JP5485064B2 - 光ファイバケーブル - Google Patents

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本発明は、光ファイバケーブルに関し、特に、屋外にて電柱と光加入者宅との間を光接続するために使用されるドロップ型の光ファイバケーブル、あるいは屋内にて建物内に布設されるインドア用の光ファイバケーブルに関する。
近年、FTTH(fiber to the home)の普及に伴い、光加入者宅への光ファイバケーブルの布設作業が急速に進められている。光ファイバケーブルの架空布設の際には、作業者が光ファイバケーブルを電柱から光加入者宅に引き込む作業を行っており、これにより電柱と光加入者宅との間が光接続される。
屋外での布設作業に使用される光ファイバケーブルとしては、例えば、支持線部と光ファイバ部とを連結させてなる、いわゆるドロップ型の光ファイバケーブル(以下、単に「ドロップケーブル」という)がある。また、屋内の布設作業では、ドロップ型の光ファイバケーブルと構成が異なる、いわゆるインドア用の光ファイバケーブル(以下、単に「インドアケーブル」という)が使用されている。
図6は、従来のドロップ型の光ファイバケーブルの構成を示す断面図である。
図6において、光ファイバケーブル100は、保護被覆101で被覆されるケーブル部110と支持線部120とを首部130で連結して形成されている。ケーブル部110は、保護被覆101に被覆された2心の光ファイバ心線102と、この光ファイバ心線102の両側に配設される2本の補強線103とを備えている。また、ケーブル部110の保護被覆101の表面における側面対向位置にノッチ111が形成され、このノッチ111により、管路入線の際に管路内壁に対する接触面積を極力小さくして摩擦係数を小さくすると共に、ケーブル部110自体の適当な屈曲性を実現している。支持線部120は、鋼製のメッセンジャーワイヤ104をケーブル部110と同じ保護被覆101で被覆して構成されている(特許文献1)。
特開2008−129062号公報
上記光ファイバケーブルのケーブル部では、該ケーブル部の長辺方向に沿う平面の各中央部にノッチが形成されており、且つ長辺方向に沿って2本の光ファイバが隣接して配列されている。布設作業の際、上記のように構成されるケーブル部をノッチにて引き裂いて光ファイバ心線を取り出そうとすると、両ノッチに発生した亀裂がいずれか一方の光ファイバ心線にのみ到達し、他方の光ファイバ心線には亀裂が到達しない場合がある。係る場合、亀裂が到達しなかった他方の光ファイバ心線がケーブル部に被覆されたままとなり、その取り出しが困難であるという問題がある。
この問題を解消するべく、2つのノッチ211,211がケーブル部210の長辺方向に関してずれて形成された光ファイバケーブル200が提案されている(図7(a))。この構成によれば、両ノッチに発生した亀裂が一方の光ファイバ心線にのみ到達することを抑制することが可能である。しかしながら、両ノッチに亀裂を発生させるためには、両ノッチにニッパ等の工具の刃を嵌入する必要があり(図7(b))、ケーブル部自体を傾斜しなければならず、その作業が煩雑である。
また、ケーブル部長手方向の中間位置にてファイバ心線を取り出す場合にはデタッチャと呼ばれる工具が使用されている。2つのノッチにデタッチャの二対の刃を嵌入させた状態で一対の刃を他方の一対の刃と離間することによりケーブル部内の光ファイバ心線を露出し、これにより光ファイバ心線の取り出しが可能となる。しかしながら、ノッチが大きくずれて形成されている場合には、二対の刃を2つのノッチに嵌入することができず、光ファイバ心線を取り出すことができないという問題がある。
本発明の目的は、2本のファイバ心線を容易且つ確実に取り出すことができ、作業性を向上することができる光ファイバケーブルを提供することにある。
上記目的を達成するために、上記目的を達成するために、本発明に係る光ファイバケーブルは、隣接して配列された2本の光ファイバ心線と、前記2本の光ファイバ心線と所定距離を隔てて配された少なくとも1つの抗張力体と、前記2本の光ファイバ心線及び前記少なくとも1つの抗張力体を一体的に被覆するシースとを有する光ファイバケーブルであって、前記シースは、前記2本の光ファイバ心線の配列方向に沿って設けられた一対の外表面を有し、前記一対の外表面上に、前記2本の光ファイバ心線の中心位置に対して点対称となる位置に一対の切欠きが形成され、前記2本の光ファイバ心線の中心位置を通り且つ前記2本の光ファイバ心線の配列方向に対して直角に延びる直線が、前記一対の切欠きの一部を通り、前記直線と前記切欠きの最奥部との距離が、0.03mm〜0.06mmであることを特徴とする。
また、前記切欠きは、前記外表面から前記シースの内部に向かって傾斜する傾斜面を有し、前記直線が前記傾斜面と交わる。
また、前記切欠きは、2つの傾斜面を有する断面略V字型のノッチであり、前記直線と前記切欠きの最奥部との距離をL、前記光ファイバ心線の外径をAとしたとき、0.24A≦Lを満たす。
さらに、前記光ファイバ心線の外径がφ0.25mmである
上記光ファイバケーブルは、前記外表面と前記2つの傾斜面とが交わる位置に形成される2つのエッジ部を更に有し、前記直線と前記2つのエッジ部との距離が夫々0.2mm以上である。
また、上記光ファイバケーブルは、2心インドアケーブル又は2心ドロップケーブルである。
本発明の光ファイバケーブルによれば、シースに設けられた一対の外表面上に、2本の光ファイバ心線の中心位置に対して点対称となる位置に一対の切欠きが形成されるので、一対の切欠きの双方に発生した亀裂が一方の光ファイバ心線にのみ到達するのを防止することができ、2本の光ファイバ心線の双方を露出させることができる。また、2本の光ファイバ心線の中心位置を通り且つ該2本の光ファイバ心線の配列方向に対して直角に延びる直線が一対の切欠きの一部を通り、前記直線と前記切欠きの最奥部との距離が0.03mm〜0.06mmであるので、デタッチャを用いる場合に二対の刃を一対の切欠きに嵌入することが可能となり、光ファイバ心線の取り出し性が良好となる。したがって、2本のファイバ心線を容易且つ確実に取り出すことができ、作業性を向上することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る光ファイバケーブルの構成を示す斜視図である。 図1の光ファイバケーブルの構成を示す断面図である。 図2における一対の切欠きの拡大断面図である。 図1のインドアケーブルから2本の光ファイバ心線を取り出す方法を説明する図であり、(a)〜(c)は各工程を示す。 図3における一対の切欠きの変形例を示す断面図である。 従来の光ファイバケーブルの構成を示す断面図である。 従来の他の光ファイバケーブルの構成を示す図であり、(a)は断面図、(b)は、2本の光ファイバ心線を取り出す場合における光ファイバケーブルの状態を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る光ファイバケーブルの構成を示す斜視図であり、図2は、図1の光ファイバケーブルの構成を示す断面図である。
図1及び図2において、光ファイバケーブルとしてのインドアケーブル1は、隣接して配列された2本の光ファイバ心線11,12と、光ファイバ心線11,12の外周に形成され、該2本の光ファイバ心線を覆うシース20と、シース20内に設けられ、2本の光ファイバ心線11,12の両側に所定距離を隔てて配された一対の抗張力体13,14とを有している。シース20は、2本の光ファイバ心線11,12及び一対の抗張力体13,14を一体的に被覆している。そして、2本の光ファイバ心線11,12の中心及び一対の抗張力体13,14の中心は、略同一面上に位置するように配置されている。
2本の光ファイバ心線11,12は、シース20の長辺方向に沿って隣接して配列されている。光ファイバ心線11,12は、着色成分を含有する紫外線硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂等から成る樹脂にてガラス光ファイバを被覆してなるものであり、その外径は、例えばφ0.25mmである。
一対の抗張力体13,14は、例えば、単鋼線、強化繊維としてアラミド繊維あるいはガラス繊維を用いたFRPから成り、その外径が0.4〜0.5mmである。一対の抗張力体13,14は、シース20に加えられる長手方向の張力によってシース20内部で光ファイバ心線が破断するのを防止する役割を果たしている。
シース20は、断面略矩形であり、その長辺方向の外法は3.1mm、短辺方向の外法は2.0mmである。シース20は、例えば難燃性ポリオレフィンから成る。
また、シース20は、2本の光ファイバ心線11,12の配列方向に沿って設けられ且つ互いに平行となるように形成された一対の外表面21,22を有しており、一対の外表面21,22上には、2本の光ファイバ心線11,12の中心位置Cに対して点対称となる位置に一対の切欠き31,32が形成されている(図2)。
切欠き31は、線対称形状を有する溝部であり、例えば断面略V字型のノッチである。断面略V字型のノッチの幅、深さ及び切欠き角度は、夫々0.55mm、0.48mm、60度である。切欠き32は切欠き31と同一形状である。本実施の形態では、2本の光ファイバ心線11,12の中心位置Cを通り且つ2本の光ファイバ心線11,12の配列方向Xに対して直角に延びる直線Yが、一対の切欠き31,32の一部を通っている。これにより、光ファイバ心線11,12を取り出す際にケーブル自体を傾斜することなくニッパの刃を一対の切欠きに嵌入することができ、作業性が向上する。
図3は、図2における一対の切欠き31,32の拡大断面図である。
図3に示すように、切欠き31は、外表面21からシース20の内部に向かって傾斜する一対の傾斜面31a,31bを有しており、直線Yが傾斜面31aと交わっている。同様に、切欠き32は、外表面22からシース20の内部に向かって傾斜する一対の傾斜面32a,32bを有しており、直線Yが傾斜面32aと交わっている。
また、本実施の形態では、直線Yと切欠き31の最奥部31cとの距離をL1、光ファイバ心線11の外径をAとしたとき、0.24A≦L1の関係式を満たすように切欠き31が形成されている。光ファイバ心線11,12の外径がφ0.25mmである場合は、距離L1,L2は共に0.06mm以上であることが好ましい。
この場合、切欠き31の最奥部31cは、光ファイバ心線12との距離よりも光ファイバ心線11との距離の方が近い位置に形成されている。また、切欠き32の最奥部32cは、光ファイバ心線11との距離よりも光ファイバ心線12との距離の方が近い位置に形成されている。したがって、最奥部31cから発生する亀裂は、光ファイバ心線12に到達せずに光ファイバ心線11に到達し、一方、最奥部32cから発生する亀裂は、光ファイバ心線11に到達せずに光ファイバ心線12に到達する。これにより、切欠き31,32の双方に発生した亀裂が一方の光ファイバ心線にのみ到達するのを防止することができる。
図4は、図1のインドアケーブル1から2本の光ファイバ心線11,12を取り出す方法を説明する図であり、(a)〜(c)は各工程を示す。本実施の形態では、4つの突起状の刃を有するデタッチャと呼ばれる工具を用いて光ファイバ心線を取り出す行程を説明する。
図4(a)〜図4(c)に示すように、先ず、デタッチャの一対の刃41,42のうちの刃41と、一対の刃43,44のうちの刃43とを切欠き31に嵌入する。刃41,43は、不図示の軸部材によって軸支されており、切欠き32の上方から該切欠きに向かって互いに接近するように回動し、切欠き31に嵌入される(図4(a))。また、一対の刃41,42のうちの刃42と、一対の刃43,44のうちの刃44とを切欠き32に嵌入する(図4(b))。このとき、インドアケーブル1は、刃41,42及び支持部45によってその一方側が挟持され、刃43,44及び支持部46によってその他方側が挟持されている。次に、一対の刃41,42と一対の刃43,44とを互いに離間する。この離間動作により、シース20には切欠き31から光ファイバ心線11に到達した亀裂が形成されると共に、切欠き32から光ファイバ心線12に到達した亀裂が形成される。そして、これらの亀裂と2本の光ファイバ心線11,12の界面とにより、インドアケーブル1が、抗張力体13を含む一方の部材1aと、抗張力体14を含む他方の部材1bとに分離される(図4(c))。この結果、2本の光ファイバ心線11,12が露出し、これらの光ファイバ心線が取り出される。
上述したように、本実施の形態によれば、シース20に設けられた一対の外表面21,22上に、2本の光ファイバ心線11,12の中心位置に対して点対称となる位置に一対の切欠き31,32が形成される。よって、一対の切欠き31,32の双方に発生した亀裂が一方の光ファイバ心線にのみ到達するのを防止することができ、2本の光ファイバ心線11,12の双方を露出させることができる。また、2本の光ファイバ心線11,12の中心位置を通り且つ該2本の光ファイバ心線の配列方向に対して直角に延びる直線Yが一対の切欠き31,32の一部を通っているので、ニッパを用いて光ファイバ心線を取り出す際にケーブル自体を傾斜する必要がなく、デタッチャを用いる場合にも二対の刃を一対の切欠きに嵌入することが可能となる。したがって、2本のファイバ心線を容易且つ確実に取り出すことができ、作業性を向上することができる。
図5は、図3における一対の切欠き31,32の変形例を示す断面図である。尚、図6に示す首部は、その構成が図3の一対の切欠き31,32と基本的に同じであり、以下に異なる部分を説明する。
図5において、インドアケーブル60における一対の外表面21,22上には、2本の光ファイバ心線11,12の中心位置Cに対して点対称となる位置に一対の切欠き61,62が形成されている。切欠き61は、非線対称形状を有する断面略V字型のノッチであり、その幅、深さ及び切欠き角度は夫々0.77mm、0.48mm、76度である。切欠き62は切欠き62と同一形状である。
また、インドアケーブル60は、外表面21と傾斜面61aが交わる位置に形成されるエッジ部63と、外表面21と傾斜面61bが交わる位置に形成されるエッジ部64とを更に有している。エッジ部63とエッジ部64との間には直線Yが位置しており、直線Yとエッジ部63との距離をL3、直線Yとエッジ部64との距離をL4としたとき、距離L3及びL4が夫々0.2mm以上である。距離L3及びL4が夫々0.2mm以上であることとしたのは、距離L3,L4のいずれかが0.2mm以下であると、エッジ部63とエッジ部64の距離が0.4mm未満となり、デタッチャの刃41,43の双方を切欠き61に嵌入することが困難となるからである。
本変形例では、切欠き61は非線形形状であり、傾斜面61aが傾斜面61bよりも大きくなるように形成されている。よって、初期亀裂が傾斜面61a上に発生する場合があるが、この亀裂はシース20の長手方向に進行するにつれて最奥部61cに近づき、最終的に最奥部61cに到達する。その後、亀裂は最奥部61cから光ファイバ心線11に到達する。同様にして、切欠き62で発生した亀裂は、最奥部62cを経て光ファイバ心線12に到達する。したがって、切欠き61,62の双方に発生した亀裂が一方の光ファイバ心線にのみ到達することが防止される。
本変形例によれば、光ファイバ心線11,12の中心位置を示す直線Yとエッジ部63との距離L3、及び直線Yとエッジ部64との距離L4が夫々0.2mm以上であるので、デタッチャの刃41,43を切欠き61に、刃42,44を切欠き62に夫々嵌入することができ、2本の光ファイバ心線11,12を容易且つ確実に取り出すことができる。
尚、本実施の形態では、光ファイバケーブルはインドアケーブルであるが、これに限るものではなく、ドロップケーブルであってもよい。
また、本実施の形態では、インドアケーブル1は、2本の光ファイバ心線11,12の両側に所定距離を隔てて配された一対の抗張力体13,14を有するが、これに限るものではなく、2本の光ファイバ心線11,12の中心位置Cから所定距離を隔てて配された少なくとも1本の抗張力体を有していてもよい。
また、本実施の形態では、シース20は難燃性ポリオレフィンから成るが、この難燃性ポリオレフィンとしては、例えばエチレン・α-オレフィン共重合体(エチレン・α-オレフィン共重合体としては、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)、LDPE(低密度ポリエチレン)、VLDPE(超低密度ポリエチレン)、EBR(エチレンーブタジエンゴム)、及びシングルサイト触媒存在下に合成されたエチレン・α-オレフィン共重合体等)や、ポリプロピレン樹脂(ホモポリプロピレン、エチレン・プロピレンランダム共重合体、エチレン・プロピレンブロック共重合体、プロピレンと他の少量のα−オレフィン(例えば、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等)との共重合体、プロピレンとエチレンプロピレンの共重合体(TPO)を混合することによって得られる樹脂等)をそれぞれ単独で、または混合することによって得られる材料が用いられる。
以下、本発明の実施例を説明する。
本実施例では、従来の光ファイバケーブルから2本の光ファイバ心線を取り出す場合の作業性を鋭意調査した。その結果、シースに形成された一対のノッチが、2本の光ファイバ心線の中心位置に対して点対称となる位置に形成されると、両ノッチから発生する亀裂が互いに異なる光ファイバ心線に到達し、両光ファイバ心線の取り出しが容易となることが分かった。一方、両ノッチが互いに大きく離れた位置に形成されると、ニッパやデタッチャ等の刃を両ノッチに嵌入することが困難となって作業性が低下したり、両ノッチに亀裂を発生させることができないため、両光ファイバ心線の取り出しが困難となることが分かった。
そこで、2本のファイバ心線を容易且つ確実に取り出すことを目的として、一対のノッチが形成された2心のインドアケーブルについて、以下のように実験を行った。
〈実験1〉
先ず、低引張強度−高伸び(引張強度TS:13.8MPa、破断伸びEL:489%、JIS K 7113「プラスチックの引張試験方法」に準拠)の物性を示す難燃性ポリオレフィンにて、2本のφ0.25mm光ファイバ心線、及び2本のφ0.4mm炭鋼線を覆う外法寸法2.0mm×3.1mmのシースを作製した。そして、2本の光ファイバ心線の中心位置に対して点対称となる位置に、深さ0.48mm、断面正三角形の一対のノッチを形成した。その後、一対のノッチの形成位置が異なる数種類のインドアケーブルを作製した。
実施例1〜3では、2本の光ファイバ心線の中心位置を通り且つ該2本の光ファイバ心線の配列方向に対して直角に延びる直線からノッチの最奥部の位置までの距離L(ノッチシフト量)を、夫々0.06mm、0.18mm、0.26mmとした。一方、比較例1〜5では、上記距離Lを、夫々0.0mm、0.03mm、0.3mm、0.39mm、0.45mmとした。
次に、作製した複数のインドアケーブルについて、以下の評価項目を設定した。
(1)インドアケーブル端部における光ファイバ心線の取り出し性及び作業性
先ず、常温下で、インドアケーブル端部のノッチにニッパで10mmの切り込みを形成し、該切り込みが形成されたケーブル端部を左右に30cm程度引き裂く。そして、ケーブル端部を引き裂いたときに、手を触れることなく2本の光ファイバ心線の双方をシースから取り出すことができた場合と、1本又は2本の光ファイバ心線の双方がシースに取り込まれ、シースを意図的に湾曲させて該シースから光ファイバ心線を取り出す必要があった場合とに分けて評価することとした。具体的には、上記取り出し作業を各インドアケーブルについて30回ずつ行い、ケーブル端部を引き裂いたときに、手を触れることなく2本の光ファイバ心線の双方がシースから取り出された確率(光ファイバ心線の取り出し性)が95%以上である場合を「○」、95%未満である場合を「×」として評価した。
また、作業者は、通常、ニッパの切断方向を略鉛直方向と一致させた状態でニッパを使用する。よって、略鉛直方向と一致する切断方向に対してインドアケーブルを傾斜する必要がある場合には、該ケーブルを傾斜する必要がない場合に比べて作業性が低下することになる。そこで、ノッチに刃を嵌入する際に、ニッパの刃の切断方向に対してインドアケーブル自体を傾斜する必要が無かった場合(作業性)を「○」、インドアケーブル自体を傾斜する必要があった場合を「×」として評価した。
上記評価項目(1)に基づいて各インドアケーブルを判定した結果を表1に示す。
Figure 0005485064

表1において、比較例1は、ノッチシフト量が0である従来のインドアケーブルである。2本の光ファイバ心線の中心位置を通り且つ2本の光ファイバ心線の配列方向に対して直角に延びる直線Y(図3参照)が各ノッチの中心位置を通っている。すなわち、各ノッチが直線Yと重なる位置に形成されているため、ニッパで切り込みを形成する際に、インドアケーブル自体を傾斜する必要がなかった。しかし、手を触れることなく2本の光ファイバ心線の双方がシースから取り出された確率は63%であり、取り出し性は評価基準値となる95%を超えなかった。この評価基準値を超えなかったインドアケーブルに形成された亀裂を観察すると、いずれのサンプルにおいても、一対のノッチの双方から発生した亀裂がいずれか一方の光ファイバ心線にのみ到達しており、亀裂が到達しなかった他方の光ファイバ心線がシースに被覆されたままとなっていた。
比較例2は、ノッチシフト量が0.03mmであるインドアケーブルである。ケーブル端部における光ファイバ心線の取り出し性は、比較例1と比較すると改善したものの、評価基準値となる95%を超えなかった。
比較例3〜5は、ノッチシフト量が夫々0.3mm,0.39mm,0.45mmのインドアケーブルである。これらのケーブル端部における取り出し性は評価基準値となる95%を超えたものの、直線Yが一対のノッチのいずれも通っておらず、ニッパで切り込みを形成する際にインドアケーブル自体を傾斜する必要があり、作業性が困難であった。
一方、実施例1〜3は、ノッチシフト量が夫々0.06mm,0.18mm,0.26mmのインドアケーブルである。いずれのケーブル端末においても、取り出し性は評価基準値となる95%を超え、また、インドアケーブル自体を傾斜する必要がなかった。
この結果から、直線Yが各ノッチの一部を通るように一対のノッチが形成されている場合において、ノッチシフト量が大きくなる程、1つのノッチから発生した亀裂が対応する1つの光ファイバ心線に到達する確率が高くなるため、光ファイバ心線の取り出し性が良好となることが分かった。そして、光ファイバ心線の外径φ0.25mmに対してノッチシフト量が0.06mm以上であれば、光ファイバ心線の取り出し性が評価基準値となる95%を超えることが分かった。
そこで、外径φ0.9mmである2本の光ファイバ心線を用いてインドアケーブルを作製し、外径φ0.25mmの光ファイバ心線を用いた場合と同じノッチを形成した後、上記と同様の評価を行った。その結果を表2に示す。
Figure 0005485064

表2に示すように、光ファイバ心線の外径φ0.9mmに対してノッチシフト量が0.22mm以上であれば、光ファイバ心線の取り出し性が評価基準値となる95%を超えた。したがって、表1及び表2の結果から、ノッチシフト量が光ファイバ心線の外径の24%以上であれば、光ファイバ心線の取り出し性及び作業性が良好となることが分かった。
(2)インドアケーブル中間位置における光ファイバ心線の取り出し作業性
次に、常温下で、インドアケーブル長手方向における任意の中間位置にデタッチャを装着し、インドアケーブルの長手方向に沿って亀裂を形成してシースを開いた状態とした。そして、シースを開いた状態としたときに、手を触れることなく2本の光ファイバ心線の双方がシースから取り出すことができた場合と、1本又は2本の光ファイバ心線がシースに取り込まれ、シースを意図的に湾曲させて該シースから光ファイバ心線を取り出す必要がある場合とに分けて評価することとした。具体的には、上記取り出し作業を各インドアケーブルについて30回ずつ行い、デタッチャの二対の刃が一対のノッチに嵌入されてシースが裂けた確率(光ファイバ心線の取り出し性)が95%以上である場合を「○」、95%未満である場合を「×」として評価した。
上記評価項目(2)に基づいて各インドアケーブルを判定した結果を表3に示す。
Figure 0005485064

比較例12〜15は、ノッチシフト量が夫々0.18mm,0.26mm,0.3mm,0.39mmのインドアケーブルである。これらのインドアケーブルでは、デタッチャの二対の刃の全てを一対のノッチに嵌入することが困難であり、これらのケーブルの中間位置における光ファイバ心線の取り出し性は、評価基準値となる95%を超えなかった。
一方、実施例6〜8は、ノッチシフト量が夫々0.03mm,0.05mm,0.06mmのインドアケーブルである。いずれのインドアケーブルにおいても、デタッチャの二対の刃の全てを一対のノッチに嵌入することができ、取り出し性は評価基準値となる95%を超えた。
したがって、デタッチャを用いる場合には、ノッチシフト量が0.03mm以上0.06mm以下であれば、光ファイバ心線の取り出し性が良好となることが分かった。
〈実験2〉
次に、デタッチャの刃の幅寸法について詳しく調査した結果、ノッチの両側に形成される2つのエッジ部の双方が直線Yから0.2mm以上離れていない場合には、二対の刃の左右の2つがノッチに嵌入されないことが分かった。そして、デタッチャの二対の刃のうち1つでもノッチに嵌入されないと、該嵌入されなかった刃がケーブル外表面を摺動するため、シースが引き裂けず、内部の光ファイバ心線が取り出せないことが分かった。
そこで、上記実施例及び比較例とは異なる形状(図5参照)のノッチをシースに形成し、一対のノッチの形成位置が異なる数種類のインドアケーブルを作製した。
実施例9〜12では、ノッチシフト量を夫々0.18mm,0.26mm,0.3mm,0.39mmとし、且つ2つのエッジ部の双方が直線Yから0.2mm以上離れた位置にあるものとした。また、2つのエッジ部のうち直線Yに近い方の距離(中心位置からエッジ部までの最小距離)を、夫々0.2mm,0.25mm,0.23mm,0.22mmとした。
上記評価項目(2)に基づいて各インドアケーブルを判定した結果を表4に示す。
Figure 0005485064

実施例9〜12では、いずれのインドアケーブルにおいても、デタッチャの二対の刃の全てを一対のノッチに嵌入することができ、取り出し性は評価基準値となる95%を超えた。
上記の結果より、ノッチシフト量が0.18mm以上0.39mm以下である場合、直線Yとノッチの両側に形成される2つのエッジ部との距離が共に0.2mm以上であれば、デタッチャの二対の刃の全てを一対のノッチに嵌入することが可能となり、デタッチャによって2本の光ファイバ心線を確実に取り出すことができることが分かった。
1 インドアケーブル
11,12 光ファイバ心線
13,14 一対の抗張力体
20 シース
21,22 一対の外表面
31,32 一対の切欠き
31a,31b 一対の傾斜面
32a,32b 一対の傾斜面
31c 最奥部
63,64 エッジ部

Claims (6)

  1. 隣接して配列された2本の光ファイバ心線と、前記2本の光ファイバ心線と所定距離を隔てて配された少なくとも1つの抗張力体と、前記2本の光ファイバ心線及び前記少なくとも1つの抗張力体を一体的に被覆するシースとを有する光ファイバケーブルであって、
    前記シースは、前記2本の光ファイバ心線の配列方向に沿って設けられた一対の外表面を有し、
    前記一対の外表面上に、前記2本の光ファイバ心線の中心位置に対して点対称となる位置に一対の切欠きが形成され、
    前記2本の光ファイバ心線の中心位置を通り且つ前記2本の光ファイバ心線の配列方向に対して直角に延びる直線が、前記一対の切欠きの一部を通り、
    前記直線と前記切欠きの最奥部との距離が、0.03mm〜0.06mmであることを特徴とする光ファイバケーブル。
  2. 前記切欠きは、前記外表面から前記シースの内部に向かって傾斜する傾斜面を有し、前記直線が前記傾斜面と交わることを特徴とする請求項1記載の光ファイバケーブル。
  3. 前記切欠きは、2つの傾斜面を有する断面略V字型のノッチであり、
    前記直線と前記切欠きの最奥部との距離をL、前記光ファイバ心線の外径をAとしたとき、0.24A≦Lを満たすことを特徴とする請求項2記載の光ファイバケーブル。
  4. 前記光ファイバ心線の外径がφ0.25mmであることを特徴とする請求項3記載の光ファイバケーブル。
  5. 前記外表面と前記2つの傾斜面とが交わる位置に形成される2つのエッジ部を更に有し、
    前記直線と前記2つのエッジ部との距離が夫々0.2mm以上であることを特徴とする請求項3又は4のいずれか1項に記載の光ファイバケーブル。
  6. 2心インドアケーブル又は2心ドロップケーブルであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光ファイバケーブル。
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