JP6423307B2 - 水解性シートの製造方法 - Google Patents

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本発明は、トイレクリーナー等の予め薬液が含浸された水解性シートの製造方法に関する。
従来、トイレの清掃には、繰り返し使用される織布製の雑巾等が使われてきたが、これに替わって、近年、紙製の使い捨てのウェットシートが使用されるようになってきている。 かかるウェットシートは、殺菌剤などの薬液が含浸された状態で提供され、清掃箇所を拭き取り可能となっている。
このようなウェットシートの基材シートとしては、例えば、抄紙工程においてカチオン系の歩留まり剤を添加したものが用いられている(例えば、特許文献1参照)。
ところで、この種のウェットシートは、使用後にトイレに流して処理可能とされるものが好まれるため、拭取り作業時の殺菌剤が含浸された湿潤状態において破れない紙力と共に、トイレ等に流した際に配管等に詰まらない程度の水解性を有することが求められる。
これらを効果的に達成する一つの技術として、カルボキシメチルセルロース(以下、CMCと記述する)を含む水溶性バインダーを、ウェットシートの基材シートに対して添加する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
水溶性バインダーを添加することで、ウェットシートの基材シートの強度を向上させることができると共に、トイレ等に流した際に水溶性バインダーが溶解することで、ウェットシートに所望の水解性を付与できることとなる。
特許第4446542号 特許第4301996号
しかしながら、抄紙工程においてカチオン系の歩留まり剤を用いると、負に帯電しているパルプの凝集により水解性が劣化してしまうという問題がある。
また、パルプを凝集した状態で水溶性バインダーを添加しようとすると、バインダーが浸透しにくくなり、所望の湿潤強度を得難いという問題がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、湿潤強度と水解性に優れる水解性シートの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、
請求項1に記載の発明は、水解性シートの製造方法において、
パルプを含む繊維成分とアニオン系の凝集剤を含むスラリーを抄紙して原紙シートを生成する抄紙工程と、
前記抄紙工程により生成された原紙シートの外面に対して、スプレーノズルにより水溶性バインダー溶液を噴射して付与する溶液付与工程と、
前記水溶性バインダー溶液が付与されたシートを乾燥させる乾燥工程と、
乾燥後のシートに薬液を付与する薬液付与工程と、
を含むことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の水解性シートの製造方法において、
前記溶液付与工程に用いるスプレーノズルは、二流体方式のノズルであることを特徴とする。
本発明によれば、パルプと同電荷のアニオン系の凝集剤を用いて抄紙することで、原紙シートの凝集を低下させることができるので、水溶性バインダー溶液を付与した際に、その水溶性バインダー溶液を原紙の内部にまで均一に分散させることができ、湿潤強度を向上させることができる。
また、アニオン系の凝集剤を用いて抄紙することで、原紙シートの凝集を低下させることができるので、毛細管現象により水解性を向上させることができる。
よって、湿潤強度と水解性に優れる水解性シートを製造することができる。
本実施形態に係る水解性シートの製造方法を示すフローチャートである。
以下、本発明に係る水解性シートの製造方法の実施形態を、図1に示す水解性シートの製造方法を示すフローチャートを参照しながら詳述する。
本発明のカルボキシメチルセルロース(CMC)を含む水溶性バインダーが添加された水解性シートの製造方法では、パルプを含む繊維成分と凝集剤を含むスラリーを抄紙して原紙シートを形成する抄造工程(ステップS1)と、抄造された原紙シートを巻取った原反ロールから当該原紙シートを繰り出して、繰り出される原紙シートに対して水溶性バインダー溶液を付与する溶液付与工程(ステップS2)と、溶液の付与された溶液付与シートを乾燥させる乾燥工程(ステップS3)と、乾燥させた乾燥シートを巻取る巻き取り工程(ステップS4)と、巻き取られた水解性シートを繰り出して、繰り出される水解性シートに対して薬液を付与する薬液付与工程(ステップS5)と、を有する。
〔抄造工程〕
本発明にかかる抄造工程について説明する。
本発明の抄造工程では、例えば、公知の湿式抄紙技術により抄紙原料を抄紙して原紙シートを形成する。すなわち、抄紙原料を湿紙の状態とした後に、ドライヤーなどによりこれを乾燥して、薄葉紙、クレープ紙などの原紙シートを形成する。
原紙シートの原料としては、例えば、既知のバージンパルプ、古紙パルプなどを利用でき、少なくともパルプ繊維を含むものである。この原料となるパルプは、特にLBKPとNBKPを適宜の割合で配合したものが適する。なお、パルプ繊維以外の繊維として、レーヨン繊維や合成繊維などが含有されていてもよい。
また、本発明の原紙シートには、凝集剤として、アニオン性アクリルアミド系重合体(以下、「アニオン性PAM」する。)が含有される。
アニオン性PAMとは、アクリルアミド系単量体とアニオン性単量体とを共重合して得られる重合体である。
アクリルアミド系単量体としては、アクリルアミド単独や、アクリルアミドと以下のようなアクリルアミドと共重合可能なノニオン性単量体等と、の混合物である。アクリルアミドと共重合可能なノニオン性単量体としては、メタクリルアミド、N、N−ジメチルアクリルアミド、N、N−ジエチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、N−アクリロイルピロリジン、N−アクリロイルピペリジン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミドが例示される。これらは単独で用いても、2種以上を併用しても良い。
アニオン性単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、及びこれらの中和塩が例示される。
なお、アニオン性PAMの水溶性を損ねない程度であれば、スチレン、アクリルニトリル、(メタ)アクリル酸エステル等の単量体を配合してもよい。
アニオン性PAMの添加量としては、好適には、10〜1000ppm程度である。
このような、パルプと同電荷のアニオン系の凝集剤を用いて抄紙することで、原紙シートの凝集を低下させることができ、毛細管現象により水解性を向上させることができる。
なお、原紙シートには、上述したパルプ及び凝集剤の他、湿潤紙力剤、接着剤、剥離剤等の抄紙用薬品を適宜用いてもよい。
また、水溶性バインダー溶液を含んでいない原紙シートのそれぞれの目付が15〜75gsmであり、2プライ化し、30〜150gsmとすることを特徴とする。なお、目付けは、JIS P8124に基づくものである。
原紙シートは、溶液付与・乾燥・巻き取り工程を経て、巻き取られた状態の水解性シートとなり、別のワイプ等加工工程でエンボス・裁断・折り・薬液含浸等の工程を経て、トイレ・掃除用・からだ拭きなどの水に溶けるワイプ等に加工される。これらの工程で、必要な強度・嵩高さ・表面の凹凸等が付与されるが、原紙シートの目付けが15〜75gsm、2プライ化し、30〜150gsmであれば、ワイプ等の加工工程での折り・裁断・エンボス・薬液含浸など加工適正が良く、また、調整しやすく、加工条件を調整することで、ワイプとして必要な強度・嵩高さ・表面の凹凸など、用途に応じた品質を得られることができる。
〔溶液付与工程〕
次いで、本発明にかかる溶液付与工程ついて説明する。
本発明の溶液付与工程では、原紙シートの外面に二流体方式または一流体方式のノズルのスプレーノズルにより、水溶性バインダー溶液を噴射して塗布する。
この際、上述の抄造工程において、パルプと同電荷のアニオン系の凝集剤を用いて抄紙することで、原紙シートの凝集を低下させているため、水溶性バインダー溶液を塗布した際に、水溶性バインダー溶液を原紙の内部にまで均一に分散させることができ、湿潤強度を向上させることができる。
二流体方式のスプレーノズルは、2系統に分けられた圧縮空気と液体を混合し、噴射させる方式のスプレーノズルであり、圧縮した液体を単独で噴射させる一流体方式のスプレーノズルに比べて、液体をきめ細かく均一に噴霧することができる。
本実施形態で二流体方式のスプレーノズルを使用する場合、原紙シートの外面に高い圧力(噴射圧1.5MPa以上)で水溶性バインダー溶液(粘度400〜1200MPa・s)を塗布するので、シート表面に水溶性バインダー溶液を均一に塗布させやすくすることができる。 また、本実施形態では、パルプと同電荷のアニオン系の凝集剤を用いて抄紙することで、原紙シートの凝集を低下させているため、きめ細かく均一に噴霧された水溶性バインダー溶液がシートの厚さ方向に含浸しやすくなっている。
一方、本実施形態で一流体方式のスプレーノズルを使用する場合、原紙シートの外面に噴射圧1.5MPa以下で水溶性バインダー溶液(粘度400〜1200MPa・s)を塗布することで、シートの厚さ方向に水溶性バインダー溶液を含浸させやすくすることができる。
また、本発明にかかる水溶性バインダー溶液は、カルボキシルメチルセルロース(CMC)を含むものである。
水溶性バインダー溶液中におけるCMCの濃度としては、1〜30重量%、好ましくは、2.0〜15重量%とする。
また、CMCについては、そのエーテル化度が0.6〜2.0、特に0.9〜1.8、更に好ましくは1.0〜1.5であるのが望ましい。水解性と湿潤紙力の発現が極めて良好となる。
また、CMCは、水膨潤性のものを用いることができる。これにより、殺菌剤中の特定金属イオンの架橋により、未膨潤化のままシートを構成する繊維をつなぎとめる機能が発揮され、清掃・清拭作業に耐えうる拭き取りシートとしての強度を発現させることができる。
また、水溶性バインダー溶液には、カチオン系殺菌剤を配合することができる。水溶性バインダー溶液中におけるカチオン系殺菌剤の配合率は、製造しようとする水溶性バインダー溶液の粘度に応じて適宜設定されるものであるが、1〜10重量%である。これにより、水溶性バインダー溶液の粘度を、カチオン系殺菌剤が含まれない水溶性バインダー溶液の粘度と比較して1.3倍〜4.5倍まで高めることが可能となり、スプレーノズルにより噴射される水溶性バインダー溶液の粘度を、400〜1200MPa・sとすることができる。
カチオン系殺菌剤は、例えば、第四級アンモニウム塩が挙げられる。第四級アンモニウム塩は、一般に、グラム陽性細菌等に対し強い静菌作用を有し、水溶性で腐食性がなく、通常の濃度では無色無臭であり、その毒性が低いことが知られている。本発明に用いられる第四級アンモニウム塩としては、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ジメチルアンモニウム、塩化テトラデシルジメチルベンジルアンモニウム等を例示することができるが、塩化ベンザルコニウムが乾燥効果の点で特に望ましい。
また、水溶性バインダー溶液としては、CMC、ポリビニルアルコール、デンプンまたはその誘導体、ヒドロキシプロピルセルロース、アルギン酸ナトリウム、トラントガム、グアーガム、キサンタンガム、アラビアゴム、カラギーナン、ガラクトマンナン、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、プルプラン、ポリエチレンオキシド、ビスコース、ポリビニルエチルエーテル、ポリアクリル酸ソーダ、ポリメタアクリル酸ソーダ、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸のヒドロキシル化誘導体、ポリビニルピロリドン/ビニルピロリドン酢酸ビニル共重合体等のバインダー成分が挙げられる。
〔乾燥工程〕
本発明にかかる乾燥工程では、乾燥設備において、水溶性バインダー溶液中の不溶な液分を蒸発させて、有効成分、特にCMCを繊維に対して定着させる。
乾燥設備としては、特に限定はないが、溶液付与シートに対して熱風を吹き付けて乾燥させるフード付きドライヤー設備が利用できる。
また、乾燥設備として赤外線照射による設備を用いても良い。この場合、上記溶液付与シートの搬送方向に複数の赤外線照射部を並列し、搬送される溶液付与シートに対して赤外線を照射して乾燥を行なう。赤外線により水分が発熱し乾燥されるものであるため、熱風によるドライヤーと比較して、均一な乾燥が可能であり、後続の巻き取り工程においての皺の発生が防止できる。
〔巻き取り工程〕
次いで、本発明にかかる巻き取り工程について説明する。
本発明にかかる巻取り工程では、乾燥された乾燥シートをオフラインの加工機で加工する際の原反とするために、上述の乾燥工程で乾燥されCMCの定着が図られた乾燥シートをテンションを調整しながら、スリッターで所定の幅にスリットし、ワインダー設備において、巻き取ることとなる。巻き取り速度は、溶液付与工程、乾燥工程を考慮して適宜定める。過度に早いと乾燥シートの破断が生じ、過度に遅いと皺が発生するのでこれに留意する。
〔薬液付与工程〕
次いで、本発明にかかる薬液付与工程ついて説明する。
本発明の薬液付与工程では、スプレーノズルにより、上述の巻き取り工程で巻き取られた水解性シートを繰り出し、これに対して薬液を付与する。
なお、薬液付与工程に先立って、上述の巻き取り工程により巻き取られた乾燥シートに所望の液保持性等を担保すべく、一旦乾燥シートを湿らせてエンボス加工を施し、再度乾燥させる等の工程を実施しても良い。
本発明の薬液付与工程で付与する薬液は、上記溶液付与工程で付与した水溶性バインダー溶液中のカチオン系殺菌剤と同様のカチオン系殺菌剤である。即ち、元々カチオン系殺菌剤が付与されている水解性シートに、所望の静菌作用を持たせるべく更にカチオン系殺菌剤を付与するだけなので、他の成分を付与した場合に起こりうる化学反応等の他への影響を低減する共に、付与する薬液の量を極力抑えることができる。
また、薬液の付与方法としては、例えば、上記溶液付与工程で用いられたものと同様、二流体方式または一流体方式のノズルの各スプレーノズルにより薬液を噴射して塗布する手法を用いることができる。
この後、薬液の付与された水解性シートは所定の大きさに断裁され、密閉された状態に梱包されて製品状態となる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<水解性試験>
先ず、NBKPとLBKPの割合40/60のパルプと、下記1〜4の条件の凝集剤とを原料として、原紙シート1〜4を作製した(実施例1、比較例1〜3)。原紙シート1〜4の米坪は、何れも45g/mであった。
条件1:凝集剤として、アニオン性凝集剤(ポリアクリルアミド系:ハイモロックFA−230,ハイモ社)を500ppm添加した(実施例1、原紙シート1)。
条件2:凝集剤の添加なし(比較例1、原紙シート2)。
条件3:凝集剤として、高カチオン性凝集剤(ポリアクリル酸エステル系:ハイモロックNR−883,ハイモ社)を500ppm添加した(比較例2、原紙シート3)。
条件4:凝集剤として、カチオン性凝集剤(ポリアクリル酸エステル系:ハイモロックDR−8500,ハイモ社)を500ppm添加した(比較例3、原紙シート4)。
上述にようにして作製した原紙シート1〜4に対して、JIS P4501(2006)4.5「ほぐれやすさ」に基づく水解性試験方法にて水解性を測定した。
表1に、水解性試験の結果を示す。
Figure 0006423307
表1の結果から、カチオン性凝集剤を用いた場合(比較例2、3)は、凝集剤を用いない場合(比較例1)と比較して、水解性が悪化するのに対し、アニオン性凝集剤を用いた場合(実施例1)は、凝集剤を用いない場合(比較例1)と比較して、水解性が悪化しないことがわかる。
<湿潤強度試験>
次に、上記した原紙シート1〜4に対して、CMC(CMC 1330,ダイセル社)を含む同一の水溶性バインダー溶液を表2に示す条件で塗布して溶液付与シートを作製し、これを乾燥させた乾燥シートに薬液を付与して水解性シートを作製した(実施例1−1〜1−5、比較例1−1〜1−5、比較例2−1〜1−5、比較例3−1〜3−5、)。なお、薬液は、硫酸亜鉛3%、プロピレングリコールモノメチルエーテル15%、水82%に調合した。薬液の含浸率は、紙重量に対し175%とした。
上述にようにして作製した水解性シートに対して、JIS P8135に基づく試験方法にて湿潤強度を測定した。
また、上述にようにして作製した水解性シートに対して、JIS P4501(2006)4.5「ほぐれやすさ」に基づく試験方法にて水解性を測定した。
表2に、湿潤強度試験及び水解性の結果を示す。
なお、水解性の判断基準は、100秒以内にほぐれる場合は「○」、100秒を超える場合は「×」とした。
Figure 0006423307
表2の結果から、アニオン性凝集剤を用いて抄造された原紙シート1からなる水解性シートの場合(実施例1−1〜1−5)、凝集剤を用いることなく抄造された原紙シート2からなる水解性シートの場合(比較例1−1〜1−5)と比較して、水溶性バインダー溶液添加量が10kg/tを超える範囲では、15%程度の湿潤強度の向上が確認できた。
また、原紙シート3、4からなる水解性シートの場合(比較例2−1〜2−5、比較例3−1,3−5)の場合は、原紙シート1からなる水解性シート(実施例1−1〜1−5)と比較し湿潤強度が低く、表1の結果より、水解性も著しく悪化することが確認できた。
また、水解性シートの状態でも、原紙シートと同じように、アニオン性凝集剤を用いた原紙シート1からなる水解性シートの場合(実施例1−1〜1−5)、及び凝集剤を用いていない原紙シート2からなる水解性シートの場合(比較例1−1〜1−5)は、水解性に問題はないが、原紙シート3、4からなる水解性シートの場合(比較例2−1〜2−5、比較例3−1〜3−5)の場合は、基準を満たさないことがわかる。
以上のように、本実施形態の水解性シートの製造方法によれば、パルプを含む繊維成分とアニオン系の凝集剤を含むスラリーを抄紙して原紙シートを生成する抄紙工程(ステップS1)と、抄紙工程(ステップS1)により生成された原紙シートの外面に対して、スプレーノズルにより水溶性バインダー溶液を噴射して付与する溶液付与工程(ステップS2)と、水溶性バインダー溶液が付与されたシートを乾燥させる乾燥工程(ステップS3)と、乾燥後のシートに薬液を付与する薬液付与工程(ステップS5)と、を含む。
このため、パルプと同電荷のアニオン系の凝集剤を用いて抄紙することで、原紙シートの繊維の凝集を低下させることができるので、水溶性バインダー溶液を付与した際に、当該水溶性バインダー溶液を原紙シートの内部にまで均一に分散させることができ、湿潤強度を向上させることができる。
また、アニオン系の凝集剤を用いて抄紙することで、原紙シートの繊維の凝集を低下させることができるので、毛細管現象により水解性を向上させることができる。
また、本実施形態の水解性シートの製造方法によれば、溶液付与工程(ステップS2)に用いるスプレーノズルは、二流体方式のノズルである。
このため、溶液付与工程(ステップS2)に用いるスプレーノズルを二流体方式のものとすることにより、原紙シートの外面に斑なく均一に水溶性バインダー溶液を吹き付けることができると共に、原紙シートの内部に水溶性バインダー溶液を浸透させることができる。
以上、本発明を実施形態に基づいて具体的に説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。

Claims (2)

  1. パルプを含む繊維成分とアニオン系の凝集剤を含むスラリーを抄紙して原紙シートを生成する抄紙工程と、
    前記抄紙工程により生成された原紙シートの外面に対して、スプレーノズルにより水溶性バインダー溶液を噴射して付与する溶液付与工程と、
    前記水溶性バインダー溶液が付与されたシートを乾燥させる乾燥工程と、
    乾燥後のシートに薬液を付与する薬液付与工程と、
    を含むことを特徴とする水解性シートの製造方法。
  2. 前記溶液付与工程に用いるスプレーノズルは、二流体方式のノズルであることを特徴とする請求項1に記載の水解性シートの製造方法。
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