JP5483601B2 - 膜張力測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、膜体を音波によって振動させることにより、当該膜体に付与されている張力を測定するための膜張力測定装置に関する。
膜構造を有する建築物には、例えば、野球場、体育館、パビリオンなどが挙げられる。ここで、上記膜構造の主体となる膜体は、その自由状態で可撓性を有している。このため、この建築物の竣工時には、その膜構造における膜体に対し面方向に沿って一様な張力(N/cm)が初期荷重として付与され、これにより、膜体は所定形状に保持(保形)されると共に、風や雪などの負荷によって容易に変形しないようにするための剛性が与えられる。
ところで、建築物の竣工後の時間経過に伴い、上記膜体には、通常、その面方向に緩みが生じがちとなる。この緩みにより、上記張力により膜体に生じていた内部応力が低下し、つまり、上記張力が低下することとなる。そして、この張力の低下により、上記膜体に過度な緩みが生じると、フラッタリングやポンディングという不都合が生じる虞があり、好ましくない。
このため、建築物の竣工後、所定時間の経過毎に膜体に付与されている張力を知ることは、長期間にわたって膜体を適性に維持管理する上で重要である。そこで、上記張力を測定可能とする膜張力測定装置が、下記特許文献1に示されるように従来より知られている。
上記特許文献1によれば、膜張力測定装置は、一様な張力が付与された膜体の膜面に当接する矩形枠体と、この枠体によって囲まれた上記膜体の一部分に向かって音波を発する音波発生装置と、上記音波により上記膜体の一部分に生じる振動を検出する振動検出装置と、この振動検出装置が検出する振動データに基づいて上記張力を演算する演算装置とを備えている。
上記膜張力測定装置を用いて膜体の張力を測定する作業を行う場合には、まず、上記膜体の膜面に枠体を当接させる。次に、上記枠体で囲まれた膜体の一部分に向かって上記音波発生装置により音波を発生させる。すると、この音波により上記膜体の一部分が振動し、この振動が上記振動検出装置により検出される。そして、この振動検出装置が検出する振動検出データに基づいて、上記演算装置により上記膜体の一部分の共振(固有)振動数が特定され、この共振振動数により、上記張力が演算されて出力される。この結果、上記張力を知ることができ、これにより、上記膜体の適正な維持管理ができることとなる。
ところで、上記特許文献1の膜張力測定装置では、枠体、音波発生装置、振動検出装置および演算装置が互いに個別に設けられている。このため、上記膜張力測定装置により張力の測定作業をしようとすると、測定者は上記各構成部品をそれぞれ個別に支持する必要がある。しかし、これでは、特に建築物など高所や足場の悪いところでの測定作業が煩雑になるおそれがあり、この点、改善の余地が残されている。
特開2002−90238号公報
本発明の目的は、膜体の張力測定の作業が容易な膜張力測定装置を提供することである。
本発明の一局面による膜張力測定装置は、張力が付与された膜体の膜面に当接可能な矩形枠体と、上記枠体によって囲まれた上記膜体の一部分に向かって音波を発する音波発生装置と、上記音波により上記膜体の一部分に生じる振動を検出する振動検出装置と、上記振動検出装置が検出する振動データに基づいて上記張力を演算する演算装置と、を備え、上記音波発生装置、振動検出装置および演算装置がそれぞれ上記枠体に取り付けられている。
本発明の実施形態による膜張力測定装置の平面図である。 上記膜張力測定装置の正面図である。 上記膜張力測定装置の側面図である。 上記膜張力測定装置の電気ブロック図である。 上記膜張力測定装置による制御のフローチャートを示す図である。 上記膜張力測定装置による張力の測定作業のタイムチャート図である。
本発明を実施するための形態としての膜張力測定装置は、均一な張力が付与された膜体の膜面に当接可能な矩形枠体と、この枠体によって囲まれた上記膜体の一部分に向かって音波を発する音波発生装置と、上記音波により上記膜体の一部分に生じる振動を検出する振動検出装置と、この振動検出装置が検出する振動データに基づいて上記張力を演算する演算装置とを備える。上記音波発生装置、振動検出装置および演算装置は、それぞれ上記枠体に取り付けられている。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1〜3において、符号1は膜構造を有する建築物1である。この建築物1の膜構造(テント)における膜体2は水平方向に延びている。
本実施形態の膜張力測定装置の測定対象となり得る膜体2は、特に限定されるものではないが、樹脂又はゴムからなるフィルム又はシート状のものであれば、本装置によって測定することができる。フィルム又はシートは、織物又は編物からなる基材に樹脂又はゴムを被覆したものであっても良い。
上記樹脂は、塩化ビニル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン、フッ素樹脂、ポリスチレン、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリアミド、アクリル樹脂、ポリカーボネート、メチルペンテン樹脂の何れかまたはこれらの混合物であるのがよい。また、上記ゴムは、クロロプレンゴム、クロロスルフォン化ポリエチレンゴム、天然ゴム、ブタジエンゴム、スチレンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、エチレンプロピレンゴムの何れかであるのがよい。
上記織物又は編物は、ケナフ、ジュートその他の天然繊維や、ポリアミド系繊維、ポリアラミド系繊維、ポリエステル系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、ポリ塩化ビニリデン系繊維、アクリル系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリプロピレン系繊維、ポリエチレン系繊維などの合成繊維や、ガラス繊維、シリカ繊維、バサルト繊維などの無機繊維の何れかまたはこれらの混合による織物又は編物であるのがよい。
膜体が透明または半透明の場合には、後述の振動検出装置24が照射するレーザ光線が膜体を透過してしまい、反射光を検出できない場合がある。このような場合には、膜面においてレーザ光線が照射される位置に不透明のテープ等の部材を貼り付けるようにしてもよい。そうすれば、反射光を検出する事ができ、張力測定が可能となる。
上記膜体2には、その面方向で、直交する2方向(x,y方向)にそれぞれ一様な張力Tx,Ty(N/cm)が付与されている。上記膜体2に対する張力Tx,Tyの付与により、この膜体2は、所定形状に保持されると共に、風や雪などの負荷に対抗するための剛性が与えられている。
膜体2に付与されている張力Tx,Tyを測定するための膜張力測定装置3は、上記膜体2の膜面4である上面に当接可能な矩形の枠体5を備えている。この枠体5は、上記膜体2に直交するよう鉛直方向に延びる軸心6を有する短尺の角筒形状とされている。上記膜張力測定装置3の平面視で、上記枠体5は、短辺がx方向に延びる長方形とされている。上記枠体5を構成する4枚の壁板7は、透明のアクリル製樹脂板により形成されている。上記膜張力測定装置3の平面視で、上記枠体5のx方向の内幅寸法は20cm、y方向の内幅寸法は30cm、枠体5の高さは10cmである。
枠体5は、その下端面が膜面4と当接するように膜体2上に設置される。上記膜張力測定装置3は、水平に延びて上記枠体5の上端部(即ち、対向する一対の壁板の上端部)に架設されると共に、この上端部に締結具10により固着される平板状のブラケット11を備えている。なお、図1は、ブラケット11がy方向に延びるようにセットされる例を示している。
また、上記膜張力測定装置3は、ブラケット11の上面から上方に向かって突設される門型の把手12を備えている。この把手12は、上記膜張力測定装置3を用いて上記張力Tx,Tyの測定作業をしようとする測定者13によって把持可能とされる。上記ブラケット11と把手12とは共に黒アルマイト製とされる。
上記膜張力測定装置3には、上記ブラケット11を介して枠体5に取り付けられる音波発生装置17が設けられている。音波発生装置17は、枠体5によって囲まれた上記膜体2の矩形の一部分2aに向かって音波16を発するものであり、本実施形態では、音波発生装置17はフラットパネルスピーカとされている。この音波発生装置17は、上記ブラケット11に支持されて上記枠体5の内部空間18の上端に沿って延び、その下方の上記膜体2の一部分2aに向かって開口するハウジング19と、このハウジング19の開口を閉じるようこのハウジング19に取り付けられる矩形のフラットパネル20と、上記ハウジング19内で、上記フラットパネル20の上面側に設置される振動素子21とを備えている。
上記膜張力測定装置3の平面視で、上記フラットパネル20は長方形をなして上記膜張力測定装置3の内部空間18の中央部に位置している。上記フラットパネル20の短辺と長辺とは、上記枠体5の内側寸法の短辺と長辺とに対しそれぞれ平行に延びている。また、上記フラットパネル20は、枠体7の下端部(壁板7の下端部)と平行になっている。すなわち、フラットパネル20は上記膜体2の一部分2aと平行に延びるように設けられている。フラットパネル20はアクリルなどの樹脂板製や板金製などとされる。
上記振動素子21は、外部からの電気信号により振動し、この振動は上記フラットパネル20に伝達され、これにより、このフラットパネル20が音波16を発する。この音波16のエネルギーにより、上記膜体2の一部分2aが振動する。すなわち、フラットパネル20と膜体2の一部分2aとは非接触で音波が伝わる。
上記膜張力測定装置3には、図2〜4に示すように、上記音波16により上記膜体2の一部分2aに生じる固有振動を検出する振動検出装置24が設けられる。この振動検出装置24は、レーザドップラ振動計であり、上記膜体2の一部分2aの振動を非接触で検出する。振動検出装置24は、上記ブラケット11に支持されて上記枠体5の内部空間18に配置されている。振動検出装置24は、上記膜体2の一部分2aの上方近傍に配置されるとともに、上記軸心6上で、上記膜体2の一部分2aと音波発生装置17との間に配置されるセンサヘッド25と、このセンサヘッド25と電気的に接続されるアンプユニット26とを備えている。
上記膜張力測定装置3には、上記振動検出装置24が検出する振動検出データに基づいて上記張力Tx,Tyを電子的に演算する演算装置29が設けられている。この演算装置29は、上記枠体5の上端部に架設されると共に、この上端部に締結具30により固着されるハウジング31を備えている。なお、図1は、ハウジング31が上記ブラケット11の上方近傍をx方向に延びるように設置される例を示している。
上記演算装置29は、図4に示すように、上記ハウジング31の内部に下記構成部品を備えている。即ち、演算装置29には、記憶装置などを有する中央制御装置33、この中央制御装置33に接続される時計34、電源となるリチウム電池35、上記中央制御装置33への電池35からの電力供給をオン・オフする電源スイッチ36、上記音波発生装置17と中央制御装置33とを接続して上記音波発生装置17に電池35からの電力供給を可能とするパワーアンプ37およびD/A変換器38、上記振動検出装置24のアンプユニット26と中央制御装置33に内有されるA/D変換器39とを接続するバッファアンプ40およびローパスフィルタ41、断接スイッチ42を介して上記振動検出装置24のアンプユニット26と接続される安定化電源43、およびこの安定化電源43に切換スイッチ44を介して接続され、充電可能なニッケル水素バッテリである二次電池45が設けられている。
上記安定化電源43は、上記切換スイッチ44とACアダプタ48とを介し、商用の交流(100V)の外部電源49に断接可能とされている。上記中央制御装置33にスタートスイッチ52が電線51を介して接続されている。スタートスイッチ52は、上記ハウジング31の外部に設けられており、中央制御装置33を作動開始させるためのスイッチである。また、上記ハウジング31の上面には液晶表示部等の表示部53が設けられている。表示部53は、演算装置29による演算結果などの測定データが測定者13により視認できるよう表示する。
上記演算装置29による演算結果などの測定データは、この演算装置29から離れたところに位置する端末パーソナルコンピュータである受信装置56に無線で送信できる。具体的には、上記演算装置29のハウジング31の内部に上記中央制御装置33に接続される無線モジュール(通信モジュール)57が設けられ、また、上記受信装置56に接続される送受信ユニット58がハウジング31の外部に設けられている。上記受信装置56は、受信した上記測定データを視認できるよう表示する液晶表示部等の表示部59を備えている。なお、上記演算装置29と受信装置56とは電線60によって送受信するようにしてもよい。すなわち、演算装置29と受信装置56とは有線接続してもよい。
ここで、上記膜体2の単位面積当たりの質量ρ(kg/m)の値は、測定対象となる膜体2の種類(A〜C種など)によって互いに相違する。そこで、上記測定対象となる膜体2の種類と、その各ρの値は、初期条件として、予め演算装置29に蓄積されている。そして、膜張力測定装置3において、測定対象となる膜体2の種類と、この種類に合致するρの値とは、任意に選択可能とされている。なお、上記膜体2の種類に合致するよう、ρの値が、その都度、測定者13によって演算装置29に入力されるようにしてもよい。
次に、図5,6を参照しながら、測定者13が、上記膜張力測定装置3を用いて膜体2の張力Tx,Tyを測定する際の作業の手順について説明する。図5は、膜張力測定装置3の演算装置29による制御フローを示し、図中Sはプログラムの各ステップを示している。また、図6は、上記図5のフローチャートに沿ったタイムチャートを示している。
まず、図1〜3中実線で示すように、上記膜体2の膜面4の上面に枠体5の下端部を当接させる一方、上記電源スイッチ36をオンする(図5中のステップS1、図6中の時間a)。次に、スタートスイッチ52をオンする(図5中のステップS2、図6中の時間b)。これにより、上記膜張力測定装置3の表示部53に、測定準備のための表示がなされる(図5中のステップS3)。例えば、この表示は、測定作業の整理番号、日時、測定対象となる膜体2の種類(A〜C種など)、枠体5の姿勢などである。この枠体5の姿勢とは、例えば、膜体2の膜面4に沿った方向のある一方向をx方向とした場合において、このx方向に上記枠体5の短辺を平行にさせた場合の姿勢(図1〜3中実線の「第1姿勢」)等を意味する。
そして、上記したようにスタートスイッチ52をオンすれば、このスタートスイッチ52のオンから所定時間T1の経過後(図5中のステップS4)に音波発生装置17が自動的に作動を開始(オン)する(図5中のステップS5、図6中の時間c)。
つまり、上記音波発生装置17の振動素子21が中央制御装置33からの所定の電気信号により振動を開始して、この振動が上記フラットパネル20に伝達される。そして、これにより、フラットパネル20が500Hz以下の所定周波数域でホワイトノイズである音波16を発する。すると、この音波16を受けて上記膜体2の一部分2aが振動する。この場合、初期条件として、上記音波16により振動する上記膜体2の「振動範囲」は、上記「第1姿勢」の枠体5により区画された膜体2の一部分2aに相当し、図例では、この一部分2aの短辺の長さはaであり、長辺の長さはbである。
また、上記音波発生装置17のオンから所定時間T2の経過後に(図5中のステップS6)、振動検出装置24が自動的に作動を開始(オン)する(図5中のステップS7、図6中の時間d)。すなわち、上記振動検出装置24は、上記中央制御装置33からの制御信号により、上記電池45を電源として、レーザ光線を上記膜体2の一部分2aに照射開始する。このレーザ光線は、振動する膜体2の一部分2aで反射し、その反射光は上記センサヘッド25に入力される。センサヘッド25は、ドップラ効果に基づく上記反射光の波長の変化を検出すると共に、上記音波発生装置17のフラットパネル20が発する音波16の所定周波数域(0〜500Hz)において、上記膜体2の一部分2aに生じる固有振動を検出する。
このとき、上記振動検出装置24は、上記音波発生装置17の作動中にのみ作動している。すなわち、振動検出装置24は、音波発生装置17が作動中であることを条件として作動する。なお、上記振動検出装置24の作動の開始は、上記音波発生装置17の作動の開始(図5中のステップS5、図6中の時間c)と同時であってもよい。
次に、上記振動検出装置24が検出した上記膜体2の一部分2aの固有振動を内容とする振動データは、上記演算装置29に入力され、この演算装置29の作動が自動的に開始(オン)される(図5中のステップS7、図6中の時間d)。振動検出装置24の振動データが演算装置29に入力される際には、上記固有振動のうち、当該測定作業における測定者13の手ぶれに起因すると考えられる所定の下限振動数(20Hz)以下の振動についての振動データは、前記ローパスフィルタ41によりフィルタリング(除去)される。
そして、上記下限振動数を越えている上記固有振動の各振動数毎に、スペクトルとして具現可能な振動の強度(dB)が、上記演算装置29によりFFT(高速フーリエ変換)を用いて演算される。上記振動の強度は、上記固有振動での異なる値の振動数で極大値を複数点採ることがあるが、これらの極大値を取る振動数のうち、最大値に対応する振動数が共振(固有)振動数として選択される。そして、この振動数が演算結果としての共振(固有)振動の基本振動数fとされて記憶される。
上記振動検出装置24と演算装置29とは所定時間T3だけ作動して(図5中のステップS8)、オフする(図5中のステップS9、図6中の時間e)。次に、これら振動検出装置24と演算装置29との作動のオフから0.5秒程度の所定時間T4の経過後に(図5中のステップS10)、上記音波発生装置17がオフする(図5中のステップS11、図6中の時間f)。なお、上記各所定時間T1,T2,T3は、その合計時間が10秒以下の範囲で、それぞれ任意に設定可能とされる。
次に、図1中に一点鎖線で示すように、上記枠体5を、その軸心6回りに90°回転変位させて「第2姿勢」とする。この状態で、枠体5を膜体2の膜面4の上面に当接させる一方、上記スタートスイッチ52をオンする(図5中のステップS2、図6中の時間b´)。そして、上記同様に、演算装置29による自動制御により、音波発生装置17、振動検出装置24、および演算装置29が順次作動(オン)する。
上記の場合、初期条件として、上記音波16により振動する上記膜体2の「振動範囲」は、上記「第2姿勢」の枠体5により区画された膜体2の他の一部分に相当し、図例では、この「他の一部分」の長辺の長さはaであり、短片の長さはbである。そして、上記同様に、演算装置29により、固有振動のうち、振動の強度が最大値となる振動数が選択されて、この振動数が演算結果としての他の共振(固有)振動の基本振動数fとされて記憶される。
上記した初期条件と演算結果とを整理すると、次の如くである。
ρ(kg/m):測定対象となる膜体の単位面積当たりの質量
(cm):共振振動の基本振動数fの「振動範囲」の短辺の長さ
(cm):共振振動の基本振動数fの「振動範囲」の長辺の長さ
(cm):共振振動の基本振動数fの「振動範囲」の長辺の長さ
(cm):共振振動の基本振動数fの「振動範囲」の短辺の長さ
(Hz):a,bの時(図1〜3中実線図示)に測定された膜体の共振振動の基本振動数
(Hz):a,bの時(図1中一点鎖線図示)に測定された膜体の共振振動の基本振動数
そして、上記初期条件と演算結果とに基づき、上記演算装置29により、FFT(高速フーリエ変換)を用いて下記張力Tx,Tyを演算するが、その算定式として下記式(1)(2)が用いられ、かつ、この式(1)を展開した式(3)(4)が用いられる。
張力Tx(N/cm):x方向の単位長さ当たりの張力
張力Ty(N/cm):y方向の単位長さ当たりの張力
Figure 0005483601
Figure 0005483601
Figure 0005483601
Figure 0005483601
上記演算装置29による張力Tx,Tyの演算が終了したとき、演算結果、初期条件等を含む測定データが上記演算装置29に保存されると共に、この演算装置29の表示部53に聴覚的、視覚的に表示可能とされる。また、上記測定データは上記無線モジュール57および送受信ユニット58により受信装置56に送信されて、受信装置56に保存されると共に、この受信装置56の表示部59に聴覚的、視覚的に表示可能とされる。そして、上記張力Tx,Tyの値などの測定結果は、建築物1における膜体2の適正な維持管理のために供される。
本実施形態の膜張力測定装置3では、音波発生装置17、振動検出装置24、および演算装置29がそれぞれ枠体5に取り付けられている。
このため、膜張力測定装置3により膜体2の張力Tx,Tyの測定作業を行う場合には、測定者13は膜張力測定装置3のいずれかの部位を支持して作業をすれば足りる。つまり、測定作業時に膜張力測定装置3の各構成部品をそれぞれ個別に支持することは不要である。したがって、上記測定作業における膜張力測定装置3の取り扱いが容易となり、この測定作業を容易に行うことができる。
また本実施形態では、音波発生装置17が、膜体2の一部分2aに対し平行に延び、電気信号に基づいて上記音波16を発するフラットパネル20を備えたフラットパネルスピーカとされている。
ここで、膜体2の一部分2aを音波発生装置17により振動させようとする場合には、膜体2の一部分2aの全体にわたってその各部をより均一に振動させることが好ましい。一方、音波発生装置17のフラットパネル20は、音波が放射状に広がるコーン型スピーカなどに比べ、より広い面積の音源で平面波の音波16を発することができる。
したがって、上記測定作業において、フラットパネル20を膜体2の一部分2aにある程度近づけて配置したとしても、フラットパネル20の広い面積の音源で発せられる音波16により、膜体2の一部分2aをその全体にわたってより均一に振動させることができる。このため、フラットパネル20を膜体2の一部分2aにより接近させることができる分、膜張力測定装置3を小型かつ軽量にでき、これにより、膜張力測定装置3による測定作業をより容易に行うことができる。
また本実施形態では、フラットパネル20の短辺と長辺とが、上記枠体5の内側寸法の短辺と長辺とに対し平行になるようにしている。
このため、フラットパネル20を膜体2の一部分2aにより近づけて配置したとしても、フラットパネル20により、膜体2の一部分2aを全体にわたって均一に振動させることができる。したがって、フラットパネル20を膜体2に近づけられる分、膜張力測定装置3をより小型かつ軽量に構成することができる。
また本実施形態では、音波発生装置17をオン操作すれば、音波発生装置17が作動開始して音波16を発し、この音波16により膜体2の一部分2aに生じる振動を振動検出装置24が自動検出する。そして、演算装置29は、振動検出装置24が検出した振動データに基づいて上記張力Tx,Tyを自動演算すると共に、上記振動データと演算結果とを含む測定結果を自動記憶し、かつ、この測定結果を表示部53で任意に表示する。
このため、膜張力測定装置3を用いて測定作業をする際には、まず、膜体2の膜面4に枠体5を当接させ、次に、音波発生装置17をオンさせるだけでよい。これにより、測定作業による測定結果が膜張力測定装置3に自動記憶され、かつ、この測定結果を表示することができる。これにより、記憶された内容を任意に知ることができる。
よって、測定者13は、測定作業時に測定結果を記憶したり、メモしたりしないで足りる。このため、測定作業の現場が高所であるとしても、測定作業を容易に行うことができる。また、上記測定結果の内容は、第1に、測定作業の現場から離れた作業上都合のよい事務所などで、膜張力測定装置3に表示させることができる。また、第2に、パーソナルコンピュータなどの端末機に膜張力測定装置3を接続してデータをアップロードすることによりテキストファイルで得ることも可能となる。このため、上記測定作業後に、その測定結果を知ることが容易にできる。
また本実施形態では、音波発生装置17が発する音波16の出力(dB)の大きさを調整できる。
ここで、膜張力測定装置3において音波発生装置17の消費電力は、他の振動検出装置24や演算装置29の消費電力に比べて大きい。したがって、音波発生装置17が発する音波16の出力(dB)の大きさを、膜体2の単位面積当りの質量ρ(kg/m)の値の大きさに相応するよう必要最小限にすることが可能である。これにより、無用な電力消費を防止することができる。よって、膜張力測定装置3の消費電力を抑制することができる。また、これにより、膜張力測定装置3における各装置17,24,29の電源を商用などの外部電源49によらずに電池35,45にする可能性を高めることができ、電源選択の自由度を向上することができる。
また本実施形態では、音波発生装置17の作動中にのみ、上記振動検出装置24が作動する。
このため、音波発生装置17が作動していないときに振動検出装置24が作動する、という無用な電力消費を防止することができる。よって、膜張力測定装置3の消費電力を抑制することができる。
また本実施形態では、上記演算装置29は、音波発生装置17の作動開始(図6c)から所定時間T2経過後に作動開始(図6d)する。
測定者13が膜張力測定装置3を用いて測定作業をする場合において、膜体2の膜面4に枠体5を当接させるとき、当接した当初は、測定者13には手ぶれが生じ易い。特に、図2,3中に一点鎖線で示すように、膜体2の膜面4における下面に枠体5を当接させる場合には、手ぶれが顕著に生じるおそれがある。
そこで、音波発生装置17の作動開始(図6c)から所定時間T2経過後に、演算装置29が作動開始(図6d)することにより、手ぶれによる振動が含まれた振動データに基づいて張力が演算されてしまうことを防止でき、より精度の高い測定を行うことができる。したがって、この測定作業において、膜体2の膜面4に枠体5を当接させる際の手ぶれの影響を余り考慮しないで済むため、その分、測定を更に容易にかつ精度よく行うことができる。
また本実施形態では、膜張力測定装置3の各装置17,24,29の電源が電池35,45となっている。
仮に、膜張力測定装置3が電線によって商用などの外部電源49に接続されている場合には、この電線を介し膜張力測定装置3に無用な外力が付与されるおそれがあるが、上記したように電源を電池35,45としたため、このような膜張力測定装置3への外力の付与を防止することができる。よって、膜張力測定装置3の取り扱いをより容易にかつ精度よくすることができる。
また、仮に、上記電源として商用など交流の外部電源49が用いられる場合には、膜体2の共振(固有)振動とは何ら関係のない交流電源周波数(50Hzや60Hz)が、振動検出装置24の出力をFFT処理した結果のスペクトルの一つとして現われるおそれがある。これは、膜張力測定装置3による測定の測定結果を阻害するものであって好ましくないため、各装置17,24,29の電源が直流電源である電池35,45である場合には、上記した交流電源を用いることによる不都合の発生をも防止することができる。
また、音波発生装置17はフラットパネルスピーカであって、このスピーカはコーン型スピーカに比べて少ない消費電力で効率よく振動するものである。このため、外部電源49から膜張力測定装置3に多量に電力を供給することが不要となり、電池35,45からの電力供給で足りるようになる。よって、音波発生装置17をフラットパネルスピーカにしたことにより、外部電源49からの電力供給のための電線を不要にでき、しかも、膜張力測定装置3の取り扱いがより容易になり、かつ精度を向上することもできる。
また本実施形態では、演算装置29は、振動検出装置24が検出する振動のうち、所定値以下の低周波振動がフィルタリングされた振動データに基づいて、上記張力Tx,Tyを演算する。
ここで、測定者13が膜張力測定装置3を用いて測定作業をする場合において、膜体2の膜面4に枠体5を当接させるとき、当接した当初は、測定者13には低周波振動の手ぶれが生じがちとなる。
そこで、演算装置29が、所定値以下の低周波振動がフィルタリングされた振動データに基づいて上記張力Tx,Tyを演算することにより、手ぶれによる振動が含まれた振動データに基づいて張力を演算することを防止でき、より精度のよい測定を行うことができる。したがって、この測定作業において、膜体2の膜面4に枠体5を当接させる際の手ぶれの影響を余り考慮しなくてよいため、その分、この測定を更に容易にかつ精度よく行うことができる。
また本実施形態では、演算装置29による演算結果を含む測定データを、演算装置29から離れたところに位置する受信装置56に無線送信できるようにし、この受信装置56が、上記測定データを表示する表示部59を備えている。
このため、膜張力測定装置3を用いて建築物1など高所や足場の悪い現場で測定作業をする場合でも、受信装置56の表示部59によって、足場の良いところなど所望位置で膜張力測定装置3による測定結果をリアルタイムでモニタリングすることができる。よって、現場での測定作業の負担が軽減されて、この測定作業がより容易に円滑にできる。
また本実施形態では、電源スイッチ36をオンした後、所定時間以内にスタートスイッチ52をオンしない場合には、膜張力測定装置3が自動的にオフする。これにより、無用な電力消費が防止される。
なお、以上は図示の例によるが、上記膜体2の一部分2aは鉛直方向に延びていてもよく、あるいは傾斜していてもよい。また、上記枠体5は正方形であってもよい。また、上記枠体5への音波発生装置17等の取り付けは、直接及び間接のいずれであってもよい。また、上記音波発生装置17はコーン型スピーカであってもよい。また、演算装置29におけるスタートスイッチ52は、ハウジング31に直接取り付けられていてもよい。また、上記各共振振動数f,fに基づく張力Tx,Tyの演算は、予め演算装置29に格納してあるf,fとTx,Tyとに関するマップに基づいて行うようにしてもよい。
[実施の形態の概要]
前記実施形態の概要は、以下の通りである。
(1) 上記実施形態の膜張力測定装置は、張力Tx,Tyが付与された膜体2の膜面4に当接可能な矩形枠体5と、この枠体5によって囲まれた上記膜体2の一部分2aに向かって音波16を発する音波発生装置17と、上記音波16により上記膜体2の一部分2aに生じる振動を検出する振動検出装置24と、この振動検出装置24が検出する振動データに基づいて上記張力Tx,Tyを演算する演算装置29とを備えている。そして、上記音波発生装置17、振動検出装置24、および演算装置29がそれぞれ上記枠体5に取り付けられている。
このため、膜体に付与されている張力の測定作業を行う場合には、測定者は膜張力測定装置のいずれかの部位を支持して作業をすれば足りる。つまり、膜張力測定装置の各構成部品をそれぞれ個別に支持することは不要である。したがって、上記測定作業における膜張力測定装置の取り扱いが容易となり、この測定作業を容易に行うことができる。
(2) 上記音波発生装置17は、上記膜体2の一部分2aに対して平行になるように設けられ、電気信号に基づいて上記音波16を発するフラットパネル20を備えたフラットパネルスピーカであってもよい。
上記膜体の一部分を音波発生装置により振動させようとする場合には、上記膜体の一部分の全体にわたってその各部をより均一に振動させることが好ましい。一方、上記音波発生装置のフラットパネルは、音波が放射状に広がるコーン型スピーカなどに比べ、より広い面積の音源で平面波の音波を発することができる。
したがって、上記測定作業において、フラットパネルを上記膜体の一部分にある程度近づけて配置したとしても、フラットパネルの広い面積の音源で発せられる音波により、上記膜体の一部分をその全体にわたってより均一に振動させることができる。このため、上記フラットパネルを膜体の一部分により接近させることができる分、上記膜張力測定装置を小型かつ軽量にでき、これにより、膜張力測定装置による測定作業をより容易に行うことができる。
(3) 上記音波発生装置17をオン操作に応じて、上記音波発生装置17が作動開始して音波16を発し、上記振動検出装置24が上記音波16により上記膜体2の一部分2aに生じる振動を自動検出し、当該振動検出装置24によって検出された振動データに基づいて上記演算装置29が上記張力Tx,Tyを自動演算すると共に、上記振動データと演算結果とを含む測定結果を自動記憶し、かつ、この測定結果を表示部53で表示するように構成されていてもよい。
上記膜張力測定装置を用いて測定作業をする際には、まず、膜体の膜面に枠体を当接させ、次に、上記音波発生装置をオンさせるだけで、上記測定作業による測定結果が上記膜張力測定装置に自動記憶され、かつ、この測定結果を表示することができる。これにより、記憶された内容を任意に知ることができる。
よって、測定者は、上記測定作業時に測定結果を記憶したり、メモしたりしないで済む。このため、測定作業の現場が高所であるとしても、測定作業を容易に行うことができる。また、上記測定結果の内容は、第1に、測定作業の現場から離れた作業上都合のよい事務所などで、膜張力測定装置に表示させることができる。また、第2に、パーソナルコンピュータなどの端末機に膜張力測定装置を接続してデータをアップロードすることによりテキストファイルで得ることも可能となる。このため、上記測定作業後に、測定結果を知ることが容易にできる。
(4) 上記膜張力測定装置は、上記音波発生装置17が発する音波16の出力(dB)の大きさを調整可能であってもよい。
上記膜張力測定装置において、上記音波発生装置の消費電力は、他の振動検出装置や演算装置の消費電力に比べて大きい。したがって、音波発生装置が発する音波の出力の大きさを調整できる場合には、上記音波発生装置が発する音波の出力の大きさを、膜体の単位面積当りの質量の値の大きさに相応するよう必要最小限にすることが可能となる。これにより、無用な電力消費を防止することができる。よって、膜張力測定装置の消費電力を抑制することができる。また、これにより、膜張力測定装置における各装置の電源を商用などの外部電源によらずに電池にする可能性を高めることができ、電源選択の自由度を向上することができる。
(5) 上記振動検出装置24は、上記音波発生装置17が作動中であることを条件として作動するように構成されていてもよい。
この構成では、上記音波発生装置が作動していないときに上記振動検出装置が作動する、という無用な電力消費を防止することができる。よって、膜張力測定装置の消費電力を抑制することができる。
(6) 上記演算装置29は、上記音波発生装置17の作動開始(図6c)から所定時間T2経過後に作動開始(図6d)するよう構成されていてもよい。
測定者が上記膜張力測定装置を用いて測定作業をする場合において、膜体の膜面に枠体を当接させるとき、当接した当初は、測定者には手ぶれが生じ易い。特に、膜体の膜面における下面に枠体を当接させる場合には、手ぶれが顕著に生じるおそれがある。
そこで、上記音波発生装置の作動開始から所定時間経過後に、自動的に上記演算装置が作動開始する構成の場合には、手ぶれによる振動が含まれた振動データに基づいて張力が演算されてしまうことを防止でき、より精度の高い測定を行うことができる。したがって、この測定作業において、膜体の膜面に枠体を当接させる際の手ぶれの影響を余り考慮しないでいいため、その分、測定を更に容易にかつ精度よく行うことができる。
(7) 上記各装置17,24,29の電源が電池35,45であってもよい。
仮に、上記膜張力測定装置が電線によって外部電源に接続されている場合には、この電線を介し膜張力測定装置に無用な外力が付与されるおそれがあるが、上記したように電源が電池である場合には、このような膜張力測定装置への外力の付与を防止することができる。よって、膜張力測定装置の取り扱いをより容易にかつ精度よくすることができる。
また、仮に、上記各装置の電源として商用などの交流の外部電源が用いられる場合には、膜体の共振(固有)振動とは何ら関係のない交流電源周波数が、上記振動検出装置の出力をFFT処理した結果のスペクトルの一つとして現われるおそれがある。これは、膜張力測定装置による測定の測定結果を阻害するものであって好ましくないため、各装置の電源が直流電源である電池の場合には、交流電源を用いることによる不都合の発生をも防止することができる。
(8) 上記演算装置29は、上記振動検出装置24が検出する振動のうち、所定値以下の低周波振動がフィルタリングされた振動データに基づいて、上記張力Tx,Tyを演算してもよい。
測定者が上記膜張力測定装置を用いて測定作業をする場合において、膜体の膜面に枠体を当接させるとき、当接した当初は、測定者には低周波振動の手ぶれが生じがちとなる。
そこで、上記演算装置が、所定値以下の低周波振動がフィルタリングされた振動データに基づいて上記張力を演算する構成の場合には、手ぶれによる振動が含まれた振動データに基づいて張力を演算することを防止でき、より精度のよい測定を行うことができる。したがって、この測定作業において、膜体の膜面に枠体を当接させる際の手ぶれの影響を余り考慮しなくてよいため、その分、測定を更に容易かつ精度よく行うことができる。
(9) 膜張力測定装置は、上記演算装置29による演算結果を含む測定データを無線送信可能な無線モジュール57と、上記演算装置29から離れたところに位置し、上記無線モジュール57から送信された測定データを受信する受信装置56と、を備える場合には、上記受信装置56が、上記測定データを表示する表示部59を備えていてもよい。
この態様では、上記膜張力測定装置を用いて建築物など高所や足場の悪い現場で測定作業をする場合でも、上記受信装置の表示部によって、足場の良いところなど所望位置で上記膜張力測定装置による測定結果をリアルタイムでモニタリングすることができる。よって、現場での測定作業の負担が軽減されて、この測定作業がより容易に円滑にできる。
なお、上記各用語に付記した符号や図面番号は、参考用に付したものであり、本発明の技術的範囲を実施形態の説明内容や図面の内容に限定する意図ではない。
本発明は、建築物の他、屋外ステージの天蓋やモニュメントなどに設けられる膜体の張力を測定する装置としても適用可能である。

Claims (10)

  1. 張力が付与された膜体の膜面に当接可能な矩形枠体と、
    上記枠体によって囲まれた上記膜体の一部分に向かって音波を発する音波発生装置と、
    上記音波により上記膜体の一部分に生じる振動を検出する振動検出装置と、
    上記振動検出装置が検出する振動データに基づいて上記張力を演算する演算装置と、を備え、
    上記音波発生装置、振動検出装置および演算装置がそれぞれ上記枠体に取り付けられ、
    上記音波発生装置が、上記膜体の一部分に対して平行になるように設けられ、電気信号に基づいて上記音波を発するフラットパネルを備えたフラットパネルスピーカである膜張力測定装置。
  2. 請求項1に記載の膜張力測定装置において、
    上記フラットパネルの短辺が上記矩形枠体の短辺に平行であり、上記フラットパネルの長辺が上記矩形枠体の長辺に平行である膜張力測定装置。
  3. 請求項1又は2に記載の膜張力測定装置において、
    上記音波発生装置のオン操作に応じて、上記音波発生装置が作動開始して音波を発し、上記音波により上記膜体の一部分に生じる振動を上記振動検出装置によって自動検出し、当該振動検出装置によって検出された振動データに基づいて上記演算装置が上記張力を自動演算すると共に、上記振動データと演算結果とを含む測定結果を自動記憶し、かつ、この測定結果を表示部で表示するように構成されている膜張力測定装置。
  4. 請求項1から3の何れか1項に記載の膜張力測定装置において、
    上記音波発生装置が発する音波の出力の大きさを調整可能である膜張力測定装置。
  5. 請求項1から4の何れか1項に記載の膜張力測定装置において、
    上記振動検出装置は、上記音波発生装置が作動中であることを条件として作動するように構成されている膜張力測定装置。
  6. 請求項1から5の何れか1項に記載の膜張力測定装置において、
    上記演算装置は、上記音波発生装置の作動開始から所定時間経過後に作動開始するように構成されている膜張力測定装置。
  7. 請求項1から6の何れか1項に記載の膜張力測定装置において、
    上記各装置の電源が電池である膜張力測定装置。
  8. 請求項1から7の何れか1項に記載の膜張力測定装置において、
    上記演算装置は、上記振動検出装置が検出する振動のうち所定値以下の低周波振動がフィルタリングされた振動データに基づいて、上記張力を演算する膜張力測定装置。
  9. 請求項1から8の何れか1項に記載の膜張力測定装置において、
    上記演算装置による演算結果を含む測定データを無線送信可能な無線モジュールと、
    上記演算装置から離れたところに位置し、上記無線モジュールから送信された測定データを受信する受信装置と、を備え、
    上記受信装置が、受信した上記測定データを表示する表示部を備えている膜張力測定装置。
  10. 請求項1から9の何れか1項に記載の膜張力測定装置において、
    上記振動検出装置が、上記矩形枠体によって囲まれた上記膜体と上記音波発生装置との間に配置されるセンサヘッドを備えている膜張力測定装置。
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