JP5475131B2 - 新規ペプチドおよびその用途 - Google Patents

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Description

本発明は退行性ディスク疾患治療および/または予防、人体器官の線維症の治療、癌治療、糸球体硬化症の治療などに有効な新規ペプチドに関するものである。
退行性ディスク疾患(degenerative disc disease:DDD)は、慢性腰痛の原因のうち一つであり、年齢と共にディスクの脱水現象(特に髄核で)によりディスク変性があったり、ディスクの高さが減少し、ディスクにひびが入り、かつ亀裂が生じたりして腰痛を伴うものである。変性したディスクには非正常の神経と血管の生成が増加されており、細胞の数と機能が変化(cluster formation、necrosis、apopsosisなど)されている。退行性ディスクの重要な分子的特徴のうち一つはアグリカン(aggrecan)の減少である。ディスクが荷重を耐えられるようにする重要な役割を担当するアグリカンが減少することによってディスクの浸透圧が落ち、これ以上水分を維持することができなくなり、既存の線維輪をはじめとする既存のディスクの退行を加速化させ、面関節(facet joint)および黄色靱帯(ligamentum flavum)の変性および肥大化させるように他の脊椎構造と機能に大きな影響を及ぼす。
現在このような退行性ディスク疾患をはじめとする病的な慢性腰痛に対する医学的治療は、鎮痛剤を含む薬品治療と運動リハビリ治療などがあるが、しばしば再発が起こり、長い時間と努力が必要であり、また長期間の投薬による合併症の発病可能性がある。
このような長期間の保存的な治療後にも効果がない場合、手術的な治療をするようになり、代表的な方法として損傷したディスク組織を完全に除去した後、骨片を移植して固定する姑息的な腰椎固定術(lumbar fusion surgery)と最近の人工ディスク挿入術がある。しかし、この手術法は、費用が比較的多くかかり、また手術による初期および後期の合併症の併発の可能性が常にあり、腰椎固定術は、隣接部の変性により周期的な再手術を要する場合が多く、これを減らすために開発された人工ディスクは、長期追跡による臨床評価(long−term follow−up study)の結果が良くなく、最近ではあまり施行されない傾向である。このように退行性ディスク疾患による慢性腰痛はその治療において多くの難点があるのが実情である。これに伴い、保全的な治療および手術的な治療の代案としてディスク自体の変性を最小化し、再生をさせようとする様々な実験的な治療法が試みられている。
最近ディスク変性を治療するための生物学的治療方法として重要なマトリックス蛋白質{例、アグリカン(aggrecan)}の生産を上向き調節(up−regulate)するかまたは炎症性サイトカイン(pro−inflammatory cytokines){例、インターロイキン−1(IL−1)、腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−α)}によって誘導される異化作用を下向き調節(down−regulate)させる方法を試みている(Ahn, SH et al., Spine 27:911−917, 2002; Burke JG et al., Spine 28:2685−2693, 2003; Kang JD et al., Spine 21:271−277, 1996; Weiler C et al., Spine 30:44−53, 2005; Igarashi T et al., Spine 25:2975−2980, 2000; Olmarker K et al., Spine 23:2538−2544, 1998; Le Maitre CL et al., Arthritis Res Ther 7:R732R745, 2005; Seguin CA et al., Spine 30:1940−1948, 2005)
このような生物学的な治療法は、主に国外で行われているが、骨形成タンパク質(Bone morphogenic protein、BMP)をディスク内に直接投入するかあるいは治療遺伝子を注入させたディスク細胞を移植する方法が脚光を浴びている(Masuda K et al., Spine 31:742−745, 2006; Imai Y et al., Spine 32: 1197−1205, 2007; Zhang Y et al., Spine 33:831−838, 2008)。しかし、この方法は、物理的な再生によりディスク構造を物理的に変化させるだけの方法であり、患者の痛みを緩和させたり、除去したりする方法ではなく、場合によって過度に増殖する場合、神経の圧迫による神経学的症状が悪化する可能性がある。
一方、TGF−β1シグナル(TGF−beta1 signaling)は、線維症(Fibrosis)、アポトーシス(Apoptosis)、血管新生(Angiogenesis)、腫瘍細胞浸潤(Tumor cell invasion)および転移(metastasis)などに関与するものであって、それを抑制すると、人体器官の線維症、癌、および/または糸球体硬化症の治療が可能であることが知られている(Prud'homme GJ, Lab Invest 87:1077−1091, 2007)。
したがって、ディスク自体の変性を最小化してディスク再生を促進し、退行性ディスク疾患に効果的であり、TGF−β1シグナルを抑制して人体器官の線維症、癌、糸球体硬化症などを治療できる生物学的新物質の開発が必要である。
本発明が解決しようとする課題は、ディスク自体の変性を最小化してディスク再生を促進できる新規ペプチドを提供することにある。
また、本発明が解決しようとする課題は、人体器官の線維症、癌、または糸球体硬化症の治療に効果的な組成物を提供することにある。
本発明は、配列番号1のアミノ酸配列(LQVVYLH)を含むペプチド、その変異体または薬学的に許容可能なその塩を提供する。
前記アミノ酸配列のLはロイシン(Leu)、Qはグルタミン(Gln)、Vはバリン(Val)、Yはタイロシン(Tyr)、Hはヒスチジン(His)を意味する。
前記ペプチドを構成するアミノ酸にはL−体、D−体、DL−体が存在し、本発明のペプチドを構成するアミノ酸はこれらをいずれも含む。
前記変異体は、自然的変異または人工的変異によって主要活性に変化を与えなく、本発明ペプチド構造の一部が変異したものあり、例えば、配列番号1のアミノ酸のうちグルタミン、タイロシン、ヒスチジンに位置するアミノ酸のうち一つ以上が異なるアミノ酸に置換されたものであり得、好ましくは配列番号1のアミノ酸のうちグルタミンがアスパラギンに置換され、タイロシンがフェニルアラニンまたはトリプトファンに置換され、および/またはヒスチジンがリジンまたはアルギニンに置換されたものである。グルタミンとアスパラギンは、末端アミド基を有するアミノ酸群に含まれて、タイロシン、フェニルアラニンおよびトリプトファンは芳香族側鎖を有するアミノ酸群に属する。ヒスチジン、リジンおよびアルギニンは高親水性を持たせる高い極性の側鎖を有する塩基性アミノ酸群に属する。同一群のアミノ酸は同一または類似の生化学的特性(サイズ、形状、電荷(charge)、水素結合能、化学反応性)を有するものと見なされる。
前記ペプチドまたはその変異体は一般式Iを有し得る。
L−X−VV−X−L−X
前記式でXはQまたはN;XはY、F、またはW;XはH、KまたはR;Lはロイシン、Qはグルタミン、Nはアスパラギン、Vはバリン、Yはタイロシン、Fはフェニルアラニン、Wはトリプトファン、Hはヒスチジン、KはリジンでRはアルギニンである。
前記薬学的に許容可能な塩は、例えば、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、シュウ酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩などが挙げられる。
本発明は、 本発明のペプチド、その変異体または薬学的に許容可能なその塩の医薬用途を提供し、前記医薬用途は、退行性ディスク疾患(degenerative disc disease)の治療および/または予防用途、人体器官の線維症(body organ fibrosis)治療用途、癌治療用途、および糸球体硬化症(glomerulosclerosis)の治療用途を含む。前記人体器官の線維症、癌、糸球体硬化症の治療は、TGF−β1(Transforming Growth Factor−beta1、TGF−β1)シグナル(signaling)抑制によるものである。
TGF−βは、アポトーシス制御(apoptosis control)、血管新生(angiogenesis)、創傷治癒(wound healing)、免疫調節(immune regulation)、腫瘍生物学(tumor biology)に重要であり、高い多面発現性(pleiotropic)を有するサイトカイン(Cytokine)として知られている。
TGF−βには3つのアイソフォーム(isoforms)が存在する。すなわち、TGF−β1、TGF−β2、TGF−β3であり、3ついずれも同じ受容体(receptor)を使用する。TGF−β受容体は3つで構成されている。すなわち、タイプ1(RIまたはALK5)、タイプ2(RII)、タイプ3(RIIIまたはbetaglycan)である。TGF−β(すべてのアイソフォーム)がRIIIに結合するとRIIを引き込み、その次にRIをリン酸化させてヘテロテトラマーセリン/トレオニンキナーゼ複合体(heterotetrameric serine/threonine kinase complex)を形成する。その次にRIがSmad2とSmad3をリン酸化させて(receptor−associated Smads (R−Smads))、Smad2とSmad3はSmad4と結合して異種複合体(heteromeric complex)を形成する。前記複合体(complex)が核に移動してDNAに結合することによって転写(transcription)を調節する(Prud'homme GJ, Lab Invest 87:1077−1091, 2007)。
TGF−β1シグナル抑制は、TGF−β1がその受容体に結合できないため、Smad2とSmad3がリン酸化されず、Smad4と複合体を形成できないため、核に移動し、また転写(transcription)調節ができないことを意味する。
したがって、本発明は、本発明のペプチド、その変異体または薬学的に許容可能なその塩を含む退行性ディスク疾患治療および/または予防用組成物を提供する。
本発明は、また本発明のペプチド、その変異体または薬学的に許容可能なその塩を含む人体器官の線維症治療用組成物を提供する。
本発明は、また本発明のペプチド、その変異体または薬学的に許容可能なその塩を含む癌治療用組成物を提供する。
本発明は、また本発明のペプチド、その変異体または薬学的に許容可能なその塩を含む糸球体硬化症の治療用組成物を提供する。
本発明のペプチドは、ペプチド化学において通常使用している方法によって製造することができる。例えば、ペプチドをSchroder and Lubke著、「The Peptides」第1券、Acadmeic Press、New York (1965)などに記載された方法により製造することができ、液相合成または固相合成二つのうち一つによって製造することができる。
ペプチド結合を形成するための方法の例としては、アジド法、酸クロライド法、対称的な無水物法、混合無水物法、カルボジイミド法、カルボジイミド−付加物法、活性エステル法、カルボジイミダゾール法、酸化−還元法、およびWoodward試薬Kを使用する方法などがあり、ペプチドの合成において、本発明のペプチドを形成するアミノ酸であるシスチン部位を、シスチン誘導体を使用することによってまたはペプチド鎖を形成させた後、ペプチドのシステイン残基を通常の方法によってシスチン残基に転換することによって形成することができる。
縮合反応を行う前に、反応に関与しないカルボキシル基、アミノ基、グアニジノ基、ヒドロキシル基などを保護することができ、縮合反応に関与するカルボキシル基およびアミノ基を当分野で公知された方法により活性化することができる。
カルボキシル基を保護する基の例は、メチル、エチル、ベンジル、p−ニトロベンジル、t−ブチルおよびシクロヘキシルのようなエステル−形成基が挙げられる。
アミノ基を保護する基の例は、ベンジルオキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル、イソボルニルオキシカルボニル、および/または9−フルオレニルメチルオキシカルボニルなどが挙げられる。
グアニジノ基を保護する基の例は、ニトロ、ベンジルオキシカルボニル、トシル、p−メトキシベンゼンスルホニルおよび/または4−メトキシ−2,3,6−トリメチルベンゼンスルホニルなどが挙げられる。
ヒドロキシル基を保護する基の例は、t−ブチル、ベンジル、テトラヒドロピラニルおよび/またはアセチルなどが挙げられる。
カルボキシル基の活性形態の例は、対称的な無水物、アジドおよび活性エステル[アルコール(例えば、ペンタクロロフェノール、2,4−ジニトロフェノール、シアノメチルアルコール、p−ニトロフェノール、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン2,3−ジカルポキシイミド、N−ヒドロキシスクシンイミド、N−ヒドロキシフタルイミドおよび1−ヒドロキシベンゾトリアゾール)とのエステル]などが挙げられる。
活性化アミノ基の例は、リン酸アミド(amide phosphate)である。
反応をクロロホルム、ジクロロメタン、エチルアセテート、N、N−ジメチルフォルムアミド、ジメチルスルホキシド、ピリジン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、水、メタノールおよびこれらの混合物のような溶媒で行う。
反応温度は、反応に通常使用される約−30℃〜50℃の範囲でありうる。
本発明のペプチド保護基を除去する反応は、保護基の種類によって異なるが、ペプチド結合にいかなる影響を与えず、保護基を離脱させるものでなければならない。
保護基を酸処理、例えば、塩化水素、臭化水素、フッ化水素、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸およびこれら酸の混合物で処理することによって除去することができる。また、液体アンモニアでナトリウム金属を使用する還元またはパラジウム−炭素を使用する触媒性還元を使用することができる。
前記酸処理で保護基を除去する反応を行う際、アニソール、フェノールおよびチオアニソールなどを添加することができる。
反応完了後、本発明の製造されたペプチドを通常のペプチド精製方法、例えば、抽出、分配、再沈殿、再結晶またはカラムクロマトグラフィーにより回収することができる。
また、本発明のペプチドを通常の方法により前述したその変異体または薬学的に許容可能なその塩に転換することができる。
本発明によるペプチドは、自動ペプチド合成器によって合成することができ、遺伝子操作技術によっても生産することができる。例えば、遺伝子操作により、融合パートナーと本発明のペプチドになった融合蛋白質をコーディングする融合遺伝子を製造し、それで宿主微生物を形質転換した後、宿主微生物から融合蛋白質の形態で発現させた後、蛋白質分解酵素または化合物を利用して融合蛋白質から本発明のペプチドを切断、分離して所望するペプチドを生産することができる。
本発明で使用したアミノ酸配列は、IUPAC_IUB命名法により次のように略語で記載した。
アラニンA、アルギニンR、アスパラギンN、アスパラギン酸E、システインC、グルタミン酸D、グルタミンQ、グリシンG、ヒスチジンH、イソロイシンI、ロイシンL、リジンK、メチオニンM、フェニルアラニンF、プロリンP、セリンS、トレオニンT、トリプトファンW、タイロシンY、バリンV
前記ペプチド、その変異体または薬学的に許容可能なその塩の投与量は、非経口投与時50μg/日〜1mg/日であり、好ましくは0.5mg/日〜1mg/日である。経口投与の場合、投与量は非経口投与量の1.2〜1.5倍であり、直腸投与の場合、投与量は非経口投与量の2〜5倍である。本発明のペプチドを主に非経口的投与方法で、例えば、局所注射(退行性ディスクの場合はディスク内注射、その他の人体器官の線維症および癌場合は局所病変内注射)、静脈/筋肉または皮下注射、脳室内または髄腔内投与、あるいは経鼻投与および直腸内投与により投与する。また、場合によって経口的に投与することができる。
本発明のペプチドまたは組成物は薬学的に許される担体と共に製剤化して注射剤、座剤、粉末、点鼻剤、顆粒、錠剤などの形態で作ることができる。
薬学的に許される担体は、当業者に周知の様々な因子により製造され得るが、例えば、利用した特定の生理活性物質、これの濃度、安全性および意図的な生体利用性;治療しようとする疾患および疾病または状態;治療を受ける個体、年齢、サイズおよび一般的な状態;組成物を投与することに利用する経路、例えば、鼻腔、口腔、眼球、局所、経皮および筋肉などの要因を考慮しなければならないが、これに制限されない。一般的には経口投与の経路以外の生理活性物質の投与に利用する薬剤学的に利用可能な担体にはD5W(水の中で5%ブドウ糖)、デキストロースおよび生理学的塩を容積の5%以内で含む水溶液などを含み、病巣内の局所注射の場合、治療効果を増進させて持続時間を増加させるために様々な注射可能なヒドロゲル(hydrogel)を使用することができる。また薬学的に利用可能な担体には保存剤および抗酸化剤のような活性成分の安全性を補強できる追加成分を含み得る。本発明のペプチドまたは組成物は、該当分野の適切な方法により製造することができ、例えば、Remington's Pharmaceutical Science、Mack Publishing Company、Easton PA(最新版)などに開示されている方法を参照して各疾患によってまたは成分によって好ましく製剤化することができる。
本発明のペプチドを生理食塩水溶液で保存することができ、マンニトールまたはソルビトールの添加した後、アンプル(ample)に凍結乾燥させることができ、これを投与するために使用する際には生理食塩水などに溶解させることができる。
本発明は、また本発明のペプチド、その変異体または薬学的に許容可能なその塩の退行性ディスク疾患、人体器官の線維症、癌、および/または糸球体硬化症の治療剤および/または予防剤の製造のための用途を提供する。
本発明は、また本発明のペプチド、その変異体または薬学的に許容可能なその塩の投与を必要とする対象者(人間を含む哺乳類)に投与する段階を含む退行性ディスク疾患、人体器官の線維症、癌、および/または糸球体硬化症の治療および/または予防法を提供する。
前記人体器官の線維症、癌、および/または糸球体硬化症の治療はTGF−β1シグナル抑制によるものであり得る。
〔有利な効果〕
本発明の新規のペプチド、その変異体または薬学的に許容可能なその塩は、退行性ディスク疾患、人体器官の線維症、癌、および/または糸球体硬化症の治療および/または予防に効果的であり、TGF−β1シグナル抑制に効果的である。
正常ディスク組織、DMSOを投与した退行したディスク組織、および実施例1のペプチドを投与した退行したディスク組織を染色した後に撮影した写真である。 ディスク変性モデルでDMSO投与ディスク群および実施例1のペプチド投与ディスク群において、正常ディスク群を基準にアグリカン遺伝子発現量を対比して示すグラフである。 無処理HepG2細胞、TGF−β1処理細胞、TGF−β1とSB431542処理細胞、TGF−β1と、実施例1のペプチド処理細胞、TGF−β1とDMSO処理細胞で発現されたリン酸化−Smad2を確認するためのウエスタンブロット法の結果である。
本発明の理解を高めるために実施例を提示する。下記の実施例は、本発明をより理解しやくするためにのみ提供するものであり、実施例によって本発明の内容が限定されるものではない。
ペプチドの製造
配列番号1のアミノ酸配列を有するペプチド(LQVVYLH:配列番号1)をPeptron Inc(韓国)に依頼して製造した。具体的には自動合成器(ASP48S、Peptron Inc)を使用してFmoc SPPS(9−Fluorenylmethyloxycarbonyl solid phase peptide synthesis)方法を利用してC−末端から一つずつカップリング(coupling)した。
ペプチドのC−末端の最初のアミノ酸が樹脂(resine)に付着(attached)されたNH2−His(Trt)−2−chloro−Trityl Resinを使用した。ペプチド合成に使用したすべてのアミノ酸原料はN−末端がFmocで保護され、残基はいずれも酸で除去されるトリチル(Trt)、t−ブチルオキシカーボニル(Boc)、t−ブチル(t−Bu)などで保護されたものを使用した。カップリング試薬(Coupling reagent)としては、HBTU(2−(1H−Benzotriazole−1−yl)−1,1,3,3−tetramethyluronium hexafluorophosphate)/HOBt(Hydroxxybenzotriazole)/NMM(N−methylmorpholine)を使用した。(1)Protected amino acid (8当量)とカップリング試薬HBTU(8当量)/HOBt(8当量)/NMM(16当量)をDMF(Dimethylformamide)に溶かして添加した後、常温で2時間の間反応した。(2)Fmocの除去は、20%piperidine in DMFを加えて常温で5分間2回反応した。(1)と(2)の反応を繰り返し、ペプチドの基本骨格を作った後、TFA(trifluoroacetic acid)/EDT(1,2−ethanedithiol)/Thioanisole/TIS(triisopropylsilane)/HO=90/2.5/2.5/2.5/2.5を使用してペプチドを樹脂から分離した。Vydac Everest C18 column(250mm 22mm、10μm)を使用して逆相HPLC(reverse phase HPLC)方法で精製した後、0.1% (v/v)トリフルオロ酢酸(trifluoroacetic acid)を含んでいる水/アセトニトリルリニアグラジエント(water−acetonitrile linear gradient)(10〜75% (v/v) of acetonitrile)方法で分離した。精製されたペプチドの分子量はLC/MS(Agilent HP1100 series)を使用して確認し、凍結乾燥した。
ディスク再生効果の確認
2−1.ディスク変性モデル動の物準備および実験用ディスクの採取
体重3−3.5kgのウサギ(New Zealand whites rabbits、Orient Bio Inc.)を雄雌に関係なく30匹を準備した。
準備したウサギにキシラジン(xylazine, Rompun、Bayer)5mg/kgと塩酸ケタミン(ketamine hydrochloride, Ketalar、Pfizer)35mg/kgを筋肉注射して麻酔させた。施術前、蛍光透視装置(東芝、model VPX−200)で側部平面(lateral plain)のX−rayを得、椎間板の注射前ベースライン(baseline)の高さを定めた。前記ベースラインコントロールは、ディスク間隔測定のための基準を意味する。ウサギを実験台上に位置させた後、前記装置でL23,L34,L45,L56ディスクレベルを確認した後、L23,L45,およびL56レベルに18G針(needle)で線維輪(anulus fibrosus)をディスクの後外側(posterolateral side)から刺し入れた。麻酔から回復した後にはケージで飼育した。飼育条件は、温度20〜25℃、湿度10%〜50%、明暗周期(照明時間)午前8時〜午後8時であり、餌は一日に一回供給した。最初の施術後、それから2週後と4週後それぞれX−rayを撮影した。X−rayの撮影は麻酔をした後で行った。X−rayの結果から椎間板の高さ(IVD height;Intervertebral Disc height)を測定した。測定結果からディスクの変性有無とその程度を定量化し、Luなど(Lu et al., Spine. 22:1828−34, 1997)の方法を変更して利用した。
その後、DMSOを投与した対照群と実施例1のペプチドを投与した実験群に分けて実験を行った後、立てておいたスケジュールのとおり、ケタミン(25mg/kg)とペントバルビタールナトリウム(sodium pentobarbital, Nembutal、Ovation)1.2g/kgを利用してウサギを安楽死させた後、病理および生化学実験用ディスクをそれぞれ摘出した。
2−2.ディスク組織の染色法によるディスク再生効果の測定
前記2−1でディスクが変性したウサギを二群に分け、それぞれの群に対してDMSO(dimethyl sulfoxide)と実施例1のペプチド(0.5mM/個体)を局所的なディスク注射方法で二回投与した。それぞれの群に対する投与時期は、最初にディスク変性をさせた後、4週経過時とその後さらに2週経過したときであり、2番目の投与後、それぞれ2週、4週、8週間さらに飼育した。実施例1のペプチドとDMSOそれぞれを最初の投与した時期から4週目、6週目、10週目にそれぞれ該当ディスク組織を摘出してホルマリン固定を行った。固定されたディスク組織をパラフィンに包埋して矢状面に沿って4 m厚さの連続切片を作り、これらのうち二つの正中矢状切片(two mid−sagittal sections)をヘマトキシリンとエオシン(H&E)で染色した。正常ディスク組織と対照するため、変性させていないウサギを使用し、前述した同一方法でディスクを摘出して処理し、染色した。
10週目に摘出して染色したそれぞれのディスク組織を顕微鏡で撮影した結果を図1に示す。図1のA、Bは正常ディスク組織、C、DはDMSOを投与した退行したディスク組織、E、Fは実施例1のペプチドを投与した退行したディスク組織を示し、A、C、Eは40倍、B、D、Fは400倍拡大した写真である。400倍の写真で矢印はディスクの細胞核を示す。
その結果正常ディスク組織では、髄核と線維輪の部分が明確に区分され、細胞外基質成分が豊富に存在していることが観察された(図1のA、B)。また、正常ディスク組織の髄核部分に細胞核が明確に染色されていることが観察された(図1のB)。
これとは異なり、DMSOを投与したディスク組織ではディスクのサイズが減少されており、線維輪と髄核部分の区分が曖昧で、細胞外基質成分が欠乏していることが観察された(図1のCとD)。そして、髄核部分で染色された細胞核を見つけることが難しかった(図1のD)。すなわち、このような結果は髄核に存在していた細胞が死滅したことを意味する。退行性ディスク変性による細胞死滅はすでに知られているとおりであり、細胞がないため、細胞外基質成分を作ることができなく、さらにディスク変性が悪化するものと見られる。
実施例1のペプチドを投与したディスク組織を参照すると、ディスクのサイズがDMSOを投与したものに比べて増加しており、髄核と線維輪部分の区分を識別することが可能であり、細胞外基質成分が豊富に存在していることが観察された(図1のE、F)。そして、髄核部分に細胞核が明確に染色されていることが観察された(図1のF)。
前記結果から、実施例1のペプチドはディスク変性による細胞外基質成分の減少と細胞死滅を防いでディスクを治療する効果があることが確認された。
ディスク組織のうちアグリカン遺伝子発現の増加確認
ディスク組織のうち代表的な細胞外基質成分であるアグリカン遺伝子発現度を調べるためにリアルタイムPCRを実施した。
実施例2−1と同様の方法により動物を準備し、二群に分け、それぞれの群に対してDMSOと実施例1のペプチド(0.5mM/個体)を局所的なディスク注射方法で投与した。それぞれの群に対する投与時期は、最初にディスク変性をさせた後、4週経過したときと、その後さらに2週経過したときであり、2番目の投与後、それぞれ2週、4週、8週間さらに飼育した。実施例1のペプチドとDMSOそれぞれを最初に投与した時期から4週目、6週目、10週目にそれぞれ該当ディスク組織を摘出して髄核と線維輪部分を分離してそれぞれチューブに入れて液体窒素で急速冷凍させた後、−70℃超低温冷凍庫に保管した。急速冷凍して保管したディスク組織からトリゾル試薬(Trizol reagent, Invitrogen社)を利用してtotal RNAを分離した。分離したtotal RNA(2μg)をoligo dTとMMLV−Reverse Transcriptase(Invitrogen社)を利用してcDNAを合成した。
PowerSYBR Green PCR Master Mix(Applied Biosystems Inc)を利用してPrism 7900HT(ABI)でGAPDH、アグリカンのmRNA量を調べた。25ng cDNAと3ulの10uM Primers、2X PowerSYBR Green PCR Master Mixを混合して合計10ulを作った。Real Time PCR反応条件は50℃で2分、95℃で10分のあいだ酵素の活性を誘導し、95℃15秒、60℃1分を45回繰り返し、それぞれのCT(threshold cycle)値を測定した。GAPDHを参照遺伝子(reference gene)として選択して参照遺伝子とアグリカン遺伝子(aggrecan gene)のCT値の差(△CT)を計算し、再び正常ディスクと実施例1のペプチドを投与したディスク(またはDMSOを投与したディスク)のCT値の差(△△CT)を計算した。そして2(−△△CT)を計算して正常ディスク値に対する百分率で表記した。
Real−Time PCR結果を図2に示す。図2は、ディスク変性モデルで、DMSO投与ディスク群および実施例1のペプチド投与ディスク群において、正常ディスク群を基準にアグリカン遺伝子発現量を対比し、処理時間別に示すグラフである。前記グラフを見ると、4週目に実施例1のペプチドを投与したディスク組織でアグリカン遺伝子発現がDMSOに比べて増加していることが分かる。6週と10週では実施例1のペプチドがDMSOと類似の発現量を示していることは、実施例1のペプチドを0週目と2週目にのみ投与し、その以後にはそのまま置いたため、4週目は実施例1のペプチドの薬効によってアグリカン遺伝子が増加されたものと見られ、6週目と10週目までアグリカン遺伝子発現を維持できなかったものと見られる。前記結果から本発明のペプチドは、ディスク再生に必須のディスク組織のうち代表の細胞外基質成分であるアグリカン遺伝子発現を増加させることによってディスク再生効果を示し、アグリカン遺伝子発現の増加効果の持続時間が過度に長くないため、過度な増加による副作用を排除できることが分かる。
TGF−β1シグナルの抑制確認
実施例1のペプチドがTGF−β1シグナルを抑制することを下記の実験方法で確認した。
HepG2 cellにTGF−β1を処理するとアポトーシス(apoptosis)が起き、その過程で一番最初にSmad2がリン酸化されることが知られている(Park TJ. et al., Mol Carcinog. 47:784−796, 2008; Gressner AM. et al., J Hepatol. 26:1079−1092, 1997)。このような性質を利用して下記のように実験した。HepG2 cell(ATCC;American Type Culture Collection)を60mm dishに1x10個を植えて一晩中(over−night)安定化させた後、24時間の間無血清培地(serum free media:SFM)で栄養分を枯渇させた。実施例1のペプチドを細胞に処理する前にTGF−β1(PromoKine、ドイツ)5ng/mlと前記ペプチド(1,5,25uM)を37℃で1時間の間プレインキュベーション(pre−incubation)した。DMSO(2ul/ml)もTGF−β1(5ng/ml)と37℃で1時間の間プレインキュベーションした。そしてプレインキュベーションした溶液を細胞に30分間処理した後、蛋白質を抽出(extraction)した。また、TGF−β受容体の阻害剤(inhibitor)であるSB431542(TOCRIS、米国)10μMのみ細胞にあらかじめ処理して1時間インキュベーション(incubation)した後、TGF−β1(5ng/ml)を30分間処理した後、細胞をRIPA(Radioimmunoprecipitation)Lysis Buffer(Millipore社){50mM Tris−HCl(pH7.4)、150mM NaCl、0.25% deoxychloic acid、1% NP−40,1mM EDTA(ethylenediaminetetra acetic acid)、1mM PMSF(phenylmethylsulfonyl fluoride)、40mM NaF、1mM NaVO,1mM DTT(dithiothreitol)}で氷の上で均質化した。均質液をBRANSON SONIFIER 450を使用してOutput control 2.56,Duty cycle(%) 20,Timer 6で超音波粉砕を5回繰り返した。粉砕液を4℃で、12,000rpmで10分間遠心分離して上層液をウエスタンブロットに使用した。蛋白質濃度はブラッドフォード(Bradford)法を使用して定量し、30ugの蛋白質を2−メルカプトエタノール(2−mercaptoethanol)が含まれたSDSサンプルバッファーに入れて95℃で5分間放置後、10%SDS−PAGEで分画した後ウエスタンブロットを実施した。ウエスタンブロットは、分画された蛋白質はニトロセルロースメンブレン(nitrocellulose membrane(Bio−Rad Lab))に転移させた後、5%Skim milk in PBS−Tを利用して遮断させ、1次抗体を5%Skim milk in PBS−Tに1:3,000に希釈して入れて4℃で翌日まで反応させた。次にPBS−Tで5分間3回洗浄してHRP(horseradish−peroxidase)が付いているanti−rabbit 2次抗体(Bio−Rad Lab、1706515)を5%Skim milk in PBS−Tに1:5,000に希釈して入れて室温で1時間の間、処理した後、ECL (Amershamphamacia)を利用して発色させた後、現像した。TGF−β1とTGF−β受容体の結合と共に一番最初にSmad2がリン酸化されるため、リン酸化されたSmad2を検出できるphospho−Smad2(ser465/467) antibody(Cell Signaling、3101,8)を1次抗体として使用した。
その結果を図3に示す。図3は、ウエスタンブロット結果であり、1レーンは無処理HepG2細胞、2レーンはTGF−β1処理細胞、3レーンはTGF−β1とSB431542処理細胞、4,5,6レーンはそれぞれTGF−β1とペプチド1,5,25uM処理細胞、7レーンはTGF−β1とDMSO処理細胞で発現されたリン酸化−Smad2を示す。図3の「+」は、該当物質の処理を、「−」は、該当物質未処理を意味する。図3の下部は、ウエスタンブロットに使用されたメンブレイン(membrane)をクマシーブルーで染色したものであって全体レーンの蛋白質量が同一であることを示す。
図3を参照すると、1レーンは無処理HepG2 cellから抽出した(extracted)蛋白質であって非常に少量だけがリン酸化されており、2レーンはTGF−β1によって多量リン酸化されていることが観察された。そして3レーンではSB431542によってリン酸化が完全に抑制されたことが観察された。実施例1のペプチドを1μM、5μM、25μM処理したとき、濃度依存的にリン酸化の程度が減少したことが確認された。DMSOを処理した7レーンではTGF−β1を処理したものと同様の様相が見られた。
前記結果から本発明のペプチドは、濃度依存的にTGF−β1シグナルを抑制するため、前記抑制によって治療が可能な疾患すなわち、人体器官の線維症、癌、および/または糸球体硬化症の治療が可能であることが分かる(Prud'homme GJ, Lab Invest 87:1077−1091, 2007)。また、実施例1のペプチドはSB431542のようにTGF−β1シグナルを完全に抑制しないことが分かる。TGF−β1シグナルは人間の身体で重要な調節機構であるため、SB431542のように完全に抑制すると、副作用が生じることがあるが、本発明のペプチドは濃度依存的にTGF−β1シグナルを減少させるため、関連する疾病の治療のために使用する際には濃度を調節することができるため、副作用を減らすことができるという長所を有する。
本発明の新規のペプチド、その変異体または薬学的に許容可能なその塩は退行性ディスク疾患、人体器官の線維症、癌、および/または糸球体硬化症の治療および/または予防に効果的であり、TGF−β1シグナル抑制に効果的であるため、産業上利用の可能性を有する。

Claims (4)

  1. 配列番号1のアミノ酸配列からなるペプチドまたは薬学的に許容可能なその塩。
  2. 請求項1のペプチドまたは薬学的に許容可能なその塩を含む、退行性ディスク疾患の治療および予防用組成物。
  3. 請求項1のペプチドまたは薬学的に許容可能なその塩を含む人体器官の線維症、癌または糸球体硬化症の治療用組成物。
  4. 前記人体器官の線維症、癌または糸球体硬化症の治療は、TGF−β1シグナル抑制によるものである、請求項に記載の組成物。
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