JP6427651B2 - アンテナ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子機器に組み込まれ、外部機器と電磁界信号を介して通信するアンテナ装置、及びこのアンテナ装置が組み込まれた電子機器に関する。
従来、携帯電話機、スマートフォン、タブレットPCなどの電子機器において、近距離非接触通信の機能を搭載するため、RFID(Radio Frequency Identification)用のアンテナモジュールが用いられている。
このアンテナモジュールは、リーダライタなどの発信器に搭載されたアンテナコイルと誘導結合を利用して通信を行っている。すなわち、このアンテナモジュールは、リーダライタからの磁界をアンテナコイルが受けることによって、それを電力に変換して通信処理部として機能するICを駆動させることができる。
アンテナモジュールは、確実に通信を行うため、リーダライタからのある値以上の磁束をアンテナコイルで受ける必要がある。そのために、従来例に係るアンテナモジュールでは、携帯電話機の筐体にループコイルを設け、このコイルでリーダライタからの磁束を受けている。
たとえば、特許文献1には、携帯端末装置に内蔵するループアンテナの特性を向上する方法として、内蔵バッテリの周囲に可撓性ケーブルやフラットケーブルを配置する方法が提案されている。
特開2005−303541号公報
上記特許文献1に記載の発明は、筐体内の隙間にアンテナを配置するため、その形状を一定にすることが困難となり、インダクタンスの変化量が大きくなるため、共振周波数の変動が大きいという問題があった。
特に、可撓性ケーブルでアンテナを形成した場合は、上記特許文献1に記載の発明では、配線間の分布容量を調整することが困難なため、共振周波数の調整に多大な工数が必要となるという問題があった。
さらに、ループコイルは、ループコイルを通過するリーダライタからの磁束が、コイルの導線が一方向に周回するループコイルの一方側とコイルの導線が他方向に周回するループコイルの他方側とで、反対方向の電流を生じさせ、効率よく結合させることができないという問題も生じる。
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、電子機器に組み込んだ際に良好な通信特性を実現可能なアンテナ装置、及び、このアンテナ装置が組み込まれた電子機器を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明に係るアンテナ装置は、
電子機器に組み込まれ、外部機器と電磁界信号を介して通信するアンテナ装置において、
上記電子機器の筐体内部に設けられ、上記外部機器に対向する第1の導電体と、
上記電子機器の筐体内部に設けられ、上記外部機器と誘導結合されるアンテナコイルと、
上記電子機器の筐体内部に設けられ、上記第1の導電体の厚さ方向の側面の少なくとも一部に重畳するように、当該側面の一部に近接し又は接触し、かつ、屈曲して配置され、上記アンテナコイルの上記外部機器と対向する面と反対側の面と、少なくとも一部が重畳するシート状の第2の導電体とを備え、
上記アンテナコイルは、当該アンテナコイルの導線が一方向に周回する一方側と、上記アンテナコイルの上記導線が他方向に周回する他方側とを有し、上記アンテナコイルの上記一方側及び上記他方側が配列される方向で上記第1の導電体の端部から離間して、当該第1の導電体と重畳しない位置に配置される。
本発明によれば、アンテナ装置は、第2の導電体をアンテナコイルと一部重畳させることで、重畳領域における磁界を跳ね返して重畳領域における誘導結合を抑制し、重畳していない領域において発生した電流を効率よく送電することができる。また、アンテナ装置は、第2の導電体をアンテナコイルと一部重畳させることで、重畳していない領域に磁束を集中させ、当該領域における効率のよい発電を促すことができる。さらに、アンテナ装置は、第2の導電体が第1の導電体とも重畳することにより、第1の導電体からの磁束を漏らさずに、第2の導電体が重畳していないアンテナコイルの領域へ誘導することができ、効率のよい誘導結合を行うことができる。
本発明が適用されたアンテナ装置が組み込まれた無線通信システムの概略構成を示す斜視図である。 アンテナ基板及び金属板を示す斜視図である。 本発明が適用された電子機器の内部の一例を示す斜視図であり、第1の導電体として、筐体内部に貼付されたメタルカバーを用いた場合を示す。 本発明が適用された電子機器の内部の一例を示す斜視図であり、第1の導電体として、バッテリパックの金属筐体を用いた場合を示す。 本発明が適用された電子機器の内部の一例を示す斜視図であり、第1の導電体として、液晶モジュールの裏面に設けられた金属板を用いた場合を示す。 電子機器内に組み込まれたアンテナ装置を示す図であり、(A)は斜視図、(B)は側面図である。 金属箔がアンテナ基板の一方側を、長手方向の全幅に亘って重畳する状態を示す斜視図である。 、金属箔が重畳するアンテナ基板の一方側よりも、重畳しない他方側の周回数が多いアンテナ基板を示す斜視図である。 複数の金属箔によって金属板及びアンテナ基板を重畳するアンテナ装置を示す斜視図である。 開口部が形成された金属箔によって金属板及びアンテナ基板を重畳するアンテナ装置を示す斜視図である。 磁性シートが差し込まれたアンテナ基板を示す図であり、(A)は斜視図、(B)は断面図である。 磁性シートが差し込まれたアンテナ基板を示す図であり、(A)は斜視図、(B)は断面図である。 磁性シートが差し込まれたアンテナ基板の他方側を、リーダライタ側とは反対側に折り曲げた状態を示す断面図である。 (A)〜(D)は、図13のアンテナ基板の折り曲げ方のバリエーションを示す断面図である。 2つに分割された筐体部材からなる筐体の一方にアンテナ基板が配置されている場合に、アンテナコイルの一部を覆うように金属箔を配置する構成を示す図である。(A)は分解斜視図、(B)は、断面図、(C)は、金属箔の構成例を示す断面図である。 2つに分割された筐体部材からなる筐体の一方にアンテナ基板及びメタルカバーが配置されている場合に、アンテナコイル及びメタルカバーの一部を覆うように金属箔を配置する構成を示す図である。(A)は分解斜視図、(B)は、断面図である。 図15及び図16のアンテナ基板が、2つに分割された筐体部材からなる筐体の一方に配置される場合の構成例を示す図である。(A)は、磁性シートをアンテナ基板に差し込むタイプ、(B)は磁性シートをアンテナ基板の一部にのみ配置するタイプを示す。 金属箔の形状の変形例を示す断面図であり、(A)は、金属箔を金属板の側面に沿ってリーダライタ側とは反対側に屈曲させた場合、(B)は、金属箔を(A)に屈曲させて、(A)の場合よりもリーダライタからアンテナ基板を遠い位置に配置した場合、(C)は、金属箔を金属板の側面に沿ってリーダライタ側に屈曲させた場合を示す。 金属箔の形状の他の変形例を示す断面図であり、(A)は、金属箔を金属板の側面に沿って屈曲させた後、リーダライタに対向する面に重畳するように配置した場合、(B)は、金属箔を金属板の側面に沿ってリーダライタとは反対側に屈曲させた後、リーダライタに対向するとは反対側の面に重畳するように配置した場合を示す。 比較例に係るアンテナ装置を示す斜視図である。 比較例に係る結合係数の変化を示すグラフである。 実施例に係るアンテナ装置を示す斜視図である。 実施例に係る結合係数の変化を示すグラフである。 アンテナコイルを磁性シートに巻回した場合の構成例を示す斜視図である。
以下、本発明が適用されたアンテナ装置及び電子機器について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることはもちろんである。また、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることがある。具体的な寸法等は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
本発明が適用されたアンテナ装置は、電子機器に組み込まれ、外部機器と電磁界信号を介して通信する装置であって、たとえば図1に示すようなRFID(Radio Frequency Identification)用の無線通信システム100に組み込まれて使用される。
無線通信システム100は、アンテナ装置1と、アンテナ装置1に対するアクセスを行うリーダライタ120とからなる。ここで、アンテナ装置1とリーダライタ120とは、三次元直交座標系xyzのxy平面において互いに対向するように配置されているものとする。
リーダライタ120は、xy平面において互いに対向するアンテナ装置1に対して、z軸方向に磁界を発信する発信器として機能し、具体的には、アンテナ装置1に向けて磁界を発信するアンテナ121と、アンテナ121を介して誘導結合されたアンテナ装置1と通信を行う制御基板122とを備える。
すなわち、リーダライタ120は、アンテナ121と電気的に接続された制御基板122が配設されている。この制御基板122には、一又は複数の集積回路チップ等の電子部品からなる制御回路が実装されている。この制御回路は、アンテナ装置1から受信されたデータに基づいて、各種の処理を実行する。たとえば、制御回路は、アンテナ装置1に対してデータを送信する場合、データを符号化し、符号化したデータに基づいて、所定の周波数(たとえば、13.56MHz)の搬送波を変調し、変調した変調信号を増幅し、増幅した変調信号でアンテナ121を駆動する。また、制御回路は、アンテナ装置1からデータを読み出す場合、アンテナ121で受信されたデータの変調信号を増幅し、増幅したデータの変調信号を復調し、復調したデータを復号する。なお、制御回路では、一般的なリーダライタで用いられる符号化方式及び変調方式が用いられ、たとえば、マンチェスタ符号化方式やASK(Amplitude Shift Keying)変調方式が用いられている。
なお、以下では、非接触通信システムにおけるアンテナ装置等について説明をするが、Qi(チー)等の非接触充電システムについても同様に適用することができるのは言うまでもない。
[アンテナ装置]
アンテナ装置1は、通信時にリーダライタ120とxy平面において対向するように配置される携帯電話機等の電子機器の筐体の内部に組み込まれる。アンテナ装置1は、電子機器の筐体の内部に組み込まれ、誘導結合されたリーダライタ120との間で通信を行うアンテナモジュール2と、電子機器の筐体内に設けられ、リーダライタ120に対向する第1の導電体となる金属板3と、電子機器の筐体内に設けられ、金属板3と重畳又は接触するとともに、アンテナモジュール2のアンテナコイル12のリーダライタ120と対向する面と反対側の面と、少なくとも一部が重畳するシート状の第2の導電体となる金属箔4とを備える。
アンテナモジュール2は、誘導結合されたリーダライタ120との間で通信可能となるアンテナコイル12が実装されたアンテナ基板11と、アンテナコイル12に流れる電流により駆動し、リーダライタ120との間で通信を行う通信処理部13とを備える。
アンテナ基板11には、たとえばフレキシブルフラットケーブルなどの可撓性の導線をパターンニング処理などをすることによって形成されるアンテナコイル12と、アンテナコイル12と通信処理部13とを電気的に接続する端子部14とが実装されている。アンテナ基板11は、図2に示すように略矩形状をなし、外形に沿ってアンテナコイル12の1本の導線が周回されている。
アンテナ基板11は、アンテナコイル12が周回する主面が、通信時にリーダライタ120とxy平面において対向するように配置される。また、アンテナ基板11は、アンテナコイル12の中心12aを境に、アンテナコイル12の導線を、長手方向に沿う電流の向きが同一方向に流れる方向を周回の方向とする一方側11aと、アンテナコイル12の導線を長手方向に沿う電流の向きが逆方向に流れる周回の方向とする他方側11bとを有する。そして、アンテナ基板11は、長手方向に沿う一側縁を金属板3側に向けて、すなわち、一方側11a又は他方側11bを金属板3側に向けて配置される。なお、アンテナコイル12は、必ずしもアンテナ基板11上に形成されていなくてもよく、単独でループアンテナを形成するようにしてもよいのはいうまでもない。
アンテナコイル12は、リーダライタ120から発信される磁界を受けると、リーダライタ120と誘導結合によって磁気的に結合され、変調された電磁波を受信して、端子部を介して受信信号を通信処理部13に供給する。
通信処理部13は、アンテナコイル12に流れる電流により駆動し、リーダライタ120との間で通信を行う。具体的に、通信処理部13は、受信された変調信号を復調し、復調したデータを復号して、復号したデータを、当該通信処理部13が有する内部メモリに書き込む。また、通信処理部13は、リーダライタ120に送信するデータを内部メモリから読み出し、読み出したデータを符号化し、符号化したデータに基づいて搬送波を変調し、誘導結合によって磁気的に結合されたアンテナコイル12を介して変調された電波をリーダライタ120に送信する。
なお、通信処理部13は、アンテナコイル12に流れる電力ではなく、電子機器内に組み込まれたバッテリパックや外部電源などの電力供給手段から供給された電力によって駆動してもよい。
[金属板3]
金属板3は、たとえば携帯電話やスマートフォン、あるいはタブレットPC等の電子機器の筐体内に設けられ、アンテナモジュール2の通信時にリーダライタ120に対向する第1の導電体を構成するものである。この第1の導電体は、たとえば図3に示すスマートフォン130の筐体131の内面に貼付されたメタルカバー132や、図4に示すスマートフォン133内に収納されたバッテリパック134の金属筐体135、あるいは、図5に示すタブレットPC136の液晶モジュールの裏面に設けられた金属板137等が相当する。以下では、主に電子機器としてスマートフォン133を例に、このスマートフォン133に収納されたバッテリパック134の金属筐体135において、通信時にリーダライタ120に対向される主面を、第1の導電体を構成する金属板3として説明する。
アンテナモジュール2のアンテナ基板11は、スマートフォン133に組み込んだ際に、当該スマートフォン133の小型化を図りつつ、リーダライタ120との間で良好な通信特性を実現する観点から、図6(A)に示すような三次元直交座標系xyzのxy平面上であって、たとえばスマートフォン133の外筐体141内部に設けられたバッテリパック134と外筐体141の内周壁141aとの空間142に配置される。具体的に、アンテナ基板11は、図6(B)に示すようなバッテリパック134の金属筐体135のリーダライタ120に対向した金属板3の端部3aと、外筐体141の内周壁141aとの間に配置されている。
ここで、図6(B)の断面図で示すように、スマートフォン133に配置されたバッテリパック134の金属筐体を構成する金属板3は、電気を比較的よく流すので、外部から交流磁界が加わると渦電流が発生し、磁界を跳ね返してしまう。このような外部から交流磁界が加わるときの磁界分布を調べると、リーダライタ120と対向したバッテリパック134の金属板3の端部3aの磁界が強いという特性を有する。
このようなスマートフォン130の筐体131内部の磁界強度の特性を利用して良好な通信特性を実現するため、アンテナモジュール2のアンテナ基板11は、たとえば図2に示すように、x軸と平行なアンテナコイル12の中心12aが、金属板3の端部3aと外筐体141の内周壁141aとの空間142を通過し、長手方向の一側縁を金属板3の端部3a側に向けて、すなわち、一方側11aを金属板3の端部3a側に向けて配置される。
このとき、アンテナ基板11は、金属板3の端部3aと接することなく、離間した位置に設けられていてもよい。このように、アンテナ装置1は、電子機器の筐体内のレイアウト上の制約から金属板3とアンテナ基板11とを離間して配置した場合にも、金属板3とアンテナ基板11とに亘って後述する金属箔4を重畳させることで良好な通信特性を得ることができる。
なお、アンテナ基板11は、金属板3と接していてもよい。さらに、アンテナ基板11は、金属板3と重畳していてもよい。このとき、アンテナ基板11は、後述する金属箔4が重畳する一方側11aと金属板3とが重畳すればよく、他方側11bまで金属板3と重畳しないように設けられる。他方側11bと金属板3とが重畳すると却って他方側11bとリーダライタ120の磁束との誘導結合が阻害されるおそれがある。
[金属箔4]
アンテナ基板11と金属板3との間には、金属板3(第1の導電体)と重畳又は接触するとともに、アンテナ基板11のリーダライタ120と対向する面と反対側の面と、少なくとも一部が重畳するシート状の第2の導電体となる金属箔4が設けられている。金属箔4は、アンテナ基板11の一部に重畳することにより、重畳するアンテナ基板11の一部において磁界を跳ね返すことにより重畳する領域における誘導結合を抑制し、また、重畳していない領域への磁束の集中を促し、通信性能の向上を図る。
すなわち、アンテナ基板11は、基板の主面を周回するアンテナコイル12を通過するリーダライタからの磁束が、コイルの導線が一方向に周回する一方側11aとコイルの導線が他方向に周回する他方側11bとで、反対方向の電流を生じさせ、その結果、効率よく結合させることができない。
そこで、アンテナ装置1は、金属箔4をアンテナ基板11のリーダライタ120と対向する面と反対側の面と一部重畳させることで、重畳領域における磁界を跳ね返して重畳領域における誘導結合を抑制し、重畳していない領域において発生した電流を効率よく送電することができる。また、アンテナ装置1は、金属箔4をアンテナ基板11のリーダライタ120と対向する面と反対側の面と一部重畳させることで、重畳していない領域に磁束を集中させ、当該領域における効率のよい発電を促すことができる。
また、アンテナ装置1は、金属箔4が金属板3とも重畳又は接触することにより、金属板3からの磁束を漏らさずに、金属箔4が重畳していないアンテナ基板11の領域へ誘導することができ、効率のよい誘導結合を行うことができる。また、アンテナ装置1は、金属箔4が金属板3とも重畳することにより、金属板3からの漏れ磁束によって金属箔4が重畳する一部において誘導結合による電流の発生を防止することができる。
金属箔4は、たとえば銅箔等の良導体が好ましく用いられるが、必ずしも良導体でなくともよい。また、金属箔4は、アンテナ装置1とリーダライタ120との通信周波数に応じて適宜厚さが決められ、たとえば通信周波数13.56MHzにおいては、20μm〜30μm厚の金属箔を用いることができる。
なお、金属箔4は、金属板3やアンテナ基板11と重畳していれば必ずしも接している必要はない。ただし、金属箔4は、金属板3やアンテナ基板11に近接するほど結合係数にとって有利となるため、近接あるいは接触していることが好ましい。
図7に示すように、金属箔4は、アンテナ基板11の一方側11aの端部からアンテナコイル12の中心12aまで重畳することが好ましい。これにより、金属箔4は、アンテナ基板11の一方側11aにおける結合を抑制して、他方側11bにおいて発生する電流と反対の向きの電流量を相対的に低くするとともに、アンテナ基板11の一方側11aから他方側11bへ磁束を誘導させ、他方側11bにおける結合を促進させ、通信特性の向上を図ることができる。
また、図7に示すように、金属箔4は、アンテナ基板11の一方側11aの長手方向以上の幅を有し、アンテナ基板11の一方側11aを長手方向に亘って全て重畳することが好ましい。これによっても、金属箔4は、アンテナ基板11の一方側11aにおける誘導結合を抑制し、他方側11bにおいて発生する電流と反対の向きの電流量を相対的に低くするとともに、アンテナ基板11の一方側11aから他方側11bへ磁束を誘導させ、他方側11bにおける結合を促進させ、通信特性の向上を図ることができる。
なお、図8に示すように、アンテナ基板11は、金属箔4が重畳する一方側11aにおけるアンテナコイル12の本数(たとえば3本)よりも、金属箔4が重畳しない他方側11bにおけるアンテナコイル12の本数(たとえば4本)が多くなるように周回させるようにしてもよい。すなわち、1本のアンテナコイルの導線の始端と終端を他方側11bにすることにより、アンテナコイル12の中心12aを挟んで、アンテナ基板11の一方側11aよりも他方側11bの方に多くのコイル導線が周回するように形成することができる。これにより、リーダライタ120からの磁束と誘導結合するコイルの本数を増やし、良好な通信特性を実現することができる。
また、図9に示すように、アンテナ装置1は、金属板3とアンテナ基板11との間に、複数の金属箔4を重畳させてもよい。これにより、たとえば金属板3とアンテナ基板11との間に、カメラモジュールのレンズ鏡筒が配置されるなど、金属箔4を設けることができない場合にも、レンズ鏡筒等の他の部材を回避した位置に金属箔4を設けることで、通信特性の向上を図ることができる。同様に、図10に示すように、アンテナ装置1は、レンズ鏡筒等の他の部材に対応した開口部21や切り欠き部(図示せず)が形成された金属箔4を用いてもよい。
また、図11(A)、図12(A)に示すように、アンテナモジュール2は、アンテナ基板11に磁性シート20を差し込むようにしてもよい。このアンテナ基板11は、アンテナコイル12の中心12aに長手方向に亘って開口部が形成され、この開口部に磁性シート20が差し込まれたものである。
図11(A)に示すアンテナ基板11は、図11(B)に示すように、一方側11aでは磁性シート20がアンテナコイル12よりもリーダライタ120側に位置し、他方側11bではアンテナコイル12が磁性シート20よりもリーダライタ120側に位置するように、磁性シート20が、アンテナコイル12の中心12aに形成された開口部に差し込まれたものである。
また、図12(A)に示すアンテナ基板11は、図12(B)に示すように、一方側11aではアンテナコイル12が磁性シート20よりもリーダライタ120側に位置し、他方側11bでは磁性シート20がアンテナコイル12よりもリーダライタ120側に位置するように、磁性シート20が、アンテナコイル12の中心12aに形成された開口部に差し込まれたものである。
[アンテナ基板の形状の変形例]
図13に示すように、金属箔4によって、アンテナ基板11の一方側11a(一方側の端部から中心まで)を覆うようにして、さらに、アンテナコイル12の中心12aから他方側11bをリーダライタ120よりも遠い方へ折り曲げるようにすると、金属箔4の端部4aの集中した磁界をより効率よく、他方側11bの磁性シート20に導くことができる。他方側11bに導かれた磁界によって、アンテナコイル12には大きな起電力を生じるので、通信特性をより向上させることができる。
アンテナ基板の折り曲げ方には、図14に示すように、いくかのバリエーションがある。図14(A)に示すように、磁性シート20を挿入するアンテナコイル12の中心12aの位置をずらして、一方側11aと他方側11bの長さを変えるようにしてもよい。さらに、図14(B)に示すように、他方側11bの屈曲位置12bでさらにリーダライタ120から遠ざかるように折り曲げたり、円弧(曲面)状にしてもよい。図14(C)に示すように、磁性シート20をアンテナ基板11の他方側11bのみに配置するようにしてもよく、図14(D)に示すように、磁性シート20をアンテナ基板11の一方側11aのみに配置するようにしてもよい。
[装置のカバー部へのアンテナ基板の搭載例]
図15(A)に示すように、スマートフォン130の筐体131は、内面130aにアンテナ基板11が搭載される一方の筐体部材131aと、液晶パネル131cやCPU等を含む本体の制御回路、バッテリ等が搭載される他方の筐体部材131bとからなる。筐体131は、一方の筐体部材131aに蓋をするようにして、本体制御回路等が含まれる筐体部材131bに結合させることによって構成される。筐体部材131a,131bは、互いにネジ止めや係合爪と係合孔と組合せ等周知の方法によって、取り外し可能に結合される。筐体部材131aには、アンテナ基板11のほかに、カメラモジュール等他の機能モジュールがあらかじめ単一で、あるいは複合して搭載されていてもよい。アンテナ基板11等の機能モジュールが搭載された筐体部材131aは、スマートフォン130のユーザによって、筐体部材131bから取り外されて、他の機能モジュールを搭載する筐体部材が取り付けられるようにしてもよい。
蓋状に用いられる筐体部材131aには、アンテナ基板11があらかじめ搭載されており、アンテナ基板11は、アンテナコイル12を含む平面が、筐体部材131aを介してリーダライタ120に対向するように配置される。好ましくは、アンテナ基板11は、筐体部材131aの外周壁付近に配置される。図15(B)に示すように、金属箔4は、アンテナコイル12の一部を覆うように配置される。金属箔4は、アンテナコイル12の中心12aから筐体部材131aの内部に向かう側に向かって内壁部を覆うように配置されるのが好ましい。金属箔4は、筐体部材131aの内部に向かう側に向かって内壁部のほとんどを覆うようにしてもよい。
金属箔4は、たとえば図15(C)に示すように、Cu等の高導電率金属4cの一方の面に接着剤を塗布することによって形成される接着剤層4bと、他方の面に形成される樹脂等からなる絶縁層4dとを有するようにしてもよい。接着剤層4bによって、金属箔4は、アンテナ基板11及び筐体部材131aの内壁部に接するようにして貼付される。接着剤層4bに用いる接着剤としては、絶縁性のものであることが好ましく、絶縁性接着剤を用いることによって、金属箔4は、アンテナコイル12の導線等の金属配線から絶縁される。さらに、金属箔4は、絶縁層4dを有することによって、筐体部材131b内部に搭載された制御回路等の金属部分からも絶縁される。
筐体部材131aは、電子機器自体で美観を呈するようなデザイン上の目的や筐体の薄型化による強度不足を補うために、マグネシウム合金等の金属材料と樹脂材料とを複合的に組み合わせた複合材料によって形成される場合が増えている。すなわち、筐体部材131aは、金属材料からなるメタルカバー部132a、樹脂材料からなる樹脂部分132bとを含んでいる。図16(A)に示すように、金属箔4は、アンテナコイル12の一部及びメタルカバー132aの一部を覆うように配置される。図16(B)に示すように、図15の場合と同様に、金属箔4は、アンテナコイル12の中心12aからメタルカバー132aの内部に向かう側に向かって配置されるのが好ましい。なお、基材の強度や美観の向上を図るために、筐体部材131aの全体の基材を樹脂等により形成し、その内面、あるいは外面を金属コートすることによってメタルカバー部132aを構成してもよい。そのような場合についても同様に、金属箔4は、アンテナコイル12の一部及びメタルカバー132a部の一部を覆うように配置される。
アンテナモジュール2の構成としては、図17(A)に示すように、磁性シート20が、金属箔4が貼付された側では、アンテナコイル12に対して金属箔4とは反対側に配置され、金属箔4の端部から離れた側では、金属箔4と同じ側に配置されるタイプのものを用いてもよい。また、図17(B)に示すように、金属箔4の端部から離れた側において、アンテナコイル12に対して金属箔4と同じ側にのみ磁性シートを配置したものを用いてもよい。
なお、金属箔4については、薄型化、軽量化、低コスト化に対して適しているが、必ずしも薄い箔状の金属を用いなくてもよく、形状等が許せば、より厚い金属板等を用いてもよいのはもちろんである。たとえば、13.56MHzのキャリア周波数を用いる非接触通信の場合には、金属箔4の金属部分の厚さは、1μ程度以上あればよい。より厚さの厚い金属箔4(又は金属板)を用いることによって、より低周波の通信や非接触充電システムの電力伝送を行うことができる。
筐体部材131aの内壁部に配置されたアンテナコイル12の一部を覆うように金属箔4を貼付することによって、アンテナ基板11の位置と金属箔4との位置を最適にすることができ、電子機器の内部構造によらず、アンテナの性能を最適にすることができる。
また、このように両面が加工された金属箔4からなるテープを用意することによって、後発的に、アンテナ近傍、周辺に金属箔4を付加することによって、アンテナの受信感度を最適に調整することも可能である。
なお、図15及び図16のようなアンテナの実装状態の場合においても、図13及び図14のように、金属箔4が重畳していない、アンテナ基板11の他方側を、リーダライタ120に対向する向きとは逆方向(zの正方向)に折り曲げるようにしてもよいのは言うまでもない。
[金属箔4の形状の変形例]
上述した実施の形態では、金属箔4の主面は、金属板3のリーダライタ120と対向する面に対して平行になるように重畳あるいは接触させるように配置される。ここで、金属板3は、板状や箔状のような厚さが比較的薄いものに限らず、バッテリパックの金属缶のように金属部の厚みが相当程度ある場合もあり、金属板3と金属箔4とによる磁束のシールド効果を利用して、アンテナの所定の位置に磁界を集中させるために、バッテリパックのような金属板3の側面部分を利用するようにしてもよい。
たとえば、図18(A)〜図18(C)に示すように、アンテナコイル12の一方側11aに重畳して配置された金属箔4では、屈曲部4bで屈曲させて、屈曲部4bから端部4cまでの面が、金属板3の端部3a側の側面3bに沿って近接して配置されるようにしてもよい。
図18(A)には、金属箔4は、端部4cがリーダライタ120から遠ざかる方向(Z方向のプラス方向)にほぼ直角に屈曲される状態を示す。図18(A)に示すように、屈曲部4bが金属板3のリーダライタ120に対向する面3cよりも、リーダライタ120側に近い位置であってもよい。ここで、磁性シート20は、アンテナコイル12の一方側11aでは、アンテナコイル12よりもリーダライタ120側にあり、他方側11bでは、アンテナコイル12が磁性シート20よりもリーダライタ120の側に配置されるのは上述した実施の形態の場合と同様である。
また、図18(B)に示すように、金属箔4の屈曲部4bが金属板3のリーダライタ120に対向する面3cよりもリーダライタ120から遠い位置にあってもよい。あるいは、図示しないが、屈曲部4bが金属板3のリーダライタ120に対向する面3cと同一平面上になるようにしてもよいのはいうまでもない。
図18(C)に示すように、金属箔4の端部4cがリーダライタ120の側にほぼ直角に屈曲されるようにしてもよい。
さらに、図19(A)に示すように、金属箔4は、金属板3の側面にのみ沿わせて近接配置することに限らず、金属板3の端部3aの側面3bから、金属板3のリーダライタ120に対向する面3cまで延伸させて面3cに沿わせるようにしてもよい、すなわち、金属箔4は、屈曲部4bで端部4cをリーダライタ120の方向に屈曲させ、さらに、屈曲部4dにおいて、リーダライタ120に対向する面3cに重畳させるように屈曲させるようにしてもよい。
図19(B)に示すように、金属箔4を屈曲部4bにおいて屈曲させる向きを、リーダライタ120に対向する面3cとは反対側の面3dの側に屈曲させて、面3dに重畳させるように配置してもよい。
このように、金属箔4の主面を金属板3の側面を含む面に沿わせるように、近接して配置させることによっても、磁束のシールド効果でアンテナの中心12a付近で磁界を集中させることができる。金属箔4を屈曲させて主面を金属板3の側面に平行になるように近接配置させると、たとえば金属板3がバッテリパック134の金属缶部である場合には、装置本体からバッテリバック134を取り外す際に金属箔4が邪魔にならずに都合がよいとの利点がある。
なお、金属箔4は、金属板3の少なくとも側面に沿って近接配置する場合に限らず、金属板の側面を含む面に接触させてもよいのはいうまでもない。また、金属箔4の屈曲角度は、図示のように90°であってもよいが、他の角度であってもよく、金属板3の端部の形状に合わせて任意の角度、形状で端部の面に沿わせるように近接配置したり、接触させるようにしてもよい。
磁性シート20は、アンテナコイル12の一方側11a及び他方側11b両方に重畳するように配置される場合に限らず、一方側11aのみに配置され、又は他方側11bのみに配置されるようにしてもよい。
次いで、金属箔4を用いた本発明に係るアンテナ装置1と金属箔4を用いないアンテナ装置と比較した実施例について説明する。
<比較例>
比較例に係るアンテナ装置では、図20に示すように、金属板3とリーダライタ120とを対向させて、金属板3とアンテナ基板11との相対的な位置関係を変化させたときの通信特性について評価した。
具体的な評価条件としては、次のようにした。すなわち、リーダライタ120のアンテナ121は、xy軸方向で規定される外形が66mm×100mmの2巻コイルとした。また、金属板3はxyz軸方向で規定される寸法が100mm×50mm×0.3mmのステンレスとした。アンテナ基板11のアンテナコイル12は、xy軸方向で規定される外形が40mm×10mmとした構造で、4巻のコイルである。さらに、z軸方向で規定される、金属板3の表面からアンテナコイル12の表面までの距離は1mmとした。
ここで、金属板3とアンテナ基板11との相対的な位置関係を示す値として、次のaを用いた。すなわち、aは、金属板3の中心部分3bから、アンテナ基板11の他方側11bの端部11cまでのy軸方向で規定される距離である。
以上のような条件の下、aの値を15mmから40mmまで変化させたときの、アンテナコイル12の結合係数をシミュレーションで求めた。結合係数の変化を図21に示す。
ここで、金属板3の幅が50mmであるので、aの値が25mmのとき、金属板3の端部3aと、アンテナ基板11の他方側11bの端部11cが一致する。また、アンテナ基板11の幅が10mmであるので、aの値が35mmのとき、アンテナ基板11の一方側11aの端部11dが、金属板3の端部3aと一致する。
図21に示すように、aの値が30mmの場合、すなわちアンテナ基板11の短手方向の中心と、金属板3の端部3aとが略一致する場合に、結合係数が最も高く、aの値が30mmから離れるのに伴って減少する。また、aの値が25mm、35mmの場合には、結合係数がほぼ同一の特性を示す。このようにアンテナコイル12を金属板3の端部3aの近傍に配置すると結合係数が高いのは、金属板3の端部3a周辺で磁束密度が高いからである。また、金属板3は、リーダライタ120から発信される磁界を受けて渦電流が発生するが、中心部分3bに比べて端部3aの方が磁界の強さが大きく、リーダライタ120から受けた磁気的なエネルギーを効率よくアンテナコイル12側に伝えることができるからである。
なお、aの値が、25mmより小さくなるように変化させた場合と35mmより大きくなるように変化させた場合とを比較すると、両方とも結合係数が減少するが、35mm以上の場合の方がaの値の変化に対して、結合係数の減少幅が小さい。たとえば、aの値が22mm、38mmの場合を比較すると、aの値が38mmの方が20%程度結合係数が高い。また、aの値が20mm、40mmの場合を比較すると、aの値が40mmの方が40%程度結合係数が高い。
<実施例>
本実施例では、図22に示すように、金属板3とリーダライタ120とを対向させて、金属板3とアンテナ基板11のリーダライタ120と反対側において、金属箔4を金属板3とアンテナ基板11に重畳させた。アンテナ基板11は、金属板3の端部3aに隣接させた。この状態で、金属箔4とアンテナ基板11との相対的な位置関係を変化させたときの通信特性について評価した。
具体的な評価条件としては、リーダライタ120、アンテナ121、金属板3、アンテナ基板11及びアンテナコイル12の各外形寸法、構造及び配置は、比較例と同一である。金属箔4は、外形が50mm×10mmの銅箔を用い、アンテナ基板11の長手方向の全幅を覆うように重畳させた。
ここで、アンテナ基板11と、アンテナ基板11と重畳する金属箔4との相対的な位置関係を示す値として、次のbを用いた。すなわち、bは、アンテナ基板11の一方側11aの端部11dから、金属箔4のアンテナ基板11側の端部4aまでのy軸方向で規定される重畳距離である。
以上のような条件の下、bの値を0mmから10mmまで変化させたときの、アンテナコイル12の結合係数をシミュレーションで求めた。結合係数の変化を図23に示す。
アンテナ基板11の幅が10mmであるので、bの値が5mmのとき、金属箔4はアンテナコイル12の中心12aを介した一方側11a全体に亘って重畳されている。また、bの値が0mmのとき、金属箔4は、アンテナ基板11に全く重畳されず、bの値が10mmのとき、金属箔4は、アンテナ基板11全体に重畳されている。
図23に示すように、bの値が5mmのとき、すなわち金属箔4がアンテナ基板11のアンテナコイル12の中心12aを介した一方側11a全体に亘って重畳されているときに、結合係数が最も高く、このときの値は、比較例に係るアンテナ装置における結合係数と同等であった(結合係数:0.0053)。
すなわち、アンテナ装置1によれば、金属箔4を金属板3とアンテナ基板11とに亘って重畳させることにより、重畳領域における磁界を跳ね返して誘導結合を抑制し、重畳していない領域において発生した電流を効率よく送電することができ、また、金属板3からの磁束を漏らさずに、金属箔4が重畳していないアンテナ基板11の領域へ誘導することができ、効率のよい誘導結合を行うことができる。この結果、比較例に係るアンテナ装置における結合係数と同等の結合係数を実現しつつ、金属板3に対するアンテナ基板11の配置の自由度を向上させることができる。
なお、上述においては、アンテナ基板11上にアンテナコイル12を周回させて形成したアンテナ装置について説明をしたが、アンテナコイル12をアンテナ基板11上に形成しないようなアンテナ装置にも適用できるのはいうまでもない。
たとえば、図24に示すように、磁性シート20にアンテナコイル12を巻回して、金属板3に一部が重畳するように配置された金属箔4にアンテナコイル12の一部に重畳させるように配置してもよい。また、このような構成のアンテナコイル12を上述したさまざまな実施の形態に適用してもよい。
1 アンテナ装置、2 アンテナモジュール、3 金属板、3a,4a 端部、3b 中心部分、4 金属箔、4a 端部、4b 接着剤層、4c 高導電率金属、4d 絶縁層、11 アンテナ基板、11a 一方側、11b 他方側、12 アンテナコイル、
12a 中心、12b 屈曲位置、13 通信処理部、14 端子部、20 磁性シート、無線通信システム、120 リーダライタ、121 アンテナ、141 外筐体、141a 内周壁、142 空間

Claims (2)

  1. 電子機器に組み込まれ、外部機器と電磁界信号を介して通信するアンテナ装置において、
    上記電子機器の筐体内部に設けられ、上記外部機器に対向する第1の導電体と、
    上記電子機器の筐体内部に設けられ、上記外部機器と誘導結合されるアンテナコイルと、
    上記電子機器の筐体内部に設けられ、上記第1の導電体の厚さ方向の側面の少なくとも一部に重畳するように、当該側面の一部に近接し又は接触し、かつ、屈曲して配置され、上記アンテナコイルの上記外部機器と対向する面と反対側の面と、少なくとも一部が重畳するシート状の第2の導電体とを備え、
    上記アンテナコイルは、当該アンテナコイルの導線が一方向に周回する一方側と、上記アンテナコイルの上記導線が他方向に周回する他方側とを有し、上記アンテナコイルの上記一方側及び上記他方側が配列される方向で上記第1の導電体の端部から離間して、当該第1の導電体と重畳しない位置に配置される
    アンテナ装置。
  2. 上記アンテナコイルに磁界を引き込む磁性シートを更に備え、
    上記磁性シートが、上記アンテナコイルの中心部分に差し込まれることで、上記外部機器と対向する筐体面の中心側では該磁性シートが上記アンテナコイルよりも上記外部機器側に位置する配置条件と、該筐体面の外周側では該アンテナコイルが該磁性シートよりも該外部機器側に位置する配置条件との両方の配置条件を満たすようにして、該アンテナコイルと該磁性シートとが互いに重畳されている
    請求項1記載のアンテナ装置。
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