JP5487726B2

JP5487726B2 - 密封構造

Info

Publication number: JP5487726B2
Application number: JP2009128952A
Authority: JP
Inventors: 稔博羽方
Original assignee: JTEKT Corp
Current assignee: JTEKT Corp
Priority date: 2009-05-28
Filing date: 2009-05-28
Publication date: 2014-05-07
Anticipated expiration: 2029-05-28
Also published as: JP2010274766A

Description

本発明は、密封装置と、この密封装置が取り付けられる部分とを備える密封構造に関する。本発明は、特に、軌道面を有する軌道部材が複数の筒部材のみからなる転がり軸受、軌道面を有する軌道部材に軸部材が含まれる転がり軸受（例えば、車輪用転がり軸受）、ウォータポンプ、または、転がり軸受を使用したモータに使用されれば好適な密封構造に関する。

従来、密封構造としては、特開２００３−２２２１４５号公報（特許文献１）に記載されているものがある。

この密封構造は、ハブユニット（車輪用転がり軸受）の一部をなしている。この密封構造は、外輪と、内軸と、密封装置とを備え、密封装置は、外輪と、内軸との間を密封している。上記密封装置は、芯金部材と、芯金部材に固着された弾性部材とを備える。上記芯金部材は、円筒部と、径方向延在部とを有し、上記円筒部は、外輪の内周面に内嵌されて固定されている。また、上記径方向延在部は、上記円筒部から上記円筒部の略径方向に延在している。

一方、上記弾性部材は、基部、二つのアキシアルリップ、および、グリースリップを有し、上記基部は、上記径方向延在部に固着されている。上記各アキシアルリップは、上記基部から延在して、上記内軸の軸方向の端面に摺動している。また、上記グリースリップは、上記基部から径方向の内方かつ軸方向の上記内軸の上記端面側とは反対側に延在して、内軸の外周面に対して間隔をおいて位置している。上記グリースリップと、内輪の外周面とは、ラビリンスシールを構成している。上記内軸の軸方向の端面は、外輪に対して軸方向に間隔をおいて位置している。

特開２００３−２２２１４５号公報（第１図）

上記従来の密封構造では、上記内軸の軸方向の端面が、外輪に対して軸方向に間隔をおいて位置しているから、外部の泥水等の異物が、上記内軸の軸方向の端面と、外輪との間を通過して、径方向の外方側のアキシアルリップに勢いよく衝突することになる。したがって、このことに起因して、外部側のアキシアルリップの劣化の速度が速くなるから、長期に亘って所望の密封性能を維持するために、外部側のアキシアルリップの締め代を大きくする必要がある。したがって、このことに起因して、外部側のアキシアルリップの摺動抵抗が大きくなって、トルクを低減することが難しい。

一方、上記外部の泥水等の異物が、直接、外部側のアキシアルリップに衝突することを回避するために、弾性部材を外輪で覆うようにして、内軸の軸方向の端面と、外輪との軸方向の隙間がないようにすると、外輪を、軸方向に、内軸の軸方向の端面側に延長しなければならない。したがって、密封装置を圧入する際に、芯金部材の円筒部を、外輪のより奥まで押し込む必要が生じて、すなわち、芯金部材の円筒部を圧入する軸方向の距離が長くなって、密封装置が、取り付けにくくなる。

そこで、本発明の課題は、密封装置の劣化を抑制できて、リップの摺動抵抗を抑制できると共に、密封装置の取り付けが容易な密封構造を提供することにある。

上記課題を解決するため、この発明の密封構造は、
内周面を有する環状の外側環状部材と、
上記内周面に径方向に対向する外周面を有する環状の内側環状部材と、
外周面が円筒面である円筒部を有する環状の芯金部材と、その芯金部材に固着された環状の弾性部材とを有する密封装置と
を備え、
上記弾性部材は、上記芯金部材の表面の少なくとも一部を覆うように、その表面の少なくとも一部に固着された基部と、上記基部から延在して、上記内側環状部材に摺動する環状のリップとを有し、
上記外側環状部材の上記内周面は、円筒面を含む第１の内径を有する第１内周面と、上記第１内周面の軸方向の一端部から上記外側環状部材の上記内周面の一端まで存在すると共に、内径が上記第１内周面の第１の内径よりも大きい第２内周面とを有し、
上記芯金部材の上記円筒部は、上記第１内周面に固定され、
上記円筒部の上記外周面の外径は、上記密封装置の組み付け前において上記第１内周面の第１の内径以上でかつ上記第２内周面の上記内径よりも小さく、
上記第２内周面における上記第１の内周面の軸方向の一端部から外側環状部材の上記内周面の一端へ向かって第１の軸方向の長さの範囲を第２の内径としたとき、上記基部は、軸方向の上記円筒部側とは反対側に、上記密封装置の組み付け前において外径が上記第２内周面の上記第２の内径以上である位置決め外周面部を有し、
上記円筒部の軸方向の上記第２内周面側とは反対側の端から上記位置決め部外周面部までの軸方向の距離は、上記第１の軸方向の長さよりも短く、
上記弾性部材の全ての部分が、上記外側環状部材に径方向に重なり、
上記円筒部を上記第１内周面に嵌め込む際、上記円筒部を上記第１内周面に到達させる途中において、上記第２内周面に上記位置決め外周面部が接触することを特徴としている。

尚、上記第２内周面は、上記第１内周面の軸方向の一端部につながると共に、径方向の外方に広がる環状の段部の径方向の外方の端部から、上記外側環状部材の上記内周面の一端まで存在するような形態であっても良い。

本発明によれば、上記弾性部材の全ての部分が、上記外側環状部材に径方向に重なっているから、外部の泥水等の異物が、上記外側環状部材によって弾性部材に衝突することが妨げられ、外部の泥水等の異物が、弾性部材に接触することが抑制される。したがって、弾性部材、特に、弾性部材のリップの劣化を抑制できる。

また、本発明によれば、従来と比較して弾性部材のリップの劣化の速度が小さくなるから、長期に亘って所望の密封性能を維持するために必要になる外部側のアキシアルリップの締め代を、従来に比して小さくすることができる。したがって、リップの締め代を小さくすることができるから、トルクを低減することができる。

また、本発明によれば、密封装置の組み付け前において、円筒部の円筒外周面の外径が、第１内周面の軸方向の一端部から外側環状部材の内周面の一端まで延在する第２内周面の内径よりも小さくなっている。したがって、弾性部材の全ての部分が、外側環状部材に径方向に重なるように、外側環状部材の軸方向の長さを、長くしたとしても、芯金部材の円筒部が、固定場所である第１内周面よりも密封装置の挿入側に位置する第２内周面に引っかかることがなくて、芯金部材の円筒部を、第１内周面まで容易に到達させることができる。したがって、たとえ外側環状部材の軸方向の長さが、長くなったとしても、密封装置が組み込みにくくなることがない。

また、本発明によれば、上記基部が、軸方向の上記円筒部側とは反対側に、密封装置の組み付け前において外径が第２内周面の上記第１内周面の軸方向の端部から外側環状部材の上記内周面の一端に向かって第１の軸方向の長さの範囲を第２の内径と規定したとき、第２の内径以上である位置決め外周面部を有し、円筒部の軸方向の上記第２内周面側とは反対側の端から位置決め部外周面部までの軸方向の距離は、上記第１の軸方向の長さよりも短くなっている。したがって、芯金部材の円筒部を、第１内周面に到達させる途中において、位置決め外周面部が、少なくとも第２内周面の第２の内径を有する箇所に接触することになる。したがって、芯金部材の円筒部を第１内周面に到達させる途中において、第２内周面に対する位置決め外周面部の接触によって、密封装置を径方向に位置決めしながら軸方向に移動させることができて、密封装置を更に容易に固定することができる。

本発明の密封構造によれば、外部の異物を弾性部材のリップに到達しにくくできて、リップの劣化を抑制できて、リップの寿命を長くできる。また、リップの異物の接触に起因する劣化を抑制できて、リップの異物の接触に起因する劣化に基づくリップの締め代分を小さくできる。したがって、リップの内側環状部材に対する摺動抵抗を小さくできて、トルクを低減できる。

また、本発明の密封構造によれば、外部の異物を弾性部材のリップに到達しにくくするために、たとえ外側環状部材の軸方向の長さが長くなってとしても、密封装置を、外側環状部材の内周面に容易に挿入かつ組み込みできる。

本発明の第１実施形態である車輪用転がり軸受の軸方向の断面図である。図１における第１密封装置の周辺の部分拡大断面図である。

以下、本発明を図示の形態により詳細に説明する。

図１は、本発明の第１実施形態である車輪用転がり軸受の軸方向の断面図である。

この車輪用転がり軸受は、外側環状部材としての外輪２、内側環状部材としての内軸３、内輪４、複数の第１の玉５、複数の第２の玉６、第１密封装置８および第２密封装置９を備える。上記第１の玉５および第２の玉６は、転動体を構成する。上記外輪２は、内軸３に間隔をおいて位置している。上記内軸３、外輪２および第１密封装置８は、密封構造を構成している。

上記内軸３は、軸方向の一端部に、ブレーキディスク１１を取り付けるための径方向に広がる円板状のブレーキディスク取付用フランジ１０を有する。このブレーキディスク取付用フランジ１０の略中心を中心とする同心円上には、複数のボルト貫通穴が形成されている。上記ブレーキディスク取付用フランジ１０に、ブレーキディスク１１を当接させ、さらに、ブレーキディスク１１にホイール部材１３を当接させた状態で、ホイール部材１３のブレーキディスク１１側とは反対側の端面と、ブレーキディスク取付用フランジ１０との間を、複数のボルト１５で固定している。

上記内軸３の軸方向の他端部には、内輪４が外嵌されて固定されている。上記内軸３における、内輪４と、ブレーキディスク取付用フランジ１０との間には、軌道面としてのアンギュラ型の軌道溝１６が形成されている。また、上記内輪４の外周面には、軌道面としてのアンギュラ型の軌道溝１７が形成されている。

上記外輪２は、内軸３におけるブレーキディスク取付用フランジ１０よりも上記他端部側に、内軸３に径方向に対向するように、配置されている。上記外輪２は、軸方向の上記他端部側に、径方向に広がる車体側取付用フランジ１４を有する。この円板状の車体側取付用フランジ１４には、車体側取付用フランジ１４を車体側（ナックル）に取り付けるボルトを挿入するためのボルト貫通穴が複数形成されている。上記外輪２は、外輪２の内周面に軸方向に離間配置された第１軌道面としてのアンギュラ型の第１軌道溝２６および第２軌道面としてのアンギュラ型の第２軌道溝２７を有している。上記第１軌道溝２６は、第２軌道溝２７よりも上記一端部側に位置している。

上記複数の第１の玉５は、内軸３の軌道溝１６と外輪２の第１軌道溝２６との間に、保持器１８に保持された状態で、周方向に所定の間隔を隔てられて配置されている。また、上記複数の第２の玉６は、内輪４の軌道溝１７と外輪２の第２軌道溝２７との間に、保持器１９に保持された状態で、周方向に所定の間隔を隔てられて配置されている。

上記第１密封装置８は、内軸３と外輪２との間における、軸方向の上記一端部側（ブレーキディスク取付用フランジ１０側）の開口付近に配置されている。上記第１密封装置８は、内軸３と外輪２との間における上記一端部側の開口を密封している。

一方、上記第２密封装置９は、内輪４と外輪２との間における、軸方向の上記他端部側（車体取付用フランジ１４側）の開口付近に配置されている。上記第２密封装置９は、内輪４と外輪２との間における上記他端部側の開口を密封している。

図２は、図１における第１密封装置８の周辺の部分拡大断面図である。

図２に示すように、上記第１密封装置（以下、単に、密封装置という）８の周辺において、外輪２は、第１内周面８０と、第２内周面８１とを有する。上記第１内周面８０は、円筒面を含み、第１軌道溝２６の軸方向の外方に位置している。上記第１内周面８０の円筒面の軸方向の外方には軸方向に垂直な断面において円形の拡径面８２が連なる。拡径面８２の第１内周面８０の円筒面側の一部は、第１内周面８０の一部を構成する。第１の内周面８０の内径は、第１の内径として定義される。第１の内径は、後述する芯金部材４０の円筒面６０の円筒外周面９８と同じか小さい内径である。拡径面８２の第１内周面８０の一部を除き、一部よりも軸方向の外方の残部は第２内周面８１の一部を構成する。第２内周面８１の内径は、後述する芯金部材４０の円筒部６０の円筒外周面９８よりも大きい内径である。また、上記第２内周面８１は、第１内周面８０の軸方向の一端部から外輪２の内周面の一端まで延在している。

上記第２内周面８１の内径は、第１内周面８０の軸方向の一端部から拡径面８２の範囲である一定距離のあいだ軸方向の外方に行くにしたがって単調に大きくなり、その後、軸方向の一端まで面取の部分を除いて略一定になっている。すなわち、上記第２内周面８１の内径は、第１内周面８０の内径φＤ２よりも大きくなっている。尚、図２において、φＤ１は、第２内周面８１において内径が一定の部分の内径を示している。

上記密封装置８は、金属製の芯金部材４０と、ゴム製の弾性部材４１とを備える。上記芯金部材４０は、円筒部６０と、径方向延在部６１とを有する。上記円筒部６０は、圧入により第１内周面８０に内嵌されて固定されている。また、上記径方向延在部６１は、円筒部６０から円筒部６０の略径方向に延在している。

一方、上記弾性部材４１は、基部５０、環状の第１アキシアルリップ５１、環状の第２アキシアルリップ５２および環状のラジアルリップ５３を有する。上記基部５０は、芯金部材４０の軸方向の外方の端面および径方向延在部６０の径方向の内方の端部を覆うように、これら端面および端部に固着されている。

上記第１アキシアルリップ５１は、第２アキシアルリップ５２よりも径方向の外方に位置している。上記第１アキシアルリップ５１および第２アキシアルリップ５２の夫々は、基部５０から軸方向のブレーキディスク取付用フランジ１０側かつ径方向の外輪２側（径方向の外方側）に延在している。

上記第１アキシアルリップ５１および第２アキシアルリップ５２の夫々は、ブレーキディスク取付用フランジ１０の軸方向の第１の玉５側の端面５７に摺動するようになっている。また、上記ラジアルリップ５３は、基部５０から軸方向の第１の玉５側かつ径方向の内方側に延在している。上記ラジアルリップ５３は、内軸３の外周面に摺動するようになっている。

上記ブレーキディスク取付用フランジ１０の軸方向の第１の玉５側の端面５７は、第１端面５９と、第２端面９０とを有している。上記第１端面５９および第２端面９０の夫々は、略径方向に広がっている。上記第２端面９０は、第１端面５９の径方向の外方かつ軸方向の外方に位置している。上記第２端面９０は、湾曲面を介して第１端面５９につながっている。上記第１，２アキシアルリップ５１,５２の夫々は、上記第１端面５９に摺動している。

上記第１端面５９は、外輪２に径方向に重なっている。上記外輪３の軸方向の一端部の軸方向の端面は、第２端面９０に軸方向に対向している。また、上記外輪３の軸方向の一端部は、第１端面５９に径方向に重なっている。尚、図２において、ａは、外輪２の一端部の外端から第１端面５９までの軸方向の距離を示している。図２に示すように、上記密封装置８の全ての部分は、径方向に外輪２に重なっている。

上記基部５０は、位置決め部９５を有している。この位置決め部９５は、芯金部材４０の円筒部６０の軸方向の第２内周面８１側に位置している。図示しないが、位置決め部９５は、芯金部材４０の円筒部６０の円筒外周面９８との境界からすぐ第２内周面８１側に向かって拡径している。

上記密封装置８の組み付け前において、すなわち、密封装置８が、外力を受けない状態において、円筒部６０の円筒外周面９８は、外輪２の第１内周面８０の内径以上でかつ第２内周面８１の内径よりも小さい外径を有している。また、上記位置決め部９５は、密封装置８の組み付け前において、第２内周面８１の上記第１内周面の軸方向の一端部から外側環状部材の上記内周面の一端へ向かって第１の軸方向の長さの範囲における内径である第２の内径以上の外径を有する位置決め外周面部９９を有している。

上記円筒部６０の軸方向の位置決め部９５側とは反対側の外周面の端から位置決め外周面部９９までの軸方向の距離ｂは、第２内周面８１の第１の軸方向の長さの範囲の軸方向の長さｃよりも短くなっている。

上記実施形態の密封構造によれば、上記弾性部材４１の全ての部分が、外輪２に径方向に重なっているから、外部の泥水等の異物が、外輪２によって弾性部材４１に衝突することが妨げられ、外部の泥水等の異物が、弾性部材４１に接触することが抑制される。したがって、上記弾性部材４１、特に、弾性部材４１の最も外部側に位置する第１アキシアルリップ５１の劣化を抑制できる。

また、上記実施形態の密封構造によれば、従来と比較して弾性部材４１の第１アキシアルリップ５１の劣化の速度が小さくなるから、長期に亘って所望の密封性能を維持するために必要になる外部側の第１アキシアルリップ５１の締め代を、従来に比して小さくすることができる。したがって、第１アキシアルリップ５１の締め代を小さくすることができるから、トルクを低減することができる。

また、上記実施形態の密封構造によれば、上記密封装置８の組み付け前において、円筒部６０の円筒外周面９８の外径が、第１内周面８０の軸方向の一端部から外輪２の内周面の一端まで延在する第２内周面８１の内径よりも小さくなっている。したがって、上記弾性部材４１の全ての部分が、外輪２に径方向に重なるように、外輪２の軸方向の長さを、長くしたとしても、芯金部材４０の円筒部６０が、固定場所である第１内周面８０よりも密封装置８の挿入側に位置する第２内周面８１に引っかかることがない。したがって、上記円筒部６０を、第１内周面８０まで容易に到達させることができて、たとえ外輪２の軸方向の長さが、長くなったとしても、密封装置８が組み込みにくくなることがない。

また、上記実施形態の密封構造によれば、上記基部５０が、軸方向の円筒部６０側とは反対側に、密封装置８の組み付け前において外径が第２内周面８１の第１内周面８０の軸方向の端部から外輪２の内周面の一端に向かって第１の軸方向の長さの範囲を第２の内径と規定したとき、第２の内径以上である位置決め外周面部９９を有し、円筒部６０の軸方向の第２内周面側８１とは反対側の端から位置決め部外周面部９９までの軸方向の距離は、第１の軸方向の長さよりも短くなっている。したがって、上記芯金部材４０の円筒部６０を、第１内周面８０に到達させる途中において、位置決め外周面部９９が、少なくとも第２内周面８１の第２の内径を有する箇所に接触することになる。したがって、上記芯金部材４０の円筒部６０を第１内周面８０に到達させる途中において、第２内周面８１に対する位置決め外周面部９９の接触によって、密封装置８を径方向に位置決めしながら軸方向に移動させることができて、密封装置８を更に容易に固定することができる。

尚、上記実施形態の密封構造では、二つのアキシアルリップ５１,５２と、一つのラジアルリップ５３とを有していたが、この発明では、密封装置は、一または三以上のアキシアルリップを有していても良く、また、アキシアルリップを有していなくても良い。また、この発明では、２以上のラジアルリップを有していても良く、また、ラジアルリップを有していてなくても良い。

また、上記実施形態の密封構造は、ラビリンスシールを有していなかったが、この発明は、ラビリンスシールを有していても良い。

また、上記実施形態の密封構造では、アキシアルリップ５１,５２が、内軸３の軸方向の端面５９（図２参照）に摺動する構成であったが、この発明では、少なくとも一つのリップが、内軸の外周面、スリンガ（軸方向の半断面において断面略Ｌ字状の形状を有する部材）のフランジ部の軸方向の端面、スリンガの外周面、内輪の軸方向の端面、内輪の外周面等に摺動する構成であっても良い。

また、上記実施形態の密封構造では、図２に示すように、第２内周面８１が、斜面を介して第１内周面８０に連なっているが、この発明では、第１内周面は、径方向に広がる段部を介して第２内周面に連なっていても良い。

また、上記実施形態の密封構造では、図２に示すように、上記位置決め部９５の位置決め外周面部９９の全ての部分が、第１内周面８０に径方向に重なっているが、この発明では、位置決め部の位置決め外周面部の全ての部分が、第１内周面に圧接していなくても良い。尚、上記実施形態のように、位置決め外周面部９９の全ての部分を、第１内周面８０に圧接するようにすると、密封装置８を安定に固定できると共に、位置決め外周面部９９の劣化を防止できて好ましい。

また、上記実施形態では、密封構造が、車輪用転がり軸受の一部を構成していたが、この発明の密封構造は、軌道面を有する軌道部材が複数（２以上）の筒部材のみからなる転がり軸受の少なくとも一部を構成していても良い。また、この発明の密封構造は、ウォータポンプ、または、モータ等の少なくとも一部を構成していても良い。また、この発明の密封構造が、転がり軸受（尚、この明細書では、転がり軸受を、転動体と、この転動体が転動する軌道面とを有する装置として定義する）の少なくとも一部を構成する場合、その転がり軸受は、転動体は、玉でなくて、ころであっても良い、また、玉ところの両方であっても良い。転動体が、ころであるとは、転動体が、円錐ころである場合、円筒ころである場合および凸面ころである場合を含むが、転動体がころである場合、転動体が円錐ころであると好ましい。また、この発明の密封構造を含む転がり軸受は、外側環状部材である外輪または中間輪は、一体部材であっても、複数の部材からなっていても良く、内側環状部材である中間輪、内輪または内軸も、一体部材であっても、複数の部材からなっていても良い。また、この発明の密封構造を含む転がり軸受は、転動体が、単列で配置されても良く、転動体が、２列以上に亘って配置されていても良い。また、本発明の密封構造は、転動体を有さない装置に配置されても良い。

２外輪
３内軸
４０芯金部材
４１弾性部材
５０基部
５１第１アキシアルリップ
５２第２アキシアルリップ
５３ラジアルリップ
６０円筒部
８０第１内周面
８１第２内周面
９５位置決め部
９８円筒外周面
９９位置決め外周面部

Claims

内周面を有する環状の外側環状部材と、
上記内周面に径方向に対向する外周面を有する環状の内側環状部材と、
外周面が円筒面である円筒部を有する環状の芯金部材と、その芯金部材に固着された環状の弾性部材とを有する密封装置と
を備え、
上記弾性部材は、上記芯金部材の表面の少なくとも一部を覆うように、その表面の少なくとも一部に固着された基部と、上記基部から延在して、上記内側環状部材に摺動する環状のリップとを有し、
上記外側環状部材の上記内周面は、円筒面を含む第１の内径を有する第１内周面と、上記第１内周面の軸方向の一端部から上記外側環状部材の上記内周面の一端まで存在すると共に、内径が上記第１内周面の第１の内径よりも大きい第２内周面とを有し、
上記芯金部材の上記円筒部は、上記第１内周面に固定され、
上記円筒部の上記外周面の外径は、上記密封装置の組み付け前において上記第１内周面の第１の内径以上でかつ上記第２内周面の上記内径よりも小さく、
上記第２内周面における上記第１の内周面の軸方向の一端部から外側環状部材の上記内周面の一端へ向かって第１の軸方向の長さの範囲を第２の内径としたとき、上記基部は、軸方向の上記円筒部側とは反対側に、上記密封装置の組み付け前において外径が上記第２内周面の上記第２の内径以上である位置決め外周面部を有し、
上記円筒部の軸方向の上記第２内周面側とは反対側の端から上記位置決め部外周面部までの軸方向の距離は、上記第１の軸方向の長さよりも短く、
上記弾性部材の全ての部分が、上記外側環状部材に径方向に重なり、
上記円筒部を上記第１内周面に嵌め込む際、上記円筒部を上記第１内周面に到達させる途中において、上記第２内周面に上記位置決め外周面部が接触することを特徴とする密封構造。