JP5480491B2 - パーツボックス用洗浄剤組成物およびそれを用いた洗浄方法 - Google Patents

パーツボックス用洗浄剤組成物およびそれを用いた洗浄方法 Download PDF

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Description

本発明は、プラスチックコンテナ(パーツボックス)用の洗浄剤組成物およびそれを用いた洗浄方法であって、特に、自動車部品を入れるために用いられるプラスチックコンテナに付着した油脂、機械油、切削油、グリース、防錆油等の工業用油剤に起因する油性汚れの洗浄除去に適した洗浄剤組成物およびそれを用いた洗浄方法に関する。
従来、自動車部品メーカーおよび自動車製造工場などの自動車関連工場において自動車部品等を入れるためにパーツボックスが用いられている。パーツボックスには、製品に使用するための部品を入れて使用したり、作業用に機械、装置などのいろいろな部品を入れたりするため、汚れとしては機械油、切削油、防錆油、切り粉、鉄粉、埃などが付着している。これらのパーツボックスは、製品への異物混入防止、外観の点から洗浄機を用いて洗浄が行われ、洗浄されたパーツボックスは繰り返し使用される。
パーツボックスは、専用の洗浄機で洗浄される。そのパーツボックス洗浄機は一般的に1)アルカリ循環洗浄工程、2)循環濯ぎ工程、3)乾燥工程から成り、コンベアで送られたパーツボックスは洗浄機の中で連続してアルカリ洗浄、濯ぎ、乾燥が行われる。このときアルカリ循環洗浄工程で使用される洗浄液(以後、「洗浄液」と記載することがある。)は洗浄機内のアルカリ洗浄槽で調製されたのち、汚れの付いたパーツボックスの洗浄に使用される。また、洗浄液は洗浄性を維持するために洗浄剤を補充しながら繰り返し用いられる。一方、循環濯ぎ工程で使用される濯ぎ液はアルカリ循環洗浄で使用された洗浄液をフィルターに通して切り粉などを除去し、さらには油水分離槽で浮上した油分を除去した洗浄液が使用される。また、濯ぎに使用された濯ぎ液はアルカリ洗浄液槽に回収され、再利用される。しかしながら、洗浄液及び濯ぎ液は次第に劣化して行くため、定期的に洗浄液の入れ替えを行う必要がある。このときの廃液は切り子や油分、さらには洗浄剤が高濃度に混入したものであるため、廃液処理が困難で多大な処理費用がかかるという問題を有している。
このためパーツボックス用洗浄剤には、洗浄効果を長く維持し洗浄液の入れ替え頻度を少なくできるように、混入した油分がエマルション化せずに、洗浄液から分離しやすい「油水分離性」を有するものが好ましい。また、循環濯ぎでは、濯ぎ液としてアルカリ洗浄液から汚れ分を取り除いた溶液が利用されるため、その後、乾燥させた時にパーツボックス上に残留した洗浄剤成分由来の乾燥残渣が生じやすい。そのため、乾燥残渣が生じ難いものが求められている。
従来、自動車部品等のパーツボックス用洗浄剤としては、界面活性剤やビルダー等の洗浄剤構成成分を配合した水系洗浄剤が用いられてきた。例えば、特開2006−335896号公報には、飲料食品等の各種食品工場内の作業時に用いられるコンテナ、および流通における飲料食品等の搬送時に用いられるコンテナの洗浄において、(a)水酸化アルカリ金属塩、(b)脂肪族カルボン酸、(c)金属イオン封鎖剤、(d)界面活性剤、(e)高分子ポリマーからなるコンテナ用洗浄剤組成物を用いることが開示されている(特許文献1を参照)。
また、特開平8−319497号公報には、機械油、金属加工油等の工業用油剤に起因する油性汚れを除去する洗浄剤組成物として、アルキルポリグリコシドを含む洗浄剤組成物が開示されている(特許文献2を参照)。
特許第2816805号公報には、非イオン性界面活性剤単独、またはこれに炭素数6〜30の直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和の炭化水素化合物その他からなる群より選ばれる一種以上の化合物とからなる活性成分を含有し、かつ、その洗浄剤を水で希釈または蒸発させて活性成分の含有割合を10重量%にした水溶液を20〜100℃の温度で30分間静置した際に、活性成分の30重量%以上が水相から分離する性質を備えた洗浄剤の水希釈溶液を用いて20〜100℃の温度で相分離しない状態で洗浄し、次に洗浄後の洗浄液を20℃以上に保温しながら、洗浄液中の有機物を分離除去する電子部品又は精密部品類の洗浄方法が開示されている(特許文献3を参照)。
特許第2610552号公報には、非イオン性界面活性剤並びに炭化水素化合物、難水溶性のアルキルエステル類及びアルキルケトン類から選ばれる化合物を洗浄剤の活性成分として含有し、かつ、その洗浄剤水溶液を20〜100℃の温度で30分静置したときに、含有している有機物の50重量%以上が水相から分離する洗浄剤組成物を用いて洗浄した後、リンス液として5〜100℃の水を使用し、すすぎ洗い後のリンス排液を20℃以上に保って有機物を分離させて、リンス排液中の有機物を分離除去する電子部品又は精密部品類の洗浄方法が開示されている(特許文献4を参照)。
特許第2539284号公報には、0〜100℃の曇点を有する洗浄剤組成物(例えば、ポリオキシエチレン)またはその水性溶液を用いて該曇点未満の温度で洗浄した後、5〜100℃のリンス液を用いてすすぎ洗いし、次いで、排出されたリンス排液をその排液の曇点以上に加熱して油状成分を分離することにより、リンス排液中の油状成分を減少させて、後の排水処理工程を簡素化させるとする電子部品又は精密部品類の洗浄方法が開示されている(特許文献5を参照)。
しかしながら、これら非イオン界面活性剤を主剤とする洗浄剤組成物では、油水分離性に欠けるとともに、曇点を有することから洗浄液の温度によって、洗浄液の泡立ちをコントロールしにくく、洗浄性の低下をも生じさせることがあった。
特開2006−335896号公報 特開平8−319497号公報 特許第2816805号公報 特許第2610552号公報 特許第2539284号公報
また、上記特許文献1のコンテナ用洗浄剤組成物は、乳化力に優れる非イオン界面活性剤を含有しているため油性汚れの除去には優れるものの、その油性汚れを洗浄液中にエマルション化してしまうため洗浄液から油分を分離し除去することが難しく、洗浄液の入れ替えが頻繁に必要となり廃液処理に費用がかかるという問題を有している。
また、上記特許文献2の洗浄剤組成物は洗浄機で循環洗浄した場合、泡立ちによる洗浄不良や濯ぎ不良、洗浄槽から泡立ち(オーバーブロー)の可能性があるという懸念がある。
一方、界面活性剤を含まず、且つ水酸化アルカリ金属塩および/またはケイ酸塩、リン酸塩を配合した水系洗浄剤は、油水分離性を有するものの界面活性剤を含んでいないため油性汚れの除去に劣り再洗浄や不良品の原因となることがある。洗浄性を上げるために洗浄剤濃度を高くすると、洗浄したパーツボックスを乾燥したときに、パーツボックス上に残留した洗浄剤希釈液が乾燥したときに形成される白い斑点(乾燥残渣)が目立ち、仕上がりが悪くなるという問題が生じる。
また、ケイ酸塩配合の洗浄液は同様の問題が起き易いだけでなく、希釈水や汚れ成分に含まれる金属塩と反応してケイ酸スケールとなり、洗浄機内に汚れとして付着・堆積したり、洗浄液の循環ポンプ内にも付着、堆積してポンプの作動に悪影響を及ぼすという問題も見られる。
また、油性成分を主体とする汚れの除去には、フロン系溶媒、塩素系溶媒、炭化水素系溶媒、テルペン系溶媒等の溶剤が、洗浄効果の向上を目的として洗浄剤に使用されているものの、これら溶剤の配合量等によっては、安全性、残留性、引火性および環境負荷等の点から好ましくないものとなってきている。
このため、本発明は、上述の欠点を改良し、洗浄性、油水分離性、貯蔵安定性および低泡性に優れ、且つ洗浄剤由来成分の乾燥残渣が少ない、仕上がり性に優れるパーツボックス用の洗浄剤組成物およびそれを用いた洗浄方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討をおこなった結果、(A)アルカリ剤を0.5〜18質量%、(B)両性界面活性剤を0.2〜20質量%、(C)水を残質量%を含む洗浄剤組成物が、洗浄性、油水分離性、貯蔵安定性、低泡性および仕上がり性に優れ、さらに(D)高分子ポリマーを0.4〜9質量%含有する洗浄剤組成物とすることにより、洗浄力をより向上させ得るパーツボックス用洗浄剤組成物を完成するに至った。また、上記洗浄剤の希釈液を用いて、スプレーまたは循環にて洗浄を行うことを特徴とするパーツボックスの洗浄方法を提供できるに至った。
即ち、本発明は、(A)アルカリ剤を0.5〜18質量%、(B)両性界面活性剤を0.2〜20質量%、(C)水を残質量%含み、且つ(A)成分と(B)成分との重量比が、(A)成分/(B)成分=10/1〜1/40の範囲であることを特徴とするパーツボックス用洗浄剤組成物である。
また、本発明は、更に、(D)高分子ポリマーを0.4〜9質量%含有することを特徴とする、上記のパーツボックス用洗浄剤組成物である。
また、本発明は、上記(A)成分のアルカリ剤が、水酸化アルカリ金属塩、炭酸塩、重炭酸塩およびリン酸塩からなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする、上記のパーツボックス用洗浄剤組成物である。
また、本発明は、上記(B)成分の両性界面活性剤が、オクチルジメチルアミンオキサイドであることを特徴とする、上記のパーツボックス用洗浄剤組成物である。
また、本発明は、上記(D)成分の高分子ポリマーが、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、ポリ−α−ヒドロキシアクリル酸、アクリル酸マレイン酸共重合体、アミレン・マレイン酸共重合体、カルボン酸系モノマーとスルホン酸系モノマーの共重合体およびこれらのアルカリ金属塩からなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする、上記のパーツボックス用洗浄剤組成物である。
また、本発明は、パーツボックスが自動車部品用のパーツボックスである、上記のパーツボックス用洗浄剤組成物である。
また、本発明は、上記のパーツボックス用洗浄剤組成物を、水または湯にて0.5〜10質量%濃度に希釈された洗浄剤希釈液を用いて、パーツボックスを洗浄する方法である。
また、本発明は、パーツボックスが自動車部品用のパーツボックスである、上記のパーツボックスを洗浄する方法である。
本発明によれば、特に自動車部品等を入れるパーツボックスに付着する汚れに対して優れた洗浄性、油水分離性、低泡性及び仕上がり性を有し、かつ貯蔵安定性も良好な自動車部品を入れるパーツボックスの洗浄機用洗浄剤組成物およびそれを用いた洗浄方法を提供することが可能となる。
つぎに、本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。
本発明のパーツボックスの洗浄機用洗浄剤組成物(以下、「本洗浄剤組成物」という)に用いられる(A)成分のアルカリ剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属塩、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム等の重炭酸塩、トリポリリン酸ナトリウム、トリポリリン酸カリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、オルソリン酸ナトリウム、オルソリン酸カリウム等のリン酸塩等が挙げられる。これらは単独で用いても、あるいは二種以上を併用して用いてもよい。
上記(A)成分のアルカリ剤は、本洗浄剤組成物中において純分換算で0.5〜18質量%、好ましくは1〜10質量%、さらに好ましくは1〜5質量%である。0.5質量%未満では洗浄性能に乏しく、18%以上では貯蔵安定性に劣るものとなる。
本洗浄剤組成物に用いられる(B)成分の両性界面活性剤としては、アルキルベタイン型両性界面活性剤、アミドベタイン型両性イオン界面活性剤、2−アルキル−N−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン、2−アルキル−N−カルボキシエチルイミダゾリニウムベタイン等のイミダゾリン型両性イオン界面活性剤、アルキルスルホベタイン型両性イオン界面活性剤、アミドスルホベタイン型両性界面活性剤、N−アルキル−β−アミノプロピオン酸塩、N−アルキル−β−イミノジプロピオン酸塩、β−アラニン型両性界面活性剤、アルキルポリアミノエチルグリシンのナトリウム塩や塩酸塩、アミンオキサイドなどが挙げられ、これらは、単独で用いても、あるいは二種以上を併用して用いることもできる。これらのうち、主アルキル鎖が特に炭素数6〜8以下のものが好ましく、なかでも洗浄性と低泡性のバランスからオクチルジメチルアミンオキサイドが特に好ましい。
上記(B)成分の両性界面活性剤は、本洗浄剤組成物中において純分換算で0.2〜20質量%、好ましくは0.3〜10質量%、さらに好ましくは0.3〜5質量%である。0.2質量%未満では油性成分に対する洗浄性に乏しく、また、20質量%を超えると低泡性能及び貯蔵安定性に劣るものとなる。
また、上記(A)成分と(B)成分の重量比は(A)成分/(B)成分=10/1〜1/40の範囲であり、なかでも洗浄性および仕上がり性の点から4/1〜1/20の範囲であることが好ましく、さらには、2/1〜1/10の範囲であることが特に好ましい。なお、当該重量比率が10/1より大きい場合は((A)成分が極端に多い比率となる場合には)洗浄性能に劣り、また残留した洗浄剤希釈液が乾燥したときに、白い斑点(乾燥残渣)を形成してしまい仕上がり性を低下させ好ましくない。一方、1/40より小さい場合は((B)成分が極端に多い比率となる場合には)洗浄性能に劣る。
本発明に用いられる(C)成分である水としては、例えば、純水、イオン交換水、軟水、蒸留水、水道水等が挙げられる。これらは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、経済性及び貯蔵安定性の点から、水道水、イオン交換水が好ましく用いられる。
なお、上記「水」は、本発明の洗浄剤組成物を構成する各成分に由来する結晶水や水溶液の形で含まれる水と、その他の外から加えられる水との総和であり、本洗浄剤組成物全体が100質量%となるようにバランス量を配合される。
本洗浄剤組成物に用いられる(D)成分の高分子ポリマーとしては、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、ポリ−α−ヒドロキシアクリル酸、アクリル酸マレイン酸共重合体、アミレン・マレイン酸共重合体、カルボン酸系モノマーとスルホン酸系モノマーの共重合体等、およびこれらのアルカリ金属塩等が挙げられる。アルカリ金属塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属である。なお、これらのアルカリ金属塩は部分中和物であっても完全中和物であってもよい。なかでもポリアクリル酸、アクリル酸マレイン酸共重合体、アミレン・マレイン酸共重合体のアルカリ金属塩が洗浄性の点で好ましい。これらは、単独で用いても、あるいは二種以上を併用して用いてもよい。
上記(D)成分である高分子ポリマーの組成物中における含有量は純分換算で0.4〜9質量%、好ましくは1〜6質量%である。0.4質量%未満では、洗浄性を更に高める効果が得られず、9質量%を超えると、洗浄性は飽和状態となって更なる性能の向上は認められず、また経済的にも好ましくない。
本洗浄剤組成物には、上記(A)成分〜(D)成分以外に、必要に応じてキレート剤、有機塩類、可溶化剤、染料、防腐剤、殺菌剤、消泡剤等を配合することができる。また、本発明固有の効果を損なわない範囲で本発明に係る両性界面活性剤以外の界面活性剤を併用することもできる。
また、本発明の洗浄剤組成物の製造方法としては、特に制限はなく、各成分を攪拌混合すること等の通常の方法で製造することができる。
本発明において洗浄対象となるパーツボックスはとしては、パーツを入れる箱状のものであれば、特に制限はないが、例えば種々の汚れの付着した通い函、番重が挙げられ、なかでも種々の自動車部品を入れて油性汚れの付着したパーツボックスを挙げることができる。
つぎに、本発明の洗浄方法について説明する。
本発明の洗浄方法において、本洗浄剤組成物は、水、湯等の希釈溶媒で希釈した洗浄剤希釈液として、循環またはスプレー洗浄に用いられる。本洗浄剤組成物の希釈溶媒としては、経済性、取り扱いの安全性の観点から、特に水または湯を用いることが好ましい。ここでいう水または湯とは、10〜80℃の水をいう。
このとき、洗浄剤希釈液の濃度は、洗浄性能と乾燥残渣、低泡性、経済性の観点から0.5〜10質量%となるように希釈することが好ましく、より好ましくは仕上がり性、低泡性、経済性の点から1〜5質量%である。
本発明の洗浄方法としては、浸漬法、超音波洗浄法、振動法、スプレー法、循環法等の従来公知の各種洗浄方法が挙げられ、これらの方法は単独または組み合わせて行うことができる。
パーツボックス用洗浄機を用いた洗浄方法では、一例として洗浄槽に水または湯にて0.5〜10質量%濃度、30〜70℃の温度に調製された洗浄剤希釈液を、ポンプで洗浄槽に設けられた噴射ノズルに移送し被洗浄物であるパーツボックスに噴射して洗浄工程がおこなわれ、次いで、汚れ分を除去した30〜70℃の洗浄液を含む濯ぎ液を噴射して濯ぎ工程がおこなわれ、40〜120℃の温風または熱風で水滴を除去する乾燥工程の順に行われる。このとき、噴射ノズルから噴射されたアルカリ洗浄液は回収槽に回収され、フィルター濾過・油水分離後に濯ぎ液槽に入り濯ぎ液として使用される。また、濯ぎ後の濯ぎ液はアルカリ洗浄液槽に回収され、再利用される。それぞれの工程に要する時間は、おおむね、洗浄工程、濯ぎ工程、乾燥工程、いずれも5〜15秒に設定される。
またパーツボックスを洗浄剤希釈液で手洗いする洗浄方法では、水または湯にて0.5〜10質量%濃度、10〜60℃の温度に調製された洗浄剤希釈液を用いて、スポンジ、たわし、ブラシ等にて手洗いすることが挙げられる。
そしてまた、またパーツボックスを洗浄剤希釈液に浸漬して洗浄する洗浄方法では、水または湯にて0.5〜10質量%濃度、10〜70℃の温度に調製された洗浄剤希釈液に、パーツボックスを15秒〜8時間程度浸漬した後、水または湯にて濯ぎ、(自然)乾燥させることが挙げられる。
そして、これらの洗浄方法は、適宜、組み合わせておこなってもよい。
つぎに、本発明の実施例について、比較例と併せて記載し説明する。なお、本発明は、これらの実施例に制限されるものではない。
後記表1〜2に示す実施例1〜20、および表3に示す比較例1〜11の組成(各表中の数値の単位は質量%である)の供試洗浄剤組成物を調製した。洗浄性、乾燥残渣、低泡性の項目における供試洗浄剤の濃度は、実施例1〜18及び比較例1〜10においては3質量%、実施例19、20および比較例11は0.5質量%に水で希釈した洗浄液で試験し評価した。また、油水分離性の項目における供試洗浄剤の濃度は、10質量%に水で希釈した洗浄液にて試験し評価した。なお、表中における各成分の配合量は有り姿で示すとともに、各成分の有効成分量(質量%を、「%」と略して示す。)について後記のとおり示した。また、各種試験の結果を後記表1〜3に併せて示した。
なお、上記各試験項目の試験方法および評価基準は、以下に示すとおりである。
〔洗浄性試験〕
(1)試験方法
・テストピースの調整
機械油をアクリル板片(5cm×8cm)に0.3g付着し、25℃で1時間放置させたものをテストピースとした。
・操作
実施例1〜18及び比較例1〜10においては供試洗浄剤組成物の3質量%、実施例19、20および比較例11は0.5質量%洗浄剤希釈液200ml(55℃)が入った300mlビーカーに、上記テストピースを上下に10回出し入れした後、自然乾燥させたときの機械油の除去度合いを目視で観察し、以下の評価基準で評価した。
(2)評価基準
◎:ほぼ完全に機械油(汚れ)が除去される、
○:僅かに機械油(汚れ)が残る、
△:少し機械油(汚れ)が残る、
×:ほとんど機械油(汚れ)が除去されずに残る、
とし、◎、○および△を実用性のあるものと判定した。
〔油水分離性試験〕
(1)試験方法
実施例1〜20および比較例1〜11の供試洗浄剤組成物の10質量%水溶液50mlを100ml容積の有栓メスシリンダーに採取し、これに汚れ成分として鉱物油主体の機械油を0.5ml投入し、60℃の温浴中にて3時間加熱した後、この有栓メスシリンダーを取り出して上下に10回振とうさせ静置した。そして、静置3分後の上記水溶液中における機械油の分離状態を目視で観察し、以下の評価基準で評価した。
(2)評価基準
○:油分が液面に分離した
×:油分が乳化した
とし、○を実用性のあるものと判定した。
〔仕上がり性試験〕
(1)試験方法
黒色のプラスチック板の上に、実施例1〜18および比較例1〜10においては供試洗浄剤組成物の3質量%、実施例19、20および比較例11は0.5質量%水溶液(60℃)をスポイトで1滴、滴下した。15時間後の自然乾燥後のプラスチック板表面における洗浄剤成分の付着残留状態を目視で観察し、以下の評価基準で評価した。
(2)評価基準
○:白い斑点(乾燥残渣)がほとんど認められない、
×:白い斑点(乾燥残渣)が多く、仕上がりが悪い、
とし、○を実用性のあるものと判定した。
〔低泡性試験〕
(1)試験方法
実施例1〜18の供試洗浄剤組成物および比較例1〜10においては供試洗浄剤組成物の3質量%、実施例19、20および比較例11は0.5質量%水溶液50mlを100ml容積の有栓メスシリンダーに採取し、60℃の温浴中にて加熱した後、この有栓メスシリンダーを取り出して上下に10回振とうさせ静置した。そして、静置3分後の泡量(ml)を量り、以下の評価基準で評価した。
(2)評価基準
○:泡量が1ml未満、
△:泡量が1ml以上、2ml未満、
×:泡量が2ml以上、
とし、○および△を実用性のあるものと判定した。
〔貯蔵安定性試験〕
(1)試験方法
実施例1〜20および比較例1〜11の供試洗浄剤組成物200mlを250ml容量のポリエチレン製容器に入れて25℃で1週間配置後の沈殿、濁り、および分離の有無を目視で観察し、以下の基準により評価した。
(2)評価基準
○:均一な溶液である、
×:濁り、分離、沈殿を生じる、
とし、○を実用性のあるものと判定した。
〔(A)成分〕
・水酸化ナトリウム
商品名:「苛性ソーダ」、東ソー社製(有効成分100%)
・水酸化カリウム
商品名:「苛性カリ」、旭硝子社製(有効成分100%)
・炭酸ナトリウム
商品名:「ソーダ灰ライト」、トクヤマ社製(有効成分99.2%)
〔(B)成分〕
・ 両性界面活性剤
オクチルジメチルアミンオキサイド
商品名:「ゲナミノックスOC」、クラリアントジャパン社製(有効成分30%)
〔(D)成分〕
・ポリマー1
ポリアクリル酸ナトリウム
商品名:「アクアリックDL40S」、日本触媒社製(有効成分44%、分子量5,000)
・ポリマー2
オレフィンとマレイン酸の共重合体
商品名:「クインフロー542」、日本ゼオン社製(有効成分40%)
・ポリマー3
アクリル酸とマレイン酸の共重合体
商品名:「ソカランCP12S」、BASF社製(有効成分50%、分子量3,000)
〔その他〕
・メタケイ酸ナトリウム
商品名:「メタ珪酸ソーダ・9水塩」、広栄化学工業社製
・エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム
商品名:「EDTA液」、昭和電工社製(有効成分38%)
・ヘキサン酸
商品名:「n−カプロン酸」、協和発酵社製(有効成分100%)
・界面活性剤−1
アルキルグリコシド
商品名:「AG6202」、ライオンアクゾ社製(有効成分65%)
・界面活性剤−2
アルキルグリコシド
商品名:「AG6206」、ライオンアクゾ社製(有効成分75%)
・界面活性剤−3
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル
商品名:「プルラファックLF403」、BASF社製(有効成分100%)
・界面活性剤−4
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体
商品名:「アデカトールL62」、ADEKA社製(有効成分100%)
・界面活性剤−5
アルキルフェノールエトキシレート
商品名「アデカトールNP690」、ADEKA社製(有効成分100%)
・界面活性剤−6
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル
商品名「ノイゲンXL−160」、第一工業製薬社製(有効成分100%)
・界面活性剤−7
ポリオキシエチレンアルキルエーテル
商品名「ノニオンE−230」、日本油脂社製(有効成分99%)
・DEGBE
ジエチレングリコールモノブチルエーテル
商品名「ブチセノール20」、協和発酵ケミカル(株)製
・テトラデセン
テトラデセン
試薬品「1-テトラデセン」、和光純薬工業社製(有効成分100%)
表1〜4の結果より、実施例1〜20のパーツボックス用洗浄剤組成物は、いずれも、洗浄性、油水分離性、仕上がり性、貯蔵安定性、および低泡性の全ての評価項目において、優れた性能を有していることがわかる。
比較例12〜14は、非イオン界面活性剤を主成分とする従来の電子部品又は精密部品類の洗浄剤組成物を用いた場合の例であり、また、比較例15〜17は、本発明のパーツボックス用洗浄剤における両性界面活性剤を、広く用いられている非イオン界面活性剤に置き換えた場合の例である。これらは、所望とする洗浄性、油水分離性、仕上がり性、貯蔵安定性および低泡性の評価項目の少なくとも一つが実用性の点から欠けるものとなっていることがわかる。

Claims (6)

  1. (A)アルカリ剤を0.5〜18質量%、
    (B)オクチルジメチルアミンオキサイドを0.2〜20質量%、
    (D)高分子ポリマーを0.4〜9質量%、
    (C)組成物全体が100質量%となるように水を含み
    且つ(A)成分と(B)成分との重量比が、(A)成分/(B)成分=10/1〜1/40の範囲であることを特徴とするパーツボックス用洗浄剤組成物。
  2. 上記(A)成分のアルカリ剤が、水酸化アルカリ金属塩、炭酸塩、重炭酸塩およびリン酸塩からなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする、請求項1に記載のパーツボックス用洗浄剤組成物。
  3. 上記(D)成分の高分子ポリマーが、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、ポリ−α−ヒドロキシアクリル酸、アクリル酸マレイン酸共重合体、アミレン・マレイン酸共重合体、カルボン酸系モノマーとスルホン酸系モノマーの共重合体およびこれらのアルカリ金属塩からなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする、請求項1または2に記載のパーツボックス用洗浄剤組成物。
  4. パーツボックスが自動車部品用のパーツボックスである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のパーツボックス用洗浄剤組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のパーツボックス用洗浄剤組成物を、水または湯にて0.5〜10質量%濃度に希釈された洗浄剤希釈液を用いて、パーツボックスを洗浄する方法。
  6. パーツボックスが自動車部品用のパーツボックスである、請求項5に記載のパーツボックスを洗浄する方法。
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