JP5484720B2 - アンテナモジュール、及び、その製造方法 - Google Patents

アンテナモジュール、及び、その製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、磁界を発信する発信器との間で発生する電磁誘導により通信可能状態となるアンテナモジュール、及び、このアンテナモジュールの製造方法に関する。
RFID(Radio Frequency Identification)用のアンテナモジュールとして、次のような数種類のものが従来から用いられている。第1に、FPC(FlexiblePrinted Circuit)やリジット基板を用いてコイルパターンを平面上に作成したアンテナモジュールがある。第2に、丸線を巻き線にしてコイルを作成したアンテナモジュールがある。第3に、FPCやFFC(Flexible Flat Cable)などをハーネスにして、そのハーネスをリング状にしてコイルを形成したアンテナモジュールがある。
上述したアンテナモジュールは、部品の配置、形状を考慮した設計により、適宜選択されて、電子機器に組み込まれて使用されている。
また、RFIDを用いたICカードに組み込まれるアンテナモジュールに要求される機能としては、カードの両面で使用できる事が好ましい。また、携帯電話機などの電子機器に組み込まれる形態では、他の部品の配置を考慮して、この機器の側面にリボン状のアンテナコイルとして配置される場合がある。(例えば、特許文献1を参照。)。
電子機器内にアンテナコイルを配置する場合、電子機器の金属製筐体や内部部品に使用されている金属の影響を受けないようにするため、透磁率の比較的高い磁性シートをアンテナコイルまたはその周辺に取り付けている。より具体的には、RFID用として用いられる代表的な周波数13.56MHzで透磁率が30[μH/m]から80[μH/m]程度の磁気特性を有する磁性シートをアンテナコイルまたはその周辺に取り付けることによって、アンテナコイルから発生する磁界周囲に配置されている金属内での渦電流の発生を防ぎ、良好な通信性能がえられるよう、形状や組合せ等の最適化が行われている。
特開2004−364199号公報
上述したように、従来から、電子機器の形状や金属等の部品の影響を考慮してアンテナモジュールの設計を行っているが、機器の形状の複雑化や小型化のために、アンテナモジュールのサイズが十分に確保できない場合がある。その結果として通信性能が要求に満たないため、より通信特性の良好なアンテナモジュールが求められている。
より具体的には、アンテナコイルのインダクタンスなどの電気的な特性が変化することで、アンテナコイルとIC回路とからなる並列共振回路において、通信周波数のずれが発生し通信性能の劣化がおこる。したがって、この観点から電気的な特性変化の少ないという意味において信頼性能が高くなるような設計が求められる。
また、アンテナモジュールの価格の低減が求められており、より汎用な材料から高性能なアンテナモジュールを開発することが求められている。
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、汎用な材料を用いて、アンテナコイルの電気的な特性の変化を抑えることにより、コストを抑えつつ通信特性が良好なアンテナモジュール、及び、このアンテナモジュールの製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するための手段として、本発明に係るアンテナモジュールは、開口部を有する矩形状のコア基板と、コア基板の外周面に平角線が捲装されることで形成され、磁界を発信させる発信器と誘導結合されて通信可能となるアンテナコイルと、コア基板の外周面に形成されたアンテナコイルに重畳され、発信器から発信される磁界をアンテナコイルに引き込む磁性膜とを備え、アンテナコイルは、コア基板の外周面に平角線が、該平角線に被覆された絶縁材の膜厚と、該平角線を被覆する絶縁材の表面に塗布される接着剤の膜厚とに応じて、所定の線間隔で離間して捲装されることで形成される上記平角線は、その短辺が0.05[mm]乃至0.3[mm]、長辺が0.2[mm]乃至1[mm]であり、上記アンテナコイルは、上記平角線の長辺が上記磁界の方向と平行して、その長辺で規定される表面を基準とした線間隔が70[μm]乃至150[μm]で離間して上記コア基板の外周面に捲装されることで形成され、発信周波数が13.56[MHz]の磁界を発信する上記発信器と誘導結合されて通信可能となる。
また、本発明に係るアンテナモジュールの製造方法は、 磁界を発信する発信器と誘導結合されて通信可能となるアンテナコイルを備えるアンテナモジュールの製造方法において、開口部を有する矩形状のコア基板に、上記発信器から発信される磁界をアンテナコイルに引き込む磁性膜を重畳し、上記コア基板の外周面に、短辺が0.05[mm]乃至0.3[mm]、長辺が0.2[mm]乃至1[mm]である平角線を、該平角線に被覆された絶縁材の膜厚と、該平角線を被覆する絶縁材の表面に塗布される接着剤の膜厚とに応じて、所定の線間隔で離間して捲装して上記アンテナコイルを形成し、上記アンテナコイルは、上記平角線の長辺が上記磁界の方向と平行して、その長辺で規定される表面を基準とした線間隔が70[μm]乃至150[μm]で離間して上記コア基板の外周面に捲装されることで形成され、発信周波数が13.56[MHz]の磁界を発信する上記発信器と誘導結合されて通信可能となる。
本発明は、コア基板の外周面に平角線が捲装されることで、形状の安定化が図られたアンテナコイルを形成することができる。したがって、本発明は、汎用な材料を用いて、例えば変形等に起因するアンテナコイルの電気的な特性の変化を抑えることができ、結果として、コストを抑えつつ通信特性が良好なアンテナモジュールを提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。
<無線通信システム>
本発明が適用されたアンテナモジュールは、電磁波を発信する発信器との間で発生する電磁誘導により通信可能状態となる装置であって、例えば図1に示すようなRFID(Radio Frequency Identification)用の無線通信システム100に組み込まれて使用される。
無線通信システム100は、本発明が適用されたアンテナモジュール1と、アンテナモジュール1に対するアクセスを行うリーダーライター2とからなる。
リーダーライター2は、アンテナモジュール1に磁界を発信する発信器として機能し、具体的には、アンテナモジュール1に向けて磁界を発信するアンテナ2aと、アンテナ2aを介して誘導結合されたアンテナモジュール1と通信を行う制御基板2bとを備える。
すなわち、リーダーライター2は、アンテナ2aと電気的に接続された制御基板2bが配設されている。この制御基板2bには、一又は複数の集積回路チップ等の電子部品からなる制御回路が実装されている。この制御回路は、アンテナモジュール1から受信されたデータに基づいて、各種の処理を実行する。例えば、制御回路は、アンテナモジュール1にデータを書き込む場合、データを符号化し、符号化したデータに基づいて、所定の周波数(例えば、13.56MHz)の搬送波を変調し、変調した変調信号を増幅し、増幅した変調信号でアンテナ2aを駆動する。また、制御回路は、アンテナモジュール1からデータを読み出す場合、アンテナ2aで受信されたデータの変調信号を増幅し、増幅したデータの変調信号を復調し、復調したデータを復号する。なお、制御回路では、一般的なリーダーライターで用いられる符号化方式及び変調方式が用いられ、例えば、マンチェスタ符号化方式やASK(Amplitude Shift Keying)変調方式が用いられている。
このようにして電子機器に組み込まれるアンテナモジュール1は、誘導結合されたリーダーライター2との間で通信可能となるアンテナコイル11と、磁界をアンテナコイル11に引き込むようにアンテナコイル11と重畳する位置に形成された磁性膜12と、アンテナコイル11に流れる電流により駆動してリーダーライター2との間で通信を行う通信処理部13とを備える。
アンテナコイル11は、例えば銅などの導電性の高い平角線を捲装することによって形成され、ユーザ等によりアンテナコイル11がリーダーライター2から発信される磁界を平角線が受けるようにかざされると、リーダーライター2と誘導結合によって磁気的に結合され、変調された電磁波を受信して、接続端子11aを介して受信信号を通信処理部13に供給する。
磁性膜12は、このアンテナコイル11と重畳する位置に形成され、リーダーライター2から発信される磁界をアンテナコイル11に引き込む。具体的に、磁性膜12は、携帯通信用機器内部に設けられた金属部品がリーダーライター2から発信される磁界を跳ね返すのを抑制するために、磁界が放射されてくる方向の反対側にはりつけた構造をとる。磁性膜12としては、例えば、Fe−Si−Cr系、Fe−Si−Al系、Fe−Ni系、アモルファス系などのメタル扁平粉が高分子材に配向圧縮された磁性シート、成型品またはフェライト材が使用される。
通信処理部13は、アンテナコイル11に流れる電流により駆動し、リーダーライター2との間で通信を行う。具体的には、通信処理部13は、受信された変調信号を復調し、復調したデータを復号して、復号したデータを、当該通信処理部13が有する内部メモリに書き込む。また、通信処理部13は、リーダーライター2に送信するデータを内部メモリから読み出し、読み出したデータを符号化し、符号化したデータに基づいて搬送波を変調し、誘導結合によって磁気的に結合されたアンテナコイル11を介して変調された電波をリーダーライター2に送信する。
以上のような構成からなる無線通信システム100において、本実施形態に係るアンテナモジュール1は、汎用な材料を用いて、アンテナコイル11のインダクタンス等の電気的な特性の変化を抑えることによって、コストを抑えつつ通信特性を良好に確保するため、図2に示すような構成を有している。以下では、アンテナモジュール1に係る構成に注目して説明する。
<アンテナモジュールの構成>
図2(A)は、リーダーライター2から発信される磁界のベクトルBに平行した厚さ方向に、アンテナコイル11と磁性膜12が積層されるアンテナモジュール1の断面図である。また、図2(B)、図2(C)は、それぞれ+B方向、−B方向から臨まれるアンテナモジュール1の構成を示す図である。さらに、図2(D)は、図2(A)で示されるアンテナコイル11の拡大図である。
すなわち、アンテナモジュール1は、図2(A)〜図2(D)に示すように、開口部14aを有する矩形状のコア基板14を備え、アンテナモジュール1のアンテナコイル11が、コア基板14の外周面14bに平角線111が捲装されることで形成される。
また、アンテナコイル11の通信特性を高める観点から、平角線111は、図2(D)に示すように、平角線111の長辺Lが磁界のベクトルBと平行になるようにして、コア基板14の外周面14bに捲装される。このようにして平角線111を捲装するのは、アンテナモジュール1が携帯通信用機器の筐体に配置される際の制約されたスペース内において、アンテナコイル11の開口面積を小さくすることなく、平角線111を密に捲くことができ、平角線111の短辺Sを磁界のベクトルBと平行になるように配設する場合に比べて、自己インダクタンスを上げることができるからである。
また、アンテナコイル11として捲装された際に隣接する平角線の間で絶縁性が確保されるため、平角線111は、次のようなスペース材を介して捲装される。例えば、平角線111には、その長辺Lに平行な表面を基準とした膜厚d1のスペース材として、有機物の絶縁材112が被覆される。また、捲装された平角線111を固定するため、アンテナモジュール1のアンテナコイル11は、絶縁材112の表面を基準とした膜厚d2のスペース材として、平角線111を被覆した絶縁材112の表面に接着剤113が塗布されてコア基板14の外周面14bに捲装されることで形成される。
なお、上述した平角線111を離間させるスペース材は、平角線111の長辺Lに平行な表面を基準とした線間隔dを調整できるように、上述した平角線111に絶縁材112を被覆する方法、捲装時に塗布される接着剤113を使用する方法のうち、少なくとも何れか一方を用いて形成すればよいが、以下では両方の方法を用いてスペース材を形成するものとして説明する。すなわち、線間隔dは、下記式で規定されるものとする。
d=d1×2+d2
また、上述した絶縁材112と接着剤113とでは誘電率が異なるので、このような2種類のスペース材を用いることで線間隔dの誘電率を調整することができる。ここで、平角線111のスペース材としては、インダクタンスの低下を抑制するという観点から、誘電率が低い方が望ましい。例えば、絶縁材112としてPET、接着剤113としてアクリル樹脂系接着剤(ADH)を用いた場合、ADHの方が極性基が比較的多いため、絶縁材112に比べて接着剤113の誘電率が高くなる。よってこのような材料を用いた場合には、できるだけ絶縁材112の膜厚d1に応じて平角線111の線間隔dを調整することが、平角線111の線間隔dの誘電体の誘電率を下げることができ、アンテナコイル11の特性上望ましい。
また、コア基板14は、当該コア基板14の外周面14bの幅を、平角線111の長辺Lと略同等とすることで、アンテナモジュール1の薄型化を図りつつ、アンテナコイル11の形状の安定化を図ることができる。また、コア基板14には、その開口部14a側の壁面に、アンテナコイル11の接続端子11aが設けられている。アンテナモジュール1は、接続端子11aをコア基板14に設けることで、アンテナコイル11の形状の安定化が実現される。
磁性膜12は、コア基板14の外周面14bに形成されたアンテナコイル11に重畳される。より具体的には、磁性膜12は、コア基板14の外周面14bに形成されたアンテナコイル11の形状に沿って、接着部材を用いて貼付されることで、容易にアンテナコイル11に重畳することができる。
以上のような構成からなる本実施形態に係るアンテナモジュール1は、コア基板14の外周面14bに平角線111が捲装されることで、形状の安定化が図られたアンテナコイル11が形成される。したがって、本実施形態では、平角線111などの汎用な材料を用いて、変形等に起因するアンテナコイルのインダクタンスの変化を抑えることができ、結果として、コストを抑えつつ通信特性が良好なアンテナモジュール1を提供することができる。
このようにして、本実施形態に係るアンテナモジュール1は、アンテナコイル11の形状の安定化を図ることができるため、絶縁材112の膜厚d1及び接着剤113の膜厚d2に応じて、コア基板14に捲装される平角線111の線間隔dを精度良く調整した状態で、離間して捲装することができる。これによって、本実施形態に係るアンテナモジュール1は、アンテナコイル11に流れる電流方向に対して直交方向に隣接する平角線111で発生する近接効果に起因する抵抗成分を精度良く調整することができ、結果として、良好な通信特性を実現することができる。
<携帯通信用機器への適用例>
次に、具体例として、本実施形態に係るアンテナモジュール1を図3に示すような携帯電話機200に組み込んだときの、アンテナモジュール1の通信特性について説明する。
アンテナモジュール1は、図3に示すような携帯電話機200において、例えば二次電池投入部201に隣接して設けられたスピーカ202と、この携帯電話機200の筐体の壁面との間に組み込まれる。
具体的に、アンテナモジュール1は、この携帯電話機200に組み込まれる点を考慮して、アンテナコイル11のインダクタンスが1〜2[μH]で管理するように、以下の材料を用いて各部が形成されるものとする。
すなわち、コア基板14は、エポキシ樹脂からなる。また、アンテナコイル11の開口面積を形状でゆるされる最大限とするため、磁界のベクトルBに対して直交するアンテナモジュール1の表面形状上が縦42.5[mm]×横25[mm]となるように調整された略矩形形状のコア基板14を用いるものとする。
また、平角線111は、短辺Sが0.05〜0.3[mm]、長辺Lが0.2〜1[mm]の範囲で選択可能であるものとする。また、平角線111の断面形状を考慮すると、アンテナコイル11として形成されるときの巻き線数は3〜6の範囲で選択可能であるが、本適用例に係るアンテナコイル11の巻き線数は4であるものとする。平角線111は、単位長さ当たりの抵抗値が10[μΩ/m]以下が好ましく、この導電特性に応じた材料を用いるものとする。また、平角線111には、その長辺Lで規定される表面を基準とした膜厚d1が20[μm]の絶縁材112が被覆されているものとする。
また、磁性膜12は、その磁性材の透磁特性μ’が30から150、μ’’が0.1から25が好ましい点を考慮して、Fe−Si−Cr系を磁性材とし、RFIDなどの近距離無線通信で使用される代表的な磁界の発信周波数が13.56MHzのときの透磁特性μ’が40、μ’’が1であるものを用いる。また、磁性膜12の膜厚は、250[μm]とする。なお、この膜厚は、0.1から3[mm]程度が、アンテナモジュール1として使用される点において好ましい。
また、平角線111を被覆した絶縁材112の表面を接着させる接着剤113としては、アクリル系ADHシートを用いるものとし、このシートの厚みにより、アンテナコイル11として捲装された平角線111の線間隔dが調整されるものとする。より具体的には、接着剤113の膜厚d2を調整することで、平角線111の線間隔dが、50[μm]〜250[μm]の間で、アンテナコイル11のインダクタンスが1〜2[μH]でアンテナコイル11のQ値が最大になる範囲に管理する。ここで、Q値は、アンテナコイル11の通信特性を評価する代表的な評価指標であって、ωL/Rで表現される値である。なお、ω[rad/s]はアンテナコイル11の共振周波数であり、L[H]はアンテナコイル11のインダクタンスの値であり、R[Ω]はアンテナコイル11の抵抗値である。
以上のような設計条件下で、平角線111の線間隔dを変更したときの通信特性の変化を下記の表1に示す。
Figure 0005484720
上記の表1から明らかなように、平角線111の線間隔dを変化させることでアンテナコイル11の特性を変化させることができる。このような結果に基づいて、平角線111の線間隔dを横軸にとって、最大通信可能距離Tを縦軸にとって変化させたとき、図4のように通信特性が変化する。このように、平角線111の線間隔dを大きくすることによって最大通信可能距離Tが向上するのは、隣接する平角線111の線間隔dが大きくなると近接効果を低減することができ、結果としてアンテナコイル11の抵抗値が減少してQ値を高くすることができるからである。
例えば、好適な最大通信可能距離Tを100[mm]とした場合、アンテナコイル11が、コア基板14の外周面に平角線111が、70[μm]以上の線間隔dで離間して捲装されることで形成されればよい。しかし、この線間隔dが250[μm]以上とした場合には、逆にアンテナコイル11の開口面積を小さくしてしまうので、インダクタンスも低下するため、実際に携帯電話機200に組み込むという観点から好ましくない。また、図4に示すように、線間隔dが150[μm]までは線間隔dの増加に応じて最大通信可能距離Tも長くなるが、線間隔dが150[μm]以上になると最大通信可能距離が110[mm]で飽和してしまう。したがって、70[μm]以上、150[μm]以下の範囲内で線間隔dを選択するように、絶縁材112及び接着剤113のうち何れか一方の膜厚を調整すれば、特性上良好なアンテナコイルを形成することができる。
また、平角線111の長辺Lが磁界の方向と平行になるような状態で、平角線111の形状を変化させたときの通信特性の変化を下記の表2に示す。
Figure 0005484720
また、平角線111の線間隔dが90[μm]の条件下で、平角線111の断面積、短辺Sに対する長辺Lの比率を変化させたときの通信特性の変化を下記の表3に示す。
Figure 0005484720
上記の表2、3から明らかなように、平角線111の長辺Lが磁界の方向と平行になるような状態で、長辺Lと短辺Sとを変化させた場合には、平角線111の断面積が大きくなるのに伴って、コイルの抵抗値が下がり最大通信可能距離Tが長くなる傾向にある。しかし、平角線111の線間隔dが90[μm]の条件下では、全てのアンテナモジュールにおいて、好適な通信条件である最大通信可能距離Tが100[mm]以上の条件を満たしている。すなわち、平角線111の長辺Lが磁界のベクトルBの方向と平行になるような状態でアンテナコイル11が形成されることで、平角線111の線間隔dを適切な値に調整すれば、好適な通信条件を満たすことができる。
また、上記の通信特性の評価においては、Q値を用いて説明したが、アンテナモジュールとリーダーライタに内蔵されたアンテナを対向させたときの相互インダクタンスからなる結合係数を評価指標として用いたときの通信特性について図5を参照して説明する。
図5は、次の3種類のアンテナモジュールにおいて、発信周波数が13.56MHzのときの通信距離に応じた結合係数の変化を示した図である。すなわち、アンテナモジュールに係る外形のサイズ、Q値が同様の条件下で、アンテナを形成するための材料として、「平角線」、「リジット基板」、「フレキシブルプリント基板FPC」を用いている。
図5から明らかなように、結合係数を評価指標としてみても、本実施形態に係る「平角線」をアンテナを形成するための材料として用いた結合形数の変化は、他の2種類のアンテナモジュールに比べて結合係数が高く維持されている。
したがって、本実施形態に係るアンテナモジュール1は、Q値が同様である他の材料を用いてアンテナコイルを形成したアンテナモジュールと比べて、結合係数が高いので、より良好な通信特性をコストを抑えつつ実現することができる。
このようにして、本実施形態に係る「平角線」を用いたアンテナモジュールが結合係数が高いのは、平角線111の長辺Lを磁界のベクトルBの方向と平行になるようにしてコア基板14に捲装することで、他のアンテナモジュールに比べて開口面積を広くすることができるからである。
以上のように、本実施の形態に係るアンテナモジュール1は、コア基板14の外周面に平角線111が捲装されることで、形状の安定化が図られたアンテナコイルを形成することができる。さらに、アンテナモジュール1は、精度良くアンテナコイル11として捲装される平角線111の線間隔dを調整することができ、結果として好適な通信特性を、汎用な材料を用いてコストを抑えつつ実現することができる。
特に、平角線111の長軸径が磁界の方向と平行となるような状態で、線間隔dを精度良く調整しながら平角線111を捲装してアンテナコイル11を形成する場合には、形状の安定化が必要である。この観点からも、アンテナモジュール1は、コア基板14を用いることによって、容易に通信特性が良好なアンテナモジュール1を実現することができる。
無線通信システムの全体構成を示す図である。 アンテナモジュールに係る構成を示す図である。 携帯電話機に組み込まれたアンテナモジュールの構成を示す図である。 平角線の線間隔に応じた通信特性の変化を示す図である。 最大通信可能距離に応じた結合係数の変化を示す図である。
符号の説明
1 アンテナモジュール、11 アンテナコイル、111 平角線、112 絶縁材、113 接着剤、11a 接続端子、12 磁性膜、13 通信処理部、14 コア基板、14a 開口部、14b 外周面、2 リーダーライター、2a アンテナ、2b 制御基板、100 無線通信システム、200 携帯電話機、201 二次電池投入部、202 スピーカ

Claims (3)

  1. 開口部を有する矩形状のコア基板と、上記コア基板の外周面に平角線が捲装されることで形成され、磁界を発信させる発信器と誘導結合されて通信可能となるアンテナコイルと、上記コア基板の外周面に形成されたアンテナコイルに重畳され、上記発信器から発信される磁界を上記アンテナコイルに引き込む磁性膜とを備え、上記アンテナコイルは、上記コア基板の外周面に平角線が、該平角線に被覆された絶縁材の膜厚と、該平角線を被覆する絶縁材の表面に塗布される接着剤の膜厚とに応じて、所定の線間隔で離間して捲装されることで形成されるアンテナモジュールであって、
    上記平角線は、その短辺が0.05[mm]乃至0.3[mm]、長辺が0.2[mm]乃至1[mm]であり、
    上記アンテナコイルは、上記平角線の長辺が上記磁界の方向と平行して、その長辺で規定される表面を基準とした線間隔が70[μm]乃至150[μm]で離間して上記コア基板の外周面に捲装されることで形成され、発信周波数が13.56[MHz]の磁界を発信する上記発信器と誘導結合されて通信可能となるアンテナモジュール。
  2. 上記アンテナコイルは、上記コア基板の外周面に平角線が、該平角線に被覆された絶縁層の膜厚に応じて、所定の線間隔で離間して捲装されることで形成される請求項1記載のアンテナモジュール。
  3. 磁界を発信する発信器と誘導結合されて通信可能となるアンテナコイルを備えるアンテナモジュールの製造方法において、
    開口部を有する矩形状のコア基板に、上記発信器から発信される磁界をアンテナコイルに引き込む磁性膜を重畳し、
    上記コア基板の外周面に、短辺が0.05[mm]乃至0.3[mm]、長辺が0.2[mm]乃至1[mm]である平角線を、該平角線に被覆された絶縁材の膜厚と、該平角線を被覆する絶縁材の表面に塗布される接着剤の膜厚とに応じて、所定の線間隔で離間して捲装して上記アンテナコイルを形成し、
    上記アンテナコイルは、上記平角線の長辺が上記磁界の方向と平行して、その長辺で規定される表面を基準とした線間隔が70[μm]乃至150[μm]で離間して上記コア基板の外周面に捲装されることで形成され、発信周波数が13.56[MHz]の磁界を発信する上記発信器と誘導結合されて通信可能となるアンテナモジュールの製造方法。
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