JP2009085577A - 冷凍サイクル装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】再利用した接続配管内に残留した不純物を効率よく回収し、リニューアル工事を短期間で低減すると共に、信頼性の向上を図った冷凍サイクル装置を提供する。
【解決手段】圧縮機1、熱源機側熱交換器3、第1の膨張装置4、第2の膨張装置9a、9b、利用側熱交換器10a、10bを順次連結してなる冷凍サイクル装置において、第1の膨張装置4と第2の膨張装置9a、9bとの間に、冷媒不溶成分又は冷媒に対して弱溶解成分の少なくともいずれかを捕捉するフィルタ51を収納した捕捉容器50を設け、捕捉容器50内に流体を導入出する流体導入出管52、53の先端部はフィルタ51の下方に設定し、捕捉容器50に並列接続されたバイパス配管55を配置した。
【選択図】図1

Description

本発明は、冷凍サイクルを利用した空気調和機、冷凍機などの冷凍サイクル装置に関し、特に、CFC系又はHCFC系冷媒と、冷凍機油として鉱油を用いたものから、HFC系冷媒と、HFC用冷凍機油を用いたものに交換するものに好適である。
CFC系冷媒またはHCFC系冷媒と、冷凍機油として鉱油を使用した空気調和機(旧機)から鉱油とは相溶性のないHFC系冷媒と、HFC用冷凍機油を使用した空気調和機(新機)に交換する際に室内機と室外機とを接続する接続配管を再利用すると、再利用される接続配管の内部には汚染物質(不純物)が残留している。この不純物は新機に使用したHFC系冷媒とは不溶、又は弱溶解成分である旧機に封入された冷凍機油(鉱油、アルキルベンゼンなど)、冷凍機油の酸化劣化反応物、塩素系化合物などである。
上記不純物に対して何も対策を施さず既設の接続配管を利用すると、接続配管内に残留した不純物により新機内の冷凍機油が劣化する。さらに、冷媒に溶解しない成分が冷凍サイクル内の低温部分において、析出し冷凍サイクルが詰まり、空気調和機の信頼性を著しく損なう恐れがある。
そのため、既設配管を利用するに際して、接続配管内に残留した不純物を回収する洗浄運転を実施することが知られ、例えば特許文献1に記載されている。また、冷凍サイクルの運転中に不純物を回収するとして特許文献1,2に記載されている。
特開2000−9368号公報 特開2005−315435号公報 特開2005−214542号公報
上記特許文献1においては、利用側熱交換器と圧縮機との間、ガス冷媒となる位置に異物捕捉手段を配置して、不純物の混合したHFC用冷凍機油を、異物捕捉手段に何回か繰り返して通さなければならなかった。そのため、旧機から新機に入れ換えた後に接続配管内の洗浄運転を比較的に長い間に渡って、例えば1〜2時間位実施する必要があった。つまり、空気調和機の入れ換え工事、リニューアル工事の作業時間が長くならざるを得なかった。
また、特許文献2においては、不純物回収容器(図9参照)に内蔵したフィルタにより、冷凍サイクルの稼動時に液冷媒の全量をフィルタを経由して既存配管の不純物を捕捉しているが、フィルタの介在により液冷媒の流通抵抗が増加し、冷凍サイクルの動作ポイントがリニューアルによる新機のHFC用冷凍機油を使用した空気調和機の動作ポイントと合わず、調整に多大の手間を要する。因みに、新規の空気調和機はフィルタのない状態での動作ポイントが設定されている。更に、冷凍サイクル使用中にフィルタの目詰まりにより流通抵抗が次第に増加し、冷凍サイクルの動作ポイントが変化し、その調整に多大の手間を要する。
特許文献3においては、フィルタに並列にバイパス管を接続して、不純物でのフィルタの目詰まりによる液冷媒の圧力損失の増大を抑えている。しかしながら、フィルタの目詰まりを遅らせているだけで、いずれ目詰まりが起って不純物の補足能力が低下すると、液冷媒がほとんどバイパス管を通過し、不純物を捕捉出来なくなる。また、フィルタ内に一旦貯留された不純物が液冷媒の圧力で再度液冷媒中に流出する恐れがある。更に上記のような経過においては、フィルタとバイパス管からなる並列回路の流通抵抗が変化することになり、冷凍サイクル全体の動作ポイントが変化して不安定となり、冷凍能力が悪化するか、これを防止するための調整に多大な手間を必要としていた。
本発明の目的は、前記従来技術に鑑み、旧冷凍サイクル装置の旧接続配管を再利用してリニューアルの効率を上げるために、新冷凍サイクル装置の運転中の旧接続配管内の残留不純物の捕捉能力を長期間維持すると共に、新冷凍サイクル装置の運転での運転状態の変化を抑制して、動作ポイントの調整なしで高い冷凍能力を維持できるようにした、冷凍サイクル装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明は、圧縮機、熱源機側熱交換器、第1の膨張装置、第2の膨張装置、利用側熱交換器を順次連結してなる冷凍サイクル装置において、前記第1の膨張装置と第2の膨張装置との間に、冷媒不溶成分又は冷媒に対して弱溶解成分の少なくともいずれかを捕捉するフィルタを収納した捕捉容器を設け、前記捕捉容器内に流体を導入出する流体導入出管の先端部を前記フィルタの下方に設定し、前記捕捉容器の下方に並列接続されたバイパス配管を配置したことを特徴とする。
また、前記流体導入出管は、前記捕捉容器内のフィルタの下方と前記バイパス配管を連通するように、前記捕捉容器の下部と前記バイパス配管の間に配置されている。
また、前記冷凍サイクル装置の運転中に、前記捕捉容器内が液冷媒にて充填されるように液冷媒を流通させる。
また、前記冷凍サイクル装置の運転中に、前記液冷媒の流れによって前記フィルタによって捕捉された前記冷媒不溶成分又は冷媒に対して弱溶解成分の少なくともいずれかを、液冷媒の水面付近に貯留するように構成される。
また、前記冷凍サイクル装置の運転中に、前記フィルタが液冷媒に水没するように前記フィルタが配置され、前記フィルタによって捕捉された前記冷媒不溶成分又は冷媒に対して弱溶解成分の少なくともいずれかを、前記フィルタより上方の液冷媒の水面付近に貯留するように構成される。
また、前記捕捉容器は、フィルタ下方の領域を少なくとも2つに分ける仕切板を備え、一方の領域に前記流体導入管が接続され、他方の領域に前記流体導出管が接続され、前記流体導入管から流入した液冷媒が前記一方の領域から前記フィルタ内に上昇しながら進入し、このフィルタ内を通過した液冷媒が前記他方の領域を介して前記流体導出管に排出されるように構成される。
また、前記捕捉容器は、冷凍サイクル運転中に液冷媒の通過によってフィルタに捕捉された冷媒不溶成分又は冷媒に対して弱溶解成分を、その浮力によりフィルタ内で上昇させて液冷媒の水面付近に貯留させる。
また、前記バイパス配管の流通抵抗を、前記流体導入出管の流通抵抗よりも大きく設定している。
また、前記フィルタは、セルロース、ポリプロピレン、ポリエステルの少なくとも1つからなるエレメントを有して形成される。
また、前記捕捉容器内に流入出する冷媒の流量比が、機器の信頼性を確保する上で決定した所定値以上になるように、前記バイパス配管と前記流体導入出管の管径を設定している。
本発明によれば、新冷凍サイクル装置の運転中に旧接続配管内の残留不純物を捕捉するに際し、捕捉能力を長期間維持して捕捉を確実に実行でき、HFC用冷凍機油の劣化を抑制することができる。
また、新冷凍サイクル装置の運転での冷凍サイクルの運転状態の変化を最低限に抑制して、動作ポイントの調整なしで高い冷凍能力を維持できる。
以下本発明の実施の形態について図を用いて説明する。なお、旧機に封入された冷凍機油としては鉱油として説明する。
図1は、第1実施例の空気調和機のサイクル系統図を示し、図2は、第2実施例のサイクル系統図を示し、図3は不適切な構成による空気調和機のサイクル系統図を示す。図4及び図5及び図10は捕捉容器の断面図を示し、図6はHFC系冷媒とHFC用冷凍機油と鉱油共存下での鉱油分離特性を示す。図7は鉱油捕捉容器部の流量比と鉱油捕捉量比率との関係を示し、図8は空調機運転時間と劣化指標との関係を示す。図9は従来の形態による空気調和機のサイクル系統図を示す。
図1、2、6、7、8を用いて、既設配管内に残留した冷媒不溶成分または冷媒に対して弱溶解成分を回収する方法について説明する。以下、既設配管内に残留した冷媒不溶成分としては鉱油として説明する。
CFCやHCFCを使った空気調和装置が老朽化した場合、空気調和装置を交換する。まず、CFCまたはHCFC冷媒を回収し、新機としての室外機30と室内機40a、40bを図1又は図2に示すものと交換する。液接続配管7、8a、8bとガス接続配管11a、11b、12は旧機のものを再利用する。室外機30には予めHFCが充填されているので、阻止弁6、13は閉じたまま室内機30、液接続配管7、8a、8bとガス接続配管11a、11b、12を接続状態で真空引きをし、その後HFCの追加充填と阻止弁6、13の開弁とを実施する。
冷房運転の場合、圧縮機1で圧縮された高温高圧のガス冷媒は圧縮機1から吐出され、ガス冷媒が四方弁2を経て、熱源機側熱交換器3へと流入し、ここで熱交換器して凝縮液化する。凝縮液化した冷媒は全開とされた第1の膨張装置4を通り、阻止弁6を通り、室内機40a、40bへ送られる。送られた液冷媒は、第2の膨張装置9a、9bへ流入し、ここで低圧まで減圧されて低圧二相状態となり、利用側熱交換器10a、10bで空気などの利用側媒体と熱交換して蒸発・ガス化する。その後、ガス冷媒は阻止弁13、四方弁2を経て圧縮機1へ戻る。また、余剰冷媒は図1ではレシーバ5に、図2ではアキュムレータ14に貯留され、冷凍サイクルの運転圧力、温度が正常な状態に保たれる。
暖房運転の場合、圧縮機1で圧縮された高温高圧のガス冷媒はHFC用冷凍機油と共に圧縮機1から吐出され、四方弁2、阻止弁13を経て利用側熱交換器10a、10bへ流入し、ここで空気など利用側媒体と熱交換して凝縮液化する。凝縮液化した冷媒は、阻止弁6、レシーバ5へ流入し、第1の膨張装置4で減圧され熱源機側熱交換器3で空気・水などの熱源媒体と熱交換して蒸発・ガス化する。蒸発・ガス化した冷媒は四方弁2を経て圧縮機1へ戻る。
図6はHFC系冷媒とHFC用冷凍機油に対し、HFC系冷媒に不溶な成分である鉱油が約10%(=鉱油量/(HFC用冷凍機油量+鉱油量))混入した場合の鉱油の分離特性を示す。横軸は冷凍機油(HFC用冷凍機油+鉱油)への冷媒溶解度を示し、0%が冷凍機油(HFC用冷凍機油+鉱油)のみの場合を、100%が冷媒のみの場合を示す。縦軸は温度を示している。
つまり、鉱油はHFC系冷媒にはほとんど溶解せず、一方HFC用冷凍機油には溶解する。従って、鉱油はHFC用冷凍機油が多く存在する圧縮機内では分離せず(溶解している)、液冷媒が多く存在する熱源機側熱交換器3から液阻止弁6までの液配管部及び液接続配管部7、8a、8bおよびレシーバ5内で分離する(溶解しない)。
そこで、図1、図2に示すように、鉱油が分離している液配管部に鉱油捕捉容器50を設置している。鉱油捕捉容器50内にはフィルタ51が設けられ、フィルタ51はメッシュ数が比較的大きい繊維性の材料であり、その繊維の材質として、セルロース、ポリエステル、ポリプロピレンの少なくとも1つで構成されている。
フィルタ51は、その上方に液冷媒が満たされる上部領域60と、その下方に仕切板54により2つに分けられた第1領域61と、第2領域62が設けられるように、前記鉱油捕捉容器50内に設置される。前記領域61と62にはそれぞれ冷媒導入管52と冷媒導出管53の上方端が接続され、両管52、53の下方端がバイパス配管55に連通して接続される。バイパス配管55は、第1の膨張装置4から液阻止弁6までの液配管部に介在する形で接続される。冷凍サイクル装置の運転中は、冷媒が鉱油捕捉容器50の上部領域60まで満たされる(上部に空間があっても良い)ように充填され、フィルタ51は液冷媒に水没した形となる。
冷凍サイクル装置の運転のうち冷房運転の場合、液冷媒が第1の膨張装置4から液阻止弁6の方向に液配管部内を流れ、バイパス配管55と前記冷媒導入管52に分流する。分流した液冷媒は、前記冷媒導入管52から前記第1領域61に流入し、フィルタ51内を矢印のように上昇通過してフィルタ51の上方の前記上部領域60に抜け出る(一部横矢印のようにフィルタ内を流れるものもある)。更に液冷媒はこの上部領域60から矢印のようにフィルタ51内を下降通過して前記第2領域62に達し、冷媒導出管53から液阻止弁6の方向の液配管部に流れる。暖房運転の場合は、冷媒の流れが上記と逆となる。
液冷媒および液冷媒に溶解したHFC用冷凍機油は粘度が著しく低い液体であるのに対して、鉱油は液冷媒および液冷媒に溶解したHFC用冷凍機油に比べて粘度が著しく高い液体である。そのため、液冷媒および液冷媒に溶解したHFC用冷凍機油はフィルタ51を通過するのに対して、鉱油はメッシュ数の大きいフィルタ51の繊維間に引っかかり、その後毛細管現象により繊維内部へ捕捉される。
鉱油は、液冷媒より比重が小さいので、フィルタ51の繊維内部に捕捉された後、その浮力により次第にフィルタ51内を上昇し、フィルタ51を上方へ抜け出て前記上部領域60の液冷媒中を浮上し水面付近に浮遊して貯留される。この状態では鉱油が浮力の作用で再度フィルタ51に取り込まれることが無いため、フィルタ51が鉱油によって目詰まりを起すことが無く、フィルタ51での冷媒の流通抵抗は増加しない。
また、冷媒導入出管52、53は、下方から捕捉容器50に接続しているので、管の長さが短くて済み、流通抵抗をより小さく出来る。更に、前記第1の膨張装置4から液阻止弁6の方向に液配管部内を流れる液冷媒がバイパス管55にも分流するため、液配管部内の流通抵抗をより小さく出来る。
したがって、前記第1の膨張装置4から液阻止弁6の方向に液配管部に、鉱油捕捉容器50とバイパス管55を並列に配置することで、液冷媒の流通抵抗を増加させることなく、圧縮機1内からHFC用冷凍機油と共に吐出された鉱油がのうち、鉱油のみをフィルタ51で確実に捕捉でき、しかも、補足能力を長期間維持することができる。これは、新冷凍サイクル装置が、旧接続配管に接続されても冷凍サイクルの運転状態の変化が少なく、その後、長期間運転されても冷凍サイクルの運転状態の変化が少ないことを意味し、従って、従来のような運転状態の変化に伴う装置の調整が不要で、高い冷凍能力が維持できる。
圧縮機1の形態として圧縮機1内の冷凍機油貯留部の圧力が高い高圧チャンバー方式、あるいは圧縮機1の吐出部にオイルセパレータを配置している場合には、圧縮機1内あるいはオイルセパレータ内に貯留した冷凍機油の温度は高温なる。一方、鉱油捕捉容器50の温度はその温度よりも低くなる。そして、冷凍機油の劣化は、温度が上昇するほど促進し、さらにHFC用冷凍機油の劣化は既設配管内に残留した鉱油(劣化油)の混入量が多いほど劣化は促進するので、圧縮機1内あるいはオイルセパレータ内よりも低温の鉱油捕捉容器50で鉱油を捕捉することにより、HFC用冷凍機油の劣化を抑制することができる。
フィルタ51は、図9に示すように既存のレシーバ5内に設置しても、鉱油を捕捉可能である。しかし、リニューアル専用機を開発するにあたり、ベースとなる冷凍装置内にレシーバ5が有る場合と無い場合があり、有る冷凍装置では、冷媒導入出管52、53を含むレシーバ5の圧力損失分の増加が見込まれる。そのため、レシーバ5の有無によって冷凍サイクルの動作ポイントが異なって制御方法が異なるため、両者の制御方法に対応するために開発工数が多大となる。
本実施例では、鉱油捕捉容器50内に流体が導入出する冷媒導入出管52、53をバイパス配管55にて接続し、鉱油捕捉容器50及びバイパス配管55を液配管部に配置することにより、圧力損失の増加分を最小限に抑えることが可能であって、動作ポイントが変わらないため、冷凍サイクル装置の一つの制御方法で対応可能となる。
鉱油捕捉容器50内のガス冷媒は、鉱油捕捉容器50とその雰囲気との熱交換によって凝縮し、鉱油捕捉容器50内は液冷媒にて満たされる。そのため、鉱油捕捉容器50内を液冷媒にて満たした状態であっても、ベースの冷凍装置と運転点(動作ポイント)が同じになるような冷媒量に設定することが望ましい。例えば、ベースの冷凍装置の液配管、液接続配管7、8a、8b内が液単相であるならば、鉱油捕捉容器50を取り付けたリニューアル専用機においては、鉱油捕捉容器50内の冷媒量分だけ多く封入しておくことが望ましい。
また、鉱油捕捉容器50内は、液冷媒にて満たされることで、フィルタ51全体にHFC系冷媒とHFC用冷凍機油と鉱油との混合液とを接触することができるので、鉱油捕捉容器50内においては、鉱油のみをフィルタ51全体を用いて効率的に分離して捕捉することができる。
さらに、フィルタ51に対する流速が大きいほどフィルタ51の鉱油捕捉量は減少する。これは、一度フィルタ51に捕捉された鉱油が、冷媒の流体力によりフィルタ51の外に押し出されるからである。そのため、鉱油捕捉容器50内に流体を導入出する流体導入出管52、53のそれぞれの先端部がフィルタ51の下方に配置することにより、フィルタ51が流体の流れ方向を遮らないことや、先に分離された鉱油がフィルタ51の上端付近またはフィルタ51を抜け出た上方に捕捉されて、流体の流れる領域に無いことから、流体力によるフィルタ51外部への鉱油の流出を抑制することができる。
また、鉱油捕捉容器50に対して並列にバイパス配管55を配置することで、鉱油捕捉容器50内に流入する流量を抑えることができるので、フィルタ51からの鉱油の導出の抑制に有効である。
次に、バイパス配管55を有する鉱油捕捉容器50内に配置したフィルタ51の鉱油捕捉量について説明する。図7に全流量207〜218kg/hにおいて、鉱油捕捉容器内に鉱油を一定量一回導入した場合の、鉱油捕捉容器部流量比(=鉱油捕捉部流量/全流量)と鉱油捕捉容器流量比100%時のフィルタ51での鉱油捕捉量を100%としたときの鉱油捕捉量比率を示す。図7から鉱油捕捉容器部流量比が小さくなるほど、鉱油捕捉量比率が小さくなる、つまりフィルタ51での鉱油の捕捉速度が遅くなることがわかる。
図8に空調機の運転時間(機器の生涯運転時間)と、新機内に封入した冷凍機油(新油)の劣化指標の関係を示す。前記のように鉱油捕捉部50の流量比が小さいほど、フィルタ51での鉱油の捕捉速度が遅くなることから、劣化した鉱油を温度の高い圧縮機1内あるいはオイルセパレータ内により多く残留する時間が長くなるため、新油の劣化を促進する。そのため、空調機運転時間が、ある所定時間において、新油の劣化指標の限界値以下となる鉱油捕捉部流量比:b[%]以上に設定する必要がある。ここで所定時間とは、例えば機器のメンテナンス周期にあたる時間、あるいは製品の設計寿命を示す。
以上より、鉱油捕捉容器50内に流入出する冷媒の流量比が、機器の信頼性を確保する上で決定した所定値(鉱油捕捉部流量比:b[%])以上になるように、バイパス配管55と流体導入出管52、53を設定する必要がある。
鉱油捕捉容器50内に流入する流量は、バイパス配管55と流体導入出管52、53及び鉱油捕捉容器50との圧力損失の関係により決まる。バイパス配管55と流体導入出管52、53の配管の内径が等しい場合、例えば、図3のようにバイパス配管55に対して流体導入出管52、53の長さが著しく長いと、鉱油捕捉容器50内のガス冷媒は、鉱油捕捉容器50とその雰囲気との熱交換によって凝縮し、鉱油捕捉容器50内は液冷媒にて満たされはするが、バイパス配管55と流体導入出管52、53との合流部の圧力損失が等しくなることから、鉱油捕捉容器50側には殆ど冷媒が流れない。そのため、鉱油捕捉容器50内のフィルタ51には鉱油は殆ど捕捉されない。
そこで、バイパス配管55を、鉱油捕捉容器50の下方に配置することで、流体導入出管52、53の長さを短く設定して、管による圧力損失を出来るだけ小さくすることできるので、鉱油捕捉部流量比をb[%]以上になるように設定することが可能である。
同様に、鉱油捕捉部流量比をb[%]以上になるように、バイパス配管55の抵抗を、流体導入出管52、53の抵抗よりも大きく設定してもよい。例えば、バイパス配管55の内径を、流体導入出管52、53の内径よりも細く設定するか、あるいは、バイパス配管55に流量調整弁を配置するとよい。
また、鉱油捕捉容器50の構成として、本発明の第3実施例として図4に示すように鉱油捕捉容器50を横置きとすることで、バイパス配管55の長さを長く取ることができ、鉱油捕捉部流量比をb[%]以上とする流体導入出管52、53の設計自由度が増加する。この例では鉱油捕捉容器50内で液冷媒の水面の上にフィルタ51の上端が突出しているので、捕捉された鉱油は浮力によりフィルタ51の上端部となる液冷媒の水面上に浮遊した形で貯留される。従って、貯留された鉱油は、液冷媒の流通の妨げとならず、流通抵抗を増加させない。
さらに、本発明の第4実施例として図5に示すように、バイパス配管55を鉱油捕捉容器50内に設置することで、鉱油捕捉部流量比をb[%]以上になるように流体導入出管52、53の長さ(バイパス管55より上に突出している部分)を短く設定することが可能である。
本発明の第1実施例の空気調和機のサイクル系統図。 本発明の第2実施例の空気調和機のサイクル系統図。 不適切な構成による空気調和機のサイクル系統図。 本発明の第3実施例の鉱油捕捉容器の断面図。 本発明の第4実施例の鉱油捕捉容器の断面図。 HFC系冷媒とHFC用冷凍機油と鉱油共存下での鉱油分離特性の説明図。 鉱油捕捉容器部の流量比と鉱油捕捉量比率との関係のグラフ。 空調機の運転時間と新機内に封入した冷凍機油の劣化指標の関係のグラフ。 従来例による空気調和機のサイクル系統図。
符号の説明
1…圧縮機、2…四方弁、3…熱源機側熱交換器、4…第1の膨張装置、5…レシーバ、9a、9b…第2の膨張装置、7、8a、8b…液接続配管、10a、10b…利用側熱交換器、11a、11b、12…ガス接続配管、6、13…阻止弁、14…アキュムレータ、30…室外機、40a、40b…室内機、50…鉱油捕捉容器、51…フィルタ、52、53…流体導入出管、54…仕切板、55…バイパス配管、60…上部領域、61…第1領域(一方の領域)、62…第2領域(他方の領域)。

Claims (9)

  1. 圧縮機、熱源機側熱交換器、第1の膨張装置、第2の膨張装置、利用側熱交換器を順次連結してなる冷凍サイクル装置において、
    前記第1の膨張装置と第2の膨張装置との間に、冷媒不溶成分又は冷媒に対して弱溶解成分の少なくともいずれかを捕捉するフィルタを収納した捕捉容器を設け、
    前記捕捉容器内に流体を導入出する流体導入出管の先端部を前記フィルタの下方に設定し、
    前記捕捉容器の下方に並列接続されたバイパス配管を配置したことを特徴とする冷凍サイクル装置。
  2. 流体導入出管は、前記捕捉容器内のフィルタの下方と前記バイパス配管を連通するように、前記捕捉容器の下部と前記バイパス配管の間に配置されたことを特徴とする請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
  3. 前記冷凍サイクル装置の運転中に、前記捕捉容器内が液冷媒にて充填されるように液冷媒を流通させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の冷凍サイクル装置。
  4. 前記冷凍サイクル装置の運転中に、前記液冷媒の流れによって前記フィルタによって捕捉された前記冷媒不溶成分又は冷媒に対して弱溶解成分の少なくともいずれかを、液冷媒の水面付近に貯留するように構成されたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の冷凍サイクル装置。
  5. 前記捕捉容器内に、フィルタ上方に上部領域を備えると共に、前記冷凍サイクル装置の運転中に、前記フィルタが液冷媒に水没するように前記フィルタが配置され、前記フィルタによって捕捉された前記冷媒不溶成分又は冷媒に対して弱溶解成分の少なくともいずれかを、前記フィルタ上方の上部領域の液冷媒に貯留するように構成されたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の冷凍サイクル装置。
  6. 前記捕捉容器は、フィルタ下方の領域を少なくとも2つに分ける仕切板を備え、一方の領域に前記流体導入管が接続され、他方の領域に前記流体導出管が接続され、前記流体導入管から流入した液冷媒が前記一方の領域から前記フィルタ内に上昇しながら進入し、このフィルタ内を通過した液冷媒が前記他方の領域を介して前記流体導出管に排出されるように構成されたことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の冷凍サイクル装置。
  7. 前記バイパス配管の流通抵抗を、前記流体導入出管の流通抵抗よりも大きく設定したことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の冷凍サイクル装置。
  8. 前記フィルタは、セルロース、ポリプロピレン、ポリエステルの少なくとも1つからなるエレメントを有して形成されることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の冷凍サイクル装置。
  9. 前記捕捉容器内に流入出する冷媒の流量比が、機器の信頼性を確保する上で決定した所定値以上になるように、前記バイパス配管と前記流体導入出管の管径を設定したことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の冷凍サイクル装置。
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