JP5488575B2 - 冷凍サイクル - Google Patents

冷凍サイクル Download PDF

Info

Publication number
JP5488575B2
JP5488575B2 JP2011270128A JP2011270128A JP5488575B2 JP 5488575 B2 JP5488575 B2 JP 5488575B2 JP 2011270128 A JP2011270128 A JP 2011270128A JP 2011270128 A JP2011270128 A JP 2011270128A JP 5488575 B2 JP5488575 B2 JP 5488575B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
refrigerant
refrigeration cycle
moisture
adsorbent
dryer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2011270128A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012189309A (ja
Inventor
直史 池田
卓矢 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2011270128A priority Critical patent/JP5488575B2/ja
Priority to US13/401,085 priority patent/US20120210745A1/en
Publication of JP2012189309A publication Critical patent/JP2012189309A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5488575B2 publication Critical patent/JP5488575B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B43/00Arrangements for separating or purifying gases or liquids; Arrangements for vaporising the residuum of liquid refrigerant, e.g. by heat
    • F25B43/003Filters
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K5/00Heat-transfer, heat-exchange or heat-storage materials, e.g. refrigerants; Materials for the production of heat or cold by chemical reactions other than by combustion
    • C09K5/02Materials undergoing a change of physical state when used
    • C09K5/04Materials undergoing a change of physical state when used the change of state being from liquid to vapour or vice versa
    • C09K5/041Materials undergoing a change of physical state when used the change of state being from liquid to vapour or vice versa for compression-type refrigeration systems
    • C09K5/044Materials undergoing a change of physical state when used the change of state being from liquid to vapour or vice versa for compression-type refrigeration systems comprising halogenated compounds
    • C09K5/045Materials undergoing a change of physical state when used the change of state being from liquid to vapour or vice versa for compression-type refrigeration systems comprising halogenated compounds containing only fluorine as halogen
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K2205/00Aspects relating to compounds used in compression type refrigeration systems
    • C09K2205/10Components
    • C09K2205/12Hydrocarbons
    • C09K2205/126Unsaturated fluorinated hydrocarbons
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K2205/00Aspects relating to compounds used in compression type refrigeration systems
    • C09K2205/24Only one single fluoro component present
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2339/00Details of evaporators; Details of condensers
    • F25B2339/04Details of condensers
    • F25B2339/044Condensers with an integrated receiver
    • F25B2339/0441Condensers with an integrated receiver containing a drier or a filter
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2400/00General features or devices for refrigeration machines, plants or systems, combined heating and refrigeration systems or heat-pump systems, i.e. not limited to a particular subgroup of F25B
    • F25B2400/12Inflammable refrigerants
    • F25B2400/121Inflammable refrigerants using R1234

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Air-Conditioning For Vehicles (AREA)

Description

本発明は、冷凍サイクル用ドライヤを備える冷凍サイクルに関する。
蒸気圧縮式の冷凍サイクルでは、冷媒中に多量の水分が含まれていると、冷媒が断熱膨張し急激に冷却されることで氷結し、冷媒を減圧する減圧手段を構成する膨張弁やキャピラリチューブが閉鎖されることがある。また、冷凍サイクル中に水分が析出すると、構成部品の内部腐食が促進される。このため、冷凍サイクルには、凝縮器(コンデンサ)から流出した冷媒を気液分離して液相冷媒を溜める受液器の内部に、吸着剤を有するドライヤ(冷凍サイクル用ドライヤ)が収容されている。
ドライヤは、吸着剤にて冷媒中の水分を吸着する吸着手段を構成しており、吸着剤としては、冷媒中の水分濃度が低い状態においても吸着性能が高いゼオライト(モレキュラシーブ)やシリカゲルが採用されている。
ここで、ゼオライトやシリカゲルといった吸着剤は、自重に対する吸水量(吸着容量)が少ないため、冷媒中の水分の吸水量を増加させる場合、吸着剤の充填量を増加させる必要がある。この場合、受液器内部における吸着剤を充填する空間の拡大等を要する。
これに対して、ドライヤの吸着剤として、ゼオライトやシリカゲル以外に、ゼオライトやシリカゲルに比べて吸着容量が多い特性を有する高吸水性樹脂を採用することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
実開平1−136862号公報
ところで、例えば、車両用の冷凍サイクルでは、車両走行中等において振動するため、全ての配管を金属製にすることが困難であり、配管等にゴムホースやOリングが使用されているが、このような冷凍サイクルでは、冷凍サイクルの内部に冷媒を充填するときの水の混入以外に、ゴムホースやOリングを介して水分が透過することがある。
ここで、冷凍サイクルへ透過する水分の透過速度(以下、水分透過速度と称する。)は、冷凍サイクル内(冷媒中)の水蒸気分圧Pwinと、冷凍サイクル外部(大気)の水蒸気分圧Pwoutとの分圧差(=Pwout−Pwin)に比例する傾向がある。
このため、ドライヤの吸着剤として冷媒中の水分濃度が低い状態において高い吸着性能を有するゼオライト等を用いる場合、冷媒中の水分濃度が低くなることで冷凍サイクル内の水蒸気分圧Pwinが低下し、水分透過速度が増加することが懸念される。
なお、例えば、ドライヤの吸着剤としてゼオライトを用いる場合、ゼオライトが飽和状態となる際に、冷媒中の水蒸気分圧Pwinと、大気の水蒸気分圧Pwoutとの分圧差が小さくなり、水分透過速度が低下する。
このように、ドライヤの吸着剤としてゼオライト等を用いる場合、吸着容量が少ないことに加えて、水分透過速度が速いために冷媒中の水分量を効率よく低下させることができないといった課題がある。
これに対して、特許文献1のように、ドライヤの吸着剤として高吸水性樹脂を採用する場合、冷媒中の水分濃度が低い状態における吸着性能が低いため、ゼオライト等に比べて水分透過速度の増加が抑制される。
ところが、現在冷凍サイクルにて使用されるR22やR134aといった冷媒は、水と反応して、冷凍サイクルにおける冷媒の氷結を促進する包摂化合物(クラスレート)が生成されるため、冷媒中の水分濃度を所定濃度以下に低下させる必要がある。
このため、ドライヤの吸着剤として冷媒中の水分濃度が低い状態における吸着性能が低い高吸水性樹脂を採用すると、冷媒中の水分濃度を充分に低下させることができず、冷凍サイクルにおいて冷媒が氷結する虞がある。
つまり、単にドライヤの吸着剤として高吸水性樹脂を採用したとしても、冷媒の氷結を避けるためには、多量の高吸水性樹脂を用いて冷媒中の水分濃度が低い状態における吸着性能を向上させる必要がある。この結果、ゼオライトやシリカゲルといった吸着剤を用いる場合と同様の課題が生ずる。
本発明は上記点に鑑みて、吸着剤の充填量の増加を抑制しつつ、冷媒の氷結の発生を抑制し、かつ、冷凍サイクル中に水分が析出することによる構成部品の内部腐食を抑制することを目的とする。
本発明者らは、上述する目的を達成するために鋭意検討を重ねた。この結果、冷媒中の水分濃度が低い状態における吸着性能が低い吸着剤を有するドライヤを、水との反応により包摂化合物が生成され難い構造を有する有機化合物を冷媒とした冷凍サイクルに適用することが有効であることを見出した。
請求項ないし12に記載の発明では、冷媒中の水分を吸着する吸着剤(11)を有する蒸気圧縮式の冷凍サイクルを対象としている。
請求項に記載の発明では、冷媒は、分子式C(m=1〜5およびn=1〜5、かつ、m+n=6)で示されると共に、分子構造中に1つの二重結合を有し、吸着剤(11)は、相対湿度と水分の吸収率との関係が相対湿度の上昇と共に水分の吸着率の上昇度合いが増大する吸着特性を有し、ドライヤ(10)は、減圧手段(4)の冷媒流出側から圧縮機(1)の吸入側に至る冷媒流路のうち、液相冷媒が存在する箇所に配置されていることを特徴とする。
このように、Cで示されると共に分子構造中に1つの二重結合を有する冷媒が流れる冷凍サイクルにおいて、相対湿度と水分の吸収率との関係が相対湿度の上昇と共に水分の吸着率の上昇度合いが増大する吸着特性を有する吸着剤(11)を適用することで、吸着剤(11)の充填量の増加を抑制しつつ、冷媒の氷結の発生を抑制することができ、かつ、構成部品の内部腐食を抑制することができる。また、ゼオライト等に比べて水分透過速度の増加が抑制されるので、ゼオライト等に比べて冷媒中の水分量を効率よく低下させることができる。
さらに、冷凍サイクルの高圧側領域よりも冷媒の飽和水分濃度が低く、相対湿度が高くなる低圧側領域に、相対湿度が高い領域にて水分の吸着率が高い特性となる吸着剤(11)を有するドライヤ(10)を配置するようにしているので、冷媒中の水分量をより効率的に低下させることが可能となる。
請求項に記載の発明では、蒸発器(5)から流出した冷媒を気液分離し、気相冷媒を圧縮機(1)の吸入側に導出するアキュムレータ(6)を備え、ドライヤ(10)は、アキュムレータ(6)の内部に配置されていることを特徴とする。このように、アキュムレータ(6)の内部に吸着剤(11)を配置することで、アキュムレータ(6)の内部に存する液相冷媒に含まれる水分を効率よく吸着することができる。
また、請求項に記載の発明のように、ドライヤ(10)を減圧手段(4)の冷媒流出側から蒸発器(5)の冷媒流入側に至る冷媒流路に配置したり、請求項に記載の発明のように、ドライヤ(10)を蒸発器(5)の内部に配置したりしてもよい。
また、請求項に記載の発明のように、吸着剤(11)を、高吸水性樹脂で構成したり、請求項に記載の発明のように、吸着剤(11)を、高吸湿性繊維で構成したり、請求項10に記載の発明のように、吸着剤(11)を、高吸水性繊維で構成したりすることが望ましい。
ところで、高吸収性樹脂は、水分を吸着することでゲル状になることが知られている。このため、単に高吸水性樹脂を冷凍サイクル内に設けると、水分の吸着によりゲル状となった高吸水性樹脂が、冷凍サイクル内を循環して冷凍サイクルの作動に悪影響を及ぼす虞がある。
このため、請求項に記載のように、高吸水性樹脂を、水分を透過可能に構成されたメッシュ状の収容袋(12)に収容したり、請求項に記載の発明のように、高吸水性樹脂を、水蒸気を透過可能に構成されたフィルム状の収容袋(12)に収容したり、請求項に記載の発明のように、高吸水性樹脂を、フェルトで構成された収容袋(12)に収容したりすることが望ましい。
さらに、請求項11に記載の発明のように、冷凍サイクルの冷媒をHFO−1234yfとすることが望ましい。
また、請求項12に記載の発明のように、請求項ないし11のいずれか1つに記載の冷凍サイクルにおいて、冷媒が流通する冷媒配管の一部が、水分透過性を有する材料で構成されるものに適用することが極めて有効である。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態に係る冷凍サイクルの模式的な全体構成図である。 第1実施形態に係る受液器一体型凝縮器の要部を示す部分断面正面図である。 ドライヤが一体化されたキャップの正面図である。 冷媒の氷結発生の確認試験を説明するための説明図である。 冷媒配管の内部への水分透過を説明する説明図である。 高吸水性樹脂の吸着特性を示す特性図である。 吸着剤としてゼオライトを用いた場合の水分透過挙動を説明する説明図である。 吸着剤として高吸水性樹脂を用いた場合の水分透過挙動を説明する説明図である。 第2実施形態の冷凍サイクルにおける水分透過挙動を説明する説明図である。 第3実施形態に係る冷凍サイクルの模式的な全体構成図である。 第3実施形態に係るアキュムレータの模式的な縦断面図である。 冷媒の温度と飽和水分濃度との関係を示す特性図である。 冷凍サイクルの低圧側領域および高圧側領域における吸着剤の吸着性能を比較した比較結果を示す図表である。 低圧側領域の冷媒配管の内部に配置されるドライヤを説明するための説明図である。 蒸発器の内部に配置されるドライヤを説明するための説明図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について図1〜図7に基づいて説明する。図1は、第1実施形態に係る冷凍サイクルの全体構成図である。図2は、第1実施形態に係る受液器一体型凝縮器の要部を示す部分断面正面図を示し、図3は、ドライヤが一体化されたキャップの正面図である。なお、図2における上下を示す矢印は、車両搭載時の方向を示している。
本実施形態の蒸気圧縮式の冷凍サイクルは、車両用空調装置に適用されている。冷凍サイクルは、周知の如く、冷媒を圧縮して吐出する圧縮機1、圧縮機1から吐出された冷媒を凝縮する凝縮器2、凝縮器2から流出した冷媒を減圧する減圧手段としての温度式膨張弁4、温度式膨張弁4にて減圧された冷媒を蒸発させる蒸発器5等を冷媒配管により順次接続した閉回路により構成されている。なお、本実施形態の冷媒配管は、その一部が車両における振動を吸収するために、水分透過性を有するゴムホースにて構成されている。
本実施形態の冷凍サイクルでは、分子式C(m=1〜5およびn=1〜5、かつ、m+n=6)で示されると共に分子構造中に1つの二重結合を有する冷媒を採用している。Cで示される冷媒は、一般に冷凍サイクルにて使用されるR22やR134aに比べて、水との反応により包摂化合物が生成され難い構造を有している。なお、包摂化合物は、冷媒の氷結を促進する物質であり、包摂化合物が生成されることで、温度式膨張弁等において冷媒の氷結が生じ易くなる傾向がある。
冷凍サイクルの冷媒をR22やR134aとする場合には、冷媒の氷結を避けるために、冷媒中の水分濃度をできるだけ低下させて包摂化合物が生成されないようにすることが重要なる。
これに対して、冷凍サイクルの冷媒をCで示される冷媒とする場合には、冷媒中の水分濃度が高くとも、包摂化合物が生成され難いため、HFC−22やHFC−134aに比べて、冷媒の氷結が生じ難くなる。
具体的には、本実施形態では、Cで示される冷媒として温暖化係数(GWP)が低いHFO−1234yf(C:CFCF=CH)を採用している。なお、冷媒としては、HFO−1234yf単体の冷媒に限らず、HFO−1234yfを含む混合冷媒を採用してもよい。
ここで、本発明者らは、冷媒としてHFC−134aを用いた冷凍サイクル、およびHFO−1234yfを用いた冷凍サイクルを用いて、冷媒の氷結の発生を確認する試験を行った。なお、当該試験では、同じ構成機器で構成した各冷凍サイクルに対して、同量の水分を投入して冷媒の氷結発生の有無を確認した。
図4は、冷媒の氷結発生の確認試験を説明するための説明図である。図4に示すように、HFC−134aを用いた冷凍サイクルでは、水分の投入量が2.0g以上で冷媒の氷結が確認された。これに対して、HFO−1234yfを用いた冷凍サイクルでは、水分の投入量が20g以上としても冷媒の氷結が確認されなかった。
このように、HFO−1234yfを用いた冷凍サイクルでは、HFC−134aを用いた冷凍サイクルに比べて、冷媒の氷結が生じ難くい傾向がある。従って、冷媒中の水分を吸着する吸着剤として、冷媒中の水分濃度が低い状態における吸着性能が低い特性を有するものを用いたとしても、冷媒の氷結の発生を抑制することが可能となる。
図2に戻り、冷凍サイクルにおける凝縮器2は、車両のエンジンルーム内のうち、走行風を受けやすい場所(通常は、エンジン冷却水を冷却するラジエータの前方側)に位置するように取付部材(図示略)にて車体に取り付けられている。
本実施形態の凝縮器2は、凝縮器2から流出した冷媒の気液分離して、分離された液相冷媒を温度式膨張弁4へと導出する受液器3が一体化されており、所謂、受液器一体型凝縮器で構成されている。
また、本実施形態の凝縮器2は、圧縮機1から吐出された高温高圧のガス冷媒を熱交換部20にて室外空気と熱交換させることで、凝縮、および過冷却させるサブクールコンデンサであり、熱交換部20における冷媒流れの上流側を構成する凝縮部21と、冷媒流れの下流側を構成する過冷却部22とが一体に構成されている。
より具体的には、本実施形態の凝縮器2は、熱交換部20における上方側に凝縮部21が配置され、下方側に過冷却部22が配置されている。これら凝縮部21および過冷却部22それぞれは、水平方向に延びる複数本のチューブ201とコルゲートフィン202からなり、それぞれろう付けにより接合されている。
複数のチューブ201は、アルミニウム等の金属材料を押し出し加工することで断面形状が扁平な長円形状に形成されており、その内部に冷媒が流通する冷媒流路が形成されている。
熱交換部20におけるチューブ201の長手方向の一端部(図中左側の端部)には、円筒状の第1ヘッダタンク23が接続されている。この第1ヘッダタンク23は、上下方向に延びると共に、チューブ201における一端部が挿嵌されている。なお、図示しないが、チューブ201の長手方向の他端部には、円筒状の第2ヘッダタンクが接続されており、この第2ヘッダタンクは、上下方向に延びると共に、チューブ201における他端側の端部が挿嵌されている。
第1ヘッダタンク23は、その内部に仕切り板231が配置されており、当該仕切り板231により第1ヘッダタンク23の内部空間が上下方向に仕切られている。熱交換部20における凝縮部21は、仕切り板231よりも上方側に位置するように配置され、過冷却部22は、仕切り板231よりも下方側に位置するように配置されている。
同様に、図示しない第2ヘッダタンクにも、その内部に仕切り板(図示略)が配置されており、当該仕切り板により第2ヘッダタンクの内部空間が上下方向に仕切られている。なお、第2ヘッダタンク内の仕切り板は、上下方向において、第1ヘッダタンク23内の仕切り板231と同様の位置に配置されている。
第1ヘッダタンク23は、仕切り板231の直ぐ上方の部位に、第1連通穴232が形成されており、この第1連通穴232によって、凝縮部21のチューブ201が、第1ヘッダタンク23を介して後述する受液器3の内部と連通する。なお、図2中の矢印Aで示すように、冷媒は、凝縮部21から第1連通穴232を通って受液器3の内部に導入される。
また、第1ヘッダタンク23は、仕切り板231の直ぐ下方の部位に、第2連通穴233が形成されており、この第2連通穴233によって、過冷却部22のチューブ201が、第1ヘッダタンク23を介して後述する受液器3の内部と連通する。なお、本実施形態では、第1連通穴232が受液器3に冷媒を導入する冷媒導入口を構成し、第2連通穴233が受液器3から冷媒を導出する冷媒導出口を構成している。
受液器3は、内部に導入された冷媒を気相冷媒(ガス冷媒)と液相冷媒とに分離して、液相冷媒を過冷却部22側に導出する気液分離手段として機能する。
本実施形態の受液器3は、上下方向に延びると共に、下端側に開口部31aが形成された有底筒状のタンク部31、およびタンク部31の開口部31aを閉塞するタンクキャップ(蓋部)32を有して構成されている。
タンク部31には、その上端側から下端側へと冷媒が流れるように第1連通穴232(冷媒の導入口)が第2連通穴233(冷媒の導出口)よりも上端側に形成されている。また、タンク部31の開口部31aには、後述するタンクキャップ32の外周に形成された雄ネジ部321と螺合する雌ネジ部が形成されている。タンク部31は、開口部31aにタンクキャップ32が接合されることで、その内部が密閉される。
タンクキャップ32は、図3に示すように、雄ネジ部321の上方側に、側面にフィルタ322を保持する枠が形成されたフィルタ保持部323が形成されている。なお、フィルタ322は、冷媒中に含まれる塵等の異物を除去するものである。なお、図2中の矢印Bに示すように、受液器3の内部の液相冷媒は、フィルタ322を介して、第2連通穴233→過冷却部22へと導出される。
また、受液器3には、その内部に冷媒中の水分を吸着する吸着剤11を有するドライヤ(冷凍サイクル用ドライヤ)10が配置されている。このドライヤ10は、前述の吸着剤11、吸着剤11を収容する収容袋12にて構成されている。
ドライヤ10は、冷媒中の水分を効率よく吸着するために、受液器3における液相冷媒が流れる部位、すなわち受液器3の下端側に配置されている。また、ドライヤ10は、受液器3に液相冷媒が多量に存在する場合に、液相冷媒の液面に浮いてしまう虞がある。このため、ドライヤ10は、タンクキャップ32におけるフィルタ保持部323の上部に一体に構成されている。
ところで、上述のように、本実施形態の冷凍サイクルは、冷媒配管の一部にゴムホースを使用しているため、当該ゴムホースを介して外部から水分が透過することがある(図5参照)。なお、図5は、冷媒配管の内部への水分透過を説明する説明図である。
冷凍サイクルへの透過する水分の透過速度Wは、以下の数式F1、数式F2に示すように、冷媒中の水蒸気分圧Pwinと大気の水蒸気分圧Pwoutとの分圧差(=Pwout−Pwin)に比例する傾向がある。
=k×L×(Pwout−Pwin)・・・(F1)
但し、kは水分透過係数、Lは水分が透過する配管の長さである。
冷媒中の水蒸気分圧Pwinは、冷媒中の水分濃度Xと比例関係(X∝Pwin)があり、冷媒中の水分濃度Xが低いと冷媒中の水蒸気分圧Pwinと大気の水蒸気分圧Pwoutとの分圧差が増加する。これにより、水分透過速度Wが増加して外部から透過する水分量が増大を招くこととなる。
本発明者らは、上述の水分透過速度の変化に着眼し、ドライヤ10の吸着剤として、相対湿度の低下に伴って水分の吸着率の低下度合いが増大する吸着特性(換言すれば、相対湿度と冷媒中の水分の吸収率との関係が相対湿度の上昇に伴って、水分の吸着率の上昇度合い傾きが増大する吸着特性)を有する吸着剤が好適であることを発見した。
そこで、本実施形態では、ドライヤ10の吸着剤11として、図6に示すように吸着特性を有する高吸水性樹脂を採用している。なお、図6は、高吸水性樹脂の吸着特性を示す特性図であり、図6における実線が高吸水性樹脂、一点鎖線がゼオライト(モレキュラシーブ)、二点鎖線がシリカゲルの吸着特性を示している。
図6に示すように、ゼオライトやシリカゲルは、冷媒中の水分濃度が低い状態において高い吸着性能を有するのに対して、高吸水性樹脂は、冷媒中の水分濃度が低い状態において吸着性能が低い。従って、高吸水性樹脂を吸着剤11として採用することで、ゼオライトやシリカゲルを採用する場合に比べて、水分透過速度Wの増加が抑制され、外部から透過する水分量の増大を抑制することが可能となる。
また、高吸水性樹脂は、高湿度での吸着容量がゼオライトやシリカゲルに比べて大きくなるため、ドライヤ10への充填量を増大させることなく、冷媒中の水分を吸着することが可能となる。なお、具体的には、高吸水性樹脂としては、例えば、紙おむつや生理用品といった衛生材料として使用される親水性のポリマーを採用することができる。
ドライヤ10の収容袋12は、例えば、ポリアミド合成繊維からなり、冷媒中の水分を透過可能にメッシュ状とされている。この収容袋12は、吸着剤11を収容するための開口がヒートシール等にて閉塞されている。
次に、本実施形態の作動について説明する。車両用空調装置の運転が開始されると、圧縮機1から吐出される。圧縮機1から吐出された高温高圧の冷媒は、凝縮器2の第2ヘッダタンクを介して熱交換部20における凝縮部21に流入する。凝縮部21に流入した冷媒は、車室外空気と熱交換して冷却されて凝縮し、気相冷媒を一部に含む飽和液冷媒となる。この飽和液冷媒は、第1ヘッダタンク23から第1連通穴232を介して受液器3の内部に導入され、受液器3にて気液が分離されると共に、ドライヤ10の吸着剤11により冷媒中の水分が吸着される。
その後、受液器3の内部で分離された液冷媒は、フィルタ322にて異物が除去された後、第2連通穴233を介して第1ヘッダタンク23から過冷却部22へ導出されて、再び冷却(過冷却)される。そして、凝縮器2の過冷却部22にて過冷却された冷媒は、温度式膨張弁4にて減圧された後、蒸発器5に流入する。蒸発器5に流入した冷媒は、車室内に吹き出す空気から吸熱して蒸発し、蒸発した冷媒が再び圧縮機1に吸入されて圧縮される。
ここで、ドライヤ10の吸着剤11として、高吸水性樹脂を用いた場合の効果について、従来まで吸着剤として用いられていたゼオライトと比較して説明する。なお、本例では、吸着容量が自重の10倍となる高吸水性樹脂2g(最大吸着容量:20g)を吸着剤としたときと、吸着容量が自重の0.2倍となるゼオライト40g(最大吸着容量:8g)を吸着剤としたときとを比較する。
図7は、吸着剤としてゼオライトを用いた場合の水分透過挙動を説明する説明図であり、図7の(a)が冷媒中の水蒸気分圧の時間変化を示し、(b)が水分透過量の経年変化を示している。また、図8は、吸着剤として高吸水性樹脂を用いた場合の水分透過挙動を説明する説明図であり、図8の(a)が冷媒中の水蒸気分圧の経年変化を示し、(b)が水分透過量の時間変化を示している。
図7に示すように、吸着剤としてゼオライトを用いた場合、水分透過量が最大吸着容量(8g)を上回る前は、ゼオライトにて冷媒中の水分が吸着されるので、初期段階での冷媒中の水蒸気分圧が低くなる。この結果、冷凍サイクル内に透過する水分の水分透過速度が速くなり、水分透過量が増大する。また、水分透過量が最大吸着容量(8g)を上回ると、ゼオライトにて冷媒中の水分が吸着されず、冷媒中の水蒸気分圧が高くなる。この結果、冷媒中の水蒸気分圧が高くなって水分透過速度が遅くなる。そして、水分透過量がゼオライトの吸着容量(8g)を上回ると、冷凍サイクル内に溶解していた水分が析出されて、析出された水分が冷凍サイクル内に残存して、冷凍サイクル内における冷媒の氷結が生じ易くなる。
これに対して、図8に示すように、吸着剤として高吸水性樹脂を用いた場合、ゼオライトに比べて冷媒中の水分濃度が低い状態における吸着性能が低いので、初期段階での冷媒中の水蒸気分圧が高くなる。この結果、冷凍サイクル内に透過する水分の水分透過速度が遅く、水分透過量の増大が抑制される。また、高吸水性樹脂は、ゼオライトに比べて最大吸着容量(20g)が多く、冷凍サイクル内に溶解していた水分が析出したとしても、高吸水性樹脂にて吸着されるため、冷凍サイクル内における冷媒の氷結の発生を抑制し、かつ、冷凍サイクル中に水分が析出することによる冷凍サイクルにおける構成部品の内部腐食の促進を抑制することができる。
さらに、吸着剤として高吸水性樹脂を用いた場合、ゼオライト等に比べて、受液器3の内部において占める容積を小さくすることができるので、受液器3における体格の増大を抑制しつつ、冷媒中の水分を吸着することができる。
以上説明した本実施形態によれば、冷媒としてHFO−1234yf(C)が流れる冷凍サイクルにおいて、ドライヤ10の吸着剤11として、相対湿度と水分の吸収率との関係が相対湿度の上昇と共に水分の吸着率の上昇度合いが増大する吸着特性を有する高吸着性樹脂を適用することで、ドライヤ10への吸着剤11の充填量の増加を抑制しつつ、冷媒の氷結の発生を抑制することができる。また、ゼオライト等に比べて水分透過速度の増加が抑制されるので、ゼオライト等に比べて冷媒中の水分量を効率よく低下させることができる。
ここで、高吸収性樹脂は、水分を吸着することでゲル状になることが知られている。このため、単に高吸水性樹脂を冷凍サイクル内に設けると、水分の吸着によりゲル状となった高吸水性樹脂が、冷凍サイクル内を循環して冷凍サイクルの作動に悪影響を及ぼす虞がある。
これに対して、本実施形態のドライヤ10は、高吸水性樹脂をメッシュ状の収容袋12に収容する構成としているので、高吸水性樹脂が水分を吸着してゲル状となったとしても、ゲル化した高吸水性樹脂が冷凍サイクル内を循環してしまうことを抑制することができる。
また、本実施形態では、受液器3のタンク部31の下端側(タンクキャップ32におけるフィルタ保持部323の上部)に高吸水性樹脂を配置する構成としているので、受液器3の内部に存する液相冷媒に含まれる水分を効率よく吸着することができる。
また、本実施形態のように、高吸水性樹脂を吸着剤11として用いるドライヤ10は、冷媒が流通する冷媒配管の一部が水分透過性を有する材料(例えば、ゴムホース)で構成される車両用空調装置に適用することが極めて有効である。すなわち、冷媒配管の一部が水分透過性を有する材料で構成される場合、冷凍サイクルの内部に透過する水分量(水分透過量)が多く、水分透過量を考慮して吸着剤11の選定を行う必要があるからである。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図9に基づいて説明する。本実施形態では、第1実施形態と同様または均等な部分についての説明を省略、または簡略化して説明する。
本実施形態では、高吸水性樹脂を収容する収容袋12を、水蒸気を透過するフィルム状とし、高吸水性樹脂の吸湿作用を利用して、液相冷媒中の水蒸気のみを吸着する構成としている。
このような構成を有する場合の効果について一例を挙げて説明する。なお、本例では、吸湿容量が自重の1倍程度となる高吸水性樹脂10g(最大吸湿容量:10g)を吸着剤として採用している。
図9は、本実施形態の冷凍サイクルにおける水分透過挙動を説明する説明図であり、図9の(a)が冷媒中の水蒸気分圧の時間変化を示し、(b)が水分透過量の経年変化を示している。
図9に示すように、高吸水性樹脂にて冷媒に溶解した水分(水蒸気)を吸着する場合、冷媒に溶解した水分量(溶解水分量)が少なくなるので、冷凍サイクル内に溶解していた水分が析出され難くなる。これにより、冷凍サイクル内における冷媒の氷結の発生を抑制し、かつ、冷凍サイクル中に水分が析出することによる構成部品の内部腐食を抑制することができる。
また、本実施形態では、高吸水性樹脂を、水蒸気が透過可能に構成されたフィルム状の収容袋12に収容しているので、高吸水性樹脂には水蒸気のみが吸着され、吸湿作用のみが働くこととなり、水分を吸着してゲル状となることを抑制することができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。本実施形態の冷凍サイクルは、図10の全体構成図に示すように、蒸発器5と圧縮機1との間にアキュムレータ6を備えるアキュムレータサイクルで構成されている。
本実施形態では、温度式膨張弁の代わりにキャピラリチューブやオリフィスで構成される固定絞り4にて減圧手段が構成されている。なお、冷凍サイクルにおける圧縮機1の吐出側から減圧手段を構成する固定絞り4の冷媒流入側に至る冷媒流路が高圧側領域を構成し、固定絞り4の冷媒流出側から圧縮機1の吸入側に至る冷媒流路が低圧側領域を構成している。
アキュムレータ6は、蒸発器5から流出した冷媒を気液分離する気液分離手段であって、液相冷媒を貯留する一方で、気相冷媒を圧縮機1の吸入側に導出するものである。図11の縦断面図に示すように、本実施形態のアキュムレータ6は、タンク60内部に液相冷媒と気相冷媒とを分離する傘形状の分離器61、同軸上に配置された内側配管62aおよび外側配管62bとの二重管で構成され、分離器61にて分離された気相冷媒を圧縮機1の吸入側に導出するための吸込パイプ62を備えている。
タンク60は、上端面に蒸発器5から流出した冷媒を内部に導く導入口60aが形成されると共に、吸込パイプ62の内側配管62aに接続され圧縮機1の吸入側に気相冷媒を導出する導出口60bが形成された有底筒形状とされている。
これにより、タンク60の導入口60aからアキュムレータ6内部に流入した気液二層状態の冷媒は、分離器61にて気相冷媒と液相冷媒とに分離される。分離器61にて分離された液相冷媒は、タンク60の下部の貯留部60cに貯留される一方、気相冷媒は、吸込パイプ62を流れて導出口60bから圧縮機1の吸入側へ導出される。なお、吸込パイプ62の下部には、冷媒に含まれるオイルからスラッジを除去するためのフィルタ63が配置されている。
ここで、図12は、冷媒の温度と冷媒の飽和水分濃度との関係を示す特性図である。図12に示すように、冷媒は、温度が高くなるに伴って飽和水分濃度が上昇する傾向があり、冷凍サイクルにおいて冷媒の温度が低い低圧側領域(例えば、冷媒の温度が20℃以下となる領域)では、高圧側領域に比べて、飽和水分濃度が低くなる。冷媒における相対湿度は、飽和水分濃度に対する冷凍サイクルにおける平均的な水分濃度の比となることから、冷媒の温度が低い低圧側領域は、高圧側領域に比べて、相対湿度が高くなる。なお、液相冷媒は、気相冷媒に比べて飽和水分濃度が低く、気相冷媒よりも相対湿度が高くなる。
このような特性を鑑みて、本実施形態では、相対湿度の上昇に伴って、水分の吸着率の上昇度合い傾きが増大する吸着特性を有する高吸水性樹脂からなる吸着剤11を低圧側領域における液相冷媒が存在する箇所に配置する構成としている。具体的には、本実施形態では、図11に示すように、アキュムレータ6の内部の貯留部60cにドライヤ10を配置する構成としている。
図13は、冷凍サイクルの低圧側領域および高圧側領域における吸着剤の吸着性能を比較した比較結果を示す図表である。図13に示すように、吸着剤11を冷凍サイクルの低圧側領域に配置する場合、高圧側領域に配置する場合よりも、吸着剤11の性能が高い結果となった。なお、吸着性能(縦軸)は、吸着剤11の空気中における吸着性能に対する冷凍サイクル中における吸着性能の比を示しており、比の値が高い程、吸着性能が高いことを示している。
以上、説明した本実施形態では、冷凍サイクルにおける低圧側領域に配置されたアキュムレータ6の内部にドライヤ10を配置する構成としているので、第1実施形態よりも、冷媒中の水分量をより効率的に低下させることが可能となる。
なお、本実施形態では、ドライヤ10を単体で構成する例について説明したが、ドライヤ10は、例えば、アキュムレータ6のタンク60下部に配置されるフィルタ63と一体に構成するようにしてもよい。
また、本実施形態では、固定絞り5にて冷凍サイクルの減圧手段を構成する例について説明したが、これに限らず、減圧作用を発揮するものであれば、例えば、可変絞り機構を有する減圧弁を採用してもよい。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。例えば、以下のように種々変形可能である。
(1)上述の各実施形態では、ドライヤ10の吸着剤11として高吸水性樹脂を採用した例について説明したが、これに限定されない。例えば、高吸湿繊維や高吸水性繊維といった繊維材料も、高吸水性樹脂と同様に相対湿度と水分の吸収率との関係が相対湿度の上昇と共に水分の吸着率の上昇度合いが増大する吸着特性を有するため、高吸湿繊維や高吸水性繊維を吸着剤として採用してもよい。
(2)上述の各実施形態では、冷凍サイクルの冷媒としてHFO−1234yfを採用した例について説明したが、これに限定されない。例えば、HFO−1234yfと同様に水との反応により包摂化合物が生成され難い構造を有するHFO−1234ze(C:CFCH=CHF)を冷凍サイクルの冷媒として採用してもよい。また、HFO−1234yfとHFO−1234zeとを混合させた混合冷媒を採用してもよい。
なお、第3実施形態においては、ドライヤ10の吸着剤11における水分の吸着性能が格段に向上することから、冷凍サイクルの冷媒を、水との反応により包摂化合物が生成され易い構造を有するR22やR134a等としてもよい。
(3)上述の第3実施形態では、アキュムレータ6の内部にドライヤ10を配置する例について説明したが、これに限定されない。ドライヤ10を冷凍サイクルの低圧側領域における液相冷媒が存在する箇所に配置する構成であれば、例えば、固定絞り4の冷媒流出側から蒸発器5の冷媒流入側に至る冷媒流路に配置したり、蒸発器5の内部に配置したりしてもよい。これらの配置形態は、アキュムレータ6を有さない冷凍サイクルにも適用できる点で有効である。
ドライヤ10を固定絞り4の冷媒流出側から蒸発器5の冷媒流入側に至る冷媒流路に配置する場合、例えば、図14に示すように、固定絞り4と蒸発器5との間の冷媒配管の一部を拡径した拡径部を設け、当該拡径部にドライヤ10を配置すればよい。
また、蒸発器5の内部にドライヤ10を配置する場合、図15に示すように、蒸発器5における固定絞り4からの冷媒が流入するヘッダタンク50にドライヤ10を配置すればよい。
(4)上述の各実施形態では、高吸水性樹脂からなる吸着剤11をメッシュ状、またはフィルム状の収容袋12に収容する例について説明したが、これに限らず、例えば、フェルトで構成される収容袋12に吸着剤11を収容するようにしてもよい。
(5)上述の各実施形態で説明したように、ドライヤ10は、高吸水性樹脂を収容袋12に収容することが望ましいが、高吸水性樹脂を収容袋12に収容することなく、冷媒配管の内部に配置するようにしてもよい。
(6)また、高吸水性樹脂を収容する収容袋12は、ヒートシール以外の方法により閉じる構成としてもよい。さらに、収容袋12としては、例えば、冷媒流れの上流側が開口し、下流側が閉塞されているものを用いてもよい。
(7)上述の第1、第2実施形態では、本発明のドライヤ10を凝縮器2と受液器3とが一体化された受液器一体型凝縮器に適用した例を説明したが、凝縮器2と受液器3とを別体とする構成に適用してもよい。
(8)上述の第1、第2実施形態では、本発明のドライヤ10を熱交換部20に凝縮部21および過冷却部22を有するサブクールコンデンサに適用する例について説明したが、これに限定されず、熱交換部20に凝縮部21を有するコンデンサに適用してもよい。
(9)上述の各実施形態では、冷凍サイクルの蒸発器5にて車室内に吹き出す空気を冷却して車室内の冷房を実現する例について説明したが、これに限定されない。例えば、冷凍サイクルの凝縮器2にて車室内に吹き出す空気を加熱して車室内の暖房を実現したり、冷凍サイクルの冷媒回路を切替可能にすることで、車室内の冷房および暖房の双方を実現したりするようにしてもよい。
(10)上述の各実施形態では、車両用空調装置の冷凍サイクルに本発明のドライヤ10を適用した例を説明したが、これに限定されず、例えば、車両用の暖房装置、定置式の給湯機や室内暖房装置に用いられる冷凍サイクル(ヒートポンプサイクル)に適用してもよい。
1 圧縮機
2 凝縮器
3 受液器
31 タンク部
31a 開口部
32 タンクキャップ(蓋部)
4 温度式膨張弁、固定絞り(減圧手段)
5 蒸発器
6 アキュムレータ
10 ドライヤ(冷凍サイクル用ドライヤ)
11 吸着剤
12 収容袋

Claims (12)

  1. 冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(1)、前記圧縮機(1)から吐出された冷媒を凝縮させる凝縮器(2)、前記凝縮器(2)から流出した冷媒を減圧する減圧手段(4)、前記減圧手段(4)にて減圧された冷媒を蒸発させる蒸発器(5)、および冷媒中の水分を吸着する吸着剤(11)を有するドライヤ(10)を含んで構成される蒸気圧縮式の冷凍サイクルにおいて、
    冷媒は、分子式C(m=1〜5およびn=1〜5、かつ、m+n=6)で示されると共に、分子構造中に1つの二重結合を有し、
    前記吸着剤(11)は、相対湿度と前記水分の吸収率との関係が相対湿度の上昇と共に前記水分の吸着率の上昇度合いが増大する吸着特性を有し、
    前記ドライヤ(10)は、前記減圧手段(4)の冷媒流出側から前記圧縮機(1)の吸入側に至る冷媒流路のうち、液相冷媒が存在する箇所に配置されていることを特徴とする冷凍サイクル。
  2. 前記蒸発器(5)から流出した冷媒を気液分離し、気相冷媒を前記圧縮機(1)の吸入側に導出するアキュムレータ(6)を備え、
    前記ドライヤ(10)は、前記アキュムレータ(6)の内部に配置されていることを特徴とする請求項に記載の冷凍サイクル。
  3. 前記ドライヤ(10)は、前記減圧手段(4)の冷媒流出側から前記蒸発器(5)の冷媒流入側に至る冷媒流路に配置されていることを特徴とする請求項に記載の冷凍サイクル。
  4. 前記ドライヤ(10)は、前記蒸発器(5)の内部に配置されていることを特徴とする請求項に記載の冷凍サイクル。
  5. 前記吸着剤(11)は、高吸水性樹脂で構成されていることを特徴とする請求項ないしのいずれか1つに記載の冷凍サイクル。
  6. 前記高吸水性樹脂は、前記水分を透過可能に構成されたメッシュ状の収容袋(12)に収容されていることを特徴とする請求項に記載の冷凍サイクル。
  7. 前記高吸水性樹脂は、水蒸気を透過可能に構成されたフィルム状の収容袋(12)に収容されていることを特徴とする請求項に記載の冷凍サイクル。
  8. 前記高吸水性樹脂は、フェルトで構成された収容袋(12)に収容されていることを特徴とする請求項に記載の冷凍サイクル。
  9. 前記吸着剤(11)は、高吸湿繊維で構成されていることを特徴とする請求項ないしのいずれか1つに記載の冷凍サイクル。
  10. 前記吸着剤(11)は、高吸水性繊維で構成されていることを特徴とする請求項ないしのいずれか1つに記載の冷凍サイクル。
  11. 冷媒はHFO−1234yfであることを特徴とする請求項ないし10のいずれか1つに記載の冷凍サイクル。
  12. 冷媒が流通する冷媒配管の一部が、水分透過性を有する材料で構成されていることを特徴とする請求項ないし11のいずれか1つに記載の冷凍サイクル。
JP2011270128A 2011-02-22 2011-12-09 冷凍サイクル Expired - Fee Related JP5488575B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011270128A JP5488575B2 (ja) 2011-02-22 2011-12-09 冷凍サイクル
US13/401,085 US20120210745A1 (en) 2011-02-22 2012-02-21 Drier and refrigerating cycle

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011035986 2011-02-22
JP2011035986 2011-02-22
JP2011270128A JP5488575B2 (ja) 2011-02-22 2011-12-09 冷凍サイクル

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012189309A JP2012189309A (ja) 2012-10-04
JP5488575B2 true JP5488575B2 (ja) 2014-05-14

Family

ID=46651446

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011270128A Expired - Fee Related JP5488575B2 (ja) 2011-02-22 2011-12-09 冷凍サイクル

Country Status (2)

Country Link
US (1) US20120210745A1 (ja)
JP (1) JP5488575B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102257508B1 (ko) * 2014-06-24 2021-05-31 엘지전자 주식회사 냉각 시스템 및 이를 포함하는 냉장고
JP6905895B2 (ja) * 2017-08-28 2021-07-21 マーレベーアサーマルシステムズジャパン株式会社 コンデンサ
IT202100017333A1 (it) 2021-07-01 2023-01-01 Irides S R L Produzione di biomateriali da prodotti di scarto alimentari da parte di ceppi batterici antartici

Family Cites Families (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4574868A (en) * 1981-10-02 1986-03-11 Caterpillar Tractor Co. Flow directing element for heat exchanger
JPH01136862U (ja) * 1988-03-10 1989-09-19
JP3237263B2 (ja) * 1992-03-02 2001-12-10 株式会社デンソー 冷凍装置
DE4319293C2 (de) * 1993-06-10 1998-08-27 Behr Gmbh & Co Kondensator für eine Klimaanlage
JPH08189731A (ja) * 1994-10-31 1996-07-23 Matsushita Electric Ind Co Ltd 冷凍サイクル
JP3629819B2 (ja) * 1996-06-04 2005-03-16 株式会社デンソー 受液器一体型凝縮器
JPH11182986A (ja) * 1997-12-22 1999-07-06 Matsushita Electric Ind Co Ltd 空気調和機用ドライヤー
JP2001074322A (ja) * 1999-09-03 2001-03-23 Daikin Ind Ltd 冷凍装置
US6408932B1 (en) * 2000-03-10 2002-06-25 Airxchange, Inc. Heat exchanger having high moisture transfer capability in high relative humidity air
US6494057B1 (en) * 2000-07-20 2002-12-17 Carrier Corporation Combination accumulator filter drier
WO2002076722A1 (en) * 2001-03-22 2002-10-03 Kanebo, Limited High moisture absorbing nonwoven fiber structure and production method therefor
DE10149798A1 (de) * 2001-10-09 2003-04-10 Behr Gmbh & Co Kältemittelkondensator
US6807820B2 (en) * 2002-03-06 2004-10-26 Denso Corporation Heat storage system for vehicle, with adsorbent
JP2003336938A (ja) * 2002-05-15 2003-11-28 Sanden Corp 熱交換器
KR100730567B1 (ko) * 2002-07-09 2007-06-20 한라공조주식회사 공조장치용 리시버 드라이어 및 그 제작방법
JP2005214542A (ja) * 2004-01-30 2005-08-11 Hitachi Ltd 冷凍装置
JP2006149932A (ja) * 2004-12-01 2006-06-15 Sanyo Electric Co Ltd 衣類乾燥機
JP3995007B2 (ja) * 2005-05-30 2007-10-24 ダイキン工業株式会社 調湿装置
JP2009270797A (ja) * 2008-05-09 2009-11-19 Daikin Ind Ltd 冷凍装置
WO2009157320A1 (ja) * 2008-06-24 2009-12-30 三菱電機株式会社 冷凍サイクル装置及び空気調和装置

Also Published As

Publication number Publication date
US20120210745A1 (en) 2012-08-23
JP2012189309A (ja) 2012-10-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2312241B1 (en) Refrigerating cycle apparatus, and air-conditioning apparatus
JP4007307B2 (ja) 冷凍装置の施工方法
EP2339271A1 (en) Cooling cycle device
US10101066B2 (en) Adsorber and adsorption refrigerator
JP3812582B2 (ja) 受液器一体型冷媒凝縮器
JP5488575B2 (ja) 冷凍サイクル
JP2000227265A (ja) 受液器一体型冷媒凝縮器
CN104890474B (zh) 车用空调器及车辆
JP2013007529A (ja) 冷凍サイクル用ドライヤ、および冷凍サイクル
JP2013133987A (ja) 冷凍サイクル用ドライヤ及び冷凍サイクル
KR101590194B1 (ko) 수액기 일체형 응축기
JP2004251584A (ja) 受液器
JP2011191032A (ja) 圧縮冷凍サイクル
JP4086011B2 (ja) 冷凍装置
JP6696175B2 (ja) コンデンサ
JP3925426B2 (ja) 冷凍サイクル装置
JP2013096620A (ja) 冷凍サイクル用ドライヤ及び冷凍サイクル
JP2002090007A (ja) 冷凍サイクル用レシーバードライヤー
JP2010096440A (ja) ヒートポンプ装置
KR20150054798A (ko) 수착 장치 내에 작동 매체를 회수하기 위한 수집 저장조 및 방법
KR101867572B1 (ko) 자동차용 자체 내부 열 교환형 응축기
JPH06159866A (ja) 冷凍サイクル
JPH074787A (ja) アキュムレータ
JP2744712B2 (ja) 吸着式冷却装置
JP5273954B2 (ja) ガソリンベーパ凝縮容器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130730

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130926

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140128

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140210

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5488575

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees