――第1の実施の形態――
図1は、第1の実施の形態におけるカメラ200の構成を示すブロック図である。カメラ200は、撮影レンズ201と、CCD202と、CCDドライバー203と、プリプロセス回路204と、A/D変換回路205と、画像処理回路206と、フラッシュメモリ207と、カードI/F208と、メモリ209と、カラーモニタ210と、CPU211と、操作部材212と、電源回路213とを備えている。
撮影レンズ201は、CCD202の撮像面上に被写体像を結像する。CCD202は、被写体像を撮像し、アナログ画像信号をプリプロセス回路204へ出力する。なお、撮像素子は、CCD202に限定されず他のイメージセンサー、例えばCMOSを用いるようにしてもよい。CCDドライバー203は、CCD202へ駆動信号を供給する。
プリプロセス回路204は、CCD202から入力されるアナログ画像信号に対するアナログ処理(ゲインコントロールなど)を行う。A/D変換回路205は、アナログ処理後の画像信号をデジタル信号(デジタル画像信号)に変換して、デジタル画像信号を画像処理回路206へ出力する。
画像処理回路206は例えばASICにより構成され、入力されたデジタル画像信号に対して所定の画像処理を施して、主画像データを生成する。なお、画像処理としては、例えば、輪郭強調処理、色温度調整(ホワイトバランス調整)処理、画像信号に対するフォーマット変換処理、および画像圧縮処理などが含まれる。画像処理回路206はさらに、主画像データに基づいてサムネイル画像データを生成し、サムネイル画像データに基づいて統合サムネイル画像データ(後に詳述する)を生成する。画像処理回路206で生成された主画像データ、サムネイル画像データ、および統合サムネイル画像データは、メモリ209に一時的に記録される。
なお、本実施の形態では、サムネイル画像データおよび統合サムネイル画像データは160×120ピクセルの大きさの画像データであり、主画像データはサムネイル画像データよりも大きな画像データ、例えば、1600×1200ピクセルの大きさの画像データであるものとする。
フラッシュメモリ207には、CPU211が実行するプログラムのデータや、プログラム実行時に読み込まれる種々のパラメータなどが記録されている。カードI/F208は、CPU211からの指示に応じてメモリカード208aにデータを書き込んだり、メモリカード208aからデータを読み出したりする。なお、メモリカード208aは、不揮発性の記憶媒体であって、例えばSDカードなどが用いられる。
メモリ209は、揮発性のメモリ、例えばRAMであって、CPU211がプログラム実行時にプログラムを展開するためのワークメモリとして使用されたり、データを一時的に記録するためのバッファメモリとして使用される。カラーモニタ210は、例えばカメ
ラ背面に搭載される液晶モニタであって、画像処理回路206から入力される表示用画像データを表示して画像を再生する。
操作部材212は、レリーズボタンや再生ボタンなどの種々の操作ボタンを含み、使用者による各操作ボタンの操作信号をCPU211へ出力する。電源回路213は、カメラ200の各部に必要な電力を供給する。CPU211は、操作部材212から入力された操作信号に応じてカメラ200の各部へ指示を送ることによって、カメラ200の撮影動作や再生動作を制御する。
CPU211は、主画像データ、およびサムネイル画像データをメモリ209から読み込んで所定のヘッダ情報を付加することによって、ヘッダ情報、サムネイル画像データ、および主画像データを含む画像ファイルを生成する。ヘッダ情報には、メモリ209から読み込まれた統合サムネイル画像データが含まれる。そして、CPU211は、生成した画像ファイルをカードI/F208を介してメモリカード208aに記録する。メモリカード208aに画像ファイルが既に記録されている場合には、既存の画像ファイルへの主画像データおよびサムネイル画像データの追記と、ヘッダ情報の書き換えとを行う。
ここで、本実施形態における画像ファイルについて詳述する。図2は、本実施形態における画像ファイルの構造を示す図である。本実施形態における画像ファイル30は、1つ以上の主画像データを含むことができる複数画像ファイルである。複数画像ファイル30は、ヘッダ情報30hと、1つ以上の主画像データ30m,30m,30mと、主画像データに対応するサムネイル画像データ30t,30t,30tとから構成される。
複数画像ファイル30に含まれる複数の主画像データが、1つの画像を構成することがある。例えば、4つの主画像データにより構成されるパノラマ画像や、連写モードで撮影された3つの主画像データを重ね合わせて合成した画像などである。このように、複数の主画像データにより構成される画像を、統合画像と呼ぶ。また、統合画像のサムネイル画像を、統合サムネイル画像と呼ぶ。
統合画像を構成する個々の主画像データは複数画像ファイル30に記録されているが、統合画像自体を表す統合画像データは複数画像ファイル30に記録されていない。すなわち、カメラ200やその他の表示装置が複数画像ファイル30に基づいて統合画像を表示する際は、複数画像ファイル30に含まれる複数の主画像データを合成することにより、統合画像データを作成する必要がある。他方、統合サムネイル画像データは複数画像ファイル30に記録されているので、統合画像のサムネイル表示を行う度に統合サムネイル画像データを作成する必要はない。
ヘッダ情報30hは、ファイル情報31、統合関連情報32、および統合サムネイルデータ33を含む。ファイル情報31には、複数画像ファイル30に含まれる主画像データ、サムネイル画像データ、および統合サムネイル画像データの論理アドレスが記録されている。なお、これらの情報以外に、撮影に用いたカメラ200の機種名、撮影日時、撮影に用いたカメラ200の各種パラメータなどをファイル情報に記録してもよい。
統合関連情報32には、複数画像ファイル30に含まれる主画像データから統合画像を作成するために必要な情報である統合情報が記録されている。1つの統合情報からは、1つの統合画像を作成することができる。各々の統合情報には、構成する主画像を表す構成情報32a,32c,32e,32gと、主画像から統合画像を作成する方法を表す統合方法32b,32d,32f,32hとが含まれている。例えば図2では統合情報1として、「1,2,3,4」という構成情報32aと、「パノラマ(2×2)」という統合方法32bとが記録されている。これは、主画像データ1,2,3,4を2行2列で並べ、連結することにより、統合画像が作成されることを意味している。
統合サムネイルデータ33には、上記の統合情報に対応する統合サムネイル画像データが記録されている。統合サムネイル画像データはすべて、160×120ピクセルの大きさの画像データである。複数画像ファイル30に統合画像が含まれていない場合、統合サムネイルデータ33には何も記録されない。
本実施形態におけるカメラ200は、メモリカード208aには複数画像ファイルを1つだけ記録する。新しい撮影画像は、メモリカード208aに記録されている単一の複数画像ファイルに追記される。メモリカード208aに複数画像ファイルが存在しない場合には新しい複数画像ファイルを作成する。
次に、主画像データ、統合画像、および統合サムネイル画像データの関係を、例を用いて説明する。図3は、統合画像および統合サムネイル画像の例を示す図である。図3(a)には、4つの主画像データ41a,41b,41c,41dから構成される2×2のパノラマ画像である統合画像42が示されている。なお、本実施形態において、パノラマ画像とは、複数の主画像を横方向に連結した画像、複数の主画像を縦方向に連結した画像、複数の主画像を縦方向および横方向に連結した画像のことをいう。
統合画像42に対応する統合サムネイル画像データ43は、4つの主画像データ41a,41b,41c,41dを縮小して作成された4つのサムネイル画像データ(不図示)を、主画像データから統合画像を作成する場合と同様に合成し、160×120ピクセルの大きさに縮小することにより作成される。なお、統合サムネイル画像データを、主画像データを連結した統合画像からではなく、主画像データに対応するサムネイル画像データを連結した画像から作成してもよい。
他方、図3(b)の統合画像44のように、縦横比が主画像データとは異なる統合画像の場合、統合画像44に対応する統合サムネイル画像45は、上述した統合サムネイル画像データ43の場合と同様にサムネイル画像データを合成し、その後、縦横比を保ったまま160×120ピクセルの大きさに収まるよう縮小し、余白を黒で塗りつぶすことにより作成される。なお、縦横比を保たずに縮小した画像を統合サムネイル画像としてもよい。
図3(c)には、パノラマ画像以外の統合画像の例として、4つの主画像データ46a,46b,46c,46dを重ね合わせた統合画像47と、統合画像47に対応する統合サムネイル画像データ48が示されている。このように、主画像データと大きさが変わらない統合画像の場合には、各々の主画像データを縮小して作成された複数のサムネイル画像データに対して、主画像データから統合画像を作成する処理と同様の処理を行うことで、統合サムネイル画像データが作成される。
以上のように、本実施形態における統合画像は、複数の主画像を連結したパノラマ画像と、複数の主画像を重ね合わせた画像との2種類が存在する。すなわち、複数画像ファイル30の統合方法32b,32d,32f,32h(図2)には、「パノラマ」と「重ね合わせ」のいずれかの情報が記録される。パノラマ画像の場合は更に、縦横それぞれの方向に主画像をいくつ連結しているかを示す情報が、例えば3×1のように記録される。
次に、カメラ200が実行するファイル出力処理について、図4を用いて説明する。図4は、ファイル出力処理のフローチャートである。まずステップS11では、CPU211が操作部材212に含まれているレリーズスイッチが押されたか否かを判定する。レリーズスイッチが押されていなければ否定判定がなされ、ステップS11の処理を繰り返す。他方、レリーズスイッチが押されていた場合には、ステップS12へ進む。
ステップS12ではCCD202が被写体を撮像し、デジタル画像信号が画像処理回路206へ入力される。ステップS13では画像処理回路206により所定の画像処理が行われ、主画像データが作成される。作成された主画像データはメモリ209に記録される。ステップS14では、メモリ209に記録された主画像データが画像処理回路206により縮小され、サムネイル画像データが作成される。
ステップS15では、CPU211が、統合画像を作成するモードがカメラ200に設定されているか否かを判定する。例えばパノラマ撮影モードが設定されている場合に、ステップS15により肯定判定がなされる。ステップS15により肯定判定がなされた場合、ステップS16へ進む。他方、ステップS15により否定判定がなされた場合には、ステップS18へ進む。
ステップS16では、CPU211が、統合画像の撮影が完了したか否かを判定する。例えばユーザがパノラマ撮影の終了をカメラ200へ指示した場合に、ステップS16により肯定判定がなされる。ステップS16により肯定判定がなされた場合、ステップS17へ進む。他方、ステップS16により否定判定がなされた場合には、ステップS11へ戻る。
ステップS17では、画像処理回路206が統合サムネイル画像データを作成する。ステップS18では、CPU211が、メモリ209に記録されている全ての主画像データと、主画像データに対応するサムネイル画像データと、ステップS17で作成された統合サムネイル画像データと、を含む複数画像ファイルをメモリカード208aに記録する。メモリカード208aに複数画像ファイルが記録されていない場合には新しい複数画像ファイルが記録される。メモリカード208aに既に複数画像ファイルが記録されている場合には、既存の複数画像ファイルへの追記が行われる。以上の処理により、複数画像ファイルへの出力が行われる。
次に、カメラ200によるサムネイル表示について説明する。カメラ200は、メモリカード208aに記録されている複数画像ファイルからサムネイル画像データおよび統合サムネイル画像データを読み出し、これらの画像データを一覧表示するサムネイル表示機能を備える。サムネイル表示機能には単独モード、統合モード、および混合モードの3種類の動作モードが存在する。ユーザはサムネイル表示機能を使用する際、これら3種類の動作モードの中からいずれか1つを選択する。
図5は、サムネイル表示機能を使用したとき、カラーモニタ210に表示される表示画面を示す図である。いまメモリカード208aに記録されている複数画像ファイルは、主画像データ1〜13を含み、かつ統合関連情報50を含むものとする。統合関連情報50には5つの統合情報が含まれ、構成情報50a,50c,50e,50g,50iと、統合方法50b,50d,50f,50h,50jが記録されている。
統合関連情報50を含む複数画像ファイルがメモリカード208aに記録されているときにサムネイル表示機能を使用すると、サムネイル表示機能の動作モードに応じて表示画面51,52および53のいずれかの画面がカラーモニタ210に表示される。表示画面51は単独モード時の表示画面を、表示画面52は統合モード時の表示画面を、表示画面53は混合モード時の表示画面をそれぞれ示している。
各々の表示画面内に存在する四角形は、サムネイル画像データまたは統合サムネイル画像データを表している。例えば、「主画像1」と書かれた四角形は主画像データ1に対応するサムネイル画像データを、「統合1」と書かれた四角形は、統合情報1に対応する統合サムネイル画像データを表す。
単独モード時の表示画面51には、複数画像ファイルから読み出された全てのサムネイル画像データが、所定のレイアウトに従って一覧表示される。このとき、統合画像を構成する主画像データについても、個々の主画像データに対応するサムネイル画像データが表示される。本実施の形態におけるカメラ200は、サムネイル画像データを3行3列で配置したレイアウトにより一覧表示する。
統合モード時の表示画面52には、複数画像ファイルから読み出された全ての統合サムネイル画像データが、単独モード時と同様のレイアウトで一覧表示される。なお、統合モード時には単独モード時と異なるレイアウトで統合サムネイル画像データを表示するようにしてもよい。
混合モード時、表示画面53には複数画像ファイルから読み出された全ての統合サムネイル画像データと、統合画像を構成する主画像データに対応するものを除く全てのサムネイル画像データとが、単独モード時と同様のレイアウトで一覧表示される。まず統合サムネイル画像データが表示され、続いてサムネイル画像データが表示される。なお、上記とは異なる表示順序でこれらの画像データを表示してもよい。
次に、サムネイル表示機能の処理内容を図を用いて説明する。図6は、サムネイル表示機能の処理内容を示すフローチャートである。まずステップS21では、CPU211がサムネイル表示機能の動作モードを判定する。動作モードが単独モードの場合はステップS22へ進む。ステップS22では、CPU211が全てのサムネイル画像データを順に表示させて処理を終了する。他方、ステップS21において、動作モードが統合モードの場合にはステップS27へ進む。ステップS27では、CPU211が全ての統合サムネイル画像データを順に表示させて処理を終了する。
ステップS21において、動作モードが混合モードの場合にはステップS23に進む。ステップS23では、CPU211が、処理対象の複数画像ファイルに記録されているサムネイル画像データの数をNとおき、各々のサムネイル画像に対応するフラグをN個用意する。ステップS24では、CPU211が複数画像ファイルに記録されている統合情報を参照し、構成情報に含まれる主画像データのフラグを1に設定する。これにより、統合画像を構成する主画像データのサムネイル画像に対応するフラグが1となる。
ステップS25では、ステップS27と同様に、CPU211が全ての統合サムネイル画像データを順に表示させる。ステップS26では、CPU211が対応するフラグが0となっているサムネイル画像データを順に表示させて処理を終了する。以上の処理を実行することで、各動作モード毎に異なるサムネイル表示が行われる。
上述した第1の実施の形態によるカメラによれば、次の作用効果が得られる。
(1)CPU211が画像処理回路206を制御することにより、複数の主画像データに基づいて作成した複数のサムネイル画像データから、統合サムネイル画像データが作成される。CPU211は、この統合サムネイルデータを複数画像ファイルへ記録する。これにより、画像データの合成をサムネイル画像の表示の都度行うことなく統合画像のサムネイル表示を行うことができる。
(2)CPU211は、複数画像ファイルに統合サムネイル画像データだけではなく個々の画像のサムネイル画像データも記録する。これにより、統合画像を構成する個々の主画像データのサムネイル画像データも容易に取得することができる。
(3)単独モード時のサムネイル表示では統合画像を構成する個々の主画像データのサムネイル画像データを表示し、統合モード時のサムネイル表示では統合画像の統合サムネイル画像データを表示する。これにより、統合画像がどのような主画像データにより構成されているのかを容易に把握することができる。
――第2の実施の形態――
第2の実施の形態におけるカメラは、図2に示したファイル構造とは異なる構造を備えた複数画像ファイルを扱う。図7は、第2の実施の形態における複数画像ファイルの構造を示す図である。第1の実施の形態で用いた複数画像ファイルとの違いは、各々の主画像データに統合フラグ60f,60f,60fが存在している点である。統合フラグは、対応する主画像データが統合画像を構成するか否かを表すフラグである。主画像データが統合画像を構成する場合、対応する統合フラグには1が格納され、それ以外の場合には0が格納される。
統合フラグを用いることで、主画像データが統合画像を構成するか否かをサムネイル表示の度に調べる必要がなくなる。すなわち、図6に示したサムネイル表示処理のフローチャートにおいて、ステップS23およびステップS24の処理を省略することができる。この場合、ステップS26で参照するフラグは上記の統合フラグとする。
上述した第2の実施の形態によるカメラによれば、第1の実施の形態によるカメラで得られる作用効果に加えて、次の作用効果が得られる。複数画像ファイルに記録されている個々の主画像データについて、統合画像を構成するか否かがあらかじめ統合フラグとして記録されている。これにより、統合画像を構成しない主画像データのサムネイル表示など、主画像データが統合画像を構成するか否かを判定する必要がある処理を高速に実行することができる。
――第3の実施の形態――
第3の実施の形態におけるカメラは、第1の実施の形態におけるカメラとは異なる統合サムネイル画像データを作成する。第1の実施の形態におけるカメラは、図3に示した通り、所定の大きさ(160×120ピクセル)の統合サムネイル画像データを作成する。他方、本実施形態におけるカメラは、パノラマ画像に対応する統合サムネイル画像データを、パノラマ画像のサイズに応じたサイズで作成する。
本実施形態のカメラにおいて、主画像データは1600×1200ピクセルの大きさであり、主画像データに対応するサムネイル画像データは160×120ピクセルの大きさである。すなわち、サムネイル画像データは主画像データの縦横それぞれの長さを10分の1に縮めた大きさとなっている。パノラマ画像に対応する統合サムネイル画像データは、この比率に合わせた大きさで作成される。例えば、3200×1200ピクセルの大きさのパノラマ画像に対応する統合サムネイル画像データは、320×120ピクセルの大きさで作成される。
図8は、本実施形態のカメラにおけるサムネイル表示機能の表示画面を示す図である。サムネイル画像データとは異なる大きさで作成された統合サムネイル画像データは、サムネイル表示において、サムネイル画像データとは異なる大きさで表示される。図8において、表示画面14には、4つの主画像データを横方向に連結したパノラマ画像の統合サムネイル画像データ71と、4つの主画像データを2×2の形で連結したパノラマ画像の統合サムネイル画像データ73とが表示されている。
なお、パノラマ画像に対応する統合サムネイル画像データの大きさを、上述した主画像データとサムネイル画像データとの比率以外の方法によって定めてもよい。また、統合サムネイル画像データの大きさと、統合サムネイル画像データの表示サイズとは、必ずしも連動させる必要はない。
上述した第3の実施の形態によるカメラによれば、第1の実施の形態によるカメラで得られる作用効果に加えて、次の作用効果が得られる。CPU211は、画像処理回路206を制御することにより、パノラマ画像に対応する統合サムネイル画像データを、所定のサイズで作成されるサムネイル画像データよりも大きいサイズで作成する。これにより、サムネイル表示を行ったとき、表示されている画像がパノラマ画像か否かを容易に判別することができる。
――第4の実施の形態――
第4の実施の形態におけるカメラは、第3の実施の形態におけるカメラと同様に、パノラマ画像に対応する統合サムネイル画像データを、パノラマ画像に応じたサイズで作成する。しかしながら、サムネイル表示における統合サムネイル画像データの表示方法が、第3の実施形態におけるカメラとは異なる。
本実施形態におけるカメラは、サムネイル画像データとは異なる大きさの統合サムネイル画像データを、サムネイル画像データと同じ大きさの表示領域に少しずつ全体を表示させる。図9は、第4の実施の形態における統合サムネイル画像データの表示方法を示す図である。以下、例えば統合モードを指定してサムネイル表示を行い、図9(a)に示す統合サムネイル画像データ80が表示される様子を説明する。
サムネイル表示を行うと、図5に示した表示画面52と同様の画面がカラーモニタに表示される。このとき画面には、図9(b)に示す、表示枠81vで囲まれた領域のみが表示され、非表示領域81hは表示されない。表示枠81vは、サムネイル画像データと同じサイズである。
表示枠81vに囲まれた領域を画面上の所定の位置に表示した後、一定時間が経過したら、次に図9(c)に示す表示枠82vで囲まれた領域のみを、表示枠81vと同様の位置に表示する。図9(b)と同様に、非表示領域82hは画面に表示されない。更に一定時間経過後、図9(c)で示す表示枠83vに囲まれた部分を、同様の位置に表示する。以上の処理を繰り返すことにより、表示領域より大きな統合サムネイル画像データを表示する。
なお、一定時間の経過ごとに表示領域を変更するのではなく、統合サムネイル画像データを滑らかにスクロール表示してもよい。また、例えば2×2のパノラマ画像のように、縦方向と横方向のそれぞれの長さがサムネイル画像データよりも長い場合には、まず横方向に表示枠を移動させ、その後縦方向に表示枠を移動させる。
上述した第4の実施の形態によるカメラによれば、第1の実施の形態によるカメラで得られる作用効果に加えて、次の作用効果が得られる。所定の大きさの表示領域を用いて、表示領域より大きな統合サムネイル画像データを表示する。これにより、サムネイル表示において、一度に画面に表示される画像の数を減らすことなく、大きな統合サムネイル画像データを表示することができる。
――第5の実施の形態――
第5の実施の形態におけるカメラは、第1の実施の形態におけるカメラと比べて、複数画像ファイルの扱いと、作成される統合サムネイル画像データと、が異なる。以下、これらの相違点について順に説明する。
本実施形態に係るカメラは、パノラマ画像を記録するパノラマ撮影モードや、レリーズスイッチの押下中に連続して画像を記録する連写モード、1つの物体を複数の視点から撮影した多視点画像を記録する多視点モードなど、互いに関連する複数の画像データを記録するモードで動作する場合にのみ、メモリカード208aへ複数画像ファイルを記録する。他方、通常の撮影モードで動作する場合には、撮影の都度、メモリカード208aへ画像データおよびサムネイル画像データをそれぞれ1つだけ含む画像ファイルを記録する。
図11は、第5の実施の形態における複数画像ファイルの構造を示す図である。第1の実施の形態で用いた複数画像ファイル(図2)との違いは、統合情報および統合サムネイル画像データがそれぞれただ1つ存在する点と、統合主画像データ103mが存在する点である。ファイル情報101、主画像データ100m、サムネイル画像データ100tについては第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。
例えばユーザが操作部材212を操作してカメラ200をパノラマ撮影モードに設定すると、これ以降、レリーズスイッチが押される度に、画像処理回路206により主画像データ100mがメモリ209へ記録される。ユーザの指示等によりパノラマ撮影が終了すると、CPU211はメモリ209へ記録されている全ての主画像データ100mを含む複数画像ファイル100を作成し、メモリカード208aへ記録する。この複数画像ファイル100には、これらの主画像データ100mが1つのパノラマ画像を構成することを表す統合情報102が含まれている。この後再びパノラマ撮影が行われた場合、CPU211はメモリカード208aへ上記のファイルとは異なる新しい複数画像ファイルを記録する。
次に、本実施形態に係るカメラにより作成される統合サムネイル画像データについて説明する。第1の実施形態に係るカメラは、ある統合画像に対して、その統合画像に対応する全てのサムネイル画像データを合成することにより統合サムネイル画像データを作成していた。本実施形態に係るカメラは、一部のサムネイル画像データのみを合成することにより、統合サムネイル画像データを作成する。
図12は、第5の実施の形態に係るカメラによる、統合サムネイル画像データの作成手順を示す図である。以下、パノラマ撮影モードにおいて、図12(a)に示す5つの主画像データ111m、112m、113m、114m、115mから成るパノラマ画像110mが撮影された場合に、統合サムネイル画像データが作成されるまでの処理を説明する。
パノラマ撮影モードによる撮影の後、メモリ209には、図12(a)に示す5つの主画像データ111m、112m、113m、114m、115mと、これらの主画像データに対応するサムネイル画像データ111t、112t、113t、114t、115tとが記録される。まずCPU211が、5つのサムネイル画像データ111t〜115tから、統合サムネイル画像データの作成対象となるサムネイル画像データを選択する。CPU211はサムネイル画像データの選択を、手動選択と自動選択のいずれかの方法により行う。どちらの方法を用いるかは予めカメラ200に設定されており、ユーザはこの設定を任意に切り替えることが可能である。
カメラ200に手動選択が設定されている場合、CPU211は、カラーモニタ210へサムネイル画像データの選択画面を表示させると共に、ユーザの操作部材212による操作に基づいてサムネイル画像データの選択を行う。他方、カメラ200に自動選択が設定されている場合、CPU211は、後述する解析処理の実行結果に基づいてサムネイル画像データの選択を行う。以下の説明では、CPU211が手動選択により図12(b)に示す2つのサムネイル画像データ113t、115tを選択したものとする。
画像処理回路206は、CPU211により選択されたサムネイル画像データ113t、115tを、主画像データから統合画像を作成する場合と同様に合成し、統合サムネイル画像データを作成する。すなわち画像処理回路206は、CPU211により選択されたサムネイル画像データ113t、115tを、図12(a)に示したパノラマ画像110mを作成する場合と同様に横方向に連結することにより、統合サムネイル画像データを作成する。
統合サムネイル画像データを作成する際、画像処理回路206は、CPU211に選択されなかったサムネイル画像データに対応する位置へ所定の省略マークを配置する。例えば図12(b)において、斜線で示す領域116は、選択されなかったサムネイル画像データ111t、112tに対応する領域である。また領域117は、選択されなかったサムネイル画像データ114tに対応する領域である。画像処理回路206は、これらの領域に対応する位置へ省略マークを配置して、統合サムネイル画像データを作成する。
最終的に作成された統合サムネイル画像データを図12(c)に示す。この統合サムネイル画像データ103tは、選択されたサムネイル画像データ113t、115tを、図12(a)に示したパノラマ画像110mと同様に横方向に連結することにより作成されている。また、選択されなかったサムネイル画像データ111t、112tに対応する位置へは、省略マーク118が配置されている。同様に、サムネイル画像データ114tに対応する位置へ、省略マーク119が配置されている。
画像処理回路206は更に、統合サムネイル画像データ103tに対応する統合主画像データ103mを作成する。統合主画像データ103mは図12(c)に示すように、統合サムネイル画像データ103tの基となったサムネイル画像データ113t、115tに対応する画像データ113m、115mを、統合サムネイル画像データ103tを作成する場合と同様に連結することにより作成される。この統合主画像データ103mは、統合サムネイル画像データ103tと同様に、所定の省略マークを含む。
本実施形態のカメラのサムネイル表示機能においては、統合サムネイル画像データが上述した所定の省略マークと共に表示される。統合サムネイル画像データ103tが表示されているとき、ユーザは操作部材212を用いて省略マーク118,119を選択することが可能である。CPU211は、ユーザが省略マークを選択したことに応じて、省略マークに対応するサムネイル画像データまたは主画像データを画面に表示させる。例えば図12(c)に示す統合サムネイル画像データ103tにおいて、ユーザが省略マーク118を選択した場合、CPU211は画面にサムネイル画像データ111t、112tまたは主画像データ111m、112mを表示させる。
統合サムネイル画像データ103tが表示されているとき、ユーザは操作部材212により統合サムネイル画像データ103t全体を選択することも可能である。CPU211は、ユーザが統合サムネイル画像データ103t全体を選択したことに応じて、対応する統合主画像データ103mを画面に表示させる。
次に、カメラ200へ自動選択が設定されている場合にCPU211が実行する、統合サムネイル画像データの作成対象となるサムネイル画像データの選択処理について説明する。この処理は、CPU211が主画像データを解析し主要被写体を検出することによって、統合サムネイル画像データに含めるべきサムネイル画像データを選択する処理である。
図13は、サムネイル画像データの自動選択処理を説明するための図である。以下、図13(a)に示す5つのサムネイル画像データ111t、112t、113t、114t、115tから、統合サムネイル画像データの作成対象となるサムネイル画像データを選択する処理について説明する。
まずCPU211は、5つのサムネイル画像データ111t、112t、113t、114t、115tに対応するパノラマ画像110mをHSV空間に射影し、色相に関するヒストグラムを作成する。このヒストグラムは、例えば画素毎のヒストグラムであってもよいし、画像を所定の大きさのブロックに分割した場合の、ブロック毎のヒストグラムであってもよい。説明の簡単のため、以下では、画素毎のヒストグラムを作成したものとする。
図13(b)に、上述の処理により作成されるヒストグラムの例を示す。横軸AXは色相を、縦軸AYは画素の個数を表す。このヒストグラムから、パノラマ画像110mにおいて頻出する色相や、ほとんど出現しない色相を知ることができる。CPU211はこのヒストグラムから、出現回数が所定のしきい値THよりも小さい色相を抽出する。図13(b)に示したヒストグラムからは、範囲H1、H2で表される色相が抽出される。
次にCPU211は、パノラマ画像110mにおいて、上述の処理により抽出された色相の画素が集中している領域を探索する。上述の範囲H1、H2に含まれる色相を備えた画素を単色で塗りつぶしたパノラマ画像110mを図13(c)に示す。図13(c)では、領域120に抽出された色相の画素が集中していることが判る。頻出する色相の画素は、パノラマ画像110mの背景の画素である可能性が高い。他方、出現頻度が低い色相は、パノラマ画像110mにおいて特徴的な色相であり、このような色相を備えた画素は、パノラマ画像110mの前景の画素であると考えられる。故にCPU211は、領域120がパノラマ画像110mの主要被写体であると判断する。
CPU211は、この領域120を囲む最小の矩形121を含む主画像データを特定する。そして、特定した主画像データに対応するサムネイル画像データのみを、統合サムネイル画像データの作成対象として選択する。すなわちCPU211、図13(a)に示す5つのサムネイル画像データ111t、112t、113t、114t、115tから、サムネイル画像データ113tのみを選択する。この結果、画像処理回路206は図13(d)に示す統合主画像データ123mおよび統合サムネイル画像データ123tを作成する。
図14は、統合サムネイル画像データの作成対象となるサムネイル画像データの選択処理を示すフローチャートである。この処理は、CPU211が所定の制御プログラムを実行することにより実現される。まずステップS31では、CPU211が、操作部材212に含まれているレリーズスイッチが押されたか否かを判定する。レリーズスイッチが押されていなければ否定判定がなされ、ステップS31の処理を繰り返す。他方、レリーズスイッチが押されていた場合には、ステップS32へ進む。
ステップS32ではCCD202が被写体を撮像し、デジタル画像信号が画像処理回路206へ出力される。ステップS33では画像処理回路206により所定の画像処理が行われ、主画像データが作成される。作成された主画像データはメモリ209に記録される。ステップS34では、メモリ209に記録された主画像データが画像処理回路206により縮小され、サムネイル画像データが作成される。
ステップS35では、CPU211が、互いに関連する複数の画像データを作成するモードがカメラ200に設定されているか否かを判定する。例えばパノラマ撮影モードが設定されている場合に、ステップS35により肯定判定がなされる。ステップS35により肯定判定がなされた場合、ステップS37へ進む。他方、ステップS35により否定判定がなされた場合には、ステップS36へ進む。ステップS36ではCPU211がカードI/F208に、ステップS33で作成された主画像データと、ステップS34で作成されたサムネイル画像データと、を含む単一の画像ファイルをメモリカード208aに記録させて、図14の処理を終了する。
ステップS37では、CPU211が、統合画像の撮影が完了したか否かを判定する。例えばユーザがパノラマ撮影の終了をカメラ200へ指示した場合に、ステップS37により肯定判定がなされる。ステップS37により肯定判定がなされた場合、ステップS38へ進む。他方、ステップS37により否定判定がなされた場合には、ステップS31へ戻る。
ステップS38では、CPU211が、カメラ200に現在設定されているサムネイル画像データの選択方法を確認する。自動選択が設定されていた場合にはステップS40へ進む。他方、手動選択が設定されていた場合にはステップS39へ進む。ステップS39では、CPU211が、操作部材212によるユーザの操作に対応するサムネイル画像データを選択し、ステップS42へ進む。
ステップS40では、CPU211が色相についてのヒストグラムを作成し、主要被写体を検出する。ステップS41ではCPU211が、主要被写体を含むサムネイル画像データを選択する。ステップS42では、画像処理回路206が、ステップS41もしくはステップS39で選択されたサムネイル画像データを合成し、統合サムネイル画像データを作成する。ステップS43では、画像処理回路206が、統合サムネイル画像データの基となったサムネイル画像データに対応する主画像データを合成し、統合主画像データを作成する。ステップS44では、CPU211が、カードI/F208に複数画像ファイルをメモリカード208aに記録させて、図14の処理を終了する。
上述した第5の実施の形態によるカメラによれば、第1の実施の形態によるカメラで得られる作用効果に加えて、次の作用効果が得られる。
(1)画像処理回路206は、複数のサムネイル画像データのうち一部のサムネイル画像データに基づいて統合サムネイル画像データを作成する。これにより、表示スペースを節約するとともに、図3(b)に示される統合サムネイル画像45よりも被写体を大きく表示するサムネイル表示が可能となる。
(2)CPU211は、統合サムネイル画像データを作成するための一部のサムネイル画像データを、複数のサムネイル画像データから手動選択もしくは自動選択により選択する。これにより、主要被写体以外の領域を統合サムネイル画像データから排除することができる。
(3)CPU211は、統合サムネイル画像データと共に、画像処理回路206が作成した統合主画像データを複数画像ファイルに記録する。これにより、統合サムネイル画像を大きく表示することが容易になる。
――第6の実施の形態――
第6の実施の形態におけるカメラは、第5の実施の形態におけるカメラに加えて、複数画像ファイルへ更に、合成画像データと呼ぶ画像データと、合成画像データに対応する合成サムネイル画像データと、を記録する。以下、合成画像データおよび合成サムネイル画像データについて説明する。
図15は、合成画像データおよび合成サムネイル画像データを説明するための図である。以下、図15(a)に示すパノラマ画像130mを撮影した場合にCPU211が実行する処理について説明する。パノラマ画像130mは、図15(a)に示すように、複数の主画像データ131m、132m、133m、134m、135m、136mから成る。また、メモリ209にはこれらの主画像データと共に、対応するサムネイル画像データ131t、132t、133t、134t、135t、136tが記録されている。
ここで、第5の実施の形態において説明した自動選択あるいは手動選択により、サムネイル画像データ133t、134t、136tが統合サムネイル画像データの作成のために選択されたものとする。このとき図15(b)に示す統合サムネイル画像データ153tおよび統合主画像データ153mが画像処理回路206により作成される。
CPU211は、図15(a)に示した6つの主画像データ131m、132m、133m、134m、135m、136mを、図15(c)に示すように、2つのグループに分類する。具体的には、対応するサムネイル画像データが統合サムネイル画像データを作成するために選択された主画像データと、それ以外の主画像データとを、2つの異なるグループに分類する。図15(c)では、CPU211により選択された主画像データ133m、134m、136mがグループ140に分類されている。また、これ以外の主画像データ131m、132m、135mは、グループ140とは異なるグループ139に分類されている。
次にCPU211は、同一のグループに属する主画像データのうち、連続して撮影された主画像データ、すなわち、図15(a)に示すパノラマ画像130mにおいて隣り合っている主画像データを探索する。グループ139からは主画像データ131m、132mが上記に該当する。画像処理回路206は、この探索で見つかった主画像データ同士を、主画像データからパノラマ画像130mを作成する場合と同様に合成し、合成画像データを作成する。主画像データ131m、132mから作成された合成画像データ141mを図15(d)に示す。グループ140に属する主画像データ133m、134mについても同様に合成し、図15(d)に示す合成画像データ142mが得られる。
画像処理回路206は更に、各々の合成画像データに対応するサムネイル画像データを作成する。このサムネイル画像データを合成サムネイル画像データと呼ぶ。合成サムネイル画像データは、主画像データから合成画像データを作成する処理を、同様にサムネイル画像データへ適用することにより作成される。図15(d)に、合成画像データ141mに対応する合成サムネイル画像データ141t、ならびに、合成画像データ142mに対応する合成サムネイル画像データ142tを示す。
CPU211は、以上のようにして作成された合成画像データおよび合成サムネイル画像データを、複数画像ファイルへ格納する。サムネイル表示機能により、図15(b)に示す統合サムネイル画像データ153tが表示されているとき、ユーザは操作部材212により、省略マーク137、138を選択することが可能である。CPU211は、ユーザにより省略マーク137、138が選択されたことに応じて、選択された省略マークに対応する合成画像データまたは主画像データを画面に表示させる。
例えば図15(b)に示す統合サムネイル画像データ153tにおいて、省略マーク137が選択された場合、CPU211は画面へ合成画像データ141mを表示させる。他方、省略マーク138が選択された場合には、CPU211は画面へ主画像データ135mを表示させる。これは、省略マーク138に対応する位置には、選択されなかった主画像データが複数ではなくただ1つ存在するためである。
本実施形態では、サムネイル表示機能により統合サムネイル画像データ153tが表示されているとき、ユーザは更に操作部材212により省略マークで区切られた各区画を選択することが可能である。図15(b)に示す統合サムネイル画像データ153tにおいては、省略マーク137と省略マーク138の間の区画、すなわち、サムネイル画像データ133t、134tから成る区画を選択することが可能である。CPU211は、ユーザによりこの区画が選択されたことに応じて、この区画に対応する合成画像データ142mを画面に表示させる。同様に、ユーザがサムネイル画像データ136tから成る区画を選択すると、CPU211は主画像データ136mを画面に表示させる。
図16は、第6の実施の形態における複数画像ファイルの構造を示す図である。第5の実施の形態で用いた複数画像ファイル(図11)との違いは、合成画像データ144mと合成サムネイル画像データ144tとが存在する点、ならびに、ファイル情報141がアドレス情報ADを含む点である。
アドレス情報ADには、複数画像ファイル140に含まれる全ての画像データについて、その記録開始アドレスが格納されている。具体的には、統合主画像データの記録開始アドレスAD1m、統合サムネイル画像データの記録開始アドレスAD1t、合成画像データの記録開始アドレスAD2m、合成サムネイル画像データの記録開始アドレスAD2t、主画像データの記録開始アドレスAD3m、および、サムネイル画像データの記録開始アドレスAD3tがアドレス情報ADに含まれる。複数画像ファイル140に格納されている画像データを処理するカメラ200や他の表示装置は、アドレス情報ADを読み出すことにより、任意の画像データへ容易にアクセスすることが可能である。
上述した第6の実施の形態によるカメラによれば、第5の実施の形態によるカメラで得られる作用効果に加えて、次の作用効果が得られる。
(1)画像処理回路206は、CPU211により同一のグループに分類された画像データのうち、互いに連続して撮像された複数の画像データに基づいて、合成画像データを作成する。これにより、統合主画像データに含まれない主画像データ、すなわち省略された主画像データの表示を容易に行うことができる。
(2)CPU211は、各画像データの記録アドレスを複数画像ファイルに記録する。これにより、各画像データへのアクセスを高速に行うことができる。
次のような変形も本発明の範囲内であり、変形例の一つ、もしくは複数を上述の実施形態と組み合わせることも可能である。
(1)複数画像ファイルがメモリカードに複数個記録されるようにしてもよい。例えば、ユーザ操作や現在日時により記録対象とする複数画像ファイルを切り替えるようにしてもよい。この場合、1つの統合画像に対応する統合情報,主画像データ,および統合サムネイル画像データは、同一の複数画像ファイルに記録される。
(2)サムネイル表示を単独モードで実行したとき、統合画像を構成しない主画像データのサムネイル画像データのみを表示するようにしてもよい。
(3)パノラマ画像の統合サムネイル画像データについて、縦方向の長さは常に固定し、横方向にのみサイズを変化させるようにしてもよい。
(4)統合画像の統合方法は、パノラマ画像と重ね合わせのみに限らない。例えば、複数の画像をクロマキー合成してもよいし、所定の透過率や魚眼効果などを加えて画像を重ね合わせてもよい。
(5)第1の実施の形態乃至第4の実施の形態において、第5の実施の形態および第6の実施の形態と同様に、互いに関連する複数の画像データを記録するモードで撮影される度にメモリカード208aへ複数画像ファイルを記録することにしてもよい。
(6)第6の実施の形態において、複数画像ファイルに合成画像データを含めなくてもよい。
(7)第5の実施の形態および第6の実施の形態において、CPU211が実行するサムネイル画像データの自動選択処理は、実施の形態で説明した内容に限定されない。例えば画像の空間周波数を参照して主要被写体を特定してもよいし、公知のシーン認識処理により主要被写体を特定するようにしてもよい。あるいは、所定の背景パターンとパターンマッチングを行い、背景以外のサムネイル画像データを選択するようにしてもよい。
(8)第5の実施の形態および第6の実施の形態において、画像処理回路206が所定の省略マークを含めずに統合サムネイル画像データおよび統合主画像データを作成してもよい。この場合、統合サムネイル画像データおよび統合主画像データを表示する表示装置が、省略マークを画面上の適切な位置へ表示すればよい。
(9)第5の実施の形態および第6の実施の形態において、複数の主画像データを横方向に連結したパノラマ画像を用いて統合サムネイル画像データの作成処理を説明したが、他の統合画像に対して同様の処理を適用することが可能である。例えば、複数の主画像データを縦方向に連結したパノラマ画像や、縦横両方向に複数の主画像データを連結したパノラマ画像、あるいは連写機能により出力された複数の主画像データなどに対しても同様に、上述の実施の形態において説明した処理を適用することが可能である。
本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。
また、パーソナルコンピュータなどに適用する場合、上述した制御に関するプログラムは、CD−ROMなどの記録媒体やインターネットなどのデータ信号を通じて提供することができる。図10はその様子を示す図である。パーソナルコンピュータ400は、CD−ROM404を介してプログラムの提供を受ける。また、パーソナルコンピュータ400は通信回線401との接続機能を有する。コンピュータ402は上記プログラムを提供するサーバーコンピュータであり、ハードディスク403などの記録媒体にプログラムを格納する。通信回線401は、インターネット、パソコン通信などの通信回線、あるいは専用通信回線などである。コンピュータ402はハードディスク403を使用してプログラムを読み出し、通信回線401を介してプログラムをパーソナルコンピュータ400に送信する。すなわち、プログラムをデータ信号として搬送波に変調して、通信回線401を介して送信する。このように、プログラムは、記録媒体や搬送波などの種々の形態のコンピュータ読み込み可能なコンピュータプログラム製品として供給できる。
なお、第1〜第6の実施形態の単体構成のカメラでは、制御プログラムを搭載するフラッシュメモリは書き換え可能なROMであるので、図10と同様な構成でコンピュータに接続し、コンピュータを介してCD−ROMなどの記録媒体から改良プログラムの提供を受けることも可能である。さらには、上記と同様にインターネット等を介して改良プログラムの提供を受けることも可能である。