JP5487672B2 - 物理量センサ - Google Patents

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Description

本発明は、物体に働く歪や張力を検出する物理量センサに関するものである。

近年、マイクロマシン技術を応用して、物体に働く歪や張力を検出する小形で高性能の物理量センサが開発されつつある。このような物理量センサとしては図6に示すようなものが知られている(特許文献1参照)。図6は従来の物理量センサの断面図を示したもので、この図6において、1はシリコン等の半導体基板で、この半導体基板1の表面には酸化シリコン層や窒化シリコン層からなる絶縁層2が形成され、かつこの絶縁層2の表面には多結晶シリコンや金属層からなる下部電極3と上部電極5とを有する振動素子部が設けられている。また、前記上部電極5はリボン状弾性体をなし、かつその長手方向の両端部は絶縁層2の表面に固定され、そして、その中央部は空洞4を介して下部電極3と対向しているものである。そしてまた、前記半導体基板1上には電子回路部6が前記振動素子部と一体的に形成されている。さらに、前記半導体基板1の略中央には空洞部7が設けられており、かつこの半導体基板1は、前記空洞部7の両側の部分によって、歪や張力を測定する被測定体8に固定されているものである。

上記構成において、振動素子部の下部電極3と上部電極5との間に、上部電極5の中央部が有する固有周波数に対応する交流電圧を印加すると、下部電極3と上部電極5間に生ずる静電引力と上部電極5の弾性応力の相互作用により、上部電極5の中央部は共振して特定の周波数と振幅で振動する。

このように振動素子部が振動している状態で、被測定体8に矢印E、Fの方向の伸び歪が生じると、半導体基板1に絶縁層2を介して固定された上部電極5の長手方向の両端部も矢印E、Fと同じ方向に拡げられる。この時、半導体基板1における空洞部7の上に位置する部分は薄く形成されているため、上部電極5の中央部に発生する歪は前記空洞部7の両側の部分に発生する歪よりも大きくなる。これにより、上部電極5の中央部に張力が印加されることになるため、上部電極5の中央部の振動周波数または振動振幅が変化する。そして、この物理量センサはこの振動周波数または振動振幅の変化を電子回路部6で処理することにより、被測定体8に生じた歪や張力を求めることができるものである。

なお、この出願の発明に関する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開平7−333077号公報

しかしながら、上記した従来の物理量センサにおいては、電子回路部6を半導体基板1の上に一体に形成しているため、空洞部7の両側の部分に発生する歪によって、電子回路部6を構成する抵抗等の回路素子の値が変化して回路が不安定になり誤動作が発生するという問題点を有していた。また、振動素子部と電子回路部6が暴露された状態となっているため、水分やダスト等が振動素子部や電子回路部6に付着することになり、これにより、センサ機能が阻害されてしまうという問題点をも有していた。

本発明は上記従来の問題点を解決するもので、物体に働く歪や張力を常に安定した状態で検出することができる物理量センサを提供することを目的とするものである。

上記目的を達成するために、本発明は以下の構成を有するものである。

本発明は、応力により歪が発生する起歪体と、この起歪体に配置され、かつ起歪体の歪量に応じて振動周波数または振動振幅が変化する振動子と、前記起歪体に配置され、かつ前記振動子からの出力を処理する処理回路とを備え、前記起歪体に発生する歪を振動子に伝達させるとともに、前記処理回路には前記歪が実質的に伝達されないように構成したもので、この構成によれば起歪体に発生する歪を振動子によって正確に検出することができるとともに、処理回路には前記歪が実質的に伝達されないように構成しているため、処理回路内の回路素子値の変動も抑制することができ、これにより、物体に働く歪や張力を常に安定した状態で検出することができるという作用効果を有するものである。

本発明は、特に、起歪体に振動子と処理回路を収納保護する外装材を設け、かつこの外装材には前記起歪体に発生する歪が実質的に伝達されないように構成したもので、この構成によれば、外装材の存在により、振動子や処理回路を水分やダスト等から保護することができ、また、外装材によって起歪体に発生する歪が抑制されることもないため、起歪体に発生する歪を振動子によって正確に検出することができ、これにより、物体に働く歪や張力を常に安定した状態で検出することができるという作用効果を有するものである。

本発明は、特に、起歪体と外装材とを弾性を有する接着剤で接続したもので、この構成によれば、外装材によって起歪体に発生する歪が抑制されることはないため、起歪体に発生する歪を振動子によって正確に検出することができ、これにより、物体に働く歪や張力を常に安定した状態で検出することができるという作用効果を有するものである。

本発明は、特に、起歪体と振動子とを剛性を有する物質で接続したもので、この構成によれば、起歪体に発生する歪と実質的に同じ歪を振動子に発生させることができ、これにより、起歪体に発生する歪を振動子によって正確に検出することができるという作用効果を有するものである。

本発明は、特に、起歪体と処理回路とを弾性を有する接着剤で接続したもので、この構成によれば、起歪体に歪が発生しても処理回路には歪が発生しないように構成しているため、処理回路内の回路素子値の変動を抑制することができ、これにより、物体に働く歪や張力を常に安定した状態で検出することができるという作用効果を有するものである。

本発明は、特に、処理回路を可撓性プリント基板に実装し、かつこの可撓性プリント基板と起歪体とを弾性を有する接着剤で接続したもので、この構成によれば、起歪体に発生する歪を可撓性プリント基板と弾性を有する接着剤の両者で吸収することができるため、歪による処理回路内の回路素子値の変動をより一層抑制することができ、これにより、物体に働く歪や張力を常に安定した状態で検出することができるという作用効果を有するものである。

以上のように本発明の物理量センサは、応力により歪が発生する起歪体と、この起歪体に配置され、かつ起歪体の歪量に応じて振動周波数または振動振幅が変化する振動子と、前記起歪体に配置され、かつ前記振動子からの出力を処理する処理回路とを備え、前記起歪体に発生する歪を振動子に伝達させるとともに、前記処理回路には前記歪が実質的に伝達されないように構成しているため、起歪体に発生する歪を振動子によって正確に検出することができるとともに、処理回路には前記歪が実質的に伝達されることはなくなり、その結果、処理回路内の回路素子値の変動も抑制することができるため、物体に働く歪や張力を常に安定した状態で検出することができるという優れた効果を奏するものである。

以下、本発明の実施の形態1における物理量センサについて、図面を参照しながら説明する。

図1(a)は本発明の実施の形態1における物理量センサの上面図、図1(b)は同物理量センサの側面図、図2は図1(a)のA−A線断面図である。図1(a)(b)および図2において、21はSUS等の金属からなり応力によって歪が発生する起歪体で、この起歪体21の上にポリイミドフィルム等からなる可撓性プリント基板22が装着されている。そして、この可撓性プリント基板22には起歪体21に発生する歪量に応じて振動周波数が変化する振動子23と、前記起歪体21に配置され、かつ前記振動子23からの出力を処理するICや抵抗等からなる処理回路24が設けられている。そしてまた、前記起歪体21には前記振動子23と処理回路24の全体を収納保護するセラミックや金属からなる外装材25が配置されている。

図3(a)は上記物理量センサに装着される振動子の上面図、図3(b)は図3(a)のB−B線断面図、図3(c)は図3(a)のC−C線断面図である。この図3(a)(b)(c)において、26はシリコン等からなる半導体基板で、この半導体基板26の表面には酸化シリコン層や窒化シリコン層からなる絶縁層が形成されている。27は半導体基板26をエッチング処理して形成した梁部、28は前記梁部27を取り囲む固定部である。また、前記梁部27の表面には順に下部電極、PZT等からなる圧電体層(いずれも図示せず)が形成されている。そしてまた、前記梁部27の中央部には駆動電極29が形成され、かつ梁部27の端部には検出電極30が形成され、そして、前記駆動電極29、検出電極30は配線パターン(図示せず)によりランド31に接続されるものである。また、前記振動子23は半導体基板26における梁部27の両端の固定部28において、起歪体21に発生する歪が振動子23に伝達されるようにAu−Au接合等の金属系接合材やエポキシ樹脂等の剛性を有する物質32で接続固定されているものである。

振動子23における下部電極と駆動電極29との間に、梁部27が有する固有周波数に対応する交流電圧を印加すると、梁部27は共振して特定の周波数と振幅で振動する。

このように振動子23が上下に弦振動している状態で、起歪体21に矢印E、Fの方向の伸び歪が生じると、前記梁部27における両端の固定部28も矢印E、Fと同じ方向に拡げられる。この時、前記梁部27に発生する歪は前記固定部28に発生する歪よりも大きくなる。これにより、梁部27に張力が印加されることになるため、梁部27の振動周波数または振動振幅が変化するものである。

本発明の物理量センサは、梁部27の振動周波数または振動振幅の変化を処理回路24で処理することにより、起歪体21に発生する歪や張力を求めることができるものである。

図4は本発明の実施の形態1における物理量センサの分解斜視図を示したもので、この図4を用いて物理量センサの製造方法を説明する。

最初に、SUS等の金属からなる起歪体21の所定の位置に振動子23をAu−Au接合等の金属系接合材やエポキシ樹脂等の剛性を有する物質32で接続固定する。

次に、可撓性プリント基板22にICや抵抗等からなる処理回路24を半田実装する。

次に、前記起歪体21に発生する歪が処理回路24に実質的に伝達されないように、前記可撓性プリント基板22をシリコン樹脂等の弾性を有する接着剤33を用いて起歪体21に接続固定する。この可撓性プリント基板22には振動子23と対応する位置に開口(デバイスホール)34が設けられており、そして、振動子23のランド31と可撓性プリント基板22との接続は、起歪体21に歪が生じて可撓性プリント基板22が移動しても振動子23と可撓性プリント基板22との電気的接続が確保されるように、ワイヤボンディングや開口34の周辺から突き出して設けられたインナーリード等によって行われている。

次に、セラミックや金属からなる外装材25を起歪体21と可撓性プリント基板22の上にシリコン樹脂等の弾性を有する接着剤35を用いて接続固定することにより、前記振動子23と処理回路24の全体を収納保護する。これにより、振動子23や処理回路24を水分やダスト等から保護することができるとともに、外装材25によって起歪体21に発生する歪が抑制されることがないため、起歪体21に発生する歪を振動子23によって正確に検出することができる。この時、外装材25の高さは外装材25の底面における可撓性プリント基板22と接触する部分で可撓性プリント基板22の厚み分だけ小さくしているものである。

図5は本発明の実施の形態2における物理量センサの分解斜視図を示したもので、この図5を用いて物理量センサの製造方法を説明する。

最初に、SUS等の金属からなる起歪体36の所定の位置に振動子23をAu−Au接合等の金属系接合材やエポキシ樹脂等の剛性を有する物質32で接続固定する。そして、この起歪体36の端部には、ガラス等の絶縁体ペーストを印刷した後、銀ペースト等の導体ペーストを印刷して形成した厚みが約10〜30μmの外部接続端子37が設けられている。

次に、可撓性プリント基板22にICや抵抗等からなる処理回路24を半田実装する。

次に、前記起歪体36に発生する歪が処理回路24に実質的に伝達されないように、前記可撓性プリント基板22をシリコン樹脂等の弾性を有する接着剤33を用いて接続固定する。この可撓性プリント基板22には振動子23と対応する位置に開口(デバイスホール)34が設けられており、そして、振動子23のランド31と可撓性プリント基板22との接続は、起歪体36に歪が発生して可撓性プリント基板22が移動しても振動子23と可撓性プリント基板22との電気的接続が確保されるように、ワイヤボンディングや開口34の周辺から突き出して設けられたインナーリード等によって行われている。

次に、可撓性プリント基板22と外部接続端子37とをワイヤボンディング等によって電気的に接続する。

次に、セラミックや金属からなる外装材25を起歪体36と可撓性プリント基板22の上にシリコン樹脂等の弾性を有する接着剤35を用いて接続固定することにより、前記振動子23と処理回路24の全体を収納保護する。これにより、振動子23や処理回路24を水分やダスト等から保護することができるとともに、外装材25によって起歪体36に発生する歪が抑制されることがないため、起歪体36に発生する歪を振動子23によって正確に検出することができる。この時、外部接続端子37は上記したように起歪体36の上に印刷により形成されているため、外装材25と外部接続端子37が接触する部分にできる段差はシリコン樹脂等の弾性を有する接着剤33の厚みに対して無視することができ、その結果、外装材25の底面の加工をする必要はなくなるものである。

本発明に係る物理量センサは、起歪体に発生する歪を振動子によって正確に検出することができるとともに、処理回路に前記歪が実質的に伝達されないように構成することにより、処理回路内の回路素子値の変動を抑制することができ、これにより、物体に働く歪や張力を常に安定した状態で検出することができるという効果を有するものであり、特に、物体に働く歪や張力を検出する物理量センサとして有用なものである。

(a)本発明の実施の形態1における物理量センサの上面図、(b)同物理量センサの側面図 図1(a)のA−A線断面図 (a)同物理量センサに装着される振動子の上面図、(b)図3(a)のB−B線断面図、(c)図3(a)のC−C線断面図 同物理量センサの分解斜視図 本発明の実施の形態2における物理量センサの分解斜視図 従来の物理量センサの断面図

21、36 起歪体
22 可撓性プリント基板
23 振動子
24 処理回路
25 外装材
32 剛性を有する物質
33、35 弾性を有する接着剤

Claims (4)

  1. 応力により歪が発生する起歪体と、この起歪体に配置され、かつ起歪体の歪量に応じて振動周波数または振動振幅が変化する振動子と、前記起歪体に配置され、かつ前記振動子からの出力を処理する処理回路とを備え、前記起歪体と前記振動子とを金属を有する接合材又はエポキシ樹脂を有する物質からなる剛性を有する物質で接続し、前記起歪体に振動子と処理回路を収納保護する外装材を設け、前記起歪体と前記外装材とをシリコン樹脂からなる弾性を有する接着剤で接続した物理量センサ。
  2. 起歪体と処理回路とを弾性を有する接着剤で接続した請求項1に記載の物理量センサ。
  3. 処理回路を可撓性プリント基板に実装し、かつこの可撓性プリント基板と起歪体とを弾性を有する接着剤で接続した請求項1または2に記載の物理量センサ。
  4. 応力により歪が発生する起歪体と、この起歪体に配置され、かつ起歪体の歪量に応じて振動周波数または振動振幅が変化する振動子と、前記起歪体に配置され、かつ前記振動子からの出力を処理する処理回路とを備え、前記起歪体と前記振動子とを剛性を有する物質で接続し、前記処理回路を可撓性プリント基板に実装し、かつこの可撓性プリント基板と起歪体とを弾性を有する接着剤で接続した物理量センサ。
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