JP5477365B2 - 光コネクタ - Google Patents

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Description

本発明は、光ファイバの布設現場において、ホーリーファイバの接続作業を簡易に行うことができる光コネクタに関する。
現在、光ファイバの接続方法としては、一般に、光ファイバ同士を突き合わせる物理的な接続方法がよく用いられる。その具体的方法として、メカニカルスプライスを用いた接続方法、光コネクタを用いた接続方法がある。
そして、光ファイバの接続現場においては、例えば、フェルールと、該フェルールに接続されており、光ファイバが内蔵されている光ファイバ接続器を備えた光コネクタが用いられ、この光ファイバ接続器に内蔵された光ファイバ(内蔵ファイバ)の端面に他の光ファイバ(外部光ファイバ)を突き合わせるといった接続作業が行われている。
このような物理的な接続方法においては光ファイバの端面形状が接続特性に大きく影響する。例えば、光ファイバの端面の角度(光ファイバの軸に対する角度)が直角からずれていたり、光ファイバの端面の粗さが大きかったりすると、互いに突き合わせた光ファイバの端面同士の間に空気が入り、光ファイバの端面でのフレネル反射が大きくなるため、接続損失が増大する。このような光ファイバの端面の粗さによる接続損失の増大を防ぐための方法として、光ファイバを切断した後に、光ファイバ端面を研磨処理する方法が知られている。
また、光ファイバを切断した後に、光ファイバの端面を研磨処理しないで、切断したままの状態で接続する方法としては、光ファイバの端面間に光ファイバのコアの屈折率と同等の屈折率又はコアの屈折率に近似した屈折率を有する液状又はグリース状の屈折率整合剤を介在させる方法が知られている(特許文献1,2)。この屈折率整合剤を介在させる方法は、屈折率整合剤を光ファイバ端面に塗布したり、屈折率整合剤を光ファイバ接続部に充填したりして、光ファイバ同士を突き合わせるものである。これにより、端面間への空気の侵入を防ぎ、空気によって生じるフレネル反射を低下させ、接続損失を低減させる。
また、その他には、固体状の屈折率整合部材(フィルム)を用いる方法が知られている(特許文献3,4,5)。
特開平11−72641号公報 特開平11−101919号公報 特許第2676705号公報 特開2001−324641号公報 特開昭55−153912号公報
しかしながら、光ファイバの端面を研磨処理する方法は、外部光ファイバがホーリーファイバである場合、及び接続作業を光ファイバの布設現場で行う場合には問題がある。
光ファイバの布設現場で光ファイバなどの端面を研磨処理するには、その研磨処理の作業のため多大な時間や人件費を要する。そして、その作業に用いる研磨装置を布設現場に準備しなければならない。よって、光ファイバの接続を安価かつ簡易に行うには適さない。
ホーリーファイバは、端面の研磨を行うと、空孔部に研磨カスや研磨剤が入ってしまい、接続損失が増加すると共に信頼性が低下する。
光ファイバの端面間に液状又はグリース状の屈折率整合剤を介在させる方法は、シリコーン系やパラフィン系の液状又はグリース状の屈折率整合剤が一般に使用されるために、これらの屈折率整合剤が時間が経つとホーリーファイバの空孔部に浸入してしまうという経時変化の問題がある。通常、屈折率整合剤の屈折率には温度依存性があり、空孔部に浸入した屈折率整合剤の屈折率の変化に応じてホーリーファイバの伝送損失が著しく変化するという問題がある。また、屈折率整合剤が空孔部に浸入することにより、光ファイバの端面間における屈折率整合剤が減少し、空隙や気泡が発生してホーリーファイバの光学特性が著しく低下するという問題がある。
これに対して、ホーリーファイバの端面における空孔部を、光ファイバを接続する前に封止するという方法もあるが、この作業を光ファイバの布設現場で行うには専用の装置が必要であり、また、ホーリーファイバの端面における空孔部を封止する作業には多くの時間を要する。よって、光ファイバの接続を安価かつ簡易に行うには適さない。
フィルムを用いる方法は、光ファイバの径が80μmあるいは125μmなどと非常に細いため、光ファイバの端面にフィルムを精度よく付けることが難しい。また、光ファイバの端面にフィルムを付けるにはフィルムが接着性あるいは粘着性を有することが必要である。このため、光ファイバの布設現場において光ファイバの接続作業を行う際に、フィルムにゴミなどの異物が付着しやすく、異物によって光ファイバの信頼性の低下を招いたり、異物を排除しようとして光ファイバの接続作業の作業性低下を招いたりする問題がある。
さらに、フィルムとして使用する樹脂には、接続する際に応力(歪み)が加わる。一般に樹脂の屈折率は応力が加わると変化することから、応力緩和が遅いと温度変化による伝送特性の変動が大きくなるという問題がある。
このほかに融着接続という接続方法もあるが、この方法も融着機を必要とするため、光ファイバの布設現場において、簡便的に汎用的に使用する光コネクタには適用できない。
以上のように、外部光ファイバがホーリーファイバである場合や、接続作業を光ファイバの布設現場で行う場合には、従来知られているいずれの方法にも問題がある。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、光ファイバの布設現場において、ホーリーファイバの接続作業を簡易に行うことができる光コネクタを提供することにある。
上記目的を達成するために本発明は、フェルールと、該フェルールの後端に接続されて
いる光ファイバ接続器とを備え、上記フェルールの先端から上記光ファイバ接続器内まで
内蔵された内蔵ファイバの後端面に屈折率整合体を介して他の外部光ファイバが光ファイ
バ接続器内で突き合わせ接続されている光コネクタにおいて、上記屈折率整合体は、架橋
を施して架橋状態である応力歪み緩和剤が添加された架橋硬化型屈折率整合剤を架橋硬化
したものからなり、上記応力歪み緩和剤は、上記架橋硬化型屈折率整合剤に対する添加量が1〜30wt%のシリコーンゲルである。
上記応力歪み緩和剤は、屈折率が1.46±0.05の範囲内であってもよい。
上記屈折率整合体は、屈折率が1.46±0.05の範囲内、光透過率が80%以上、破断伸び50%以上、ガラス粘着力50g/10mm幅以上であってもよい。
上記屈折率整合体は、厚さが5〜50μmであってもよい。
上記外部光ファイバが突き合わせ接続される前の状態において、上記屈折率整合体の上記外部光ファイバとの突き合わせ接続面は、縦断面視に於いて丸みを帯びた形状を有していてもよい。
上記屈折率整合体は、上記内蔵ファイバの後端面のみに付着し、上記内蔵ファイバの側面は、撥水処理がなされていてもよい。
上記屈折率整合体は、上記内蔵ファイバの後端面から側面にわたり付着していてもよい。
本発明は次の如き優れた効果を発揮する。
(1)光ファイバの布設現場において、ホーリーファイバの接続作業を簡易に行うことができる。
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
図1及び図2に示されるように、本発明に係る光コネクタ1は、フェルール3と、該フェルール3の後端に接続されている光ファイバ接続器5とを備え、上記フェルール3の先端から上記光ファイバ接続器5内まで内蔵された光ファイバ(内蔵ファイバ)2の後端面に屈折率整合体6を介して他の光ファイバ(外部光ファイバ)4が光ファイバ接続器5内で突き合わせ接続されている光コネクタ1において、上記屈折率整合体6が、架橋硬化型屈折率整合剤に応力歪み緩和剤が添加されて架橋硬化されたものである。
フェルール3には内蔵ファイバ2の前半部2aが収容されている。光ファイバ接続器5は、フェルール3の後端3aに繋がり内蔵ファイバ2の後半部2bと外部光ファイバ4(図2)とを突き合わせて保持する。内蔵ファイバ2の後端面2cに、架橋硬化型屈折率整合剤に応力歪み緩和剤が添加されて架橋硬化された屈折率整合体6が設けられている。
外部光ファイバ4は、例えば、ホーリーファイバである。空孔部を有さない光ファイバでもよい。
光コネクタ1は、破線で示したハウジング8に収容されるが、ここではハウジング8がないものとして説明する。
フェルール3は、内蔵ファイバ2を収容する中心穴を有する円柱状の部材で、後端3aの部分はフランジになっている。
光ファイバ接続器5は、図3(a)に示されるように、溝31のある平面を有する溝ブロック32と溝のない平面を有する平ブロック33とを平面同士向き合わせ、これら溝ブロック32と平ブロック33の外側面をコ字状のクランプ34で挟み付けて一体化するものである。両ブロック32,33のクランプ34で覆われない合わせ目には、くさび挿入溝35が形成される。
溝31は、内蔵ファイバ2の後半部2bを収容し、外部光ファイバ4の一部(図2)を収容するものである。溝31は、断面形状は特に限定されないが、外部光ファイバ4より断面積が大きいのが好ましい。溝31の断面積は、溝ブロック32と平ブロック33とを重ね合わせたときにできる空間の断面積で定義する。
この実施形態では、溝31は、図示のように傾斜方向の異なる2つの斜面が溝壁を形成するV溝である。内蔵ファイバ2の屈折率整合体6が設けられた後端面2cと外部光ファイバ4の前端面が突き合わせ接続される際に、該突き合わせ接続に直接寄与しない屈折率整合体6の一部がV溝内の余った空間に逃げ、それにより良好な接続特性が得られるので、溝31はV溝であることが好ましい。
V溝に収容した内蔵ファイバ2を平ブロック33で抑えて固定するには、V溝に収容された内蔵ファイバ2が溝ブロック32の平面から少し出ている状態となるのが望ましい。
このとき、V溝の断面積が小さすぎると、内蔵ファイバ2が溝ブロック32の平面から大きく出てしまい、平ブロック33で抑えたとき、溝ブロック32と平ブロック33との間に隙間ができる。V溝の断面積が大きすぎると、内蔵ファイバ2の全体がV溝に入り溝ブロック32の平面から出ないため、平ブロック33で抑えて固定することができない。よって、V溝である溝31は、外部光ファイバ4より断面積が大きいのが好ましい。
図3(b)に示されるように、光ファイバ接続器5のくさび36は、該くさび36を挿入しないくさび挿入溝35(図3(a))の幅より幅の広い部材である。くさび36がくさび挿入溝35に挿入されると、溝ブロック32と平ブロック33に隙間ができ、クランプ34がやや開くようになっている。
図4に拡大して示すように、内蔵ファイバ2は、被覆層を有する光ファイバ心線41の被覆層を除去した光ファイバ42を所望の長さに切り出し、一方の端部をフェルール3の中心穴に挿入してフェルール3と共に前端面2d(図1)を研磨したものである。反対の後端面2cに屈折率整合体6が設けられる。
図5にさらに拡大して示すように、内蔵ファイバ2の後端面2cは切断して研磨をかけない状態であり、その後端面2cに屈折率整合体6が設けられる。屈折率整合体6は、内蔵ファイバ2の後端面2cに塗布した応力歪み緩和剤添加架橋硬化型屈折率整合剤を架橋硬化させたものである。
屈折率整合剤は、屈折率整合性を有する有機材料であり、アクリル系、エポキシ系、ビニル系、エチレン系、シリコーン系、ウレタン系、ポリアミド系、ポリイミド系、フッ素系、ポリブタジエン系、ポリカーボネイト系などの各種有機材料の中から、所望の光学特性(屈折率、光透過率など)に応じて適宜選択する。
架橋硬化型屈折率整合剤とは、屈折率整合剤のうち、熱、光、湿気、電子線などにより、架橋硬化して液状から固体に変化するものである。架橋硬化した屈折率整合体6が光伝送に必要な諸特性を有する架橋硬化型屈折率整合剤であれば何でもよい。
応力歪み緩和剤とは、応力歪みを緩和させるために添加する材料であり、シリコーン系オイル、シリコーンゲルなどが好ましい。シリコーン系オイルとは、ストレートシリコーンオイル、変性シリコーンオイル、シリコーングリス、シリコーンオイルコンパウンドに類するもので、例えば、信越シリコーン製(KF−50,KF−56,KF−393,KF−101,KF−1002,X−22−3939A,X−22−343,X−22−2000,X−22−2046,X−22−4741等)、東芝シリコーン製(TFS410,TFS411,TFS4420,TFS4421,TFS4440,TFS4445,TFS4446,TFS4450,TFS4452,TFS4460,KF42−334,XF42−A3161,XF−42−B0970,YF3842,TSK5353等)、東レダウコーニング・シリコーン製(BY16−837,BY16−839,BY16−891,BY16845,BY16−874,SF8416,SF8421,SF8422,SF8427,SH3746,SH3749,SH3771,SH3711,SH8700,SH203,SH230等)などがある。これらの応力歪み緩和剤を1種類又は2種類以上組み合わせて用いる。
シリコーンゲルは、三次元架橋を施したものや非共有結合で物理的な架橋状態を形成したものである。例えば、信越化学工業製(LPS−1000,KSG−15,KSG−16,KSG−18,KSG−21等)、フッ素変性シリコーンゲル(コーセー製)などがある。
応力歪み緩和剤は、屈折率が1.46±0.05の範囲内であることが望ましい。応力歪み緩和剤の屈折率が1.46±0.05の範囲外になると、接続損失の増加や反射減衰量の低下が著しくなる。
応力歪み緩和剤は、架橋硬化型屈折率整合剤に対する添加量が1〜30wt%であることが望ましい。添加量が1wt%より少ないと、添加による効果が得られず、添加量が30wt%より多いと、外部光ファイバ4の脱着の際に屈折率整合体6の剥離、脱落が生じやすい。
屈折率整合体6の屈折率は、1.46±0.05の範囲内であるのが好ましい。屈折率整合体6の屈折率が1.46±0.05の範囲を外れると、接続損失の増加や反射減衰量の低下が著しくなる。屈折率整合体6の屈折率は、1.46±0.01の範囲内であるといっそう好ましい。
屈折率整合体6の屈折率の温度に対する変化率は、−40℃〜70℃において±2%以内であることが好ましい。
屈折率整合体6の光透過率は、80%以上であるのが好ましい。光透過率が80%未満であると、外部光ファイバ4との接続部での接続損失が1dBを超える。屈折率整合体6の光透過率は、90%以上であるのがさらに好ましい。
屈折率整合体6の破断伸びは、50%以上であるのが好ましい。破断伸びが50%未満であると、接続時に押圧により屈折率整合体6が変形した際に、屈折率整合体6に亀裂や崩れが生じやすい。屈折率整合体6の破断伸びは、100%以上であるのがさらに好ましい。
なお、屈折率整合体6の破断伸びとは、石英ガラス板の上に厚さ100〜200μmの応力歪み緩和剤添加架橋硬化型屈折率整合剤のフィルム層を形成し、そのフィルム層を硬化させることにより作製した屈折率整合体からなるフィルムを10mm幅の短冊状に加工し、その短冊状フィルムを引っ張り速度50mm/minで引っ張った際に破断するまでの伸び率のことである。
屈折率整合体6のガラス粘着力は、50g/10mm幅以上であるのが好ましい。ガラス粘着力が50g/10mm幅未満であると、光コネクタ1に外部光ファイバ4を繰り返し脱着した際に、屈折率整合体6が脱落しやすい。
屈折率整合体6のガラス粘着力は、内蔵ファイバ2の後端面2c側よりも屈折率整合体6の表面において小さいのが好ましい。屈折率整合体6のガラス粘着力が内蔵ファイバ2の後端面2c側と屈折率整合体6の表面とで同等か屈折率整合体6の表面で大きいと、光コネクタ1に外部光ファイバ4を繰り返し脱着した際に、屈折率整合体6が内蔵ファイバ2から脱落して外部光ファイバ4に付着しやすい。
なお、屈折率整合体6のガラス粘着力とは、石英スライドガラス板の上に厚さ100μmの応力歪み緩和剤添加架橋硬化型屈折率整合剤のフィルム層を形成し、そのフィルム層を硬化させることにより作製した屈折率整合体からなるフィルムを10mm幅の短冊状に加工し、その短冊状フィルムをJIS Z0237の「90°引きはがし法」に準拠し、剥離速度50mm/minで石英スライドガラス板に対して90°に引き剥がす際の荷重を求めた値である。
屈折率整合体6の厚さは、5〜50μmが好ましい。屈折率整合体6の厚さが5μm未満であると、屈折率整合体6の量が不足し、十分な屈折率整合性が得られにくいと共に、内蔵ファイバ2と外部光ファイバ4が直接接触しやすくなり、それにより各光ファイバ端面にキズが生じやすい。一方、屈折率整合体6の厚さが50μmより大きいと、内蔵ファイバ2と外部光ファイバ4の端面間間隔が広くなり、軸ずれや温度変化に起因する膨張・収縮の影響を受けやすくなる。屈折率整合体6の厚さは、10〜40μmであるのがさらに好ましい。屈折率整合体6の厚さは、15〜30μmであるのがいっそう好ましい。
なお、屈折率整合体6の厚さとは、内蔵ファイバ2の後端面2cに付着され、球面状に形成された屈折率整合体6における後端面2cから測定して最も厚い部分における厚さのことである。
次に、本発明の光コネクタ1を外部光ファイバ4に接続する接続作業を光ファイバの布設現場で行うときの手順を説明する。
まず、図1のように外部光ファイバ4が未接続の光コネクタ1を用意する。光ファイバ接続器5の前半部では、溝31内に内蔵ファイバ2の後半部2bが既に収容された状態となっている。このとき、溝ブロック32と平ブロック33の間に内蔵ファイバ2が挟み込まれ、溝ブロック32と平ブロック33の外側面がクランプ34で挟み付けられて光ファイバ接続器5が一体化されている。クランプ34を外して溝ブロック32と平ブロック33の開閉を自由にしてしまうと、内蔵ファイバ2がずれるので、ずれないように、クランプ34は外さない。
図3(b)のように、くさび36をくさび挿入溝35に挿入すると、溝ブロック32と平ブロック33に隙間ができる。
外部光ファイバ4を切断し、端面の研磨処理はすることなく、上記隙間を利用して光ファイバ接続器5の後半部の溝31内に外部光ファイバ4を嵌めて、外部光ファイバ4を前方に案内する。外部光ファイバ4の前端面が内蔵ファイバ2の後端面2cに設けられた屈折率整合体6に接触したら案内を止める。
くさび36をくさび挿入溝35から抜き去ると、溝ブロック32と平ブロック33の間に内蔵ファイバ2及び外部光ファイバ4が一括して挟み込まれて、光ファイバ接続器5に一体化された状態となる。外部光ファイバ4は、クランプ34のバネ力によって溝ブロック32と平ブロック33から側圧を受けているので、光ファイバ接続器5から抜けることはない。以上で接続作業が完了する。
次に、本発明の光コネクタ1の作用効果を述べる。
本発明によれば、内蔵ファイバ2の後端面2cに、架橋硬化型屈折率整合剤に応力歪み緩和剤が添加されて架橋硬化された屈折率整合体6が設けられたので、光ファイバ(外部光ファイバ4)の布設現場において、光コネクタ1と外部光ファイバ4との接続作業を行う際に、外部光ファイバ4を切断した後に研磨処理を必要とせず、切断したままの状態で外部光ファイバ4を光コネクタ1に接続することができる。
また、本発明によれば、屈折率整合体6に応力歪み緩和剤が添加されているので、光コネクタ1は、温度依存性に起因する経時変化の影響を受けにくい。
また、本発明によれば、屈折率整合体6のガラス粘着力50g/10mm幅以上としたので、屈折率整合体6がガラスとの密着力を十分に有し、外部光ファイバ4を繰り返し脱着しても屈折率整合体6が脱落して接続損失が増加することがほとんどない。
さらに、本発明によれば、屈折率整合体6に応力歪み緩和剤が含まれているため、外部光ファイバ4が屈折率整合体6に接触したときに屈折率整合体6の変形に伴う応力歪みが緩和される。このため、屈折率整合体6の応力歪みに起因する屈折率変化が抑制される。また、屈折率整合体6の応力歪みの緩和が促進されるので、内蔵ファイバ2と外部光ファイバ4との接続部の接続特性が安定する。
屈折率整合体6は、屈折率が1.46±0.05の範囲内、光透過率が80%以上、破断伸び50%以上、ガラス粘着力50g/10mm幅以上であることにより、内蔵ファイバ2と外部光ファイバ4との接続部の接続損失が低減され、屈折率整合体6の剥離や破断が防止される。
本発明によれば、屈折率整合体6の厚さを5〜50μmとしたので、損失増加量を小さくすることができる。ここで、屈折率整合体6の厚さが様々な光コネクタを作製し、温度サイクル試験(−40〜70℃/6h×10サイクル)を行った。試験前の伝送損失と試験後の伝送損失を比較した。図7に示されるように、横軸にとった屈折率整合体6の厚さが10μm以上の場合に比べて10μmより薄いと損失増加量がやや大きく、5μmより薄いと損失増加量が顕著に大きい。また、屈折率整合体6の厚さが35μm以下の場合に比べて35μmより厚いと損失増加量がやや大きく、50μmより厚いと損失増加量が顕著に大きい。5〜50μmの範囲内では、損失増加量が小さく抑えられるので、好ましい。
次に、本発明の他の実施形態を説明する。
図5に示されるように、屈折率整合体6は、表面形状が球面状であるのが好ましい。球面状とは、丸みを帯びた形状を言う。屈折率整合体6は、内蔵ファイバ2の後端面2cのみに付着しており、かつ、後端面2cは全面が屈折率整合体6に覆われている。
図5の実施形態によれば、屈折率整合体6の表面形状が球面状であるため、屈折率整合体の表面形状が従来のように平坦面状であった場合に比べて、光ファイバ接続器5の後半部の溝31内を前方に案内されてきた外部光ファイバ4の前端面が屈折率整合体6に接したとき、屈折率整合体6が変形しやすいという第1の効果がある。
また、屈折率整合体の表面形状が従来のように平坦面状であると、外部光ファイバ4の前端面が屈折率整合体6に接したとき、屈折率整合体6と外部光ファイバ4の前端面との間に空気層が残るおそれがある。この現象は、外部光ファイバ4の前端面が軸に直角に切断されている場合に生じる。その点、本発明の実施形態によれば、屈折率整合体6の表面形状が球面状であるため、中心部分から接触が始まり、屈折率整合体6と外部光ファイバ4の前端面との間に空気層が残ることがないという第2の効果がある。
一方、外部光ファイバ4の前端面が軸に斜めに切断されている場合、屈折率整合体の表面形状が従来のように平坦面状であると、外部光ファイバ4の前端面が屈折率整合体に接したとき、屈折率整合体の弾性力によって外部光ファイバ4が押し戻され、外部光ファイバ4のコアが屈折率整合体に接触しないことがある。その点、本発明の実施形態によれば、屈折率整合体6の表面形状が球面状であるため、中心部分から接触が始まり、外部光ファイバ4のコアが屈折率整合体6に確実に接触するという第3の効果がある。
本実施形態においては、屈折率整合体6は、内蔵ファイバ2の後端面2cのみに付着しており、内蔵ファイバ2の側面には付着していない。屈折率整合体6が内蔵ファイバ2の側面に付着していると、このような内蔵ファイバ2の後半部2bを光ファイバ接続器5の前半部の溝31内に収容したとき、本来軸があるべき位置との軸ずれを起こしやすい。その点、本発明の実施形態によれば、屈折率整合体6は、内蔵ファイバ2の後端面2cのみに付着しており、内蔵ファイバ2の側面には付着していないので、上記軸ずれを防止することができるという第1の効果がある。
屈折率整合体6の形状は、図6(a)〜図6(d)に示す形態でもよい。
また、本発明の実施形態によれば、屈折率整合体6は、内蔵ファイバ2の後端面2cのみに付着しているので、内蔵ファイバ2及び外部光ファイバ4を光ファイバ接続器5の溝31内にスムーズに収容できるという第2の効果がある。
また、本発明の実施形態によれば、屈折率整合体6は、内蔵ファイバ2の後端面2cのみに付着しているので、内蔵ファイバ2の後半部2bを溝ブロック32と平ブロック33の間に挟んで押さえたとき、屈折率整合体6が裂けるおそれがないという第3の効果がある。
なお、屈折率整合体6を内蔵ファイバ2の後端面2cのみに付着させる方法としては、内蔵ファイバ2の側面に撥水処理を施すことにより、応力歪み緩和剤添加架橋硬化型屈折率整合剤を内蔵ファイバ2の後端面2cに塗布したときに、該応力歪み緩和剤添加架橋硬化型屈折率整合剤が内蔵ファイバ2の側面に回り込まないようにする。応力歪み緩和剤添加架橋硬化型屈折率整合剤は水溶液ではないが、内蔵ファイバ2の側面に撥水処理を施すと、応力歪み緩和剤添加架橋硬化型屈折率整合剤をはじく効果がある。
図6(e)に示した他の実施形態においては、屈折率整合体6は、内蔵ファイバ2の後端面2cから側面にわたり付着しているので、屈折率整合体6が剥がれにくいという効果がある。側面に付着している量(厚み)はごくわずかとする。
(実施例#1)
架橋硬化型屈折率整合剤として、n−ブチルアクリレート/メチルアクリレート/アクリル酸/2−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体(配合比=82/15/2.7/0.3(重量部))からなるアクリル系樹脂の50%酢酸エチル溶液を用いる。
応力歪み緩和剤として、シリコーン系オイル(TSK5353:東芝シリコーン製)を用いる。
上記架橋硬化型屈折率整合剤100重量部に、上記応力歪み緩和剤2重量部と架橋剤(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名:コロネート)1.0重量部を配合して混合した。この混合で得られたアクリル系粘着材塗布液(応力歪み緩和剤添加架橋硬化型屈折率整合剤)を単独で架橋硬化させて屈折率整合体サンプルを得た。
この屈折率整合体サンプルについて、分光光度計にて1300〜1600nmの波長領域における光透過率を測定したところ、93〜95%であった。また、アッベ屈折率計で屈折率を測定したところ、常温(23±2℃)にて1.465±0.005の範囲内であった。破断伸びは、200〜300%であった。ガラス粘着力は、400〜800g/10mmであった。
上記の応力歪み緩和剤添加架橋硬化型屈折率整合剤を用いて図1の光コネクタ1を作製した。
まず、図4のように光ファイバ心線41(日立電線株式会社製、商品名:BBG−SM−WF、心線外径約250μm、光ファイバ径125±1μm)の被覆層を長さ200mm除去し、被覆層が除去されて剥き出しとなった光ファイバ42の表面をアルコール洗浄した後、光ファイバ42をファイバカッターにて軸に直角(角度誤差1°以下)に切断して、後端面2cとなる端面を形成した。
その端面に応力歪み緩和剤添加架橋硬化型屈折率整合剤をポッティングして付けた。常温放置による架橋硬化により応力歪み緩和剤添加架橋硬化型屈折率整合剤を硬化させて図5のように屈折率整合体6を形成した。屈折率整合体6の厚さは、20〜25μmとした。
光ファイバ心線41から光ファイバ42を切断して、屈折率整合体6付きの光ファイバ42を得た後、本発明の光コネクタ1のフェルール3に挿入し、内蔵ファイバ2とした。フェルール3の前端で光ファイバ42を切断し、フェルール3と共に前端面2dを研磨し、光コネクタ1を完成した。このような、光コネクタ1を10個作製した。
外部ファイバ4として、ホーリーファイバ(日立電線株式会社製、商品名:BBG−HF、心線外径約250μm、光ファイバ径125±1μm)の片端の被覆層を適宜な長さ除去し、被覆層が除去されて剥き出しとなった外部ファイバ4の表面をアルコール洗浄した後、光ファイバ42をファイバカッターにて軸に直角(角度誤差1°以下)に切断して、外部ファイバ4の前端面を形成した。
光コネクタ1と外部ファイバ4を実施形態の説明の通り接続し、以下の試験・測定に供し、結果を表1の実施例#1の欄に記入した。
Figure 0005477365
(1)光コネクタ1と外部ファイバ4を接続した直後の接続損失(dB)、反射減衰量(dB)。
(2)光コネクタ1と外部ファイバ4を接続して常温(23±2℃)で24時間放置後の損失増加量(dB)。
(3)反射減衰量が安定するまでの時間(h)。
(4)連続温湿度サイクル試験後の損失増加量(dB)。連続温湿度サイクル試験は、図8に示されるように、温度85℃×336h→温度60℃×湿度95%×336h→温度−40℃〜70℃/8h×42サイクルを行う。
(5)温度サイクル試験後の損失増加量(dB)。温度サイクル試験は、図9に示されるように、温度−40℃〜70℃/6h×10サイクルを行う。
(6)温湿度サイクル試験後の損失増加量(dB)。温湿度サイクル試験は、図10に示されるように、(温度25℃×湿度93%〜温度65℃×湿度93%〜温度25℃×湿度93%〜温度65℃×湿度93%〜温度25℃×湿度93%〜温度−10℃〜温度25℃×湿度93%〜温度65℃×湿度93%〜温度25℃×湿度93%〜温度65℃×湿度93%〜温度25℃×湿度93%)×5サイクルを行う。
(7)低温試験後の損失増加量(dB)。低温試験は、図11に示されるように、温度−40℃×240hを行う。
(8)上記各試験後に外部ファイバ4を10回繰り返して接続した際の屈折率整合体6の脱落の有無
なお、試験(4)には作製した10個の光コネクタ1のうち5個を使用し、残り5個を使用して試験(5)〜(7)を順次行った。
(実施例#2)
架橋硬化型屈折率整合剤として、n−ブチルアクリレート/メチルアクリレート/アクリル酸/2−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体(配合比=82/15/2.7/0.3(重量部))からなるアクリル系樹脂の50%酢酸エチル溶液を用いる。
応力歪み緩和剤として、シリコーン系オイル(TSK5353:東芝シリコーン製)を用いる。
上記架橋硬化型屈折率整合剤100重量部に、上記応力歪み緩和剤5重量部と架橋剤(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名:コロネート)1.0重量部を配合して混合した。この混合で得られたアクリル系粘着材塗布液(応力歪み緩和剤添加架橋硬化型屈折率整合剤)を単独で架橋硬化させて屈折率整合体サンプルを得た。
この屈折率整合体サンプルについて、分光光度計にて1300〜1600nmの波長領域における光透過率を測定したところ、93〜95%であった。また、アッベ屈折率計で屈折率を測定したところ、常温(23±2℃)にて1.465±0.005の範囲内であった。破断伸びは、200〜300%であった。ガラス粘着力は、300〜700g/10mmであった。
上記の応力歪み緩和剤添加架橋硬化型屈折率整合剤を用いて図1の光コネクタ1を作製した。作製方法は実施例#1と同様とし、光コネクタ1を10個作製した。実施例#1と同様に、光コネクタ1と外部ファイバ4を接続し、同様の試験・測定を行って、結果を表1の実施例#2の欄に記入した。
(実施例#3)
架橋硬化型屈折率整合剤として、n−ブチルアクリレート/メチルアクリレート/アクリル酸/2−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体(配合比=82/15/2.7/0.3(重量部))からなるアクリル系樹脂の50%酢酸エチル溶液を用いる。
応力歪み緩和剤として、シリコーン系オイル(TSK5353:東芝シリコーン製)を用いる。
上記架橋硬化型屈折率整合剤100重量部に、上記応力歪み緩和剤25重量部と架橋剤(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名:コロネート)1.0重量部を配合して混合した。この混合で得られたアクリル系粘着材塗布液(応力歪み緩和剤添加架橋硬化型屈折率整合剤)を単独で架橋硬化させて屈折率整合体サンプルを得た。
この屈折率整合体サンプルについて、分光光度計にて1300〜1600nmの波長領域における光透過率を測定したところ、93〜95%であった。また、アッベ屈折率計で屈折率を測定したところ、常温(23±2℃)にて1.465±0.005の範囲内であった。破断伸びは、200〜300%であった。ガラス粘着力は、100〜300g/10mmであった。
上記の応力歪み緩和剤添加架橋硬化型屈折率整合剤を用いて図1の光コネクタ1を作製した。作製方法は実施例#1と同様とし、光コネクタ1を10個作製した。実施例#1と同様に、光コネクタ1と外部ファイバ4を接続し、同様の試験・測定を行って、結果を表1の実施例#3の欄に記入した。
(実施例#4)
架橋硬化型屈折率整合剤として、SD4590/BY24−741/SRX212/トルエン(配合比=100/1.0/0.9/50(重量部))からなる付加型シリコーン系粘着材塗布液(いずれも東レ・ダウコーニング社製)を用いる。
応力歪み緩和剤として、シリコーンゲル(信越化学工業製:KSG−15)を用いる。
上記架橋硬化型屈折率整合剤100重量部に、上記応力歪み緩和剤5重量部を配合して混合した。この混合で得られた応力歪み緩和剤添加架橋硬化型屈折率整合剤を単独で架橋硬化させて屈折率整合体サンプルを得た。
この屈折率整合体サンプルについて、分光光度計にて1300〜1600nmの波長領域における光透過率を測定したところ、92〜94%であった。また、アッベ屈折率計で屈折率を測定したところ、常温(23±2℃)にて1.465±0.005の範囲内であった。破断伸びは、150〜300%であった。ガラス粘着力は、200〜800g/10mmであった。
上記の応力歪み緩和剤添加架橋硬化型屈折率整合剤を用いて図1の光コネクタ1を作製した。作製方法は実施例#1と同様とし、光コネクタ1を10個作製した。実施例#1と同様に、光コネクタ1と外部ファイバ4を接続し、同様の試験・測定を行って、結果を表1の実施例#4の欄に記入した。
(比較例#1)
非架橋型屈折率整合剤として、OC−431A−LVP(Nye Lubricants.Inc製、屈折率1.46)を用いた。
上記の非架橋型屈折率整合剤を用いて図1と同様の光コネクタを作製した。
図4と同様に光ファイバ心線(日立電線株式会社製、商品名:BBG−SM−WF、心線外径約250μm、光ファイバ径125±1μm)の被覆層を長さ200mm除去し、被覆層が除去されて剥き出しとなった光ファイバの表面をアルコール洗浄した後、該光ファイバをファイバカッターにて軸に直角(角度誤差1°以下)に切断して、内蔵ファイバの後端面となる端面を形成した。
上記光ファイバ心線から光ファイバを切断して、光コネクタのフェルールに挿入し、内蔵ファイバとした。フェルールの前端で光ファイバを切断し、フェルールと共に前端面を研磨した。
光ファイバの後端面に非架橋型屈折率整合剤を充填して付けた。このような、光コネクタを10個作製した。実施例#1〜#4と同様に、光コネクタと外部ファイバを接続し、同様の試験・測定を行って、結果を表1の比較例#1の欄に記入した。
(比較例#2)
架橋硬化型屈折率整合剤として、n−ブチルアクリレート/メチルアクリレート/アクリル酸/2−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体(配合比=82/15/2.7/0.3(重量部))からなるアクリル系樹脂の50%酢酸エチル溶液を用いる。
上記架橋硬化型屈折率整合剤100重量部に、架橋剤(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名:コロネート)1.0重量部を配合して混合した。この混合で得られたアクリル系粘着材塗布液(応力歪み緩和剤無添加架橋硬化型屈折率整合剤)を単独で架橋硬化させて屈折率整合体サンプルを得た。実施例#1〜#4と大きく異なる点は、応力歪み緩和剤が添加されないことである。
この屈折率整合体サンプルについて、分光光度計にて1300〜1600nmの波長領域における光透過率を測定したところ、93〜95%であった。また、アッベ屈折率計で屈折率を測定したところ、常温(23±2℃)にて1.465±0.005の範囲内であった。破断伸びは、200〜300%であった。ガラス粘着力は、500〜1000g/10mmであった。
上記の応力歪み緩和剤無添加架橋硬化型屈折率整合剤を用いて図1と同様の光コネクタを作製した。作製方法は実施例#1と同様とし、光コネクタを10個作製した。実施例#1〜#4と同様に、光コネクタと外部ファイバを接続し、同様の試験・測定を行って、結果を表1の比較例#2の欄に記入した。
(比較例#3)
架橋硬化型屈折率整合剤として、n−ブチルアクリレート/メチルアクリレート/アクリル酸/2−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体(配合比=82/15/2.7/0.3(重量部))からなるアクリル系樹脂の50%酢酸エチル溶液を用いる。
応力歪み緩和剤として、シリコーン系オイル(TSK5353:東芝シリコーン製)を用いる。
上記架橋硬化型屈折率整合剤100重量部に、上記応力歪み緩和剤0.5重量部と架橋剤(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名:コロネート)1.0重量部を配合して混合した。この混合で得られたアクリル系粘着材塗布液(応力歪み緩和剤添加架橋硬化型屈折率整合剤)を単独で架橋硬化させて屈折率整合体サンプルを得た。実施例#1〜#4と大きく異なる点は、応力歪み緩和剤が0.5重量部と少ないことである。
この屈折率整合体サンプルについて、分光光度計にて1300〜1600nmの波長領域における光透過率を測定したところ、93〜95%であった。また、アッベ屈折率計で屈折率を測定したところ、常温(23±2℃)にて1.465±0.005の範囲内であった。破断伸びは、200〜300%であった。ガラス粘着力は、500〜1000g/10mmであった。
上記の応力歪み緩和剤添加架橋硬化型屈折率整合剤を用いて図1と同様の光コネクタを作製した。作製方法は実施例#1と同様とし、光コネクタを10個作製した。実施例#1〜#4と同様に、光コネクタと外部ファイバを接続し、同様の試験・測定を行って、結果を表1の比較例#3の欄に記入した。
(比較例#4)
架橋硬化型屈折率整合剤として、n−ブチルアクリレート/メチルアクリレート/アクリル酸/2−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体(配合比=82/15/2.7/0.3(重量部))からなるアクリル系樹脂の50%酢酸エチル溶液を用いる。
応力歪み緩和剤として、シリコーン系オイル(TSK5353:東芝シリコーン製)を用いる。
上記架橋硬化型屈折率整合剤100重量部に、上記応力歪み緩和剤35重量部と架橋剤(日本ポリウレタン工業株式会社製、商品名:コロネート)1.0重量部を配合して混合した。この混合で得られたアクリル系粘着材塗布液(応力歪み緩和剤添加架橋硬化型屈折率整合剤)を単独で架橋硬化させて屈折率整合体サンプルを得た。実施例#1〜#4と大きく異なる点は、応力歪み緩和剤が35重量部と多いことである。
この屈折率整合体サンプルについて、分光光度計にて1300〜1600nmの波長領域における光透過率を測定したところ、93〜95%であった。また、アッベ屈折率計で屈折率を測定したところ、常温(23±2℃)にて1.465±0.005の範囲内であった。破断伸びは、100〜200%であった。ガラス粘着力は、20〜100g/10mmであった。
上記の応力歪み緩和剤添加架橋硬化型屈折率整合剤を用いて図1と同様の光コネクタを作製した。作製方法は実施例#1と同様とし、光コネクタを10個作製した。実施例#1〜#4と同様に、光コネクタと外部ファイバを接続し、同様の試験・測定を行って、結果を表1の比較例#4の欄に記入した。
表1の試験結果を説明する。非架橋型屈折率整合剤を用いた比較例#1では、常温で24時間放置するだけ(試験(2))で損失増加量が1dB以上、各種温湿度試験(試験(4)〜(7))においても損失増加量が1dB以上であるのに対し、架橋型屈折率整合剤を用いた実施例#1〜#4及び比較例#2〜#4では、これらの試験で損失増加量が0.3dBより小さく、多様な温湿度環境において優れた光伝送特性を維持できることが分かる。
比較例#2,#3は応力歪み緩和剤の添加量が少ないため、接続後の反射減衰量が安定するまでの期間(試験(3))が長い。応力歪み緩和剤の添加量が適切な実施例#1〜#4では、接続後の反射減衰量が安定するまでの期間が遥かに短く、安定性に優れていることが分かる。一方、応力歪み緩和剤の添加量が過剰な比較例#4では、繰り返し接続時に屈折率整合体の脱落(試験(8))が確認された。
また、試験後に、実施例#1〜#4及び比較例#1〜#4の光コネクタを解体し、外部ファイバであるホーリーファイバの空孔部を観察した。比較例#1では、非架橋型屈折率整合剤が数mmから数十mm浸入しているのが確認された。架橋型屈折率整合剤を用いた実施例#1〜#4及び比較例#2〜#3では、最大でも、塗布装着した厚さ分の浸入が確認されたのみである。比較例#4では、応力歪み緩和剤に用いたシリコーン系オイルが数百μm浸入しているのが確認された。
本発明の一実施形態を示す光コネクタの側断面図である。 図1の光コネクタの外部ファイバ接続時の側断面図である。 図1の光コネクタのA−A断面図である。(a)はくさび非挿入時、(b)はくさび挿入時を示す。 内蔵ファイバを製造する際に行う光ファイバ心線の端末処理を示す側面図である。 図4の部分拡大図である。 (a)〜(e)は他の実施形態による内蔵ファイバの部分拡大図である。 本発明における屈折率整合体の厚さと損失増加量の相関特性図である。 連続温湿度サイクル試験のタイムチャートである。 温度サイクル試験のタイムチャートである。 温湿度サイクル試験のタイムチャートである。 低温試験のタイムチャートである。
1 光コネクタ
2 内蔵ファイバ
3 フェルール
4 外部光ファイバ
5 光ファイバ接続器
6 屈折率整合体

Claims (7)

  1. フェルールと、該フェルールの後端に接続されている光ファイバ接続器とを備え、上記フェルールの先端から上記光ファイバ接続器内まで内蔵された内蔵ファイバの後端面に屈折率整合体を介して他の外部光ファイバが光ファイバ接続器内で突き合わせ接続されている光コネクタにおいて、
    上記屈折率整合体は、架橋を施して架橋状態である応力歪み緩和剤が添加された架橋硬化型屈折率整合剤を架橋硬化したものからなり、
    上記応力歪み緩和剤は、上記架橋硬化型屈折率整合剤に対する添加量が1〜30wt%のシリコーンゲルであることを特徴とする光コネクタ。
  2. 上記応力歪み緩和剤は、屈折率が1.46±0.05の範囲内であることを特徴とする請求項1記載の光コネクタ。
  3. 上記屈折率整合体は、屈折率が1.46±0.05の範囲内、光透過率が80%以上、破断伸び50%以上、ガラス粘着力50g/10mm幅以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の光コネクタ。
  4. 上記屈折率整合体は、厚さが5〜50μmであることを特徴とする請求項1〜いずれか記載の光コネクタ。
  5. 上記外部光ファイバが突き合わせ接続される前の状態において、上記屈折率整合体の上記外部光ファイバとの突き合わせ接続面は、縦断面視に於いて丸みを帯びた形状を有することを特徴とする請求項1〜いずれか記載の光コネクタ。
  6. 上記屈折率整合体は、上記内蔵ファイバの後端面のみに付着し、上記内蔵ファイバの側面は、撥水処理がなされていることを特徴とする請求項1〜いずれか記載の光コネクタ。
  7. 上記屈折率整合体は、上記内蔵ファイバの後端面から側面にわたり付着していることを特徴とする請求項1〜いずれか記載の光コネクタ。
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