JP5485824B2 - 安全キャビネット - Google Patents

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Description

本発明は、ドラフトチャンバーやバイオハザード対策用クラスIIキャビネット、ケミカルハザード対策用キャビネット等の安全キャビネットに係り、特に汚染物質の処理にプレフィルタを利用した安全キャビネットに関する。
ドラフトチャンバーやナノテクノロジー用キャビネット、ケミカルハザード対策用キャビネット、バイオハザード対策用クラスIIキャビネット(これらを総称して、以下「安全キャビネット」と呼ぶ)では、装置正面に前面シャッターを設け、装置内部に形成した作業空間内で作業するにあたっては、前面シャッター下部に形成した作業開口部から腕を挿入し、ナノ材料やケミカル汚染物質を取り扱っている。
その際、実験中にナノ材料やケミカル汚染物質により作業者が汚染されないよう、作業開口部から装置内に吸い込み気流を発生させるかエアバリアを設けている。その例が、特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載の清浄作業台は、吸い込み室内の空気を送風機で排気ダクトに送るように構成されており、さらに送風機の前後の排気ダクト中にプレフィルタとメインフィルタとを設けている。
また、吸い込み気流を形成した他の例が非特許文献1に開示されている。このオンライン情報では、吸い込み気流により装置外の空気が作業開口部から作業空間内に流入し、作業空間内で取り扱っているナノ材料や汚染物質と一緒に、作業空間内に取り付けたプレフィルタに付着した粗塵をも除去している。プレフィルタよりも気流の風下側(2次側)には、HEPAフィルタが配置されており、微細な塵埃を濾過して、清浄空気を排気口から装置外へ排出している。
特開平2−217735号公報
株式会社ダルトン カタログ "ナノマテリアル対策キャビネット・ダルトン"、[online]、[平成22年6月28日検索]、インターネット(URL:http://www.dalton.co.jp/products/topics/nano/01.html)
上記従来の安全キャビネットにおいては、作業空間内でナノ粒子や汚染物質を取り扱うので、試験や観察等の作業終了後にフィルタの交換が、周期がそれほど短くはないといえ、必要となる。微細フィルタであるHEPAフィルタの交換周期は使用法にもよるが、数年に一度であるのに比べて、比較的大きな塵埃や異物を除去するプレフィルタの場合には、数ヶ月に1回交換という場合もある。
ところで、HEPAフィルタの早期の目詰まりを防止するためにプレフィルタを設けているので、HEPAフィルタには、多量の微細な塵埃であるナノ粒子やケミカル汚染物質が多く付着する。このナノ粒子やケミカル汚染物質が付着したHEPAフィルタを交換する場合は、作業空間の背面に設けられている作業室内カバーを開け、HEPAフィルタ側に設けたビニールバッグでHEPAフィルタを覆い、HEPAフィルタに付着した汚染物質に触れることなく、HEPAフィルタを取り出す構造になっている。このように、交換周期の長いHEPAフィルタは、ビニールバッグで覆いながら取り出すので、作業者が汚染する可能性は少ない。
これに対して、プレフィルタは最初に比較的大きな塵埃を除去し、HEPAフィルタに比べて早く目詰まりを起こすので、HEPAフィルタより交換頻度が多くなる。しかも、プレフィルタは作業空間内にあるので、プレフィルタを取り出すときに、作業者は汚染物質の存在している空間に腕を入れる必要がある。また、プレフィルタには、大きな塵埃だけではなく、汚染物質も付着している。ケミカルハザード対策用キャビネットのプレフィルタ交換作業は、作業者が汚染物質に接触する機会を与える。
つまり、交換周期の短いプレフィルタを交換する場合に、作業者が取り扱いを誤ると、作業者が汚染するおそれが生じる。上記従来技術のいずれにおいても、プレフィルタの交換時には、汚染物質がある空間に作業者が腕を入れ、汚染したプレフィルタをそのまま取り出す必要があった。また、プレフィルタの交換周期はHEPAフィルタより短く、作業者が汚染物質に接触する機会が増している。
本発明は上記従来技術の不具合に鑑みなされたものであり、その目的は、安全キャビネットにおいて、プレフィルタ交換時の汚染の可能性を低減することにある。
上記目的を達成する本発明の特徴は、本体ケース内に設けられた作業空間の前面側に前面シャッターを、背面壁側にプレフィルタを配置し、このプレフィルタのさらに背面側にHEPAフィルタと吸排気手段とを備え、前面シャッターの下部に形成した作業開口部から吸排気手段により作業空間に吸い込まれた空気をプレフィルタ、HEPAフィルタの順でフィルタリングして本体ケース外に排気する安全キャビネットにおいて、作業空間の背面壁部の下部にプレフィルタをフィルタ面が垂直方向になるように配置し、このプレフィルタを取り外し可能に保持する保持手段と取り出し口とを作業空間または本体ケースの少なくともいずれかに設け、さらに、保持手段は作業空間に取り付けられプレフィルタと係合する引っ掛け金具であり、取り出し口は作業空間の底面とこの底面に形成した作業台との間に形成した開口であり、この開口の下に消毒液の入る消毒槽を設けたことにある。
そしてこの特徴において、保持手段は作業空間に取り付けたフィルタガイドと本体ケースの下部に設けたプレフィルタ部カバーであり、取り出し口はプレフィルタ部カバーが着脱自在に覆うプレフィルタ取り出し口であってもよい。また、保持手段は作業空間に取り付けたレール状の案内手段であり、取り出し口は本体ケースの側面に形成したプレフィルタ取り出し口であってもよく、保持手段はプレフィルタを上下方向に本体ケースから延在させた延材部であり、取り出し口はこの延材部が嵌め合う本体ケースに形成したプレフィルタ取り出し口であってもよい。
上記目的を達成する本発明の他の特徴は、本体ケース内に設けられた作業空間の前面側に前面シャッターを配置し、この作業空間の背面側にプレフィルタとHEPAフィルタとを着脱可能に取り付けるとともに吸排気手段を備え、前面シャッターの下部に形成した作業開口部から吸排気手段により作業空間に吸い込まれた空気をプレフィルタ、HEPAフィルタの順でフィルタリングして本体ケース外に排気する安全キャビネットにおいて、プレフィルタを取り外し可能に保持する保持手段と取り出し口とを前記作業空間または本体ケースの少なくともいずれかに設け、保持手段は作業空間に取り付けられプレフィルタと係合する引っ掛け金具であり、取り出し口は作業空間の底面とこの底面に形成した作業台との間に形成した開口であり、この開口の下に消毒液の入る消毒槽を設け、少なくともプレフィルタの上流側にこのプレフィルタに、消毒液または接着剤の少なくともいずれかを噴霧可能な噴霧手段を備えたことにある。
上記いずれかの特徴において、HEPAフィルタの近傍にこのHEPAフィルタを収容可能な袋を配置してもよい。
本発明によれば、プレフィルタとHEPAフィルタとを有する安全キャビネットにおいて、作業者が作業空間に手を入れずにプレフィルタを取り出すようにしたので、プレフィルタ交換時の作業者の汚染のおそれを低減できる。本発明によれば、また、プレフィルタを取り出す前に作業者が作業空間に手を入れずにプレフィルタに付着した汚染物質を無効化できるので、プレフィルタ交換時の作業者の汚染のおそれを低減できる。
本発明に係る安全キャビネットの実施例1の縦断面図(a)及び正面図(b)である。 図1に示した安全キャビネットにおいて、プレフィルタの取り出し手順を説明する図である。 本発明に係る安全キャビネットの実施例2の縦断面図(a)及び正面図(b)である。 図3に示した安全キャビネットにおいて、プレフィルタの取り出し手順を説明する図である。 本発明に係る安全キャビネットの実施例3の縦断面図(a)及び一部断面正面図(b)である。 図5に示した安全キャビネットにおいて、プレフィルタの取り出し手順を説明する図である。 本発明に係る安全キャビネットの実施例4の縦断面図(a)及び正面図(b)である。 図7に示した安全キャビネットにおいて、プレフィルタの取り出し手順を説明する図である。 本発明に係るドラフトチェンバーの実施例5の縦断面図(a)及び正面図(b)である。 図9に示したドラフトチェンバーが有するプレフィルタ部の詳細断面図である。
以下、本発明のいくつかの実施例を、図面を用いて説明する。
図1および図2を用いて、本発明に係る安全キャビネットの実施例1を説明する。図1(a)は安全キャビネット1の縦断面図であり、図1(b)はその正面図である。図2は、図1(a)のプレフィルタ部を取り出して示した図であり、プレフィルタ11の取り出し動作を説明するための図である。なお、以下の説明においては、安全キャビネット1の中で、装置内に送風機を配置したものをケミカルハザード対策用キャビネット、装置外に送風機を配置したものをドラフトチャンバーと呼ぶこともある。ただし、装置内部の気流の流れは両者とも同様である。
安全キャビネット1では、試験や観察等を行う作業空間3を中心にして、前面側には上下に移動可能な前面シャッター4が設けられている。作業空間3の背面側上部には、HEPAフィルタ12を取り出す開口を覆ってカバー13が設けられている。カバー13は、パッキン14を介して開口を密封している。作業空間3背面側下部には、平板状のプレフィルタ11がフィルタ面を垂直にして設けられており、作業空間3内で発生した汚染物質や塵埃等をフィルタリングする。
作業空間3の底面は、作業台2になっている。作業台2の下方の空間および作業空間3の背面側の空間、作業空間3の上方の空間は連通しており、作業空間3へ流入し作業空間3で汚染した空気から、塵埃や汚染物質を取り除いて外部へ排気する流路となっている。そのため、作業空間3の背面の空間には、HEPAフィルタ12が取り付けられており、HEPAフィルタ12の上方には、送風機5が取り付けられている。安全キャビネット1の本体ケース1aの天井部には、排気口8が形成されている。
このように構成した安全キャビネット1における空気の流れを、以下に説明する。前面シャッター4の下には作業開口部6が形成されており、送風機5により作業開口部6から装置外の空気が吸い込まれ、流入気流7が形成される。流入気流7は、作業空間3内に入る。流入気流7には、ケミカルハザード対策用キャビネット1を配置した室内の埃や塵埃が含まれる。
作業空間3に入った流入気流7は、作業空間3内で取り扱われている汚染物資10と一緒に、プレフィルタ11で比較的大きな塵埃やホコリが除去される。そして、プレフィルタ11の風下に設けたHEPAフィルタ12で、ナノ粒子や汚染物質10がさらにフィルタリングされる。HEPAフィルタ12を通過した清浄空気は、送風機5から排気口8へ排出される。このとき、図示しない作業者は作業開口部6から作業空間3に腕を挿入し、作業空間3内でナノ粒子や汚染物質10を取り扱う。作業開口部6に流入した流入気流7により、作業空間3内の汚染物質10がケミカルハザード対策用キャビネット1の外に漏れ出るのを防止している。
作業空間3の背面に配置したプレフィルタ11は、比較的大きな塵埃やホコリを気流の流れの最初に除去し、HEPAフィルタ12に直接、大きな塵埃やホコリが付着するのを防止している。HEPAフィルタ12もプレフィルタ11も、塵埃が付着すると空気が流れにくくなり、空気の流動抵抗が所定以上になると交換が必要になる。プレフィルタ11を設けてHEPAフィルタ12が大きな塵埃により目詰まりするのを防止し、HEPAフィルタ12の長寿命化を図っている。
上述したようにHEPAフィルタ12もプレフィルタ11も、流動抵抗が所定以上になれば交換する。そこで、HEPAフィルタ12とHEPAフィルタ12を取り出すためのカバー13の間には、ビニールバッグ15が配置されている。このビニールバッグ15は、空気の漏れない袋形状または機密性が保たれるのであればビニール製でなくとも良い。
HEPAフィルタ12に塵埃が詰まり、取り出す必要がある場合は、カバー13を取り外し、ビニールバッグ15越しにHEPAフィルタ12を取り外す。そして、ビニールバッグ15へHEPAフィルタ12を収納して密封し、ケミカルハザード対策用キャビネット1の外に取り出す。このようにすることにより、HEPAフィルタ12交換時にも、HEPAフィルタ12に付着した汚染物質10に触れる可能性を排除できる。
HEPAフィルタ12の取り出しは、以上のようにして周囲を汚染することなく実行できる。一方、作業空間3に配置したプレフィルタ11については、以下のようにして周囲の汚染を防止する。プレフィルタ11の直下には、消毒槽20が配置されている。消毒槽20は本体ケース1aの外周に配置されているので、消毒槽20で安全キャビネット1内部の汚染区域と安全キャビネット1外部の一般の空間が仕切られる。
次に、図2を用いてプレフィルタ11の取り出しを説明する。図2(a)は、作業中等における作業空間3の壁面部にプレフィルタ11が取り付けられている状態である。プレフィルタ11の上部には、プレフィルタ11を保持するために、引っ掛け金具16が配置されている。
引っ掛け金具16は、L字状に形成されており、L字の曲がり角部を中心に回動可能になっている。L字の一方の辺には、プレフィルタ11に係合する係合部が形成されており、他方の辺はレバーとなっている。作業空間3の底面を構成する作業台2に隣り合って、取り外し可能に消毒槽カバー17が配置されている。消毒槽カバー17の端面は、プレフィルタ11の下端部を保持するガイドになっており、作業室3の背面壁端部とともにプレフィルタ11を垂直方向に保持する。
プレフィルタ11が目詰まりして交換が必要になったら、引っ掛け金具16のレバー部を上方(図で左回り)に回動させる。プレフィルタ11と引っ掛け金具16の係合部が外れる。係合部が外れたので、プレフィルタ11は消毒槽カバー17と作業空間3の背面壁間の空間をガイドにして、下方に落下する(図2(b)参照)。
プレフィルタ11の下方には、消毒槽20を設けているので、プレフィルタ11は消毒槽20に落ちた瞬間にその衝撃で倒れて(図2(c)参照)、消毒槽20内に横たわる。消毒槽20には消毒液が充填されているので、プレフィルタ11は消毒液に浸される(図2(d)参照)。これによりプレフィルタ11に付着した汚染物質を、無効化できる。なお、消毒液としてはホルマリンやジ亜塩素酸が用いられる。
汚染物質の無効化が終了したら、消毒槽カバー17を外し、消毒槽20内からプレフィルタ11を取り出す(図2(e)参照)。プレフィルタ11に付着した汚染物質が無効化しても、プレフィルタ11は目詰まりしている状態なので、消毒槽カバー17を元に戻して、消毒槽カバー17をガイドにして新しいプレフィルタ11を立てかける。引っ掛け金具16の係合部にプレフィルタ11が係合するよう引っ掛け金具16のレバーを回動させ、プレフィルタ11を交換する。
本発明に係る安全キャビネット1の他の実施例を、図3および図4を用いて説明する。図3(a)は安全キャビネット1の縦断面図であり、図3(b)はその正面図である。図4は、図3(a)のA部の詳細図であり、プレフィルタ11の取り出し動作を説明するための図である。本実施例が実施例1と異なるのは、プレフィルタ11の取り付けと、作業空間の底面を構成する部分から消毒槽を省いたことにある。
消毒槽がなくなったので、プレフィルタ11の取り出しの際に作業者が汚染されないようにする手段の必要性がより高まってくる。そこで、作業空間3の背面壁にプレフィルタガイド24を利用してプレフィルタ11を取り付けるのは実施例1と同様であるが、プレフィルタ11を真下に取り出せるようにしている。そして、取り出しの際には真下の部分に袋状の収容具を用意しておく。その詳細を以下に説明する。
作業台2の一部に開口が形成されており、この開口をプレフィルタ11が通り抜けることができるようにする。作業台2の下方に本体ケース1aが位置しており、本体ケース1aの作業台2に形成した開口に対応する位置に、プレフィルタ11が通り抜けることが可能なプレフィルタ取り出し口19が形成されている。このプレフィルタ取り出し口19を覆うように、プレフィルタ部カバー18が横方向にスライド可能または着脱自在に設けられている。
このように構成した本実施例では、図4に示すように、プレフィルタ11の交換が必要になったら(図4(a)参照)、プレフィルタ11を保持していたプレフィルタ部カバー18を図で右側にスライドさせる。プレフィルタ11は押さえがなくなったので、真下に落下する(図4(b)参照)。ここで、プレフィルタ11の落下位置には、密封可能な袋25が準備されているから、作業者は汚染されることなくプレフィルタ11を安全キャビネット1から取り出せる。または、直ちに消毒槽に入れられる。
なお、ケミカルハザード対策用キャビネット1の運転時には、キャビネット1の内部は陰圧(−)になっているので、装置の外からプレフィルタ取り出し口19の隙間を通って、装置の内側に流れる気流が形成される。したがって、装置内で取り扱っている汚染物質10が装置外に漏れるおそれは無い。また、プレフィルタ11を、汚染物質10が存在するかもしれない作業空間3とは無関係のケミカルハザード対策用キャビネット1の作業台2の下方から取り出すので、プレフィルタ11交換時に、作業者が作業空間3内の汚染物質10に接触する可能性を低減できる。プレフィルタ11を取り出した後は、新しいプレフィルタ11をプレフィルタ取り出し口19から挿入し、プレフィルタ部カバー18をスライドさせて保持する。
本実施例によれば、プレフィルタ11を作業台2の下方から取り出すことができるので、作業性が向上するとともに、汚染拡大を回避できる。つまり、プレフィルタ11を作業空間3内から取り外す場合は、作業空間3内に配置した実験材料などを先に外に取り出し、取り出し作業ができるようにする必要がある。作業空間3内のものを外に取り出すと、作業空間3内の汚染が外に拡大するおそれがあり、作業空間とは無関係の場所から作業が可能な本実施例は、汚染拡大防止に有効である。
本発明に係る安全キャビネットのさらに他の実施例を図5および図6を用いて説明する。図5(a)は安全キャビネット1の縦断面図であり、図5(b)はその正面図である。この図5では中央部分を境に右半分にプレフィルタ部付近での断面図を示している。図6は、図5(b)と同様の図であり、プレフィルタ11の取り出し動作を説明するための図である。
本実施例は実施例2とほぼ同様の構成であるが、実施例2と異なり平板状のプレフィルタ11を水平方向に取り出すように構成している。図示しないガイドレール等でプレフィルタ11の上部は、保持およびガイドされている。作業空間3の底面を構成する作業台2の端部にプレフィルタ11は載置される。本体ケース1aの側面には、プレフィルタ取り出し口19が形成されている。そしてこのプレフィルタ取り出し口19の外側に、プレフィルタ部カバー18が着脱自在に取り付けられており、装置外部と装置内部を仕切っている。
プレフィルタ部カバー18が仕切る本体ケース1a内側の空間は、HEPAフィルタ12の吸い込み側の陰圧(−)の空間と繋がっている。陰圧(−)の空間があるので、プレフィルタ部カバー18の取り付け部に隙間があっても、ケミカルハザード対策用キャビネット1を運転中に外の空気がHEPAフィルタ12の吸い込み側に入る流れが形成され、汚染物質10が装置の外に漏れるおそれが無い。
本実施例3におけるプレフィルタ11の取り出しの様子を、図6を用いて説明する。プレフィルタ11を取り出す時は、プレフィルタ部カバー18を取り外し、本体ケース1aの側面に形成したプレフィルタ取り出し口19からプレフィルタ11を引き出す。その際密封可能な袋を準備しておき、引き出したプレフィルタ11を直ちに袋25内に収納する。または、消毒槽に入れて汚染の拡大を防止する。プレフィルタ11を取り出した後は、新しいプレフィルタ11をプレフィルタ取り出し口19に挿入し、プレフィルタ部カバー18を取り付ける。本実施例によれば、実施例2と同様、作業空間3内に配置した実験材料などとは無関係に、装置の外から交換作業ができるので、作業空間3内の汚染物質10の汚染拡大防止に有効である。
本発明に係る安全キャビネットのさらに他の実施例を図7および図8を用いて説明する。図7(a)は安全キャビネット1の縦断面図であり、図5(b)はその正面図である。図8は、図7(a)と同様の図であり、プレフィルタ11の取り出し動作を説明するための図である。
本実施例4は上記実施例2,3と同様の構成であるが、プレフィルタ11を上方に取り出す点が実施例2,3と相違する。本体ケース1aの上面に、プレフィルタ取り出し口19が形成されている。作業空間3内の空気は、プレフィルタ11で粗塵が除去され、HEPAフィルタ12で微細な塵埃が除去される。プレフィルタ11の上端部は、プレフィルタ取り出し口19から僅かに上方に飛び出して延材部が形成されており、この延材部を持ち上げる(図8(a)参照)ことにより、プレフィルタ11は取り出せ、密閉可能な袋25に収納できる(図8(b)参照)。なお延材部は、プレフィルタ取り出し口19に嵌め合うことにより、プレフィルタ11を作業空間3に保持している。
この一連の操作は、すべて上方から操作することが可能であるので、卓上型のケミカルハザード対策用キャビネットに適している。なお、プレフィルタ取り出し口19は、作業空間3の陰圧(−)圧部分に配置されているので、プレフィルタ取り出し口19の隙間から、汚染物質10が装置外に漏れることは無い。
本実施例でも、実施例2、3と同様、作業空間3内に配置した実験材料などとは無関係に装置の外から交換作業が出来るので、作業空間3内の汚染物質10の汚染拡大防止に有効である。また、本実施例では、プレフィルタ11のフィルタ部を高さ方向に全面に形成しているが、プレフィルタ11のフィルタ部は背面の開口部の大きさとし、その上方はHEPAフィルタ12の取り出し部カバー13を兼用するようにすることもできる。
本発明に係る安全キャビネットのさらに他の実施例を、図9および図10を用いて説明する。図9(a)は安全キャビネット1の縦断面図であり、図9(b)はその正面図である。図10は、図9(a)のB部詳細図であり、プレフィルタ11の消毒を説明するための図である。
実施例1とは異なり、プレフィルタ11は作業空間3の背面の空間に配置されており、HEPAフィルタ12の真下に位置している。作業空間3と背面の空間の境界には、作業者の手が背面の空間に侵入するのを防止するために、金網等の仕切りが設けられている。さらに、プレフィルタ11の気流吸い込み側、すなわち真下に間隔を置いて、消毒液が流れる消毒液パイプ22が配置されている。消毒液パイプ22では、軸方向間隔を置いて適宜箇所に、上面に向いた消毒液吹き出し口が形成されている。消毒液吹き出し口からはヨウ素等の消毒液が噴霧状に吐出される。
図10(a)では、プレフィルタ11の真下に配置した消毒液パイプ22から消毒液23を噴霧し、プレフィルタ11に吹き付けている状態であり、図10(b)はさらにHEPAフィルタ12の真下にも消毒液パイプ22を配置して、HEPAフィルタ12にも消毒液を噴霧した状態である。
なお、噴霧するものは、消毒液だけではなく、接着剤を用いるとHEPAフィルタ12やプレフィルタ11に付着した汚染物質を保持することができ、周囲に撒き散らされるのを防止できる。これらの消毒液や接着剤の噴霧は、HEPAフィルタ12やプレフィルタ11の取り出し直前に実施するのが望ましい。HEPAフィルタ12やプレフィルタ11取り出し前に、消毒液・接着剤をフィルタ11,12に吹き付けると、フィルタ11、12を移動する時の汚染の拡大を防止できる。
上述した本発明の各実施例によれば、安全キャビネットにおいて汚染物質が付着したプレフィルタを交換または取り出す際に、汚染を無効にするか、または作業空間とは無関係で、汚染物質が存在しない場所からプレフィルタを取り出せ、汚染物質の拡大が防止できるとともに、作業者が汚染物質に触れる可能性も減らすことが可能となる。
なお上記実施例では、ケミカルハザード対策用キャビネットを例にとり説明したが、ドラフトチャンバーやバイオハザード対策用クラスIIキャビネット、ケミカルハザード対策用キャビネットにも、本発明を適用できることは言うまでもない。
1…安全キャビネット(ケミカルハザード対策用キャビネット、ドラフトチャンバー)
1a…本体ケース
2…作業台
3…作業空間
4…前面シャッター
5…送風機(吸排気手段)
6…作業開口部
7…流入気流
8…排気口
9…排気空気
10…汚染物質
11…プレフィルタ
12…HEPAフィルタ
13…カバー
14…パッキン
15…ビニールバッグ
16…引っ掛け金具
17…消毒槽カバー
18…プレフィルタ部カバー
19…プレフィルタ取り出し口
20…消毒槽
21…作業者
22…消毒液パイプ
23…消毒液
24…プレフィルタガイド
25…袋。

Claims (6)

  1. 本体ケース内に設けられた作業空間の前面側に前面シャッターを、背面壁側にプレフィルタを配置し、このプレフィルタのさらに背面側にHEPAフィルタと吸排気手段とを備え、前記前面シャッターの下部に形成した作業開口部から前記吸排気手段により作業空間に吸い込まれた空気を前記プレフィルタ、前記HEPAフィルタの順でフィルタリングして前記本体ケース外に排気する安全キャビネットにおいて、
    前記作業空間の背面壁部の下部に前記プレフィルタをフィルタ面が垂直方向になるように配置し、このプレフィルタを取り外し可能に保持する保持手段と取り出し口とを前記作業空間または前記本体ケースの少なくともいずれかに設け、さらに、前記保持手段は前記作業空間に取り付けられ前記プレフィルタと係合する引っ掛け金具であり、前記取り出し口は前記作業空間の底面とこの底面に形成した作業台との間に形成した開口であり、この開口の下に消毒液の入る消毒槽を設けたことを特徴とする安全キャビネット。
  2. 前記保持手段は前記作業空間に取り付けたフィルタガイドと前記本体ケースの下部に設けたプレフィルタ部カバーであり、前記取り出し口は前記プレフィルタ部カバーが着脱自在に覆うプレフィルタ取り出し口であることを特徴とする請求項1に記載の安全キャビネット。
  3. 前記保持手段は前記作業空間に取り付けたレール状の案内手段であり、前記取り出し口は前記本体ケースの側面に形成したプレフィルタ取り出し口であることを特徴とする請求項1に記載の安全キャビネット。
  4. 前記保持手段は前記プレフィルタを上下方向に前記本体ケースから延在させた延材部であり、前記取り出し口はこの延材部が嵌め合う前記本体ケースに形成したプレフィルタ取り出し口であることを特徴とする請求項1に記載の安全キャビネット。
  5. 本体ケース内に設けられた作業空間の前面側に前面シャッターを配置し、この作業空間の背面側にプレフィルタとHEPAフィルタと吸排気手段とを着脱可能に取り付けるとともに吸排気手段を備え、前記前面シャッターの下部に形成した作業開口部から前記吸排気手段により作業空間に吸い込まれた空気を前記プレフィルタ、前記HEPAフィルタの順でフィルタリングして前記本体ケース外に排気する安全キャビネットにおいて、
    記プレフィルタを取り外し可能に保持する保持手段と取り出し口とを前記作業空間または前記本体ケースの少なくともいずれかに設け、前記保持手段は前記作業空間に取り付けられ前記プレフィルタと係合する引っ掛け金具であり、前記取り出し口は前記作業空間の底面とこの底面に形成した作業台との間に形成した開口であり、この開口の下に消毒液の入る消毒槽を設け、少なくとも前記プレフィルタの上流側にこのプレフィルタに、消毒液または接着剤の少なくともいずれかを噴霧可能な噴霧手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の安全キャビネット。
  6. 前記HEPAフィルタの近傍にこのHEPAフィルタを収容可能な袋を配置したことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載の安全キャビネット。
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