本発明の第一実施例に係る搬送装置の全体を図1及び図2に基づいて説明すると、搬送用走行体1は、搬送経路に沿って架設された主ガイドレール2に係合する前後一対の台車部3a,3bが前後両端に左右水平支軸4a,4bにより連結されたもので、前側台車部3aの下側には被動用ドッグ5が設けられ、後側台車部3bの下側には、後続の搬送用走行体1が接近したときに当該後続の搬送用走行体1の前側台車部3aの前記被動用ドッグ5を駆動解除姿勢に切り換える駆動解除用操作具6が設けられている。搬送経路には、前記主ガイドレール2の下側で当該主ガイドレール2と平行に副ガイドレール7が架設され、この副ガイドレール7には、トロリー8を介して駆動チエン9が支持され、この駆動チエン9が副ガイドレール7の上側で当該副ガイドレール7に沿って移動することにより、当該駆動チエン9から上向きに突設されているプッシャー10が前記搬送用走行体1の前側台車部3aの被動用ドッグ5と係合し、当該搬送用走行体1が駆動チエン9の移動に連動して主ガイドレール2に沿って走行するように構成されている。
搬送用走行体1上には、ワーク支持台11が支持されている。このワーク支持台11は、その上側に垂直に立設されたワーク支持用支柱12と、このワーク支持用支柱12の上端部に取り付けられたワーク支持具13を備えており、このワーク支持具13に取り付けられたワークWの姿勢を、ワーク支持用支柱12に対して傾斜した軸心13aの周りのワーク支持具13の回転と、ワーク支持台11に対するワーク支持用支柱12の自転とにより、作業内容などに応じて変えることができるように構成されている。
搬送用走行体1に対するワーク支持台11の支持構造を図4〜図6に基づいて説明すると、搬送用走行体1の前後一対の台車部3a,3bを連結する垂直平板状の本体14には、上端側が互いに接近する前後一対の対称円弧形長孔15a,16aから成る前後一対の支持部15,16が設けられている。一方、ワーク支持台11には、前後一対の対称円弧形長孔15a,16aを左右横向きに貫通する支軸17a,18aから成る前後一対の被支持部17,18が設けられている。これら支軸17a,18aは、ワーク支持台11の底部から搬送用走行体1の本体14を左右両側から挟むように下向きに固着突設されたそれぞれ左右一対の被支持部材17b,18b間に架設されており、側面視において、ワーク支持用支柱12に対し前後対称位置に配置されている。
而して、図4に示すように、搬送用走行体1側の前後一対の支持部15,16によってワーク支持台11側の前後一対の被支持部17,18が支持されている状態、即ち、前後一対の対称円弧形長孔15a,16aの下端で支軸17a,18aが支持されている状態では、両支持部15,16(両支軸17a,18a)は、搬送用走行体1の長さ方向と平行な方向で並列し、このときの両支持部15,16の円弧形長孔15a,16aは、相手側の支持部16又は15で支持されている支軸18a又は17aを円弧中心とする円弧形であり、各支持部15,16(両支軸17a,18a)が相手側の支持部16又は15(支軸18a又は17a)を支点にして上方に揺動できるように構成されている。
又、ワーク支持台11には、前後一対の被支持部17,18の内、走行方向に対して後方側の被支持部18よりも後方の後端部の左右両側に、互いに同心の左右方向支軸により姿勢矯正用ガイドローラー19が軸支されている。
上記構成によれば、図1及び図4Aに示すように、主ガイドレール2が水平に架設されている水平経路部Hを搬送用走行体1が走行するときは、ワーク支持台11側の前後一対の被支持部17,18(支軸17a,18a)は、搬送用走行体1側の前後一対の支持部15,16における円弧形長孔15a,16aの同一水平レベルにある下端で支持され、そしてこれら前後一対の被支持部17,18間の中央位置にワーク支持用支柱12が立設されているので、側面視において、支持するワークWの重心位置を通る鉛直線が前後一対の被支持部17,18間を通る限り、一応はワーク支持台11の全体が水平姿勢に保持されることになるが、本発明では、更にこの状態のワーク支持台11を搬送用走行体1に固定するためのロック手段20が設けられている。
この実施例におけるロック手段20の具体構造を図4〜図6に基づいて説明すると、ワーク支持台11側の前後一対の被支持部17,18を構成する支軸17a,18aの同一側端部にローラー17c,18cを支承し、これら両ローラー17c,18cに被さって前後一対の被支持部17,18の上動を阻止する、前後方向に長い帯板状の押え部材21が、搬送用走行体1の本体14に設けられている。即ち、搬送用走行体1の本体14には、前後一対の被支持部17,18を備えた前後一対の被支持部材17b,18bの中間位置で、前記ローラー17a,18cのある側に軸受け部材22が固着突設され、この軸受け部材22に前記押え部材21の中央位置から上向きに固着突設された突設板23が前後方向支軸24により軸支されることにより、押え部材21が、図5に示すように両ローラー17a,18cに被さって前後一対の被支持部17,18の上動を阻止するロック作用位置と、図6に示すように両ローラー17a,18cの上動を許すロック解除位置との間で左右横方向に揺動自在に構成されている。そして、突設板23と搬送用走行体1の本体14との間には、押え部材21を本体14に接近する方向に付勢する引張コイルバネ25が介装され、この引張コイルバネ25の付勢力で押え部材21が本体14側に設けられたストッパー26に当接することにより、当該押え部材21が前記ロック作用位置に保持されるように構成されている。
又、押え部材21には、被操作部27が設けられている。この被操作部27は、突設板23から外向きに突設された支軸27aの先端に支承した従動ローラー27bから構成されている。尚、ワーク支持台11側の前後一対の被支持部17,18を構成する支軸17a,18bには、搬送用走行体1側の前後一対の支持部15,16を構成する円弧形長孔15a,16a内を自転しながら滑動するローラー17d,18dが支承されている。
一方、搬送用走行体1が走行する搬送経路は、図4Cに示すように、水平経路部H、上り勾配経路部UV、及び下り勾配経路部DVの組み合わせによって構成されている。而して、全経路部H,HV,DVにわたって主ガイドレール2と副ガイドレール7とが架設されて、上り下りの両勾配経路部UV,DVには、その勾配経路部UV,DVの主ガイドレール2と平行に傾斜して、ワーク支持台11側の姿勢矯正用ガイドローラー19と係合する左右一対(図2参照)の姿勢矯正用ガイドレール28と、ロック手段20の押え部材21をロック解除位置に保持するロック手段制御レール29とが架設されている。
姿勢矯正用ガイドレール28の両端部28a,28bとロック手段制御レール29の両端部29a,29bは、勾配経路部UV,DVと水平経路部Hとの接続点より水平経路部Hの領域に少し入り込んでいる。姿勢矯正用ガイドレール28の両端部28a,28bは、水平向きに曲げられている。そして、ロック手段制御レール29の両端部29a,29bの内、搬送用走行体1が進入する始端部29aは、ロック手段20の押え部材21をロック作用位置からロック解除位置に切り換える切換え手段30を構成しており、搬送用走行体1が退出する終端部29bは、ロック手段20の押え部材21をロック解除位置からロック作用位置に切り換える切換え手段31を構成している。
以下、具体的に作用を説明すると、搬送用走行体1が水平経路部Hを走行するときは、図4A及び図5に示すように、搬送用走行体1側の前後一対の支持部15,16、即ち、同一水平レベルにある円弧形長孔15a,16aの下端によって、ワーク支持台11側の前後一対の被支持部17,18である支軸17a,18aが支持されていることにより、ワーク支持台11は搬送用走行体1と同じように水平姿勢にあって、そのワーク支持用支柱12は鉛直に起立しているが、同時に、ワーク支持台11側の同一水平レベルにある前後一対の被支持部17,18(ローラー17c,18c)に、搬送用走行体1側のロック手段20のロック作用位置にある押え部材21が被さって、当該被支持部17,18の上動を阻止しているので、ワーク支持台11は水平姿勢の状態で搬送用走行体1に固定(ロック)されている。従って、搬送用走行体1に対してワーク支持台11が、前側の支持部15で支持されている被支持部17(支軸17a)を支点に前方に揺動したり、或いは後ろ側の支持部16で支持されている被支持部18(支軸18a)を支点に後方に揺動するような恐れは皆無となり、ワーク支持台11のワーク支持具13に支持されているワークWを、所定の姿勢に確実に保持して安全に搬送することができる。
このように水平経路部Hを走行する搬送用走行体1が、図4Cに示す上り勾配経路部UVに進入するときは、その直前にワーク支持台11の姿勢矯正用ガイドローラー19が、上り勾配経路部UVに併設されている姿勢矯正用ガイドレール28の水平向きの始端部28a内に進入し、その直後に、図4Aに仮想線で示すように、切換え手段30を構成しているロック手段制御レール29の始端部29aにロック手段20の被操作部27である従動ローラー27bが乗り上げ、搬送用走行体1の走行に伴って、従動ローラー27bを介して押え部材21が引張コイルバネ25の付勢力に抗して支軸24の周りに上方に押し上げられ、その結果、ロック手段20の押え部材21が、図4B及び図6に示すように、ロック作用位置からロック解除位置に切り換えられる。
この後、搬送用走行体1が上り勾配経路部UVに進入し、図3Aに示すように、この上り勾配経路部UVを走行することになるが、このとき上り勾配経路部UVに架設されている姿勢矯正用ガイドレール28は、ワーク支持台11の姿勢矯正用ガイドローラー19を介してワーク支持台11の姿勢矯正用ガイドローラー19を備えた後端部側を持ち上げ、ワーク支持台11を、前側の被支持部17(支軸17a)を支点にして前方に揺動させて水平姿勢を維持させることになる。即ち、ワーク支持台11が、水平経路部Hから上り勾配経路部UVに水平姿勢を保ったまま進入すると共に、その上り勾配経路部UVを搬送用走行体1と一体に走行するように、姿勢矯正用ガイドレール28が構成されている。
搬送用走行体1が上り勾配経路部UVの終端から水平経路部H内に移行するときは、搬送用走行体1が水平経路部H内に進入して水平姿勢に復帰すると共に、ワーク支持台11の姿勢矯正用ガイドローラー19が姿勢矯正用ガイドレール28の水平向きの終端部28bによって元の姿勢、即ち、前後一対の被支持部17,18(支軸17a,18a)の両方が搬送用走行体1側の前後一対の支持部15,16である円弧形長孔15a,16aの下端で支持される水平姿勢に復帰した後、ロック手段20の被操作部27である従動ローラー27bが、切換え手段31を構成しているロック手段制御レール29の終端部29bから外れ、押え部材21が引張コイルバネ25の付勢力で支軸24の周りに下方に揺動して、ストッパー26に当接するロック作用位置に切り換えられる。従って、ロック作用位置に復帰した押え部材21は、ワーク支持台11側の前後一対の被支持部17,18(ローラー17c,18c)に被さって、先に説明したようにワーク支持台11が搬送用走行体1に水平姿勢で再び固定(ロック)される。この後、ワーク支持台11の姿勢矯正用ガイドローラー19が姿勢矯正用ガイドレール28の水平向きの終端部28bから外れる。
水平経路部Hを走行する搬送用走行体1が、図4Cに示す下り勾配経路部DVに進入するときは、その直前にワーク支持台11の姿勢矯正用ガイドローラー19が、下り勾配経路部DVに併設されている姿勢矯正用ガイドレール28の水平向きの始端部28a内に進入し、その直後に、水平経路部Hから上り勾配経路部UDに進入するときと同様に、切換え手段30を構成しているロック手段制御レール29の始端部29aによって、ロック手段20の押え部材21がロック作用位置からロック解除位置に切り換えられる。
この後、搬送用走行体1が下り勾配経路部DVに進入し、図3Bに示すように、この下り勾配経路部DVを走行することになるが、このとき下り勾配経路部DVに架設されている姿勢矯正用ガイドレール28は、ワーク支持台11の姿勢矯正用ガイドローラー19を介してワーク支持台11の姿勢矯正用ガイドローラー19を備えた後端部側を下げ、ワーク支持台11を、後ろ側の被支持部18(支軸18a)を支点にして後方に揺動させて水平姿勢を維持させることになる。即ち、ワーク支持台11が、水平経路部Hから下り勾配経路部DVに水平姿勢を保ったまま進入すると共に、その下り勾配経路部DVを搬送用走行体1と一体に走行するように、姿勢矯正用ガイドレール28が構成されている。
搬送用走行体1が下り勾配経路部DVの終端から水平経路部H内に移行するときは、搬送用走行体1が水平経路部H内に進入して水平姿勢に復帰すると共に、ワーク支持台11の姿勢矯正用ガイドローラー19が姿勢矯正用ガイドレール28の水平向きの終端部28bによって元の姿勢、即ち、前後一対の被支持部17,18(支軸17a,18a)の両方が搬送用走行体1側の前後一対の支持部15,16である円弧形長孔15a,16aの下端で支持される水平姿勢に復帰した後、上り勾配経路部UDから水平経路部Hに進入するときと同様に、ロック手段20の押え部材21が被操作部27である従動ローラー27bが、切換え手段31を構成しているロック手段制御レール29の終端部29bから外れ、押え部材21がロック作用位置に切り換えられる。従って、ロック作用位置に復帰した押え部材21は、ワーク支持台11側の前後一対の被支持部17,18(ローラー17c,18c)に被さって、先に説明したようにワーク支持台11が搬送用走行体1に水平姿勢で再び固定(ロック)される。この後、ワーク支持台11の姿勢矯正用ガイドローラー19が姿勢矯正用ガイドレール28の水平向きの終端部28bから外れる。
図7及び図8に示す上記第一実施例の変形例では、押え部材21を、前記ストッパー26に当接するロック作用位置と、新たに搬送用走行体1の本体14から突設されたストッパー32に当接するロック解除位置とに択一的に切り換えて保持する引張コイルバネ33を使用している。この変形例によれば、ロック手段20をロック作用状態からロック解除状態に切り換える切換え手段30として、上り勾配経路部UV及び下り勾配経路部DVの入り口に、前記ロック手段制御レール29の始端部29aに代わる短いロック手段制御レール34を併設すると共に、ロック手段20をロック解除状態からロック作用状態に切り換える手段31として、上り勾配経路部UV及び下り勾配経路部DVの出口に、前記ロック手段制御レール29の終端部29bに代わる短いロック手段制御レール35を併設し、両ロック手段制御レール34,35をつなぐ中間長尺のロック手段制御レール29を省くことができる。
即ち、上り勾配経路部UVの始端部及び下り勾配経路部DVの始端部には、搬送用走行体1が上り勾配経路部UV又は下り勾配経路部DVに進入する前で、ワーク支持台11の姿勢矯正用ガイドローラー19が姿勢矯正用ガイドレール28の水平向きの始端部28aに係合した後に、押え部材21の被操作部27の従動ローラー27bを、前記引張コイルバネ33の付勢力が、ロック作用方向からロック解除方向に切り換わる位置まで搬送用走行体1の走行に伴って押し上げることができるロック手段制御レール34を併設すれば、この後は、前記引張コイルバネ33のロック解除方向に作用する付勢力で押え部材21が自動的にロック解除位置まで上方向きに揺動し、ストッパー32に当接するロック解除位置で保持される。
又、上り勾配経路部UVの終端部及び下り勾配経路部DVの終端部には、搬送用走行体1が水平姿勢に復帰した後でワーク支持台11の姿勢矯正用ガイドローラー19が姿勢矯正用ガイドレール28の水平向きの終端部28bから外れる前に、押え部材21の被操作部27の従動ローラー27bを、前記引張コイルバネ33の付勢力が、ロック解除方向からロック作用方向に切り換わる位置まで搬送用走行体1の走行に伴って押し下げることができるロック手段制御レール35を併設すれば、この後は、前記引張コイルバネ33のロック解除方向に作用する付勢力で押え部材21が自動的にロック作用位置まで下方向きに揺動し、ストッパー26に当接するロック作用位置で保持される。
次に本発明の第二実施例を図9〜図12に基づいて説明する。この実施例では、上記実施例のロック手段20に代わるロック手段36として、ワーク支持台11が搬送用走行体1と平行な姿勢にあるときに、搬送用走行体1側の前後一対の支持部15,16の中間上方位置においてワーク支持台11を横断する回転軸37を設け、この回転軸37の一端に第一揺動アーム38の上端を固着して、当該第一揺動アーム38を前後揺動自在に軸支し、この第一揺動アーム38の下端に、前後一対の支持部15,16(円弧形長孔15a,16aの下端)で支持される状態のワーク支持台11側の前後一対の被支持部17,18(ローラー17c,18c)に両端が被さる押え部材39が取り付けられている。この押え部材39は、その前後揺動中心である回転軸37を円弧中心とする円弧形である。
尚、この実施例では、搬送用走行体1の本体14は、左右一対の垂直板14a,14bから構成され、ワーク支持台11側の被支持部17,18を備えた被支持部材17b,18bは、本体14の両垂直板14a,14b間に配置されている。又、この被支持部材17b,18bはそれぞれ左右一対設けられているが、本体14の両垂直板14a,14b間に納まる厚さのそれぞれ1つの柱状部材で構成しても良いし、前後一対の被支持部材17b,18bを一体化して1つの厚板構造とすることもできる。
前記押え部材39に連設される被操作部40は、前記回転軸37、第一揺動アーム38、この第一揺動アーム38の下端外側に左右方向支軸41aにより軸支された第一従動ローラー41、前記回転軸37の他端に上端が固着されて斜め後方下方に垂下する第二揺動アーム42、及びこの第二揺動アーム42の下端外側に左右方向支軸43aにより軸支された第二従動ローラー43から構成されている。尚、押え部材39を図9に示すロック作用位置に保持する付勢手段44として、前記回転軸37から上向きに突設したレバー45と、このレバー45に対して前後両側に位置するようにワーク支持台11に設けたバネ受け座46a,46bと、各バネ受け座46a,46bと中間の前記レバー45との間に介装した引張コイルバネ47a,47bが設けられ、両引張コイルバネ47a,47bの付勢力で、押え部材39が図9に示すロック作用位置に保持される。引張コイルバネ47a,47bに代えて圧縮コイルバネを使用することもできる。
この実施例によれば、搬送用走行体1が水平経路部Hにあって、ロック手段36の押え部材39が図9に示すロック作用位置にある状態では、搬送用走行体1側の前後一対の支持部15,16(円弧形長孔15a,16aの下端)で支持されるワーク支持台11側の前後一対の被支持部17,18(ローラー17c,18c)に押え部材39の両端が被さることにより、これらワーク支持台11側の前後一対の被支持部17,18が他方の被支持部18,17を支点に上動することを押え部材39が阻止するので、ワーク支持台11は、搬送用走行体1と平行な水平姿勢にロックされた状態にある。
搬送用走行体1が上り勾配経路部UVを走行するときには、図3Aに基づいて説明したように、ワーク支持台11は、姿勢矯正用ガイドローラー19と姿勢矯正用ガイドレール28との係合により、前側の被支持部17を支点にして搬送用走行体1に対し前方へ揺動することになるので、搬送用走行体1が上り勾配経路部UVに進入するときには、ロック手段36の押え部材39を回転軸37の周りで前方へ揺動させて、押え部材39の後端部を後ろ側の被支持部18から前方へ逃がす必要がある。従って、上り勾配経路部UVの入り口側に設けられる切換え手段48は、ロック手段36の被操作部40における左右一対の揺動アーム38,42の内、第二揺動アーム42を前方へ揺動させる手段となり、この実施例では、図11に示すように上り勾配経路部UVに併設されたロック手段制御レール49の始端部49a(図9の仮想線参照)で構成されている。このロック手段制御レール始端部49aは、搬送用走行体1の走行に伴って第二従動ローラー43を押し下げて第二揺動アーム42を前方へ揺動させることができるものである。
上記切換え手段48であるロック手段制御レール始端部49aによって第二揺動アーム42が前方に揺動せしめられると、回転軸37及び第一揺動アーム38を介して押え部材39が、付勢手段44の引張コイルバネ47aの付勢力に抗して回転軸37の周りで前方に揺動し、後ろ側の被支持部18(支軸18aの端部のローラー18c)から外れるので、その後の姿勢矯正用ガイドレール28によるワーク支持台11の姿勢矯正、即ち、前上がりに傾斜する搬送用走行体1に対してワーク支持台11を水平姿勢に維持させるための姿勢矯正が可能になる。このようにして搬送用走行体1が上り勾配経路部UV内に進入し、当該上り勾配経路部UVを上方に向かって走行するとき、図11に示すように、前記ロック手段制御レール49が第二従動ローラー43を押し下げた状態を保つので、押え部材39はロック解除位置に保持されている。
搬送用走行体1が上り勾配経路部UVから水平経路部Hに移るときには、先の実施例と同様に、搬送用走行体1が水平姿勢に復帰すると共に、姿勢矯正用ガイドレール28によってワーク支持台11も搬送用走行体1と平行な水平姿勢に復帰した後に、第二従動ローラー43を介して押え部材39をロック解除位置に保持していた前記ロック手段制御レール49の終端部から第二従動ローラー43が外れるように構成しておけば、第二従動ローラー43、第二揺動アーム42、回転軸37、及び第一揺動アーム38を介して押え部材39が、付勢手段44の引張コイルバネ47aの付勢力によって回転軸37の周りに後方に揺動して、図9に示す元のロック作用位置に復帰し、ワーク支持台11を搬送用走行体1と平行な水平姿勢にロックすることができる。即ち、ロック手段制御レール49の終端部によって、押え部材39をロック解除位置からロック作用位置に戻す切換え手段が構成されている。
搬送用走行体1が下り勾配経路部DVを走行するときには、図3Bに基づいて説明したように、ワーク支持台11は、姿勢矯正用ガイドローラー19と姿勢矯正用ガイドレール28との係合により、後ろ側の被支持部18を支点にして搬送用走行体1に対し後方へ揺動することになるので、搬送用走行体1が下り勾配経路部DVに進入するときには、ロック手段36の押え部材39を回転軸37の周りで後方へ揺動させて、押え部材39の前端部を前側の被支持部17から後方へ逃がす必要がある。従って、下り勾配経路部DVの入り口側に設けられる切換え手段50は、ロック手段36の被操作部40における左右一対の揺動アーム38,42の内、第一揺動アーム38を後方へ揺動させる手段となり、この実施例では、図12に示すように下り勾配経路部DVに併設されたロック手段制御レール51の始端部51a(図9の仮想線参照)で構成されている。このロック手段制御レール始端部51aは、搬送用走行体1の走行に伴って第一従動ローラー41を押し上げて第一揺動アーム38を後方へ揺動させることができるものである。
上記切換え手段50であるロック手段制御レール始端部51aによって第一揺動アーム38が後方に揺動せしめられると、当該第一揺動アーム38と一体の押え部材39が、付勢手段44の引張コイルバネ47bの付勢力に抗して回転軸37の周りで後方に揺動し、前側の被支持部17(ローラー17c)から外れるので、その後の姿勢矯正用ガイドレール28によるワーク支持台11の姿勢矯正、即ち、前下がりに傾斜する搬送用走行体1に対してワーク支持台11を水平姿勢に維持させるための姿勢矯正が可能になる。このようにして搬送用走行体1が下り勾配経路部DV内に進入し、当該下り勾配経路部DVを下方に向かって走行するとき、第一揺動アーム38を後方に揺動したロック解除姿勢に保持する必要があるので、この下り勾配経路部DVに併設される前記ロック手段制御レール51は、図12に示すように、第一従動ローラー41を介して第一揺動アーム38が前方に揺動するのを阻止できるものでなければならない。即ち、切換え手段50を構成するロック手段制御レール始端部51aは、第一従動ローラー41の下側にあって、当該第一従動ローラー41を下から後方上方に押し上げるものであり、下り勾配経路部DVに併設される前記ロック手段制御レール51は、第一従動ローラー41の上側に当接して、第一揺動アーム38が前方に揺動するのを阻止するものとなる。具体的には、ロック手段制御レール51は、第一従動ローラー41に嵌合する溝形断面のレール材で構成し、下り勾配経路部DVの入り口側では、当該溝形断面のロック手段制御レール51の下側レール材のみを延出させて構成することができる。
搬送用走行体1が下り勾配経路部DVから水平経路部Hに移るときには、先の実施例と同様に、搬送用走行体1が水平姿勢に復帰すると共に、姿勢矯正用ガイドレール28によってワーク支持台11も搬送用走行体1と平行な水平姿勢に復帰した後に、第一揺動アーム38を介して押え部材39をロック解除位置に保持していた前記ロック手段制御レール51の終端部から第一従動ローラー41が外れるように構成しておけば、押え部材39が、付勢手段44の引張コイルバネ47bの付勢力によって回転軸37の周りに前方に揺動して、図9に示す元のロック作用位置に復帰し、ワーク支持台11を搬送用走行体1と平行な水平姿勢にロックすることができる。即ち、ロック手段制御レール51の終端部によって、押え部材39をロック解除位置からロック作用位置に戻す切換え手段が構成されている。
上記第二実施例の変形例を図13及び図14に基づいて説明すると、この変形例では、第一揺動アーム38を備えた回転軸37の後方側でワーク支持台11に第二回転軸52が支承され、前記第二揺動アーム42は、第一揺動アーム38と平行向きでこの第二回転軸52に固着されている。そして回転軸37と第二回転軸52とは、互いに咬合する平歯車対53a,53bによって互いに逆方向に回転するように連動連結されている。この変形例によれば、搬送用走行体1が上り勾配経路部UVに進入するときにロック手段36の押え部材39をロック作用位置からロック解除位置に前方へ揺動させるための切換え手段48を、搬送用走行体1が下り勾配経路部DVに進入するときにロック手段36の押え部材39をロック作用位置からロック解除位置に後方へ揺動させるための切換え手段50と同様に、搬送用走行体1の走行に伴って第二従動ローラー43を下側から後方上方に押し上げるロック手段制御レール54の始端部54aで構成することができる。勿論、上り勾配経路部UVにおけるロック手段制御レール54は、第二従動ローラー43を下側から支持して後方上方に押し上げた状態に維持できるものである。
図15〜図17は、更に別の変形例を示している。この図15〜図17に示す変形例では、図13及び図14に示した変形例における回転軸37の両端に、互いに平行な左右一対の第一揺動アーム38a,38bの上端が固着連結され、一方の第一揺動アーム38aの下端には、回転軸37を円弧中心とする円弧形で、この第一揺動アーム38aから前方にのみ延出する押え部材39aが取り付けられ、他方の第一揺動アーム38bの下端には、回転軸37を円弧中心とする円弧形で、この第一揺動アーム38bから後方にのみ延出する押え部材39bが取り付けられている。そしてワーク支持台11側の前方側の被支持部17には、その支軸17aの両端の内、前記押え部材39aのある側の端部に、当該押え部材39aの下側に入り込むローラー17cが取り付けられ、後方側の被支持部18には、その支軸18aの両端の内、前記押え部材39bのある側の端部に、当該押え部材39bの下側に入り込むローラー18cが取り付けられている。尚、第二揺動アーム42は、第二回転軸52から斜め後方下方向きに連設されているが、先の変形例と同様に、第一揺動アーム38a,38bと平行向きに連設しても良い。
この変形例の構成は、ワーク支持台11側の被支持部17,18の上動を択一的に阻止するロック手段36の押え部材を左右一対の押え部材39a,39bに分割し、これに伴って、両押え部材39a,39bによって押さえられる被支持部17,18の部分、即ち、ローラー17c,18cの位置を左右両側に振り分けた点で、先の図13及び図14に示した変形例と異なるだけであり、作用的には全く同一である。
次に図18〜図21に基づいて本発明の第三実施例を説明する。この実施例では、左右水平方向に往復移動するロックピン55を利用して構成したロック手段56が採用されている。即ち、この実施例では、搬送用走行体1の本体14を構成する片側の垂直板14aに取り付けたガイドブロック57に、左右水平方向に往復移動自在にロックピン55を支持させ、本体14を構成する左右両垂直板14a,14b間に遊嵌するようにワーク支持台11から下向きに突設された被支持部材58に、前記ロックピン55が出退自在な被係止孔59を設けている。前記ロックピン55は、先端にカム従動ローラー60を備えると共に、圧縮コイルバネ61により、被係止孔59から離脱するロック解除方向に付勢されている。尚、図示の構造では、被支持部材58を左右一対の垂直板58a,58bで構成しているので、片側の垂直板58aの内側に被係止孔59を構成するブロック材58cを固着しているが、両垂直板58a,58bを一体化したような1つの厚板構造の被支持部材58とする場合は、単にこの被支持部材58に被係止孔59を穿設することができる。
前記本体14の垂直板14aには、前記ロックピン55の後方位置で軸受け部材63が突設され、この軸受け部材63に左右方向支軸64により操作レバー65の中間位置が上下揺動自在に軸支され、この操作レバー65の前端内側に、前記ロックピン55の外端のカム従動ローラー60に当接するカム66が付設されると共に、当該操作レバー65の後端外側に左右方向支軸67aにより軸支された従動ローラー67により、前記ロックピン55の被操作部68が構成されている。前記操作レバー65は、この操作レバー65を上向きに付勢する引張コイルバネ69により、ストッパー70に当接するロック作用位置に付勢保持されている。而して、このロック作用位置に操作レバー65が付勢保持されている状態では、図19Aに示すように、前記カム66の山部がカム従動ローラー60を介してロックピン55を、その内端が被支持部材58側の被係止孔59に嵌合する進出ロック位置まで、圧縮コイルバネ61に抗して内側へ押し込んでいる。従って、従動ローラー67のある前端が上動する方向に操作レバー65が支軸64の周りに揺動したときは、図19Bに示すように、前記カム66の谷部がカム従動ローラー60に対向するので、ロックピン55が圧縮コイルバネ61の付勢力で外向きに後退移動し、その先端が被支持部材58側の被係止孔59から離脱してロック解除状態になる。
尚、この第三実施例では、ワーク支持台11側の被支持部17,18をロック手段56のロック作用時の係止対象に利用していないので、図示のように、支軸17a,18aの外端にはローラー17c,18cを支承していない。又、これら支軸17a,18aは、先の実施例に示した前後一対の被支持部材17b,18bに代わる前記被支持部材58に左右方向に貫通する状態で固着されている。
この第三実施例では、図20及び図21に示すように、上り勾配経路部UV及び下り勾配経路部DVには、ロック手段56をロック解除状態に切り換えておくために、被操作部68である従動ローラー67を上方に押し上げた状態を維持させるロック手段制御レール71が併設される。これらロック手段制御レール71は、第一実施例の被操作部27である従動ローラー27bを押し上げておくロック手段制御レール29と同一の作用を行うもので、これら上り勾配経路部UV及び下り勾配経路部DVの始端部につながる水平経路部Hの始端部及び終端部には、第一実施例のロック手段制御レール29の始端部29a及び終端部29bで構成された切換え手段30,31と同様に、前記ロック手段制御レール71の始端部及び終端部で構成された切換え手段(図4Cの切換え手段30,31と同一であるから図示省略)が設けられる。
尚、この第三実施例における作用は、第一実施例における作用と比較して、ロック手段制御レール71の始端部及び終端部で構成された切換え手段が制御する対象と、当該ロック手段制御レール71が制御する対象が、ロック手段56のロックピン55をロック作用位置とロック解除位置との間で水平に出退移動させるための操作レバー65である点が異なるだけで、作用全体としては第一実施例における作用と同一であるから、異なる点だけを説明すると、上り勾配経路部UV又は下り勾配経路部DVの始端部につながる水平経路部Hの終端部では、ロック手段制御レール71の始端部で構成される切換え手段により、搬送用走行体1の走行に伴って被操作部68である従動ローラー67が上方に押し上げられ、操作レバー65を引張コイルバネ69の付勢力に抗してロック解除位置へ揺動させるので、図19Bに示すように、カム66によるロックピン55(カム従動ローラー60)の押さえ込みが解除され、ロックピン55が圧縮コイルバネ61の付勢力によりロック作用位置からロック解除位置へ退出移動、当該ロックピン55の先端がワーク支持台11側の被係止孔59から退出することになる。
又、上り勾配経路部UV又は下り勾配経路部DVの終端部につながる水平経路部Hの始端部では、ロック手段制御レール71の終端部で構成される切換え手段により、搬送用走行体1の走行に伴って被操作部68である従動ローラー67がフリーとなり(ロック手段制御レール71の終端部から従動ローラー67が外れる)、操作レバー65が引張コイルバネ69の付勢力によってロック作用位置へ揺動復帰するので、図19Aに示すように、カム66の山部がロックピン55(カム従動ローラー60)を押さえ込み、ロックピン55が圧縮コイルバネ61の付勢力に抗してロック解除位置からロック作用位置へ進出移動し、当該ロックピン55の先端がワーク支持台11側の被係止孔59に嵌合することになる。
上記第三実施例の変形例を図22〜図25に基づいて説明すると、この変形例のロック手段72は、前記ロックピン55に代えて、搬送用走行体1に対して垂直に昇降運動するロックピン73を使用し、前記操作レバー65の前端内側に取り付けられたカム66とロックピン55の外端に軸支したカム従動ローラー60に代えて、当該操作レバー65の前端部に設けた長孔65aと、この長孔65aに嵌合するように前記ロックピン73の下端部に突設したピン73aとにより、ロックピン73と操作レバー65とを直接連動連結している点で、先の第三実施例のロック手段56と異なっている。前記ロックピン73は、搬送用走行体1側に設けられたガイドブロック74に昇降自在に支持され、その上端がワーク支持台11側に取り付けられたブロック材75の被係止孔76に対して上向きに嵌合離脱自在に構成されている。前記ガイドブロック74は、前記軸受け部材63を利用して搬送用走行体1の本体14に取り付けられている。
この変形例では、操作レバー65の前端部を上向きに付勢する引張コイルバネ69によってロックピン73が直接上向きに付勢されて、ワーク支持台11側の被係止孔76に嵌合するロック作用位置に保持され、当該操作レバー65が引張コイルバネ69の付勢力に抗して前端が下がる方向に揺動したとき、直接ロックピン73が下向きに引っ張られて降下し、ワーク支持台11側の被係止孔76から離脱するロック解除位置に切り換えられる。このように操作レバー65とロックピン73との連動作用、及びロックピン73の動作方向が異なるだけで、他の作用は先の第三実施例と全く同一であるから説明は省略する。
尚、上記のように水平往復移動するロックピン55を使用するロック手段65や、昇降移動するロックピン73を使用するロック手段72においても、第一実施例の変形例として図7及び図8に基づいて説明した機構、即ち、ロックピン55,73をロック作用位置とロック解除位置とに択一的に付勢保持する付勢手段、即ち、ロック作用位置とロック解除位置との中間位置を中立位置として、付勢方向が切り換わる2位置切換え付勢用バネを利用し、上り勾配経路部UVや下り勾配経路部DVにおいてロックピン55,73をロック解除位置に保持するためのロック手段制御レール71を省くことも可能である。勿論この場合、水平経路部Hから上り勾配経路部UVや下り勾配経路部DVに搬送用走行体1が進入する直前に、ロックピン55,73をロック作用位置からロック解除位置に切り換える切換え手段(操作レバー65を介してロックピン55,73をロック作用位置から前記中立位置を超える位置まで移動させる短い傾斜レール)や、上り勾配経路部UVや下り勾配経路部DVから水平経路部Hに搬送用走行体1が進入した直後に、ロックピン55,73をロック解除位置からロック作用位置に切り換える切換え手段(操作レバー65を介してロックピン55,73をロック解除位置から前記中立位置を超える位置まで移動させる短い傾斜レール)は必要である。