であり、この結果からも、各高分子電解質の複数回添加の有効性(より少ない高分子電解質の添加量で十分な湿潤強度が得られる)が明らかである。
また、比較例5の紙は、実施例1と同じ電解質を用い、非特許文献1に記載の方法に準じて製造されたもので、その製造工程において各高分子電解質の添加後にパルプの洗浄を実施しているため、そのような洗浄を実施していない実施例1の紙に比べ、湿潤引張強度に劣る結果となった。
以上の結果から、湿潤強度と水解性とを両立させるためには、1)セルロース系繊維の水分散液中にカチオン性高分子電解質及びアニオン性高分子電解質を1度に添加せずに複数回に亘って添加すること、及び2)各高分子電解質の添加後にセルロース系繊維の洗浄を実施しないことが有効であることがわかる。

Claims (6)

  1. セルロース系繊維を水に分散させた分散液中に、カチオン性高分子電解質の1種以上及びアニオン性高分子電解質の1種以上を、この順で交互にそれぞれ複数回に亘って添加し、且つ各該高分子電解質の添加後に該セルロース系繊維の洗浄を実施しない、高分子電解質添加工程と、
    前記高分子電解質工程を経た前記分散液を湿式抄紙する抄紙工程とを有する水解紙の製造方法。
  2. 前記カチオン性高分子電解質の前記分散液中への総添加量Vc及び前記アニオン性高分子電解質の前記分散液中への総添加量Vaが、それぞれ、該分散液中の繊維の総重量に対して1.5〜7重量%であり、且つ前記カチオン性高分子電解質の前記分散液中への1回当たりの添加量Vc1と前記総添加量Vcとの重量比(Vc1/Vc)、及び前記アニオン性高分子電解質の前記分散液中への1回当たりの添加量Va1と前記総添加量Vaとの重量比(Va1/Va)が、それぞれ、1/10〜1/2である請求項1記載の水解紙の製造方法。
  3. 前記高分子電解質添加工程において、前記カチオン性高分子電解質及び前記アニオン性高分子電解質の一方を添加してから次に他方を添加するまでの時間が10〜60秒である請求項1又は2記載の水解紙の製造方法。
  4. 前記カチオン性高分子電解質が、下記一般式(1)〜(5)で表される化合物からなる群から選択され、前記アニオン性高分子電解質が下記一般式(6)〜(8)で表される化合物からなる群から選択される請求項1〜3の何れか一項に記載の水解紙の製造方法。
    Figure 0005489914
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    Figure 0005489914
  5. 請求項1〜4の何れか一項に記載の水解紙の製造方法で得られた水解紙に清浄薬液を含浸する工程を有し、該清浄薬液が、水、水溶性溶剤及び2価金属イオンを含む電解質を含有している水解性清浄物品の製造方法。
  6. 請求項1〜4の何れか一項に記載の水解紙の製造方法で得られた水解紙に清浄薬液を含浸させてなり、該清浄薬液が、水、水溶性溶剤及び2価金属イオンを含む電解質を含有している水解性清浄物品。
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