JP5474273B2 - ミクロゲルおよび増粘剤を含む組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、少なくとも1種の特定の非架橋性有機媒体、少なくとも1種のミクロゲル、および少なくとも1種の増粘剤を含む組成物、これを調製する方法、この組成物の使用、およびこの組成物を含むポリマー、ゴム、潤滑剤、被覆等を提供する。
例えば、自動車タイヤの転がり抵抗を改善するために、様々なゴムを混合してゴムゲル(また修飾ゴムゲルも)を使用することが開示されている(例えば、DE42 20 563、GB−PS 10 78 400、EP 405 216およびEP 854 171、参照)。これらの場合には、ゴムゲルは、常に固体マトリックス中に組み込まれる。
最終的に印刷インキを作成するために、この目的に適する液体媒体中に微細に分散させた印刷インキ顔料を組み込むことも開示されている(例えば、EP 0 953 615 A2、EP 0 953 615 A3、参照)。これらの場合には、100nmまでの小粒径が実現されている。
液体有機媒体を含む混合物中に、固体成分としてゴムゲルを使用することは、述べられた文献には記載されていない。
Chinese Journal of Polymer Science、20巻、2号(2002)、93−98頁には、エネルギーに富む放射線によって十分に架橋されているミクロゲル、およびプラスチックの耐衝撃性を増大するためのその使用が記載されている。
DE 2910154は、有機溶媒を含むゴム粒子の分散液を開示している。
DE−A−3742180は、同様に水性ラテックスから調製される、液体アミド中のシリコン含有グラフトポリマーの分散液を開示している。
ミクロゲル含有組成物は、本発明出願人による国際出願PCT/EP2004/052290において既に詳細に記載されているが、これは先行公報ではない。
本発明の発明者等は、例えばホモジナイザーを使用して、一定の粘度を有する液体有機媒体中に、増粘剤と一緒にミクロゲルを微細に分散させることが可能であり、かくして、例えば潤滑剤など多数の用途に適すると思われる興味ある特性、特にレオロジー特性を有する新規な組成物を提供できることを、今や見出した。本発明者等は、この発見に基づいて、この発明を完成した。
ミクロゲルおよび増粘剤含有組成物が見出され、これに対して広範囲のレオロジー挙動が確立された。驚くべきことには、構造粘度またはチキソトロピーは非常に高いが、適切なミクロゲルおよび増粘剤含有組成物において、流動挙動は、ニュートン液体の流動挙動と同じである。このものは、ミクロゲルおよび増粘剤の組合せにより、いかなる液体組成物でも、他の特性に加えてその流動挙動を、目標通りに制御するために使用することができる。
したがって、ミクロゲルおよび増粘剤の組合せによって、沈降安定性、透明性、油分離、滴点、浸透、ちょう度、せん断安定性、摩擦値、磨耗挙動などの特性を、所望通りに調整することができ、相乗作用も発見され、その結果、非常に興味あるグリースが得られる。
かくして、本発明は、120℃の温度において、30000mPas未満の粘度を有する少なくとも1種の非架橋性有機媒体(A)、少なくとも1種のミクロゲル(B)および少なくとも1種の増粘剤(C)を含む組成物を提供する。
有機媒体の粘度は、120℃において、好ましくは1000mPas、さらに好ましくは200mPas未満、よりにさらに好ましくは100mPas未満、特に好ましくは120℃において20mPas未満である。非架橋性有機媒体(A)の動的粘度は、DIN53018によるコーン−および−プレート測定システムを使用して、120℃で5s−1の速度で求められる。
ミクロゲル(B)
本発明による組成物において使用されるミクロゲル(B)は、架橋ミクロゲルである。好ましい実施形態において、これは、エネルギーに富む放射線によって架橋されたミクロゲルではない。ここで、エネルギーに富む放射線とは、波長0.1μm未満を有する電磁放射線であることを好都合には意味する。例えばChinese Journal of Polymer Science、20巻、2号(2002)、93−98頁において記載されているなどのエネルギーに富む放射線によって架橋されたミクロゲルの使用は、実際には、エネルギーに富む放射線によって架橋されたミクロゲルは工業規模で生産できないので、不利である。さらに、放射性コバルトなどの放射線の放射性源からのエネルギーに富む放射線の使用は、深刻な安全性の問題を伴う。さらに、一般に放射線架橋されたミクロゲルは、完全に放射線架橋されたミクロゲルであるので、例えばプラスチックにおいて、本発明による組成物を組み込む間の、モジュールにおける変化は、マトリックス相から分散相へと直接的である。これは急激な応力による、マトリックス相と分散相間の擦傷効果をもたらし、これは、本発明による組成物を使用して作成されたミクロゲル含有プラスチックを使用した場合に、機械的特性、膨潤挙動および応力亀裂等に悪影響を生じることを意味する。
本発明の好ましい実施形態において、ミクロゲル(B)中の一次粒子は、ほぼ球状の形状を有する。DIN 53206:1992−08に従えば、一次粒子とよばれる粒子は、適当な物理的方法(電子顕微鏡)(例えばRompp Lexikon、Lacke und Druckfarben、Georg Thieme Verlag、1998参照)を使用して、個々に認識することができる、凝集相中に分散されたミクロゲル粒子である。「ほぼ球状の」形状とは、例えば電子顕微鏡を使用して、組成物中において観察された場合の、ミクロゲル中の分散された一次粒子が、実質上円形の面積によって描写されることを認識し得ることを意味する。ミクロゲルは、本発明による組成物をさらに加工する間、その形状または形態を実質上変えないので、上述したおよび以下に述べる詳細は、また本発明による組成物を使用して得られる、例えばプラスチック、被覆剤、潤滑剤その他などのミクロゲル含有組成物に同じ様に当てはまる。
本発明による組成物中に存在するミクロゲル(B)中の一次粒子に関して、個々の一次粒子の直径において、
[(d1−d2)/d2]×100
[式中、d1およびd2は、一次粒子の任意の2つの直径であり、d1>d2である。]と定義される差を、好ましくは250%未満、さらに好ましくは100%未満、よりさらに好ましくは80%未満、特に好ましくは50%未満有する。
ミクロゲル中の、一次粒子の好ましくは少なくとも80%、さらに好ましくは少なくとも90%、特に好ましくは95%は、直径において、
[(d1−d2)/d2]×100
[式中、d1およびd2は、一次粒子の任意の2つの直径であり、d1>d2である。]と定義される差を、250%未満、さらに好ましくは100%未満、よりさらに好ましくは80%未満、特に好ましくは50%未満有する。
個々の粒子の直径におけるこれまで述べた差は、以下の方法を使用して求めることができる。先ず、本発明による固化した組成物の薄層を調製する。次いで、透過型電子顕微鏡画像を、例えば10000倍または20000倍の倍率で撮る。833.7×828.8nmの面積内で、d1およびd2として、10個のミクロゲル一次粒子について、最大および最小直径を求める。
測定された一次粒子の、少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%に対して、上に定義された差が、それぞれ250%未満、好ましくは100%未満、さらに好ましくは80%未満、特に好ましくは50%未満である場合には、ミクロゲル一次粒子は、上に定義した差に関連する特徴を示す。
組成物中のミクロゲルの濃度が、非常に高いと、目に見えるミクロゲル一次粒子の重なり度合が高く、そのときは、測定試料を、前もって適当に稀釈することによって評価が改善される。
本発明による組成物において、ミクロゲル(B)中の一次粒子は、好ましくは5から500nmの、さらに好ましくは20から400nm、よりさらに好ましくは20から300nm、特に好ましくは20から250nm、さらに特に好ましくは20から99nm、非常に特に好ましくは40から80nm(DIN53206による直径データ)の平均粒子直径を有する。乳化重合による特に微細に分散されたミクロゲルは、本質的に知られている方法において、反応パラメーターを制御することによって実現される。(例えばH.G.Elias、Makromolekule、2巻、Technologie、第5版、1992、99頁以下参照)。ミクロゲルの形態は、本発明による組成物をさらに加工する間、実質上変化しないので、分散された一次粒子の平均粒子直径は、実質上、本発明による組成物により得られた、さらに加工された生成物中(ミクロゲル含有プラスチック、潤滑剤、コーディング等)中の分散された一次粒子の平均粒子直径に対応する。これは、本発明による組成物の特別な利点である。購入者に、ある程度注文製作の、液体、貯蔵安定ミクロゲル配合を提供することができ、このミクロゲル配合において、ミクロゲルは、明瞭な形態を有し、ミクロゲルは所望の用途において、購入者によって容易にさらに加工することができる。以前の、コストのかかる分散、均質化、またはミクロゲルの製造も、もはや必要でなく、このことが、今迄その適用はコストがかかり過ぎると見られてきた分野で、このタイプのミクロゲルがさらに利用を見出すであろうと期待されている理由である。
本発明の組成物におけるミクロゲル(B)は、好都合には、少なくとも30重量%、好ましくは少なくとも約70重量%、さらに好ましくは約80重量%が、よりさらに好ましくは少なくとも約90重量%の、23℃でトルエンに不溶である部分(ゲル含量)を有する。
トルエン中の不溶部分は、23℃でトルエン中で求められる。この目的のために、250mgのミクロゲルを、トルエン20ml中、23℃で24時間振とうしながら膨潤させる。20,000rpmで遠心分離後、不溶部分を分離し、乾燥する。ゲル含量は、乾燥された残渣と、最初に計量した量との商で与えられ、重量パーセントで表される。
本発明による組成物において、ミクロゲル(B)は、好都合には23℃でトルエン中の膨潤指数、約80未満、好ましくは60未満、さらに好ましくは40未満を有する。したがって、ミクロゲルの膨潤指数(Qi)は、特に好ましくは1〜15および1〜10の間である。膨潤指数は、トルエン中、23℃で24時間膨潤された溶媒含有ミクロゲル(20,000rpmで遠心分離後)と乾燥ミクロゲル重量から算出される。
Qi=ミクロゲルの湿潤重量/ミクロゲルの乾燥重量
膨潤指数を求めるには、250mgのミクロゲルを25mlのトルエン中24時間、振とうしながら膨潤させればよい。ゲルを遠心分離し、計量し、70℃で恒量まで乾燥し、再び計量する。
本発明による組成物において、ミクロゲル(B)は、好都合には−100℃から+120℃、好ましくは−100℃から+100℃、さらに好ましくは−80℃から+80℃のガラス転移温度Tgを有する。稀な場合には、架橋度が高いためガラス転移温度を有さないミクロゲルも使用することができる。
さらに本発明による組成物において使用されるミクロゲル(B)は、5℃より大きな、好ましくは10℃より大きな、より好ましくは20℃より大きなガラス転移の幅を好ましくは有する。一般に、この幅のガラス転移点を有するミクロゲルは、完全に均質に放射線架橋されたミクロゲルとは異なり、完全には均質に架橋されてはいない。これは、例えば本発明による組成物から生成されるミクロゲル含有プラスチック組成物において、モジュールにおける変化が、マトリックス相から分散相に直接的ではないことを意味する。これは、これらの組成物中の急激な応力が、マトリックスおよび分散相間の磨耗効果をもたらすことなく、それ故、機械的特性、膨潤挙動および応力亀裂への影響が有利であることを意味する。
ミクロゲルのガラス転移温度(Tg)およびガラス転移の幅(ΔTg)は、示差熱分析(DTA、示差走査熱分析(DSC)ともよばれる)によって、以下の条件下で求められる:TgおよびΔTgを求めるには、2回の冷却/加熱サイクルが実施される。TgおよびΔTgは、第2の加熱サイクルの間に求められる。測定のために、10〜12mgの選択されたミクロゲルを、Perkin−Elmer DSC試料ホルダー(標準アルミニウム皿)に入れる。第1のDSCサイクルは、先ず、試料を液体窒素で−100℃に冷却し、次いで、20K/分の速度で+150℃に加熱する。第2のDSCサイクルは、試料温度が+150℃に達したら直ぐに、注意深く試料を冷却することによって始める。冷却を、ほぼ320K/分の速度で実施する。第2の加熱サイクルにおいて、試料を第1のサイクルと同様に、もう一度+150℃に加熱する。第2のサイクルにおける加熱速度は、再び20K/分である。TgおよびΔTgは、第2の加熱手順でプロットしたDSC曲線からグラフで求められる。この目的で、DSC曲線上に3本の直線を引く。第1の直線をTgの下のDSC曲線の部分に沿って引き、第2の直線を屈曲点でTgに走る曲線部分に沿って引き、第3の直線をTgの上に位置するDSC曲線の部分に沿って引く。このようにして、交差する2個の点を有する3本の直線が得られる。交差する2個の点は、それぞれ特性温度として識別される。ガラス転移温度Tgは、これら2つの温度の平均として得られ、ガラス転移の幅ΔTgは、この2つの温度間の差から得られる。
好ましくはエネルギーに富む放射線によって架橋されていない、本発明による組成物中に存在するミクロゲルは、本質的に知られている方法において調製することができる(例えば、EP−A−405 216、EP−A−854171、DE−A 422 0563、GB−PS 1078400、DE 197 01 489.5、DE 197 01 488.7、DE 198 34 804.5、DE 198 34 803.7、DE 198 34 802.9、DE 199 29 347.3、DE 199 39 865.8、DE 199 42 620.1、DE 199 42 614.7、DE 100 21 070.8、DE 100 38 488.9、DE 100 39 749.2、DE 100 52 287.4、DE 100 56 311.2およびDE 100 61 174.5参照)。特許(特許出願)EP−A 405 216、DE−A 4220563およびGB−PS 1078400は、二重結合含有ゴムを含む混合物における、CR、BRおよびNBRミクロゲルの使用を特許請求している。DE 197 01 489.5は、NR、SBRおよびBRなどの二重結合含有ゴムを含む混合物における、引き続いて修飾されたミクロゲルの使用を記載している。
ミクロゲルは、好都合には、特に以下のゴムを架橋することによって得られるゴム粒子であると理解される:
BR:ポリブタジエン
ABR:ブタジエン/C−Cアルキルアクリレートコポリマー
IR:ポリイソプレン
SBR:スチレン−ブタジエンコポリマー(スチレン含量1〜60、好ましくは5〜50重量%)
X−SBR:カルボキシル化スチレン−ブタジエンコポリマー
FKM:フッ素化ゴム
ACM:アクリレートゴム
NBR:ポリブタジエン−アクリロニトリルコポリマー(アクリロニトリル含量5〜60好ましくは10〜50重量%)
X−NBR:カルボキシル化ニトリルゴム
CR:ポリクロロプレン
IIR:イソブチレン/イソプレンコポリマー(イソプレン含量0.5〜10重量%)
BIIR:臭素化イソブチレン/イソプレンコポリマー(臭素含量0.1〜10重量%)
CIIR:塩素化イソブチレン/イソプレンコポリマー(塩素含量0.1〜10重量%)
HNBR:部分的および完全水素化ニトリルゴム
EPDM:エチレン−プロピレン−ジエンコポリマー
EAM:エチレン/アクリレートコポリマー
EVM:エチレン/酢酸ビニルコポリマー
COおよびECO:エピクロロヒドリンゴム
Q:シリコーンゴム(シリコーングラフトポリマーを除く)
AU:ポリエステルウレタンポリマー
EU:ポリエーテルウレタンポリマー
ENR:エポキシ化天然ゴムおよびその混合物。
非架橋ミクロゲル出発物は、好都合には以下の方法によって作成される:
1.乳化重合
2.1の変形では入手できないゴムの溶液重合
3.さらに、例えば天然ゴムラテックスなどの天然に生成するラテックスを使用することができる。
本発明による組成物において、使用されるミクロゲル(B)は、好ましくは乳化重合および架橋によって得られるものである。
乳化重合によって、本発明により使用されるミクロゲルを調製する場合、以下のラジカル重合性モノマーが使用される:
ブタジエン、スチレン、アクリロニトリル、イソプレン、アクリル酸またはメタクリル酸のエステル、テトラフルロオロエチレン、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロペン、2−クロロブタジエン、2,3−ジクロロブタジエン、および二重結合含有カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、等などの)、二重結合含有ヒドロキシ化合物(例えばヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレートなどの)、アミン−官能化(メタ)アクリレート、アクロレイン、N−ビニル−2−ピロリドン、N−アリル−尿素およびN−アリル−チオ尿素ならびに第二級アミノ−(メタ)アクリレート(2−tert−ブチルアミノエチルメタクリレートおよび2−tert−ブチルアミノエチルメタクリルアミド等)。ゴムゲルは、架橋活性多官能化合物との共重合によって、または以下に記載する引き続く架橋によって、乳化重合の間に直接架橋することができる。ゴムゲルの直接架橋は、本発明の好ましい実施形態である。好ましい多官能コモノマーは、少なくとも2個、好ましくは2から4個の共重合性C=C二重結合を有する化合物(ジイソプロペニルベンゼン、ジビニルベンゼン、ジビニルエーテル、ジビニルスルホン、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、1,2−ポリブタジエン、N,N’−m−フェニレンマレイミド、2,4−トルイレン−ビス(マレイミド)および/またはトリアリールトリメリテートなどの)である。さらに多価、好ましくは2から4価のCからC10のアルコール(エチレングリコール、プロパンジオール−1,2,ブタンジオール、ヘキサンジオール、2から20個好ましくは2から8個のオキシエチレン単位を有するポリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノール−A、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、脂肪族ジおよびポリオールとマレイン酸、フマル酸および/またはイタコン酸の不飽和ポリエステルを含むソルビトールなどの)のアクリレートおよびメタクリレートも適する。
また、乳化重合の間にゴムミクロゲルに与える架橋は、高転化率にまで重合を継続させることによって、またはモノマー供給プロセスにおいて、高内部転化率で重合させることによって生じ得る。また、他の可能性としては、連鎖移動剤の存在しない乳化重合を実施することが含まれる。
乳化重合に続いて、未架橋または弱く架橋されたミクロゲル出発生成物を架橋するには、乳化重合の間に得られたラテックスを使用するのが最も良い。原則としてこの方法は、異なった方法、例えば、再溶解によって得られる非水ポリマー分散液にも適用することができる。また、天然ゴムラテックスを、この方法において架橋することができる。
適切な架橋活性薬品は、例えば有機過酸化物(ジクミルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド、ビス−(t−ブチル−ペルオキシ−イソプロピル)ベンゼン、ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロペルオキシド、2,5−ジメチルヘキシン−3,2,5−ジヒドロペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、ビス−(2,4−ジクロロベンゾイル)ペルオキシド、t−ブチルパーベンゾエートなどの)、および有機アゾ化合物(アゾ−ビス−イソブチロニトリルおよびアゾ−ビス−シクロヘキサノニトリルなどの)ならびにジ−およびポリメルカプタン化合物(ジメチルカプトエタン、1,6−ジメルカプトヘキサン、1,3,5−トリメルカプトトリアジンおよびビスクロロエチルホルマール、および多硫化ナトリウムのメルカプト停止反応生成物などのメルカプト停止多硫化ゴムなどの)がある。
後架橋を実施するための最適温度は、当然架橋剤の反応性に依存し、室温から約180℃までの温度で、場合によって高圧下で実施することができる(Houben−Weyl、Methoden der organischen Chemie、第4版、14/2巻、848頁参照)。特に好ましい架橋剤は、過酸化物である。
また、ミクロゲルを得るためのC=C二重結合含有ゴムの架橋は、分散液またはエマルジョンにおいて、米国特許第5,302,696号または米国特許第5,442,009号に記載されているようにヒドラジン、または場合によって他の水素化剤、例えば有機金属水素化物錯体によって、C=C二重結合を同時に部分的に、場合によって完全に水素化することにより実施することができる。
凝集によって粒子を大きくすることを、場合により後架橋の前、途中または後に実施することができる。
本発明により好ましく使用される調製方法の場合、エネルギーに富む放射線を使用しなくとも、不完全に均質に架橋されたミクロゲルが常に得られ、これが上記の利点をもたらす。
また、溶液重合によって調製されたゴムは、ミクロゲルを調製する出発生成物として使用することができる。この場合、このプロセスは、適切な有機溶媒中のこれらゴムの溶液から開始される。
ミクロゲルに対する所望の大きさは、適切な粒径範囲のゴム分散液が得られるように適当な装置を使用して、場合によって例えば界面活性剤などの適切な表面活性助剤と一緒に、液体媒体において好ましくは水中において、ゴム溶液を混合することによって作成される。分散された溶液ゴムを架橋するために、エマルジョンポリマーの引き続いての架橋について、上記と同様の手順が使用される。適切な架橋剤は、上記の化合物であり、分散液を調製するために使用される溶媒は、例えば蒸留によって、架橋手順の前に、場合によって除去される。
本発明による組成物を生産するために使用されるミクロゲルは、実質上、特に表面に反応基を有さない非修飾ミクロゲル、さらにまた特に表面において官能基で修飾された修飾ミクロゲルであってよい。後者のミクロゲルは、既に架橋されたミクロゲルをC=C二重結合と反応し得る化合物で化学的に転化することによって生産することができる。これらの反応性薬品は、その特に極性基(例えば、アルデヒド、ヒドロキシル、カルボキシル、ニトリル等などの)、ならびに硫黄含有基(例えば、メルカプト、ジチオカルバメート、ポリスルフィド、キサントゲネート、チオベンツチアゾールおよび/またはジチオリン酸基などの)および/または不飽和ジカルボン酸基の助けによって、ミクロゲルに化学的に結合することができる化合物である。また、これは、N,N’−m−フェニレンジアミンにも適用される。ミクロゲル修飾の目的は、本発明による組成物を、ミクロゲルが組み込まれる引き続くマトリックスの製造に使用する場合に、また本発明による組成物を、生産の間の良好な分散性、さらにまた良好な結合を実現するためにマトリックス中に組み込むために使用する場合に、ミクロゲル相溶性を改善することである。
修飾の特に好ましい方法は、ミクロゲルを官能性モノマーでグラフトすること、ならびに低分子量薬品と反応させることである。
ミクロゲルを官能性モノマーでグラフトするには、水性ミクロゲル分散液を好都合には出発材料に使用し、これを極性モノマー(アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、アクロレイン、N−ビニル−2−ピロリドン、N−アリル−尿素およびN−アリル−チオ尿素、ならびに第二級アミノ(メタ)アクリレート(2−tert−ブチルアミノエチルメタクリレートおよび2−tert−ブチルアミノエチルメタクリルアミドなど)とラジカル乳化重合の条件化で反応させる。コア/シェル形態を有するミクロゲルは、このようにして得られ、シェルは、マトリックスと高度の相溶性を有することが意図される。修飾ステップにおいて使用されるモノマーは、非修飾ミクロゲル上にできるだけ定量的にグラフト化される。官能基モノマーは、好都合には、ミクロゲルの完全な架橋の前に添加される。
原則として、非水システムにおけるミクロゲルのグラフト化も考えられ、イオン重合の方法によるモノマーでの修飾もここでは可能である。
以下の反応試薬が、低分子量薬品によるミクロゲルの表面修飾に特に適する:硫黄元素、硫化水素、および/またはアルキルポリメルカプタン(1,2−ジメルカプトエタンまたは1,6−ジメルカプトヘキサンなど)また、ジアルキルおよびジアルキルアリールジチオカルバメート(ジメチルジチオカルバメートおよび/またはジベンジルジチオカルバメートのアルカリ金属塩など)、さらに、アルキルおよびアリールキサントゲン酸塩(メチルキサントゲン酸カリウムおよびイソプロピルキサントゲン酸ナトリウムなど)、ならびにジブチルジチオリン酸およびジオクチルジチオリン酸、ならびにドデシルジチオリン酸のアルカリまたはアルカリ土類金属との反応物。言及した反応は、有利には硫黄の存在において、また実施することができ、硫黄は多硫化物結合の生成によって組み込まれる。この化合物の添加について、有機および無機過酸化物および/またはアゾ開始剤などのラジカル開始剤を添加することができる。
例えば、オゾン分解によって、または塩素、臭素またはヨウ素によるハロゲン化によってなど、二重結合含有ミクロゲルの修飾も可能である。例えば、エポキシ化ミクロゲルからのヒドロキシル基修飾ミクロゲルの作成などの、修飾ミクロゲルのさらなる反応も、ミクロゲルの化学修飾であると理解される。
好ましい実施形態において、ミクロゲルは、特にまた、ミクロゲルの表面で、ヒドロキシル基によって修飾される。ミクロゲルのヒドロキシル基含量は、アセト無水物との反応およびそのときに放出される酢酸を、DIN53240に従って、KOHで適定することによって、単位mgKOH/gポリマーのヒドロキシル価として求められる。ミクロゲルのヒドロキシル価は、好ましくは0.1と100の間、さらに好ましくは0.5と50mgKOH/gポリマーの間である。
使用される修飾の量は、個々の場合において、特定されるその有効性および必要条件によって決定され、使用されるゴムミクロゲルの総量に基づいて0.05〜30重量%の範囲であり、特に好ましくはゴムゲルの総量に基づいて0.5〜10重量%の範囲である。
修飾反応は、場合によって1から30バールの圧力下で、0〜180℃、好ましくは20〜95℃の温度で実施される。修飾は、ゴムミクロゲル上で、塊状で、またはその分散液の形態において行うことができ、分散液の場合には、不活性有機溶媒または水も反応媒体として使用することができる。修飾は、特に好ましくは架橋ゴムの水性分散液において実施される。
非極性ゴムまたは非極性熱可塑性材料(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、およびスチレン、ブタジエン、イソプレン(SBR、SIR)をベースとするブロックコポリマー、および水素化イソプレンスチレンブロックコポリマー(SEBS)、および通常のTPE−0sおよびTPE−Vs等などの)に組み込むために使用される本発明による組成物に対して、非修飾ミクロゲルの使用が、特に好ましい。
修飾ミクロゲルの使用は、特に、極性ゴムまたは極性熱可塑性材料(例えば、PA、TPE−A、PU、TPE−U、PC、PET、PBT、POM、PMMA、PVC、ABS、PTFA、PVDF、等などの)に組み込むために使用される本発明による組成物に対して好ましい。
調製されたミクロゲルの平均直径は、例えば、全てのミクロゲル粒子の少なくとも75%が、0.095マイクロメーターと0.105マイクロメーター間の大きさを有する粒径分布を実現することができるように、例えば0.1マイクロメーター(100nm)±0.01マイクロメーター(10nm)の高い精度で調整することができる。ミクロゲルの他の平均直径は、特に5から500nmの範囲で作成することができ、同程度の精度(全ての粒子の少なくとも75重量%が、積算された粒径分布曲線(光散乱によって求められる)の最大付近、最大の上下±10%の範囲内に位置する。)で調整することができる。これは、本発明による組成物において分散されたミクロゲルの形態が、事実上「ぴったり」と調整することができ、本発明による組成物の特性、および例えば本発明の組成物から生産されたプラスチック材料の特性をこのように調整し得ることを意味する。
このように調製された、好ましくはBR、SBR、NBR、SNBR、またはアクリロニトリルまたはABRをベースとするミクロゲルの処理は、例えば蒸発、凝縮、他のラテックスポリマーとの共凝縮、凍結凝縮(米国特許PS第2187146号参照)、または噴霧乾燥によって実現することができる。噴霧乾燥によって処理する場合、例えば、CaCOまたはシリカなどの流動促進剤も、標準手法として添加することができる。
本発明による組成物の好ましい実施形態において、ミクロゲル(B)は、ゴムをベースとする。
本発明による組成物の好ましい実施形態において、ミクロゲル(B)は、C=C二重結合と反応することができる官能基によって修飾される。
好ましい実施形態において、ミクロゲル(B)は、23℃においてトルエン中、1から15の膨潤指数を有する。
本発明による組成物は、20℃において、DIN53018に従ってコーンおよびプレート粘度計を使用して、5s−1の速度で、好ましくは2mPasから50000000mPas、さらに好ましくは50から3000000mPasの粘度を有する。
有機非架橋性媒体(A)
本発明による組成物は、120℃において、30000mPas未満、好ましくは1000mPas未満、さらに好ましくは200mPas未満、よりさらに好ましくは100mPas未満、特に好ましくは120℃で20mPas未満の粘度を有する、少なくとも1種の有機媒体(A)含む。かかる媒体は、室温(2℃)において液体から固体であり、好ましくは液体または流し込み可能である。
本発明の状況における有機媒体は、媒体が少なくとも1個の炭素原子を含むことを意味する。
本発明の状況における非架橋性媒体は、特に通常のモノマーまたはプレポリマーなどの、ヘテロ原子含有官能基またはC=C基により架橋することができるいかなる基も含まないものであると理解され、これらヘテロ原子含有官能基またはC=C基とは、通常の方法において、ラジカル的に、紫外線を使用して、熱的に、および/または架橋剤(例えば、ポリイソシアナート、ポリアミン、酸無水物)等の添加によるオリゴマーまたはポリマーの形成を伴うポリ付加またはポリ縮合によって、通常的に架橋または重合されるものである。本発明よれば、有機非架橋性媒体として使用することができる媒体は、例えば一定割合の不飽和結合(ある種のポリエステル油、なたね油等)またはヒドロキシ基(ポリエーテル)を含むが、通常の方法では重合または架橋して、オリゴマーまたはポリマーを与えない媒体でもある。また、非架橋性媒体は、特に溶媒、特にDIN 55 945による溶媒である。
非架橋性媒体(A)は、室温において(20℃)液体であり、特に炭化水素(1個または複数の置換基(塩素、フッ素などのハロゲン、ヒドロキシ、オキソ、アミノ、カルボキシ、カルボニル、アセト、アミドから選択される)で場合によって置換することができる、直鎖、分枝、環式、飽和、不飽和および/または芳香族の1〜200個の炭素原子を有する炭化水素)、合成炭化水素、ポリエーテル油、エステル油、リン酸塩、シリコン含有油、ハロゲン化炭化水素または完全ハロゲン化炭化水素(例えば、Ullmanns Enzyklopadie der technischen Chemie、Verlag Chemie Weiheim、20巻、(1981)457以下参照、504、507以下参照、517/518、524参照)である、好ましくは非架橋性媒体である。
これら非架橋性媒体(A)は、特に40℃における2から1500mm/s(cST)の粘度によって特徴づけられる。非架橋性媒体(A)は、好ましくは、室温(20℃)において液体であり、特にDIN 55 945による溶媒(キシレン、ソルベントナフサ、メチルエチルケトン、酢酸メトキシプロピル、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシドなどの)である非架橋性媒体である。
合成炭化水素は、オレフィンの重合、オレフィンまたは塩素化パラフィンと、芳香族組成物との縮合、または塩素化パラフィンの脱塩素化縮合によって得られる。ポリマー油の例は、エチレンポリマー、プロピレンポリマー、ポリブテン、高級オレフィンのポリマー、アルキル芳香族組成物である。エチレンポリマーは、400から2000g/モルの間の分子量を有する。ポリブテンは、300から1500g/モルの間の分子量を有する。
ポリエーテル油の場合には、以下のものが差別化される:脂肪族ポリエーテル油、ポリアルキレングリコール、特にポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコール、これらの混合ポリマー、そのモノおよびジエーテルおよびエステルエーテルおよびジエステル、およびテトラヒドロフランポリマー油、パーフルオロアルキルエーテル、およびポリフェニルエーテルである。パーフルオロアルキルエーテルは、1000〜10000g/モルの分子量を有する。脂肪族ポリエーテル油は、38℃において8から19500mm/sの粘度を有する。
ポリフェニルエーテルは、アルカリ金属フェノレートとハロゲノベンゼンとの縮合によって調製される。ジフェニルエーテルおよびそのアルキル誘導体も使用される。
エステル油の例は、アジピン酸のアルキルエステル、ビス−(2−エチルヘキシル)セバケート、およびビス−(3,5,5−トリメチルヘキシル)セバケートまたはアジペート、ならびにTMPオレエートなどの、モノまたは多官能アルコールとの天然脂肪酸エステルである。フッ素含有エステル油は、他のクラスを形成する。リン酸塩には、トリアリール、トリアルキル、およびアルキルアリールリン酸塩が含まれる。例は、トリ−(2−エチルヘキシル)リン酸塩およびビス−(2−エチルヘキシル)−フェニルリン酸塩である。
シリコン含有油は、シリコーン油(アルキルおよびアリールシロキサン系列のポリマー)およびケイ酸塩である。
再生可能非架橋性有機媒体は、ナタネ油、ヒマワリ油である。
ハロゲン化炭化水素および完全ハロゲン化炭化水素は、クロロトリフルオロエチレンポリマー油およびヘキサフルオロベンゼンなどの塩素化パラフィンを含む。
DIN 55 945による(非反応性)溶媒は、ヘキサン、特別の沸点のスピリット、ホワイトスピリット、キシレン、ソルベントナフサ、バルサム性テレビン油、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、イソホロン、ブチルアセテート、1−メトキシプロピルアセテート、ブチルグリコールアセテート、エチルジグリコールアセテート、およびN−メチルピロリドンである(Brock、Thomas、Groteklaes、Michael、Mischke、Peter、Lehrbuch der Lacktechnologie、Curt R.Vincentz Verlag Hannover(1998)93以下参照)。
特に好ましい非架橋性媒体には、ポリエーテル、例えばBaylube 68CL、ナフテン系油、例えばNynas T 110、パラフィン系高精製鉱油、例えばShell Catanex S 932、エステル油、例えばメチルエステル SU、再生可能原材料に基づく油、例えば精製ナタネ油、が含まれる。特に好ましい非架橋性媒体(A)は、DIN 55 945による、大きなクラスの炭化水素、ポリエーテル油および溶媒である。
増粘剤(C)
本発明の状況において、本発明による組成物において使用される増粘剤(C)は、膨潤剤と呼ぶこともできる。これらは、液体を吸い込み、したがって、膨潤する(Rompp Lexikon der Chemie、第10版参照)。これらは、好都合には、天然の有機増粘剤、天然の有機増粘剤の誘導体、合成有機増粘剤、無機増粘剤から選択される。これらは、特に好ましくはポリ尿素および置換ポリ尿素から選択される。本発明による(ポリ)尿素は、モノ尿素化合物およびポリ尿素化合物を含むものと意図される。モノ尿素化合物は、分子中に基、
Figure 0005474273
を有するものであり、自由原子価は、少なくとも1個の有機基によって飽和されており、したがって、尿素自体は除外される。しかし、本発明よれば、分子中に少なくとも2個の基、
Figure 0005474273
を有するポリ尿素化合物が、特に好ましい。適切なポリ尿素の調製方法に関しては、例えばWO02/02683が参考になる。他の増粘剤には、ジ尿素誘導体、トリ尿素誘導体、テトラ尿素誘導体、ベントナイト、ヘクトナイト、モンモリロナイト、高分散シリカ、合成シリカ、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、置換ポリアミド、ポリイミド、異なる金属塩基による単一石鹸(例えば、カルシウム、ナトリウム、リチウムステアレート石鹸、リチウム 12−ヒドロキシステアレート、アルミニウムステアレート石鹸)が含まれ、単一石鹸は、1種の金属塩基と脂肪酸から作製される。増粘剤分子は全て同一である。異なる金属塩基による混合石鹸;混合石鹸は、異なる金属塩基と1種の脂肪酸から作製される。異なる金属塩基による複合石鹸は、例えばカルシウム複合石鹸、ナトリウム複合石鹸、リチウム複合石鹸、アルミニウム複合石鹸であり、複合石鹸は、金属塩基、典型的非脂肪酸(例えば、酢酸、安息香酸、ホウ酸)と脂肪酸から作製され、これらは、均一な同一増粘剤分子を含まない。前記の増粘剤における脂肪酸は、例えばカプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、ならびにヘキサデセノイン酸、テトラデセノイン酸、オレイン酸、エルカ酸、ヒマシ油酸(castor)、リノール酸、リノレイン酸、エラエオステリン酸(elaeosteric acid)、リカノレイン酸(licanoleic acid)およびイワシ酸である。
他の増粘剤は、セルロースエーテル、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリアクリル酸およびポリメタクリル酸化合物、ビニルポリマー、ポリカルボン酸およびポリエーテルである。
また、本発明により使用されるミクロゲル(B)は、増粘効果を有することがあるが、本発明により使用される増粘剤(C)とは異なる。というのは、増粘剤(C)は、ミクロゲルではないからである。
本発明により使用される増粘剤(C)は、好ましくはポリ尿素増粘剤、ベントナイト、シリカゲルまたは無機石鹸増粘剤である。
本発明による組成物は、好ましくは組成物の総量に基づいて、0.1から90重量%のミクロゲル(B)および増粘剤(C)を一緒に添加されて含み、ミクロゲル(B)対増粘剤(C)の重量比は、0.1:99.9から99.9:0.1である。
さらに好ましくは、ミクロゲル(B)と増粘剤(C)の和に対する非架橋性有機媒体(A)の重量比は、70:30から99.7:0.3、特に好ましくは80:20から90:10である。
本発明による組成物は、非架橋性有機媒体(A)10から99.9重量%を好ましくは含む。
さらに、本発明による組成物は、好ましくは0.5から90重量%、さらに好ましくは2から40重量%、よりさらに好ましくは5から30重量%の、組成物の総量に基づいたミクロゲル(B)と増粘剤(C)の和を含む。
さらに、本発明による組成物は、好ましくは10から99.5重量%、さらに好ましくは40から97重量%、よりさらに好ましくは50から95重量%、特に好ましくは60から95重量%の有機媒体(A)を含む。
本発明による組成物は、好ましくは非架橋性有機媒体(A)、ミクロゲル(B)、増粘剤(C)、および場合によって下記の他の成分を含む。水の存在は、好ましくない。本発明による組成物は、好ましくは0.8重量%未満、さらに好ましくは0.5重量%未満の水を含む。特に好ましくは、水の存在は、除外される(<0.1重量%)。一般に、製造方法の結果として、本発明による組成物には、水が存在しない。
本発明による組成物は、分散助剤、酸化防止剤、極圧および磨耗保護添加剤、固体潤滑剤、摩擦改質剤、界面活性剤分散添加剤、泡防止剤、流動点降下剤、接着性向上剤、防腐剤、着色剤、静電防止剤、脱泡剤、流動促進剤、流動制御剤、基質湿潤用助剤、抗析出剤、導電性を制御するための基質湿潤制御用助剤、脱乳化剤、耐食性添加剤、非鉄金属奪活剤、摩擦係数を変更するための薬品等(W.J.Bartz、Additive in Schmierstoffen 1994 Expert Verlag Renningen−Malmsheim)などの、その他の充填剤、顔料、および添加剤を含むことができる。
上記の添加剤を、特に均質に、本発明による組成物中に組み込むことができ、これは、また、それから製造される、ポリマー組成物、潤滑剤等の生産物の改良をもたらす。
非架橋性有機媒体(A)、およびそれから製造されるミクロゲル含有プラスチック材料を含む本発明による組成物を製造するための、特に適切な顔料、充填剤は、例えば、有機および無機顔料、珪酸質の充填剤(カオリン、タルカムなどの)、カルシウムカーボネートなどのカーボネート、ドロマイト、硫酸バリウム、金属酸化物(酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムなどの)、高分散シリカ(沈殿シリカおよび熱的に製造されたシリカ)、増粘剤として使用されない後者のもの、金属水酸化物(水酸化アルミニウムおよび水酸化マグネシウムなどの)、ガラス繊維、ガラス繊維製品(スレート、ストランド、またはガラスマイクロビーズ)、炭素繊維、熱可塑性繊維(ポリアミド、ポリエステル、アラミド)、ポリクロロプレンおよび/またはポリブタジエンをベースとするゴムゲル、または高架橋度および5から1000nmの粒径を有する任意の他の前記ゲル粒子である。
言及した充填剤は、単独または混合物として使用され得る。本方法の特に好ましい実施形態において、0.5から30重量部のゴムゲル(B)+増粘剤(C)、場合によって0.1から40重量部の充填剤と一緒に、および30から99.5重量部の液体非架橋性媒体(A)が、本発明による組成物を生成するために使用される。
本発明による組成物は、抗酸化剤、熱安定剤、光保護剤、抗オゾン剤、加工助剤、可塑
剤、粘着性付与剤、発泡剤、着色剤、ワックス、増量剤、有機酸および、例えばトリメト
キシシランなどの充填剤活性化剤、ポリエチレングリコールまたは記載された工業におい
て知られているその他のものを含むことができる。
通常の量において使用される助剤は、とりわけ意図する用途によって決められる。通常の量は、例えば、液体媒体(A)の量、または使用されるゴムゲル(B)に基づいて0.1から50重量%の量である。
好ましい実施形態において、本発明による組成物は、少なくとも1種の120℃で30000mPas未満の粘度を有する非架橋性有機媒体(A)と、好ましくはエネルギーに富む放射線によって架橋されていない少なくとも1種の乾燥ミクロゲル粉(B)(好ましくは1重量%未満、さらに好ましくは0.5重量%未満の揮発性物質)(成分(A)と(B)を混合する場合は、ミクロゲルラテックスは使用されない。)、および場合によって増粘剤(C)を混合することによって製造され、混合にはホモジナイザー、パールミル、三本ロールミル、単軸スクリューまたは多軸スクリュー押出機、混練機および/または溶解機、好ましくはホモジナイザー、パールミルまたは三本ロールを使用する。増粘剤(C)は、均質化の間に存在してよく、または後に添加されてよい。増粘剤(C)は、好ましくは均質化の間に存在する。
生産される組成物の粘度に関して、非常に高い粘性(殆んど固体から固体)の組成物だけに好ましくは使用することができる混練機は、非常に限定された範囲で使用することができ、すなわち特別の場合にだけ使用される。
パールミルの欠点は、比較的、粘度範囲が限定され(薄い組成物に向く)、清掃手順に非常にコストがかかり、使用し得る組成物に対する生産物交換が高価であり、ボールおよびミリング装置の磨耗があることである。
本発明による組成物の均質化は、特に好ましくはホモジナイザーまたは三本ロールミルにおいて実施される。三本ロールミルの欠点は、比較的、粘度範囲が限定され(非常に厚い組成物に向く)、処理量が低く、作業が非密閉型であることである(作業員の保護に欠点がある)。
したがって、本発明による組成物の均質化は、ホモジナイザーを使用して非常に好ましく実施される。ホモジナイザーは、薄い組成物および厚い組成物の処理を高出力(高適応性)でできるようにする。生産物の交換が比較的迅速に可能であり、何の問題もない。
ミクロゲル(B)を非架橋性有機媒体(A)中に分散できることは、驚きであり、新規なことである。分散が、一次粒子にまで実現することは特に驚きである(実施例参照)。
液体媒体(A)中の、ミクロゲル(B)の分散、および場合によって増粘剤(C)の分散は、均質化バルブ(図1参照)中のホモジナイザーにおいて、好都合に実施される。
本発明により、好ましく使用されるプロセスにおいて、凝集物を結合体および/または一次粒子に予備分割する。凝集物は、物理的に分離可能な単位であり、これを分散する間に、一次粒子の大きさには変化は生じない。
図1はホモジナイザーバルブの機能のモードを示す。
均質化されるべき生成物は、低速で均質化バルブに入り、ホモジナイザースリットにおいて高速に加速される。分散は、スリットの後で、乱流およびキャビテーションにより主として行われる。(William D.Pandolfe、Peder Baekgaard、Marketing Bulletin from APV Homogeniser Group− Homgenizer Group−「高圧ホモジナイザー、プロセス、製品および適用分野(High−pressure homgenizers、processes、product and applications)」
ホモジナイザー中に、供給された場合の本発明による組成物の温度は、好都合には−40〜140℃、好ましくは20〜80℃である。
均質化される本発明による組成物は、好都合には20から4000バール、好ましくは100から4000バール、好ましくは200から4000バール、好ましくは200から2000バール、非常に好ましくは500から1500バールで機械中で均質化される。通過回数は、実際の材料に望まれる分散品質によって決まり、1から20回、好ましくは1から10回、さらに好ましくは1から4回、機械を通すことができる。
本発明により生産された組成物は、特に微細な粒子分布を有し、これは特にホモジナイザーで実現され、ホモジナイザーは、また液体媒体および得られた組成物の粘度および必要な温度ならびに分散材料を変化させることについて、プロセスの適応性に関して非常に有利である。
また、本発明は、潤滑剤、被覆剤、接着剤、ゴム、ポリマー、プラスチック材料およびTPEsまた、通常のプロセスによってそれから製造された成形品および被覆における、本発明による組成物の使用を可能にする。
本発明を、以下の実施例を見ることによってさらに詳細に説明する。明らかに、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
ミクロゲル、増粘剤および使用された潤滑剤
Micromorph 5Pは、RheinChemie Rheinau GmbHからのSBRをベースとするOH価4を有する架橋ゴムゲルである。
Micromorph 1Pは、RheinChemie Rheinau GmbHからのSBRをベースとする架橋、表面修飾ゴムゲルである。
OBR 1326Kは、Lanxess AGからのBR(ブタジエンゴム)をベースとする架橋、表面修飾ゴムゲル(実験室生成物)である。
OBR 1295は、Lanxess AGからのアクリロニトリルをベースとする架橋、非表面修飾ゴムゲル(実験室生成物)である(表1)。
Additin M 10411は、RheinChemie Rheinau GmbHからのポリ尿素増粘剤である。
Nynas T 110は、Nynas Naphthennics ABからの水素化ナフテン系オイルである。
Figure 0005474273
ゲルに対する特性データを表2に要約する。
Figure 0005474273
表に対する凡例:
DCP:ジクミルペルオキシド
50:直径d50は、DIN 53 206に従って、平均と定義される。これは、ラテックス中の粒子の平均直径を表す。ラテックス粒子の粒子直径を、ここでは超遠心処理(W.Scholtan、H.Lange:「Bestimmung der Teilchengrosenverteilung von Latices mit der Ultrazintrifuge」、Kolloid−Zeitschrift und Zeitschrift fur Polymere(1972)250版、8号)を使用して求めた。本発明による組成物における、ラテックスに対する、および一次粒子に対する直径のデータは、同じである。これはミクロゲル粒子の粒径は、本発明による組成物生成の間に変化しないからである。
Tg:ガラス転移温度
TgおよびΔTgを求めるために、Perkin−Elmer DSC−2機器を使用する。
膨潤指数 QI
膨潤指数 QIを以下のように求めた。
膨潤指数は、トルエン中23℃で24時間放置した後の、膨潤した溶媒含有ミクロゲルの重量と乾燥ミクロゲルの重量から求める:
Qi=ミクロゲルの湿潤重量/ミクロゲルの乾燥重量
膨潤指数を求めるために、250mgのミクロゲルを、24時間、25mlのトルエン中で振とうしながら膨潤する。トルエンで膨潤された(湿潤)ゲルを、20000rpmで遠心処理した後、計量し、次いで、70℃で恒量になるまで乾燥し、再び計量した。
OH 価(ヒドロキシル価)
OH 価(ヒドロキシル価)は、DIN 53240に従って求められ、無水酢酸でアセチル化する間に1gの物質から放出される酢酸の量と当量である、mgにおけるKOHの量に対応する。
酸価
酸価は、上記の通り、DIN53402に従って求められ、1gのポリマーを中和するために必要とされる、mgにおけるKOHの量に対応する。
ゲル含量
ゲル含量は、23℃でトルエン中に不溶である部分に対応する。ゲル含量は、乾燥残渣と初期に計量した量との商によって与えられ、重量百分率として示される。
Micromorph 1Pを得るための調製実施例1
Micromorph 1Pは、ヒドロキシル修飾SBRをベースとするミクロゲルであり、架橋コモノマー、エチレングリコールジメタクリレートを使用して直接乳化重合によって調製される。
長鎖アルキルスルホン酸のNa塩325g(Bayer AGからのMersolat K30/95、330g)およびメチレン−橋かけナフタレンスルホン酸のNa塩(Bayer AGからのBaykanol PQ)235gを水18.71kg中に溶解し、40 lオートクレーブ中に入れる。オートクレーブを3回排気し窒素で充填する。次いで、スチレン8.82kg、ブタジエン1.32kg、エチレングリコールジメタクリレート(90%)503g、ヒドロキシエチルメタクリレート(96%)314g、およびハイドロキノンモノメチルエーテル0.75gを添加する。反応混合物を撹拌しながら30℃に加熱する。次いで、水170g、エチレンジアミン四酢酸(Merck−Schuchardt)1.69g、鉄(II)スルフェート*7HO 1.35g、ロンガリットC(Merck−Schuchardt)3.47g、およびリン酸三ナトリウム*12HO 5.24gを添加した。p−メンタンヒドロペルオキシド(Akzo−DegussaからのTrigonox NT 50)の水溶液2.8gおよび水250g中に溶解したMersolat K 30/9510.53gを添加することによって、反応を開始した。反応時間5時間後、Mersolat K30/95、10.53gおよびp−メンタンヒドロペルオキシド(Trigonox NT 50)2.8gを溶解した水250gからなる水溶液で混合物を後活性化する。95〜99%の重合転化率を実現した後、水500g中に溶解したジエチルヒドロキシルアミン25.53gの水溶液を添加することによって重合を停止する。次いで、未反応モノマーを水蒸気でストリッピングすることによってラテックスから除去する。ラテックスを米国特許第6399706号におけるように濾過し、安定剤を添加し、ラテックスを凝固させて乾燥する。
Micromorph 5Pは、同様に調製される。乾燥したさらに処理可能なミクロゲル粉体Micromorph 1PおよびMicromorph 5Pは、噴霧乾燥によってラテックスから得られた。
Micromorph 5P(ペルオキシドで架橋されたミクロゲル)を得るための調製実施例2
スチレン39重量%を含むSBRラテックス(Bayer FranceからのKrylene 1721)を、ラテックス形態においてジクミルペルオキシド(DCP)2.5phrで架橋させることによって、ミクロゲルが調製される。
ジクミルペルオキシドによるKrylene 1721の架橋は、米国特許第6127488号における実施例1)〜4)において記載されているのと同じ方法で実施され、ここでは、ジクミルペルオキシド2.5phrが架橋プロセスに対して使用された。
ミクロゲルを使用する前に、Heraeus Instruments、からのmodel Vacutherm VT 6131真空乾燥機中において、100バールで恒量に乾燥する。
本発明による組成物の調製
本発明による組成物を調製するには、非架橋性有機媒体および関連するミクロゲルおよび増粘剤Additin 10411を、撹拌しながら溶解機中に一緒に添加した。混合物を少なくとも1日の間、放置し、次いで、さらにホモジナイザーで処理した。本発明による組成物を室温でホモジナイザー中に入れ、バッチ操作下、900から1000バールで、ホモジナイザーを4回通過させた。第1回の通過の間、ミクロゲルペーストを約40℃に、第2回の通過の間、約70℃に加熱した。その後、ミクロゲルペーストを放置することによって室温に冷却させ、次いで、4回の通過を達成するまで処理繰り返した。
組成物のレオロジー特性を、PhysicaからのRheometer MCR300を使用して求めた。使用した測定ユニットは、CP 50−2 プレート−および−コー
ンシステムにより実施した。測定は、20℃で実施した。(せん断プログラム:温度=20℃)。
表3は、せん断速度5s−1、100s−1、1000s−1および0.1s−1のυ’で求められた、粘度ηを与える。
Figure 0005474273
表において以下の略語を使用する。
NT110 Nynas T110
A10411 Additin 10411
4x ホモジナイザーにより4回通過させた
表3は、Nynas T110中で、Additin 10411をミクロゲルと混ぜ合わすことによって、Additinのない組成物と比較して粘度が上昇することを示す。
ホモジナイザーバルブの作用形式を示す図である。

Claims (38)

  1. 120℃の温度において30000mPas未満の粘度を有する鉱油である少なくとも1種の非架橋性有機媒体(A)、少なくとも1種のゴムミクロゲル(B)(荷電性ミクロゲルを除く)および少なくとも1種の増粘剤(C)を含み、
    ゴムミクロゲル(B)中の一次粒子が、5から500nmの平均粒径を有する
    ことを特徴とする、組成物。
  2. 非架橋性有機媒体(A)が、120℃の温度において1000mPas未満の粘度を有する請求項1に記載の組成物。
  3. 非架橋性有機媒体(A)が、120℃の温度において200mPas未満の粘度を有する請求項1または2のいずれか一項に記載の組成物。
  4. ゴムミクロゲル(B)中の一次粒子が、球状の形状を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. ゴムミクロゲル(B)中の個々の一次粒子の直径における差が、
    [(d1−d2)/d2]×100
    [式中、d1およびd2は、一次粒子の任意の2つの直径であり、d1>d2である。]と定義され、250%未満であることを特徴とする請求項1または4に記載の組成物。
  6. 請求項5で述べた差が、50%未満である請求項5に記載の組成物。
  7. ゴムミクロゲル(B)中の一次粒子が、20から400nmの平均粒径を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. ゴムミクロゲル(B)中の一次粒子が、99nm未満の平均粒径を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
  9. ゴムミクロゲル(B)の少なくとも70重量%の部分が、23℃でトルエンに不溶であることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. ゴムミクロゲル(B)が、23℃でトルエン中、80未満の膨潤指数を有することを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
  11. ゴムミクロゲル(B)が、−100℃から+120℃のガラス転移温度を有することを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
  12. ゴムミクロゲル(B)が、エネルギーに富む放射線によって架橋されていない架橋ミクロゲルであることを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物。
  13. ゴムミクロゲル(B)が、5℃より大きな幅を有するガラス転移領域を有することを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の組成物。
  14. ゴムミクロゲル(B)が、乳化重合によって得られることを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の組成物。
  15. ゴムミクロゲル(B)が、ポリブタジエン、ブタジエン/C1−C4アルキルアクリレートコポリマー、ポリイソプレン、スチレン含量1〜60重量%のスチレン−ブタジエンコポリマー、カルボキシル化スチレン−ブタジエンコポリマー、フッ素化ゴム、アクリレートゴム、アクリロニトリル含量5〜60重量%のポリブタジエン−アクリロニトリルコポリマー、カルボキシル化ニトリルゴム、ポリクロロプレン、イソプレン含量0.5〜10重量%のイソブチレン/イソプレンコポリマー、臭素含量0.1〜10重量%の臭素化イソブチレン/イソプレンコポリマー、塩素含量0.1〜10重量%の塩素化イソブチレン/イソプレンコポリマー、部分的および完全水素化ニトリルゴム、エチレン−プロピレン−ジエンコポリマー、エチレン/アクリレートコポリマー、エチレン/酢酸ビニルコポリマー、エピクロロヒドリンゴム、シリコーングラフトポリマーを除くシリコーンゴム、ポリエステルウレタンポリマー、ポリエーテルウレタンポリマーまたはエポキシ化天然ゴムおよびまたはその混合物を架橋することによって得られることを特徴とする請求項1から14のいずれか一項に記載の組成物。
  16. ゴムミクロゲル(B)が、ホモポリマーまたはランダムコポリマーをベースとすることを特徴とする請求項1から15のいずれか一項に記載の組成物。
  17. ゴムミクロゲル(B)が、C=C二重結合と反応することができる官能基によって修飾されていることを特徴とする請求項1から16のいずれか一項に記載の組成物。
  18. 増粘剤(C)が、天然有機増粘剤、天然有機増粘剤の誘導体、合成有機増粘剤および無機増粘剤から選択される請求項1から17のいずれか一項に記載の組成物。
  19. 増粘剤(C)が、ポリウレア、置換ポリウレア、ジウレア誘導体、トリウレア誘導体、テトラウレア誘導体、ポリウレア誘導体、ベントナイト、ヘクトライト、モンモリロナイト、ゼオライト、高分散シリカ、合成シリカ、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、場合によって置換されたポリアミド、ポリイミド、種々の金属塩基との単一石鹸、種々の金属塩基との混合石鹸、種々の金属塩基との複合石鹸、セルロースエーテル、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ニルポリマー、ポリエーテルを含む群から選択される請求項1から18のいずれか一項に記載の組成物。
  20. 組成物の総量に基づいて、ゴムミクロゲル(B)と増粘剤(C)を合計で、0.1から90重量%含み、ゴムミクロゲル(B)対増粘剤(C)の重量比が0.1:99.9から99.9:0.1である請求項1から19のいずれか一項に記載の組成物。
  21. 非架橋性有機媒体(A)を10から99.9重量%含むことを特徴とする請求項1から20のいずれか一項に記載の組成物。
  22. 充填剤および/または添加剤も含むことを特徴とする請求項1から21のいずれか一項に記載の組成物。
  23. 添加剤が、酸化および腐食防止剤、極圧および極磨耗保護添加剤、摩擦改質剤、洗剤−分散剤添加剤、分散助剤、泡防止剤、流動点低下剤、接着性向上剤、防腐剤、顔料、着色剤または静電防止剤を含む群から選択される請求項22に記載の組成物。
  24. 非架橋媒体(A)、ゴムミクロゲル(B)および場合によって増粘剤(C)を、ホモジナイザー、パールミル(機械的に撹拌されたボールミル)、三本ロールミル、単軸または多軸スクリュー押出機、混練機、Ultra−Turrax(商標)機および/または溶解機により混合することによって調製し、(A)と(B)との得られた混合物に、後に場合によって増粘剤(C)を添加することを特徴とする請求項1から23のいずれか一項に記載の組成物。
  25. ホモジナイザー、パールミル(機械的に撹拌されたボールミル)、三本ロールミルまたは溶解機を使用して調製されたことを特徴とする請求項24に記載の組成物。
  26. DIN53018によるコーン−および−プレート測定システムを使用して、20℃において求めた、5s−1の速度における2mPasから100000000mPasの粘度を有することを特徴とする請求項1から25のいずれか一項に記載の組成物。
  27. ゴムミクロゲル(B)が、トルエン中23℃において1から15の膨潤指数を有することを特徴とする請求項1から26のいずれか一項に記載の組成物。
  28. ゴムミクロゲル(B)の少なくとも95重量%の部分が、23℃においてトルエンに不溶であることを特徴とする請求項1から27のいずれか一項に記載の組成物。
  29. ゴムミクロゲル(B)が、官能基を含むことを特徴とする請求項1から28のいずれか一項に記載の組成物。
  30. 官能基が、ヒドロキシル、エポキシ、アミン、酸アミド、酸無水物、イソシアナートまたはC=C基であることを特徴とする請求項29に記載の組成物。
  31. ゴムミクロゲル(B)が、ヒドロキシ基で修飾されていないことを特徴とする請求項1から30のいずれか一項に記載の組成物。
  32. ゴムミクロゲル(B)が、修飾されていないことを特徴とする請求項1から31のいずれか一項に記載の組成物。
  33. 潤滑剤を生産するための請求項1から32のいずれか一項に記載の組成物の使用。
  34. 潤滑グリースまたは修飾潤滑油を生産するための請求項33に記載の組成物の使用。
  35. 被覆剤に対する添加剤としての請求項1から32のいずれか一項に記載の組成物の使用。
  36. 請求項1から32のいずれか一項に記載の組成物を含む、被覆剤または潤滑剤。
  37. 増粘剤(C)および一次粒子が5から500nmの平均粒径を有するゴムミクロゲル(B)を、添加剤を含んでいてもよい1種または複数の非架橋性有機媒体中に分散させるステップと、場合によって他の成分を添加するステップとを含むことを特徴とする請求項1から32のいずれか一項に記載の組成物を調製する方法。
  38. 非架橋性有機媒体をベースとする組成物を、熱処理、および/またはホモジナイザー、ボールミル、パールミル、ロールミル、三本ロールミル、単軸または多軸スクリュー押出機、混練機、Ultra−Turrax(商標)機および/または溶解機を使用する処理にかけ、成分(C)を、成分(A)および(B)と一緒に混合するか、成分(A)および(B)を混合した後添加する請求項37に記載の方法。
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