JP2005214542A - 冷凍装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 冷媒中の不純物を除去回収するフィルタの圧力損失の増大を抑えることにある。
【解決手段】 冷凍装置は、圧縮機、凝縮器、蒸発器、減圧手段により冷凍サイクルを形成し、蒸発器と凝縮器を接続する冷媒配管24の水平部にフィルタ30とそのフィルタ30に並列接続されたバイパス配管32とを設け、バイパス配管32をフィルタ30の下側に配設した構成とする。
【選択図】 図2

Description

液冷媒用フィルタを備えた冷凍装置に関する。
空調機や冷凍庫などに用いられる冷凍装置は、圧縮機により圧縮した冷媒を凝縮器により凝縮し、凝縮された冷媒を減圧手段により減圧して蒸発器で蒸発させる冷凍サイクルを備え、例えば空気や水を冷媒の凝縮熱又は蒸発熱で加熱又は冷却するものである。
このような冷凍装置において、旧来は、冷媒として例えばCFC冷媒またはHCFC冷媒を用い、冷凍機油として例えば鉱油を使用するものが一般的であった。しかし、例えばオゾン層を保護するために、冷媒として例えばHFC冷媒を用い、冷凍機油として例えば合成油(例えば、エステル油、エーテル油)を使用するものが広く用いられるようになってきた。
ところで、旧来の冷媒等を用いた冷凍装置を新たな冷媒等を用いた冷凍装置に置き換える要請があり、この場合、費用削減のために、室内機と室外機を接続する冷媒配管など再利用可能な設備をそのまま転用することが考えられている。
しかし、再利用する接続配管等に汚染物質、例えば旧装置に封入された鉱油、鉱油の酸化劣化反応物、酸化スケール、塩素系化合物などの不純物が残留していることがある。そのような不純物が残留していると、新装置の冷媒が劣化したり、新装置の冷媒に溶解しない鉱油などの成分が冷凍サイクル内の低温部で析出して冷凍サイクルが詰まったりするおそれがある。
このような問題を解決するため、冷媒中の不純物を捕捉するエレメントを有するフィルタを冷媒配管に配設して、冷凍装置の信頼性を確保することが提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
ダンフォスジャーナル誌(The Danfoss Journal)、1997年3月発行、P10−P11
しかしながら、上記従来技術では、不純物がフィルタのエレメントに徐々に捕捉されフィルタが目詰まりし、フィルタの圧力損失が増大して冷凍サイクルの運転性能に支障をきたすおそれがある。
そこで、本発明は、冷媒中の不純物を除去回収するフィルタの圧力損失の増大を抑えることを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の冷凍装置は、圧縮機、凝縮器、蒸発器、減圧手段により冷凍サイクルを形成し、蒸発器と凝縮器を接続する冷媒配管の水平部にフィルタとそのフィルタに並列接続されたバイパス配管とを設け、バイパス配管をフィルタの下側に配設したことを特徴とする。
すなわち、冷媒に含まれる不純物(例えば、鉱油)は、冷媒よりも密度が小さいことから、冷媒の上部に浮遊した状態で冷媒配管を流れる。したがって、冷媒配管内の冷媒は、不純物を含む冷媒が上部に、不純物をほとんど含まない冷媒が下部に分かれて流れる。それゆえ、不純物を含む冷媒はフィルタに流入して不純物が除去、回収される一方、不純物をほとんど含まない冷媒は、バイパス配管を介してフィルタを迂回して流れる。その結果、フィルタに流れ込む冷媒量を減らすことができ、冷媒中の不純物を確実に捕捉しつつ、発生する圧力損失の増大を抑えることができる。
この場合において、フィルタは、カポック繊維、セルロース、羊毛、ポリプロピレン、ポリエステルの少なくとも1つからなるエレメントを有して形成するのが望ましい。要するに、例えば鉱油の劣化物と親和性が大きく、またメッシュ数が比較的大きい繊維性の材料をエレメントとして用いればよい。
本発明によれば、冷媒中の不純物を除去回収するフィルタの圧力損失の増大を抑えることができる。
(第1の実施形態)本発明を適用した冷凍装置の第1の実施形態について図1及び図2を参照して説明する。図1は、本実施形態の冷凍装置の系統図、図2は、冷媒配管に配設されるフィルタとバイパス配管の構成図を示している。
図1に示すように、空調機などに用いられる冷凍装置は、室外に設置される室外ユニット10と、室内に設置される複数の室内ユニット(例えば、室内ユニット12a、12b)を備えて構成される。室外ユニット10は、冷媒を圧縮する圧縮機14と、冷房運転時には凝縮器として作用してガス冷媒の熱を大気に放熱させて冷媒を凝縮し、暖房運転時には蒸発器として作用して液冷媒の蒸発熱を大気に放熱する熱交換器16が配設されている。また、圧縮機14に吸引されるガス冷媒から液冷媒を分離する気液分離器18と、主として暖房運転時に作用する減圧手段である膨張弁20と、冷房運転と暖房運転を切り替える四方切換弁22と、冷媒配管24の冷媒流量を調整する液タンク25を備えている。なお、冷媒配管24に阻止弁28、冷媒ガス配管26には阻止弁29が配設されている。そして、膨張弁20と膨張弁36a、36bとの間の冷媒配管24に、不純物回収装置としてフィルタ30、バイパス配管32が配設されている。フィルタ30は、冷媒配管24の水平部に設けられている。バイパス配管32は、フィルタ30と並列に冷媒配管24に配設されている。
室内ユニット12aは、冷房運転時には蒸発器として作用して液冷媒の蒸発熱を利用して室内供給用の空気を冷却し、暖房運転時には凝縮器として作用してガス冷媒の凝縮熱を利用して室内供給用の空気を暖める熱交換器34aと、主として冷房運転時に作用する減圧手段である膨張弁36aを備えている。室内ユニット12bも同様に、熱交換器34b、膨張弁36bが配設されている。そして、室内ユニット12a、12bが、冷媒配管24と冷媒ガス配管26を介して室外ユニット10に接続することによって冷凍サイクルが形成される。
このように構成される冷凍装置においては、フィルタ30のエレメントに冷媒に含まれる不純物(例えば、鉱油)が徐々に捕捉されるためフィルタ30が目詰まりし、フィルタ30の圧力損失が増大して冷凍サイクルの運転性能に支障を来たすおそれがある。この点、本実施形態では、フィルタ30に並列接続されたバイパス配管32をフィルタ30の下側に配設することにより、冷媒中の不純物を確実に除去回収しつつ、フィルタ30の圧力損失の増大を抑えるようにしている。
ここで、本発明の特徴であるフィルタ30とバイパス配管32について図2を参照して説明する。図2に示すように、フィルタ30は、冷媒配管24の水平部に設けられている。バイパス配管32は、フィルタ30に並列接続され、かつフィルタ30の下側に配設されている。要するに、バイパス配管32は、冷房運転時の冷媒の流れを基準にすると、フィルタ30の入口側の冷媒配管24から下向きに分岐し、分岐した配管がフィルタ30の出口側の冷媒配管24に合流して形成されるようにすればよい。なお、フィルタ30には、冷媒中の不純物を捕捉するエレメント38が配設されている。エレメント38は、カポック繊維、セルロース、羊毛、ポリプロピレン、ポリエステルのいずれか1つ、または複数を組み合わせて形成される。要するに、エレメント38の材料として、例えば鉱油の劣化物と親和性が大きく、メッシュ数が比較的大きいものを用いる。このようなフィルタ30によって、液冷媒中の不純物がエレメント38により除去、回収される。なお、液冷媒中の不純物を回収した後は、フィルタ30を取り除いてもよい。
このような冷凍装置では、液冷媒に含まれる不純物は、液冷媒よりも密度が小さいことから、液冷媒の上部に浮遊した状態で冷媒配管24を流れている。したがって、冷媒配管24内の冷媒は、不純物を含む冷媒が上部に、不純物をほとんど含まない冷媒が下部に分かれて流れる。その結果、不純物を含む冷媒は、フィルタ30に流入することで不純物が除去、回収される一方、不純物をほとんど含まない冷媒は、バイパス配管32を介してフィルタ30を迂回して流れることになる。
本実施形態によれば、フィルタ30に並列接続されたバイパス配管32をフィルタ30の下側に配設していることから、フィルタ30に流れ込む冷媒量を減らすことができ、液冷媒中の不純物を確実に捕捉しつつ、発生する圧力損失の増大を抑えることができる。
また、フィルタ30およびバイパス配管32を室外ユニット10に内蔵させていることから、費用削減のために冷媒配管24や冷媒ガス配管26など再利用可能な設備をそのまま転用するときでも、施行作業の工数を減らすことができる。
なお、図2に示す構成に代えて、バイパス配管を冷媒配管24の上側に形成し、そのバイパス配管にフィルタを配設するようにしてもよい。これによっても、液冷媒中の不純物を捕捉しつつ、発生する圧力損失の増大を抑えることができる。ただし、この場合、冷媒配管24の冷媒が、ガス冷媒と液冷媒が混ざった気液二層流のときは、ガス冷媒のみがフィルタを通過し、液冷媒がフィルタを通過しないようになるから、液冷媒中の不純物を除去、回収できなくなる。したがって、冷媒配管24の冷媒が気液二層流のときは、図2に示す構成にするのが望ましい。
(第2の実施形態)本発明を適用した冷凍装置の第2の実施形態について図3を参照して説明する。図3は、本実施形態のフィルタとバイパス配管の構成図を示している。本実施形態が、第1の実施形態と異なる点は、フィルタ30に接続する冷媒配管24に電磁弁40、42を設けるようにしたことにある。なお、図1及び図2と相互に対応する箇所については同一の符号を付して説明する。
第1の実施形態で説明したように、フィルタ30は液冷媒中の不純物(例えば、鉱油)を除去、回収するが、液冷媒中の不純物の量がフィルタ30の回収許容量よりも少ないときは、フィルタ30のエレメント38が目詰まりすることがない。その場合、液冷媒および液冷媒中の冷凍機油(例えば、合成油)がフィルタ30を依然として通過することになるから、液冷媒中の冷凍機油がフィルタ30に捕捉された不純物と接触し続けることになり、冷凍機油の劣化が促進されるおそれがある。
この点、本実施形態では、図3に示すように、フィルタ30に接続する冷媒配管24に電磁弁40、42を配設している。電磁弁40、42は、フィルタ30を挟むように冷媒配管24に配設されている。また、電磁弁40は、バイパス配管32と冷媒配管24との接続部分よりもフィルタ30側の冷媒配管24に配設されている。電磁弁42も同様である。そして、電磁弁40、42は、冷凍装置の運転が開始されるときに開けられ、運転開始から所定時間が経過したときに閉じられる。電磁弁40、42が閉じられた後は、液冷媒はバイパス配管32を介して流れるようになる。
本実施形態によれば、液冷媒がフィルタ30を通過する時間を制限できることから、例えば液冷媒中の冷凍機油が、フィルタ30に捕捉された不純物と接触する時間を短縮することができる。したがって、冷凍機油の劣化を抑制することができ、冷凍サイクルの運転性能を確保することができる。
また、電磁弁40、42を閉じると、電磁弁40と電磁弁42との間の冷媒配管24とフィルタ30が、液冷媒で満たされた液封状態になることがある。その場合、フィルタ30周辺の温度が著しく高くなると、フィルタ30およびその冷媒配管24内の圧力が上昇することで、フィルタ30およびその冷媒配管24から冷媒が漏れるおそれがある。そこで、本実施形態では、フィルタ30の周辺、例えば電磁弁40と電磁弁42の間の冷媒配管24に圧力スイッチ44を設けるようにしている。圧力スイッチ44は、フィルタ30及び冷媒配管24内の圧力が上昇して設定値に達したときに制御手段に指令を出力する。そして、制御手段により電磁弁40、42が一時的に開けられる。これにより、フィルタ30周辺の温度が著しく高くなるときでも、フィルタ30及び冷媒配管24の圧力が設定値を超えて上昇することを回避できる。
(第3の実施形態)本発明を適用した冷凍装置の第3の実施形態について図4を参照して説明する。図4は、本実施形態のフィルタの構成図を示している。本実施形態が、第1及び第2の実施形態と異なる点は、フィルタ30のエレメント38a、38bの間に水分吸着材46を挟んで設けることにある。なお、図1及び図2と相互に対応する箇所については同一の符号を付して説明する。
冷媒中に不純物のほか水分が含まれると、その水分に起因して圧縮機14などで酸化反応が発生して不純物が生成されることがあるから、冷媒中の水分を吸着する水分吸着材が設けられる。しかし、水分吸着材は比較的脆い材料から形成されるため、その水分吸着材が冷媒の通流雰囲気に長い時間にわたって曝されると、冷媒の流れに起因して生じる摩擦力や流体力によって水分吸着材が磨耗する。そのような磨耗粉が冷凍サイクル中を循環することで、圧縮機14の摺動部でかじりが生じたり、膨張弁20、36a、36bが詰まったりするおそれがある。
この点、本実施形態では、図4に示すように、水分吸着材46は、フィルタ30のエレメント38a、38bに挟まれて配設されている。つまり、冷房運転時の冷媒の流れを基準にすると、エレメント38a、水分吸着材46、エレメント38bの順番で直列に配設されている。
本実施形態によれば、例えば冷房運転時では、液冷媒は、冷媒配管24を介してエレメント38aの配設側からフィルタ30に流れ込むから、エレメント38aに不純物が徐々に捕捉され、エレメント38aでの圧力損失が増大する。したがって、エレメント38aおよび水分吸着材46を通過する冷媒量、つまり冷媒流速が減少するから、液冷媒と水分吸着材46との間に生じる摩擦力、流体力が減少することになり、水分吸着材46の磨耗を低減することができる。
また、暖房運転時でも、液冷媒は、冷媒配管24を介してエレメント38bの配設側からフィルタ30に流れ込むから、同様の効果がある。要するに、エレメント38a、38bの少なくとも冷媒の流れの下流側に水分吸着材46を配設すればよい。
(第4の実施形態)本発明を適用した冷凍装置の第4の実施形態について図5を参照して説明する。図5は、本実施形態の冷凍装置の系統図である。本実施形態が、第1の実施形態と異なる点は、フィルタ30とバイパス配管32を備えた不純物回収キット50を外付け型に構成することにある。なお、図1及び図2と相互に対応する箇所については同一の符号を付して説明する。
例えば、オゾン層を保護するために、冷媒として例えばCFC冷媒またはHCFC冷媒を用い、冷凍機油として例えば鉱油を用いる冷凍装置から、冷媒として例えばHFC冷媒を用い、冷凍機油として例えば合成油(例えば、エステル油、エーテル油)を用いる新たな冷凍装置にリニューアルする際に、室外ユニット10の外部に位置する冷媒配管24に不純物回収キット50を配設する。不純物回収キット50は、第1ないし第3の実施形態に説明したフィルタ30とバイパス配管32などから構成されている。
本実施形態によれば、室外ユニット10をフィルタ30およびバイパス配管32を備えた専用ユニットに構成する必要がなく、汎用タイプの室外ユニット10の場合でも、例えば冷媒種類が異なる冷凍装置にリニューアルする際に、外付け型の不純物回収キット50を配設することによって、冷媒中の不純物を確実に捕捉しつつ、発生するフィルタ30で発生する圧力損失の増大を抑えることができるようになる。また、室外ユニット10の開発期間を短縮することができる。
本発明を適用した本実施形態の冷凍装置のサイクル系統図である。 冷媒配管に配設されるフィルタとバイパス配管の構成図である。 第2の実施形態のフィルタとバイパス配管の構成図である。 第3の実施形態のフィルタの構成図である。 第4の実施形態の冷凍装置のサイクル系統図である。
符号の説明
10 室外ユニット
12a 室内ユニット
14 圧縮機
16 熱交換器
20 膨張弁
24 冷媒配管
26 冷媒ガス配管
34a 熱交換器

Claims (3)

  1. 圧縮機、凝縮器、蒸発器、減圧手段により冷凍サイクルを形成する冷凍装置において、前記蒸発器と前記凝縮器を接続する冷媒配管の水平部にフィルタと該フィルタに並列接続されたバイパス配管とを設け、該バイパス配管を前記フィルタの下側に配設したことを特徴とする冷凍装置。
  2. 前記フィルタは、カポック繊維、セルロース、羊毛、ポリプロピレン、ポリエステルの少なくとも1つからなるエレメントを有して形成されることを特徴とする請求項1に記載の冷凍装置。
  3. 前記フィルタは、前記エレメントの少なくとも前記冷媒の流れの下流側に、前記冷媒に含まれる水分を吸着する水分吸着材が配設されてなることを特徴とする請求項2に記載の冷凍装置。
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