JP5476492B2 - 洗浄システム - Google Patents

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Description

本発明は、超臨界または亜臨界のいずれかの洗浄流体を使用して洗浄室に収容された被洗浄物を洗浄する洗浄システムに関する。
洗浄流体を貯留する耐圧容器と、耐圧容器の内壁から離間しつつその容器の内部に垂直に設置された筒体と、筒体の内側と外側とに洗浄流体を対流させる対流発生装置と、筒体の内側に設置されて被洗浄物を収容するバスケットと、筒体の外側に設置されて洗浄流体に含まれる不純物を洗浄流体から除去する不純物捕捉材とから形成された洗浄装置がある(特許文献1参照)。この洗浄装置は、バスケットに収容された被洗浄物に洗浄流体を流通させることで、被洗浄物に付着した不純物を被洗浄物から除去するとともに、洗浄流体に含まれる不純物を不純物捕捉材に捕捉させ、洗浄流体から不純物を除去する。洗浄流体には、超臨界または亜臨界のいずれかのそれが使用される。不純物捕捉材には、活性炭や合成吸着剤、ゼオライト、メソポーラスシリカ等の不純物吸着剤が使用される。
特開2006−102680号公報
前記公報に開示の洗浄装置は、洗浄流体に含まれる不純物を不純物吸着剤に吸着させ、洗浄流体から不純物を除去する。しかし、それら不純物吸着剤は、不純物を吸着していく過程においてその吸着機能が次第に低下し、時間とともに吸着能力が減少する。この洗浄装置では、洗浄流体に含まれる不純物を継続して除去するために、所定の時間間隔で不純物吸着剤を新しいそれに交換しなければならず、そのための手間と費用とがかかる。また、不純物吸着剤を交換せずに放置すると、不純物吸着剤の吸着機能が飽和し、洗浄流体が次第に汚れ、洗浄流体を清潔に保持することができない。
本発明の目的は、手間と費用とをかけずに洗浄流体に含まれる不純物を洗浄流体から分離することができ、洗浄時における洗浄流体を清潔に保持することができる洗浄システムを提供することにある。
前記課題を解決するための本発明の前提は、超臨界または亜臨界のいずれかの洗浄流体が流入する気密構造洗浄室を備えた洗浄容器に該洗浄流体を流通させ、洗浄室に収容された被洗浄物を洗浄する洗浄システムである。
前記前提における本発明の第1の特徴としては、洗浄システムが、超臨界、亜臨界、非超臨界、非亜臨界のいずれかの状態で該システムを流れる洗浄流体に含まれる不純物を検出する不純物検出装置と、洗浄流体に含まれる不純物を該洗浄流体から分離する気液分離装置と、制御装置とを含み、不純物検出装置が、気液分離装置から流出した後の洗浄流体に残存する不純物を検出しつつ、その不純物の成分を分析する不純物検出手段と、不純物検出手段によって検出した不純物の検出結果と分析した不純物の分析結果とを制御装置に出力する検出結果出力手段とを有し、制御装置が、不純物検出手段から出力された分析結果に基づいて、気液分離装置から流出した後の洗浄流体に残存する不純物の種類を特定する種類特定手段と、気液分離装置から流出した後の洗浄流体に残存する不純物がその洗浄流体から消失し得るように、気液分離装置内の洗浄流体の圧力を洗浄流体に残存する不純物の種類に適した最適圧力に調節する圧力調節手段と、気液分離装置内の洗浄流体の温度を洗浄流体に残存する不純物の種類に適した最適温度に調節する温度調節手段とを有し、種類特定手段では、不純物の種類から該不純物の沸点を特定し、圧力調節手段では、種類特定手段によって特定した沸点を、沸点と最適圧力との相関を示す第1相関関係に当て嵌めて、特定した沸点に対応する最適圧力を決定し、温度調節手段では、種類特定手段によって特定した沸点を、沸点と最適温度との相関を示す第2相関関係に当て嵌めて、特定した沸点に対応する最適温度を決定することにある。
前記第1の特徴を有する洗浄システムの一例として、制御装置には、横軸に表された沸点と縦軸に表された最適圧力と所定の傾きを有する関数とが表示された図表として第1相関関係が格納されているとともに、横軸に表された沸点と縦軸に表された最適温度と所定の傾きを有する関数とが表示された図表として第2相関関係が格納され、圧力調節手段では、所定の沸点から縦に引いた線分と関数との交点を割り出し、その交点から横に引いた線分が縦軸に交わるときの圧力を最適圧力とし、温度調節手段では、所定の沸点から縦に引いた線分と関数との交点を割り出し、その交点から横に引いた線分が縦軸に交わるときの温度を最適温度とする。
前記前提における本発明の第2の特徴としては、洗浄システムが、超臨界、亜臨界、非超臨界、非亜臨界のいずれかの状態で該システムを流れる洗浄流体に含まれる不純物を検出する不純物検出装置と、洗浄流体に含まれる不純物を該洗浄流体から分離する気液分離装置と、制御装置とを含み、不純物検出装置が、気液分離装置から流出した後の洗浄流体に残存する不純物を検出しつつ、その不純物の成分を分析する不純物検出手段と、不純物検出手段によって検出した不純物の検出結果と分析した不純物の分析結果とを制御装置に出力する検出結果出力手段とを有し、制御装置が、不純物検出手段から出力された分析結果に基づいて、気液分離装置から流出した後の洗浄流体に残存する不純物の種類を特定する種類特定手段と、気液分離装置から流出した後の洗浄流体に残存する不純物がその洗浄流体から消失し得るように、気液分離装置内の洗浄流体の圧力を洗浄流体に残存する不純物の種類に適した最適圧力に調節する圧力調節手段と、気液分離装置内の洗浄流体の温度を洗浄流体に残存する不純物の種類に適した最適温度に調節する温度調節手段とを有し、種類特定手段では、不純物の種類から該不純物の飽和蒸気圧を特定し、圧力調節手段では、種類特定手段によって特定した飽和蒸気圧を、飽和蒸気圧と最適圧力との相関を示す第3相関関係に当て嵌めて、特定した前記飽和蒸気圧に対応する最適圧力を決定し、温度調節手段では、種類特定手段によって特定した飽和蒸気圧を、飽和蒸気圧と最適温度との相関を示す第4相関関係に当て嵌めて、特定した飽和蒸気圧に対応する最適温度を決定することにある。
前記第2の特徴を有する洗浄システムの一例として、制御装置には、横軸に表された飽和蒸気圧と縦軸に表された最適圧力と所定の傾きを有する関数とが表示された図表として第3相関関係が格納されているとともに、横軸に表された飽和蒸気圧と縦軸に表された最適温度と所定の傾きを有する関数とが表示された図表として第4相関関係が格納され、圧力調節手段では、所定の飽和蒸気圧から縦に引いた線分と関数との交点を割り出し、その交点から横に引いた線分が縦軸に交わるときの圧力を最適圧力とし、温度調節手段では、所定の飽和蒸気圧から縦に引いた線分と関数との交点を割り出し、その交点から横に引いた線分が縦軸に交わるときの温度を最適温度とする。
前記第1および第2の特徴を有する洗浄システムの他の一例としては、制御装置が、気液分離装置内の洗浄流体の圧力をあらかじめ設定された初期圧力に調節しつつ、気液分離装置内の洗浄流体の温度をあらかじめ設定された初期温度に調節してシステムの初期運転を行う初期運転手段を含み、圧力調節手段では、気液分離装置内の洗浄流体の圧力を初期圧力から最適圧力に調節し、温度調節手段では、気液分離装置内の洗浄流体の温度を初期温度から前記最適温度に調節する。
前記第1および第2の特徴を有する洗浄システムの他の一例として、初期運転手段では、気液分離装置を最も緩い条件で運転し得る初期圧力および初期温度を採用してシステムの初期運転を行う。
前記第1および第2の特徴を有する洗浄システムの他の一例として、圧力調節手段では、洗浄流体の流路に設置された凝縮器の温度と該洗浄流体の流路に設置された圧力制御弁の弁開度とのうちの少なくとも凝縮器の温度を変更することで気液分離装置内の洗浄流体の圧力を調節する。
前記第1および第2の特徴を有する洗浄システムの他の一例として、温度調節手段では、洗浄流体の流路に設置された凝縮器の温度と該洗浄流体の流路に設置された冷却器の出力とのうちの少なくとも凝縮器の温度を変更することで気液分離装置内の洗浄流体の温度を調節する。
前記第1および第2の特徴を有する洗浄システムの他の一例として、気液分離装置の下流側には、気液分離装置から流出した洗浄流体に含まれる不純物を該洗浄流体から除去する濾過装置が設置されている。
第1の特徴を有する本発明の洗浄システムによれば、特定した不純物の沸点をあらかじめ作成された第1相関関係に当て嵌めて最適圧力を決定し、特定した不純物の沸点をあらかじめ作成された第2相関関係に当て嵌めて最適温度を決定するから、第1および第2相関関係を利用して不純物の沸点に対応する正確な最適圧力や最適温度を決定することができ、最適な圧力・温度条件を気液分離装置に適用することができる。洗浄システムは、気液分離装置内の洗浄流体の圧力を洗浄流体に残存する不純物の種類に適した最適圧力に調節しつつ、気液分離装置内の洗浄流体の温度を洗浄流体に残存する不純物の種類に適した最適温度に調節するから、不純物の種類に適した最適な圧力・温度条件で気液分離装置を運転することができ、不純物の蒸気圧の差を効率的に利用して洗浄流体に含まれる不純物を洗浄流体から効率よく分離することができる。洗浄システムは、手間と費用とをかけずに洗浄流体に含まれる不純物を洗浄流体から分離することができ、洗浄時における洗浄流体を常時清潔に保持することができる。洗浄システムは、洗浄流体に残存する不純物の種類に最も適した圧力・温度条件で気液分離装置を運転するから、システムにおけるエネルギー損失を低減することができ、その結果、システムのエネルギー効率を向上させることができる。
横軸に表された沸点と縦軸に表された最適圧力と所定の傾きを有する関数とが表示された図表として第1相関関係が格納されているとともに、横軸に表された沸点と縦軸に表された最適温度と所定の傾きを有する関数とが表示された図表として第2相関関係が格納され、圧力調節手段において、所定の沸点から縦に引いた線分と関数との交点を割り出し、その交点から横に引いた線分が縦軸に交わるときの圧力を最適圧力とし、温度調節手段において、所定の沸点から縦に引いた線分と関数との交点を割り出し、その交点から横に引いた線分が縦軸に交わるときの温度を最適温度とする洗浄システムは、そのような図表として格納された第1および第2相関関係を利用することで、不純物の沸点に対応する正確な最適圧力や最適温度を決定することができ、最適な圧力・温度条件を気液分離装置に適用することができる。洗浄システムは、気液分離装置内の洗浄流体の圧力を洗浄流体に残存する不純物の種類に適した最適圧力に調節しつつ、気液分離装置内の洗浄流体の温度を洗浄流体に残存する不純物の種類に適した最適温度に調節するから、不純物の種類に適した最適な圧力・温度条件で気液分離装置を運転することができ、不純物の蒸気圧の差を効率的に利用して洗浄流体に含まれる不純物を洗浄流体から効率よく分離することができる。
第2の特徴を有する本発明の洗浄システムによれば、特定した不純物の飽和蒸気圧をあらかじめ作成された第3相関関係に当て嵌めて最適圧力を決定し、特定した不純物の飽和蒸気圧をあらかじめ作成された第4相関関係に当て嵌めて最適温度を決定するから、第3および第4相関関係を利用して不純物の飽和蒸気圧に対応する正確な最適圧力や最適温度を決定することができ、最適な圧力・温度条件を気液分離装置に適用することができる。洗浄システムは、気液分離装置内の洗浄流体の圧力を洗浄流体に残存する不純物の種類に適した最適圧力に調節しつつ、気液分離装置内の洗浄流体の温度を洗浄流体に残存する不純物の種類に適した最適温度に調節するから、不純物の種類に適した最適な圧力・温度条件で気液分離装置を運転することができ、不純物の蒸気圧の差を効率的に利用して洗浄流体に含まれる不純物を洗浄流体から効率よく分離することができる。洗浄システムは、手間と費用とをかけずに洗浄流体に含まれる不純物を洗浄流体から分離することができ、洗浄時における洗浄流体を常時清潔に保持することができる。洗浄システムは、洗浄流体に残存する不純物の種類に最も適した圧力・温度条件で気液分離装置を運転するから、システムにおけるエネルギー損失を低減することができ、その結果、システムのエネルギー効率を向上させることができる。
横軸に表された飽和蒸気圧と縦軸に表された最適圧力と所定の傾きを有する関数とが表示された図表として第3相関関係が格納されているとともに、横軸に表された飽和蒸気圧と縦軸に表された最適温度と所定の傾きを有する関数とが表示された図表として第4相関関係が格納され、圧力調節手段において、所定の飽和蒸気圧から縦に引いた線分と関数との交点を割り出し、その交点から横に引いた線分が縦軸に交わるときの圧力を最適圧力とし、温度調節手段において、所定の飽和蒸気圧から縦に引いた線分と関数との交点を割り出し、その交点から横に引いた線分が縦軸に交わるときの温度を最適温度とする洗浄システムは、そのような図表として格納された第3および第4相関関係を利用することで、不純物の飽和蒸気圧に対応する正確な最適圧力や最適温度を決定することができ、最適な圧力・温度条件を気液分離装置に適用することができる。洗浄システムは、気液分離装置内の洗浄流体の圧力を洗浄流体に残存する不純物の種類に適した最適圧力に調節しつつ、気液分離装置内の洗浄流体の温度を洗浄流体に残存する不純物の種類に適した最適温度に調節するから、不純物の種類に適した最適な圧力・温度条件で気液分離装置を運転することができ、不純物の蒸気圧の差を効率的に利用して洗浄流体に含まれる不純物を洗浄流体から効率よく分離することができる。
気液分離装置内の洗浄流体の圧力をあらかじめ設定された初期圧力に調節しつつ、気液分離装置内の洗浄流体の温度をあらかじめ設定された初期温度に調節して初期運転を行う初期運転手段を含む洗浄システムは、初期圧力および初期温度においてシステムを初期運転することで洗浄流体に含まれる所定の不純物を除去し得ることはもちろん、それら初期圧力・温度が不適切である場合、気液分離装置内の洗浄流体の圧力を初期圧力から最適圧力に調節しつつ、気液分離装置内の洗浄流体の温度を初期温度から最適温度に調節するから、最適な圧力・温度条件で気液分離装置を運転することができ、不純物の蒸気圧の差を効率的に利用して洗浄流体に含まれる不純物を洗浄流体から効率よく分離することができる。洗浄システムは、手間と費用とをかけずに洗浄流体に含まれる不純物を洗浄流体から分離することができ、洗浄時における洗浄流体を常時清潔に保持することができる。この洗浄システムは、最適な圧力・温度条件で気液分離装置を運転するから、システムにおけるエネルギー損失を低減することができ、その結果、システムのエネルギー効率を向上させることができる。
初期運転手段において、気液分離装置を最も緩い条件で運転し得る初期圧力および初期温度を採用して初期運転を行う洗浄システムは、初期運転時に気液分離装置を軽負荷で運転することで、初期運転時に気液分離装置を重負荷で運転する場合と比較し、システムの省エネ化を図ることができ、その結果、システムのエネルギー効率を向上させることができる。
気液分離装置から流出した洗浄流体に含まれる不純物をその洗浄流体から除去する濾過装置が気液分離装置の下流側に設置された洗浄システムは、気液分離装置から流出した洗浄流体に微量の不純物が含まれていたとしても、濾過装置によってその不純物が洗浄流体から除去されるから、気液分離装置によって分離しきれない不純物を洗浄流体から取り除くことができ、洗浄時における洗浄流体を清潔に保持することができる。
添付の図面を参照し、本発明に係る洗浄システムの詳細をフィルタの洗浄を例として説明すると、以下のとおりである。図1は、一例として示す洗浄システム10の構成図である。この洗浄システム10は、気体を濾過した後の使用済のエアフィルタ11(被洗浄物)の洗浄や液体を濾過した後の使用済のリキッドフィルタ11(被洗浄物)の洗浄に好適に利用される他、新品のフィルタの出荷前洗浄にも利用される。それらフィルタ11の洗浄には、超臨界または亜臨界のいずれかの洗浄流体が使用される。なお、この洗浄システム10で洗浄される被洗浄物は、フィルタ11のみならず、超臨界や亜臨界の洗浄流体によって洗浄可能なすべての被洗浄物が含まれる。
洗浄システム10は、二酸化炭素を液化する凝縮器12と、液化された二酸化炭素を収容する真空断熱の貯留タンク13と、タンク13から供給された二酸化炭素を所定圧力に加圧可能なポンプ14と、二酸化炭素を所定温度に加熱可能な加熱器15と、フィルタ11を収容かつ洗浄する洗浄容器16と、洗浄流体を冷却可能な冷却器17と、洗浄流体に含まれる不純物を洗浄流体から分離可能な気液分離装置18と、洗浄流体に含まれる不純物を洗浄流体から除去可能な濾過装置19と、ガスクロマトグラフ20(不純物検出装置)と、コントローラ21(制御装置)とを備えている。凝縮器12、タンク13、ポンプ14、加熱器15、洗浄容器16、冷却器17、気液分離装置18、濾過装置19は、管路22を介して互いに連結されている。それら機器の連結順序は、図1に示すように、凝縮器12→タンク13→ポンプ14→加熱器15→洗浄容器16→冷却器17→気液分離装置18→濾過装置19である。
冷却器17と気液分離装置18とを連結する管路22には、第1圧力制御弁23が設置されている。凝縮器12と貯留タンク13とを連結する管路22には、第2圧力制御弁24が設置されている。第1および第2圧力制御弁23,24は、その弁機構の開度を変更することで、弁23,24を通る洗浄流体の圧力を調節可能である。洗浄容器16には、図示はしていないが、温度センサや圧力センサが取り付けられている。洗浄容器16の内部には、気密構造洗浄室(図示せず)が作られている。管路22には、図示はしていないが、流量センサが設置されている。気液分離装置18は、不純物の蒸気圧の差を利用して洗浄流体に含まれる不純物を洗浄流体から分離する。気液分離装置18には、ヒータ25(加熱器)と回収器26とが取り付けられている。回収器26には、気液分離装置18によって分離された不純物(液体)が回収される。
濾過装置19は、気液分離装置18において分離されなかった不純物を洗浄流体から除去(濾過)し、洗浄流体を浄化する。濾過装置19は、図示はしていないが、ハウジングとフィルタとフィルタを固定するフィルタカートリッジとから形成されている。濾過装置19では、フィルタカートリッジにフィルタを取り付けた後、そのカートリッジをハウジングに装着する。濾過装置19に使用するフィルタには、粗大な不純物を除去するプレフィルタ、微細な不純物を除去する中性能フィルタまたは高性能フィルタ、極めて微細の不純物を除去するHEPA(ヘパ)フィルタやULPA(ウルパ)フィルタ、化学物質を除去するケミカルフィルタが使用されている。フィルタには、取り除く不純物に応じてそれらの数種類を組み合わせた複合フィルタを使用することが好ましい。
濾過装置19に使用するフィルタは、ガラス繊維や吸着剤、合成樹脂繊維を濾材とする。吸着剤には、活性炭やゼオライト、セラミック多孔体等が使用される。合成樹脂繊維を形成する合成樹脂には、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ナイロン6、ポリフェニレンサルファイド等が使用される。濾材としては、それら繊維のみを重ね合わせたもの、それら繊維間に粒状活性炭や粒状ゼオライト、粒状セラミック多孔体等の吸着剤を担持させ、それら繊維を重ね合わせたもの、重なり合う繊維集合物の間に粒状活性炭や粒状ゼオライト、粒状セラミック多孔体等の吸着剤を介在させたものも含まれる。濾過装置19では、洗浄流体が濾材を通過する過程において洗浄流体に含まれる微量の不純物が濾材に捕捉され、洗浄流体に含まれる不純物が除去される。
被洗浄物であるエアフィルタ11には、セパレータ型エアフィルタやミニプリーツ型エアフィルタ等がある。エアフィルタ11は、主に空調用フィルタや空気清浄用フィルタ、排気処理用フィルタ、車両用エアフィルタとして使用される。被洗浄物であるリキッドフィルタ11は、浄水装置用フィルタや浸透圧を利用する膜装置用フィルタとして使用される。エアフィルタ11やリキッドフィルタ11は、濾過装置19に使用されるフィルタと同様に、ガラス繊維や吸着剤、合成樹脂繊維を濾材とし、フィルタカートリッジに収納して使用される。それらフィルタ11は、蛇腹に折り畳まれた四角柱状の立体構造を有する。なお、このシステム10で洗浄されるフィルタには、立体構造を有するそれの他に、略扁平のそれも含まれ、さらに、円柱状や多角柱状のものも含まれる。
超臨界や亜臨界のいずれかの洗浄流体は、気体と液体との性質を有し、エアフィルタ11やリキッドフィルタ11を形成する濾材の微細な間隙に容易に進入し、濾材表面に付着した不純物(汚れ)を溶かし込むとともに、濾材内部に浸透して濾材内部に滲入した不純物(汚れ)を溶かし込む。洗浄流体は、それを利用することで、濾材表面に付着した不純物を落とすことができるのみならず、濾材内部に滲入した不純物を落とすことができる。
貯留タンク13から供給された二酸化炭素は、ポンプ14によって5.0〜30.0MPaの圧力に加圧された後、加熱器15によって30〜120℃の温度に加熱され、超臨界または亜臨界のいずれかの洗浄流体になる。超臨界または亜臨界の洗浄流体は、ポンプ14によって強制的に洗浄容器16に供給され、洗浄容器16の気密構造洗浄室に流入し、洗浄室に収容されたフィルタ11を洗浄する。洗浄容器16から流出した洗浄流体は、冷却器17によって冷却され、さらに、第1圧力制御弁23によって減圧されて非超臨界または非亜臨界の洗浄流体(二酸化炭素)に戻る。
圧力制御弁23を通った洗浄流体は、気液分離装置18に流入し、気液分離装置18によってそれに含まれる不純物が分離される。洗浄流体から分離された不純物は、回収器26に回収される。気液分離装置18から流出した洗浄流体は、濾過装置19に流入し、気液分離装置18において分離されなかった不純物が濾過装置19によって洗浄流体から除去される。濾過装置19から流出した洗浄流体は、凝縮器12に流入する。洗浄流体は、凝縮器12によって液体に戻り、制御弁24を通って貯留タンク13に流入し、再びタンク13から管路22に供給される。このように、フィルタ11の洗浄中は、洗浄流体が超臨界または亜臨界から非超臨界または非亜臨界、非超臨界または非亜臨界から超臨界または亜臨界へと状態を変化させながら管路22(システム10)を循環する。
ガスクロマトグラフ20は、洗浄流体に含まれる不純物を検出かつ不純物の成分を分析する。ガスクロマトグラフ20によるサンプリングポイントPは、気液分離装置18と濾過装置19とを連結する管路22に設定されている。ガスクロマトグラフ20は、気液分離装置18から流出した後の洗浄流体に残存する不純物を検出し、かつ、検出した不純物の成分を分析する不純物検出手段を実行し、不純物検出手段によって分析した分析結果をコントローラ21に出力する検出結果出力手段を実行する。ガスクロマトグラフ20から延びるサンプリング管27は、気液分離装置18と濾過装置19とを連結する管路22に接続されている。気液分離装置18から流出した洗浄流体の一部は、管路22からサンプリング管27に流入し、減圧弁(図示せず)によって減圧されてガスクロマトグラフ20に送られる。
コントローラ21は、中央処理部(CPUまたはMPU)とメモリとを備えたコンピュータであり、大容量ハードディスクが内蔵されている。コントローラ21には、凝縮器12、冷却器17、ガスクロマトグラフ20、ヒータ25、第2圧力制御弁24がインターフェイス28(有線または無線)を介して接続されている。また、インターフェイスの図示は省略しているが、コントローラ21には、タンク13、ポンプ14、加熱器15、洗浄容器16の温度センサや圧力センサ、第1圧力制御弁23、流量センサが接続されている。コントローラ21は、凝縮器12の温度、冷却器17の出力、ヒータ25の出力、弁24の開度を監視しつつ、それら機器の温度や出力、開度をコントロールする。コントローラ21は、タンク13からの二酸化炭素供給量やポンプ14の出力、加熱器15の出力、弁23の開度を監視しつつ、温度センサや圧力センサ、流量センサから出力される計測結果に基づいて、それら機器の出力や供給量、開度をコントロールする。なお、コントローラ21には、図示はしていないが、ON/OFFスイッチやキーユニット等の入力装置、プリンタやディスプレイ等の出力装置がインターフェイスを介して接続されている。
フィルタ11の洗浄中、コントローラ21は、それに接続された凝縮器12、タンク13、ポンプ14、加熱器15、洗浄容器16、第1圧力制御弁23を最適な運転状態(フィルタ11を最も効率よく洗浄し得る状態)に保持する。具体的にコントローラ21は、洗浄容器16に収容されたフィルタ11を最適な状態で洗浄し得るように、それら機器をあらかじめ設定された運転条件(設定供給量や設定出力、設定開度)に合致させる。コントローラ21は、各センサから入力される計測結果に基づいて各運転条件に誤差が生じたと判断すると、それら機器を調節して運転条件を設定時のそれに戻すフィードバック制御を実行する。
コントローラ21は、ポンプ14や制御弁23を調節し、管路22を流れる洗浄流体の流量を設定値に保持し、洗浄流体の洗浄容器16への流入量や洗浄容器16からの流出量を設定値に保持するとともに、洗浄容器16内に流入する洗浄流体の圧力を設定値に保持する。さらに、加熱器15の熱量を調節し、洗浄流体の洗浄容器16内における温度を設定値に保持する。なお、入力装置を介して各設定値を入力することで、コントローラ21のメモリに格納された各設定値を変更することができる。
コントローラ21は、フィルタ11の洗浄中に管路22を循環する洗浄流体の流量が設定値の範囲から外れ、洗浄流体の洗浄容器16への流入量や洗浄流体の洗浄容器16からの流出量が設定値の範囲から外れると、ポンプ14の出力を調節して洗浄流体の流量や流入量、流出量を設定値の範囲内に復帰させる。コントローラ21は、フィルタ11の洗浄中に洗浄容器16内に流入する洗浄流体の圧力が設定値の範囲から外れると、ポンプ14の出力や圧力制御弁23の弁機構を調節して洗浄流体の圧力を設定値の範囲内に復帰させる。コントローラ21は、フィルタ11の洗浄中に洗浄容器16内の洗浄流体の温度が設定値の範囲から外れると、加熱器15の熱量を調節して洗浄容器16内の洗浄流体の温度を設定値の範囲に復帰させる。
コントローラ21の中央処理部は、オペレーティングシステムによる制御に基づいて、メモリに格納されたアプリケーションを起動し、起動したアプリケーションに従って、以下の各手段を実行する。コントローラ21の中央処理部は、気液分離装置18内の洗浄流体の圧力をあらかじめ設定された初期圧力に調節しつつ、気液分離装置18内の洗浄流体の温度をあらかじめ設定された初期温度に調節してシステム10の初期運転を行う初期運転手段を実行する。初期運転手段においてコントローラ21は、気液分離装置18を最も緩い条件で運転し得る初期圧力および初期温度を採用し、気液分離装置18内の洗浄流体の圧力をあらかじめ設定された初期圧力に調節する初期圧力調節手段を実行しつつ、気液分離装置18内の洗浄流体の温度をあらかじめ設定された初期温度に調節する初期温度調節手段を実行し、システム10の初期運転を行う。
コントローラ21の中央処理部は、ガスクロマトグラフ20から出力された分析結果(ガスクロマトグラフ20において分析された不純物の種類)に基づいて、気液分離装置18から流出した後の洗浄流体に不純物が残存するかを判断しつつ、洗浄流体に残存する不純物の種類を特定する種類特定手段を実行する。種類特定手段では、洗浄流体に残存する不純物の種類からその不純物の沸点と飽和蒸気圧とを特定する。中央処理部は、初期運転の実行中に、気液分離装置18内の洗浄流体の圧力を洗浄流体に残存する不純物の種類に適した最適圧力に調節する圧力調節手段を実行し、気液分離装置18内の洗浄流体の温度を洗浄流体に残存する不純物の種類に適した最適温度に調節する温度調節手段を実行する。圧力調節手段では、種類特定手段によって特定した不純物の沸点と飽和蒸気圧とに基づいて最適圧力を決定しつつ、気液分離装置内の洗浄流体の圧力を初期圧力から最適圧力に変更する。温度調節手段では、種類特定手段によって特定した不純物の沸点と飽和蒸気圧とに基づいて最適温度を決定しつつ、気液分離装置内の洗浄流体の温度を初期温度から最適温度に変更する。
図2は、このシステム10における洗浄手順の一例を示すフローチャートであり、図3は、特定した不純物の種類、沸点、飽和蒸気圧の一例を示す図である。図4は、不純物の種類とその沸点および飽和蒸気圧の第1関係を示す図であり、図5は、不純物の種類とその設定圧力および設定温度との第2関係を示す図である。図2〜図5を参照しつつ、この洗浄システム10におけるフィルタ洗浄運転の一例を説明すると以下のとおりである。なお、洗浄容器16の気密構造洗浄室には、被洗浄物である使用済のフィルタ11が収容されている。
使用済のフィルタ11には、主な不純物としてイソプロピルアルコール(沸点:82(℃)、飽和蒸気圧:33(mmHg))、トルエン(沸点:110(℃)、飽和蒸気圧:22.5(mmHg))、フタル酸ジオクチル(沸点:386(℃)、飽和蒸気圧:2.28×10−7(mmHg))が含まれているものとする。コントローラ21のハードディスクには、図4の不純物の種類とその沸点および飽和蒸気圧の第1関係が格納され、図5の不純物の種類と設定圧力および設定温度との第2関係が格納されている。
コントローラ21は、図5に示すように、不純物をVVOC、VOC、SVOCに区分する。VVOCは、高揮発性有機化合物であり、沸点が50(℃)未満、飽和蒸気圧が15(kPa)以上である。VOCは、揮発性有機化合物であり、沸点が50(℃)以上260(℃)未満、飽和蒸気圧が10−2(kPa)以上である。SVOCは、準揮発性有機化合物であり、沸点が260(℃)以上400(℃)未満、飽和蒸気圧が10−8〜10−2(kPa)以上である。気液分離装置18に適用する運転条件としては、VVOCが最も厳しく、VOCが次に厳しく、SVOCが最も緩やかである。
VVOCに属する不純物には、イソプロピルアルコールの他、メタン(沸点:−161℃)、ホルムアルデヒド(沸点:−21℃)、メチルメルカプタン(沸点:6℃)、アセトアルデヒド(沸点:20℃)、ジクロロメタン(沸点:40℃)等がある。VOCに属する不純物には、トルエンの他に、酢酸メチル(沸点:77℃)、エタノール(沸点:78℃)、ベンゼン(沸点:80℃)、メチルエチルケトン(沸点:80℃)、トリクロロエタン(沸点:113℃)、キシレン(沸点:140℃)、リモネン(沸点:178℃)、Lニコチン(沸点:247℃)等がある。SVOCに属する不純物には、フタル酸ジオクチルの他に、クロロピリホス(沸点:290℃)、フタル酸ジブチル(沸点:340℃)等がある。
システム10を起動させると、各機器が稼動する。システム10の稼働時において、コントローラ21は、SVOCに対応する最も緩い運転条件を気液分離装置18に適用し、システム10の初期運転を行う(初期運転手段)(S−1)。具体的にコントローラ21は、不純物の種類と設定圧力および設定温度との第2関係(図5参照)をハードディスクから取り出し、その第2関係から、SVOCに対応する気液分離装置18の運転条件として、初期圧力を6(MPa)に決定し、初期温度を22(℃)に決定する。コントローラ21は、気液分離装置18に流入する洗浄流体の温度を22(℃)(初期温度)とし(初期温度調節手段)、気液分離装置18に流入する洗浄流体の圧力を6(MPa)(初期圧力)とする(初期圧力調節手段)。なお、第2圧力制御弁24の弁機構を調節し、制御弁23と制御弁24と間を流動する洗浄流体の圧力を2(MPa)に保持し、さらに、冷却器17の出力を調整して気液分離装置18に流入する洗浄流体の温度(気液分離装置18内の洗浄流体の温度)を22(℃)に微調整する。
コントローラ21は、ポンプ14の出力を調節しつつ、制御弁23の開度を調節し、タンク13に貯留された液化二酸化炭素の設定量を管路22に供給する。コントローラ21は、ポンプ14の出力を設定出力に保持しつつ、制御弁23の開度を設定開度に保持し、二酸化炭素を所定の圧力に加圧するとともに、加熱器15の出力を設定出力に保持し、加圧された二酸化炭素を所定の温度に加熱する。加熱器15から流出した二酸化炭素は、超臨界または亜臨界のいずれかの洗浄流体となり、洗浄容器16の気密構造洗浄室に流入する。
超臨界または亜臨界の洗浄流体は、フィルタ11を流通し、それに含まれる不純物(イソプロピルアルコール、トルエン、フタル酸ジオクチル)をフィルタ11から分離した後、洗浄容器16から流出する。洗浄容器16から流出した直後の洗浄流体(フィルタ11を洗浄した直後の洗浄流体)に含まれる不純物(汚れ)は、その大部分がイソプロピルアルコール、トルエン、フタル酸ジオクチルであり、その他の不純物が微量に含まれている。洗浄容器16から流出した洗浄流体は、冷却器17に流入し、制御弁23を通って気液分離装置18に流入する。洗浄流体は、冷却器17で冷却されるとともに、制御弁24で圧力制御され、その圧力が6(MPa)(初期圧力)、その温度が22(℃)(初期温度)となり、気液分離装置18内に進入する。
システムの初期運転では、圧力が6(MPa)および温度が22(℃)の洗浄流体が気液分離装置18に流入する。気液分離装置18では、洗浄流体(二酸化炭素)に含まれるフタル酸ジオクチルが洗浄流体から分離され、フタル酸ジオクチルが回収器26に回収される。しかし、装置18内の洗浄流体の圧力が初期圧力(6MPa)に保持され、装置18内の洗浄流体の温度が初期温度(22℃)に保持されるから、洗浄流体に含まれるイソプロピルアルコールやトルエンが洗浄流体から分離され難く、装置18から流出した洗浄流体にイソプロピルアルコールやトルエンが残存する。さらに、微量なフタル酸ジオクチルや他の微量な不純物が残存する。
洗浄流体は、気液分離装置18から濾過装置19に流入する過程において、その一部が管路22に設置されたサンプリング管27からガスクロマトグラフ20に送られる。ガスクロマトグラフ20は、洗浄流体に残存する不純物を検出しつつ、不純物の成分を分析し(不純物検出手段)(S−2)、その分析結果をコントローラ21に出力する(検出結果出力手段)(S−3)。コントローラ21は、ガスクロマトグラフ20から出力された分析結果に基づき、洗浄流体に残存する不純物の種類を特定した後、不純物の種類からその不純物の沸点と飽和蒸気圧とを特定する(種類特定手段)(S−4)。コントローラ21は、特定した不純物の種類、沸点、飽和蒸気圧をハードディスクに格納する。特定した不純物は、図3に示すように、イソプロピルアルコール、トルエンである。
コントローラ21は、不純物の種類(イソプロピルアルコール、トルエン)、沸点、飽和蒸気圧を特定すると、ハードディスクに格納された不純物の種別区分とその沸点および飽和蒸気圧の第1関係(図4参照)をハードディスクから取り出す。コントローラ21は、イソプロピルアルコールの沸点および飽和蒸気圧を第1関係に当て嵌め、イソプロピルアルコールがVVOCに属すると判断し、トルエンの沸点および飽和蒸気圧を第1関係に当て嵌め、トルエンがVOCに属すると判断し、初期圧力の変更および初期温度の変更が必要かを判断する(S−5)。
コントローラ21は、洗浄流体にVVOC、VOCに属する不純物が残存しているから、SVOCに対応する初期圧力の変更を必要と判断するとともに、SVOCに対応する初期温度の変更を必要と判断する。洗浄流体にはVVOC、VOCに属する不純物が残存しているが、コントローラ21は、それらのうち、VVOCに属する不純物が残存していると判断すると、VOCが含まれているにもかかわらず、VVOCに対応する最も厳しい運転条件を気液分離装置18に適用する。具体的にコントローラ21は、不純物の種類と設定圧力および設定温度との第2関係(図5参照)をハードディスクから取り出し、その第2関係から、VVOCが検出された場合の気液分離装置18の運転条件として、最適圧力を2(MPa)に決定し、最適温度を−20(℃)に決定する(S−6)。
コントローラ21は、気液分離装置18に流入する洗浄流体の温度を22℃(初期温度)から−20(℃)(最適温度)に変更するとともに(温度調節手段)、気液分離装置18に流入する洗浄流体の圧力を6(MPa)(初期圧力)から2(MPa)(最適圧力)に変更し(圧力調節手段)、VVOCに対応する運転条件を気液分離装置18に適用する(S−7)。なお、第2圧力制御弁24の弁機構を調節し、制御弁23と制御弁24と間を流動する洗浄流体の圧力を2(MPa)に保持し、さらに、冷却器17の出力を調整して気液分離装置18に流入する洗浄流体の温度(気液分離装置18内の洗浄流体の温度)を−20(℃)に微調整する。
イソプロピルアルコールやトルエン、微量なフタル酸ジオクチル、他の微量な不純物が残存する洗浄流体は、気液分離装置18から濾過装置19に流入する。濾過装置19では、気液分離装置18において分離しきれない微量なフタル酸ジオクチル、他の不純物が洗浄流体から除去される他、残存するイソプロピルアルコールやトルエンが洗浄流体から除去される。濾過装置19から流出した洗浄流体からは、フタル酸ジオクチルやイソプロピルアルコール、トルエン、他の不純物が除去されている。濾過装置19から流出した洗浄流体は、凝縮器12に流入し、凝縮器12によって液体に戻った後、制御弁24を通ってタンク13に流入し、再びタンク13から管路22に供給される。洗浄流体は、フィルタ11を流通し、それに含まれる不純物(イソプロピルアルコール、トルエン、フタル酸ジオクチル)をフィルタ11から分離した後、洗浄容器16から流出する。
気液分離装置18では、洗浄流体に含まれるイソプロピルアルコール、トルエン、フタル酸ジオクチルを洗浄流体から効率よく分離することができるように、装置18内の洗浄流体の圧力が最適圧力(2MPa)に保持され、装置18内の洗浄流体の温度が最適温度(−20℃)に保持される。ゆえに、洗浄流体に含まれるイソプロピルアルコール、トルエン、フタル酸ジオクチルが装置18によって確実に分離され、イソプロピルアルコール、トルエン、フタル酸ジオクチルが回収器26に回収される。イソプロピルアルコール、トルエン、フタル酸ジオクチルが分離された洗浄流体は、再び濾過装置19に流入する。濾過装置19では、気液分離装置18において分離しきれない微量なイソプロピルアルコールやトルエン、フタル酸ジオクチル(他の微量な不純物を含む)を除去する。微量な不純物が除去された洗浄流体は、凝縮器12に流入し、凝縮器12によって液体に戻った後、制御弁24を通ってタンク13に流入し、再びタンク13から管路22に供給される。
初期圧力から最適圧力に変更し、かつ、初期温度から最適温度に変更した後、コントローラ21は、ガスクロマトグラフ20から出力された分析結果に基づき、フィルタ11に不純物が残存しないと判断すると、凝縮器12内の洗浄流体の圧力を最適圧力に保持し、凝縮器12内の洗浄流体の温度を最適温度に保持した状態で、洗浄が終了するまでシステム10の運転を継続する。コントローラ21は、そのタイマ機能によって洗浄時間を監視し、洗浄時間が経過したかを判断する(S−8)。洗浄時間が経過し、フィルタ11の洗浄が完了すると、コントローラ21は、洗浄容器16内の圧力を室圧に戻し、洗浄容器16内の温度を室温に戻す。洗浄容器16内の圧力が室圧に戻り、温度が室温に戻った後、フィルタ11を洗浄容器16から取り出す。洗浄時間が経過していない場合、コントローラ21は、最適圧力および最適温度においてフィルタ11の洗浄を継続する。
次に、主な不純物としてトルエンとフタル酸ジオクチルとがフィルタ11に含まれているものとした場合の処理手順を説明する。この場合、初期運転において気液分離装置18がSVOCに対応する運転条件で運転されているから、洗浄流体に含まれるフタル酸ジオクチルが洗浄流体から分離され、フタル酸ジオクチルが回収器26に回収されるが、洗浄流体に含まれるトルエンが洗浄流体から分離され難く、装置18から流出した洗浄流体にトルエンが残存する。さらに、微量なフタル酸ジオクチルや他の微量な不純物が残存する。コントローラ21は、ガスクロマトグラフ20から出力された分析結果に基づき、洗浄流体に残存する不純物の種類(トルエン)を特定した後、不純物の種類からその不純物の沸点と飽和蒸気圧とを特定する(種類特定手段)(S−4)。コントローラ21は、特定した不純物の種類、沸点、飽和蒸気圧をハードディスクに格納する。
コントローラ21は、不純物の種類(トルエン)、沸点、飽和蒸気圧を特定すると、ハードディスクに格納された不純物の種別区分とその沸点および飽和蒸気圧の第1関係(図4参照)をハードディスクから取り出す。コントローラ21は、トルエンの沸点および飽和蒸気圧を第1関係に当て嵌め、トルエンがVOCに属すると判断し、初期圧力の変更および初期温度の変更が必要かを判断する(S−5)。コントローラ21は、洗浄流体にVOCに属する不純物が残存しているから、初期圧力の変更および初期温度の変更を必要と判断し、VOCに対応する運転条件を気液分離装置18に適用する。具体的にコントローラ21は、不純物の種類と設定圧力および設定温度との第2関係(図5参照)から、VOCが検出された場合の気液分離装置18の運転条件として、設定圧力を4(MPa)に決定し、設定温度を5(℃)に決定する(S−6)。
この場合、コントローラ21は、気液分離装置18に流入する洗浄流体の温度を22℃(初期温度)から5(℃)(最適温度)に変更するとともに(温度調節手段)、気液分離装置18に流入する洗浄流体の圧力を6(MPa)(初期圧力)から4(MPa)(最適圧力)に変更し(圧力調節手段)、VOCに対応する運転条件を気液分離装置18に適用する(S−7)。なお、第2圧力制御弁24の弁機構を調節し、制御弁23と制御弁24と間を流動する洗浄流体の圧力を2(MPa)に保持し、さらに、冷却器17の出力を調整して気液分離装置18に流入する洗浄流体の温度(気液分離装置18内の洗浄流体の温度)を5(℃)に微調整する。
トルエンや微量なフタル酸ジオクチル、他の微量な不純物が残存する洗浄流体は、気液分離装置18から濾過装置19に流入する。濾過装置19では、気液分離装置18において分離しきれない微量なフタル酸ジオクチル、他の不純物が洗浄流体から除去される他、残存するトルエンが洗浄流体から除去される。濾過装置19から流出した洗浄流体には、フタル酸ジオクチルやトルエン、他の不純物が除去されている。濾過装置19から流出した洗浄流体は、凝縮器12に流入し、凝縮器12によって液体に戻った後、制御弁24を通ってタンク13に流入し、再びタンク13から管路22に供給される。洗浄流体は、フィルタ11を流通し、それに含まれる不純物(トルエン、フタル酸ジオクチル)をフィルタ11から分離した後、洗浄容器16から流出する。
気液分離装置18では、洗浄流体に含まれるトルエン、フタル酸ジオクチルを洗浄流体から効率よく分離することができるように、装置18内の洗浄流体の圧力が最適圧力(4MPa)に保持され、装置18内の洗浄流体の温度が最適温度(5℃)に保持される。ゆえに、洗浄流体に含まれるトルエン、フタル酸ジオクチルが装置18によって確実に分離され、トルエン、フタル酸ジオクチルが回収器26に回収される。トルエン、フタル酸ジオクチルが分離された洗浄流体は、再び濾過装置19に流入する。濾過装置19では、気液分離装置18において分離しきれない微量なトルエンやフタル酸ジオクチル(他の微量な不純物を含む)を除去する。微量な不純物が除去された洗浄流体は、凝縮器12に流入し、凝縮器12によって液体に戻った後、制御弁24を通ってタンク13に流入し、再びタンク13から管路22に供給される。
ステップ5(S−5)に戻って、初期運転の実行中にコントローラ21は、ガスクロマトグラフ20から出力された分析結果に基づき、フィルタ11に不純物が残存しないと判断し、初期圧力の変更および初期温度の変更を不必要と判断すると、凝縮器12内の洗浄流体の圧力を6(MPa)(初期圧力)に保持し、凝縮器12内の洗浄流体の温度を22(℃)(初期温度)に保持した状態で、システムの運転を継続する。次に、コントローラ21は、洗浄時間が経過したかを判断する(S−9)。洗浄時間が経過し、フィルタ11の洗浄が完了すると、コントローラ21は、洗浄容器16内の圧力を室圧に戻し、洗浄容器16内の温度を室温に戻す。洗浄容器16内の圧力が室圧に戻り、温度が室温に戻った後、フィルタ11を洗浄容器16から取り出す。洗浄時間が経過していない場合、コントローラ21は、初期圧力および初期温度においてフィルタ11の洗浄を継続するとともに、ステップ2(S−2)からの手順を繰り返す。
この洗浄システム10では、特定した沸点と飽和蒸気圧とに基づいて最適圧力を決定し、特定した沸点と飽和蒸気圧とに基づいて最適温度を決定しているが、特定した沸点と飽和蒸気圧とのいずれか一方に基づいて最適圧力を決定し、特定した沸点と飽和蒸気圧とのいずれか一方に基づいて最適温度を決定してもよい。
洗浄システム10は、気液分離装置18内の洗浄流体の圧力を初期圧力から不純物の種類に適した最適圧力に調節しつつ、気液分離装置18内の洗浄流体の温度を初期温度から不純物の種類に適した最適温度に調節するから、特定した不純物の種類に適した圧力・温度条件で気液分離装置18を運転することができ、不純物の蒸気圧の差を効率的に利用して洗浄流体に含まれる不純物を洗浄流体から効率よく分離することができる。洗浄システム10は、特定した不純物の種類に適した圧力・温度条件で気液分離装置18を運転するから、システムにおけるエネルギー損失を低減することができ(特に、洗浄流体の温度を下げるための冷却器17の過負荷運転をする必要はなく、冷却器17の省エネを図ることができる。)、その結果、システム10のエネルギー効率を向上させることができる。
洗浄システム10では、洗浄流体が管路22を通ってそれら機器を循環しつつ気液分離装置18と濾過装置19とを通ることで、手間と費用とをかけずに洗浄流体に含まれる不純物を洗浄流体から分離することができ、不純物が除かれた状態の洗浄流体が洗浄容器16に流入するから、常時清潔な洗浄流体を利用してフィルタ11に付着した不純物を落とすことができる。洗浄システム10は、気液分離装置18を最も緩い条件で運転し得る初期圧力および初期温度を採用して初期運転を行うから、初期運転時に気液分離装置18を軽負荷で運転することができる。この洗浄システム10は、初期運転時に気液分離装置18を重負荷で運転する場合と比較し、気液分離装置18の省エネ化を図ることができ、その結果、システム10のエネルギー効率を向上させることができる。
図6は、不純物の沸点と最適圧力との第1相関関係の一例を示す図であり、図7は、不純物の沸点と最適温度との第2相関関係の一例を示す図である。図6,7の相関関係を利用したシステム10のフィルタ洗浄運転を説明すると、以下のとおりである。この例では、主な不純物としてトルエンが含まれた使用済のフィルタ11を洗浄するものとする。不純物の沸点と最適温度との第1相関関係は、図6に示すように、横軸に沸点が表され、縦軸に最適圧力が表された図表としてコントローラ21のハードディスクに格納されている。第1相関関係の図表には、所定の傾きを有する関数が表示されている。第1相関関係では、所定の沸点から縦に引いた線分と関数との交点を割り出し、その交点から横に引いた線分が縦軸に交わるときの圧力を最適圧力とする。
不純物の沸点と最適温度との第2相関関係は、図7に示すように、横軸に沸点が表され、縦軸に最適温度が表された図表としてコントローラ21のハードディスクに格納されている。第2相関関係の図表には、所定の傾きを有する関数が表示されている。第2相関関係では、所定の沸点から縦に引いた線分と関数との交点を割り出し、その交点から横に引いた線分が縦軸に交わるときの温度を最適温度とする。
フィルタ11を洗浄容器16の気密構造洗浄室に収容し、そのフィルタ11の洗浄を開始する。システム10の稼働時において、コントローラ21は、最も緩い運転条件を気液分離装置18に適用し、システム10の初期運転を行う(初期運転手段)。コントローラ21は、気液分離装置18に流入する洗浄流体の温度を初期温度(たとえば、25℃)とし(初期温度調節手段)、気液分離装置18に流入する洗浄流体の圧力を初期圧力(たとえば、8MPa)とする(初期圧力調節手段)。なお、初期運転における初期圧力や初期温度は任意に設定または変更することができる。
気液分離装置18から流出した洗浄流体には、トルエンが残存している。ガスクロマトグラフ20は、サンプリングした洗浄流体から不純物を検出しつつ、検出した不純物の成分を分析し(不純物検出手段)、その分析結果をコントローラ21に出力する(検出結果出力手段)。コントローラ21は、ガスクロマトグラフ20から出力された分析結果(ガスクロマトグラフ20において分析された不純物の種類)に基づき、洗浄流体に残存する不純物の種類(トルエン)を特定した後、不純物の種類からその不純物の沸点を特定する(種類特定手段)。コントローラ21は、特定した不純物の種類、沸点をハードディスクに格納する。特定した不純物は、沸点が110(℃)のトルエンである。
コントローラ21は、不純物の種類(トルエン)、沸点を特定すると、初期圧力の変更および初期温度の変更が必要かを判断する。コントローラ21は、トルエンの沸点が110(℃)であることから、初期圧力の変更を必要と判断するとともに、初期温度の変更を必要と判断する。初期圧力および初期温度の変更が必要であると判断すると、コントローラ21は、沸点と最適圧力との第1相関関係をハードディスクから取り出し、特定した沸点を第1相関関係に当て嵌め、沸点に対応する最適圧力を決定する。さらに、沸点と最適温度との第2相関関係をハードディスクから取り出し、特定した沸点を第2相関関係に当て嵌め、沸点に対応する最適温度を決定する。
コントローラ21は、気液分離装置18に流入する洗浄流体の温度を初期温度から最適温度とするとともに(温度調節手段)、気液分離装置18に流入する洗浄流体の圧力を初期圧力から最適圧力とする(圧力調節手段)。なお、第2圧力制御弁24の弁機構を調節し、制御弁23と制御弁24と間を流動する洗浄流体の圧力を最適圧力に保持し、さらに、冷却器17の出力を調整して気液分離装置18に流入する洗浄流体の温度(気液分離装置18内の洗浄流体の温度)を最適温度に微調整する。
気液分離装置18では、洗浄流体に含まれるトルエンを洗浄流体から効率よく分離することができるように、装置18内の洗浄流体の圧力が最適圧力に保持され、装置18内の洗浄流体の温度が最適温度に保持される。ゆえに、洗浄流体に含まれるトルエンが装置18によって確実に分離され、トルエンが回収器26に回収される。トルエンが分離された洗浄流体は、濾過装置19に流入する。濾過装置19では、気液分離装置18において分離しきれない微量な不純物(トルエンや他の不純物)を除去する。微量な不純物が除去された洗浄流体は、凝縮器12に流入し、凝縮器12によって液体に戻った後、制御弁24を通ってタンク13に流入し、再びタンク13から管路22に供給される。
図6,7に示す相関関係を利用した洗浄システム10は、特定した不純物の沸点をあらかじめ作成された第1および第2相関関係に当て嵌めることで、最適圧力や最適温度が決定されるから、それら相関関係を利用して沸点に対応する正確かつ綿密な最適圧力や最適温度を決定することができ、特定した不純物の種類に最も適した圧力・温度条件を気液分離装置18に適用することができる。この洗浄システム10は、特定した不純物の種類に最も適した圧力・温度条件で気液分離装置18を運転することができ、不純物の蒸気圧の差を効率的に利用して洗浄流体に含まれる不純物を洗浄流体から効率よく分離することができる。
図6,7に示す相関関係を利用した洗浄システム10では、洗浄流体が管路22を通ってそれら機器を循環しつつ気液分離装置18と濾過装置19とを通ることで、手間と費用とをかけずに洗浄流体に含まれる不純物を洗浄流体から分離することができ、不純物が除かれた状態の洗浄流体が洗浄容器16に流入するから、常時清潔な洗浄流体を利用してフィルタ11に付着した不純物を落とすことができる。洗浄システム10は、気液分離装置18を最も緩い条件で運転し得る初期圧力および初期温度を採用して初期運転を行うから、初期運転時に気液分離装置18を軽負荷で運転することができる。この洗浄システム10は、初期運転時に気液分離装置18を重負荷で運転する場合と比較し、気液分離装置18の省エネ化を図ることができ、その結果、システム10のエネルギー効率を向上させることができる。
図8は、不純物の飽和蒸気圧と最適圧力との第3相関関係の一例を示す図であり、図9は、不純物の飽和蒸気圧と最適温度との第4相関関係の一例を示す図である。図8,9の相関関係を利用したシステム10のフィルタ洗浄運転を説明すると、以下のとおりである。この例では、主な不純物としてイソプロピルアルコールが含まれた使用済のフィルタ11を洗浄するものとする。不純物の飽和蒸気圧と最適圧力との第3相関関係は、図8に示すように、横軸に飽和蒸気圧が表され、縦軸に最適圧力が表された図表としてコントローラ21のハードディスクに格納されている。第3相関関係の図表には、所定の傾きを有する関数が表示されている。第3相関関係では、所定の飽和蒸気圧から縦に引いた線分と関数との交点を割り出し、その交点から横に引いた線分が縦軸に交わるときの圧力を最適圧力とする。
不純物の飽和蒸気圧と最適温度との第4相関関係は、図9に示すように、横軸に飽和蒸気圧が表され、縦軸に最適温度が表された図表としてコントローラ21のハードディスクに格納されている。第4相関関係の図表には、所定の傾きを有する関数が表示されている。第4相関関係では、所定の飽和蒸気圧から縦に引いた線分と関数との交点を割り出し、その交点から横に引いた線分が縦軸に交わるときの温度を最適温度とする。
フィルタ11を洗浄容器16の気密構造洗浄室に収容し、そのフィルタ11の洗浄を開始する。システム10の稼働時において、コントローラ21は、最も緩い運転条件を気液分離装置18に適用し、システム10の初期運転を行う(初期運転手段)。コントローラ21は、気液分離装置18に流入する洗浄流体の温度を初期温度(たとえば、25℃)とし(初期温度調節手段)、気液分離装置18に流入する洗浄流体の圧力を初期圧力(たとえば、8MPa)とする(初期圧力調節手段)。なお、初期運転における初期圧力や初期温度は任意に設定または変更することができる。
濾過装置19から流出した洗浄流体には、イソプロピルアルコールが残存している。ガスクロマトグラフ20は、サンプリングした洗浄流体から不純物を検出しつつ、検出した不純物の成分を分析し(不純物検出手段)、その分析結果をコントローラ21に出力する(検出結果出力手段)。コントローラ21は、ガスクロマトグラフ20から出力された分析結果(ガスクロマトグラフ20において分析された不純物の種類)に基づき、洗浄流体に含まれる不純物の種類(イソプロピルアルコール)を特定した後、不純物の種類からその不純物の飽和蒸気圧を特定する(種類特定手段)。コントローラ21は、特定した不純物の種類、飽和蒸気圧をハードディスクに格納する。特定した不純物は、飽和蒸気圧が33(mmHg)のイソプロピルアルコールである。
コントローラ21は、不純物の種類(イソプロピルアルコール)、飽和蒸気圧を特定すると、初期圧力の変更および初期温度の変更が必要かを判断する。コントローラ21は、イソプロピルアルコールの飽和蒸気圧が33(mmHg)であることから、初期圧力の変更を必要と判断するとともに、初期温度の変更を必要と判断する。初期圧力および初期温度の変更が必要であると判断すると、コントローラ21は、飽和蒸気圧と最適圧力との第3相関関係をハードディスクから取り出し、特定した飽和蒸気圧を第1相関関係に当て嵌め、飽和蒸気圧に対応する最適圧力を決定する。さらに、飽和蒸気圧と最適温度との第4相関関係をハードディスクから取り出し、特定した飽和蒸気圧を第4相関関係に当て嵌め、飽和蒸気圧に対応する最適温度を決定する。
コントローラ21は、気液分離装置18に流入する洗浄流体の温度を初期温度から最適温度とし(温度調節手段)、気液分離装置18に流入する洗浄流体の圧力を初期圧力から最適圧力とする(圧力調節手段)。なお、第2圧力制御弁24の弁機構を調節し、制御弁23と制御弁24と間を流動する洗浄流体の圧力を最適圧力に保持し、さらに、冷却器17の出力を調整して気液分離装置18に流入する洗浄流体の温度(気液分離装置18内の洗浄流体の温度)を最適温度に微調整する。
気液分離装置18では、洗浄流体に含まれるイソプロピルアルコールを洗浄流体から効率よく分離することができるように、装置18内の洗浄流体の圧力が最適圧力に保持され、装置18内の洗浄流体の温度が最適温度に保持される。ゆえに、洗浄流体に含まれるイソプロピルアルコールが装置18によって確実に分離され、イソプロピルアルコールが回収器26に回収される。イソプロピルアルコールが分離された洗浄流体は、濾過装置19に流入する。濾過装置19では、気液分離装置18において分離しきれない微量な不純物(イソプロピルアルコールや他の不純物)を除去する。微量な不純物が除去された洗浄流体は、凝縮器12に流入し、凝縮器12によって液体に戻った後、制御弁24を通ってタンク13に流入し、再びタンク13から管路22に供給される。
図8,9に示す相関関係を利用した洗浄システム10は、特定した不純物の飽和蒸気圧をあらかじめ作成された第3および第4相関関係に当て嵌めることで、最適圧力や最適温度が決定されるから、それら相関関係を利用して飽和蒸気圧に対応する正確かつ綿密な最適圧力や最適温度を決定することができ、特定した不純物の種類に最も適した圧力・温度条件を気液分離装置18に適用することができる。この洗浄システム10は、特定した不純物の種類に最も適した圧力・温度条件で気液分離装置18を運転することができ、不純物の蒸気圧の差を効率的に利用して洗浄流体に含まれる不純物を洗浄流体から効率よく分離することができる。
図8,9に示す相関関係を利用した洗浄システム10では、洗浄流体が管路22を通ってそれら機器を循環しつつ気液分離装置18と濾過装置19とを通ることで、手間と費用とをかけずに洗浄流体に含まれる不純物を洗浄流体から分離することができ、不純物が除かれた状態の洗浄流体が洗浄容器16に流入するから、常時清潔な洗浄流体を利用してフィルタ11に付着した不純物を落とすことができる。洗浄システム10は、気液分離装置18を最も緩い条件で運転し得る初期圧力および初期温度を採用して初期運転を行うから、初期運転時に気液分離装置18を軽負荷で運転することができる。この洗浄システム10は、初期運転時に気液分離装置18を重負荷で運転する場合と比較し、気液分離装置18の省エネ化を図ることができ、その結果、システム10のエネルギー効率を向上させることができる。
図10は、このシステム10における洗浄手順の他の一例を示すフローチャートであり、図11は、図10から続くフローチャートである。図10,11に基づいて洗浄手順の他の一例を説明すると、以下のとおりである。使用済のフィルタ11には、主な不純物としてトルエン、フタル酸ジオクチルが含まれているものとする。洗浄システム10を起動させると、各機器が稼動する。システム10の稼働時において、コントローラ21は、最も緩い運転条件を気液分離装置18に適用し、システム10の初期運転を行う(初期運転手段)(S−10)。
コントローラ21は、気液分離装置18に流入する洗浄流体の温度を初期温度(たとえば、25℃)とし(初期温度調節手段)、気液分離装置18に流入する洗浄流体の圧力を初期圧力(たとえば、8MPa)とする(初期圧力調節手段)。なお、第2圧力制御弁24の弁機構を調節し、制御弁23と制御弁24と間を流動する洗浄流体の圧力を最適圧力に保持し、さらに、冷却器17の出力を調整して気液分離装置18に流入する洗浄流体の温度(気液分離装置18内の洗浄流体の温度)を初期温度に微調整する。初期運転における初期圧力や初期温度は任意に設定または変更することができる。
コントローラ21は、ポンプ14の出力を調節しつつ、制御弁23の開度を調節し、タンク13に貯留された液化二酸化炭素の設定量を管路22に供給する。コントローラ21は、ポンプ14の出力を設定出力に保持しつつ、制御弁23の開度を設定開度に保持し、二酸化炭素を所定の圧力に加圧するとともに、加熱器15の出力を設定出力に保持し、加圧された二酸化炭素を所定の温度に加熱する。加熱器15から流出した二酸化炭素は、超臨界または亜臨界のいずれかの洗浄流体となり、洗浄容器16の気密構造洗浄室に流入する。
超臨界または亜臨界の洗浄流体は、フィルタ11を流通し、それに含まれる不純物(トルエン、フタル酸ジオクチル)をフィルタ11から分離した後、洗浄容器16から流出する。洗浄容器16から流出した直後の洗浄流体(フィルタ11を洗浄した直後の洗浄流体)に含まれる不純物(汚れ)は、その大部分がトルエン、フタル酸ジオクチルであり、その他の不純物が微量に含まれている。洗浄容器16から流出した洗浄流体は、冷却器17に流入し、制御弁23を通って気液分離装置18に流入する。洗浄流体は、冷却器17で冷却されるとともに、制御弁24で圧力制御され、その圧力が初期圧力、その温度が初期温度となり、気液分離装置18内に進入する。
システム10の初期運転では、初期圧力(たとえば、8MPa)および初期温度(たとえば、25℃)の洗浄流体が気液分離装置18に流入する。装置18内の洗浄流体の圧力が初期圧力に保持され、装置18内の洗浄流体の温度が初期温度に保持されるから、洗浄流体に含まれるトルエンやフタル酸ジオクチルが洗浄流体から分離され難く、装置18から流出した洗浄流体にトルエンやフタル酸ジオクチルが残存する。さらに、他の微量な不純物が残存する。
トルエンやフタル酸ジオクチル、他の微量な不純物が残存する洗浄流体は、気液分離装置18から濾過装置19に流入する。濾過装置19では、気液分離装置18において分離しきれない他の微量な不純物が洗浄流体から除去される他、残存するトルエンやフタル酸ジオクチルが洗浄流体から除去される。濾過装置19から流出した洗浄流体からは、トルエンやフタル酸ジオクチル、他の不純物が除去されている。
洗浄流体は、気液分離装置18から濾過装置19に流入する過程において、その一部が管路22に設置されたサンプリング管27からガスクロマトグラフ20に送られる。ガスクロマトグラフ20は、洗浄流体に残存する不純物(トルエン、フタル酸ジオクチル)を検出しつつ、不純物の成分を分析し(不純物検出手段)、その分析結果をコントローラ21に出力する(検出結果出力手段)(S−11)。コントローラ21は、ガスクロマトグラフ20から出力された分析結果に基づき、洗浄流体に不純物が残存するかを判断するとともに、初期圧力や初期温度の変更が必要かを判断する(S−12)。洗浄流体に不純物(トルエン、フタル酸ジオクチル)が残存する場合、コントローラ21は、初期圧力や初期温度の変更が必要と判断し、初期圧力を変更するとともに(初期圧力変更手段)、初期温度を変更する(初期温度変更手段)(S−13)。
なお、洗浄流体に不純物が残存しない場合、ステップ12(S−12)においてコントローラ21は、初期圧力や初期温度の変更が不必要と判断するとともに、洗浄時間が経過したかを判断する(S−14)。洗浄時間が経過し、フィルタ11の洗浄が完了すると、コントローラ21は、洗浄容器16内の圧力を室圧に戻し、洗浄容器16内の温度を室温に戻す。洗浄容器16内の圧力が室圧に戻り、温度が室温に戻った後、フィルタ11を洗浄容器16から取り出す。洗浄時間が経過していない場合、コントローラ21は、初期圧力および初期温度においてフィルタ11の洗浄を継続するとともに、ステップ11(S−11)からの手順を繰り返す。
初期圧力の変更は、たとえば、初期圧力が8MPaである場合、それを6MPaにする。ただし、圧力の変更値は任意に設定することができる。初期温度の変更は、たとえば、初期温度が25℃である場合、それを22℃にする。ただし、温度の変更値は任意に設定することができる。コントローラ21は、変更した圧力および温度を気液分離装置18に適用しつつ、システム10の運転を継続する。なお、第2圧力制御弁24の弁機構を調節し、制御弁23と制御弁24と間を流動する洗浄流体の圧力を6(MPa)に保持し、さらに、冷却器17の出力を調整して気液分離装置18に流入する洗浄流体の温度(気液分離装置18内の洗浄流体の温度)を22(℃)に微調整する。
圧力や温度の変更後におけるシステム10の運転では、圧力(6MPa)および温度(22℃)の洗浄流体が気液分離装置18に流入する。装置18内の洗浄流体の圧力がその圧力に保持され、装置18内の洗浄流体の温度がその温度に保持されるから、気液分離装置18において洗浄流体に含まれるフタル酸ジオクチルが洗浄流体から分離され、フタル酸ジオクチルが回収器26に回収される。しかし、装置18内の洗浄流体の圧力が初期圧力(6MPa)に保持され、装置18内の洗浄流体の温度が初期温度(22℃)に保持されるから、洗浄流体に含まれるトルエンが洗浄流体から分離され難く、装置18から流出した洗浄流体にトルエンが残存する。さらに、微量なフタル酸ジオクチルや他の微量な不純物が残存する。
トルエン、微量なフタル酸ジオクチル、他の微量な不純物が残存する洗浄流体は、気液分離装置18から濾過装置19に流入する。濾過装置19では、気液分離装置18において分離しきれない微量なフタル酸ジオクチル、他の不純物が洗浄流体から除去される他、残存するトルエンが洗浄流体から除去される。濾過装置19から流出した洗浄流体からは、トルエンやフタル酸ジオクチル、他の不純物が除去されている。洗浄流体は、凝縮器12に流入し、凝縮器12によって液体に戻った後、制御弁24を通ってタンク13に流入し、再びタンク13から管路22に供給される。洗浄流体は、フィルタ11を流通し、それに含まれる不純物(トルエン、フタル酸ジオクチル)をフィルタ11から分離した後、洗浄容器16から流出し、気液分離装置18に流入する。
気液分離装置18では、洗浄流体に含まれるフタル酸ジオクチルが洗浄流体から分離され、フタル酸ジオクチルが回収器26に回収されるが、洗浄流体に含まれるトルエンが洗浄流体から分離され難く、装置18から流出した洗浄流体にトルエンが残存する。トルエン、微量なフタル酸ジオクチル、他の微量な不純物が残存する洗浄流体は、気液分離装置18から濾過装置19に流入する。濾過装置19では、気液分離装置18において分離しきれない微量なフタル酸ジオクチル、他の不純物が洗浄流体から除去される他、残存するトルエンが洗浄流体から除去される。濾過装置19から流出した洗浄流体からは、トルエンやフタル酸ジオクチル、他の不純物が除去されている。
洗浄流体の一部は、サンプリング管27からガスクロマトグラフ20に送られる。ガスクロマトグラフ20は、洗浄流体に残存する不純物(トルエン)を検出しつつ、不純物の成分を分析し(不純物検出手段)、その分析結果をコントローラ21に出力する(検出結果出力手段)(S−15)。コントローラ21は、ガスクロマトグラフ20から出力された分析結果に基づき、洗浄流体に不純物が残存するかを判断するとともに、圧力や温度の変更が必要かを判断する(S−16)。洗浄流体に不純物(トルエン)が残存する場合、コントローラ21は、圧力や温度の変更が必要と判断し、圧力を変更するとともに(圧力変更手段)、温度を変更する(温度変更手段)(S−17)。
なお、洗浄流体に不純物が残存しない場合、ステップ16(S−16)においてコントローラ21は、圧力や温度の変更が不必要と判断すると、洗浄時間が経過したかを判断する(S−18)。洗浄時間が経過し、フィルタ11の洗浄が完了すると、コントローラ21は、洗浄容器16内の圧力を室圧に戻し、洗浄容器16内の温度を室温に戻す。洗浄容器16内の圧力が室圧に戻り、温度が室温に戻った後、フィルタ11を洗浄容器16から取り出す。洗浄時間が経過していない場合、コントローラ21は、初期圧力から変更した圧力および初期温度から変更した温度においてフィルタ11の洗浄を継続するとともに、ステップ15(S−15)からの手順を繰り返す。
圧力の変更は、たとえば、初期圧力から変更した圧力が6MPaである場合、それを4MPaにする。ただし、圧力の変更値は任意に設定することができる。温度の変更は、たとえば、初期温度から変更した温度が22℃である場合、それを5℃にする。ただし、温度の変更値は任意に設定することができる。コントローラ21は、変更した圧力および温度を気液分離装置18に適用しつつ、システム10の運転を継続する。なお、第2圧力制御弁24の弁機構を調節し、制御弁23と制御弁24と間を流動する洗浄流体の圧力を4(MPa)に保持し、さらに、冷却器17の出力を調整して気液分離装置18に流入する洗浄流体の温度(気液分離装置18内の洗浄流体の温度)を5(℃)に微調整する。
圧力や温度の変更後におけるシステム10の運転では、圧力(4MPa)および温度(5℃)の洗浄流体が気液分離装置18に流入する。装置18内の洗浄流体の圧力がその圧力に保持され、装置18内の洗浄流体の温度がその温度に保持されるから、気液分離装置18において洗浄流体に含まれるトルエンやフタル酸ジオクチルが洗浄流体から分離され、トルエンやフタル酸ジオクチルが回収器26に回収される。
微量なトルエンやフタル酸ジオクチル、他の微量な不純物が残存する洗浄流体は、気液分離装置18から濾過装置19に流入する。濾過装置19では、気液分離装置18において分離しきれない微量なトルエンやフタル酸ジオクチル、他の不純物が洗浄流体から除去される。濾過装置19から流出した洗浄流体からは、トルエンやフタル酸ジオクチル、他の不純物が除去されている。洗浄流体は、凝縮器12に流入し、凝縮器12によって液体に戻った後、制御弁24を通ってタンク13に流入し、再びタンク13から管路22に供給される。洗浄流体は、フィルタ11を流通し、それに含まれる不純物(トルエン、フタル酸ジオクチル)をフィルタ11から分離した後、洗浄容器16から流出する。
ガスクロマトグラフ20は、洗浄流体に残存する不純物を検出しつつ、不純物の成分を分析し(不純物検出手段)、その分析結果をコントローラ21に出力する(検出結果出力手段)(S−19)。コントローラ21は、ガスクロマトグラフ20から出力された分析結果に基づき、洗浄流体に不純物が残存するかを判断するとともに、圧力や温度の変更が必要かを判断する(S−20)。洗浄流体に不純物(トルエン)が残存しない場合、コントローラ21は、圧力や温度の変更が不必要と判断し、そのときの圧力を最適圧力として保持し(圧力調節手段)、そのときの温度を最適温度として保持する(温度調節手段)(S−21)。
ステップ20(S−20)においてコントローラ21は、圧力や温度の変更が不必要と判断すると、洗浄時間が経過したかを判断する(S−22)。洗浄時間が経過し、フィルタ11の洗浄が完了すると、コントローラ21は、洗浄容器16内の圧力を室圧に戻し、洗浄容器16内の温度を室温に戻す。洗浄容器16内の圧力が室圧に戻り、温度が室温に戻った後、フィルタ11を洗浄容器16から取り出す。洗浄時間が経過していない場合、コントローラ21は、最適圧力および最適温度においてフィルタ11の洗浄を継続するとともに、ステップ21(S−21)からの手順を繰り返す。
図10,11の洗浄手順を実行する洗浄システム10は、気液分離装置18内の洗浄流体の圧力を洗浄流体に残存する不純物に適した最適圧力に調節しつつ、気液分離装置18内の洗浄流体の温度を洗浄流体に残存する不純物の種類に適した最適温度に調節するから、不純物に適した圧力・温度条件で気液分離装置18を運転することができ、不純物の蒸気圧の差を効率的に利用して洗浄流体に含まれる不純物を洗浄流体から効率よく分離することができる。洗浄システム18は、手間と費用とをかけずに洗浄流体に含まれる不純物を洗浄流体から分離することができ、洗浄時における洗浄流体を常時清潔に保持することができる。この洗浄システム10は、洗浄流体に残存する不純物に最も適した圧力・温度条件で気液分離装置18を運転するから、システムにおけるエネルギー損失を低減することができ(特に、洗浄流体の温度を下げるための冷却器17の過負荷運転をする必要はなく、冷却器17の省エネを図ることができる。)、その結果、システム10のエネルギー効率を向上させることができる。
図示のシステム10では、ガスクロマトグラフ20によるサンプリングポイントPが濾過装置19と凝縮器12とを連結する管路22に設定されていてもよい。この場合、ガスクロマトグラフ20は、気液分離装置18と濾過装置19とから流出した後の洗浄流体に残存する不純物を検出し、かつ、検出した不純物の成分を分析する不純物検出手段を実行し、不純物検出手段によって分析した分析結果をコントローラ21に出力する検出結果出力手段を実行する。また、ガスクロマトグラフ20から延びるサンプリング管27は、濾過装置19と凝縮器12とを連結する管路22に接続される。気液分離装置18と濾過装置19とから流出した洗浄流体の一部は、管路22からサンプリング管27に流入し、減圧弁(図示せず)によって減圧されてガスクロマトグラフ20に送られる。
図示のシステム10では、不純物検出装置としてガスクロマトグラフ20を利用しているが、ガスクロマトグラフ20の他に、ガスクロマトグラフ質量分析装置、高速液体クロマトグラフ質量分析装置、誘導結合プラズマ質量分析装置、単収束扇形磁場型質量分析装置、二重収束扇形磁場型質量分析装置、四重極型質量分析装置、四重極イオントラップ型質量分析装置、飛行時間型質量分析装置のいずれかを使用することもできる。
一例として示す洗浄システムの構成図。 このシステムにおける洗浄手順の一例を示すフローチャート。 特定した不純物の種類、沸点、飽和蒸気圧の一例を示す図。 不純物の種類とその沸点および飽和蒸気圧の第1関係を示す図。 沸点および飽和蒸気圧と設定圧力および設定温度との第2関係を示す図。 不純物の沸点と最適圧力との第1相関関係の一例を示す図。 不純物の沸点と最適温度との第2相関関係の一例を示す図。 不純物の飽和蒸気圧と最適圧力との第3相関関係の一例を示す図。 不純物の飽和蒸気圧と最適温度との第4相関関係の一例を示す図。 システムにおける洗浄手順の他の一例を示すフローチャート。 図10から続くフローチャート。
10 洗浄システム
11 フィルタ(被洗浄物)
12 凝縮器
13 貯留タンク
14 ポンプ
15 加熱器
16 洗浄容器
17 冷却器
18 気液分離装置
19 濾過器
20 ガスクロマトグラフ(不純物検出装置)
21 コントローラ(制御装置)
22 管路
23 第1圧力制御弁
24 第2圧力制御弁
25 ヒータ(加熱器)
27 サンプリング管

Claims (9)

  1. 超臨界または亜臨界のいずれかの洗浄流体が流入する気密構造洗浄室を備えた洗浄容器に該洗浄流体を流通させ、前記洗浄室に収容された被洗浄物を洗浄する洗浄システムにおいて、
    前記洗浄システムが、超臨界、亜臨界、非超臨界、非亜臨界のいずれかの状態で該システムを流れる洗浄流体に含まれる不純物を検出する不純物検出装置と、前記洗浄流体に含まれる不純物を該洗浄流体から分離する気液分離装置と、制御装置とを含み、
    前記不純物検出装置が、前記気液分離装置から流出した後の洗浄流体に残存する不純物を検出しつつ、その不純物の成分を分析する不純物検出手段と、前記不純物検出手段によって検出した不純物の検出結果と分析した不純物の分析結果とを前記制御装置に出力する検出結果出力手段とを有し、
    前記制御装置が、前記不純物検出手段から出力された分析結果に基づいて、前記気液分離装置から流出した後の洗浄流体に残存する不純物の種類を特定する種類特定手段と、前記気液分離装置から流出した後の洗浄流体に残存する不純物がその洗浄流体から消失し得るように、前記気液分離装置内の洗浄流体の圧力を洗浄流体に残存する不純物の種類に適した最適圧力に調節する圧力調節手段と、前記気液分離装置内の洗浄流体の温度を洗浄流体に残存する不純物の種類に適した最適温度に調節する温度調節手段とを有し、
    前記種類特定手段では、前記不純物の種類から該不純物の沸点を特定し、前記圧力調節手段では、前記種類特定手段によって特定した前記沸点を、沸点と最適圧力との相関を示す第1相関関係に当て嵌めて、特定した前記沸点に対応する最適圧力を決定し、前記温度調節手段では、前記種類特定手段によって特定した前記沸点を、沸点と最適温度との相関を示す第2相関関係に当て嵌めて、特定した前記沸点に対応する最適温度を決定することを特徴とする洗浄システム。
  2. 前記制御装置には、横軸に表された沸点と縦軸に表された最適圧力と所定の傾きを有する関数とが表示された図表として前記第1相関関係が格納されているとともに、横軸に表された沸点と縦軸に表された最適温度と所定の傾きを有する関数とが表示された図表として前記第2相関関係が格納され、前記圧力調節手段では、所定の沸点から縦に引いた線分と関数との交点を割り出し、その交点から横に引いた線分が縦軸に交わるときの圧力を最適圧力とし、前記温度調節手段では、所定の沸点から縦に引いた線分と関数との交点を割り出し、その交点から横に引いた線分が縦軸に交わるときの温度を最適温度とする請求項1記載の洗浄システム。
  3. 超臨界または亜臨界のいずれかの洗浄流体が流入する気密構造洗浄室を備えた洗浄容器に該洗浄流体を流通させ、前記洗浄室に収容された被洗浄物を洗浄する洗浄システムにおいて、
    前記洗浄システムが、超臨界、亜臨界、非超臨界、非亜臨界のいずれかの状態で該システムを流れる洗浄流体に含まれる不純物を検出する不純物検出装置と、前記洗浄流体に含まれる不純物を該洗浄流体から分離する気液分離装置と、制御装置とを含み、
    前記不純物検出装置が、前記気液分離装置から流出した後の洗浄流体に残存する不純物を検出しつつ、その不純物の成分を分析する不純物検出手段と、前記不純物検出手段によって検出した不純物の検出結果と分析した不純物の分析結果とを前記制御装置に出力する検出結果出力手段とを有し、
    前記制御装置が、前記不純物検出手段から出力された分析結果に基づいて、前記気液分離装置から流出した後の洗浄流体に残存する不純物の種類を特定する種類特定手段と、前記気液分離装置から流出した後の洗浄流体に残存する不純物がその洗浄流体から消失し得るように、前記気液分離装置内の洗浄流体の圧力を洗浄流体に残存する不純物の種類に適した最適圧力に調節する圧力調節手段と、前記気液分離装置内の洗浄流体の温度を洗浄流体に残存する不純物の種類に適した最適温度に調節する温度調節手段とを有し、
    前記種類特定手段では、前記不純物の種類から該不純物の飽和蒸気圧を特定し、前記圧力調節手段では、前記種類特定手段によって特定した前記飽和蒸気圧を、飽和蒸気圧と最適圧力との相関を示す第3相関関係に当て嵌めて、特定した前記飽和蒸気圧に対応する最適圧力を決定し、前記温度調節手段では、前記種類特定手段によって特定した前記飽和蒸気圧を、飽和蒸気圧と最適温度との相関を示す第4相関関係に当て嵌めて、特定した前記飽和蒸気圧に対応する最適温度を決定することを特徴とする洗浄システム。
  4. 前記制御装置には、横軸に表された飽和蒸気圧と縦軸に表された最適圧力と所定の傾きを有する関数とが表示された図表として前記第3相関関係が格納されているとともに、横軸に表された飽和蒸気圧と縦軸に表された最適温度と所定の傾きを有する関数とが表示された図表として前記第4相関関係が格納され、前記圧力調節手段では、所定の飽和蒸気圧から縦に引いた線分と関数との交点を割り出し、その交点から横に引いた線分が縦軸に交わるときの圧力を最適圧力とし、前記温度調節手段では、所定の飽和蒸気圧から縦に引いた線分と関数との交点を割り出し、その交点から横に引いた線分が縦軸に交わるときの温度を最適温度とする請求項3記載の洗浄システム。
  5. 前記制御装置が、前記気液分離装置内の洗浄流体の圧力をあらかじめ設定された初期圧力に調節しつつ、該気液分離装置内の洗浄流体の温度をあらかじめ設定された初期温度に調節して前記システムの初期運転を行う初期運転手段を含み、前記圧力調節手段では、前記気液分離装置内の洗浄流体の圧力を前記初期圧力から前記最適圧力に調節し、前記温度調節手段では、前記気液分離装置内の洗浄流体の温度を前記初期温度から前記最適温度に調節する請求項1ないし請求項4いずれかに記載の洗浄システム。
  6. 前記初期運転手段では、前記気液分離装置を最も緩い条件で運転し得る初期圧力および初期温度を採用して前記システムの初期運転を行う請求項5記載の洗浄システム。
  7. 前記圧力調節手段では、前記洗浄流体の流路に設置された凝縮器の温度と該洗浄流体の流路に設置された圧力制御弁の弁開度とのうちの少なくとも凝縮器の温度を変更することで前記気液分離装置内の洗浄流体の圧力を調節する請求項1ないし請求項6いずれかに記載の洗浄システム。
  8. 前記温度調節手段では、前記洗浄流体の流路に設置された凝縮器の温度と該洗浄流体の流路に設置された冷却器の出力とのうちの少なくとも凝縮器の温度を変更することで前記気液分離装置内の洗浄流体の温度を調節する請求項1ないし請求項7いずれかに記載の洗浄システム。
  9. 前記気液分離装置の下流側には、該気液分離装置から流出した洗浄流体に含まれる不純物を該洗浄流体から除去する濾過装置が設置されている請求項1ないし請求項8いずれかに記載の洗浄システム。
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